JP2011188710A - 電力変換システムの放電制御装置 - Google Patents

電力変換システムの放電制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インバータIVの高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnの双方をオン状態とすることでコンデンサ16の両電極を短絡状態としてコンデンサ16を放電させる異常時放電制御が、実際に異常が生じた際に動作するか保証できないこと。
【解決手段】診断実行条件が成立すると、リレーSMR2を閉操作することでコンデンサ16を診断用電圧まで充電する。その後、異常時放電指令disを出力することで、高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnをオン状態とすることでコンデンサ16の両電極を短絡状態としてコンデンサ16を放電させる異常時放電制御を行なう。この際、スイッチング素子Swnに電流が流れるか否かをセンス端子Stから出力される微少電流に基づき判断する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、直流電源の電力を所定に変換する電力変換回路と、該電力変換回路および前記直流電源間に介在するキャパシタと、前記電力変換回路および前記キャパシタと前記直流電源との間の電気経路を開閉する開閉手段とを備える電力変換システムに適用され、前記開閉手段が開状態とされる状況下、前記電力変換回路を操作することで前記キャパシタの充電電圧を規定電圧以下に放電制御する放電制御手段を備える電力変換システムの放電制御装置に関する。
この種の放電制御装置としては、例えば下記特許文献1に見られるように、インバータの高電位側のスイッチング素子と低電位側のスイッチング素子とを同時にオン状態とすることで、インバータの入力端子に接続されるコンデンサの両電極を短絡し、コンデンサを放電させるものも提案されている。この制御装置では、コンデンサの両電極を短絡させる際に流れる電流が過度に大きくなることを回避すべく、放電制御時には通常時と比較して、スイッチング素子であるIGBTのゲートの電圧を低減させている。
特開2009−232620号公報
ところで、上記のように放電制御時に通常時とは相違する態様にてスイッチング素子を操作する場合、放電制御を行なう機能は、通常時には利用されない。このため、通常時においてインバータを駆動することができることは、放電制御を正常に行なうことができることを意味しない。このため、放電制御を行なう要求が生じた場合に、放電制御を実際には行なうことができないおそれがある。
なお、高電位側のスイッチング素子と低電位側のスイッチング素子とを同時にオン状態とするものに限らず、一般に放電制御を行なうものにあっては、放電制御を行なう要求が生じた場合に放電制御を実際に行なうことができるか否かが必ずしも保証されないこうした実情も概ね共通したものとなっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電力変換回路を操作することでキャパシタの充電電圧を規定電圧以下に放電制御する放電制御手段による放電制御の異常の有無を適切に診断することのできる電力変換システムの放電制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、直流電源の電力を所定に変換する電力変換回路と、該電力変換回路および前記直流電源間に介在するキャパシタと、前記電力変換回路および前記キャパシタと前記直流電源との間の電気経路を開閉する開閉手段とを備える電力変換システムに適用され、前記開閉手段が開状態とされる状況下、前記電力変換回路を操作することで前記キャパシタの充電電圧を規定電圧以下に放電制御する放電制御手段を備える電力変換システムの放電制御装置において、前記電力変換システムは、車両に搭載されるものであり、車両が近い将来発進することを予測する発進予測手段と、該発進予測手段によって発進すると予測される場合、前記開閉手段を閉状態とすることで、前記キャパシタの充電電圧を前記電力変換回路が本来の目的で操作される際の充電電圧である通常時電圧よりも低い診断用電圧に充電した後、前記開閉手段を開状態とする診断前処理手段と、該診断前処理手段による前記診断用電圧への充電がなされた後、前記放電制御を実行して前記キャパシタが実際に放電されるか否かを確かめることで前記放電制御手段による放電制御の異常の有無を診断する異常診断手段とを備えることを特徴とする。
上記発明では、診断用電圧まで充電した後、放電制御を行なうことで、診断のための放電制御に要する時間を短縮することができ、ひいては発進が可能となるまでに要する時間が診断によって伸長することを好適に抑制することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記電力変換回路は、車載主機としての回転機に接続されるものであり、前記異常診断手段によって正常である旨診断されることと車両の起動スイッチがオン操作されることとの論理積が真となることを条件に前記開閉手段を再度閉状態に切り替える起動前処理手段を更に備えることを特徴とする。
上記発明では、放電手段に異常がない旨診断された後に開閉手段を閉状態として直流電源からキャパシタへの電力供給が可能となるため、車両の発進後、放電制御の要求が生じた場合にキャパシタを確実に放電することができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記車両の起動スイッチがオン操作されて且つ前記異常診断手段によって異常である旨診断される場合、前記開閉手段を閉状態とすることなく、異常がある旨外部に通知する通知手段を更に備えることを特徴とする。
上記発明では、通知手段を備えることで、異常がある旨診断された場合には、車両が発進する以前にその旨をユーザに知らせることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記電力変換回路および前記キャパシタと前記直流電源との間の電気経路は、低抵抗電気経路と高抵抗電気経路とを備え、前記開閉手段は、前記低抵抗電気経路および前記高抵抗電気経路を各別に開閉することができるものであり、前記診断前処理手段は、前記開閉手段を操作することで前記低抵抗電気経路を開状態とした状態で前記高抵抗電気経路を閉状態とすることで前記キャパシタを前記診断用電圧となるまで充電するものであることを特徴とする。
上記発明では、高抵抗電気経路を利用してキャパシタを充電するため、突入電流を好適に抑制することができる。また、直流電源の電圧が診断用電圧よりも相当に大きい場合であっても、開閉手段を閉状態から開状態に切り替える際の遮断電流を小さくすることもできる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記発進予測手段は、車両の起動スイッチがオン操作されることと、車載電子機器に電源を投入するアクセサリスイッチがオン操作されることとの論理和が真となることで前記発進する旨予測することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記診断前処理手段は、前記キャパシタの充電電圧を充電処理時間によって前記診断用電圧に開ループ制御するものであり、前記発進予測手段によって、発進する旨の予測、発進しない旨の予測、および発進する旨の予測である一連のパターンの予測が所定期間内になされた場合、該パターンにおける発進する旨の2度目の予測時には、前記診断前処理手段による充電処理を禁止する禁止手段を更に備えることを特徴とする。
診断用電圧への制御が開ループ制御である場合、開ループ制御による充電後、放電制御がなされる前に再度開ループ制御による充電がなされる場合には、キャパシタの充電電圧が診断用電圧を上回るおそれがある。上記発明では、この点に鑑み、禁止手段を備える。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記電力変換システムの搭載される部材に異常が生じたか否かを判断する判断手段を更に備え、前記電力変換回路は、高電位側のスイッチング素子および低電位側のスイッチング素子の直列接続体であって且つ前記キャパシタに並列接続される直列接続体を備え、前記放電制御手段は、前記判断手段によって異常が生じたと判断される場合に前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子の双方をオン状態とすることで前記キャパシタの両電極を短絡させる処理を行う異常時放電制御手段であり、前記開閉手段が開状態とされて且つ前記異常が生じた旨の判断がなされていない場合に前記短絡させる処理を行なうことなく前記キャパシタを放電する通常時放電手段を更に備えることを特徴とする。
上記異常時放電制御手段は、通常時においては使用されないため、判断手段によって異常が生じたと判断された場合に動作するかを異常の発生前にいかに保証するかが問題となる。この点、上記発明では、異常診断手段の診断対象を異常時放電制御手段とすることで、正常である旨の診断がされた場合には異常時放電制御手段の動作を保証することができる。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子は、電圧制御形のスイッチング素子であり、前記異常時放電制御手段は、前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子の少なくとも一方の非飽和領域の電流が前記電力変換回路が本来の目的で使用される場合よりも小さくなるように前記少なくとも一方のスイッチング素子の導通制御端子に印加する電圧を設定することを特徴とする。
上記発明では、導通制御端子に印加する電圧が異常時放電制御手段による放電制御時と電力変換回路が本来の目的で使用されるときとで相違するため、少なくともスイッチング素子の駆動手段が、放電制御時と本来の目的での使用時とで相違する。このため、放電制御時特有の手段の診断を行なうことの意義が特に大きい。
請求項9記載の発明は、請求項7または8記載の発明において、前記電力変換回路が本来の目的で使用される場合、前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子のいずれか一方がオン状態であるとき、いずれか他方は必ずオフ状態とされることを特徴とする。
上記発明では、本来の目的での使用時において高電位側のスイッチング素子と低電位側のスイッチング素子との双方がオン状態とされることがないため、少なくともスイッチング素子の操作手段が、放電制御時と本来の目的での使用時とで相違する。このため、放電制御時特有の手段の診断を行なうことの意義が特に大きい。
請求項10記載の発明は、請求項8または9記載の発明において、前記電力変換回路は、前記直流電源の電力を交流に変換して回転機に出力する直流交流変換回路を備え、前記電力変換回路の本来の目的とは、前記回転機を稼動させるために前記回転機と前記直流電源との間の電力の授受を仲介することであることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項7〜10のいずれか1項に記載の発明において、前記電力変換回路は、前記直流電源の電力を交流に変換して回転機に出力すべく前記キャパシタの正極側および負極側のそれぞれと前記回転機の端子とを選択的に接続する高電位側のスイッチング素子および低電位側のスイッチング素子を備える直流交流変換回路を備え、前記異常時放電制御手段は、前記直流交流変換回路の備える前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子の双方をオン状態とすることで前記キャパシタの両電極を短絡させる処理を行うことを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項7〜10のいずれか1項に記載の発明において、前記電力変換回路は、前記直流電源の電圧を昇圧する昇圧コンバータと、該昇圧コンバータに接続される直流交流変換回路とを備え、前記昇圧コンバータは、前記キャパシタとしての第1キャパシタと、前記第1キャパシタに並列接続される高電位側のスイッチング素子および低電位側のスイッチング素子と、該一対のスイッチング素子同士の接続点と前記直流電源とを接続するリアクトルと、前記直流電源に並列接続される第2キャパシタとを備え、前記直流交流変換回路は、前記第1キャパシタに並列接続される高電位側のスイッチング素子および低電位側のスイッチング素子を備え、前記放電制御手段は、前記直流交流変換回路および前記昇圧コンバータの少なくとも一方の備える前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子の双方をオン状態とすることで前記放電制御を行なうことを特徴とする。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかるドライブユニットDUの構成を示す回路図。 同実施形態にかかる異常時の放電制御を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる異常時におけるゲート電圧の印加手法を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる通常時の放電制御の処理手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる異常時の放電制御の処理手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる異常診断処理を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる異常時の放電制御機能の診断処理の手順を示す流れ図。 第2の実施形態にかかるシステム構成図。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる電力変換システムの放電制御装置をハイブリッド車に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態のシステム構成を示す。図示されるモータジェネレータ10は、車載主機であり、駆動輪に機械的に連結されている。モータジェネレータ10は、インバータIVと、リレーSMR2および抵抗体14並びにリレーSMR1の並列接続体とを介して高電圧バッテリ12に接続されている。ここで、高電圧バッテリ12は、その端子電圧が例えば百V以上の高電圧となるものである。また、インバータIV1の入力端子のうち、リレーSMR1,SMR2よりもインバータIV側には、コンデンサ16および放電抵抗18が並列接続されている。
インバータIVは、パワー素子としての高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnの直列接続体が3つ並列接続されて構成されている。そして、これら高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnの接続点が、モータジェネレータ10の各相にそれぞれ接続されている。
上記高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnのそれぞれの入出力端子間(コレクタおよびエミッタ間)には、高電位側のフリーホイールダイオードFDpおよび低電位側のフリーホイールダイオードFDnのカソードおよびアノードが接続されている。なお、上記スイッチング素子Swp,Swnは、いずれも絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)にて構成されている。また、スイッチング素子Swp,Swnは、その入力端子および出力端子間に流れる電流と相関を有する微少電流を出力するセンス端子Stを備えている。
センス端子Stの出力する微少電流は、シャント抵抗19を流れ、これによる電圧降下量が、スイッチング素子Sw#(#=p,n)を駆動するためのドライブユニットDUに取り込まれる。ドライブユニットDUは、シャント抵抗19における電圧降下量に基づき、スイッチング素子Sw#の入力端子および出力端子間に流れる電流が閾値電流Ith以上となると判断される場合に、スイッチング素子Sw#を強制的にオフ状態とする機能を有する。
一方、制御装置30は、低電圧バッテリ20を電源とする電子制御装置である。制御装置30は、制御対象としてのモータジェネレータ10の制御量を制御すべく、上記インバータIVを操作する。詳しくは、制御装置30は、図示しない各種センサの検出値等に基づき、インバータIVのU相、V相、およびW相のそれぞれについてのスイッチング素子Swpを操作する操作信号gup,gvp,gwpと、スイッチング素子Swnを操作する操作信号gun,gvn,gwnとを生成し出力する。これにより、スイッチング素子Swp,Swnは、それらの導通制御端子(ゲート)に接続されるドライブユニットDUを介して制御装置30により操作される。また、制御装置30は、自身に作用する力に基づき加速度を検出する加速度検出手段(Gセンサ22)の検出値に基づき、車両の衝突を検知し、衝突が検知された場合、コンデンサ16を強制的に放電させる処理を行なうべく、U相のスイッチング素子Swp,Swnに異常時放電指令disを出力する。
ちなみに、インバータIVを備える高電圧システムと、制御装置30を備える低電圧システムとは、図示しないフォトカプラ等の絶縁手段によって絶縁されており、上記操作信号g*#(*=u,v,w、#=p,n)や、異常時放電指令disは、絶縁手段を介して高電圧システムに出力される。
図2に、スイッチング素子Sw#のドライブユニットDUのうち、特にスイッチング素子Sw#をオン・オフする駆動回路部の構成を示す。
図示されるように、ドライブユニットDUは、端子電圧VHの電源40を備え、電源40の電圧が充電用スイッチング素子42およびゲート抵抗44を介してスイッチング素子Sw#の導通制御端子(ゲート)に印加される。また、スイッチング素子Sw#のゲートは、ゲート抵抗44および放電用スイッチング素子46を介してスイッチング素子の出力端子(エミッタ)に接続され、これがゲートの放電経路となる。充電用スイッチング素子42や放電用スイッチング素子46は、操作信号g*#に応じて通常時用駆動制御部48によってオン・オフ操作される。これにより、スイッチング素子Sw#は、通常時用駆動制御部48によってオン・オフ操作されることとなる。ちなみに、操作信号g*p(*=u,v,w)と操作信号g*nとは、交互にオン状態となる相補信号である。
ここで、U相の上側アームのドライブユニットDUは、図中、破線にて囲った回路を更に備えている。これにより、端子電圧VHよりも低い端子電圧VLを有する電源50の電圧が、充電用スイッチング素子52およびゲート抵抗44を介してスイッチング素子Swpのゲートに印加される。また、ゲートは、ゲート抵抗44および放電用スイッチング素子54を介してスイッチング素子Swpのエミッタに接続されている。そして、充電用スイッチング素子52および放電用スイッチング素子54は、異常時放電指令disに応じて異常時用駆動制御部56によってオン・オフ操作される。これにより、スイッチング素子Swpは、異常時放電指令disに応じてオン・オフ操作される。
なお、U相の下側アームのドライブユニットDUも、異常時放電指令disに応じてスイッチング素子Swnをオン・オフする機能を有する。ただし、この際ゲートに印加する電圧は、電源40の端子電圧VHに等しく設定されている。これは、例えば、電源50に代えて端子電圧VHの電源を搭載することで実現することができる。また例えば、通常時用駆動制御部48に操作信号gunと異常時放電指令disとの論理和信号を入力可能なようにOR回路を設けることで実現することもできる。さらに、U相の下側アームの異常時放電指令disの伝播経路と、操作信号gunの伝播経路とを同一とする構成としてもよい。ちなみに、異常時放電指令disは、高電位側のスイッチング素子Swp用のものと低電位側のスイッチング素子Swn用のものとで相違するが、ここでは便宜上同一のアルファベットにて記載している。
図3に、異常時放電指令disに基づく放電制御の態様を示す。詳しくは、図3(a)に、U相の高電位側のスイッチング素子Swpの状態の推移を示し、図3(b)に、U相の低電位側のスイッチング素子Swnの状態の推移を示し、図3(c)に、コンデンサ16の充電電圧の推移を示す。図示されるように、本実施形態では、U相の低電位側のスイッチング素子Swnをオン状態に維持した状態で、高電位側のスイッチング素子Swpを、オン状態およびオフ状態に周期的に切り替える。これにより、高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnの双方が同時期にオン状態となる期間が存在し、この期間においてコンデンサ16の両電極間がスイッチング素子Swp,Swnを介して短絡状態とされることで、コンデンサ16が放電される。
この際、先の図2に示したドライブユニットDUの構成の故に、図4に示すように高電位側のスイッチング素子Swpのゲート印加電圧の方が低電位側のスイッチング素子Swnのゲート印加電圧よりも低くなる。ここで、図4(a)は、U相の高電位側のスイッチング素子Swpに対する異常時放電指令disの推移を示し、図4(b)は、高電位側のスイッチング素子Swpのゲート・エミッタ間電圧Vgeの推移を示す。また、図4(c)は、U相の低電位側のスイッチング素子Swnに対する異常時放電指令disの推移を示し、図4(d)は、低電位側のスイッチング素子Swnのゲート・エミッタ間電圧Vgeの推移を示す。
こうした構成によれば、高電位側のスイッチング素子Swpは、非飽和領域において駆動されて且つ、低電位側のスイッチング素子Swnは、飽和領域において駆動されることとなる。これは、高電位側のスイッチング素子Swpよりも低電位側のスイッチング素子のゲート印加電圧を低くしたために、高電位側のスイッチング素子Swpの方が低電位側のスイッチング素子よりも非飽和領域の電流が小さくなるためである。これにより、放電制御によって高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnを流れる電流は高電位側のスイッチング素子Swpの非飽和電流に制限されることとなる。また、高電位側のスイッチング素子Swpを複数回オン・オフすることで高電位側のスイッチング素子Swpの1回のオン時間が制限されることによっても、高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnを流れる電流は制限され得る。なお、高電位側のスイッチング素子Swpの非飽和領域の電流は、上記ドライブユニットDUが規定する閾値電流Ith未満となるように設定することが望ましい。ちなみに、上記端子電圧VHは、閾値電流Ithを飽和領域のものとするものである。すなわち、モータジェネレータ10の制御量の制御時においては、スイッチング素子Swp,Swnは、飽和領域で駆動される。
この放電制御は、車両の衝突時等に行われるものであるが、本実施形態では、車両が通常時において停止し、リレーSMR1が開状態に切り替えられた際にもインバータIVを操作することで放電制御を行なう。ただし、この際の放電制御は、モータジェネレータ10に無効電流を流すことで実行される。これにより、放電抵抗18によるコンデンサ16の放電よりも迅速にコンデンサ16を放電させることができる。ちなみに、放電抵抗18は、例えば車両の牽引等によってモータジェネレータ10が発電状態となりコンデンサ16が充電される等の不測の事態に備えたものである。
図5に、本実施形態における通常時の放電制御の処理手順を示す。この処理は、制御装置30によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、車両の起動スイッチがオフ操作されることでリレーSMR1が閉状態から開状態に切り替えられたか否かを判断する。ここで、車両の起動スイッチとは、ユーザが車両の起動を許可するための手段である。なお、起動スイッチは、必ずしも機械的な操作を要するものに限らず、例えば、ユーザが携帯する無線機器であって車両に近接することで起動許可信号が車両側によって受信可能なものであってもよい。ステップS10において肯定判断される場合、ステップS12において、無効電流を流すように操作信号g*#を設定して各スイッチング素子Sw#に出力する。ここでは、例えばモータジェネレータ10がIPMSMやSPMである場合、q軸電流をゼロとして且つd軸電流の絶対値をゼロよりも大きくするように操作信号g*#を設定すればよい。
なお、ステップS12の処理が完了する場合や、ステップS10において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図6に、本実施形態における異常時放電制御の処理手順を示す。この処理は、制御装置30によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS20において、Gセンサ22の検出値を入力する。続くステップS22では、入力される検出値に基づき車両が衝突したか否かを判断する。ここでは、検出される加速度が所定値以上である場合、衝突した旨判断すればよい。そして、車両が衝突したと判断される場合、ステップS24においてリレーSMR1、SMR2を開状態とする。さらに、ステップS26において、異常時放電指令disを出力する。なお、ステップS26の処理が完了する場合や、ステップS22において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
ところで、上記異常時放電制御は、車両の衝突という異常事態が生じない限り利用されないものである。そして、異常時において確実に異常時放電制御がなされるか否かは、モータジェネレータ10を通常に制御しうるか否かによっては判断できない。これは、異常時放電指令disが操作信号gup,gunとは別の信号であることや、異常時放電制御に際して利用される駆動回路がモータジェネレータ10の制御量の制御時におけるものとは相違することなどのためである。
そこで本実施形態では、リレーSMR2を閉操作することでコンデンサ16を充電した後、異常時放電制御を行なうことで先の図1に示す放電検出回路32を用いてコンデンサ16の放電の有無を判断する。これにより、異常時放電制御が確実に実行可能であるか否かを診断することができる。
図7に、本実施形態にかかる異常時放電制御の異常の有無の診断手法を示す。詳しくは、図7(a)は、リレーSMR1の状態の推移を示し、図7(b)は、リレーSMR2の状態の推移を示し、図7(c)は、U相の高電位側のスイッチング素子Swpの状態の推移を示し、図7(d)は、U相の低電位側のスイッチング素子Swnの状態の推移を示し、図7(e)は、コンデンサ16の状態の推移を示す。
図示されるように、コンデンサ16が充電されていない状態においてリレーSMR2を短時間閉状態とすることでコンデンサ16を診断用電圧Vdgに充電する。この診断用電圧Vdgは、高電圧バッテリ12の端子電圧よりも低い。特に、本実施形態では、「60V」以下に設定される。これは、コンデンサ16の充電電圧を人体に危険が生じないと想定される電圧に制限するための設定である。診断用電圧Vdgへの充電が完了した後、上記異常時放電制御を実行する。そして、異常放電制御によってコンデンサ16の放電が確認されると、リレーSMR1を開状態とした状態でリレーSMR2を閉状態とすることで抵抗体14を備える高抵抗電気経路にてコンデンサ16を充電した後、リレーSMR2を開状態且つリレーSMR1を閉状態とすることで高電圧バッテリ12およびコンデンサ16間を低抵抗電気経路にて接続する。
図8に、本実施形態にかかる異常時放電制御の異常の有無の診断処理の手順を示す。この処理は、制御装置30によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS30において、診断実行条件が成立している旨のフラグである診断実行フラグがオン状態であるか否かを判断する。そして、否定判断される場合、ステップS32において、起動スイッチがオン操作されることと、車載電子機器に電源を投入するアクセルスイッチがオン操作されることとの論理和が真であるか否かを判断する。この処理は、近い将来車両が発進するか否かを予測するためのものである。なお、起動スイッチについては、先の図5のステップS10において説明した。ステップSS32において肯定判断される場合、ステップS34において、診断実行フラグが前回オン状態に切り替わった後オフ状態となるまでの時間が所定時間TT以上であるか否かを判断する。この処理は、診断のためのコンデンサ16の充電後、放電がなされることなく診断実行条件が成立しなくなり未だ放電制御がなされていない場合にコンデンサ16が再度充電されることを回避するためのものである。ここで所定時間TTは、ステップS32において肯定判断されてから放電制御が完了するまでに要する時間以上に設定されている。そしてステップS34において肯定判断される場合、ステップS36において、診断実行フラグをオンとする。
一方、上記ステップS30において肯定判断される場合、ステップS38において、起動スイッチがオン操作されることと、車載電子機器に電源を投入するアクセルスイッチがオン操作されることとの論理和が真であるか否かを判断する。この処理は、診断実行条件が成立しなくなったか否かを判断するためのものである。そして、ステップS38において否定判断される場合、ステップS40において診断実行フラグをオフとする。
これに対しステップS38において肯定判断される場合や、ステップS36の処理が完了する場合には、ステップS42においてリレーSMR2を閉状態とする。続くステップS44では、SMR2の閉操作から所定時間Tcが経過したか否かを判断する。この所定時間Tcは、コンデンサ16の充電電圧を診断用電圧Vdgに開ループ制御するための操作量である。そして、所定時間Tc経過したと判断される場合、ステップS46において、リレーSMR2を開状態とする。続くステップS48では、異常時放電指令disを出力する。これにより、放電制御がなされることとなる。そして、ステップS50では、コンデンサ16の放電電流が検出されたか否かを判断する。そして検出されたと判断される場合、ステップS52において異常診断フラグをオフする。
上記ステップS52の処理が完了する場合や、ステップS34において否定判断される場合には、ステップS54において、起動スイッチがオンであるか否かを判断する。そしてオンであると判断される場合、ステップS56においてリレーSMR2を閉状態とし、所定時間待機する(ステップS58)。ここでの待機処理は、リレーSMR2を介してコンデンサ16の充電電圧を高電圧バッテリ12の端子電圧まで充電するためのものである。そして所定時間が経過すると、ステップS60において、リレーSMR2を開状態として且つリレーSMR1を閉状態とする。
一方、ステップS50において否定判断される場合、ステップS62において、外部に対して異常である旨通知することでユーザにその旨を知らせる処理を行なう。なお、ステップS60、S62、S40の処理が完了する場合や、ステップS32、S44,S54において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)車両が近い将来発進すると予測される場合、リレーSMR2を閉状態とすることで、コンデンサ16の充電電圧を診断用電圧Vdgに充電した後、リレーSMR2を開状態とし、異常放電制御を実行してコンデンサ16が実際に放電されるか否かを確かめた。これにより、発進が可能となるまでに要する時間が診断によって伸長することを好適に抑制しつつも、異常時放電制御の異常の有無を診断することができる。
(2)正常である旨診断されることと車両の起動スイッチがオン操作されることとの論理積が真となることを条件にリレーSMR2を再度閉状態に切り替えた。これにより、車両の発進後、放電制御の要求が生じた場合にコンデンサ16を確実に放電することができる。
(3)異常である旨診断される場合、リレーSMR2を閉状態とすることなく、異常がある旨外部に通知した。これにより、車両が発進する以前にその旨をユーザに知らせることができる。
(4)発進する旨の予測、発進しない旨の予測、および発進する旨の予測である一連のパターンの予測が所定期間内になされた場合、該パターンにおける発進する旨の2度目の予測時には、診断のためのコンデンサ16の充電を禁止した。これにより、診断のためのコンデンサ16の充電処理による充電電圧が診断用電圧Vdgを上回ることを回避することができる。
(5)診断対象を、異常時放電制御とした。異常時放電制御は通常時においては使用されないため、異常が生じたと判断された場合に動作することを異常の発生前にいかに保証するかが問題となるため、上記診断処理の利用価値が特に大きい。
(6)高電位側のスイッチング素子Swpの非飽和領域の電流がモータジェネレータ10の制御量の制御時におけるものよりも異常時放電制御時の方が小さくなるように高電位側のスイッチング素子Swpのゲートに印加する電圧(端子電圧VL)を設定した。これにより、制御量の制御時と異常時放電制御時とでスイッチング素子Swpの駆動手段が相違することとなるため、異常時放電制御時特有の手段の診断を行なうことの意義が特に大きい。
(7)異常時放電制御時において、低電位側のスイッチング素子Swnのゲートに高電圧(端子電圧VH)を印加してオン状態に維持した状態で、高電位側のスイッチング素子Swpのゲートに低電圧(端子電圧VL)を断続的に印加してオン・オフ操作を繰り返すことで異常時放電制御を行った。これにより、オン・オフ操作を繰り返す側のゲート・エミッタ間の電位を安定させることができる等、異常時放電制御を好適に行なうことができる。
(8)コンデンサ16の放電経路に電流が流れるか否かに基づき異常時放電制御の診断を行った。放電経路の電流は、通常時と放電制御時とで大差ないため、通常時において放電経路の電流を検出する手段によって異常時放電制御時に電流が流れるか否かを高精度に判断することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図9に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図9において、先の図1に示した部材と対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、インバータIVと高電圧バッテリ12との間に、昇圧コンバータCVを備える。昇圧コンバータCVは、コンデンサ17と、これに並列接続される高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnの直列接続体と、高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnの接続点とコンデンサ16とを接続するリアクトルLとを備えている。
この場合、コンデンサ16,17が放電対象となる。ここで、インバータIVのU相の高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnを用いてコンデンサ17を放電することで、コンデンサ16の電圧も放電される。これは、コンデンサ17の電圧がコンデンサ16の電圧よりも低くなることで、リアクトルLおよび昇圧コンバータCVのフリーホイールダイオードFDpを介してコンデンサ16からコンデンサ17に電流が流れるためである。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
<発進予測手段について>
発進予測手段としては、起動スイッチやアクセサリスイッチのオン操作によって発進する旨予測するものに限らない。例えばブレーキ操作がなされることで発進する旨予測するものであってもよい。また例えば、起動スイッチおよびアクセサリスイッチを、専用のスイッチのオン操作とブレーキ操作との組み合わせによって実現してもよい。すなわち、専用のスイッチがオン操作されるもののブレーキ操作がなされない場合をアクセサリスイッチオンとして且つ、専用のスイッチがオン操作されて且つブレーキ操作がなされる場合を起動スイッチオンとしてもよい。なお、上記各実施形態では、起動スイッチがオン状態でなくてもアクセサリスイッチがオン操作されるときには制御装置30が起動されることを想定したが、起動スイッチがオン状態でないならアクセサリスイッチがオン操作されても制御装置30が起動されない構成であってもよい。ただし、この場合、アクセサリスイッチがオン操作されたのみでは、発進する旨を制御装置30によって予測することができない。
<診断手段について>
コンデンサ16,17の放電経路に電流が流れるか否かを判断するために利用されるものとしては、センス端子Stの出力電流に限らない。例えば、放電経路にホール素子等の電流センサを設けてその検出値を利用してもよい。
また、実際に放電されるか否かを確かめる手法としては、放電経路に電流が流れるか否かを判断するものに限らず、例えばコンデンサ16,17の電圧の低下を検出するものであってもよい。
<診断用電圧について>
診断用電圧としては、60V以下の規定電圧に限らない。例えば「42V」以下の規定電圧であってもよい。
<判断手段について>
電力変換システムの搭載される部材に異常が生じたか否かを判断する判断手段としては、低電圧システム内に搭載されて操作信号gup,gun,gvp,gvn,gwp,gwnを生成する制御装置30に限らない。例えば、高電圧システム内に搭載されて且つ異常時放電指令disを生成する専用の手段としてもよい。ただし、この場合であっても制御装置30も異常時放電指令disを診断用に出力可能とすることが望ましい。これは、例えば、ドライブユニットDUの入力信号を、専用の手段の信号と制御装置30からの信号との論理和とすることで実現することができる。もっとも、制御装置30が異常時放電指令disを生成する機能を備えなくても、上記専用の手段を操作することで同手段に異常時放電指令disを出力させるなら、診断を実行することができる。
また、判断手段としては、Gセンサ22の検出値に基づき異常が生じたと判断するものに限らない。例えばモータジェネレータやインバータIV、昇圧コンバータCV等を備える電力変換システムの異常の有無の診断手段の診断結果に基づくものであってもよい。
<ドライブユニットDUについて>
U相の上側アームのドライブユニットDUとしては、通常時における充電用スイッチング素子42および放電用スイッチング素子46と、異常時における充電用スイッチング素子52および放電用スイッチング素子54とを各別に備えるものに限らない。例えば、これらを共有する代わりに、充電用スイッチング素子の入力端子に電圧を印加する手段を、通常時と異常時とで異ならせてもよい。
<通常時放電手段について>
通常時放電手段としては、モータジェネレータ10に無効電流を流す処理を行なうものに限らない。例えば放電抵抗18によってコンデンサ16,17を放電させる手段であってもよい。また例えば、インバータIVの正極側入力端子と負極側入力端子との間にリレーおよび抵抗体を備える放電回路を設け、リレーを操作する手段であってもよい。
さらに、上記各実施形態における異常時放電制御を行なう手段を、通常時放電手段としてもよい。
<異常時放電制御手段について>
異常時放電制御手段としては、低電位側のスイッチング素子Swnをオン状態に保った状態で高電位側のスイッチング素子Swpのオン状態およびオフ状態を複数回繰り返すことでコンデンサ16,17の両電極の短絡状態を複数回生成する処理を行なうものに限らない。例えば、高電位側のスイッチング素子Swpをオン状態に保った状態で低電位側のスイッチング素子Swnのオン状態およびオフ状態を複数回繰り返すことでコンデンサ16,17の両電極の短絡状態を複数回生成する処理を行なうものであってもよい。ただし、この場合であっても、オン状態およびオフ状態を複数回繰り返す側のゲート印加電圧の方を低く設定し、非飽和領域で動作させることが望ましい。また、例えば高電位側のスイッチング素子Swpと低電位側のスイッチング素子Swnとの同時のオン状態および同時のオフ状態を複数回繰り返すことでコンデンサ16,17の両電極の短絡状態を複数回生成する処理を行なうものであってもよい。ここで、これら高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnの少なくとも一方を非飽和領域で動作させるべくゲート印加電圧を調節してもよいが、双方を非飽和領域で動作するようにしてもよい。また、高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnの双方を、放電制御期間において一度だけオン状態とするものであってもよい。
また、モータジェネレータ10の1の相に電圧を印加する高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnの組のみを用いて放電制御を行なうものに限らない。例えば全相の高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnを同時にオン状態とするものであってもよい。また例えば、各相の高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnを順次オン状態とするように切り替えるものであってもよい。
さらに、インバータIVの高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnの組のみを用いて放電制御を行なうものに限らない。例えばコンバータCVの高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnの組を用いて放電制御を行なうものであってもよい。
加えて、高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnを同時にオン状態とすることでコンデンサ16,17の両電極を短絡させるものに限らない。例えばモータジェネレータ10に無効電流を流す手段であってもよい。この場合、たとえば通常時放電手段を、放電抵抗18によって放電させる手段とすればよい。
<診断前処理手段について>
診断前処理手段としては、コンデンサ16,17の電圧を開ループ制御によって診断用電圧に制御するものに限らず、フィードバック制御する手段であってもよい。
<直流交流変換回路について>
放電制御に際して高電位側のスイッチング素子および低電位側のスイッチング素子の双方がオン状態とされる直流交流変換回路(インバータIV)としては、車載主機としての回転機と高電圧バッテリ12との間の電力の授受を仲介するものに限らない。例えば、空調装置の備える回転機等、主機以外の回転機と高電圧バッテリ12との間の電力の授受を仲介するものであってもよい。
<そのほか>
・放電制御に用いる高電位側のスイッチング素子Swpや低電位側のスイッチング素子Swnとしては、IGBTに限らず、例えばパワーMOS型電界効果トランジスタ等の電界効果トランジスタであってもよい。
・車両としては、ハイブリッド車に限らず、例えば車載主機として回転機のみを備える電気自動車等であってもよい。
・放電制御装置としては、車両に搭載されるものに限らず、例えば住宅に設けられる直流電源の電力を交流に変換する電力変換システムに適用されるものであってもよい。この場合、異常時とは、例えば地震等が検地された場合とすればよい。
10…モータジェネレータ、12…高電圧バッテリ(直流電源の一実施形態)、16,17…コンデンサ、30…制御装置、60…診断用充電部、70…診断部、Swp…高電位側のスイッチング素子、Swn…低電位側のスイッチング素子Swn。

Claims (12)

  1. 直流電源の電力を所定に変換する電力変換回路と、該電力変換回路および前記直流電源間に介在するキャパシタと、前記電力変換回路および前記キャパシタと前記直流電源との間の電気経路を開閉する開閉手段とを備える電力変換システムに適用され、前記開閉手段が開状態とされる状況下、前記電力変換回路を操作することで前記キャパシタの充電電圧を規定電圧以下に放電制御する放電制御手段を備える電力変換システムの放電制御装置において、
    前記電力変換システムは、車両に搭載されるものであり、
    車両が近い将来発進することを予測する発進予測手段と、
    該発進予測手段によって発進すると予測される場合、前記開閉手段を閉状態とすることで、前記キャパシタの充電電圧を前記電力変換回路が本来の目的で操作される際の充電電圧である通常時電圧よりも低い診断用電圧に充電した後、前記開閉手段を開状態とする診断前処理手段と、
    該診断前処理手段による前記診断用電圧への充電がなされた後、前記放電制御を実行して前記キャパシタが実際に放電されるか否かを確かめることで前記放電制御手段による放電制御の異常の有無を診断する異常診断手段とを備えることを特徴とする電力変換システムの放電制御装置。
  2. 前記電力変換回路は、車載主機としての回転機に接続されるものであり、
    前記異常診断手段によって正常である旨診断されることと車両の起動スイッチがオン操作されることとの論理積が真となることを条件に前記開閉手段を再度閉状態に切り替える起動前処理手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の電力変換システムの放電制御装置。
  3. 前記車両の起動スイッチがオン操作されて且つ前記異常診断手段によって異常である旨診断される場合、前記開閉手段を閉状態とすることなく、異常がある旨外部に通知する通知手段を更に備えることを特徴とする請求項2記載の電力変換システムの放電制御装置。
  4. 前記電力変換回路および前記キャパシタと前記直流電源との間の電気経路は、低抵抗電気経路と高抵抗電気経路とを備え、
    前記開閉手段は、前記低抵抗電気経路および前記高抵抗電気経路を各別に開閉することができるものであり、
    前記診断前処理手段は、前記開閉手段を操作することで前記低抵抗電気経路を開状態とした状態で前記高抵抗電気経路を閉状態とすることで前記キャパシタを前記診断用電圧となるまで充電するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換システムの放電制御装置。
  5. 前記発進予測手段は、車両の起動スイッチがオン操作されることと、車載電子機器に電源を投入するアクセサリスイッチがオン操作されることとの論理和が真となることで前記発進する旨予測することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力変換システムの放電制御装置。
  6. 前記診断前処理手段は、前記キャパシタの充電電圧を充電処理時間によって前記診断用電圧に開ループ制御するものであり、
    前記発進予測手段によって、発進する旨の予測、発進しない旨の予測、および発進する旨の予測である一連のパターンの予測が所定期間内になされた場合、該パターンにおける発進する旨の2度目の予測時には、前記診断前処理手段による充電処理を禁止する禁止手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力変換システムの放電制御装置。
  7. 前記電力変換システムの搭載される部材に異常が生じたか否かを判断する判断手段を更に備え、
    前記電力変換回路は、高電位側のスイッチング素子および低電位側のスイッチング素子の直列接続体であって且つ前記キャパシタに並列接続される直列接続体を備え、
    前記放電制御手段は、前記判断手段によって異常が生じたと判断される場合に前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子の双方をオン状態とすることで前記キャパシタの両電極を短絡させる処理を行う異常時放電制御手段であり、
    前記開閉手段が開状態とされて且つ前記異常が生じた旨の判断がなされていない場合に前記短絡させる処理を行なうことなく前記キャパシタを放電する通常時放電手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力変換システムの放電制御装置。
  8. 前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子は、電圧制御形のスイッチング素子であり、
    前記異常時放電制御手段は、前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子の少なくとも一方の非飽和領域の電流が前記電力変換回路が本来の目的で使用される場合よりも小さくなるように前記少なくとも一方のスイッチング素子の導通制御端子に印加する電圧を設定することを特徴とする請求項7記載の電力変換システムの放電制御装置。
  9. 前記電力変換回路が本来の目的で使用される場合、前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子のいずれか一方がオン状態であるとき、いずれか他方は必ずオフ状態とされることを特徴とする請求項7または8記載の電力変換システムの放電制御装置。
  10. 前記電力変換回路は、前記直流電源の電力を交流に変換して回転機に出力する直流交流変換回路を備え、
    前記電力変換回路の本来の目的とは、前記回転機を稼動させるために前記回転機と前記直流電源との間の電力の授受を仲介することであることを特徴とする請求項8または9記載の電力変換システムの放電制御装置。
  11. 前記電力変換回路は、前記直流電源の電力を交流に変換して回転機に出力すべく前記キャパシタの正極側および負極側のそれぞれと前記回転機の端子とを選択的に接続する高電位側のスイッチング素子および低電位側のスイッチング素子を備える直流交流変換回路を備え、
    前記異常時放電制御手段は、前記直流交流変換回路の備える前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子の双方をオン状態とすることで前記キャパシタの両電極を短絡させる処理を行うことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の電力変換システムの放電制御装置。
  12. 前記電力変換回路は、前記直流電源の電圧を昇圧する昇圧コンバータと、該昇圧コンバータに接続される直流交流変換回路とを備え、
    前記昇圧コンバータは、前記キャパシタとしての第1キャパシタと、前記第1キャパシタに並列接続される高電位側のスイッチング素子および低電位側のスイッチング素子と、該一対のスイッチング素子同士の接続点と前記直流電源とを接続するリアクトルと、前記直流電源に並列接続される第2キャパシタとを備え、
    前記直流交流変換回路は、前記第1キャパシタに並列接続される高電位側のスイッチング素子および低電位側のスイッチング素子を備え、
    前記放電制御手段は、前記直流交流変換回路および前記昇圧コンバータの少なくとも一方の備える前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子の双方をオン状態とすることで前記放電制御を行なうことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の電力変換システムの放電制御装置。
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