JP5565087B2 - 電力変換システムの放電装置 - Google Patents
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以下、本発明にかかる電力変換システムの放電装置をハイブリッド車に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
「スイッチング素子Swpの通常時用オン・オフ手段」
通常時用コンデンサ38の電圧は、ダイオード107を介して集積回路70の電源端子T6に取り込まれる。集積回路70は、電源端子T6と、端子T1とを接続する充電用スイッチング素子72を備え、充電用スイッチング素子72およびゲート抵抗74を介して電源端子T6の電圧がスイッチング素子Sw#の導通制御端子(ゲート)に印加される。また、スイッチング素子Swpのゲートは、ゲート抵抗74、放電用スイッチング素子76および端子T5を介してスイッチング素子の出力端子(エミッタ)に接続され、これがゲートの放電経路となる。充電用スイッチング素子72や放電用スイッチング素子76は、操作信号gupに応じて通常時用駆動制御部78によってオン・オフ操作される。これにより、スイッチング素子Swpは、通常時用駆動制御部78によってオン・オフ操作されることとなる。
「過電流保護手段」
スイッチング素子Swpに過度に大きな電流が流れることを阻止する手段である。
「過熱保護手段」
スイッチング素子Swpの温度が過度に高くなることを回避すべく、温度が高くなる場合にオン状態となることを禁止する手段である。
「温度情報送信手段」
端子T3の電圧は、コンパレータ93の非反転入力端子にも印加される。コンパレータ93の反転入力端子には、発振器94のキャリアが入力される。これにより、コンパレータ93の出力信号DTは、論理「H」および論理「L」をキャリア周期で繰り返しつつも、周期に対する論理「H」となる期間の時比率に、感温ダイオードSDによって検出される温度情報が重畳されたものとなる。コンパレータ93の出力信号DTは、端子T10および図示しないフォトカプラを介して制御装置30に伝送される。
「オフ保持手段」
ドライブユニットDUにあって集積回路70の外には、スイッチング素子Swpのゲート及びエミッタ間を短絡するためのオフ保持用スイッチング素子96が設けられている。オフ保持用スイッチング素子96は、スイッチング素子Swpのゲート及びエミッタ間を低抵抗にて接続すべく、スイッチング素子Swpに極力近接して設けられている。そして、スイッチング素子Swpのゲート及びエミッタ間を接続させる経路のうち、オフ保持用スイッチング素子96を備える経路のインピーダンスは、ゲート抵抗74および放電用スイッチング素子76を備える経路のインピーダンスよりも低くなるように設定されている。これは、上記操作信号gupに応じてスイッチング素子Swpがオフ状態とされている際、スイッチング素子Swpの入力端子(コレクタ)や出力端子(エミッタ)とゲートとの間の寄生容量を介してゲートに高周波ノイズが重畳することでスイッチング素子Swpが誤ってオン状態となることを回避するためのものである。
「スイッチング素子Swpの放電時用オン・オフ手段」
異常時放電指令disが論理「L」となることで、シリーズレギュレータ40がオンとなって且つ放電用コンデンサ68が充電されることをトリガとして、スイッチング素子Swpをオン・オフ操作するための専用の回路である。
「ドライブユニットDUの電源」
上記のように、ドライブユニットDUには、スイッチング素子Sw#をオン・オフする手段以外にも様々な手段が搭載されている。ここで、異常時放電制御時においてこれら全てに電力が供給される場合には、シリーズレギュレータ40の出力電力が増大することとなる。ここで、シリーズレギュレータ40はスイッチング電源と比較して電力損失が大きい。これは、スイッチング素子42が非飽和領域で駆動されるためである。このため、ドライブユニットDUの消費電力が大きいと、シリーズレギュレータ40の発熱量が過度に大きくなり、ひいてはその温度が過度に高くなる懸念がある。そこで本実施形態では、先の図2に示すように、集積回路70の電源を、2つの電源端子T6,T9とする。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
「ドライブユニットDUの電源について」
放電制御時におけるドライブユニットDUの電源としては、シリーズレギュレータ40と、放電用フライバックコンバータFBdとに限らない。例えば絶縁型コンバータとしては、フライバックコンバータに限らず、フォワードコンバータであってもよい。また、低電位側の電源をシリーズレギュレータとするものにも限らず、これを絶縁型コンバータとしてもよい。また、絶縁型コンバータに限らず降圧チョッパ回路等としてもよい。これらのスイッチング電源にあっては、スイッチング損失が発熱の大きな要因となり、このスイッチング損失は出力電流が大きいほど大きくなる。このため、こうした場合であっても、放電制御時の消費電力を低減することは有効である。
「禁止手段について」
禁止手段としては、放電処理手段と、放電処理とは別の所定の処理を行なう所定処理手段とで電源端子を各別とするものに限らない。例えば、所定処理手段と電源端子との間を開閉する手段を備え、放電制御時にはこの手段を開状態とするものとしてもよい。これは、例えば先の図2に示した構成において、電源端子T6と電源端子T9とを共通として且つ過電流保護手段や過熱保護手段、温度情報送信手段、オフ保持回路95等と電源端子との間にスイッチング素子を設けることで行なうことができる。
「所定処理手段について」
所定処理手段としては、過電流保護手段や過熱保護手段、温度情報送信手段、オフ保持回路95の全てを備えるものに限らず、これらのうちの1以上を備えるものであればよい。
「異常時放電制御手段について」
異常時放電制御手段としては、低電位側のスイッチング素子Swnをオン状態に維持しつつ高電位側のスイッチング素子Swpのオン状態およびオフ状態を複数回繰り返すことでコンデンサ16の両電極の短絡状態を複数回生成する処理を行なうものに限らない。例えば、高電位側のスイッチング素子Swpをオン状態に維持しつつ低電位側のスイッチング素子Swnのオン状態およびオフ状態を複数回繰り返すことでコンデンサ16の両電極の短絡状態を複数回生成する処理を行なうものであってもよい。ただし、この場合であっても、オン状態およびオフ状態を複数回繰り返す側のゲート印加電圧の方を低く設定し、非飽和領域で動作させる。また例えば、高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnの双方を、放電制御期間において一度だけオン状態とするものであってもよい。この際、これら高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnのいずれか一方または双方を非飽和領域で動作させるべくゲート印加電圧を調節することが望ましい。
「ドライブユニットDUについて」
U相のドライブユニットDUとしては、通常時における充電用スイッチング素子72および放電用スイッチング素子76と、異常時における充電用スイッチング素子100および放電用スイッチング素子102とを各別に備えるものに限らない。例えば、これらを共有する代わりに、上側アームについては、充電用スイッチング素子の入力端子に電圧を印加する手段を、通常時と異常時とで異ならせてもよい。
「直流交流変換回路について」
放電制御に際して高電位側のスイッチング素子および低電位側のスイッチング素子の双方がオン状態とされる直流交流変換回路(インバータIV)としては、車載主機としての回転機と高電圧バッテリ12との間の電力の授受を仲介するものに限らない。例えば、空調装置の備える回転機等、主機以外の回転機と高電圧バッテリ12との間の電力の授受を仲介するものであってもよい。
「電力変換回路について」
電力変換回路としては、インバータIVのみからなるものに限らない。例えば図5に示されるように、リアクトル120と、リアクトル120を介してコンデンサ16に並列接続される低電位側のスイッチング素子Swnと、フリーホイールダイオードFDpと、低電位側のスイッチング素子SwnとフリーホイールダイオードFDpとの直列接続体に接続されるコンデンサ122とを備える昇圧コンバータCVを、インバータIVの入力端子に接続させてもよい。この場合、昇圧コンバータCVの出力端子に接続されたコンデンサ122とコンデンサ16とが放電制御の対象となり、コンデンサ16の電圧は、昇圧コンバータCVのコンデンサ122の電圧が低下するに連れてフリーホイールダイオードFDpを介して放電されることとなる。
(そのほか)
・放電制御に用いる高電位側のスイッチング素子Swpや低電位側のスイッチング素子Swnとしては、IGBTに限らず、例えばパワーMOS型電界効果トランジスタ等の電界効果トランジスタであってもよい。
Claims (4)
- 高電位側のスイッチング素子および低電位側のスイッチング素子の直列接続体を備えて且つ直流電源の電力を所定に変換する電力変換回路と、該電力変換回路の出力端子および前記直流電源間に介在するキャパシタと、前記電力変換回路および前記キャパシタと前記直流電源との間の電気経路を開閉する開閉手段とを備える電力変換システムに適用され、
前記電力変換システムの搭載される部材に異常が生じたか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって異常が生じたと判断されて且つ前記開閉手段が開状態とされる状況下、前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子を操作することで前記キャパシタの充電電圧を規定電圧以下に放電制御する異常時放電制御手段と、
前記異常時放電制御手段によって操作される前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子を駆動対象とする駆動手段と、
前記高電位側のスイッチング素子の駆動手段および前記低電位側のスイッチング素子の駆動手段のうちの少なくとも一方は、前記異常時放電制御手段による放電制御時において駆動対象とするスイッチング素子を駆動する放電処理を行なう放電処理手段と、前記放電処理以外の所定の処理を行なう所定処理手段とを備え、
前記所定処理手段は、前記判断手段によって異常が生じたと判断されない状況下において前記スイッチング素子を駆動する処理を行なう通常時処理手段と、前記放電処理手段によって行なわれる前記放電処理および前記通常時処理手段によって行なわれる前記スイッチング素子を駆動する処理の双方以外の処理を行なう別処理手段とを含み、
前記放電処理手段および前記所定処理手段は、集積回路にて構成され、
前記通常時処理手段および前記放電処理手段には、前記集積回路を構成する共通の電源端子である第1電源端子を介して所定の電源から電力が供給され、前記別処理手段には、前記集積回路を構成する第2電源端子を介して前記所定の電源から電力が供給され、
前記放電処理手段によって前記放電処理が行なわれる状況下において、前記放電処理手段には、前記所定の電源とは異なる電源であって前記キャパシタの電力を利用した放電用電源から前記第1電源端子を介して電力が供給され、
前記放電処理手段によって前記放電処理が行なわれる状況下において前記放電用電源によって前記別処理手段に対する電力供給がなされることを禁止することを特徴とする電力変換システムの放電装置。 - 前記所定の電源と前記第1電源端子とを接続する電気経路に、カソードが前記第1電源端子側に接続されて且つ、アノードが前記所定の電源側に接続されたダイオードが設けられていることを特徴とする請求項1記載の電力変換システムの放電装置。
- 前記放電用電源は、前記キャパシタの電圧を降圧するシリーズレギュレータを備えて構成され、前記所定の電源は、前記シリーズレギュレータとは別のものであることを特徴とする請求項1又は2記載の電力変換システムの放電装置。
- 前記異常時放電制御手段は、前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子の双方をオン状態とすることにより前記キャパシタの両電極を短絡させる処理を行うことで前記キャパシタの充電電圧を規定電圧以下に放電制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換システムの放電装置。
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