JP2018057225A - インバータ装置 - Google Patents

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Takashi Nakamura
恭士 中村
悦申 伊藤
Yoshinobu Ito
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Abstract

【課題】スイッチング素子の飽和電圧に基づいて過電流を検出する回路を備えていても、インバータ回路への電源供給が遮断された際にインバータ回路の直流側の電圧を平滑する平滑コンデンサを適切に放電させてインバータ回路の直流側の電圧を低下させる。【解決手段】インバータ制御装置は、平滑コンデンサを含むインバータ回路の直流側と直流電源との電気的接続が遮断されたことの判定#1を行い、インバータ回路のスイッチング素子をスイッチング制御して平滑コンデンサを放電させる放電処理#3を実行し、放電処理#3の完了以後に駆動電源回路による電力の生成を停止させる駆動電源遮断処理#7を実行する。【選択図】図4

Description

本発明は、直流と交流との間で電力を変換するインバータ回路を有するインバータ装置に関する。
直流と交流との間で電力を変換するインバータ回路の直流側には、多くの場合、正負両極間電圧(直流リンク電圧)を平滑する平滑コンデンサが備えられる。このため、インバータ回路による電力変換が終了し、例えばインバータ回路と直流電源との接続が遮断された場合でも、平滑コンデンサの残存電荷によって直流リンク電圧が直ぐには低下しない。車両の駆動力源となる回転電機などに接続されるインバータ回路では、直流リンク電圧も高いため、平滑コンデンサの残存電荷をできるだけ早く放電させて迅速に直流リンク電圧を低下させることが好ましい。下記に出典を示す特許文献1には、駆動トルクを生じさせないように回転電機のステータコイルに電流を流し、当該ステータコイルを放電抵抗として活用して平滑コンデンサの残存電荷を消費させることが開示されている(特許文献1:請求項1、[0001]〜[0010]、図1、図5、図6等)。
また、インバータ制御においては、インバータ回路を構成するスイッチング素子などに不具合が生じていることを検出して、インバータ回路を停止させるような保護制御が実施される場合が多い。そのような不具合の1つとして、スイッチング素子の過電流があり、スイッチング素子の過電流を検出する方法には、シャント抵抗やカレントトランスを利用して電流を測定する方法や、スイッチング素子の飽和電圧(コレクタ−エミッタ間電圧VCEやドレイン−ソース間電圧VDS)を測定する方法がある。下記に出典を示す特許文献2には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のコレクタ−エミッタ間電圧(VCE)に基づいて過電流状態であるか否かを判定する過電流検出部(28)を備えたスイッチ制御装置(1)が開示されている(背景技術において括弧内に示す符号は参照する文献のもの。)。具体的には、スイッチ制御装置(1)は、スイッチング素子(SWH)のコレクタ−エミッタ間電圧(VCE)の抵抗器(R7,R8)による分圧電圧が所定の閾値に達した場合に過電流状態であることを判定する信号を出力するコンパレータ(28)を備えている(特許文献2:図26、[0343]等)。
ところで、一般的にインバータ回路のスイッチング素子を制御する制御装置の動作電圧は、インバータ回路の直流リンク電圧に比べて低電圧であり、出力可能な電流も小さい。このため、制御装置とインバータ回路(スイッチング素子)との間には駆動回路が備えられる場合が多い。図2は、スイッチング素子3としてMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を用いたインバータ回路10の一部とその周辺回路とを例示している。図2には、インバータ回路10の1つのアーム3Aと、当該アーム3Aのスイッチング素子3に対応する駆動回路(DRV)2と、駆動回路2のそれぞれに独立して電源を供給する駆動電源回路7と、インバータ回路10の直流リンク電圧Vdcを平滑する平滑コンデンサ(直流リンクコンデンサ4)を示している。駆動回路2の負極電源端子(駆動電源グラウンドVG)は、スイッチング素子3のソース端子Sに接続され、駆動信号DSは、スイッチング素子3のゲート端子Gに接続されている。駆動電源グラウンドVGに対して駆動電源電圧VDを有する駆動信号DSが駆動回路2から出力されると、スイッチング素子3がターンオンする。
駆動回路2は、上述したようにスイッチング素子3(MOSFET)の飽和電圧(ここではドレイン−ソース間電圧VDS)に基づいて、アーム3A(又はスイッチング素子3)の過電流を検出する過電流検出回路を有している。駆動回路2の正極電源端子(駆動電源電圧VD)とスイッチング素子3のドレイン端子Dとは、抵抗器R3と保護ダイオードD1とを介して接続されている。保護ダイオードD1は、抵抗器R3の側にアノード端子、スイッチング素子3のドレイン端子Dの側にカソード端子が接続される形態で、抵抗器R3からスイッチング素子3の側に向かって順方向となるように接続されている。保護ダイオードD1のアノード端子とスイッチング素子のソース端子Sとの間には第1分圧抵抗器R1と第2分圧抵抗器R2とが直列に接続されて電圧検出回路20が形成されている。これらの抵抗器(R1,R2)によって分圧された分圧電圧が駆動回路2に入力される。駆動回路2に設けられたコンパレータ21(過電流判定部)は、この分圧電圧の値に基づいて過電流が生じているか否かを判定する。
ところで、駆動回路2の正極電源端子(駆動電源電圧VD)とスイッチング素子3のドレイン端子Dとが保護ダイオードD1を介して接続され、駆動回路2の負極電源端子(駆動電源グラウンドVG)とスイッチング素子3のソース端子Sとが接続されていることによって、図2に示すように、直流リンクコンデンサ4とアーム3Aとを通る閉回路が形成される。このため、上述したように直流リンクコンデンサ4の残存電荷を放電させても、駆動回路2に電力を供給する駆動電源回路7からの電力供給によって直流リンクコンデンサ4が充電される。このため、直流リンクコンデンサ4の放電時間が長くなる場合がある。
特開2008−206329号公報 特開2015−38989号公報
上記背景に鑑みて、スイッチング素子の飽和電圧に基づいて過電流を検出する回路を備えていても、インバータ回路への電源供給が遮断された際にインバータ回路の直流側の電圧を平滑する平滑コンデンサを適切に放電させてインバータ回路の直流側の電圧を低下させることが望まれる。
上記に鑑み、直流電源に接続されて直流と交流との間で電力を変換するインバータ回路を有するインバータ装置は、1つの態様として、
前記インバータ回路は、直流の正極側に接続された上段側スイッチング素子と直流の負極側に接続された下段側スイッチング素子との直列回路により構成された交流1相分のアームを少なくとも1本備え、
さらに、
前記インバータ回路の直流側の電圧を平滑する平滑コンデンサと、
前記インバータ回路を構成する複数のスイッチング素子のそれぞれを制御するスイッチング制御信号を生成するインバータ制御装置と、
それぞれの前記スイッチング制御信号の電力を増幅して対応する前記スイッチング素子の制御端子へ伝達する複数の駆動回路と、
複数の前記駆動回路のそれぞれを動作させる電力を生成して対応する前記駆動回路に供給する複数の駆動電源回路と、
それぞれの前記スイッチング素子の正極側端子にカソード端子が接続されるダイオードを介して当該スイッチング素子の前記正極側端子と負極側端子との間に接続され、当該スイッチング素子の端子間電圧を検出する複数の電圧検出回路と、を備え、
前記ダイオードのアノード端子と前記電圧検出回路とが接続される第1ノードは、対応する前記駆動電源回路の正極に接続され、
前記第1ノードとは異なる側の前記電圧検出回路の端子である第2ノードは、対応する前記駆動電源回路の負極に接続され、
前記インバータ制御装置は、前記平滑コンデンサを含む前記インバータ回路の直流側と前記直流電源との電気的接続が遮断された場合に、前記インバータ回路の前記スイッチング素子をスイッチング制御して前記平滑コンデンサを放電させる放電処理を実行し、前記放電処理の完了以後に前記駆動電源回路による電力の生成を停止させる駆動電源遮断処理を実行する。
上記のように電圧検出回路が駆動回路とスイッチング素子との間に接続されていると、平滑コンデンサの負極側から、下段側のスイッチング素子に対応する第2ノード、下段側の駆動電源回路の負極、正極、第1ノード、ダイオード、上段側のスイッチング素子に対応する第2ノード、上段側の駆動電源回路の負極、正極、第1ノード、ダイオードを経て平滑コンデンサの正極側へとつながる閉回路が形成される。これにより、平滑コンデンサは、放電処理により電荷を放電した後に、駆動電源回路の電力によって再充電される可能性がある。しかし、インバータ制御装置が、放電処理の完了以後に駆動電源遮断処理を実行して駆動電源回路による電力の生成を停止させるので、閉回路が形成されても平滑コンデンサの再充電は抑制される。尚、「放電処理の完了以後」には、「放電処理の完了と同時」の意味を含む。平滑コンデンサの再充電が抑制されることにより、平滑コンデンサを適切に放電させてインバータ回路の直流側の電圧を低下させることができる。即ち、本構成によれば、スイッチング素子の飽和電圧に基づいて過電流を検出する回路を備えていても、インバータ回路への電源供給が遮断された際にインバータ回路の直流側の電圧を平滑する平滑コンデンサを適切に放電させてインバータ回路の直流側の電圧を低下させることができる。
インバータ装置のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
インバータ装置の概略構成を示す回路ブロック図 スイッチング素子と駆動回路との接続部の構成を示す回路ブロック図 駆動電源回路の構成例を示す回路ブロック図 直流リンク電圧を低下させる処理の一例を示すフローチャート 直流リンク電圧の変化を示すグラフ
以下、インバータ装置の実施形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2の回路ブロック図は、インバータ装置100(回転電機駆動装置)のシステム構成を模式的に示している。インバータ装置100は、直流電源11(高圧直流電源)に接続されて直流電力と複数相の交流電力との間で電力を変換するインバータ回路10を介して回転電機80を駆動する。図1及び図2に示すように、インバータ回路10は、上段側スイッチング素子3Hと下段側スイッチング素子3Lとの直列回路により構成された交流1相分のアーム3Aを複数本(ここでは3本)備えている。本実施形態では、回転電機80のU相、V相、W相に対応するステータコイル8のそれぞれに一組の直列回路(アーム3A)が対応したブリッジ回路が構成される。アーム3Aの中間点、つまり、上段側スイッチング素子3Hと下段側スイッチング素子3Lとの接続点は、回転電機80の3相のステータコイル8にそれぞれ接続される。
回転電機80は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車等の車両の駆動力源とすることができる。回転電機80が車両の駆動力源の場合、直流電源11の電源電圧は、例えば200〜400Vである。以下、インバータ回路10の直流側の電圧(正極Pと負極Nとの間の電圧)を直流リンク電圧Vdcと称する。尚、回転電機80は、発電機として機能してもよい。直流電源11は、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池(バッテリ)や、電気二重層キャパシタなどにより構成されていると好適である。インバータ回路10の直流側には、直流リンク電圧Vdcを平滑化する平滑コンデンサ(直流リンクコンデンサ4)が備えられている。直流リンクコンデンサ4は、回転電機80の消費電力の変動に応じて変動する直流電圧(直流リンク電圧Vdc)を安定化させる。
図1に示すように、直流電源11とインバータ回路10との間には、コンタクタ9が備えられている。具体的には、コンタクタ9は、直流リンクコンデンサ4と直流電源11との間に配置されている。コンタクタ9は、インバータ装置100の電気回路系統(直流リンクコンデンサ4、インバータ回路10)と、直流電源11との電気的な接続を切り離すことが可能である。即ち、インバータ回路10は、回転電機80に接続されていると共に、直流電源11との間にコンタクタ9を介して接続されている。コンタクタ9が接続状態(閉状態)において直流電源11とインバータ回路10(及び回転電機80)とが電気的に接続され、コンタクタ9が開放状態(開状態)において直流電源11とインバータ回路10(及び回転電機80)との電気的接続が遮断される。
本実施形態において、このコンタクタ9は、車両内の上位の制御装置の1つである車両ECU(VHL-ECU:Vehicle Electronic Control Unit)90からの指令に基づいて開閉するメカニカルリレーであり、例えばシステムメインリレー(SMR : System Main Relay)と称される。コンタクタ9は、車両のイグニッションキー(IGキー)がオン状態(有効状態)の際にリレーの接点が閉じて導通状態(接続状態)となり、IGキーがオフ状態(非有効状態)の際にリレーの接点が開いて非導通状態(開放状態)となる。
インバータ回路10は、直流リンク電圧Vdcを有する直流電力を複数相(nを自然数としてn相、ここでは3相)の交流電力に変換して回転電機80に供給する。回転電機80が発電機としても機能する場合には、回転電機80が発電した交流電力を直流電力に変換して直流電源11に供給する。図1に示すように、インバータ回路10は、複数のスイッチング素子3を有して構成される。スイッチング素子3には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やSiC−MOSFET(Silicon Carbide - Metal Oxide Semiconductor FET)やSiC−SIT(SiC - Static Induction Transistor)、GaN−MOSFET(Gallium Nitride - MOSFET)などの高周波での動作が可能なパワー半導体素子を適用すると好適である。図1及び図2等に示すように、本実施形態では、スイッチング素子3としてnチャネル型のMOSFET(好適には、SiC−MOSFET)が用いられる形態を例示する。尚、各スイッチング素子3は、スイッチング素子本体31とフリーホイールダイオード32とを有して構成されている。フリーホイールダイオード32は、負極Nから正極Pへ向かう方向(下段側から上段側へ向かう方向)を順方向として、スイッチング素子本体31に並列に備えられている(図2等参照)。
インバータ回路10は、モータ制御装置(CNTL)1により制御される。インバータ制御装置1は、マイクロコンピュータ等の論理プロセッサを中核部材として構築されている。例えば、インバータ制御装置1は、車両ECU90等の他の制御装置から提供される回転電機80の目標トルクに基づいて、ベクトル制御法を用いた電流フィードバック制御を行って、インバータ回路10を介して回転電機80を制御する。回転電機80の各相のステータコイル8を流れる実電流は電流センサ14により検出され、インバータ制御装置1はその検出結果を取得する。また、回転電機80のロータの各時点での磁極位置や回転速度は、レゾルバ15などの回転センサにより検出され、インバータ制御装置1はその検出結果を取得する。また、直流リンク電圧Vdcは、不図示の電圧センサ等によって検出され、インバータ制御装置1はその検出結果を取得する。直流リンク電圧Vdcは、直流電力に対する交流電力の実効値の割合を示す変調率の設定や、後述する放電処理の進捗の判定に利用される。
インバータ制御装置1は、電流センサ14及びレゾルバ15の検出結果を用いて、例えばベクトル制御法を用いて電流フィードバック制御を実行する。インバータ制御装置1は、モータ制御のために種々の機能部を有して構成されており、各機能部は、マイクロコンピュータ等のハードウエアとソフトウエア(プログラム)との協働により実現される。ベクトル制御及び電流フィードバック制御については、公知であるのでここでは詳細な説明は省略する。
ところで、インバータ回路10を構成するそれぞれのスイッチング素子3の制御端子(例えばMOSFETのゲート端子G)は、駆動回路(DRV)2を介してインバータ制御装置1に接続されており、それぞれ個別にスイッチング制御される。スイッチング制御信号SWを生成するインバータ制御装置1は、マイクロコンピュータなどを中核とした電子回路であり、低圧系回路として構成される。低圧系回路は、インバータ回路10などの高圧系回路とは、動作電圧(回路の電源電圧)が大きく異なる。多くの場合、車両には、直流電源11の他に、直流電源11よりも低電圧(例えば12〜24[V])の電源である低圧直流電源(不図示)も搭載されている。低圧直流電源の出力電圧は、図3に示す“IG”である。インバータ制御装置1の動作電圧は、例えば5[V]や3.3[V]であり、低圧直流電源の電力に基づいてこのような動作電圧を生成する不図示の電圧レギュレータなどの電源回路から電力を供給されて動作する。
上述したように、低圧系回路は、インバータ回路10などの高圧系回路とは、動作電圧(回路の電源電圧)が大きく異なる。このため、インバータ装置100には、各スイッチング素子3に対するスイッチング制御信号SW(スイッチング素子3がMOSFETやIGBTの場合、ゲート駆動信号)の電力を増幅する駆動回路2が備えられている。換言すれば、駆動回路2は、スイッチング制御信号SWの駆動能力(例えば電圧振幅や出力電流など、後段の回路を動作させる能力)をそれぞれ高めて対応するスイッチング素子3に中継する。低圧系回路のインバータ制御装置1により生成されたスイッチング制御信号SWは、駆動回路2により増幅された高圧系回路の駆動信号DSとして保護抵抗R5を介してインバータ回路10に供給される。
駆動回路2は、それぞれのスイッチング素子3に対応して備えられている。図1に示すように、本実施形態では、インバータ回路10に、駆動対象となる6つのスイッチング素子3が備えられており、駆動回路2も6つ備えられている。駆動回路2には、上段側スイッチング素子3Hに駆動信号DSを提供する上段側駆動回路2Hと、下段側スイッチング素子3Lに駆動信号DSを提供する下段側駆動回路2Lとがあるが、特に区別する必要が無い場合は、単に駆動回路2として説明する。
1つの態様として、駆動回路2は、ドライバICなどを利用して構成されている。このようなドライバICは、自己診断機能を有している場合が多い。ここで、自己診断とは、駆動対象のスイッチング素子3における過電流や温度上昇の検出や、駆動信号DSの振幅(信号レベル)に影響を与える駆動電圧(例えば12〜15[V]程度のVD−VG間電圧:図2参照)の低下の検出などである。それぞれのドライバICは、自己診断機能によってこれらの異常を検出した場合に、異常検出信号を出力する。異常検出信号は、インバータ制御装置1に提供され、インバータ制御装置1は、例えば異常検出信号に基づいて、インバータ回路10を停止させるなどのフェールセーフ制御を実行する。
駆動回路2に駆動電力を供給するために、駆動電源回路7(PW)が設けられている。図3は、駆動電源回路7の一例を示している。6つの駆動回路2に対応して、駆動電源回路7は6つ備えられている。 駆動電源回路7は、U相上段用駆動電源回路71、V相上段用駆動電源回路72、W相上段用駆動電源回路73、V相下段用駆動電源回路74、U相下段用駆動電源回路75、W相下段用駆動電源回路76を有している。上段側駆動回路2Hに電力を供給する3つの駆動電源回路7(71,72,73)は上段側駆動電源回路7Hであり、下段側駆動回路2Lに電力を供給する3つの駆動電源回路7(74,75,76)は下段側駆動電源回路7Lである。
上段側駆動電源回路7H(71〜73)は、それぞれ電気的に絶縁されたフローティング電源である。上段側駆動電源回路7Hは、それぞれ異なる正極側電位(VHU,VHV,VHW)及び負極側電位(GHU,GHV,GHW)を有する。下段側駆動電源回路7L(74〜76)は、図1から明らかなように負極側電位(GL:GLU,GLV,GLW)が共通しており、互いに絶縁されてはいないが、それぞれ異なる正極側電位(VLU,VLV,VLW)を有する。尚、各相を区別することなく上段側駆動電源回路7Hの正極側電位を示す場合は“VH”と称し、各相を区別することなく下段側駆動電源回路7Lの正極側電位を示す場合は“VL”と称する(図1、図2、図3等参照)。
図3に示すように、駆動電源回路7は、インバータ制御装置1が備えられる低圧側回路との絶縁を確保するためにトランスTの二次側コイルを用いて構成されている。駆動電源回路7の一次側には電源制御ICなどを用いた電源制御装置79(PCNT)が備えられており、低圧直流電源の出力電圧“IG”に接続されたスイッチング素子をスイッチング制御することによって、駆動電源回路7に規定された出力電圧を生じさせる。電源制御装置79は、駆動電源回路7の一次側回路に生じる電圧に基づくフィードバック制御を行って当該スイッチング素子をスイッチングし、駆動電源回路7に規定された出力電圧を生じさせる。
図1及び図3に示すように、電源制御装置79はインバータ制御装置1から出力されるイネーブル信号ENに基づいて 駆動電源回路7に規定された出力電圧を生じさせる。電源制御装置79は、イネーブル信号ENが有効状態(ON状態)の場合に 駆動電源回路7に規定された出力電圧を生じさせ、イネーブル信号ENが無効状態(OFF状態)の場合には 駆動電源回路7による電力の生成を停止させる。つまり、インバータ制御装置1は、イネーブル信号ENによって 駆動電源回路7による電力の生成を停止させることができる。
上述したように、駆動回路2は、駆動対象のスイッチング素子3における過電流や温度上昇の検出や、駆動信号DSの振幅(信号レベル)に影響を与える駆動電圧の低下の検出などの自己診断機能を有している。本実施形態では、駆動対象のスイッチング素子3の過電流を検出する自己診断機能を例示する。スイッチング素子3の過電流を検出する方法には、シャント抵抗やカレントトランスを利用して電流を測定する方法や、スイッチング素子3の飽和電圧(コレクタ−エミッタ間電圧VCEやドレイン−ソース間電圧VDSなど、スイッチング素子3の正極側端子と負極側端子との間の端子間電圧)を測定する方法がある。スイッチング素子3の端子間電圧(VCEやVDS)は、スイッチング素子3に流れる電流(コレクタ−エミッタ間電流ICEやドレイン−ソース間電流IDSなど、スイッチング素子3の正極側端子と負極側端子との間を流れる素子電流)が増加すると上昇するという特性を持つ。従って、スイッチング素子3の端子間電圧(VCEやVDS)を監視することによって、スイッチング素子3の過電流を検出することができる。本実施形態では、スイッチング素子3の端子間電圧を監視する方式をDESAT(Desaturation)方式と称する。
本実施形態では、図2に示すように、スイッチング素子3の端子間電圧(本実施形態ではMOSFETのドレイン−ソース間電圧VDS)に基づいて、スイッチング素子3(アーム3A)の過電流を検出する過電流検出回路が、それぞれのスイッチング素子3に対応して複数設けられている。過電流検出回路は、第1分圧抵抗器R1と第2分圧抵抗器R2とが直列に接続されて構成された電圧検出回路20と、保護ダイオードD1と、抵抗器R3と、駆動回路2(ドライバIC)の内部に配置された過電流判定部としてのコンパレータ21とを含む。第1分圧抵抗器R1及び第2分圧抵抗器R2の抵抗値は例えば10〜20[kΩ]程度、抵抗器R3の抵抗値は例えば20〜30[kΩ]程度である。
電圧検出回路20は、それぞれのスイッチング素子3の正極側端子(ここではドレイン端子D)にカソード端子が接続される保護ダイオードD1を介してスイッチング素子3の正極側端子(ドレイン端子D)と負極側端子(ここではソース端子S)との間に接続され、スイッチング素子3の端子間電圧(ここではドレイン−ソース間電圧VDS)を検出する。保護ダイオードD1のアノード端子と電圧検出回路20とが接続される第1ノードn1は、対応する駆動電源回路7の正極(VD)に接続される。本実施形態では、第1ノードn1は、電流制限回路としての抵抗器R3を介して駆動電源回路7の正極(VD)に接続されている。抵抗器R3は、電圧検出回路20(R1,R2)や保護ダイオードD1に大きな電流が流れないように、電流を制限する。尚、本実施形態では、電流制限回路として抵抗器R3を例示しているが、その他の公知の定電流回路によって電流制限回路を構成してもよい。つまり、第1ノードn1と駆動電源回路7の正極(VD)との間に電流制限回路を備えていればよい。第1ノードn1とは異なる側の電圧検出回路20の端子である第2ノードn2は、対応する駆動電源回路7の負極(VG)に接続される。
保護ダイオードD1は、抵抗器R3の側にアノード端子、スイッチング素子3のドレイン端子Dの側にカソード端子が接続される形態で、抵抗器R3からスイッチング素子3の側に向かって順方向となるように接続されている。保護ダイオードD1のアノード端子とスイッチング素子のソース端子Sとの間には第1分圧抵抗器R1と第2分圧抵抗器R2とが直列に接続されて電圧検出回路20が形成されており、これらの抵抗器により分圧された分圧電圧が駆動回路2に入力される。駆動回路2に設けられたコンパレータ21(過電流判定部)は、基準電圧refと分圧電圧とを比較し、分圧電圧が基準電圧ref以上の場合に、スイッチング素子3に過電流が生じていると判定する。
保護ダイオードD1は、スイッチング素子3がオフ状態の際に、スイッチング素子3の正極側端子(コレクタ端子やドレイン端子)と駆動電源グラウンドVGとの間の高電圧が分圧された高電圧の分圧電圧が、駆動回路2に入力されることを防止する。また、抵抗器R3は、電圧検出回路20(R1,R2)や保護ダイオードD1に大きな電流が流れないように、電流を制限する。スイッチング素子3がオン状態となると、保護ダイオードD1がオン状態(導通状態)となり、第1分圧抵抗器R1と保護ダイオードD1との接続ノード(第1ノードn1)の電位は、保護ダイオードD1の順方向電圧Vfと、スイッチング素子3(MOSFET)のドレイン−ソース間電圧VDSとの和となる。過電流が生じた際のドレイン−ソース間電圧VDSに比べて、順方向電圧Vfは小さく、第1ノードn1の電位はほぼスイッチング素子3(MOSFET)のドレイン−ソース間電圧VDSとなる。
尚、電圧検出回路20による検出電圧(分圧電圧)は常時、駆動回路2に入力されているが、過電流判定部(コンパレータ21)による判定は、判定対象のスイッチング素子3がオン状態に制御されている期間(駆動信号DSが有効な期間)のみである。駆動信号DSの信号レベル(論理レベル)は、駆動回路2において既知であるから、駆動回路2は、判定対象のスイッチング素子3がオン状態に制御されている期間のみ、過電流の判定を行う。また、本実施形態では、第1分圧抵抗器R1と第2分圧抵抗器R2とが直列に接続されて電圧検出回路20が形成されている形態を例示しているが、この形態には限られない。スイッチング素子3の導通時の端子間電圧(VCEやVDS)や駆動回路2の仕様(コンパレータ21など過電流判定部の仕様)に応じて、第2分圧抵抗器R2に相当する抵抗器のみを備えて電圧検出回路20が形成されていてもよい。
ところで、回転電機80が駆動中に車両のIGスイッチ(メインスイッチ)がオフ状態となったり、車両の安全を確保する必要が生じたりした場合には、コンタクタ9が開放されて(システムメインリレー(SMR)の接点が開放されて)、直流電源11とインバータ回路10との電気的接続が遮断される。但し、コンタクタ9が開放されても直流リンクコンデンサ4には電荷が蓄えられているため、直流電源11との接続が遮断されても、直流リンク電圧Vdcは直ぐには低下しない。このため、コンタクタ9が開放状態となった場合には、インバータ制御装置1は、インバータ回路10のスイッチング素子3をスイッチング制御して直流リンクコンデンサ4を放電させる放電処理(DISCHG:図4参照)を実行する。放電処理では、ステータコイル8とインバータ回路10との間で電流を還流させ、スイッチング素子3やステータコイルを負荷として電流を消費させて(電流を熱に代えて)、直流リンクコンデンサ4の残存電荷が消費される。
放電処理では、インバータ制御装置1が駆動回路2を介してスイッチング制御信号SW(DS)をスイッチング素子3に提供する。従って、駆動回路2が動作する必要があり、駆動電源回路7も動作して駆動回路2に電力を供給する。放電処理は、直流リンクコンデンサ4の電荷が放電され、直流リンク電圧Vdcが目標電圧以下となるまで継続される。しかし、放電処理が完了した後、駆動電源回路7から直流リンクコンデンサ4が再充電されて直流リンク電圧Vdcが目標電圧を超えて上昇する場合がある。
図2に示すように、駆動回路2の正極電源端子(駆動電源電圧VD)とスイッチング素子3のドレイン端子Dとが保護ダイオードD1を介して接続され、駆動回路2の負極電源端子(駆動電源グラウンドVG)とスイッチング素子3のソース端子Sとが接続されている。これにより、図2に示すように、直流リンクコンデンサ4とアーム3Aとを通る閉回路が形成される。即ち、直流リンクコンデンサ4の負極側から、下段側スイッチング素子3Lに対応する第2ノードn2、下段側駆動電源回路7Lの負極GL(駆動電源グラウンドVG)、正極VL(駆動電源電圧VD)、第1ノードn1、保護ダイオードD1、上段側スイッチング素子3Hに対応する第2ノードn2、上段側駆動電源回路7Hの負極GH(駆動電源グラウンドVG)、正極VH(駆動電源電圧VD)、第1ノードn1、保護ダイオードD1、を経て直流リンクコンデンサ4の正極側へとつながる閉回路が形成される。このため、放電処理によって直流リンクコンデンサ4の残存電荷を放電させても、駆動電源回路7からの電力供給によって直流リンクコンデンサ4が再充電される。
このため、本実施形態では、インバータ制御装置1は、直流リンクコンデンサ4を含むインバータ回路10の直流側と直流電源11との電気的接続が遮断された場合に、放電処理(DISCHG)を実行し、放電処理の完了後に駆動電源回路7による電力の生成を停止させる駆動電源遮断処理を実行する。以下、図4のフローチャート及び図5のグラフも参照して説明する。図5のグラフは直流リンク電圧Vdcのシミュレーション波形を示している。図5における時刻t0は、放電処理を開始する時刻(ほぼコンタクタ9が開放された時刻と等価)を示しており、時刻t1は、放電処理を完了した時刻を示している。また、本実施形態では、時刻t0から時刻t5までの目標時間内(例えば15〜20[秒]内)に、直流リンク電圧Vdcを許容電圧V5(例えば5〜10[V])以下に低下させることを目標としている。
図5には3種類の波形を示しているが、各波形は、放電処理を完了する時刻t1までは共通している。時刻t1以降の実線は、放電処理の後、駆動電源遮断処理を実行した場合の直流リンク電圧Vdcを示している。時刻t1以降の破線及び一点鎖線は、駆動電源遮断処理を行うことなく、時刻t3において低圧直流電源からの電力供給が遮断されて駆動電源回路7を含む全ての回路が停止した場合の直流リンク電圧Vdcを示している。例えば、時刻t3においてイグニッションキーが操作されてオフ状態となったようなケースである。また、破線は、図1に破線で示すように、直流リンクコンデンサ4と並列に、一般的なインバータ回路10における抵抗値よりも低い抵抗値の放電抵抗5(例えば数十[kΩ])を追加して、積極的に放電抵抗5に電力を消費させた場合の波形を示している。一点鎖線は、破線の場合よりも高い抵抗値の放電抵抗5(例えば数[MΩ])が接続されている場合の波形を示している。これは、スイッチング素子3の飽和電圧を監視する方式(DESAT方式)の過電流検出回路を設けていない場合の一般的な放電抵抗5の値に相当する。
インバータ制御装置1は、例えば、コンタクタ9を制御する車両ECU90からの通知により、コンタクタ9が開放されたか否かを判定する(#1)。コンタクタ9は、衝撃等によって開放される場合もある。従って、例えば、コンタクタ9よりもインバータ回路10側の正極Pの配線や、負極Nの配線に流れる電流を検出する不図示の直流電流センサの検出結果(例えば電流値が急激に変化したことの検出など)に基づいて、コンタクタ9が開放状態となったか否かをインバータ制御装置1が判定してもよい。当然ながら、車両ECU90による制御でコンタクタ9が開放された場合も、インバータ制御装置1は、直流電流センサの検出結果にもとづく判定を行うことができる。インバータ制御装置1は、コンタクタ9が開放されたと判定すると、放電処理(DISCHG)を開始する(#3)。インバータ制御装置1は、直流リンクコンデンサ4の端子間電圧(直流リンク電圧Vdc)が、予め規定された許容電圧V5よりも低い放電しきい値TH以下となるまで放電処理を継続する(#3,#5)。
インバータ制御装置1は、直流リンク電圧Vdcが放電しきい値TH以下となったことを判定すると、電源制御装置79へのイネーブル信号ENを無効状態(OFF状態)に遷移させる(#7:駆動電源遮断処理)。これにより、駆動電源回路7による電力の生成が停止されるので、直流リンクコンデンサ4の再充電が抑制される。尚、許容電圧V5と放電しきい値THとの差は、放電処理の完了後、駆動電源回路7が停止されるまでに駆動電源回路7の電力によって直流リンクコンデンサ4が再充電されて生じる上昇電圧分(第1上昇電圧)を少なくとも含む。
ところで、駆動電源回路7の出力側には、駆動電源回路7の出力電圧(VH,VL)を平滑する出力電圧平滑コンデンサC7が備えられている。駆動電源回路7による電力の生成が停止されても、出力電圧平滑コンデンサC7には電荷が残存しており、この残存電荷でも直流リンクコンデンサ4が再充電される。従って、許容電圧V5と放電しきい値THとの差は、駆動電源回路7が停止された後、駆動電源回路7の出力電圧を平滑する出力電圧平滑コンデンサC7に蓄えられた電荷によって直流リンクコンデンサ4が再充電されて生じる上昇電圧分(第2上昇電圧)も含むと好適である。つまり、許容電圧V5と放電しきい値THとの差は、第1上昇電圧及び第2上昇電圧を含むと好適である。確実に、直流リンク電圧Vdcが許容電圧V5以下となるように直流リンクコンデンサ4を放電させることができる。
尚、インバータ制御装置1が放電処理の完了とほぼ同時に駆動電源回路7を停止するように制御可能な場合、例えば、スイッチング制御信号SWの出力と、イネーブル信号ENの出力とを同時に変化させることができるような場合には、第2上昇電圧に比べて第1上昇電圧が無視できるほど小さくなる。この場合には、許容電圧V5と放電しきい値THとの差は、少なくとも第2上昇電圧を含むと好適である。
図5に実線で示すように、駆動電源遮断処理によって直流リンク電圧Vdcは、放電処理が完了した後に許容電圧V5よりも低い電圧V3までしか上昇しない。従って、時刻t0から時刻t5までの目標時間内に、直流リンク電圧Vdcを許容電圧V5以下に低下させるという目標が達成される。一方、駆動電源遮断処理を行わない場合には、図5に破線及び一点鎖線で示すように、放電処理の完了後に直流リンク電圧Vdcが許容電圧V5を大きく超えて跳ね上がる。一点鎖線で示すように、放電抵抗5の抵抗値が大きい場合には、時刻t5に達しても、直流リンク電圧Vdcは、許容電圧V5を大きく上回っており、目標が達成できていない。破線で示す波形のように、放電抵抗5の抵抗値が小さい場合には、直流リンク電圧Vdcは、時刻t5までに許容電圧V5を下回る。しかし、放電処理の完了後に直流リンク電圧Vdcが許容電圧V5を大きく超えて跳ね上がるため、駆動電源遮断処理を行う場合に比べて、迅速性には欠ける。また、低い抵抗値の放電抵抗5を設けることによって通常動作時における電力損失も大きくなる。
〔実施形態の概要〕
以下、上記において説明したインバータ装置(100)の概要について簡単に説明する。
直流電源(11)に接続されて直流と交流との間で電力を変換するインバータ回路(10)を有するインバータ装置(100)は、1つの態様として、
前記インバータ回路(10)は、直流の正極(P)側に接続された上段側スイッチング素子(3H)と直流の負極(N)側に接続された下段側スイッチング素子(3L)との直列回路により構成された交流1相分のアーム(3A)を少なくとも1本備え、
さらに、
前記インバータ回路(10)の直流側の電圧(Vdc)を平滑する平滑コンデンサ(4)と、
前記インバータ回路(10)を構成する複数のスイッチング素子(3)のそれぞれを制御するスイッチング制御信号(SW)を生成するインバータ制御装置(1)と、
それぞれの前記スイッチング制御信号(SW)の電力を増幅して対応する前記スイッチング素子(3)の制御端子(G)へ伝達する複数の駆動回路(2)と、
複数の前記駆動回路(2)のそれぞれを動作させる電力を生成して対応する前記駆動回路(2)に供給する複数の駆動電源回路(7)と、
それぞれの前記スイッチング素子(3)の正極側端子(D)にカソード端子が接続されるダイオード(D1)を介して当該スイッチング素子(3)の前記正極側端子(D)と負極側端子(S)との間に接続され、当該スイッチング素子(3)の端子間電圧を検出する複数の電圧検出回路(20)と、を備え、
前記ダイオード(D1)のアノード端子と前記電圧検出回路(20)とが接続される第1ノード(n1)は、対応する前記駆動電源回路(7)の正極(VD)に接続され、
前記第1ノード(n1)とは異なる側の前記電圧検出回路(20)の端子である第2ノード(n2)は、対応する前記駆動電源回路(7)の負極(VG)に接続され、
前記インバータ制御装置(1)は、前記平滑コンデンサ(4)を含む前記インバータ回路(10)の直流側と前記直流電源(11)との電気的接続が遮断された場合に、前記インバータ回路(10)の前記スイッチング素子(3)をスイッチング制御して前記平滑コンデンサ(4)を放電させる放電処理(#3)を実行し、前記放電処理(#3)の完了以後に前記駆動電源回路(7)による電力の生成を停止させる駆動電源遮断処理(#7)を実行する。
上記のように電圧検出回路(20)が駆動回路(2)とスイッチング素子(3)との間に接続されていると、平滑コンデンサ(4)の負極側から、下段側のスイッチング素子(3(3L))に対応する第2ノード(n2)、下段側の駆動電源回路(7(7L))の負極(VG(GL))、正極(VD(VL))、第1ノード(n1)、ダイオード(D1)、上段側のスイッチング素子(3(3H))に対応する第2ノード(n2)、上段側の駆動電源回路(7(7H))の負極(VG(GH))、正極(VD(VH))、第1ノード(n1)、ダイオード(D1)を経て平滑コンデンサ(4)の正極側へとつながる閉回路が形成される。これにより、平滑コンデンサ(4)は、放電処理(#3)により電荷を放電した後に、駆動電源回路(7)の電力によって再充電される可能性がある。しかし、インバータ制御装置(1)が、放電処理(#3)の完了以後に駆動電源遮断処理(#7)を実行して駆動電源回路(7)による電力の生成を停止させるので、閉回路が形成されていても平滑コンデンサ(4)の再充電は抑制される。尚、「放電処理(#3)の完了以後」には、「放電処理(#3)の完了と同時」の意味を含む。平滑コンデンサ(4)の再充電が抑制されることにより、平滑コンデンサ(4)を適切に放電させてインバータ回路(10)の直流側の電圧(Vdc)を低下させることができる。即ち、本構成によれば、スイッチング素子(3)の飽和電圧に基づいて過電流を検出する回路を備えていても、インバータ回路(10)への電源供給が遮断された際にインバータ回路(10)の直流側の電圧(Vdc)を平滑する平滑コンデンサ(4)を適切に放電させてインバータ回路(10)の直流側の電圧(Vdc)を低下させることができる。
ここで、前記第1ノード(n1)と前記駆動電源回路(7)の正極(VD)との間に電流制限回路(R3)を備えると好適である。
電流制限回路(R3)を設けることによって、電圧検出回路(20)に流れる電流を抑制し、損失を低減することができる。
また、前記インバータ制御装置(1)は、前記平滑コンデンサ(4)の端子間電圧(Vdc)が予め規定された許容電圧(V5)よりも低い放電しきい値(TH(V1))以下となるまで前記放電処理(#3)を継続し、前記許容電圧(V5)と前記放電しきい値(V1)との差は、前記駆動電源回路(7)が停止されるまでに前記駆動電源回路(7)の電力によって前記平滑コンデンサ(4)が再充電されて生じる上昇電圧分を少なくとも含むと好適である。
放電処理(#3)が完了した後、駆動電源回路(7)が停止されるまでの間は、上述した閉回路を経由して、平滑コンデンサ(4)が再充電される。従って、放電処理(#3)は、この再充電を見越して、平滑コンデンサ(4)の端子間電圧(Vdc)が許容電圧(V5)よりも低い電圧(放電しきい値(TH(V1)))以下となるまで継続されると好適である。
また、前記インバータ制御装置(1)は、前記平滑コンデンサ(4)の端子間電圧(Vdc)が予め規定された許容電圧(V5)よりも低い放電しきい値(TH(V1))以下となるまで前記放電処理(#3)を継続し、前記許容電圧(V5)と前記放電しきい値(V1)との差は、前記駆動電源回路(7)が停止された後、前記駆動電源回路(7)の出力電圧を平滑する出力電圧平滑コンデンサ(C7)に蓄えられた電荷によって前記平滑コンデンサ(4)が再充電されて生じる上昇電圧分を少なくとも含むと好適である。
一般的に電力を生成する回路の出力段には、出力電圧を平滑するためにコンデンサが備えられる。駆動電源回路(7)に出力電圧平滑コンデンサ(C7)が備えられる場合、放電処理(#3)が完了し、駆動電源回路(7)が停止されていても、出力電圧平滑コンデンサ(C7)に蓄えられた電荷が上述した閉回路を経由して平滑コンデンサ(4)を再充電する。従って、駆動電源回路(7)が停止した後に、出力電圧平滑コンデンサ(C7)に残存する電荷も考慮して、放電しきい値(TH)が設定されると好適である。
1 インバータ制御装置
2 駆動回路
2H 上段側駆動回路(駆動回路)
2L 下段側駆動回路(駆動回路)
3 スイッチング素子
3H 上段側スイッチング素子(スイッチング素子)
3L 下段側スイッチング素子(スイッチング素子)
4 直流リンクコンデンサ(平滑コンデンサ)
7 駆動電源回路
7H 上段側駆動電源回路(駆動電源回路)
7L 下段側駆動電源回路(駆動電源回路)
10 インバータ回路
11 直流電源
20 電圧検出回路
71 U相上段用駆動電源回路(駆動電源回路)
72 V相上段用駆動電源回路(駆動電源回路)
73 W相上段用駆動電源回路(駆動電源回路)
74 V相下段用駆動電源回路(駆動電源回路)
75 U相下段用駆動電源回路(駆動電源回路)
76 W相下段用駆動電源回路(駆動電源回路)
100 インバータ装置
C7 出力電圧平滑コンデンサ
D ドレイン端子(正極側端子)
D1 保護ダイオード(ダイオード)
DS 駆動信号
G ゲート端子(制御端子)
N 負極
P 正極
R1 第1分圧抵抗器
R2 第2分圧抵抗器
R3 抵抗器(電流制限回路)
S ソース端子(負極側端子)
SW スイッチング制御信号
V5 許容電圧
VD 駆動電源電圧(駆動電源回路の正極)
VG 駆動電源グラウンド(駆動電源回路の負極)
Vdc 直流リンク電圧(平滑コンデンサの端子間電圧)
n1 第1ノード
n2 第2ノード

Claims (4)

  1. 直流電源に接続されて直流と交流との間で電力を変換するインバータ回路を有するインバータ装置であって、
    前記インバータ回路は、直流の正極側に接続された上段側スイッチング素子と直流の負極側に接続された下段側スイッチング素子との直列回路により構成された交流1相分のアームを少なくとも1本備え、
    さらに、
    前記インバータ回路の直流側の電圧を平滑する平滑コンデンサと、
    前記インバータ回路を構成する複数のスイッチング素子のそれぞれを制御するスイッチング制御信号を生成するインバータ制御装置と、
    それぞれの前記スイッチング制御信号の電力を増幅して対応する前記スイッチング素子の制御端子へ伝達する複数の駆動回路と、
    複数の前記駆動回路のそれぞれを動作させる電力を生成して対応する前記駆動回路に供給する複数の駆動電源回路と、
    それぞれの前記スイッチング素子の正極側端子にカソード端子が接続されるダイオードを介して当該スイッチング素子の前記正極側端子と負極側端子との間に接続され、当該スイッチング素子の端子間電圧を検出する複数の電圧検出回路と、を備え、
    前記ダイオードのアノード端子と前記電圧検出回路とが接続される第1ノードは、対応する前記駆動電源回路の正極に接続され、
    前記第1ノードとは異なる側の前記電圧検出回路の端子である第2ノードは、対応する前記駆動電源回路の負極に接続され、
    前記インバータ制御装置は、前記平滑コンデンサを含む前記インバータ回路の直流側と前記直流電源との電気的接続が遮断された場合に、前記インバータ回路の前記スイッチング素子をスイッチング制御して前記平滑コンデンサを放電させる放電処理を実行し、前記放電処理の完了以後に前記駆動電源回路による電力の生成を停止させる駆動電源遮断処理を実行する、インバータ装置。
  2. 前記第1ノードと前記駆動電源回路の正極との間に電流制限回路を備える請求項1に記載のインバータ装置。
  3. 前記インバータ制御装置は、前記平滑コンデンサの端子間電圧が予め規定された許容電圧よりも低い放電しきい値以下となるまで前記放電処理を継続し、前記許容電圧と前記放電しきい値との差は、前記駆動電源回路が停止されるまでに前記駆動電源回路の電力によって前記平滑コンデンサが再充電されて生じる上昇電圧分を少なくとも含む、請求項1又は2に記載のインバータ装置。
  4. 前記インバータ制御装置は、前記平滑コンデンサの端子間電圧が予め規定された許容電圧よりも低い放電しきい値以下となるまで前記放電処理を継続し、前記許容電圧と前記放電しきい値との差は、前記駆動電源回路が停止された後、前記駆動電源回路の出力電圧を平滑する出力電圧平滑コンデンサに蓄えられた電荷によって前記平滑コンデンサが再充電されて生じる上昇電圧分を少なくとも含む、請求項1から3の何れか一項に記載のインバータ装置。
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