JP2021035090A - インバータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インバータをスイッチング制御する制御部への電力の供給が不十分となった場合に、インバータの制御が不必要な状況では起動せず、インバータの制御が必要な状況では起動して、適切に制御部へ電力を供給する。【解決手段】第1直流電源11に接続されたインバータを駆動制御するインバータ制御装置は、第1直流電源11よりも低電圧の第2直流電源12から電力を供給される制御部1と、インバータへの複数のスイッチング制御信号を増幅する複数のドライバと、複数のドライバに電力を供給する複数のドライブ電源7と、第2直流電源12とは別に制御部1に電力を供給するバックアップ電源4とを備え、バックアップ電源4は、第1直流電源11に接続された電圧変換部41と、下段側スイッチング素子の1つに対応するドライブ電源7に接続されて電圧変換部41をスイッチング制御する電源制御部42とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、直流と交流との間で電力を変換するインバータを駆動制御するインバータ制御装置に関する。
下記に出典を示す特許文献1には、高圧直流電源に接続されたインバータをスイッチング制御する制御部(コントローラ)に電力を供給する低電圧電源の異常時にも、インバータを構成する特定のスイッチング素子をスイッチングさせるための電力を、高圧直流電源の電力を用いて生成するバックアップ電源回路を備えたインバータ制御装置が開示されている。このインバータ制御装置では、バックアップ電源回路からの電力により、下段側のスイッチング素子を全てオン状態に制御することで、インバータをいわゆるアクティブショートサーキット制御している。バックアップ電源には、高圧直流電源から電力が供給されている。
特開2017−118815公報
特許文献1において、インバータは回転電機を駆動するために用いられている。アクティブショートサーキット制御では、電流がインバータと回転電機との間で還流するため、回転電機の回転を制御することはできない。例えば、回転電機が、内燃機関と回転電機とを駆動力源とするハイブリッド自動車や回転電機を駆動力源とする電気自動車などの駆動力源であるような場合には、車両の走行制御が困難となる可能性がある。このため、バックアップ電源から制御部にも電力を供給し、アクティブショートサーキット制御以外の制御も可能とすることが考えられる。但し、バックアップ電源回路の構成によっては、インバータの制御が不必要な状況、例えば高圧直流電源の充電中など、低圧直流電源がオフ状態で高圧直流電源がオン状態の場合に、バックアップ電源から制御部に電力が供給される可能性がある。
上記背景に鑑みて、インバータをスイッチング制御する制御部への電力の供給が不十分となった場合に、インバータの制御が不必要な状況では起動せず、インバータの制御が必要な状況では起動して、適切に制御部へ電力を供給することができる技術の提供が望まれる。
上記に鑑みたインバータ制御装置は、1つの態様として、第1直流電源の正極側に接続された上段側スイッチング素子と前記第1直流電源の負極側に接続された下段側スイッチング素子とが直列接続されたアームを少なくとも1つ備えて直流と交流との間で電力を変換するインバータを駆動制御するインバータ制御装置であって、前記第1直流電源よりも低電圧の第2直流電源から電力を供給されて動作し、前記インバータを構成するそれぞれのスイッチング素子のスイッチング制御信号を生成する制御部と、それぞれの前記スイッチング制御信号を増幅して前記インバータに中継する複数のドライバと、前記第2直流電源から生成されて、それぞれの前記ドライバに電力を供給する複数のドライブ電源と、前記第2直流電源とは別に、前記制御部に電力を供給するバックアップ電源と、を備え、前記バックアップ電源は、前記第1直流電源に接続された電圧変換部と、前記下段側スイッチング素子の1つに対応する前記ドライブ電源に接続されて前記電圧変換部をスイッチング制御する電源制御部とを備える。
この構成によれば、第2直流電源から制御部に十分に電力が供給できない状態となっても、バックアップ電源により制御部に電力が供給される。従って、インバータの一部のスイッチング素子のみを固定的にオン状態とするような制御に限らず、適切にインバータをスイッチング制御することができる。また、バックアップ電源における電源制御部はドライブ電源から電力を供給されて動作する。電源制御部に第1直流電源から電力を供給する場合には、電圧の調整などに必要な回路規模が大きくなり、また、電圧差から損失も大きくなる傾向がある。スイッチング制御信号を駆動するドライブ電源の電圧は、インバータの直流側の電圧に相当する第1直流電源の電圧よりも低い。従って、本構成のように、ドライブ電源から電源制御部に電力を供給すると、電圧の調整などに必要な回路が不要となる可能性もあり、第1直流電源から電源制御部に電力を供給する場合に比べて、回路規模が小さくなり、損失も抑制することができる。また、故障等が生じておらず、意図的に第2直流電源が未接続状態で、第1直流電源のみが接続された状態とするような場合では、制御部によるインバータの制御は必要ない。本構成によれば、このような場合には、ドライブ電源が動作していないので、電源制御部も起動されることなく、必要のない状況で、バックアップ電源が起動することもない。このように、本構成によれば、インバータをスイッチング制御する制御部への電力の供給が不十分となった場合に、インバータの制御が不必要な状況では起動せず、インバータの制御が必要な状況では起動して、適切に制御部へ電力を供給することができる。
インバータ制御装置のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
インバータ制御装置を含む回転電機駆動システムの模式的ブロック図 ドライブ電源回路の構成例を示す模式的回路ブロック図 バックアップ電源の構成例を示す模式的回路ブロック図 比較例のバックアップ電源の構成例を示す模式的回路ブロック図
以下、インバータ制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、インバータ制御装置10含む回転電機駆動システム200は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車等の車両の駆動力源となる交流の回転電機80を駆動制御する。図1に示すように、回転電機駆動システム200は、インバータ制御装置10と、インバータ30とを備えている。また、インバータ制御装置10は、制御部1(CTRL)と、ドライバ2(DRV)と、ドライブ電源回路70(PW)と、バックアップ電源4(BU)とを備えている。
インバータ30は、第1直流電源11(高圧直流電源)に接続されると共に回転電機80に接続されて直流と交流との間で電力を変換する。本実施形態では、回転電機80は、3相交流型の回転電機であり、インバータ30は、直流と3相の交流との間で電力を変換する。また、回転電機80は、第1直流電源11から電力を供給されて力行する電動機と、車輪等からの動力により発電して第1直流電源11の側へ電力を回生する発電機との双方の機能を有する。
インバータ30は、第1直流電源11の正極Pの側に接続された上段側スイッチング素子3Hと、第1直流電源11の負極Nの側に接続された下段側スイッチング素子3Lとの直列回路により構成された交流1相分のアーム3Aを少なくとも1つ備えている。本実施形態では、インバータ30は、複数組(ここでは3組)のアーム3Aを備えており、直流と複数相(ここでは3相)の交流との間で電力を変換する。本実施形態では、回転電機80のU相、V相、W相に対応するステータコイル8のそれぞれに一組の直列回路(アーム3A)が対応したブリッジ回路が構成される。アーム3Aの中間点、つまり、上段側スイッチング素子3Hと下段側スイッチング素子3Lとの接続点は、回転電機80の3相のステータコイル8にそれぞれ接続される。
図示は省略するが、インバータ30は、直流と複数相の交流との間で電力を変換する形態に限らず、直流と単相の交流との間で電力を変換するものであってもよい。また、インバータ30を介して駆動される対象は、回転電機80に限らず、ソレノイド等であってもよい。
図1に示すように、インバータ30は、複数のスイッチング素子3を有して構成される。スイッチング素子3には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やSiC−MOSFET(Silicon Carbide - Metal Oxide Semiconductor FET)やSiC−SIT(SiC - Static Induction Transistor)、GaN−MOSFET(Gallium Nitride - MOSFET)などのパワー半導体素子を適用すると好適である。図1等に示すように、本実施形態では、スイッチング素子3としてIGBTが用いられる形態を例示する。それぞれのスイッチング素子3には、負極Nから正極Pへ向かう方向(下段側から上段側へ向かう方向)を順方向としてフリーホイールダイオード3Dが並列接続されている。
上述したように、インバータ制御装置10は、制御部1と、ドライバ2と、ドライブ電源回路70と、バックアップ電源4とを備えている。制御部1は、第1直流電源11よりも低電圧の第2直流電源12(低圧直流電源)から電力を供給されて動作し、インバータ30を構成するそれぞれのスイッチング素子3のスイッチング制御信号Sを生成する。ドライバ2は、それぞれのスイッチング制御信号Sを増幅してインバータ30に中継する。図1に示すように、ドライバ2は、複数のスイッチング素子3のそれぞれに対応するスイッチング制御信号Sに対応して、複数設けられている。図2に示すように、ドライブ電源回路70は、それぞれのドライバ2に個別に電力を供給する複数のドライブ電源7を備えている。それぞれのドライブ電源7は、第2直流電源12から生成されて、それぞれ対応するドライバ2に電力を供給する。バックアップ電源4は、第2直流電源12とは別に、制御部1に電力を供給することが可能な電源である。これらインバータ制御装置10の各機能部の詳細については後述する。
上述したように回転電機80が車両の駆動力源の場合、第1直流電源11の電源電圧は、例えば200〜400[V]である。ここで、インバータ30の直流側の電圧(正極Pと負極Nとの間の電圧)を直流リンク電圧Vdcと称する。第1直流電源11は、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池(バッテリ)や、電気二重層キャパシタなどにより構成されていると好適である。また、インバータ30の直流側には、直流リンク電圧Vdcを平滑化する平滑コンデンサ(直流リンクコンデンサ50)が備えられている。直流リンクコンデンサ50は、回転電機80の消費電力の変動に応じて変動する直流電圧(直流リンク電圧Vdc)を安定化させる。
図1に示すように、第1直流電源11とインバータ30との間には、両者の電気的接続を遮断可能なコンタクタ9が備えられている。具体的には、コンタクタ9は、直流リンクコンデンサ50と第1直流電源11との間に配置されている。コンタクタ9は、回転電機駆動システム200の電気回路系統(直流リンクコンデンサ50、インバータ30)と、第1直流電源11との電気的な接続を切り離すことが可能である。即ち、インバータ30は、回転電機80に接続されていると共に、第1直流電源11との間にコンタクタ9を介して接続されている。コンタクタ9が接続状態(閉状態)において第1直流電源11とインバータ30とが電気的に接続され、コンタクタ9が開放状態(開状態)において第1直流電源11とインバータ30との電気的接続が遮断される。
本実施形態において、このコンタクタ9は、車両内の上位の制御装置の1つである車両制御装置(不図示)からの指令に基づいて開閉するメカニカルリレーであり、例えばシステムメインリレーと称される。コンタクタ9は、所定の条件が満たされている場合(例えば、車両のメインスイッチがオン状態(有効状態)である場合や、第1直流電源11を充電する場合など)に、リレーの接点が閉じて導通状態(接続状態)となる。尚、メインスイッチがオフ状態(非有効状態)の場合には、リレーの接点が開いて非導通状態(開放状態)となる。
尚、第2直流電源12にも、メインスイッチに連動するスイッチIGが設けられており、一部の供給先へは、メインスイッチがオン状態(有効状態)の際にスイッチIGが閉じて導通状態(接続状態)となって電力が供給され、メインスイッチがオフ状態(非有効状態)の際にスイッチIGが開いて非導通状態(開放状態)となり電力の供給が遮断される。例えば、時計や駐車中にも撮影が可能なドライブレコーダー等への電力は、イグニッションキーの状態に拘わらず常に供給されるが、メインスイッチがオフ状態の場合には、図1に示すように、スイッチIGが開くために制御部1やドライブ電源回路70へは電力が供給されない。
上述したように、インバータ30は、制御部1により制御される。制御部1は、マイクロコンピュータ等のプロセッサを中核部材として構築されている。回転電機80の各相のステータコイル8を流れる実電流は電流センサ14により検出され、制御部1はその検出結果を取得する。また、回転電機80のロータの各時点での磁極位置や回転速度は、レゾルバ15などの回転センサにより検出され、制御部1はその検出結果を取得する。
制御部1は、車両制御装置等の他の制御装置から提供される回転電機80の目標トルクに基づき、電流センサ14及びレゾルバ15の検出結果を用いて、例えばベクトル制御法による電流フィードバック制御を行って、インバータ30を介して回転電機80を制御する。制御部1は、モータ制御のために種々の機能部を有して構成されており、各機能部は、マイクロコンピュータ等のハードウエアとソフトウエア(プログラム)との協働により実現される。ベクトル制御及び電流フィードバック制御については、公知であるのでここでは詳細な説明は省略する。
インバータ30を構成するそれぞれのスイッチング素子3の制御端子(例えばIGBTのゲート端子)は、ドライバ2を介して制御部1に接続されており、それぞれ個別にスイッチング制御される。スイッチング制御信号Sを生成する制御部1は、マイクロコンピュータなどを中核とした電子回路であり、低圧系回路として構成される。低圧系回路は、インバータ30などの高圧系回路とは、動作電圧(回路の電源電圧)が大きく異なる。上述したように、車両には、第1直流電源11の他に、第1直流電源11よりも低い電圧(B:例えば12〜24[V])の電源である第2直流電源12も搭載されている。マイクロコンピュータ等のプロセッサを中核とする制御部1の動作電圧は、例えば5[V]、3.3[V]、2.5[V]等である。制御部1は、第2直流電源12の電力に基づいてこのような動作電圧を生成する不図示の電圧レギュレータ(リニア電圧ドロッパ)を備えている。
上述したように、低圧系回路は、インバータ30などの高圧系回路とは、動作電圧(回路の電源電圧)が大きく異なる。このため、ドライバ2は、スイッチング制御信号Sを増幅して、インバータ30において対応する各スイッチング素子3に中継する。ここで、増幅とは、信号の駆動能力(例えば電圧振幅や出力電流など、後段の回路を動作させる能力)をそれぞれ高めることをいう。低圧系回路の制御部1により生成されたスイッチング制御信号Sは、ドライバ2により増幅された高圧系回路の駆動信号SVとしてインバータ30に供給される。尚、広義には、駆動信号SVもスイッチング制御信号である。
ドライバ2は、それぞれのスイッチング素子3に対応して備えられている。図1に示すように、本実施形態では、インバータ30に、駆動対象となる6つのスイッチング素子3が備えられており、ドライバ2も6つ備えられている。ドライバ2には、上段側スイッチング素子3Hに駆動信号SVを提供する上段側ドライバ2Hと、下段側スイッチング素子3Lに駆動信号SVを提供する下段側ドライバ2Lとがあるが、特に区別する必要が無い場合は、単にドライバ2として説明する。尚、スイッチング素子3(インバータ30)は高圧系回路に属し、制御部1は低圧系回路に属し、高圧系回路と低圧系回路とは電気的に絶縁されている。このため、ドライバ2は、フォトカプラや信号用トランスなどの絶縁素子を備えており、スイッチング制御信号Sと駆動信号SVとも電気的に絶縁されている。
インバータ30の6つのスイッチング素子3の駆動信号SVも、それぞれ電気的に独立しているため、ドライバ2への電力もそれぞれ個別に供給される。それぞれのドライバ2には、複数のドライブ電源7を備えたドライブ電源回路70からそれぞれ個別に電力が供給される。図2に示すように、本実施形態では、6つのドライバ2に対応して、6つのドライブ電源7(U相上段用ドライブ電源71、V相上段用ドライブ電源72、W相上段用ドライブ電源73、U相下段用ドライブ電源74、V相下段用ドライブ電源75、W相下段用ドライブ電源76)が備えられている。6つのドライブ電源7(71〜76)の構成は同一であり、個体差による誤差を考慮しなければ、原理的には同じ電圧が出力される。
上段用ドライブ電源7H(71〜73)は、それぞれ電気的に絶縁されたフローティング電源である。上段用ドライブ電源7H(71〜73)は、それぞれ独立した正極側電位(VHU,VHV,VHW)及び負極側電位(GHU,GHV,GHW)を有する。下段用ドライブ電源7L(74〜76)は、図1から明らかなように負極側電位(GL:GLU,GLV,GLW)が共通しており、互いに絶縁されてはいないが、それぞれ独立した正極側電位(VLU,VLV,VLW)を有する。尚、各相を区別することなく上段用ドライブ電源7H(71〜73)の正極側電位を示す場合は“VH”と称し、各相を区別することなく下段用ドライブ電源7L(74〜76)の正極側電位を示す場合は“VL”と称し、各相を区別することなく上段用ドライブ電源7H(71〜73)の負極側電位を示す場合は“GH”と称する。また、下段用ドライブ電源7L(74〜76)の負極側電位(GL)は、インバータ30の直流の負極Nである。それぞれのドライブ電源7(71〜76)の負極側電位と正極側電位との間の電位差は、概ね15〜20[V]である。
図2に示すように、ドライブ電源回路70は、制御部1が備えられる低圧側回路との絶縁を確保するためにトランスTを用いて構成されている。そして、トランスT(ドライブ電源7)の二次側からそれぞれのドライバ2に電力が供給される。それぞれのドライブ電源7(71〜76)の一次側には電源制御ICなどを用いた電源制御回路79(PCNT)が備えられており、トランスTの一次側コイルを介して第2直流電源12の出力電圧“B”に接続されたスイッチング素子78をスイッチング制御することによって、規定された出力電圧を生じさせる。電源制御回路79は、ドライブ電源回路70の二次側回路に生じる電圧に基づくフィードバック制御を行って当該スイッチング素子をスイッチングし、それぞれのドライブ電源7(71〜76)に規定された出力電圧を生じさせる。
ここで、制御部1が正常に機能しない場合には、駆動信号SVが正常にスイッチング素子3に入力されず、インバータ30が正常に制御されなくなる。例えば、第2直流電源12やスイッチIGや各部の配線等に異常が生じて、第2直流電源12から制御部1への電力の供給が遮断されたり、制御部1へ供給される電圧が予め規定された下限電圧未満となったりすると、制御部1の動作に必要な電圧を与えられず、スイッチング制御信号Sが生成されなくなる。バックアップ電源4は、第2直流電源12から制御部1への電力の供給が不十分となった場合に、制御部1へ電力を供給するために設けられている。
図1に示すように、インバータ制御装置10は、第2直流電源12の側にアノードが接続された第1ダイオードD1を介して第2直流電源12に接続される電源入力ノードNIを備える。バックアップ電源4は、バックアップ電源4の側にアノードが接続された第2ダイオードD2を介して電源入力ノードNIに接続されている。バックアップ電源4は、第2直流電源12の定格電圧よりも低い電圧を出力する。従って、第2直流電源12からインバータ制御装置10(制御部1)に供給される電力の電圧、つまり、電源入力ノードNIに印加される電圧が十分な場合(第2直流電源12の定格電圧の範囲内の場合)には、第2ダイオードD2によって遮断されてバックアップ電源4からの電力はインバータ制御装置10(制御部1)に供給されない。一方、電源入力ノードNIに印加される電圧が不十分な場合(第2直流電源12の定格電圧未満の場合)には、第2直流電源12からインバータ制御装置10(制御部1)に供給される電力が不十分であるから、第2ダイオードD2が順方向に導通してバックアップ電源4からインバータ制御装置10(制御部1)に電力が供給される。
図3に示すように、バックアップ電源4は、第1直流電源11に接続された電圧変換部41と、電圧変換部41をスイッチング制御する電源制御部42とを備えて構成されている。電圧変換部41は、ドライブ電源7と同様にトランスを用いて構成されており、電圧変換部41の二次側から電源入力ノードNIに電圧が印加される。また、ドライブ電源7と同様に、電圧変換部41の一次側には電源制御ICなどを用いた電源制御回路49(PCNT)とスイッチング素子78とを備えた電源制御部42が備えられている。電源制御回路49は、下段側スイッチング素子3Lの1つに対応するドライブ電源7(下段用ドライブ電源7L(74〜76)、ここではU相下段用ドライブ電源74)に接続されている。電源制御回路49は、電圧変換部41(トランス)の一次側コイルを介して第1直流電源11の正極Pに接続されたスイッチング素子48をスイッチング制御することによって、規定された出力電圧“BB”を生じさせる。
尚、電源制御回路49は、U相下段用ドライブ電源74に限らず、V相下段用ドライブ電源75又はW相下段用ドライブ電源76に接続されていてもよい。また、図示は省略するが、ドライブ電源回路70の電源制御回路79と同様に、バックアップ電源4の電源制御回路49も、電圧変換部41の二次側に生じる電圧に基づいて、フィードバック制御を行ってもよい。
第2直流電源12の定格電圧の中央値(Typ値)が12[V]の場合、例えば定格の下限値(min値)は9[V]程度である。また、制御部1において、5[V]、3.3[V]、2.5[V]等のコントローラの動作電圧を生成する電圧レギュレータの入力電圧の下限値(min値)は、電圧レギュレータの出力電圧よりも2.5〜3[V]高い電圧である。例えば、電圧レギュレータの出力電圧が5[V]の場合には、入力電圧は8[V]以上であることが好ましい。本実施形態では、バックアップ電源4は、第2直流電源12の定格電圧(min値)よりも低い電圧を、常時、電源入力ノードNIに印加する。従って、バックアップ電源4の出力電圧“BB”は、例えば8[V]以上9[V]未満に設定されていると好適である。これにより、第2直流電源12の電圧が予め規定されたしきい値電圧(≒BB)未満となった場合に、バックアップ電源4から制御部1に電力を供給することができる。
図3に示すように、電源制御回路49は、下段用ドライブ電源7Lから電力を供給されて動作する。電源制御回路49の制御対象であるスイッチング素子48には、インバータ30の直流の正極Pと負極Nとの間の電圧(直流リンク電圧Vdc)が印加される。従って、インバータ30を構成するスイッチング素子3と同様に、スイッチング素子48のスイッチング制御信号には概ね15〜20[V]程度の電圧振幅が必要である。電源制御回路49は、下段用ドライブ電源7Lから電力を供給されるので、必要且つ十分な電力により動作することができる。
図4には比較例のバックアップ電源4Bの一例を示しているが、比較例では電源制御回路49に対して、第1直流電源11から電力が供給されている。上述したように、第1直流電源11の電圧は、200〜400[V]である。従って、比較例では、電源制御回路49に適した電圧に調整するために、ツェナーダイオード43と電流制限抵抗44とを備えた電圧調整回路が設けられている。このように比較例では、本実施形態に比べて回路規模が大きくなると共に、ツェナーダイオード43及び電流制限抵抗44における損失も大きくなる。
また、比較例では、例えば第1直流電源11の充電などのために、コンタクタ9を閉じた場合に、電源制御回路49に電力が供給される。つまり、インバータ30を制御する必要がなく、スイッチIGも開放状態で制御部1に電力が供給されていない状態において、バックアップ電源4Bが動作して制御部1に電力を供給する可能性がある。本実施形態では、スイッチIGが閉状態で、第2直流電源12からインバータ制御装置10に電力が供給されており、ドライブ電源7も動作している状態で、バックアップ電源4が動作する。即ち、本実施形態では、インバータ30を制御する必要がない場合(スイッチIGが始めから開放状態で制御部1に電力が供給されていない場合)には、バックアップ電源4は動作しない。つまり、比較例のように、第1直流電源11の充電時などに電源制御回路49が起動されることはなく、不必要な状況でバックアップ電源4が動作することはない。
また、本実施形態では、スイッチIGが閉状態で制御部1やドライブ電源7が通常動作している場合に、電源入力ノードNIに、常時、バックアップ電源4からバックアップ電圧“BB”が印加されている。従って、制御部1やドライブ電源7が通常動作している状態から、第2直流電源12の電圧が降下したり、スイッチIGが開放状態となるような故障が生じたりした場合でも、途切れることなく制御部1やドライブ電源7に電力を供給することができる。第2直流電源12からドライブ電源7への電力供給は、バックアップ電源4を介した第1直流電源11からの電力によって確保されるので、バックアップ電源4の電源制御回路49への電力供給も途切れることはない。
バックアップ電源4は、制御部1だけではなく、ドライブ電源7にも電力を供給する。本実施形態では、バックアップ電源4の電圧変換部41がトランスを用いて構成されている。電圧変換部41が電圧レギュレータ等で構成されている場合に比べて、高い効率(低い損失)で必要な電力を生成することができる。
尚、本実施形態では、第2直流電源12及びバックアップ電源4が、それぞれ第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2を介して、電源入力ノードNIにおいて接続される形態を例示した。しかし、この形態に限らず、第2直流電源12の電圧がしきい値電圧未満まで低下した場合に、電源入力ノードNIへの電力供給源を切り替える形態であってもよい。この場合、電源入力ノードNIとグラウンド(G)との間に、コンデンサが並列接続されていると好適である。電力供給源の切り替えの際に、電源入力ノードNIの電位が、コントローラの動作電圧を生成する電圧レギュレータの入力電圧の下限値(min値)未満となることを抑制することができる。
〔実施形態の概要〕
以下、上記において説明したインバータ制御装置(10)の概要について簡単に説明する。
1つの態様として、第1直流電源(11)の正極(P)側に接続された上段側スイッチング素子(3H)と前記第1直流電源(11)の負極(N)側に接続された下段側スイッチング素子(3L)とが直列接続されたアーム(3A)を少なくとも1つ備えて直流と交流との間で電力を変換するインバータ(30)を駆動制御するインバータ制御装置(10)は、
前記第1直流電源(11)よりも低電圧の第2直流電源(12)から電力を供給されて動作し、前記インバータ(30)を構成するそれぞれのスイッチング素子(3)のスイッチング制御信号(S)を生成する制御部(1)と、
それぞれの前記スイッチング制御信号(S)を増幅して前記インバータ(30)に中継する複数のドライバ(2)と、
前記第2直流電源(12)から生成されて、それぞれの前記ドライバ(2)に電力を供給する複数のドライブ電源(7)と、
前記第2直流電源(12)とは別に、前記制御部(1)に電力を供給するバックアップ電源(4)と、を備え、
前記バックアップ電源(4)は、前記第1直流電源(11)に接続された電圧変換部(41)と、前記下段側スイッチング素子(3L)の1つに対応する前記ドライブ電源(7)に接続されて前記電圧変換部(41)をスイッチング制御する電源制御部(42)とを備える。
この構成によれば、第2直流電源(4)から制御部(1)に十分に電力が供給できない状態となっても、バックアップ電源(4)により制御部(1)に電力が供給される。従って、インバータ(30)の一部のスイッチング素子(3)のみを固定的にオン状態とするような制御に限らず、適切にインバータ(3)をスイッチング制御することができる。また、バックアップ電源(4)における電源制御部(42)はドライブ電源(7)から電力を供給されて動作する。電源制御部(42)に第1直流電源(11)から電力を供給する場合には、電圧の調整などに必要な回路規模が大きくなり、また、電圧差から損失も大きくなる傾向がある。スイッチング制御信号(S)を駆動するドライブ電源(7)の電圧は、インバータ(30)の直流側の電圧に相当する第1直流電源(11)の電圧よりも低い。従って、本構成のように、ドライブ電源(7)から電源制御部(42)に電力を供給すると、電圧の調整などに必要な回路が不要となる可能性もあり、第1直流電源(11)から電源制御部(42)に電力を供給する場合に比べて、回路規模が小さくなり、損失も抑制することができる。また、故障等が生じておらず、意図的に第2直流電源(12)が未接続状態で、第1直流電源(11)のみが接続された状態となるような場合には、制御部(1)によるインバータ(30)の制御は必要ない。本構成によれば、このような場合には、ドライブ電源(7)が動作していないので、電源制御部(42)も起動されることなく、必要のない状況で、バックアップ電源(4)が起動することもない。このように、本構成によれば、インバータ(30)をスイッチング制御する制御部(1)への電力の供給が不十分となった場合に、インバータ(30)の制御が不必要な状況では起動せず、インバータ(30)の制御が必要な状況では起動して、適切に制御部(1)へ電力を供給することができる。
また、インバータ制御装置(10)は、前記第2直流電源(12)の側にアノードが接続された第1ダイオード(D1)を介して前記第2直流電源(12)に接続される電源入力ノード(NI)を備え、前記バックアップ電源(4)は、前記バックアップ電源(4)の側にアノードが接続された第2ダイオード(D2)を介して前記電源入力ノード(NI)に接続されて、前記第2直流電源(12)の定格電圧よりも低い電圧を、常時、前記電源入力ノード(NI)に印加すると好適である。
この構成によれば、第2直流電源(12)から適切に電力が供給されて制御部(1)が動作している間にも、常にバックアップ電源(4)が待機した状態となっている。従って、第2直流電源(12)から制御部(1)への電力の供給が不十分となった場合に、途切れることなく、速やかに制御部(1)へ電力を供給することができる。
1 :制御部
2 :ドライバ
3 :スイッチング素子
3A :アーム
3H :上段側スイッチング素子
3L :下段側スイッチング素子
4 :バックアップ電源
4B :バックアップ電源
7 :ドライブ電源
10 :インバータ制御装置
11 :第1直流電源
12 :第2直流電源
30 :インバータ
41 :電圧変換部
42 :電源制御部
48 :スイッチング素子
74 :U相下段用ドライブ電源(下段側スイッチング素子の1つに対応するドライブ電源)
75 :V相下段用ドライブ電源(下段側スイッチング素子の1つに対応するドライブ電源)
76 :W相下段用ドライブ電源(下段側スイッチング素子の1つに対応するドライブ電源)
78 :スイッチング素子
D1 :第1ダイオード
D2 :第2ダイオード
N :負極
NI :電源入力ノード
P :正極
S :スイッチング制御信号

Claims (2)

  1. 第1直流電源の正極側に接続された上段側スイッチング素子と前記第1直流電源の負極側に接続された下段側スイッチング素子とが直列接続されたアームを少なくとも1つ備えて直流と交流との間で電力を変換するインバータを駆動制御するインバータ制御装置であって、
    前記第1直流電源よりも低電圧の第2直流電源から電力を供給されて動作し、前記インバータを構成するそれぞれのスイッチング素子のスイッチング制御信号を生成する制御部と、
    それぞれの前記スイッチング制御信号を増幅して前記インバータに中継する複数のドライバと、
    前記第2直流電源から生成されて、それぞれの前記ドライバに電力を供給する複数のドライブ電源と、
    前記第2直流電源とは別に、前記制御部に電力を供給するバックアップ電源と、を備え、
    前記バックアップ電源は、前記第1直流電源に接続された電圧変換部と、前記下段側スイッチング素子の1つに対応する前記ドライブ電源に接続されて前記電圧変換部をスイッチング制御する電源制御部とを備える、インバータ制御装置。
  2. 前記第2直流電源の側にアノードが接続された第1ダイオードを介して前記第2直流電源に接続される電源入力ノードを備え、
    前記バックアップ電源は、前記バックアップ電源の側にアノードが接続された第2ダイオードを介して前記電源入力ノードに接続されて、前記第2直流電源の定格電圧よりも低い電圧を、常時、前記電源入力ノードに印加する、請求項1に記載のインバータ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024075305A1 (ja) * 2022-10-07 2024-04-11 日立Astemo株式会社 電力変換装置

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