JP2011187134A - 光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化を図りコストを抑えつつも、異なる2種類以上の光ディスクに対して適切に情報の記録/再生を行える光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】第1光束と第2光束とを液晶素子LCDを通過させることで、出射する光束の収束角又は発散角を変化させ、それぞれ適切に光検出器に入射するようにできる。
【選択図】図1
【解決手段】第1光束と第2光束とを液晶素子LCDを通過させることで、出射する光束の収束角又は発散角を変化させ、それぞれ適切に光検出器に入射するようにできる。
【選択図】図1
Description
本発明は、異なる種類の光ディスクに対して互換可能に情報の記録及び/又は再生を行える光ピックアップ装置に関する。
近年、波長400nm程度の青紫色半導体レーザを用いて、情報の記録及び/又は再生(以下、「記録及び/又は再生」を「記録/再生」と記載する)を行える高密度光ディスクシステムの研究・開発が急速に進んでいる。一例として、NA0.85、光源波長405nmの仕様で情報記録/再生を行う光ディスク、いわゆるBlu−ray Disc(以下、BDという)では、DVD(NA0.6、光源波長650nm、記憶容量4.7GB)と同じ大きさである直径12cmの光ディスクに対して、1層あたり25GBの情報の記録が可能である。
ところで、かかるタイプの高密度光ディスクに対して適切に情報の記録/再生ができると言うだけでは、光ディスクプレーヤ/レコーダ(光情報記録再生装置)の製品としての価値は十分なものとはいえない。現在において、多種多様な情報を記録したDVDやCD(コンパクトディスク)が販売されている現実をふまえると、高密度光ディスクに対して情報の記録/再生ができるだけでは足らず、例えばユーザが所有しているDVDやCDに対しても同様に適切に情報の記録/再生ができるようにすることが、高密度光ディスク用の光ディスクプレーヤ/レコーダとしての商品価値を高めることに通じるのである。このような背景から、高密度光ディスク用の光ディスクプレーヤ/レコーダに搭載される光ピックアップ装置は、高密度光ディスクとDVD、更にはCDとの何れに対しても互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生できる性能を有することが望まれる。
高密度光ディスクとDVD、更にはCDとの何れに対しても互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生できるようにする方法として、高密度光ディスク用の光学系とDVDやCD用の光学系とを情報を記録/再生する光ディスクの記録密度に応じて選択的に切り替える方法が考えられるが、複数の光学系が必要となるので、小型化に不利であり、またコストが増大する。
従って、光ピックアップ装置の構成を簡素化し、低コスト化を図るためには、互換性を有する光ピックアップ装置においても、高密度光ディスク用の光学系とDVDやCD用の光学系とを共通化して、光ピックアップ装置を構成する光学部品点数を極力減らすのが好ましい。そして、光ディスクに対向して配置される対物光学素子をなるべく共通化することが光ピックアップ装置の構成の小型化・低コスト化に最も有利となる。
特許文献1、2には、小型化・低コスト化を図るため、互いに異なる3つの波長の光束を出射できる半導体レーザを1パッケージに収容した光源及び共通の光検出器を用いて、高密度光ディスクと従来のDVD及びCDに対して互換可能に情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置が記載されている。
このように、3つの半導体レーザを1パッケージに収めた光源を用いれば、光学系の共通化を図ることが出来、光ピックアップ装置のコンパクト化・低コスト化を図ることができる。しかしながら、3つの半導体レーザを1パッケージに収めた光源を用いる場合、以下に述べるような問題がある。
特許文献3には、3つの半導体レーザを1パッケージに収めた光源が開示されている。特許文献3によれば、405nm前後の光束を出射するいわゆる青紫色半導体レーザは、GaN基板に形成されるが、655nm前後の光束を出射するいわゆる赤色半導体レーザと、785nm前後の光束を出射するいわゆる赤外半導体レーザとは、GaAs基板に形成されている。ここで、同一基板上に異なる半導体レーザを形成する場合(モノリシック構造という)、比較的容易に発光点の光軸方向の位置決めを精度良く行うことができる。
しかるに、このような構成の3波長光源では、モノリシック構造の第2,第3半導体レーザの発光点間隔は精度よく形成されるのに対し、残りの第1半導体レーザは第2,第3半導体レーザとは異なるチップ上に設けられるため、第1半導体レーザの発光点位置を、第2、第3半導体レーザの発光点位置に対して精度よく設けることが困難となる。第1半導体レーザの発光点位置が、第2、第3半導体レーザの発光点位置に対して光軸方向(z方向とする)に差異が生じると、受光部において、波長λ1の光束の集光位置が光軸方向に関してλ2、λ3の光束の集光位置と異なることになる。この結果、光ピックアップ装置において各光ディスクに対物レンズの出射光が結像したとき、各光ディスクから反射した3つの光束すべてについて、焦点誤差等を良好に検出できるように光検出器の受光面上に同様に集光させることができなくなる。つまり、ある波長の光に対しては良好な焦点検出信号が得られて良好なフォーカスサーボがかけられるものの、他の波長の光束に対しては焦点検出信号にオフセットがかかることになり、フォーカスサーボを適切にかけることが困難となるという問題を有する。
本発明は、上述の問題を考慮したものであり、小型化を図りコストを抑えつつも、異なる2種類以上の光ディスクに対して適切に情報の記録/再生を行える光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の対物光学素子は、波長λ1の第1光束を出射する第1発光部と、波長λ2(λ1<λ2)の第2光束を出射する第2発光部とを備えた単一の光源と、対物光学系と、光検出器と、液晶素子とを有し、前記第1発光部からの光束を前記対物光学系により第1光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を、前記液晶素子を介して前記光検出器に受光させ、前記光検出器からの信号に基づいて、前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行い、前記第2発光部からの光束を前記対物光学系により第2光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を、前記液晶素子を介して前記光検出器に受光させ、前記光検出器からの信号に基づいて、前記第2光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置において、
前記光検出器は、前記第1光束を受光する第1受光部と、前記第2光束を受光する第2受光部とを有し、
前記液晶素子は、前記第1光束及び前記第2光束の少なくとも一方が入射するときは、前記光検出器の対応する受光部に集光するように、出射する光束の収束角又は発散角を変化させるようになっていることを特徴とする。
前記光検出器は、前記第1光束を受光する第1受光部と、前記第2光束を受光する第2受光部とを有し、
前記液晶素子は、前記第1光束及び前記第2光束の少なくとも一方が入射するときは、前記光検出器の対応する受光部に集光するように、出射する光束の収束角又は発散角を変化させるようになっていることを特徴とする。
なお本明細書で受光部は、焦点誤差検出の為の信号の他、集光スポットの光ディスクトラックに対するトラッキング誤差を検出する為の信号を出力したり、光ディスクに記録されたマークを読み取る機能を合わせて持っていてもよいということはもちろんのことである。
本発明の作用について説明する。図1は、本発明にかかる液晶素子を用いた光ピックアップ装置の概略図であり、図2は、比較例にかかる液晶素子を用いない光ピックアップ装置の概略図である。光源である光源ユニットLUは、波長λ1の第1光束を出射する第1発光部LD1と、波長λ2の第2光束を出射する第2発光部LD2とを有する。
まず、図2において実線で示すように、第1半導体レーザLD1から出射された波長λ1の第1光束は、コリメータレンズCOLを通過し、偏光ビームスプリッタPBSを透過し、光軸方向に移動可能な球面収差補正素子CU1を通過し、λ/4波長板QWPを通過し、対物光学系OBJにより第1光ディスクOD1の情報記録面に集光される。第1光ディスクOD1の情報記録面から反射された光束は、λ/4波長板QWPを通過し、球面収差補正素子CU1を通過し、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、センサレンズSNを介して、集光位置P1に集光する。
一方、図2において点線で示すように、第2半導体レーザLD2から出射された波長λ2の第2光束は、コリメータレンズCOLを通過し、偏光ビームスプリッタPBSを透過し、球面収差補正素子CU1を通過し、λ/4波長板QWPを通過し、対物光学系OBJにより第2光ディスクOD2の情報記録面に集光される。第2光ディスクOD2の情報記録面から反射された光束は、λ/4波長板QWPを通過し、球面収差補正素子CU1を通過し、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、センサレンズSNを介して、集光位置P2に集光する。
ここで、第1発光部LD1と第2発光部LD2とにおける光軸方向のズレ量が小さければ、集光位置P1,P2の光軸方向のズレ量も小さくなるので、単一の光検出器の受光面で、双方の光束を受光することが可能である。ところが、第1発光部LD1が、第2発光部LD2とは異なるチップ(ハイブリッドチップ)上に形成されている場合、第1発光部LD1と第2発光部LD2とは光軸方向にずれて配置される恐れがある。かかる場合、集光位置P1,P2が光軸方向にずれるので、第1光束を光検出器に入射させるように、光源ユニットLUと光検出器との光軸方向における相対位置を設定すると、第2光束を光検出器に入射させることができなくなる。
これに対し本発明によれば、第1光束と第2光束とを液晶素子LCDを通過させることで、出射する光束の収束角又は発散角を変化させ、それぞれ適切に光検出器に入射するようにできるのである。より具体的には、図1(a)の例では、偏光ビームスプリッタPBSと光検出器(P1,P2)との間に配置された液晶素子LCDは、通過する第1光束及び第2光束の少なくとも一方が入射したときに、出射する光束の収束角又は発散角を変化させるようになっている。第1光ディスクOD1の情報記録面から反射された光束は、λ/4波長板QWPを通過し、光軸方向に移動可能な球面収差補正素子CU1を通過し、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、液晶素子LCD、センサレンズSNを介して、集光位置P1に集光する。一方、第2光ディスクOD2の情報記録面から反射された光束は、λ/4波長板QWPを通過し、球面収差補正素子CU1を通過し、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、液晶素子LCD、センサレンズSNを介して、集光位置P1と光軸方向に重なる集光位置P2に集光するようになっている。一方、図1(b)の例では、液晶素子LCDは、光源と偏光ビームスプリッタPBSとの間に配置されているが、図1(a)の例と同様に機能する。
液晶素子LCDの原理について述べる。図3、4は、本発明にかかる液晶素子をそれぞれ示す図である。図3に示す液晶素子では、2枚の平面ガラスに液晶がサンドイッチされており、複数(ここでは4つ)の同心円上に分割された透明輪帯状電極CT1〜CT4が一方の面に、透明共通グランド極が他方の面に設けられている。輪帯状電極CT1〜CT4に異なる電圧が与えられることで、透過光に図3(b)に示すような位相差を点対称に与えられる。このためこの液晶素子は集光作用を有すことになる(特開昭61-140920号公報参照)。一方、図4に示す液晶素子LCDは、両ガラス板の間に平凸レンズ状の中空部が設けられここに液晶部LCが収容されられている。両ガラス板には透明電極E1、E2が設けられ、その印加電圧をコントロールすることで液晶部LCのレンズ焦点位置を可変とする作用を与えることができる(特開昭59-156225号公報参照)。以上の例により、入射した光束に対して、収束角もしくは発散角を任意に変更することができ、従って液晶素子LCDを通過した第1光束と第2光束とを、同じ光軸方向位置に集光させることが出来る。尚、収束角もしくは発散角の変更機能は、軸対称に行うことが望ましい。これによりフォーカシング検出は、発光部、受光部、あるいは偏光ビームスプリッタなどの光学素子における、受光素子の受光部分割線方向への位置ずれ誤差に強いビームサイズ法やナイフエッジ法も適用可能になり、しかも液晶素子は1つで足りるのでコスト的にも有利となる。
請求項2に記載の光ピックアップ装置は、請求項1に記載の発明において、前記光源からの光束を反射又は透過する偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタと前記対物レンズとの間に配置されたλ/4波長板とを有し、前記液晶素子は前記偏光ビームスプリッタと前記光検出器との間、又は前記光源と前記偏光ビームスプリッタとの間に配置されていることを特徴とする。
請求項3に記載の光ピックアップ装置は、請求項2に記載の発明において、前記液晶素子が、前記光源と前記偏光ビームスプリッタとの間に配置されており、前記液晶素子に焦点距離変更機能を与えることで、前記光検出器の受光部に入射する光束の光軸方向位置を調整することを特徴とする。前記液晶素子を、前記偏光ビームスプリッタと前記対物レンズの間に配置する場合に比べ、前記液晶素子を通過する光束の回数は1回で足り、前記光検出器に向かう光束の光量低下を抑制できる。ここで、前記液晶素子に印加する電圧をコントロールすることで、焦点距離を変更することができる。なお、前記液晶素子の焦点距離を変更する場合、対物レンズにより光ディスクの情報記録面に集光される集光スポットの収差が劣化する可能性があるが、前記偏光ビームスプリッタと前記対物レンズとの間に別に設けられた球面収差補正レンズを光軸方向に駆動させることで、同スポットを収差の低減された最適スポットにすることができる。
請求項4に記載の光ピックアップ装置は、請求項1に記載の発明において、前記光源からの光束を反射又は透過する偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタと前記対物レンズとの間に配置されたλ/4波長板とを有し、前記液晶素子は、偏光依存性を有し、前記偏光ビームスプリッタと前記対物レンズとの間に配置されていることを特徴とする。
一般的な光ピックアップ装置においては、前記光源からの光束を反射又は透過する偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタと前記対物レンズとの間に配置されたλ/4波長板とを有している。ここで、前記液晶素子を前記偏光ビームスプリッタと前記対物レンズとの間に配置した場合、前記光ディスクに向かう光束が前記液晶素子に入射することによって出射角が変化しても、前記光ディスクからの反射光が再び前記液晶素子に入射すると、同じ作用によって最初の入射角と同じ出射角で出射してしまい、光検出器上の集光位置を調整できないという問題がある。そこで本発明においては、前記液晶素子の偏光依存性を与えている。
本発明の原理について説明する。一般に液晶素子の屈折率は、液晶分子の配向に対する入射光束の偏光面との角度関係に依存する。このため、液晶素子に対する印加電圧が変わると液晶分子の配向方向が変化し屈折率も変わる。また同時に偏波面の方向が変化すればこれに入射する光束の屈折率が変る。しかし偏波面の方向をある特定の方向に選べば、配向が変化しても屈折率変化は生じない。この偏光依存性を利用して対物へ向かう往路ではレンズ偏向機能を表さず、λ/4波長板を2回通過して偏光面が往路から90°回転した復路において機能をあらわし、かつ機能の大きさを電圧の大小で制御することができる。
より具体的に説明する。図5において、半導体レーザLD1又はLD2から出射された光束は、偏光ビームスプリッタPBSで反射し、液晶素子LCD、コリメータレンズCU、λ/4波長板QWPを通過し、対物光学系OBJにより光ディスクOD1又はOD2の情報記録面に集光される。光ディスクOD1又はOD2の情報記録面から反射された光束は、λ/4波長板QWP、コリメータレンズCU、液晶素子LCDを通過し、更に偏光ビームスプリッタPBSを透過し、検出器PDに集光する。
図6は、液晶素子LCDの屈折率楕円体を示している。図6の屈折率楕円体において、短径方向の断面をACBD面とし、ACBD面から所定の角度回転した断面をAEBF面とし、対角線の長さが屈折率を表すものとする。ここで、図3に示すような輪帯状のパターンが形成された液晶素子LCDには、電圧を印加しない状態(図7(a)参照)では、ACBD面で屈折率が表される。すなわち液晶素子LCDを通過する往路光はABと偏光方向が一致するため素通りし、λ/4波長板を2回通過した復路光はCDと偏光方向が一致するが、AB=CDであるため屈折率が変化せず(図7(a)参照)、即ち液晶素子LCDは往路光及び復路光について平行平板と等価状態になる。一方、液晶素子LCDに電圧を印加した状態(図7(b)参照)では、AEBF面で屈折率が表される。すなわち液晶素子LCDを通過する往路光はABと偏光方向が一致するため素通りし、λ/4波長板を2回通過した復路光はEFと偏光方向が一致するが、AB<EFであるため屈折率が変化するので、液晶素子LCDを通過した復路光のみが、異なる屈折率の媒体を通過することとなる。この作用を用いて、通過する復路光のみに対して液晶素子LCDにより発散角又は収束角を変更できる。尚、液晶素子を逆にすれば、往路光のみに出射角の変化を与えることができるのはいうまでもない。
請求項5に記載の光ピックアップ装置は、請求項4に記載の発明において、前記λ/4波長板と前記液晶素子とは一体化されていることを特徴とする。
λ/4波長板は種々の形態が知られているが、一例として液晶を用いたものがある。具体的には、一対の電極板で挟まれた液晶部に電圧を印加することで、通過する光を直線偏光から円偏光、或いはその逆に変換できるものであって、公知技術であるので詳細は記載しない。
このようなλ/4波長板を前記液晶素子と一体化すると好ましい。図8にλ/4波長板と液晶素子とを一体化した素子を示す。かかる素子は、3枚の電極板E1,E2、E3の間に液晶部LC、LC’とを配置しており、電極板E1,E2と間の液晶部LCで図3の液晶素子LCDを構成し、また電極板E2,E3と間の液晶部LC’に電位差V3を付与することでλ/4波長板の機能を発揮する。ここで、電極板E2をグランドGRDに接地することで、アースを共通化することができコンパクト化・低コスト化を図ることができる。
請求項6に記載の光ピックアップ装置は、請求項4に記載の発明において、前記光ディスクに集光する光束の収差を補正する収差補正素子を有し、前記収差補正素子と前記液晶素子とは一体化されていることを特徴とする。
収差補正素子は種々の形態が知られているが、一例として液晶を用いたものがある。具体的には、一方の電極板が複数の輪帯に分割されており、他方の電極板との間に異なる電位差を与えることで、その間に配置された液晶部を通過する光に、輪帯毎に異なる球面収差を与えることができるものであって、公知技術であるので詳細は記載しない。
このような収差補正素子を前記液晶素子と一体化すると好ましい。図9に収差補正素子を示し、図10に収差補正素子と液晶素子とを一体化した素子を示す。図9(a)に示すように、電極E4は、4つの同心円上に分割された輪帯部RG1〜RG4を含み、それぞれ独立して電圧Va〜Vdを付与されるようになっている。ここで、電極E4の輪帯部RG1〜RG4に異なる電圧Va〜Vdが付与されると、電極E2,E4間の液晶部LC”を通過する光に、図9(b)に示すように異なる位相差を点対称に付与する。これにより、温度変化に応じて発生する球面収差や、複数の情報記録層を有する光ディスクにおける層間ジャンプ等を行える。ここで、電極板E2をグランドGRDに接地することで、アースを共通化することができコンパクト化・低コスト化を図ることができる。なお、輪帯部の形状は任意であって、コマ収差や非点収差を付与することもできる。又、収差補正素子、λ/4板素子、液晶素子の3素子を一体化してもよい。
請求項7に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記第1発光部が、前記第2発光部とは異なるチップ上に形成されて前記支持基板に取り付けられていることを特徴とする。
請求項8に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記第1受光部と前記第2受光部とは共通であることを特徴とする。
請求項9に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、前記光源は、波長λ3(λ2<λ3)の第3光束を出射する第3発光部を備え、前記第3発光部からの光束を前記対物光学系により第3光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を、前記液晶素子を介して前記光検出器に受光させるようになっていることを特徴とする。
請求項10に記載の光ピックアップ装置は、請求項9に記載の発明において、前記第1受光部と前記第2受光部と前記第3受光部は共通であることを特徴とする。
請求項11に記載の光ピックアップ装置は、請求項9又は10に記載の発明において、以下の式を満たすことを特徴とする。
395(nm)≦λ1≦415(nm) (1)
630(nm)≦λ2≦700(nm) (2)
750(nm)≦λ3≦850(nm) (3)
395(nm)≦λ1≦415(nm) (1)
630(nm)≦λ2≦700(nm) (2)
750(nm)≦λ3≦850(nm) (3)
本発明によれば、小型化を図りコストを抑えつつも、異なる2種類以上の光ディスクに対して適切に情報の記録/再生を行える光ピックアップ装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。焦点誤差信号を検出する方法として、ビームサイズ法、ナイフエッジ法がある。これらについて具体的に説明する。
図11は、ビームサイズ法を用いて第1光束の焦点検出を行う3互換光ピックアップ装置の一例を示す概略図である。図12は、光検出器PDの第1受光部における受光面をスポットSPとともに示す図である。図11において、第2,第3半導体レーザは省略されている。第1光束を出射する第1半導体レーザLD1は、不図示の第2,第3半導体レーザと共に、支持基板HPに対して接合されており、その接合面の方向をx方向(図で上下方向)とし、光軸方向をz方向とする。このとき、光検出器PD上で、x方向に対応する方向をx’方向とし、光軸方向をz’方向とする。即ち、第1半導体レーザLD1がz方向にずれると、光検出器PDに集光されるスポットはz’方向にずれることとなる。
光検出器PDは、第1光束を受光するために、単一の第1受光部を有する。第1受光部は、図2に示すように、x’方向に延在する2本の分割線DLを有しており、これにより受光面は3領域(A1,A2,A3)に分割され、それぞれ出力する信号をA1信号,A2信号,A3信号とする。回折構造DSを有する回折素子DEは、入射光束を焦点位置が異なる2つの光束に分割する機能を有する。
第1半導体レーザLD1から出射された波長λ1の光束は、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、λ/4波長板QWPを通過し、対物光学系OBJにより光ディスクOD1の情報記録面に集光される。光ディスクOD1の情報記録面から反射された光束は、λ/4波長板QWP、偏光ビームスプリッタPBSを通過し、更に液晶素子LCDと回折素子DEを通過して、光検出器PD上に2つのスポットSP1,SP2を形成する。このとき光検出器PDから出力される信号を用いて焦点誤差信号(FE信号)を形成できる。
より具体的には、光検出器PD上に形成されるスポットSP1,SP2は、遠側ディフォーカス時(図12(a))、合焦時(図12(b))、近側ディフォーカス時(図12(c))と、漸次スポット径が変化する。即ち、ディフォーカス状態に応じて、領域(A1、A2、A3)から出力される信号比が変化するため、FE信号として、FE=(A1+A3)−A2を計算すれば、これが所定値(例えば0)となる時をもって合焦時と判断することができる。
ここで、第1半導体レーザLD1のz方向の位置と、光検出器PDのz’方向の位置とがずれていると、精度良く焦点検出信号を取得することができない。そこで、液晶素子LCDに電圧を付与して、入射光に対する出射光の収束角を変えることにより、光検出器PDの受光部にスポットSP1,SP2を適切に集光させることができる。尚、同様なことは、第2,第3半導体レーザについても成立するが、ここでは説明を省略する。
次に、ナイフエッジ法について説明する。図13(a)は、ナイフエッジ法を用いて第1光束の焦点検出を行う3互換光ピックアップ装置の一例を示す概略図であり、図13(b)は、回折素子DEと光検出器PDを側方から見た図である。図14は、光検出器PDの第1受光部における受光面をスポットSPとともに示す図である。図13において、第2,第3半導体レーザは省略されている。第1光束を出射する第1半導体レーザLD1は、不図示の第2,第3半導体レーザと共に、支持基板HPに対して接合されており、その接合面の方向をx方向(図で上下方向)とし、光軸方向をz方向とする。このとき、光検出器PD上で、x方向に対応する方向をx’方向とし、光軸方向をz’方向とする。即ち、第1半導体レーザLD1がz方向にずれると、光検出器PDに集光されるスポットはz’方向にずれることとなる。
光検出器PDは、第1光束を受光するために、x’方向に並んだ2つの受光面(A,B)からなる第1受光部を有する。各第1受光部は、図14に示すように、x’方向に延在する1本の分割線DLを有しており、これにより受光面はそれぞれ2領域(A1、A2、B1、B2)に分割され、それぞれ出力する信号をA1信号,A2信号、B1信号,B2信号とする。回折構造DSを有する回折素子DEは、波長λ1の光束が入射したときは、最も回折効率が高い回折光として±N次回折光(Nは0以外の整数)を発生する。
ここで、光検出器PDに向かう収束光は、回折素子DEの回折構造DSで側方から見てハの字形に2分割され、しかも2つの収束光は不図示のホログラフィック素子等における極性が異なる領域を通過させることで、半円が形成される側が逆となるように構成されている。ただしビームサイズ法とは異なり、受光部A,Bへ向かう2つの収束光の焦点位置は互いに光軸直交方向に関して同一面内にあるものとする。
本例の場合、例えば光ディスクOD1に対して対物光学系OBJが近づいたとすると、スポットSPが受光部Aの領域A1側と受光部Bの領域B2側に生じ、2つの受光部A1,B2からの信号はそれぞれ大きさがほぼ同じ出力となり、逆に対物光学系から遠ざかったとすると、スポットSPが受光部Aの領域A2側と受光部Bの領域B1側に生じ、2つの受光部A2,B1からの信号はそれぞれ大きさがほぼ同じ出力となるので、これらの差動信号を最終的なFE信号とすることができる。これにより、焦点誤差以外の光学的、電気的ノイズをキャンセルすることができる。またここでは、第1半導体レーザの発光点位置ズレがz方向の正負どちらでも対応調整できるというメリットもある。
図13において、第1半導体レーザLD1から出射された波長λ1の光束は、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、λ/4波長板QWPを通過し、対物光学系OBJにより光ディスクOD1の情報記録面に集光される。光ディスクOD1の情報記録面から反射された光束は、λ/4波長板QWP、偏光ビームスプリッタを通過し、更に液晶素子LCDと回折素子DEを通過して±N次回折光が発生し、光検出器PDの2つの領域A、B上にそれぞれスポットSPを形成する。このとき光検出器PDから出力される信号を用いて焦点誤差信号(FE信号)を形成できる。
より具体的には、光検出器PD上に形成される半円形のスポットSPは、遠側ディフォーカス時(図14(a))、合焦時(図14(b))、近側ディフォーカス時(図14(c))と、受光部A,Bで漸次スポット径が変化する。即ち、ディフォーカス状態に応じて、それぞれ2分割領域(A1、A2、B1、B2)から出力される信号比が変化するため、FE信号として、FE=(A1+B2)−(A2+B1)を計算すれば、これが所定値(例えば0)となる時をもって合焦時と判断することができる。
ここで、第1半導体レーザLD1のx方向の位置と、光検出器PDのx’方の方向の位置とがずれていると、精度良く焦点検出信号を取得することができない。そこで、液晶素子LCDに電圧を付与して、入射光に対する出射光の収束角を変更し、これにより光検出器PDの受光部にスポットSP1,SP2を適切に集光させることができる。尚、同様なことは、第2,第3半導体レーザについても成立するが、ここでは説明を省略する。本発明は、非点収差法でも適用可能であるが、詳細は省略する。
図15は、異なる光ディスクであるBDとDVDとCDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる本実施の形態の光ピックアップ装置PU1の構成を概略的に示す図である。かかる光ピックアップ装置PU1は、光情報記録再生装置に搭載できる。図16は、図15に示す光検出器PDの受光面を矢印XVI方向に見た図であり、集光スポットをハッチングで示している。ここでは、第1光ディスクをBDとし、第2光ディスクをDVDとし、第3光ディスクをCDとする。なお、本発明は、本実施の形態に限られるものではない。
光ピックアップ装置PU1は、対物光学系としての単一の対物レンズOBJ、λ/4波長板QWP、光軸方向に移動可能な球面収差補正素子CU1,固定されたコリメータレンズCU2、光束分離素子としての偏光ビームスプリッタPBS、BDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され波長λ1=405nmのレーザ光束(第1光束)を射出する第1半導体レーザLD1(第1発光部)と、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され波長λ2=655nmのレーザ光束(第2光束)を射出する第2半導体レーザLD2(第2発光部)と、CDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され波長λ3=785nmのレーザ光束(第3光束)を射出する第3半導体レーザLD3(第3発光部)を一体化し、1つのパッケージに収容した光源ユニットLDP、入射光束を3分割して出射するグレーティングGRT、センサレンズSN、図3に示すものと同様な液晶素子LCD、光検出器PD等を有する。尚、第2半導体レーザLD2及び第3半導体レーザLD3はGa系半導体基板の同一チップに形成され(モノリシック構成)、第1半導体レーザLD1は、それとは異なる窒化物系半導体基板のチップに形成されている(ハイブリッド構成)。このような光源の例が、特開2004−319915号公報に開示されている。
図16に示されるように、光検出器PDは、光軸に略直交する受光面側に、3行3列に並んだ受光部11R〜33Rを有する。受光部11R〜13RはBDからの反射光を受光する第1受光部であり、受光部21R〜23RはDVDからの反射光を受光する第2受光部であり、受光部31R〜33RはCDからの反射光を受光する第3受光部である。受光部12Rは、上下左右に4分割され、その受光量をそれぞれ1e、1c、1f、1dとする。又受光部12Rの両側の受光部11R、13Rは、左右に2分割され、その受光量をそれぞれ1h、1g、及び1b、1aとする。受光部22Rは、上下左右に4分割され、その受光量をそれぞれ2e、2c、2f、2dとする。又受光部22Rの両側の受光部21R、23Rは、左右に2分割され、その受光量をそれぞれ2h、2g、及び2b、2aとする。更に受光部32Rは、上下左右に4分割され、その受光量をそれぞれ3e、3c、3f、3dとする。又受光部32Rの両側の受光部31R、33Rは、左右に2分割され、その受光量をそれぞれ3h、3g、及び3b、3aとする。
次に光ピックアップ装置PU1の動作について説明する。まず、第1光束が光検出器PDの第1受光部に適切なスポットを形成できるよう、液晶素子LCDに所定電圧(ゼロを含む)を付与する。第1半導体レーザLD1から射出された第1光束(λ1=405nm)の発散光束は、実線で示すように、グレーティングGRTを通過して3分割された後、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、コリメータレンズCU2、球面収差補正素子CU1を通過し、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、不図示の絞りによりその光束径が規制され、更に対物レンズOBJにより集光された光束は、厚さ0.1mmの保護基板を介して、BDの情報記録面上に形成されるスポットとなる。
BDの情報記録面上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、不図示の絞りを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、球面収差補正素子CU1を通過し,コリメータレンズCU2により収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBS、センサレンズSN、液晶素子LCDを通過して、3分割された光束がそれぞれ光検出器PDの受光部11R〜13R上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて、不図示の対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングやトラッキングさせることで、BDに記録された情報を読み取ることができる。
より具体的には、BDに対してフォーカスサーボが入った状態のフォーカスエラー(FE)信号、トラッキングエラー(TE)信号及び記録マーク再生信号(RF)を観察する。例として、フォーカスサーボは非点収差法が用いられ、FE信号は(1c+1f)−(1e+1d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングさせる。
一方、トラッキングサーボはDPP法を用いることとする。DPP法において、TE信号は、(1a+1g+1e+1f)−(1b+1h+1c+1d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをトラッキングさせる。尚、RF信号は、各受光光量の総和であり、(1a+1b+1c+1d+1e+1f+1g+1h)で表される。
次に、第2光束が光検出器PDの第2受光部に適切なスポットを形成できるよう、液晶素子LCDに所定電圧(ゼロを含む)を付与する。第2半導体レーザLD2から射出された第2光束(λ2=655nm)の発散光束は、一点鎖線で示すように、グレーティングGRTを通過して3分割された後、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、コリメータレンズCU2、球面収差補正素子CU1を通過し、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、不図示の絞りによりその光束径が規制され、更に対物レンズOBJにより集光された光束は、厚さ0.6mmの保護基板を介して、DVDの情報記録面上に形成されるスポットとなる。
DVDの情報記録面上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、不図示の絞りを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、球面収差補正素子CU1を通過し,コリメータレンズCU2により収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBS、センサレンズSN、液晶素子LCDを通過して、3分割された光束がそれぞれ光検出器PDの受光部21R〜23R上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて、不図示の対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングやトラッキングさせることで、DVDに記録された情報を読み取ることができる。
より具体的には、DVDに対してフォーカスサーボが入った状態のフォーカスエラー(FE)信号、トラッキングエラー(TE)信号及び記録マーク再生信号(RF)を観察する。例として、フォーカスサーボは非点収差法が用いられ、FE信号は(2c+2f)−(2e+2d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングさせる。
一方、トラッキングサーボはDPP法を用いることとする。DPP法において、TE信号は、(2a+2g+2e+2f)−(2b+2h+2c+2d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをトラッキングさせる。尚、RF信号は、各受光光量の総和であり、(2a+2b+2c+2d+2e+2f+2g+2h)で表される。
次に、第3光束が光検出器PDの第3受光部に適切なスポットを形成できるよう、液晶素子LCDに所定電圧(ゼロを含む)を付与する。第3半導体レーザLD3から射出された第3光束(λ3=785nm)の発散光束は、点線で示すように、グレーティングGRTを通過して3分割された後、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、コリメータレンズCU2,球面収差補正素子CU1を通過し、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、不図示の絞りによりその光束径が規制され、更に対物レンズOBJにより集光された光束は、厚さ1.2mmの保護基板を介して、CDの情報記録面上に形成されるスポットとなる。
CDの情報記録面上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、不図示の絞りを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、球面収差補正素子CU1を通過し,コリメータレンズCU2により収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBS、センサレンズSN、液晶素子LCDを通過して、3分割された光束がそれぞれ光検出器PDの受光部31R〜33R上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて、不図示の対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングやトラッキングさせることで、CDに記録された情報を読み取ることができる。
より具体的には、CDに対してフォーカスサーボが入った状態のフォーカスエラー(FE)信号、トラッキングエラー(TE)信号及び記録マーク再生信号(RF)を観察する。例として、フォーカスサーボは非点収差法が用いられ、FE信号は(3c+3f)−(3e+3d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングさせる。
一方、トラッキングサーボはDPP法を用いることとする。DPP法において、TE信号は、(3a+3g+3e+3f)−(3b+3h+3c+3d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをトラッキングさせる。尚、RF信号は、各受光光量の総和であり、(3a+3b+3c+3d+3e+3f+3g+3h)で表される。
ところで、上述したように第2半導体レーザLD2及び第3半導体レーザLD3は同じチップに形成され、第1半導体レーザLD1は、それとは異なるチップに形成されているので、光源ユニットLDPに組み付ける際に、第1半導体レーザLD1と、第2半導体レーザLD2及び第3半導体レーザLD3との間隔にバラツキが生じる。一方、光検出器PDの受光部11R〜33Rは、相対位置をずらすことができない。従って、半導体レーザの間隔が許容誤差を超えると、各光束を受光部11R〜33Rに適切に受光させることができなくなる。これに対し本実施の形態では、液晶素子LCDを駆動することによって、図3で説明したように、入射光束に対する出射光束の収束角を変更することで、いずれの光束も各受光部に適切に趨向できるようになる。
図17は、液晶素子LCDを、光検出器PDと偏光ビームスプリッタPBSとの間に配置する代わりに、光源ユニットLDPと偏光ビームスプリッタPBSとの間に配置した光ピックアップ装置PU2の概略図である。それ以外は、図15に示す実施の形態と同様であるため説明を省略する。尚、液晶素子LCDは、図6,7に示す機能を有するものを、対物レンズOBJと偏光ビームスプリッタPBSとの間に配置しても良い。又、液晶素子LCDは発散角を変更するものであっても良い。尚、本実施の形態では、球面収差補正素子CU1を光軸方向に変位させることにより光検出器PDの受光部に入射する光束の光軸方向位置を調整することができる。
図18は、異なる光ディスクであるBDとDVDとCDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる、更に別な実施の形態の光ピックアップ装置PU3の構成の一部を概略的に示す図である。図19は、図18に示す光検出器PDの受光面を矢印XIX方向に見た図であり、集光されたスポットをハッチングで示している。図19において、第1光束のみ示し、それ以外の光束は光路が同一とみなせるので省略するが、本実施の形態では光検出器PDの受光部を、各光束について共通に用いるものである。
図19に示されるように、光検出器PDは、光軸に略直交する受光面側に、3つ並んだ受光部1R〜3Rを有する。受光部1R〜3RはBD、DVD、CDからの反射光を共通して受光する受光部であり、受光量に応じた信号を出力する。即ち第1受光部、第2受光部、第3受光部が共通する例である。受光部2Rは、上下左右に4分割され、その受光量をそれぞれe、c、f、dとする。又受光部2Rの両側の受光部1R、3Rは分割されておらず、その受光量をそれぞれb、aとする。
より具体的には、BD、DVD、CDに対してフォーカスサーボが入った状態のフォーカスエラー(FE)信号、トラッキングエラー(TE)信号及び記録マーク再生信号(RF)を観察する。例として、フォーカスサーボは非点収差法が用いられ、FE信号は(c+1)−(e+d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングさせる。
一方、トラッキングサーボは3ビーム法を用いることとする。3ビーム法において、TE信号は、(a−b)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをトラッキングさせる。尚、RF信号は、各受光光量の総和であり、(a+b+c+d+e+f)で表される。
尚、図19の例では、半導体レーザLD1〜LD3の発光部位置が近接していることを前提とするが、半導体レーザLD1〜LD3の発光部位置が(10μm程度以上)離れている場合には、受光部を共通化するには偏向機能素子を追加することが望ましい。このとき液晶素子は、
(ア) 偏向機能と(光検出器上の)焦点位置調節機能の両方を兼ね備えた液晶素子であってもよいし、
(イ) 本発明の焦点位置調整用液晶素子とは別に偏向素子を設けてもよい
(ア) 偏向機能と(光検出器上の)焦点位置調節機能の両方を兼ね備えた液晶素子であってもよいし、
(イ) 本発明の焦点位置調整用液晶素子とは別に偏向素子を設けてもよい
ここで、(ア)のごとき機能を有する液晶素子LCDについては、例えば図10に示すように、焦点位置調整用の液晶素子と、偏向機能用の液晶素子とを、グランドを共通にして張り合わせることによって得ることができる。
CU1 球面収差補正素子
COL、CU,CU2 コリメータレンズ
GRT グレーティング
HP 支持基板
LCD 液晶素子
LD1 第1半導体レーザ
LD2 第2半導体レーザ
LD3 第3半導体レーザ
LDP 光源ユニット
OBJ 対物レンズ
PBS 偏光ビームスプリッタ
PD 光検出器
PU1 光ピックアップ装置
QWP λ/4波長板
SN センサレンズ
COL、CU,CU2 コリメータレンズ
GRT グレーティング
HP 支持基板
LCD 液晶素子
LD1 第1半導体レーザ
LD2 第2半導体レーザ
LD3 第3半導体レーザ
LDP 光源ユニット
OBJ 対物レンズ
PBS 偏光ビームスプリッタ
PD 光検出器
PU1 光ピックアップ装置
QWP λ/4波長板
SN センサレンズ
Claims (11)
- 波長λ1の第1光束を出射する第1発光部と、波長λ2(λ1<λ2)の第2光束を出射する第2発光部とを備えた単一の光源と、対物光学系と、光検出器と、液晶素子とを有し、前記第1発光部からの光束を前記対物光学系により第1光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を、前記液晶素子を介して前記光検出器に受光させ、前記光検出器からの信号に基づいて、前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行い、前記第2発光部からの光束を前記対物光学系により第2光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を前記液晶素子を介して前記光検出器に受光させ、前記光検出器からの信号に基づいて、前記第2光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置において、
前記光検出器は、前記第1光束を受光する第1受光部と、前記第2光束を受光する第2受光部とを有し、
前記液晶素子は、前記第1光束及び前記第2光束の少なくとも一方が入射するときは、前記光検出器の対応する受光部に集光するように、出射する光束の収束角又は発散角を変化させるようになっていることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記光源からの光束を反射又は透過する偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタと前記対物レンズとの間に配置されたλ/4波長板とを有し、前記液晶素子は前記偏光ビームスプリッタと前記光検出器との間、又は前記光源と前記偏光ビームスプリッタとの間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 前記液晶素子が、前記光源と前記偏光ビームスプリッタとの間に配置されており、前記液晶素子に焦点距離変更機能を与えることで、前記光検出器の受光部に入射する光束の光軸方向位置を調整することを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ装置。
- 前記光源からの光束を反射又は透過する偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタと前記対物レンズとの間に配置されたλ/4波長板とを有し、前記液晶素子は、偏光依存性を有し、前記偏光ビームスプリッタと前記対物レンズとの間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 前記λ/4波長板と前記液晶素子とは一体化されていることを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置。
- 前記光ディスクに集光する光束の収差を補正する収差補正素子を有し、前記収差補正素子と前記液晶素子とは一体化されていることを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置。
- 前記第1発光部が、前記第2発光部とは異なるチップ上に形成されて前記支持基板に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 前記第1受光部と前記第2受光部とは共通であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 前記光源は、波長λ3(λ2<λ3)の第3光束を出射する第3発光部を備え、前記第3発光部からの光束を前記対物光学系により第3光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を、前記液晶素子を介して前記光検出器に受光させるようになっていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 前記第1受光部と前記第2受光部と前記第3受光部は共通であることを特徴とする請求項9に記載の光ピックアップ装置。
- 以下の式を満たすことを特徴とする請求項9又は10に記載の光ピックアップ装置。
395(nm)≦λ1≦415(nm) (1)
630(nm)≦λ2≦700(nm) (2)
750(nm)≦λ3≦850(nm) (3)
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