JP2010211842A - 光ピックアップ、光学的情報再生装置および光学的情報記録再生装置 - Google Patents

光ピックアップ、光学的情報再生装置および光学的情報記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】BD多層ディスクにおいて、ある目的層から別の目的層に移動して光スポットを情報記録面に合焦点状態に持って行く際、従来よりも短時間で合焦点状態にし、情報記録面の光スポットの品質を良好に保つことが可能な光ピックアップを提供する。
【解決手段】BDレーザ光源101の出射光軸107に沿って第1のレンズ104、第2のレンズ105の2枚のレンズからなる球面収差補正光学系106を設ける。第1のレンズ104を、焦点距離fcのコリメートレンズとし、光軸107方向に移動可能とする。また、第2のレンズ105を、電気的手段109より電圧を印加し焦点距離が可変な可変焦点レンズとし光軸107の方向に固定する。
【選択図】図1

Description

本発明は光学的情報記録媒体に情報信号を記録または再生する機能を持つ光ピックアップに係わる。
DVDに続く大容量光ディスクとして、現在青紫色レーザを使い単層で23〜27GB、2層で約50GBの容量を持つBD(Blu-ray Disc)とその記録再生装置が商品化されている。このBD2層ディスクでは2つの情報記録面に約25μmのカバー層厚さの差があり、使用する対物レンズの開口数(NA)が約0.85とDVDに比べて高い。そのため、記録再生装置にはそれぞれの情報記録面に対して光ビームの焦点を合わせるための球面収差補正手段を設けることが必須となっている。
この球面収差補正手段の例は特許文献1に開示され、「光源と対物レンズの間にコリメートレンズユニットを備え、カバー層の厚さが基準値からずれ球面収差が発生した時はコリメートレンズを前後に動かし、生じた球面収差を打ち消す。」と記載されている。
一方、3面以上、例えば4面の情報記録面を持つBD多層ディスクの技術開発が進められている(非特許文献1)。
特開2004−103087号公報
OPTRONICS(2007)NO.6、p126〜p127
ところが、3層以上の情報記録層を持つBD多層ディスクでは当然、現在のBD2層ディスクに比べると、光入射側の表面から見て最も近い情報記録面と最も遠い情報記録面のカバー層厚さの差が大きくなる。言い換えると、BD2層ディスクに比べて、記録再生する目的層に光ビームの焦点を合わせるために打ち消すべき球面収差量がより大きくなる。BD2層ディスクにおいて、前記目的層の情報記録面に対して光ビームの焦点を合わせる場合、あるいは前記目的層から前記目的層に隣接する隣接層に光ビームを移動し、その情報記録面に対して光ビームの焦点を合わせる場合、上記特許文献1記載のようにコリメートレンズを前後に動かすという手段により球面収差補正が十分に行われる。
ところが、BD多層ディスクにおいて、前記目的層から前記の隣接層よりもさらに離れた層に対して光ビームを移動し、その情報記録面に対して光ビームの焦点を合わせる場合、前記BD2層ディスクの場合に比べ前記コリメートレンズを前後に動かす量が増加することになる。そのため、以下(1)〜(3)に記載の問題が発生し、短時間で十分な球面収差補正を行い、各情報記録面で合焦点状態における光スポットの品質、ひいてはサーボ信号、情報再生信号を良好に保つことが難しくなるという懸念がある。
(1) 球面収差補正を行うために時間を要する。
(2) コリメートレンズを前後に動かす機構部の精度には限界があるので、コリメートレンズの光軸ずれ、光軸傾きが大きくなる。
(3) (2)の機構部の駆動部で発生する消費電力すなわち発熱量が増加し、ひいては光学素子の特性を劣化させる。
本発明は以上の点を鑑み、BD多層ディスクのある目的層から別の目的層に移動して光スポットを情報記録面に合焦点状態に持って行く際、従来よりも短時間で合焦点状態にし、情報記録面の光スポットの品質を良好に保つことが可能な光ピックアップを提供することを目的とする。
上記記載の目的は、その一例として本発明の特許請求の範囲に記載の構成、手段により実現可能となる。
本発明によれば、BD多層ディスクのある目的層から別の目的層に移動して光スポットを情報記録面に合焦点状態に持って行く際、従来よりも短時間で合焦点状態にし、情報記録面の光スポットの品質を良好に保つことが可能な光ピックアップを提供することが可能となる。
実施例1において、BD用光ピックアップを示す図。 実施例1において、BD多層ディスクに光スポットが照射され、合焦点状態にある状態を示す図。 実施例1において、第2のレンズ105の作用について説明する図。 実施例1において、第1のレンズ104の作用について説明する図。 実施例1において、第1のレンズ104、第2のレンズ105の作用を組合せ、球面収差を補正する作用を説明する図。 実施例1において、第1のレンズ104、第2のレンズ105の作用を組合せ、球面収差を補正する作用を説明する図。 実施例2において、BD用光ピックアップを示す図。 実施例3において、BD用光ピックアップを示す図。 実施例4において、本発明に従う光ピックアップを搭載した光学的情報記録再生装置を示す図。
本発明に従う光ピックアップの実施例について以下、図面を用いて説明する。
図1は、3面以上の(図示しない)情報記録面を持つBD多層ディスク112と本実施例のBD用光ピックアップを示す。BDレーザ光源101から波長405nm帯の直線偏光の発散ビーム光が出射され、偏光ビームスプリッタ102、光ビーム多分割素子103、第1のレンズ104、第2のレンズ105を経て略平行な光ビームに変換される。上記第1のレンズ104は、焦点距離がfcに固定されたコリメートレンズであり、例えば(図示しない)ステッピングモータ、圧電素子等を用い、矢印108に示す光軸107の方向に移動可能である。また、上記第1のレンズ108の初期位置等の位置を検出する(図示しない)位置検出センサが設けられている。上記第2のレンズ105は、電気的手段109より電圧を印加することにより焦点距離が+、−、∞の値に可変な可変焦点レンズであり、光軸107の方向に固定されている。例えば、この可変焦点レンズとして液晶レンズを用いることが可能である。なお、液晶レンズに限らず電気的手段により焦点距離が+、−、∞の値に可変であればどのような形態でも構わない。
上記光ビーム多分割素子103は(図示しない)偏光性格子と1/4波長板を貼合わせて一体化した素子であり、上記(図示しない)偏光性格子は所定方向の直線偏光の光ビームを回折させ、上記所定方向と直交する方向の直線偏光の光ビームを透過させる、すなわち、紙面左方から右方へ通過する光ビームを透過させ、紙面右方から左方へ通過する光ビームを回折させる。上記偏光ビームスプリッタ102から出射した光ビームは、上記光ビーム多分割素子107の上記(図示しない)偏光性格子を回折することなく透過し、上記(図示しない)1/4波長板によって円偏光に変換される。上記第1のレンズ104、第2のレンズ105から出射した光ビームはBD立上げミラー110により垂直に光路を曲げられた後にBD対物レンズ111で集光され、BD多層ディスク112の目的とする(図示しない)情報記録面に照射される。なお、上記BD対物レンズ111はガラスあるいは樹脂で形成された単レンズからなる。
上記(図示しない)情報記録面で反射した光ビームは、上記BD対物レンズ111、上記BD立上げミラー110、第2のレンズ105、第1のレンズ104を経て上記光ビーム多分割素子103に入射する。この入射光ビームは上記(図示しない)1/4波長板により円偏光から往路(BDレーザ光源101からBD対物レンズ111に至る光路)と直交する方向の直線偏光に変換され、上記(図示しない)偏光性格子により複数の光ビームに分割される。これら複数の光ビームは、上記偏光ビームスプリッタ102を経てBD光検出器113の(図示しない)受光面に到達する。本実施例ではサーボ信号の検出方式として、フォーカス誤差信号(以下、FESと呼ぶ)にナイフエッジ法、トラッキング誤差信号(以下、TESと呼ぶ)にプッシュプル(以下、PPと呼ぶ)方式を使用してBD多層ディスク112に照射された集光スポットの位置を制御する。なお、上記ナイフエッジ法や上記PP方式は公知技術のためここでは説明を省略する。
BD光学系では上記情報記録面における集光スポットを小さくするため、DVDに比べ高い開口数0.85の上記BD対物レンズ111を使用する。ところが、上記(図示しない)情報記録面でのカバー層厚さ誤差、あるいは各情報記録面間のカバー層厚さの差により球面収差が発生する。一般的にこの球面収差は、対物レンズの開口数の4乗に比例して増加するため、BD用光ピックアップでは上記球面収差の補正手段を設けることが必須となる。本実施例ではBD多層ディスクに対応するため、第1のレンズ104、第2のレンズ105の2枚のレンズから球面収差補正光学系106を構成する。第1のレンズ108は光軸方向に短い距離ではあるが細かく移動可能、第2のレンズ105はその焦点距離の可変値の刻みが粗いものの焦点距離を広い範囲で変えることが可能、すなわち第1のレンズ104により球面収差補正の微調整、第2のレンズ105により球面収差補正の租調整を行うことが可能となっている。このような球面収差補正光学系106により、上記BD対物レンズ111に入射する光ビームを平行光から発散光または収束光に変換し、発生した球面収差を打消すように補正を行う。また、BDレーザ光源101と偏光ビームスプリッタ102の間に(図示しない)3スポット形成用の回折格子を設け、光ビーム多分割素子103を1/4波長板に変更し、偏光ビームスプリッタ102とBD光検出器113の間に(図示しない)シリンドリカルレンズを設け、BD用光ピックアップを構成しても良い。この場合、サーボ信号の検出方式として、フォーカス誤差信号に非点収差法、トラッキング誤差信号に差動プッシュプル(DPP)方式を使用し、上記BD多層ディスク112に照射された集光スポットの位置を制御する。
図2はBD多層ディスク112に、上記BD対物レンズ111で集光された光スポット201が照射され、合焦点状態にある状態を示す。202はある目的層の情報記録面を、203、204、205、206は別の目的層の情報記録面を示している。今、ある目的層の情報記録面202に光スポット201の焦点が合っているとする。BD多層ディスク112では、この状態から別の目的層の情報記録面に光スポット201の焦点を移動させる場合、
(1)矢印207、矢印208、矢印209、矢印210に示すように、ある目的層の情報記録面202から隣接する層に向かって順に連続的に移動させるモード
(2)矢印211、矢印212、矢印213に示すように、ある目的層の情報記録面202から隣接する層をまたいで一度に移動させるモード
が考えられる。そのため、多層BD用光ピックアップではこの2つのモードに対応可能とする必要がある。
なお、補正すべき球面収差量は、ある目的層の情報記録面202から離れるに従って大きくなる。特に上記(2)のモードの場合、上記モード(1)の場合に比べると、一回で大きな球面収差を補正する必要があり、さらに最終的に合焦点状態に持っていくため微少な球面収差も同時に補正することが必要となる。
図3から図5を用いて、本実施例の光ピックアップの球面収差補正光学系106、すなわち、第1のレンズ104、第2のレンズ105の作用について詳しく説明する。
初めに、図3を用いて第2のレンズ105の作用について説明する。図3(a)は、BDレーザ光源101から出射された発散光が第1のレンズ104(焦点距離がfcに固定されたコリメートレンズ)に入射し、この平行光301が第2のレンズ105(可変焦点レンズ)から出射する状態を示す。電気的手段109より電圧を印加、制御して焦点距離を−の値に変化させると、凹レンズとして作用し発散光302が出射される。焦点距離を+の値に変化させると、凸レンズとして作用し収束光303が出射される。ここで、図3(b)に示すように上記発散光302の角度をθ1、図3(c)に示すように上記収束光303の角度をθ2とする。なお、焦点距離を∞に制御すると、レンズ作用は無くなり、(図示しない)平行光が出射される。
次に、図4を用いて第1のレンズ104の作用について説明する。図4(a)は、BDレーザ光源101から出射された発散光が第1のレンズ104(焦点距離がfcに固定されたコリメートレンズ)に入射し、この第1のレンズ104が基準位置(平行光が出射される位置)から矢印108に示すように光軸107方向に移動させると、第1のレンズ104から発散光401あるいは収束光402が出射する。第2のレンズ105にレンズ作用をさせないように制御すると、第2のレンズ105からそのまま上記発散光401あるいは収束光402が出射する。ここで、図3(b)に示すように、第1のレンズ104を矢印405の方向に移動させると、発散光401が出射され、この発散光401の角度をθ3とする。図3(c)に示すように、第1のレンズ104を矢印406の方向に移動させると、収束光402が出射され、この収束光402の角度をθ4とする。
上記発散光角度についてはθ1>θ3の関係に、上記収束光角度についてはθ2>θ4の関係になるよう設定されている。一般的に、BD対物レンズ111に上記発散光あるいは収束光を入射させると球面収差補正が可能であり、入射させる発散光あるいは収束光角度を大きくするほど補正可能な球面収差量が増加する。従って、上記発散光あるいは収束光角度の関係式(発散光角度:θ1>θ3、収束光角度:θ2>θ4)より、第1のレンズ104を用いて、第2のレンズ105に比べて大きな球面収差を補正することができる。さらに、第2のレンズ105を用いて微少な球面収差を補正することができる。
これまでは説明をわかりやすくするため、図3、図4を用い、第2のレンズ105、第1のレンズ104について各レンズ単独の作用を説明してきた。本発明では、第1のレンズ104、第2のレンズ105の作用を組合せ、球面収差を補正する。この作用について図5、図6を用いて使用する。
図5(a)において、電気的手段109から第2のレンズ105に電圧を印加、制御して焦点距離を−の値に変化させ、凹レンズとして作用させる。さらに、(図示しない)ステッピングモータ、圧電素子等により第1のレンズ104を矢印405の方向に微少移動させる。このとき、第1のレンズ104からは角度θ3の発散光401が出射するとともに、第2のレンズ105から角度(θ1+θ3)の発散光501が出射し、BD対物レンズ111に入射する。また、図5(b)において、電気的手段109から第2のレンズ105に電圧を印加、制御して焦点距離を−の値に変化させ、凹レンズとして作用させる。さらに、(図示しない)ステッピングモータ、圧電素子等により第1のレンズ104を矢印406の方向に微少移動させる。このとき、第1のレンズ104からは角度θ4の収束光が出射するとともに、第2のレンズ105から角度(θ1−θ4)の収束光502が出射し、BD対物レンズ111に入射する。
図6(a)において、電気的手段109から第2のレンズ105に電圧を印加、制御して焦点距離を+の値に変化させ、凸レンズとして作用させる。さらに、(図示しない)ステッピングモータ、圧電素子等により第1のレンズ104を矢印405の方向に微少移動させる。このとき、第1のレンズ104からは角度θ3の発散光401が出射するとともに、第2のレンズ105から角度(θ2−θ3)の発散光601が出射し、BD対物レンズ111に入射する。また、図6(b)において、電気的手段109から第2のレンズ105に電圧を印加、制御して焦点距離を−の値に変化させ、凸レンズとして作用させる。さらに、(図示しない)ステッピングモータ、圧電素子等により第1のレンズ104を矢印406の方向に微少移動させる。このとき、第1のレンズ104からは角度θ4の収束光が出射するとともに、第2のレンズ105から角度(θ2+θ4)の収束光602が出射し、BD対物レンズ111に入射する。
以上、説明したように、本発明では2つのレンズを用いて球面収差補正の租調整と微調整を行うことが可能となる。その結果、図2で示したように、BD多層ディスク112のある目的層から別の目的層の情報記録面に光スポット201の焦点を移動させる場合、
(1)ある目的層の情報記録面202から隣接する層に向かって順に連続的に移動させるモード(2)ある目的層の情報記録面202から隣接する層をまたいで一度に移動させるモードの両方に対応でき、かつ従来よりも短時間で合焦点状態に持っていくことができる球面収差補正光学系を備えた光ピックアップを実現できるという効果が生じる。
さらに、第1のレンズ104(コリメートレンズ)の移動量が少ないので、光軸ずれ、光軸傾きを抑制することができるとともに、駆動部で発生する消費電力すなわち発熱量を抑制でき各光学素子の特性を良好に保つことができるという効果が生じる。その結果、情報記録面の光スポットの品質を良好に保つことが可能となる。
また、上記BD対物レンズ111の温度変化によって発生する球面収差は、樹脂製の方がガラス製に比べて大きく発生するという特性がある。この観点から見ても本実施例の球面収差補正光学系は有効である。コストが比較的高いガラス製のBD対物レンズに代わり、コストの比較的低い樹脂製のBD対物レンズを使用することができるので、光ピックアップ全体のコストダウンが可能になるという効果も生じる。
ここまで、BD用光ピックアップについて説明してきたが、BD用に限定されることはなく、例えばDVD/CD互換対物レンズを用いたDVD/CD光学系を加えることによりBD/DVD/CD対応の光ピックアップを実現することが可能である。また、対物レンズをBD専用の単レンズとして説明してきたが、これに限定されることはなく、例えばBD専用の単レンズの直下に、入射波面の位相をDVD/CDの場合に変化させることで球面収差を補償する機能を持つ位相補償板を一体に設け、1個の対物レンズによりBD/DVD/CDに対応した光ピックアップを実現することも可能である。その他、対物レンズを樹脂で形成し、入射面に回折溝を設けることによってBD/DVD対応の対物レンズとし、BD/DVDに対応した光ピックアップを実現することも可能である。
図7は、上記BD多層ディスク112と、上記実施例1と別のBD用光ピックアップを示す。上記実施例1と異なる点は、第1のレンズ104と第2のレンズ105を共通のホルダ601に搭載し、一体化して球面収差補正光学系603とした点である。その他については実施例1と同じである。本実施例の球面収差補正光学系603では、上記共通のホルダ601が光軸107に沿って矢印602の方向に移動する。その他については上記実施例1と同じであるため、ここでは説明を省略する。第1のレンズ104、第2のレンズ105、これらを組合せた場合の作用と効果についても実施例1と同様であり、ここでは説明を省略する。
図8は、上記BD多層ディスク112と、上記実施例1とはさらに別のBD用光ピックアップを示す。上記実施例1と異なる点は、第1のレンズ801と第2のレンズ803を共に可変焦点レンズとし、光軸107に沿って固定した球面収差補正光学系803とした点である。その他については実施例1と同じである。
電気的手段804から第1のレンズ801に電圧を印加、制御して焦点距離を+、−の値に変化させることで凸、凹レンズとして作用させる。同様に、電気的手段805から第2のレンズ802に電圧を印加、制御して焦点距離を+、−の値に変化させることで凸、凹レンズとして作用させる。ここでは、第2のレンズ802単独で発生させる発散、収束光角度が第1のレンズ801単独で発生させる発散、収束光角度よりも大きくなるように制御する。すなわち、第1のレンズ801を用いて球面収差補正の微調整を行い、第2のレンズ802を用いて球面収差補正の租調整を行うようになっている。
第1のレンズ801の作用は上記実施例1の図4を用いて説明した内容と、第2のレンズ802の作用は上記実施例1の図3を用いて説明した内容と同じであるためここでは説明を省略する。また、第1のレンズ801、第2のレンズ802を組合せた場合の作用と効果についても実施例1と同様であり、ここでは説明を省略する。
これまではBD多層ディスクに対応した光ピックアップの実施例について説明してきたが、本実施例では上記光ピックアップを搭載した光学的情報記録再生装置の実施例について、図9を用いて説明する。図9は情報の記録および再生を行う情報記録再生装置901の概略ブロック図を示している。902は本発明に従う光ピックアップを示しており、この光ピックアップ902から検出された信号は信号処理回路内のサーボ信号生成回路903および情報信号再生回路904に送られる。サーボ信号生成回路903では、光ピックアップ802より検出された信号から光ディスク905に適したフォーカス制御信号、トラッキング制御信号、球面収差検出信号が生成され、これらをもとに対物レンズ駆動制御回路906を経て光ピックアップ902内の(図示しない)対物レンズアクチュエータを駆動し、対物レンズ907の位置制御を行う。また、上記サーボ信号生成回路903では上記光ピックアップ902より球面収差検出信号が生成され、この信号をもとに球面収差補正駆動回路908を経て光ピックアップ902内の(図示しない)球面収差補正光学系の第1のレンズ、第2のレンズを駆動制御する。また、情報信号再生回路904では光ピックアップ902から検出された信号から光ディスク媒体905に記録された情報信号が再生され、その情報信号は情報信号出力端子909へ出力される。なお、サーボ信号生成回路903および、情報信号再生回路904で得られた信号の一部はシステム制御回路910に送られる。システム制御回路910からはレーザ駆動用信号が送られ、レーザ光源点灯回路911を駆動させて(図示しない)フロントモニタを用いて発光量の制御を行い、光ピックアップ902を介して、光ディスク媒体905に信号を記録する。なお、このシステム制御回路910にはアクセス制御回路912とスピンドルモータ駆動回路913が接続されており、それぞれ、光ピックアップ902のアクセス方向位置制御や光ディスク905のスピンドルモータ914の回転制御が行われる。なお、上記情報記録再生装置901をユーザが制御する場合、ユーザがユーザ入力装置917からユーザ入力処理回路915に指示することによって制御を行う。その際、情報記録再生装置の処理状態等の表示は表示処理回路916によって行われ、表示装置918にその処理状態が表示される。
なお、ここでは、記録と再生が可能な構成を示したが、再生のみの光学的情報再生装置として構成することもできる。
104 第1のレンズ
105 第2のレンズ
109 電気的手段
111 BD対物レンズ
112 BD多層ディスク
201 光スポット
202 ある目的層の情報記録面
203 別の目的層の情報記録面
204 別の目的層の情報記録面
205 別の目的層の情報記録面
206 別の目的層の情報記録面
302 第2のレンズ105から出射する発散光
303 第2のレンズ105から出射する収束光
401 第1のレンズ104から出射する発散光
402 第1のレンズ104から出射する収束光

Claims (11)

  1. 光ピックアップであって、
    レーザ光源と、
    球面収差補正光学系と、
    前記レーザ光源から出射した光ビームを複数の情報記録層を持つ多層情報記録媒体の各情報記録面に対して集光可能な対物レンズと、
    記録または再生の目的となる情報記録層に前記光ビームを合焦する際に、共に発散光あるいは収束光を発生させて球面収差補正を可能とする2つのレンズを有する球面収差補正光学系とを備えた光ピックアップ。
  2. 請求項1に記載の光ピックアップにおいて、前記球面収差補正光学系は、前記目的となる情報記録層から別の情報記録層に移動し、前記別の情報記録層に光ビームを合焦させる際、前記2つのレンズの一方のレンズから出射される発散光あるいは収束光の角度を変化させて球面収差補正の粗調整を行い、他方のレンズから出射される発散光あるいは収束光の角度を変化させて球面収差補正の微調整を行う光ピックアップ。
  3. 請求項1に記載の光ピックアップにおいて、前記球面収差補正光学系は、前記目的層の情報記録面に対して合焦状態を保つ際、前記2つのレンズの一方のレンズから出射される発散光あるいは収束光の角度を固定し、他方のレンズから出射される発散光あるいは収束光の角度を変化させて球面収差補正の微調整を行う機能を有する光ピックアップ。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の光ピックアップにおいて、前記球面収差補正光学系は、前記一方のレンズから出射される発散光あるいは収束光の角度を、前記他方のレンズから出射される発散光あるいは収束光の角度より大きく設定することが可能な光ピックアップ。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の光ピックアップにおいて、前記一方のレンズを電気的手段により焦点距離が可変な可変焦点レンズとし、前記他方のレンズを焦点距離が固定のコリメートレンズとした光ピックアップ。
  6. 請求項5に記載の光ピックアップにおいて、前記2つのレンズは、前記レーザ光源から出射した光ビームの光軸方向に沿って配置され、前記一方のレンズを前記光軸方向に固定し、前記他方のレンズを前記光軸方向に可動とした光ピックアップ。
  7. 請求項1から3のいずれかに記載の光ピックアップにおいて、前記2つのレンズは、前記レーザ光源から出射した光ビームの光軸方向に沿って配置され、前記光軸方向に一体に可動可能な光ピックアップ。
  8. 請求項1に記載の光ピックアップにおいて、前記対物レンズは、開口数が約0.85のガラス製あるいは樹脂製の単レンズで形成されている光ピックアップ。
  9. 請求項1に記載の光ピックアップにおいて、前記レーザ光源は、波長405nm帯の青紫色レーザ光を出射する光ピックアップ。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の光ピックアップと、少なくとも前記2つのレンズを駆動、制御する電気回路を備えた光学的情報再生装置。
  11. 請求項1から9のいずれかに記載の光ピックアップと、少なくとも前記2つのレンズを駆動、制御する電気回路を備えた光学的情報記録再生装置。
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