JP2008282486A - 光ヘッドの製造方法、光ヘッド及び光記録再生装置 - Google Patents

光ヘッドの製造方法、光ヘッド及び光記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 最も簡便で安価に高性能の光ヘッドを製造できるようにする。
【解決手段】 開示される光ヘッド1の製造方法は、所定波長の光ビームを出射する半導体レーザ4と、光記録媒体に光ビームを集光させる対物レンズと、半導体レーザ4と対物レンズとの間の光路中に配置され、光ビームの発散度を変換するレンズとを有する光ヘッド1の製造方法である。この光ヘッド1の製造方法では、所定波長、対物レンズの球面収差値又は光学系全体の球面収差値の少なくとも1つに基づいて、半導体レーザ4からレンズまでの距離を調整している。
【選択図】 図3

Description

本発明は、光ディスク等の光記録媒体にデジタル情報の記録又は再生を行う光ヘッドの製造方法、光ヘッド及び光記録再生装置に関する。
現在、HD DVD(High Definition Digital Versatile Disc)やブルーレイディスク(Blu-ray Disc:登録商標)といった高記録密度の光ディスク(以下「次世代DVD」という。)が市場に広まりつつある。この次世代DVDにデジタル情報の記録又は再生を行う光ヘッドでは、一般に、短波長の光ビームを出射するGa−N系半導体レーザが光源として用いられている。この光ビームの波長は、405nm近傍という、一般的な光学材料において屈折率の波長分散の大きい波長領域に属している。このため、光ヘッドでは、光源から出射される光ビームの波長ばらつきに対し、球面収差が発生しやすい傾向にある。
また、最近では、光ディスク1枚あたりの記録容量を増大するために、2層以上の情報記録層を設けた、いわゆる多層ディスクも一般的になりつつある。この多層ディスクでは、光入射面から各情報記録層までの距離がそれぞれ異なるため、選択される情報記録層に合わせて光ヘッドの上記球面収差を補正する必要がある。
そこで、従来の光ヘッドには、上記球面収差を補正するために、コリメートレンズの前後の光路中に球面収差補正用のレンズ群を設け、上記レンズ群の一部を光軸方向に移動させる、ビームエキスパンダ機構を設けているものがある(例えば、特許文献1参照。)。以下、この技術を第1の従来例と呼ぶ。
また、従来の光ヘッドには、光ヘッドの光路中に液晶素子(LCE:Liquid Crystal Element)を配置し、上記液晶素子に電圧を印加することにより上記液晶素子の屈折率を変化させ、通過光束に適切な位相差を与えて上記球面収差を補正しているものもある(例えば、特許文献2参照。)。以下、この技術を第2の従来例と呼ぶ。
特開平5−266511号公報 特開平9−128785号公報
第1の従来例では、ビームエキスパンダ機構を設けることにより、光ヘッドが大型化するとともに、各種機構部品の増加によるコストアップ、組み込み精度に対する製造上の困難等のマイナス要因が大きい。この点、第2の従来例では、LCEを光路中に設けるだけで球面収差を補正することができるため、このような不都合が発生しないとともに、対環境信頼性にも優れている。
しかしながら、LCEは、光束断面を領域分割し、各領域における光束の位相を変化させるため、補正された波面は領域の境界で不連続となってしまう。また、各領域内においても補正は一定量の位相シフトのため、連続的な位相分布に対して補正不足や補正過剰の部分が原理的に残存してしまう。
この残存する位相ずれは、球面収差発生量に比例するので、球面収差が大きい場合には、補正しきれずに残留する位相ずれ領域が局所的に発生し、トータルとして残留する波面収差が大きくなり、光ヘッドの性能を損なってしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、上述のような課題を解決することができるヘッドの製造方法、光ヘッド及び光記録再生装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係る光ヘッドの製造方法は、所定波長の光ビームを出射する半導体レーザと、光記録媒体に前記光ビームを集光させる対物レンズと、前記半導体レーザと前記対物レンズとの間の光路中に配置され、前記光ビームの発散度を変換するレンズとを有する光ヘッドの製造方法に係り、前記所定波長、前記対物レンズの球面収差値又は光学系全体の球面収差値の少なくとも1つに基づいて、前記半導体レーザから前記レンズまでの距離を調整することを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光ヘッドの製造方法に係り、前記半導体レーザの光軸方向の位置を調整することを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明に係る光ヘッドの製造方法は、所定波長の光ビームを出射する半導体レーザと、光記録媒体に前記光ビームを集光させる対物レンズと、前記半導体レーザと前記対物レンズとの間の光路中に配置され、前記光ビームの発散度を変換するレンズとを有する光ヘッドの製造方法に係り、製造工程の途中において、前記光記録媒体に集光する前記光ビームの波面収差又は集光ビームスポットのプロファイルを測定することにより得られる球面収差値に基づいて、前記半導体レーザから前記レンズまでの距離を調整することを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の光ヘッドの製造方法に係り、前記レンズの光軸方向の位置を調整することを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明に係る光ヘッドは、請求項1乃至4のいずれかに記載の光ヘッドの製造方法により製造されたことを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明に係る光ヘッドは、所定波長の光ビームを出射する半導体レーザと、光記録媒体に前記光ビームを集光させる対物レンズと、前記半導体レーザと前記対物レンズとの間の光路中に配置され、前記光ビームの発散度を変換するレンズとを有する光ヘッドに係り、前記所定波長、前記対物レンズの球面収差値又は光学系全体の球面収差値の少なくとも1つに基づいて、前記半導体レーザから前記レンズまでの距離が調整されて当該半導体レーザ及び前記レンズが固定されていることを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の光ヘッドに係り、前記対物レンズと前記半導体レーザとの間の前記光軸上に、収差を補正するための液晶素子が配置されていることを特徴としている。
また、請求項8に記載の発明に係る光記録再生装置は、請求項5乃至7のいずれかに記載の光ヘッドを備えることを特徴としている。
本発明によれば、請求項1に記載の発明に係る光ヘッドの製造方法は、所定波長の光ビームを出射する半導体レーザと、光記録媒体に前記光ビームを集光させる対物レンズと、前記半導体レーザと前記対物レンズとの間の光路中に配置され、前記光ビームの発散度を変換するレンズとを有する光ヘッドの製造方法に係り、前記所定波長、前記対物レンズの球面収差値又は光学系全体の球面収差値の少なくとも1つに基づいて、前記半導体レーザから前記レンズまでの距離を調整している。
従って、半導体レーザから出射される光ビームの波長がばらついた場合であっても、この波長のばらつきに起因する球面収差を補正して使用することができる。従って、光ヘッドの歩留まりが向上し、光ヘッド及びこれを搭載した光記録再生装置の価格を低減することができる。つまり、最も簡便で安価に高性能の光ヘッドを製造することができる。
また、本発明によれば、請求項3に記載の発明に係る光ヘッドの製造方法は、所定波長の光ビームを出射する半導体レーザと、光記録媒体に前記光ビームを集光させる対物レンズと、前記半導体レーザと前記対物レンズとの間の光路中に配置され、前記光ビームの発散度を変換するレンズとを有する光ヘッドの製造方法に係り、製造工程の途中において、前記光記録媒体に集光する前記光ビームの波面収差又は集光ビームスポットのプロファイルを測定することにより得られる球面収差値に基づいて、前記半導体レーザから前記レンズまでの距離を調整している。
従って、半導体レーザから出射される光ビームの波長がばらついた場合であっても、この波長のばらつきに起因する球面収差を補正して使用することができる。従って、光ヘッドの歩留まりが向上し、光ヘッド及びこれを搭載した光記録再生装置の価格を低減することができる。つまり、最も簡便で安価に高性能の光ヘッドを製造することができる。
また、本発明によれば、請求項5に記載の発明に係る光ヘッドは、請求項1乃至4のいずれかに記載の光ヘッドの製造方法により製造されている。従って、半導体レーザから出射される光ビームの波長がばらついた場合であっても、この波長のばらつきに起因する球面収差を補正して使用することができる。従って、光ヘッドの歩留まりが向上し、光ヘッド及びこれを搭載した光記録再生装置の価格を低減することができる。つまり、最も簡便で安価に高性能の光ヘッドを製造することができる。
また、本発明によれば、請求項6に記載の発明に係る光ヘッドは、所定波長の光ビームを出射する半導体レーザと、光記録媒体に前記光ビームを集光させる対物レンズと、前記半導体レーザと前記対物レンズとの間の光路中に配置され、前記光ビームの発散度を変換するレンズとを有する光ヘッドに係り、前記所定波長、前記対物レンズの球面収差値又は光学系全体の球面収差値の少なくとも1つに基づいて、前記半導体レーザから前記レンズまでの距離が調整されて当該半導体レーザ及び前記レンズが固定されている。
従って、半導体レーザから出射される光ビームの波長がばらついた場合であっても、この波長のばらつきに起因する球面収差を補正して使用することができる。従って、光ヘッドの歩留まりが向上し、光ヘッド及びこれを搭載した光記録再生装置の価格を低減することができる。つまり、最も簡便で安価に高性能の光ヘッドを製造することができる。
また、本発明によれば、請求項8に記載の発明に係る光記録再生装置は、請求項5乃至7のいずれかに記載の光ヘッドを備えている。従って、光記録再生装置は、正確にデジタル情報の記録又は再生を行うことができる。また、本発明によれば、半導体レーザから出射される光ビームの波長がある程度ばらついても、この波長のばらつきに起因する球面収差を補正して使用することができる。従って、光ヘッドの歩留まりが向上し、光ヘッド及びこれを搭載した光記録再生装置の価格を低減することができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る光ヘッド1の光学系の構成を示す概略図である。この光ヘッド1は、物理的トラックピッチが異なる3種類の光記録媒体2(2a〜2c)のそれぞれにデジタル情報の記録又は再生を行うことができるように構成されている。
第1の光記録媒体2aは、現行のDVD−ROM、DVD±R/RW及びこれらと同等の構造及び記憶容量を備えた光記録媒体である。また、第2の光記録媒体2bは、CD−ROM、CD−R/RW及びこれらと同等の構造及び記憶容量を備えた光記録媒体である。さらに、第3の光記録媒体2cは、次世代のDVD−ROM、DVD−R/RW及びこれらと同等の構造及び記憶容量を備えた光記録媒体である。
光ヘッド1は、図1に示すように、光ビームを出射する光源として半導体レーザ3及び4を有している。半導体レーザ3は、現行のDVDを記録再生するための波長650nmの光ビーム(第1の光ビーム)を発光する第1の発光領域と、CDを記録再生するための波長780nmの光ビーム(第2の光ビーム)を発光する第2の発光領域とが所定距離隔てて形成され、1つのパッケージに収容されている。一方、半導体レーザ4は、次世代のDVDを記録再生するための波長405nmの光ビーム(第3の光ビーム)を発光する。
半導体レーザ3と半導体レーザ4とは、半導体レーザ3から出射された第1又は第2の光ビームの光軸と、半導体レーザ4から出射された第3の光ビームの光軸とが互いに直交するように設けられている。
半導体レーザ3の光出射側の所定位置には、回折格子5が配置されている。この回折格子5の片面には、半導体レーザ3から出射された、第1及び第2の光ビームをそれぞれ3本の光ビーム(0次の主ビームと±1次の副ビーム)(図示略)に分割するために最適化された回折格子パターンが形成されている。即ち、回折格子5は、光記録媒体2の表面(情報記録面)において、主ビームの集光位置を中心にトラック方向に所定距離隔てて対称な位置に±1次の副ビームが集光されるように、半導体レーザ3から出射された第1及び第2の光ビームをそれぞれ分割する。
また、半導体レーザ4の光出射側の所定位置にも、回折格子6が配置されている。この回折格子6の片面には、半導体レーザ4から出射された、第3の光ビームを3本の光ビーム(0次の主ビームと±1次の副ビーム)(図示略)に分割するために最適化された回折格子パターンが形成されている。即ち、回折格子6は、光記録媒体2の表面(情報記録面)において、主ビームの集光位置を中心にトラック方向に所定距離隔てて対称な位置に±1次の副ビームが集光されるように、半導体レーザ4から出射された第3の光ビームを分割する。
半導体レーザ3から見て回折格子5の光透過側であって、半導体レーザ4から見て回折格子6の光透過側であり、かつ、上記半導体レーザ3から出射された第1又は第2の光ビームの光軸と、半導体レーザ4から出射された第3の光ビームの光軸とが互いに直交する位置には、ダイクロイックプリズム7が配置されている。ダイクロイックプリズム7は、略立方体形状を呈しており、第1及び第2の光ビームをほぼ全透過し、第3の光ビームをほぼ全反射する。
ダイクロイックプリズム7の回折格子5と対向する面7aと反対側の面7b側には、偏光ビームスプリッタ8が配置されている。偏光ビームスプリッタ8は、ダイクロイックプリズム7と対向する面8aによりダイクロイックプリズム7からの光ビームを90%程度を透過して後述するコリメートレンズ(CL)9に入射させるとともに、残りの10%程度を反射させて後述するフロントモニタ用光検出器14に入射させる。また、偏光ビームスプリッタ8は、コリメートレンズ9からの戻り光を内部の接合面8bにより反射して後述するアナモフィックレンズ15に入射させる。
偏光ビームスプリッタ8と対向してコリメートレンズ9が配置されている。コリメートレンズ9は、偏光ビームスプリッタ8からの発散光線束を平行光線束に変換するとともに、液晶素子10からの平行光線束を集束光線束に変換する。
コリメートレンズ9と対向して液晶素子10及び立ち上げミラー(全反射ミラー)11がこの順に並んで配置されているとともに、立ち上げミラー11の上方に4分の1波長板12及び対物レンズ13がこの順に並んで配置されている。
液晶素子10は、透明電極が所定の形状に分割され、分割領域ごとに対応する屈折率が印加電圧に応じて変更可能に構成されている。透明電極は、例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO:Indium Tin Oxide)や酸化錫等からなる。液晶素子10は、電圧が印加されることにより、屈折率が変化し、通過光束に適切な位相差を与えることにより、光記録媒体2の厚さの影響による光記録媒体2の焦点で生じる波面収差(主として球面収差)、光記録媒体2の偏芯に伴う対物レンズ13と液晶素子10の相対的な位置ずれの影響による光記録媒体2の焦点で生じる波面収差を補正するように構成されている。
立ち上げミラー11は、液晶素子10からの光ビームを反射して光路を折り曲げて光記録媒体2の方向に立ち上げ、4分の1波長板12に入射させる。また、立ち上げミラー11は、4分の1波長板12からの光ビームを反射して光路を折り曲げてコリメートレンズ9に入射させる。
4分の1波長板12は、立ち上げミラー11からの主ビーム並びに±1次の副ビーム(以下、「往路光ビーム」という。)を直線偏光から円偏光に変換するとともに、対物レンズ13からの光ビームを円偏光から上記往路光ビームの偏光方位と直交する方向の直線偏光に変換する。対物レンズ13は、4分の1波長板12からの平行光線束を光記録媒体2の情報記録面に集光するとともに、光記録媒体2からの反射光を平行光線束に変換する。
また、ダイクロイックプリズム7から見て偏光ビームスプリッタ8の光反射側には、フロントモニタ用光検出器14が配置されている。フロントモニタ用光検出器14は、半導体レーザ3又は4から出射された第1〜第3の光ビームの光強度を計測する。このフロントモニタ用光検出器14の出力に基づいて半導体レーザ3及び4の出力が調整される。
一方、コリメートレンズ9から見て偏光ビームスプリッタ8の光反射側には、アナモフィックレンズ15及び受光素子16がこの順に配置されている。アナモフィックレンズ15は、偏光ビームスプリッタ8からの光ビームに焦点ズレ誤差検出のための非点収差を与え、受光素子16上に結像させる。受光素子16は、受光した各光ビームをそれぞれ分割された各受光領域(図示略)においてそれぞれ独立に光電変換して電気信号を出力する。
本発明における所定波長の光ビームを出射する半導体レーザと、光記録媒体に前記光ビームを集光させる対物レンズと、前記半導体レーザと前記対物レンズとの間の光路中に配置され、前記光ビームの発散度を変換するレンズの一例として、コリメートレンズで説明する。
本発明者らが鋭意検討した結果、以上説明した光ヘッド1の光学系において、球面収差は、主に、コリメートレンズ9及び対物レンズ13のそれぞれの製造誤差に起因する球面収差の組み合わせにより発生することが分かった。また、上記した光ヘッド1のうち、次世代DVDの光学系では、半導体レーザ4から出射される第3の光ビームの波長は、405nm近傍という、一般的な光学材料において屈折率の波長分散の大きい波長領域に属している。このため、この光学系では、半導体レーザ4から出射される第3の光ビームの波長ばらつきに対する球面収差発生量が大きい。図2は、半導体レーザ4から出射される第3の光ビームの波長のばらつきに対する球面収差発生量の一例を示す図である。図2の場合、設計の中心として想定した第3の光ビームの波長は、405nmである。図2に示すように、半導体レーザ4の個体ごとの波長ばらつきの許容量を±10nmとした場合、球面収差は、±0.04λrms程度発生することが分かった。
従って、コリメートレンズ9、対物レンズ13及び半導体レーザ4の波長ずれによる球面収差値が、それらの出荷検査データにより明らかであれば、これに応じて半導体レーザ4又はコリメートレンズ9の組み込み位置をずらせば良い。まず、半導体レーザ4の組み込み位置を調整する場合、通常、半導体レーザ4は、内部に光ヘッド1の光学系が収容されるハウジング19(図3参照)の外周面に取り付けられるため、半導体レーザ4が収容されるレーザホルダ17(図3参照)と上記ハウジング19との間にスペーサを設けたり、半導体レーザ4又は、半導体レーザ4及び上記レーザホルダ17からなる光源ユニット18(図3参照)を空中で調整した後、上記半導体レーザ4又は上記光源ユニット18と上記ハウジング19とをブリッジするように紫外線硬化型接着剤を塗布し硬化させたりすれば良い。一方、コリメートレンズ9の場合には、上記ハウジング19内の光軸に垂直な取付基準面とコリメートレンズ9との間にスペーサ(図示略)を設け、このスペーサの厚みを変更することにより、容易に組み込み位置を調整することができる。
さらに、以上説明した光ヘッド1の光学系において、ダイクロイックプリズム7の位置を図中x方向に移動させるとともに、これに応じて半導体レーザ4の位置も図中x、y方向に移動させることにより、半導体レーザ4からコリメートレンズ9までの距離を調整することもできる。
また、光ヘッド1の製造工程において、干渉計を用いて波面収差を測定したり、集光ビームスポットのプロファイルを測定したりすることが可能である場合には、得られた球面収差値に応じて半導体レーザ4又はコリメートレンズ9の組み込み位置を調整することにより、個々の光ヘッド1のそれぞれに対して球面収差を最小化することが可能である。この場合、球面収差値を測定しつつ、半導体レーザ4又はコリメートレンズ9の組み込み位置を調整しても良い。このような方法が可能であれば、コリメートレンズ9及び対物レンズ13のそれぞれの球面収差値や半導体レーザ4の波長が既知でなくても、光ヘッド1の個々に対する厳密な最適化が可能となる。
以下、図3に示すように、半導体レーザ4及びレーザホルダ17からなる光源ユニット18を空中で調整した後、上記光源ユニット18と、内部に光ヘッド1の光学系が収容されるハウジング19とをブリッジするように紫外線硬化型接着剤20を塗布し硬化させる場合について説明する。まず、前提として、半導体レーザ4から出射される第3の光ビームの波長が400nm(設計値に対して−5nm)であって、光学系の球面収差が+0.03λrmsであったとする。この場合、図2に点Aで示すように、+0.05λrms程度の球面収差が予想される。
一方、図1に示す光学系において、半導体レーザ4からコリメートレンズ9までの光路長を変化させた場合の球面収差変化量が図4に示す特性曲線を示すものとする。さらに、図3において、その調整許容範囲が設計値に対して±0.4mmであるとする。何故なら、紫外線硬化型接着剤で接合される厚みが1mm程度を超えると、樹脂である接着剤の熱膨張や吸湿変化により、対環境信頼性が悪化してしまうからである。また、半導体レーザ4からコリメートレンズ9までの光路長が設計値から大きくずれると、光利用効率やNAの仕様値からのずれといった光学的な問題も発生するからである。
上記したように、予想される球面収差量は+0.05λrmsであるため、光源ユニット18を管理上の限界値である0.4mmだけ基準位置から遠ざけて(図3中y−方向)接着する。その結果、光ヘッド1が有する波面収差は、+0.02λrms弱程度となる。さらに、この波面収差+0.02λrms弱程度を液晶素子10を用いて補正(最適化)することにより、光ヘッド1に残留する球面収差を非常に小さくすることができる。
また、上記実施の形態1では、半導体レーザ4の位置をずらしたが、これによって半導体レーザ4の発光点と回折格子6との距離が変わってしまうため、±1次の副ビームが受光素子16内の各受光領域へ入射する位置が相対的にずれてしまい、光ヘッドの性能を損なってしまう場合がある。これを防ぐために、回折格子6を光源ユニット18に組み込んで一体化させ、ブロックとして移動させた方が良い場合もある。
以上説明したように、次世代DVDにデジタル情報の記録又は再生を行う光ヘッド1において、半導体レーザ4から出射される第3の光ビームの波長並びにコリメートレンズ9又は対物レンズ13の製造誤差に起因する球面収差を補正する場合、本発明の実施の形態1のように、半導体レーザ4からコリメートレンズ9までの光路長を変化させることによる補正と、液晶素子10を用いた補正とを組み合わせることが、最も簡便で安価な方法である。
また、上記実施の形態1では、所定波長の光ビームを出射する半導体レーザと、光記録媒体に前記光ビームを集光させる対物レンズと、前記半導体レーザと前記対物レンズとの間の光路中に配置され、前記光ビームの発散度を変換するレンズの一例として、コリメートレンズ9としたが、半導体レーザ3や半導体レーザ4から対物レンズ13までの光路において、光束の発散角を変換するレンズであれば効果は本質的に同等であり、コリメートレンズ(発散する光束を平行光に変換する)に限ったものではない。
ところで、次世代DVDでは、上記したように、2層以上の情報記録層を設けた多層ディスクが一般的になりつつある。既に規格化されている2層ディスクの場合、1層目と2層目の間隔、いわゆる層間隔が最大で30μm程度である。ここで、図5に、2層ディスクの両層の中間を光ヘッド1の設計値とし、この設計値から光透過層の厚さを±15μmの範囲で変化させた場合の球面収差値の変化の一例を示す。
図5から分かるように、多層ディスクでは、半導体レーザ4から出射される第3の光ビームの波長のばらつきに起因する球面収差並びにコリメートレンズ9又は対物レンズ13の製造誤差に起因する球面収差と同程度の球面収差がさらに発生することになる。しかしながら、本発明の実施の形態1のように、半導体レーザ4からコリメートレンズ9までの光路長を変化させることによる補正と、液晶素子10を用いた補正とを組み合わせることにより、多層ディスクにデジタル情報の記録又は再生を行う場合でも、良好な特性を有する光ヘッドを安価に製造することができる。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2に係る光記録再生装置の構成を示す概略図である。この光記録再生装置は、上記した実施の形態1に係る光ヘッド1と、スピンドルモータ21と、スピンドルモータ駆動回路22と、コントローラ23と、送りモータ24と、送りモータ駆動回路25と、レーザ駆動回路26と、レンズ駆動回路27と、液晶素子駆動回路28とから概略構成されている。
光ヘッド1は、図1に示す光学系の他、図示しないが、対物レンズ13を駆動する対物レンズ駆動装置と、ハウジング19(図3参照)とを有している。ハウジング19は、例えば、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)あるいはマグネシウム(Mg)等の金属や液晶ポリマ(LCP)等の合成樹脂などからなる。ハウジング19には、例えば、上記対物レンズ駆動装置の外周形状と略相似形状であって、上記対物レンズ駆動装置が遊嵌される貫通部が形成されている。対物レンズ駆動装置は、ハウジング19の貫通部に遊嵌された状態で、ハウジング19とは、貫通部の上周縁部の数箇所、貫通部の下周縁部の数箇所において接着剤等により固着されている。これにより、ハウジング19は、上記対物レンズ駆動装置を支持する。
スピンドルモータ駆動回路22は、コントローラ23の制御の下、スピンドルモータ21を駆動して光記録媒体2を回転させる。コントローラ23は、光ヘッド1から供給される受光素子16での検出信号に基づいて、スピンドルモータ駆動回路22、送りモータ駆動回路25、レーザ駆動回路26、レンズ駆動回路27及び液晶素子駆動回路28をそれぞれ制御する。
送りモータ駆動回路25は、コントローラ23の制御の下、送りモータ24を駆動して光ヘッド1を光記録媒体2の半径方向に移動させる。レーザ駆動回路26は、コントローラ23の制御の下、光ヘッド1を構成する半導体レーザ3及び4(図1参照)を駆動するためのレーザ駆動信号を生成し、光ヘッド1に供給する。レンズ駆動回路27は、コントローラ23の制御の下、光ヘッド1を構成する対物レンズ13のフォーカシング、トラッキング及びチルトを制御するためのレンズ駆動信号を生成し、光ヘッド1に供給する。液晶素子駆動回路28は、コントローラ23の制御の下、液晶素子10の分割領域ごとに対応する屈折率を変更するための液晶素子駆動信号を生成し、光ヘッド1に供給する。
コントローラ23は、フォーカスサーボ追従回路31と、トラッキングサーボ追従回路32と、スキュー調整回路33と、レーザコントロール回路34とを有している。フォーカスサーボ追従回路31は、光ヘッド1から供給される受光素子16での検出信号から演算により生成された焦点ズレ誤差信号FESに基づいて、回転している光記録媒体2の情報記録面に光ヘッド1から出射された光ビームのフォーカスをかけるためのフォーカスサーボ信号を生成し、レンズ駆動回路27に供給する。
トラッキングサーボ追従回路32は、光ヘッド1から供給される受光素子16での検出信号から演算により生成されたトラッキング誤差信号TESに基づいて、光記録媒体2の偏芯している信号トラックに対して、光ヘッド1から出射された光ビームのビームスポットを追従させるためのトラッキングサーボ信号を生成し、レンズ駆動回路27に供給する。スキュー調整回路33は、光ヘッド1から供給される受光素子16での検出信号から演算により生成されたトラッキング誤差信号TESあるいはその他の信号に基づいて、光ヘッド1を構成する対物レンズ13(図1参照)をラジアル方向に傾斜させるためのスキュー調整信号を生成し、レンズ駆動回路27に供給する。レーザコントロール回路34は、光ヘッド1から供給される受光素子16での検出信号から抽出された光記録媒体2に記録されている記録条件設定情報に基づいて、適切なレーザ駆動信号の生成を行う。
コントローラ23は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、シーケンサ等のハードウェアで構成しても良いし、CPU(中央処理装置)が上記フォーカスサーボ追従回路31、上記トラッキングサーボ追従回路32、上記スキュー調整回路33及び上記レーザコントロール回路34が行う処理をプログラムに基づいて実行するように構成しても良い。
このように、本発明の実施の形態2によれば、上記した実施の形態1に係る光ヘッド1を用いて光記録再生装置を構成している。従って、光記録再生装置は、物理的トラックピッチが異なる3種類の光記録媒体2(2a〜2c)のいずれについても、正確にデジタル情報の記録又は再生を行うことができる。また、本発明の実施の形態2によれば、半導体レーザ4から出射される第3の光ビームの波長がある程度ばらついても、この波長のばらつきに起因する球面収差を補正して使用することができる。従って、光ヘッド1の歩留まりが向上し、光ヘッド1及びこれを搭載した光記録再生装置の価格を低減することができる。
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3に係る光ヘッド41の光学系の構成を示す概略図である。この光ヘッド41は、物理的トラックピッチが異なる2種類の光記録媒体42(42a及び42b)のそれぞれにデジタル情報の記録又は再生を行うことができるように構成されている。
第1の光記録媒体42aは、現行のDVD−ROM、DVD±R/RW及びこれらと同等の構造及び記憶容量を備えた光記録媒体である。また、第2の光記録媒体42bは、CD−ROM、CD−R/RW及びこれらと同等の構造及び記憶容量を備えた光記録媒体である。
光ヘッド41は、図7に示すように、光ビームを出射する光源として半導体レーザ43及び44を有している。半導体レーザ43は、現行のDVDを記録再生するための波長650nmの光ビーム(第1の光ビーム)を発光する。一方、半導体レーザ44は、CDを記録再生するための波長780nmの光ビーム(第2の光ビーム)を発光する。
半導体レーザ43と半導体レーザ44とは、半導体レーザ43から出射された第1の光ビームの光軸と、半導体レーザ44から出射された第2の光ビームの光軸とが互いに直交するように設けられている。
半導体レーザ43の光出射側の所定位置には、回折格子45が配置されている。この回折格子45の片面には、半導体レーザ43から出射された、第1の光ビームを3本の光ビーム(0次の主ビームと±1次の副ビーム)(図示略)に分割するために最適化された回折格子パターンが形成されている。即ち、回折格子45は、光記録媒体2の表面(情報記録面)において、主ビームの集光位置を中心にトラック方向に所定距離隔てて対称な位置に±1次の副ビームが集光されるように、半導体レーザ43から出射された第1の光ビームを分割する。
また、半導体レーザ44の光出射側の所定位置にも、回折格子46が配置されている。この回折格子46の片面には、半導体レーザ44から出射された、第2の光ビームを3本の光ビーム(0次の主ビームと±1次の副ビーム)(図示略)に分割するために最適化された回折格子パターンが形成されている。即ち、回折格子46は、光記録媒体2の表面(情報記録面)において、主ビームの集光位置を中心にトラック方向に所定距離隔てて対称な位置に±1次の副ビームが集光されるように、半導体レーザ44から出射された第2の光ビームを分割する。
半導体レーザ43から見て回折格子45の光透過側であって、半導体レーザ44から見て回折格子46の光透過側であり、かつ、上記半導体レーザ43から出射された第1の光ビームの光軸と、半導体レーザ44から出射された第2の光ビームの光軸とが互いに直交する位置には、ダイクロイックプリズム47が配置されている。ダイクロイックプリズム47は、略立方体形状を呈しており、第1の光ビームをほぼ全透過し、第2の光ビームをほぼ全反射する。
ダイクロイックプリズム47の回折格子45と対向する面47aと反対側の面47b側には、偏光ビームスプリッタ48が配置されている。偏光ビームスプリッタ48は、ダイクロイックプリズム47と対向する面48aによりダイクロイックプリズム47からの光ビームを90%程度を透過して後述するコリメートレンズ49に入射させるとともに、残りの10%程度を反射させて後述するフロントモニタ用光検出器53に入射させる。また、偏光ビームスプリッタ48は、コリメートレンズ49からの戻り光を内部の接合面48bにより反射して後述するアナモフィックレンズ54に入射させる。
偏光ビームスプリッタ48と対向してコリメートレンズ49が配置されている。コリメートレンズ49は、偏光ビームスプリッタ48からの発散光線束を平行光線束に変換するとともに、立ち上げミラー50からの平行光線束を集束光線束に変換する。
コリメートレンズ49と対向して立ち上げミラー(全反射ミラー)50が配置されているとともに、立ち上げミラー50の上方に4分の1波長板51及び対物レンズ52がこの順に並んで配置されている。
立ち上げミラー50は、コリメートレンズ49からの光ビームを反射して光路を折り曲げて光記録媒体42の方向に立ち上げ、4分の1波長板51に入射させる。また、立ち上げミラー50は、4分の1波長板51からの光ビームを反射して光路を折り曲げてコリメートレンズ49に入射させる。
4分の1波長板51は、立ち上げミラー50からの主ビーム並びに±1次の副ビーム(以下、「往路光ビーム」という。)を直線偏光から円偏光に変換するとともに、対物レンズ52からの光ビームを円偏光から上記往路光ビームの偏光方位と直交する方向の直線偏光に変換する。対物レンズ52は、4分の1波長板51からの平行光線束を光記録媒体42の情報記録面に集光するとともに、光記録媒体42からの反射光を平行光線束に変換する。
また、ダイクロイックプリズム47から見て偏光ビームスプリッタ48の光反射側には、フロントモニタ用光検出器53が配置されている。フロントモニタ用光検出器53は、半導体レーザ43又は44から出射された第1又は第2の光ビームの光強度を計測する。このフロントモニタ用光検出器53の出力に基づいて半導体レーザ43及び44の出力が調整される。
一方、コリメートレンズ49から見て偏光ビームスプリッタ48の光反射側には、アナモフィックレンズ54及び受光素子55がこの順に配置されている。アナモフィックレンズ54は、偏光ビームスプリッタ48からの光ビームに焦点ズレ誤差検出のための非点収差を与え、受光素子55上に結像させる。受光素子55は、受光した各光ビームをそれぞれ分割された各受光領域(図示略)においてそれぞれ独立に光電変換して電気信号を出力する。
本発明における所定波長の光ビームを出射する半導体レーザと、光記録媒体に前記光ビームを集光させる対物レンズと、前記半導体レーザと前記対物レンズとの間の光路中に配置され、前記光ビームの発散度を変換するレンズの一例として、コリメートレンズで説明する。
図8は、半導体レーザ43から出射される第1の光ビームの波長のばらつきに対する球面収差発生量の一例を示す図である。図8の場合、設計の中心として想定した第1の光ビームの波長は、655nmである。図8から分かるように、現行のDVDの光学系では、半導体レーザ43から出射される第1の光ビームの波長は、650nm近傍であり、次世代のDVDの光学系と比較して長い波長である。この波長領域は、一般的な光学材料において屈折率の波長分散が小さい領域に属している。このため、この光学系では、半導体レーザ43から出射される第1の光ビームの波長ばらつきに対する球面収差発生量が十分小さく、考慮しなくて良いレベルである。
従って、光ヘッド41の球面収差は、主に、コリメートレンズ49及び対物レンズ52のそれぞれの製造誤差による球面収差の組み合わせのみを考慮すれば良い。コリメートレンズ49及び対物レンズ53のそれぞれの球面収差値が、それらの出荷検査データにより明らかであれば、これに応じて半導体レーザ43又はコリメートレンズ49の組み込み位置をずらせば良い。
まず、半導体レーザ43の組み込み位置を調整する場合、通常、半導体レーザ43は、内部に光ヘッド41の光学系が収容されるハウジング(図示略)の外周面に取り付けられるため、半導体レーザ43が収容されるレーザホルダ(図示略)と上記ハウジングとの間にスペーサを設けたり、半導体レーザ43又は、半導体レーザ43及び上記レーザホルダからなる光源ユニット(図示略)を空中で調整した後、上記半導体レーザ43又は上記光源ユニットと上記ハウジングとをブリッジするように紫外線硬化型接着剤を塗布し硬化させたりすれば良い。一方、コリメートレンズ49の場合には、上記ハウジング56(図9参照)内のコリメートレンズ49を取り付けるべき箇所に光軸方向にV字状を呈する溝56aを形成し、コリメートレンズ49が収容されたレンズホルダ57を光軸方向に移動させることにより、容易に組み込み位置を調整することができる。
また、光ヘッド41の製造工程において、干渉計を用いて波面収差を測定したり、集光ビームスポットのプロファイルを測定したりすることが可能である場合には、得られた球面収差値に応じてコリメートレンズ49の組み込み位置を調整することにより、個々の光ヘッド41のそれぞれに対して球面収差を最小化することが可能である。この場合、球面収差値を測定しつつ、コリメートレンズ49の組み込み位置を調整しても良い。
図9は、干渉計を用いて波面収差を測定しつつ、コリメートレンズ49が収容されたレンズホルダ57をハウジング56に形成された溝56aに沿って移動させることにより位置調整する位置調整機構の一例を示している。レンズホルダ57は、保持部材58と一体に形成された押さえバネ58aにより溝56aに押圧されている。
図10は、図7に示す光学系において、半導体レーザ43からコリメートレンズ49までの光路長を変化させた場合の球面収差変化量の一例を示している。例えば、球面収差量をおよそ±0.02λrms内で管理する場合には、半導体レーザ43とコリメートレンズ49との組み合わせにより予想される球面収差値、あるいは製造工程において測定された球面収差値が0.018λrmsを超えたところで0.2mmずつ半導体レーザ43からコリメートレンズ49までの光路長を変更すれば良い。
以上説明したように、現行のDVDにデジタル情報の記録又は再生を行う光ヘッド41のように、扱う光ビームの波長が比較的長い光学系であれば、製造工程において球面収差を一定値以下で制御することにより、液晶補正素子自体を用いることなく、十分性能の高い光ヘッド41を製造することができ、光学部品点数の削減によるコストダウンを図ることができる。
実施の形態4.
図11は、本発明の実施の形態4に係る光記録再生装置の構成を示す概略図である。図11において、図6の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図11に示す光記録再生装置が図6に示す光記録再生装置と異なる点は、光ヘッド1に換えて上記した実施の形態3に係る光ヘッド41が新たに設けられている点と、液晶素子駆動回路51が取り除かれている点とである。
このように、本発明の実施の形態4によれば、上記した実施の形態3に係る光ヘッド41を用いて光記録再生装置を構成している。従って、光記録再生装置は、物理的トラックピッチが異なる2種類の光記録媒体42(42a及び42b)のいずれについても、正確にデジタル情報の記録又は再生を行うことができる。また、本発明の実施の形態4によれば、半導体レーザ43から出射される第1の光ビームの波長がある程度ばらついても、この波長のばらつきに起因する球面収差を補正して使用することができる。従って、光ヘッド41の歩留まりが向上し、光ヘッド41及びこれを搭載した光記録再生装置の価格を低減することができる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述した各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用することができる。
本発明の実施の形態1に係る光ヘッドの光学系の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態1における第3の光ビームの波長に対する球面収差発生量の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る光ヘッドの製造方法を説明するための概略図である。 図1に示す光学系において、半導体レーザ4からコリメートレンズ9までの光路長を変化させた場合の球面収差変化量の特性の一例を示す図である。 2層ディスクの両層の中間を設計値とし、この設計値から光透過層の厚さを±15μmの範囲で変化させた場合の球面収差値の変化の一例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る光記録再生装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態3に係る光ヘッドの光学系の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態3における第1の光ビームの波長に対する球面収差発生量の一例を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る光ヘッドを構成するコリメートレンズの位置調整機構の構成を示す概略図である。 図7に示す光学系において、半導体レーザ43からコリメートレンズ49までの光路長を変化させた場合の球面収差変化量の特性の一例を示す図である。 本発明の実施の形態4に係る光記録再生装置の構成を示す概略図である。
符号の説明
1 光ヘッド
2 光記録媒体
2a 第1の光記録媒体
2b 第2の光記録媒体
2c 第3の光記録媒体
3 半導体レーザ(第1及び第2の半導体レーザ)
4 半導体レーザ(第3の半導体レーザ)
5,6 回折格子
7 ダイクロイックプリズム
8 偏光ビームスプリッタ
9 コリメートレンズ
10 液晶素子
11 立ち上げミラー
12 4分の1波長板
13 対物レンズ
14 フロントモニタ用光検出器
15 アナモフィックレンズ
16 受光素子
17 レーザホルダ
18 光源ユニット
19 ハウジング
20 紫外線硬化型接着剤
21 スピンドルモータ
22 スピンドルモータ駆動回路
23 コントローラ
24 送りモータ
25 送りモータ駆動回路
26 レーザ駆動回路
27 レンズ駆動回路
28 液晶素子駆動回路
31 フォーカスサーボ追従回路
32 トラッキングサーボ追従回路
33 スキュー調整回路
34 レーザコントロール回路
41 光ヘッド
42 光記録媒体
42a 第1の光記録媒体
42b 第2の光記録媒体
43 半導体レーザ(第1の半導体レーザ)
44 半導体レーザ(第2の半導体レーザ)
45,46 回折格子
47 ダイクロイックプリズム
48 偏光ビームスプリッタ
49 コリメートレンズ
50 立ち上げミラー
51 4分の1波長板
52 対物レンズ
53 フロントモニタ用光検出器
54 アナモフィックレンズ
55 受光素子
56 ハウジング
56a 溝
57 レンズホルダ
58 保持部材
58a 押さえバネ

Claims (8)

  1. 所定波長の光ビームを出射する半導体レーザと、光記録媒体に前記光ビームを集光させる対物レンズと、前記半導体レーザと前記対物レンズとの間の光路中に配置され、前記光ビームの発散度を変換するレンズとを有する光ヘッドの製造方法であって、
    前記所定波長、前記対物レンズの球面収差値又は光学系全体の球面収差値の少なくとも1つに基づいて、前記半導体レーザから前記レンズまでの距離を調整する
    ことを特徴とする光ヘッドの製造方法。
  2. 前記半導体レーザの光軸方向の位置を調整することを特徴とする請求項1に記載の光ヘッドの製造方法。
  3. 所定波長の光ビームを出射する半導体レーザと、光記録媒体に前記光ビームを集光させる対物レンズと、前記半導体レーザと前記対物レンズとの間の光路中に配置され、前記光ビームの発散度を変換するレンズとを有する光ヘッドの製造方法であって、
    製造工程の途中において、前記光記録媒体に集光する前記光ビームの波面収差又は集光ビームスポットのプロファイルを測定することにより得られる球面収差値に基づいて、前記半導体レーザから前記レンズまでの距離を調整する
    ことを特徴とする光ヘッドの製造方法。
  4. 前記レンズの光軸方向の位置を調整することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光ヘッドの製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の光ヘッドの製造方法により製造されたことを特徴とする光ヘッド。
  6. 所定波長の光ビームを出射する半導体レーザと、光記録媒体に前記光ビームを集光させる対物レンズと、前記半導体レーザと前記対物レンズとの間の光路中に配置され、前記光ビームの発散度を変換するレンズとを有する光ヘッドであって、
    前記所定波長、前記対物レンズの球面収差値又は光学系全体の球面収差値の少なくとも1つに基づいて、前記半導体レーザから前記レンズまでの距離が調整されて当該半導体レーザ及び前記レンズが固定されている
    ことを特徴とする光ヘッド。
  7. 前記対物レンズと前記半導体レーザとの間の前記光軸上に、収差を補正するための液晶素子が配置されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の光ヘッド。
  8. 請求項5乃至7のいずれかに記載の光ヘッドを備えることを特徴とする光記録再生装置。
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