JP2011183631A - 圧密成形木板及びその製造方法並びに変形木板の整形方法 - Google Patents

圧密成形木板及びその製造方法並びに変形木板の整形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧密成形木板及びその製造方法並びに変形木板の整形方法において、板材としての用途が豊富で商品価値の高い木板を得ることができ、乾燥時に反り等の変形を生じ易い木板を平坦にでき、圧縮した木板が水に濡れても戻りが生じないこと。
【解決手段】木材NWが切出し工程で所定板厚の木板に切り出され(S10)、この木板が乾燥工程で所定の含水率の範囲内に乾燥され(S11)、第1加熱工程で変形木板HWが第1の加熱温度に加熱され(S12)、加圧工程で所定の圧力で第1の所定時間だけ加圧されるとともに密閉状態となる(S13)。そして、第2加熱工程で第2の加熱温度に加熱され(S14)、水蒸気処理工程において、密閉状態に置かれた木板に第2の加熱温度の水蒸気が吹き込まれて第2の所定時間だけ保持され(S15)、冷却工程で120℃未満まで冷却された後に常圧に戻されて(S16)、圧密成形木板PWが得られた。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧密成形木板及びその製造方法並びに変形木板の整形方法に関するものであり、特に、乾燥時に反り等の変形を生じ易い木材の板を平坦に圧密成形することによる圧密成形木板及びその製造方法並びに変形木板の整形方法に関するものである。
従来、プレス加工する際に木材の周囲を密閉し、木材に含まれる水分を木材中に閉じ込めた上で高温高圧に加熱圧縮処理すると、顕著な回復抑制効果が現われて、元の厚さには戻らないことが知られている。ところが、かかる木材を加熱圧縮処理後に直ちにプレス加工機から取り出すと、木材中に含まれていた高温高圧の水蒸気の作用によって、木材の表面に膨らみ変形が発生し易いという問題を生じていた。そこで、かかる問題を解決すべく、本発明者らは、特許文献1及び特許文献2に記載の発明をしている。
この特許文献1に記載の技術においては、上プレス盤と下プレス盤の間の内部空間に載置された木材を加熱圧縮し、内部空間を密閉状態に保持する。この際に、下プレス盤に形成された木材に食い込む程度の突起部を介して、木材の圧縮面と内部空間において高温高圧の水蒸気を通過自在とすることによって、木材の水分量を均一化することができ、加熱圧縮した木材を冷却せずに取出しても、膨らみ変形を防止することができる。
また、特許文献2に記載の技術においては、含有水分未調整の木材に対して、多軸ボール盤で複数の呼吸孔を穿設し、上プレス盤と下プレス盤の間の内部空間に載置して加熱圧縮し、内部空間が密閉状態とされる。この際に、複数の呼吸孔を介して、木材の表面及び内部と内部空間において高温高圧の水蒸気が通過自在となることによって、木材の水分量を均一化することができ、加熱圧縮した木材を冷却せずに取出しても、膨らみ変形を防止することができる。
特開2007−008047号公報 特開2007−130774号公報
ところで、近年、イタジイ(スダジイ)やリュウキュウマツといった樹木が、硬くて緻密な板材が得られ、安定して供給されることから、床材を始めとする様々な用途に適したものとして注目されている。しかしながら、上記特許文献1及び上記特許文献2に記載の技術においては、これらの樹木を板厚の厚い木材とした場合には、材質が緻密であるため水分量を内部まで均一にすることが困難であり、水分の多い部分は水蒸気により破壊される。また、製品が水に濡れた場合に圧縮された部分が元の厚さに戻ってしまう可能性がある。一方、これらの樹木を板厚の薄い木材とした場合には、乾燥時に反り等の変形が生じ易いという問題点があった。
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであって、板材としての用途が豊富で商品価値の高い木板を得ることができ、乾燥時に反り等の変形を生じ易い木板を平坦にすることができ、圧縮した木板が水に濡れても戻りが生ずることがない圧密成形木板及びその製造方法並びに変形木板の整形方法の提供を目的とするものである。
請求項1に係る圧密成形木板は、5mm〜40mmの範囲内、より好ましくは10mm〜25mmの範囲内の板厚に切り出した木板を含水率10%〜30%の範囲内、より好ましくは含水率15%〜20%の範囲内に乾燥して、第1の加熱温度に加熱した後、所定の圧力で第1の所定時間だけ加圧し、その後加圧状態を保ったまま第2の加熱温度まで加熱して、前記第2の加熱温度の水蒸気を吹き込んで第2の所定時間だけ保持して、120℃未満まで冷却した後に常圧に戻してなるものである。
請求項2に係る圧密成形木板は、請求項1の構成において、前記第1の加熱温度は110℃〜160℃の範囲内、より好ましくは120℃〜140℃の範囲内であり、前記第2の加熱温度は150℃〜210℃の範囲内、より好ましくは160℃〜180℃の範囲内であるものである。
請求項3に係る圧密成形木板は、請求項1または請求項2の構成において、前記所定の圧力は、0.1MPa〜10MPaの範囲内、より好ましくは1MPa〜5MPaの範囲内であるものである。
請求項4に係る圧密成形木板は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つの構成において、前記第1の所定時間は10分間〜40分間の範囲内、より好ましくは20分間〜30分間の範囲内であり、前記第2の所定時間は10分間〜120分間の範囲内、より好ましくは30分間〜90分間の範囲内であるものである。
請求項5に係る圧密成形木板の製造方法は、木材を5mm〜40mmの範囲内の板厚の木板に切り出す切出し工程と、前記木板を含水率10%〜30%の範囲内に乾燥する乾燥工程と、乾燥した前記木板を第1の加熱温度に加熱する第1加熱工程と、加熱した前記木板を所定の圧力で第1の所定時間だけ加圧するとともに密閉状態とする加圧工程と、前記木板の加圧密閉状態を保持したまま第2の加熱温度まで加熱する第2加熱工程と、前記木板に前記第2の加熱温度の水蒸気を吹き込んで第2の所定時間だけ保持する水蒸気処理工程と、前記木板を120℃未満まで冷却した後に加圧密閉状態を解除する冷却工程を具備するものである。
請求項6に係る圧密成形木板の製造方法は、請求項5の構成において、前記第1の加熱温度は110℃〜160℃の範囲内、より好ましくは120℃〜140℃の範囲内であり、前記第2の加熱温度は150℃〜210℃の範囲内、より好ましくは160℃〜180℃の範囲内であるものである。
請求項7に係る圧密成形木板の製造方法は、請求項5または請求項6の構成において、前記所定の圧力は、0.1MPa〜10MPaの範囲内、より好ましくは1MPa〜5MPaの範囲内であるものである。
請求項8に係る圧密成形木板の製造方法は、請求項5乃至請求項7のいずれか1つの構成において、前記第1の所定時間は10分間〜40分間の範囲内、より好ましくは20分間〜30分間の範囲内であり、前記第2の所定時間は10分間〜120分間の範囲内、より好ましくは30分間〜90分間の範囲内であるものである。
請求項9に係る変形木板の整形方法は、含水率が10%〜30%の範囲内である変形木板を第1の加熱温度に加熱する第1加熱工程と、加熱した前記木板を所定の圧力で第1の所定時間だけ加圧するとともに密閉状態とする加圧工程と、前記木板の加圧密閉状態を保持したまま第2の加熱温度まで加熱する第2加熱工程と、前記木板に前記第2の加熱温度の水蒸気を吹き込んで第2の所定時間だけ保持する水蒸気処理工程と、前記木板を120℃未満まで冷却した後に加圧密閉状態を解除する冷却工程とを具備するものである。
請求項10に係る変形木板の整形方法は、請求項9の構成において、前記第1の加熱温度は110℃〜160℃の範囲内、より好ましくは120℃〜140℃の範囲内であり、前記第2の加熱温度は150℃〜210℃の範囲内、より好ましくは160℃〜180℃の範囲内であるものである。
請求項11に係る変形木板の整形方法は、請求項9または請求項10の構成において、前記所定の圧力は、0.1MPa〜10MPaの範囲内、より好ましくは1MPa〜5MPaの範囲内であるものである。
請求項12に係る変形木板の整形方法は、請求項9乃至請求項11のいずれか1つの構成において、前記第1の所定時間は10分間〜40分間の範囲内、より好ましくは20分間〜30分間の範囲内であり、前記第2の所定時間は10分間〜120分間の範囲内、より好ましくは30分間〜90分間の範囲内であるものである。
請求項1に係る圧密成形木板は、5mm〜40mmの範囲内の板厚に切り出した木板を含水率10%〜30%の範囲内に乾燥して、第1の加熱温度に加熱した後、所定の圧力で第1の所定時間だけ加圧し、その後加圧状態を保ったまま第2の加熱温度まで加熱して、第2の加熱温度の水蒸気を吹き込んで第2の所定時間だけ保持して、120℃未満まで冷却した後に常圧に戻してなる。
このように、5mm〜40mmの範囲内の板厚の木板とすることによって、内部まで容易にかつ均一に乾燥することができ、含水率を10%〜30%の範囲内とすることによって、変形・膨らみ・破壊等がない圧密成形木板を得ることができる。5mm未満の板厚の木板を圧密成形した場合には、加圧後の木板の厚さが薄くなり過ぎて、均一な木板に加工することが困難であり、積層して製品化するのに手間がかかり過ぎる。一方、40mmを超える板厚の木板を乾燥して圧密成形した場合には、内部まで均一に乾燥されないため、変形・膨らみ・破壊等が起こり易い。
また、含水率が10%未満の木板を圧密成形した場合には、表面が乾燥し過ぎて、木板が水に濡れた場合に圧縮した部分が元の厚さに戻る現象、いわゆる固定化不良が起こり易くなり、一方、含水率が30%を超える木板を圧密成形した場合には、内部まで均一に乾燥されないため、変形・膨らみ・破壊等が起こり易い。なお、切り出した木板の板厚が10mm〜25mmの範囲内であれば、より変形・膨らみ・破壊等が起こり難くなるため、より好ましい。また、含水率15%〜20%の範囲内に乾燥した場合には、より固定化不良が起こり難くなるため、より好ましい。
更に、第1の加熱温度に加熱した後に加圧することによって、乾燥時に木板が変形した場合でも破壊することなく平坦にすることができ、加圧状態を保ったまま第2の加熱温度まで加熱して、同じ温度の水蒸気を吹き込むことによって、表面が乾燥することを防いで均一に固定化できるとともに、表面が炭化するのを防止することができる。そして、120℃未満まで冷却した後に常圧に戻すことによって、余分な水蒸気を液化して除くことができ、均一に固定化することができる。
このようにして、板材としての用途が豊富で商品価値の高い木板を得ることができ、乾燥時に反りを生じ易い木板を平坦にすることができ、圧縮した木板が水に濡れても戻りが生ずることがない圧密成形木板となる。
請求項2に係る圧密成形木板においては、第1の加熱温度が110℃〜160℃の範囲内であり、第2の加熱温度が150℃〜210℃の範囲内であることから、温度条件が適切であり、変形固定が不十分であるための固定化不良や、表面の炭化が発生する事態を、より確実に防止することができる。加熱温度が低過ぎると変形固定が不十分となって固定化不良となる可能性があり、加熱温度が高過ぎると表面が炭化して黒色に変化したり、材質が脆くなったりする可能性がある。
なお、第1の加熱温度が120℃〜140℃の範囲内であり、第2の加熱温度が160℃〜180℃の範囲内であれば、固定化不良や表面の炭化を、更に一層確実に防止することができるため、より好ましい。
請求項3に係る圧密成形木板においては、所定の圧力が0.1MPa〜10MPaの範囲内であることから、加圧時の圧力が適切な範囲内にあり、変形固定が不十分であるための固定化不良を、より確実に防止することができる。なお、所定の圧力が1MPa〜5MPaの範囲内であれば、固定化不良を更に一層確実に防止することができるため、より好ましい。
請求項4に係る圧密成形木板においては、第1の所定時間が10分間〜40分間の範囲内であり、第2の所定時間が10分間〜120分間の範囲内であることから、処理時間が短過ぎることによる固定化不良や、処理時間が長過ぎることによる表面の炭化を、より確実に防止することができる。なお、第1の所定時間が20分間〜30分間の範囲内であり、第2の所定時間が30分間〜90分間の範囲内であれば、固定化不良や表面の炭化を更に一層確実に防止することができるとともに、圧密成形木板をより効率良く製造することができるため、より好ましい。
請求項5に係る圧密成形木板の製造方法においては、切出し工程で、木材が5mm〜40mmの範囲内の板厚の木板に切り出され、乾燥工程において、木板が含水率10%〜30%の範囲内に乾燥される。このように、5mm〜40mmの範囲内の板厚の木板とすることによって、内部まで容易にかつ均一に乾燥することができ、含水率を10%〜30%の範囲内とすることによって、変形・膨らみ・破壊等がない圧密成形木板を製造することができる。
5mm未満の板厚の木板を圧密成形した場合には、加圧後の木板の厚さが薄くなり過ぎて、破壊が起こり易くなるとともに、積層して製品化するのに手間がかかり過ぎる。一方、40mmを超える板厚の木板を乾燥して圧密成形した場合には、内部まで均一に乾燥されないため、変形・膨らみ・破壊等が起こり易い。また、含水率が10%未満の木板を圧密成形した場合には、表面が乾燥し過ぎて、木板が水に濡れた場合に圧縮した部分が元の厚さに戻る現象、いわゆる固定化不良が起こり易くなり、一方、含水率が30%を超える木板を圧密成形した場合には、内部まで均一に乾燥されないため、変形・膨らみ・破壊等が起こり易い。
なお、切り出した木板の板厚が10mm〜25mmの範囲内であれば、より変形・膨らみ・破壊等が起こり難くなるため、より好ましい。また、含水率15%〜20%の範囲内に乾燥した場合には、より固定化不良が起こり難くなるため、より好ましい。
続いて、第1加熱工程において、乾燥された木板が第1の加熱温度に加熱され、加圧工程において、加熱された木板が所定の圧力で第1の所定時間だけ加圧されるとともに、密閉状態とされ、第2加熱工程において、木板の加圧密閉状態を保持したまま第2の加熱温度まで加熱され、水蒸気処理工程において、木板に第2の加熱温度の水蒸気が吹き込まれて第2の所定時間だけ保持される。そして、冷却工程において、木板を120℃未満まで冷却した後に加圧密閉状態が解除される。
このように、第1の加熱温度に加熱した後に加圧することによって、乾燥時に木板が変形した場合でも破壊することなく平坦にすることができ、加圧状態を保ったまま第2の加熱温度まで加熱して、同じ温度の水蒸気を吹き込むことによって、表面が乾燥することを防いで均一に固定化できるとともに、表面が炭化するのを防止することができる。そして、120℃未満まで冷却した後に常圧に戻すことによって、余分な水蒸気を液化して除くことができ、均一に固定化することができる。
このようにして、板材としての用途が豊富で商品価値の高い木板を得ることができ、乾燥時に反りを生じ易い木板を平坦にすることができ、圧縮した木板が水に濡れても戻りが生ずることがない圧密成形木板の製造方法となる。
請求項6に係る圧密成形木板の製造方法においては、第1の加熱温度が110℃〜160℃の範囲内であり、第2の加熱温度が150℃〜210℃の範囲内であることから、温度条件が適切であり、変形固定が不十分であるための固定化不良や、表面の炭化が発生する事態を、より確実に防止することができる。加熱温度が低過ぎると変形固定が不十分となって固定化不良となる可能性があり、加熱温度が高過ぎると表面が炭化して黒色に変化したり、材質が脆くなったりする可能性がある。
なお、第1の加熱温度が120℃〜140℃の範囲内であり、第2の加熱温度が160℃〜180℃の範囲内であれば、固定化不良や表面の炭化を、更に一層確実に防止することができるため、より好ましい。
請求項7に係る圧密成形木板の製造方法においては、所定の圧力が0.1MPa〜10MPaの範囲内であることから、加圧時の圧力が適切な範囲内にあり、変形固定が不十分であるための固定化不良を、より確実に防止することができる。なお、所定の圧力が1MPa〜5MPaの範囲内であれば、固定化不良を更に一層確実に防止することができるため、より好ましい。
請求項8に係る圧密成形木板の製造方法においては、第1の所定時間が10分間〜40分間の範囲内であり、第2の所定時間が10分間〜120分間の範囲内であることから、処理時間が短過ぎることによる固定化不良や、処理時間が長過ぎることによる表面の炭化を、より確実に防止することができる。なお、第1の所定時間が20分間〜30分間の範囲内であり、第2の所定時間が30分間〜90分間の範囲内であれば、固定化不良や表面の炭化を更に一層確実に防止することができるとともに、圧密成形木板をより効率良く製造することができるため、より好ましい。
請求項9に係る変形木板の整形方法においては、第1加熱工程において、含水率が10%〜30%の範囲内である変形木板が第1の加熱温度に加熱され、加圧工程において、加熱された木板が所定の圧力で第1の所定時間だけ加圧されるとともに密閉状態とされ、第2加熱工程において、木板の加圧密閉状態を保持したまま第2の加熱温度まで加熱され、水蒸気処理工程において、木板に第2の加熱温度の水蒸気が吹き込まれて第2の所定時間だけ保持され、冷却工程において、木板が120℃未満まで冷却された後に加圧密閉状態が解除される。
このように、第1の加熱温度に加熱した後に加圧することによって、変形した木板でも破壊することなく平坦にすることができ、加圧状態を保ったまま第2の加熱温度まで加熱して、同じ温度の水蒸気を吹き込むことによって、表面が乾燥することを防いで均一に固定化できるとともに、表面が炭化するのを防止することができる。そして、120℃未満まで冷却した後に常圧に戻すことによって、余分な水蒸気を液化して除くことができ、均一に固定化することができる。
このようにして、板材としての用途が豊富で商品価値の高い木板を得ることができ、乾燥時に反りを生じ易い木板を平坦にすることができ、圧縮した木板が水に濡れても戻りが生ずることがない変形木板の整形方法となる。
請求項10に係る変形木板の整形方法においては、第1の加熱温度が110℃〜160℃の範囲内であり、第2の加熱温度が150℃〜210℃の範囲内であることから、温度条件が適切であり、変形固定が不十分であるための固定化不良や、表面の炭化が発生する事態を、より確実に防止することができる。加熱温度が低過ぎると変形固定が不十分となって固定化不良となる可能性があり、加熱温度が高過ぎると表面が炭化して黒色に変化したり、材質が脆くなったりする可能性がある。
なお、第1の加熱温度が120℃〜140℃の範囲内であり、第2の加熱温度が160℃〜180℃の範囲内であれば、固定化不良や表面の炭化を、更に一層確実に防止することができるため、より好ましい。
請求項11に係る変形木板の整形方法においては、所定の圧力が0.1MPa〜10MPaの範囲内であることから、加圧時の圧力が適切な範囲内にあり、変形固定が不十分であるための固定化不良を、より確実に防止することができる。なお、所定の圧力が1MPa〜5MPaの範囲内であれば、固定化不良を更に一層確実に防止することができるため、より好ましい。
請求項12に係る変形木板の整形方法においては、第1の所定時間が10分間〜40分間の範囲内であり、第2の所定時間が10分間〜120分間の範囲内であることから、処理時間が短過ぎることによる固定化不良や、処理時間が長過ぎることによる表面の炭化を、より確実に防止することができる。なお、第1の所定時間が20分間〜30分間の範囲内であり、第2の所定時間が30分間〜90分間の範囲内であれば、固定化不良や表面の炭化を更に一層確実に防止することができるとともに、圧密成形木板をより効率良く製造することができるため、より好ましい。
図1は本発明の実施例に係る圧密成形木板の製造方法及び変形木板の整形方法を実施するための加熱冷却・加圧装置の構成を示す模式図である。 図2は本発明の実施例に係る圧密成形木板の製造方法及び変形木板の整形方法を示すフローチャートである。 図3は本発明の実施例に係る圧密成形木板の製造工程を説明するための模式図である。 図4(a)は変形木板を示す斜視図、(b)は本発明の実施例に係る圧密成形木板を示す斜視図、(c)は比較例の圧密成形木板を示す斜視図である。
本発明に係る圧密成形木板及びその製造方法を実施するに際しては、木材を5mm〜40mmの範囲内の板厚の木板に切り出し、木板を含水率10%〜30%の範囲内に乾燥する必要がある。木材を5mm〜40mmの範囲内の板厚の木板に切り出す方法としては、従来周知である製材方法によることができる。また、切り出した木板を含水率10%〜30%の範囲内に乾燥する方法としては、天日乾燥によることもでき、蒸気式乾燥機等の乾燥機を用いることもできる。
クリ・イタジイ等の国産広葉樹や、スギ・ヒノキ・カラマツ・リュウキュウマツ等の国産針葉樹においては、5mm〜40mmの範囲内の板厚の木板に切り出して、数日天日乾燥することによって、含水率10%〜30%の範囲内に乾燥される。また、蒸気式乾燥機内で、80℃で3日間〜7日間乾燥することによって、木板の含水率を、より好ましい15%〜20%の範囲内にすることができる。ここで、含水率の測定方法としては、高周波含水率計を用いた。
本発明を実施するに際しては、乾燥した木板を第1の加熱温度に加熱し、加熱した木板を所定の圧力で第1の所定時間だけ加圧するとともに密閉状態とし、木板の加圧密閉状態を保持したまま第2の加熱温度まで加熱し、木板に第2の加熱温度の水蒸気を吹き込んで第2の所定時間だけ保持して、木板を120℃未満まで冷却した後に加圧密閉状態を解除する必要がある。これらの工程を効率良く実施するためには、専用の加熱冷却・加圧装置を用いることが好ましい。
加熱機構としては、電熱ヒータや高周波加熱装置を用いることもできるが、加熱した水蒸気を吹き込むためにボイラ及び水蒸気配管が必要になることから、加熱にもこの水蒸気を用いて、冷却には冷却水配管を用いることが、より好ましい。
また、専用の加熱冷却・加圧装置には、プレス昇降装置が必要となるが、このプレス昇降装置としては種々の形式の装置を用いることができるが、油圧機構を用いたプレス昇降装置を使用することが好ましく、油圧機構によるプレス昇降装置を用いる場合には、プレス盤を複数個設けることによって、同時に複数枚の木板を処理できるようにすることが好ましい。
更に、プレス盤を複数個設ける場合には、加熱冷却の効率を向上させるために、プレス盤を積層して上プレス盤と下プレス盤とを兼用させることが好ましく、積層の数としては3段〜6段程度が好ましいが、これに限られるものではない。
以下、本発明を具体化した実施例について、図1乃至図4を参照して説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
図1は本発明の実施例に係る圧密成形木板の製造方法及び変形木板の整形方法を実施するための加熱冷却・加圧装置の構成を示す模式図である。図2は本発明の実施例に係る圧密成形木板の製造方法及び変形木板の整形方法を示すフローチャートである。図3は本発明の実施例に係る圧密成形木板の製造工程を説明するための模式図である。図4(a)は変形木板を示す斜視図、(b)は本発明の実施例に係る圧密成形木板を示す斜視図、(c)は比較例の圧密成形木板を示す斜視図である。
まず、本発明の実施例に係る圧密成形木板の製造方法及び変形木板の整形方法を実施するための加熱冷却・加圧装置について、図1を参照して説明する。図1に示されるように、本実施例に係る加熱冷却・加圧装置(すなわち、圧密成形木板の製造装置及び変形木板の整形装置)1は、4基のプレス盤、すなわち1基の上プレス盤10A、2基の上下プレス盤10B,10C及び1基の下プレス盤10Dを中心として構成されている。
これらの上プレス盤10Aと上下プレス盤10Bとの間、上下プレス盤10Bと上下プレス盤10Cとの間、上下プレス盤10Cと下プレス盤10Dとの間で各1枚の圧密成形木板を製造することができ、合計3枚の圧密成形木板を同時に製造することができる。なお、これらの上プレス盤10Aと上下プレス盤10B,10Cを、下プレス盤10Dに対して下降・上昇させて、加圧を行うための油圧機構を含むプレス昇降装置は、図示省略されている。
また、これらの上プレス盤10Aと上下プレス盤10B,10Cの下面周囲には、シール部材11A,11B,11Cがそれぞれ設けられており、加圧時に密閉状態を形成することができるようになっている。更に、これら4基のプレス盤10A,10B,10C,10Dの内部には、図示しない内部加熱冷却配管が張り巡らされており、これらの内部加熱冷却配管には、図1に示されるように、入口ヘッダ5から開閉バルブV3A,V3B,V3C,V3Dを介して、加熱冷却配管3A,3B,3C,3Dが接続されている。
これらの加熱冷却配管3A,3B,3C,3Dが接続された図示しない内部加熱冷却配管の末端には、図1に示されるように、排出用配管6A,6B,6C,6Dが接続され、これらの排出用配管6A,6B,6C,6Dは、三方バルブV5A,V5B,V5C,V5Dを介して、出口ヘッダ7に接続されており、出口ヘッダ7に集められた排水は、開閉バルブV6を介して出口ヘッダ7に接続された排水管6から排出される。
一方、図1に示されるように、入口ヘッダ5には開閉バルブV1,V2を介して水蒸気供給管2が、また開閉バルブV3を介して冷却水供給管3が、それぞれ接続されている。更に、水蒸気供給管2は開閉バルブV1と開閉バルブV2との間で分岐して、開閉バルブV4を介して水蒸気ヘッダ4に接続されており、水蒸気ヘッダ4には、開閉バルブV4A,V4B,V4Cを介して、水蒸気配管2A,2B,2Cが接続されている。なお、水蒸気供給管2によって水蒸気を供給するボイラは、図示省略されている。
図1に示されるように、これらの水蒸気配管2A,2B,2Cの先端は、上プレス盤10Aと上下プレス盤10B,10Cの型枠を貫通して、内部に開口している。したがって、水蒸気配管2A,2B,2Cの先端は、上プレス盤10Aと上下プレス盤10Bとの間、上下プレス盤10Bと上下プレス盤10Cとの間、上下プレス盤10Cと下プレス盤10Dとの間にそれぞれ形成される密閉空間に連通している。
なお、排出用配管6A,6B,6C,6Dは水蒸気をも通すものであるため、水蒸気を液化して水に戻すための液化装置8が備えられている。すなわち、図1に示されるように、排出用配管6A,6B,6C,6Dから分岐した配管7A,7B,7C,7Dが、液化装置8に接続されており、液化装置8からは配管8A,8B,8C,8Dが、三方バルブV5A,V5B,V5C,V5Dを介して排出用配管6A,6B,6C,6Dに接続されている。
更に、水蒸気ヘッダ4及び入口ヘッダ5には、供給される水蒸気の圧力を測定するための圧力ゲージP1,P2が設けられており、水蒸気ヘッダ4、入口ヘッダ5及び出口ヘッダ7には、内部の圧力が設定値を上回った場合に、自動的に開いて内部の圧力を開放する非常弁V7,V8,V9が備えられている。かかる構成を有する加熱冷却・加圧装置1によって、木板の加熱・加圧・水蒸気処理・冷却が実施される。
次に、本発明の実施例に係る圧密成形木板の製造方法及び変形木板の整形方法の具体的な手順について、図2を参照して説明する。図2に示されるように、まず、クリ・イタジイ等の国産広葉樹やスギ・ヒノキ・カラマツ・リュウキュウマツ等の国産針葉樹等の木材NWが、切出し工程において、5mm〜40mmの範囲内の板厚の木板に切り出されて(ステップS10)、この木板が乾燥工程において、含水率10%〜30%の範囲内に乾燥される(ステップS11)。
本実施例においては、木材NWとしてイタジイを用いて板厚25mmに切り出し、蒸気式乾燥機内で80℃で3日間〜7日間乾燥することによって、木板の含水率を15%〜18%の範囲内に調整した。これによって、反り等の変形のある変形木板HWが得られた。
続いて、この変形木板HWが、上述した加熱冷却・加圧装置1にセットされて、第1加熱工程において、110℃〜160℃の範囲内の第1の加熱温度に加熱され(ステップS12)、加熱された木板が、加圧工程において、0.1MPa〜10MPaの範囲内の所定の圧力で、10分間〜40分間の範囲内の第1の所定時間だけ加圧されるとともに密閉状態となる(ステップS13)。
本実施例においては、第1の加熱温度を120℃とし、プレス盤を0.1〜0.5MPaの圧力で変形木板HWに接触させて、プレス盤の温度を常温から120℃まで20分かけて上昇させ、プレス盤の温度が120℃になった時点で、3MPaの圧力で10分間圧縮し、プレス盤を密閉状態とした。すなわち、本実施例においては、所定の圧力は3MPaであり、第1の所定時間は10分間である。
続いて、第2加熱工程において、木板の加圧密閉状態が保持されたまま、150℃〜210℃の範囲内の第2の加熱温度に加熱され(ステップS14)、水蒸気処理工程において、密閉状態に置かれた木板に第2の加熱温度の水蒸気が吹き込まれて、10分間〜120分間の範囲内の第2の所定時間だけ保持される(ステップS15)。
本実施例においては、第2の加熱温度を160℃とし、第2の所定時間を50分間とした。すなわち、プレス盤の温度を120℃から160℃まで5分かけて上昇させ、プレス盤の温度が160℃になった時点で、160℃の水蒸気を吹き込んで、そのまま50分間保持した。
その後、冷却工程において、プレス圧力を保持したまま、120℃未満まで冷却された後に常圧に戻される(ステップS16)。本実施例においては、プレス盤を160℃から常温まで50分かけて冷却し、そしてプレス圧力を開放した。このようにして、本実施例に係る圧密成形木板PWが得られた。
次に、本発明の実施例に係る圧密成形木板の製造方法及び変形木板の整形方法のうち、ステップS12〜S16における加熱冷却・加圧装置1の具体的な操作方法について、図1を参照しつつ、図3について説明する。図3においては、加熱冷却・加圧装置1のうち、プレス盤10A,10Bの近傍を拡大して図示している。
まず、図3(a)に示されるように、上プレス盤10Aと上下プレス盤10Bとの間、上下プレス盤10Bと上下プレス盤10Cとの間に、それぞれ乾燥工程において変形した木板HW1とHW2がセットされる。図示されていないが、上下プレス盤10Cと下プレス盤10Dとの間にも、変形した木板がセットされて、以後同様に処理される。この時点においては、上プレス盤10A、上下プレス盤10B、上下プレス盤10Cは、いずれも常温である。また、開閉バルブV1,V2,V3,……は、全て閉じられている。
続いて、図示されないプレス昇降装置が起動して、上プレス盤10Aと上下プレス盤10B,10Cが、下プレス盤10Dに対して下降して、図3(b)に示されるように、上プレス盤10Aと上下プレス盤10Bで変形木板HW1が、上下プレス盤10Bと上下プレス盤10Cで変形木板HW2が、それぞれ挟まれる。このときの圧力は、上述したように、0.1〜0.5MPaと小さい。
この状態で、図1に示される開閉バルブV1,V2,V3A,V3B,V3C,V3D,V6がそれぞれ開かれ、三方バルブV5A,V5B,V5C,V5Dが出口ヘッド7と液化装置8とを接続するように切り替えられて、プレス盤10A,10B,10C,10Dの図示しない内部配管にそれぞれ高温の水蒸気が供給されて、プレス盤10A,10B,10C,10Dが加熱される。プレス盤10A,10B,10C,10Dの温度が120℃になった時点で、開閉バルブV2は一旦閉じられる。
そして、同時に図示されないプレス昇降装置が作動して、上プレス盤10Aと上下プレス盤10Bで変形木板HW1が、上下プレス盤10Bと上下プレス盤10Cで変形木板HW2が、それぞれ3MPaの加圧を受けて圧縮される。これによって、図3(c)に示されるように、上プレス盤10Aと上下プレス盤10Bの下面のシール部材11A,11Bが、それぞれ上下プレス盤10Bと上下プレス盤10Cの上面に押し付けられて、上プレス盤10Aと上下プレス盤10Bとの間、上下プレス盤10Bと上下プレス盤10Cとの間が、それぞれ密閉状態とされる。
3MPaの加圧が10分間行われた後、加圧状態が保たれたまま、開閉バルブV2が再び開かれて、プレス盤10A,10B,10C,10Dの図示しない内部配管にそれぞれ高温の水蒸気が供給されて、プレス盤10A,10B,10C,10Dが更に加熱される。プレス盤10A,10B,10C,10Dの温度が160℃になった時点で、開閉バルブV2は再び閉じられる。
そして、開閉バルブV4,V4A,V4B,V4Cがそれぞれ開かれ、水蒸気配管2A,2B,2Cから密閉空間内に160℃の水蒸気が吹き込まれる。この状態で50分間保持されることによって、固定化処理が実施される。その後、開閉バルブV1,V4,V4A,V4B,V4Cが閉じられ、続いて開閉バルブV3が開かれて、プレス盤10A,10B,10C,10Dの図示しない内部配管にそれぞれ冷却水が供給されて、プレス盤10A,10B,10C,10Dが冷却される。
プレス盤10A,10B,10C,10Dが120℃未満まで冷却された時点で、図3(d)に示されるように、図示されないプレス昇降装置が作動して、上プレス盤10Aと上下プレス盤10B,10Cが、下プレス盤10Dに対して上昇して、加圧密閉状態が開放され、製造された圧密成形木板PW1が取り出される。
このようにして製造された本実施例に係る圧密成形木板PWについて、特性評価を行った。まず、目視による評価結果について、図4を参照して説明する。
図4(a)に示されるように、板厚25mmに切り出し、蒸気式乾燥機内で80℃で3日間〜7日間乾燥した木板HW1,HW2は大きく変形していた。これに対して、本実施例に係る製造方法及び変形木板の整形方法で得られた圧密成形木板PW1,PW2は、図4(b)に示されるように、全く反りがなく平坦であった。なお、圧密成形木板PW1,PW2の板厚は10mmであり、処理前の40%となり、圧縮率は60%であった。
これに対して、比較例として、加圧力を11MPaと過剰にした場合には、図4(c)に示されるように、変形木板HW1,HW2と比較して平坦にはなったものの、割れが生じて不良木板W1,W2となった。また、第2の加熱温度を220℃と過剰にした場合には、平坦にはなったものの表面が炭化して黒色となり、見栄えが損なわれるとともに、材質が脆くなった。
次に、固定化不良の有無、すなわち圧密成形木板を水に濡らした場合の戻り(回復)の有無について、評価試験を行った。圧縮変形の回復については明確な評価基準がないため、本実施例においては、供試体(圧密成形木板)の寸法をリニアゲージセンサを用いて測定し、以下に示す(1)〜(3)の3条件で水中浸漬・乾燥試験を行い、回復量=(水中浸漬前の厚さ)−(完全乾燥後の厚さ)≦0.5mmの場合に合格と判定した。
条件(1):30℃の水中に製造直後の圧密成形木板を減圧下で1時間浸漬した後、105℃の乾燥機内で完全乾燥
条件(2):60℃の水中に製造直後の圧密成形木板を1時間浸漬した後、105℃の乾燥機内で完全乾燥
条件(3):100℃の水中に製造直後の圧密成形木板を1時間浸漬した後、105℃の乾燥機内で完全乾燥
その結果、本実施例に係る圧密成形木板PWは、条件(1)〜(3)の3条件の全ての試験で合格となり、極めて優れた固定化状態であることが立証された。
条件(1)の試験には、5mm〜40mmの範囲内の板厚に切り出した木板を含水率10%〜30%の範囲内に乾燥して、第1の加熱温度に加熱した後、所定の圧力で第1の所定時間だけ加圧し、その後加圧状態を保ったまま第2の加熱温度まで加熱して、第2の加熱温度の水蒸気を吹き込んで第2の所定時間だけ保持して、120℃未満まで冷却した後に常圧に戻してなる圧密成形木板の全てが合格することが分かった。
これに対して、条件(2)の試験には、10mm〜25mmの範囲内の板厚に切り出した木板を含水率15%〜20%の範囲内に乾燥して、110℃〜160℃の範囲内に加熱した後、0.1MPa〜10MPaの範囲内の圧力で10分間〜40分間の範囲内だけ加圧し、その後加圧状態を保ったまま150℃〜210℃まで加熱して、同じ温度の水蒸気を吹き込んで10分間〜120分間の範囲内だけ保持して、120℃未満まで冷却した後に常圧に戻してなる圧密成形木板の全てが合格したが、これらの条件から外れたものの中には、合格しないものが見出された。
更に、条件(3)の試験には、10mm〜25mmの範囲内の板厚に切り出した木板を含水率15%〜20%の範囲内に乾燥して、120℃〜140℃の範囲内に加熱した後、1MPa〜5MPaの範囲内の圧力で20分間〜30分間の範囲内だけ加圧し、その後加圧状態を保ったまま160℃〜180℃まで加熱して、同じ温度の水蒸気を吹き込んで30分間〜90分間の範囲内だけ保持して、100℃未満まで冷却した後に常圧に戻してなる圧密成形木板の全てが合格したが、これらの条件から外れたものの中には、合格しないものが見出された。
条件(1)の試験に合格する圧密成形木板は、床板・壁板・室内建具や塗装して使用する外装材等の通常の木材の使用法による用途に適しており、条件(2)の試験に合格する圧密成形木板は、床暖房用床材や浴室の床等の更に厳しい条件下で使用される用途に適している。
このようにして、本実施例に係る圧密成形木板及びその製造方法並びに変形木板の整形方法においては、板材としての用途が豊富で商品価値の高い木板を得ることができ、乾燥時に反り等の変形を生じ易い木板を平坦にすることができ、圧縮した木板が水に濡れても戻りが生ずることがない圧密成形木板を得ることができる。
なお、本発明の実施例で挙げている数値は、その全てが臨界値を示すものではなく、ある数値は実施に好適な好適値を示すものであるから、上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
HW,HW1,HW2 変形木板
PW,PW1,PW2 圧密成形木板

Claims (12)

  1. 5mm〜40mmの範囲内の板厚に切り出した木板を含水率10%〜30%の範囲内に乾燥して、第1の加熱温度に加熱した後、所定の圧力で第1の所定時間だけ加圧し、その後加圧状態を保ったまま第2の加熱温度まで加熱して、前記第2の加熱温度の水蒸気を吹き込んで第2の所定時間だけ保持して、120℃未満まで冷却した後に常圧に戻してなることを特徴とする圧密成形木板。
  2. 前記第1の加熱温度は110℃〜160℃の範囲内であり、前記第2の加熱温度は150℃〜210℃の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の圧密成形木板。
  3. 前記所定の圧力は、0.1MPa〜10MPaの範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧密成形木板。
  4. 前記第1の所定時間は10分間〜40分間の範囲内であり、前記第2の所定時間は10分間〜120分間の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の圧密成形木板。
  5. 木材を10mm〜40mmの範囲内の板厚の木板に切り出す切出し工程と、
    前記木板を含水率10%〜30%の範囲内に乾燥する乾燥工程と、
    乾燥した前記木板を第1の加熱温度に加熱する第1加熱工程と、
    加熱した前記木板を所定の圧力で第1の所定時間だけ加圧するとともに密閉状態とする加圧工程と、
    前記木板の加圧密閉状態を保持したまま第2の加熱温度まで加熱する第2加熱工程と、
    前記木板に前記第2の加熱温度の水蒸気を吹き込んで第2の所定時間だけ保持する水蒸気処理工程と、
    前記木板を120℃未満まで冷却した後に加圧密閉状態を解除する冷却工程と
    を具備することを特徴とする圧密成形木板の製造方法。
  6. 前記第1の加熱温度は110℃〜160℃の範囲内であり、前記第2の加熱温度は150℃〜210℃の範囲内であることを特徴とする請求項5に記載の圧密成形木板の製造方法。
  7. 前記所定の圧力は、0.1MPa〜10MPaの範囲内であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の圧密成形木板の製造方法。
  8. 前記第1の所定時間は10分間〜40分間の範囲内であり、前記第2の所定時間は10分間〜120分間の範囲内であることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1つに記載の圧密成形木板の製造方法。
  9. 含水率が10%〜30%の範囲内である変形木板を第1の加熱温度に加熱する第1加熱工程と、
    加熱した前記木板を所定の圧力で第1の所定時間だけ加圧するとともに密閉状態とする加圧工程と、
    前記木板の加圧密閉状態を保持したまま第2の加熱温度まで加熱する第2加熱工程と、
    前記木板に前記第2の加熱温度の水蒸気を吹き込んで第2の所定時間だけ保持する水蒸気処理工程と、
    前記木板を120℃未満まで冷却した後に加圧密閉状態を解除する冷却工程と
    を具備することを特徴とする変形木板の整形方法。
  10. 前記第1の加熱温度は110℃〜160℃の範囲内であり、前記第2の加熱温度は150℃〜210℃の範囲内であることを特徴とする請求項9に記載の変形木板の整形方法。
  11. 前記所定の圧力は、0.1MPa〜10MPaの範囲内であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の変形木板の整形方法。
  12. 前記第1の所定時間は10分間〜40分間の範囲内であり、前記第2の所定時間は10分間〜120分間の範囲内であることを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれか1つに記載の変形木板の整形方法。
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