JP2011181624A - 高強度高比抵抗複合軟磁性材及び電磁気回路部品と高強度高比抵抗複合軟磁性材の製造方法 - Google Patents

高強度高比抵抗複合軟磁性材及び電磁気回路部品と高強度高比抵抗複合軟磁性材の製造方法 Download PDF

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裕明 池田
Kazunori Igarashi
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Abstract

【課題】本発明により、高強度かつ高比抵抗の複合軟磁性材を提供できる。
【解決手段】本発明は、軟磁性粒子を絶縁皮膜で被覆してなる複数の絶縁被覆軟磁性粒子と低融点ガラスの原料粉末粒子を混合して圧密し、焼成して得られた高強度高比抵抗複合軟磁性材であって、軟磁性粒子を絶縁皮膜で被覆してなる複数の絶縁被覆軟磁性粒子と、これら絶縁被覆軟磁性粒子どうしの粒界に形成された低融点ガラスの境界層とを備え、
前記境界層に隣接する絶縁被覆軟磁性粒子表面の絶縁皮膜に形成されている欠損部が30ppm以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ、アクチュエータ、リアクトル、トランス、チョークコア、磁気センサコアなどの各種電磁気回路部品の素材として使用される高強度高比抵抗複合軟磁性材及び電磁気回路部品と高強度高比抵抗複合軟磁性材の製造方法に関する。
従来、モータ、アクチュエータ、磁気センサなどの磁心用材料として、鉄粉末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−P系鉄基軟磁性合金粉末(以下、これらを軟磁性粒子と総称する)を焼結して得られた軟磁性焼結材が知られている。
一方、鉄粉末や合金粉末をガス又はアトマイズ法で粉末化して作製した場合、鉄粉末や合金粉末は単体では比抵抗が低いため、鉄粉末や合金粉末の表面に絶縁皮膜の被覆を行うか、有機化合物を混合するなどして焼結を防止し、比抵抗を上げるなどの対策を講じている。この種の軟磁性材において、渦電流損失を抑制するために、鉄を含む金属磁性粒子の表面を非鉄金属の下層被膜と無機化合物を含む絶縁膜とで覆った圧粉軟磁性材料などが提案されている。
この種の軟磁性材の強度を向上させる1つの手段として、MgおよびOが表面から内部に向かって減少しておりかつFeが内部に向かって増加している濃度勾配を有するMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜を鉄粉末の表面に被覆したMg含有酸化膜被覆鉄粉末を用い、鉄粉末との界面領域に鉄粉末の中心部に含まれる硫黄よりも高濃度の硫黄を含む硫黄濃化層を有するMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を低融点ガラス相で結合してなる高強度複合軟磁性材が知られている。(特許文献1参照)
また、この種の軟磁性材の強度を向上させる他の手段として、少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜と鉄粉末との界面領域に鉄粉末の中心部に含まれる硫黄よりも高濃度の硫黄を含む硫黄濃化層を有するMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を低融点ガラス相で結合してなる高強度複合軟磁性材であって、前記少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、結晶粒径:200nm以下の微細結晶組織を有し、前記少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、その最表面を実質的にMgOで構成している高強度複合軟磁性材が知られている。(特許文献2参照)
次に、この種の軟磁性材の強度を向上させる更に他の手段として、鉄粉末、リン酸塩被覆鉄粉末または酸化物膜被覆鉄粉末の表面に低融点ガラスを構成する元素の錯体またはアルコキシドを有機溶媒に溶かした溶液を塗布することにより溶液膜形成鉄粉末、溶液膜形成リン酸塩被覆鉄粉末または溶液膜形成酸化物膜被覆鉄粉末を作製し、この溶液膜形成鉄粉末、溶液膜形成リン酸塩被覆鉄粉末または溶液膜形成酸化物膜被覆鉄粉末における溶液膜の有機成分を加熱分解することにより低融点ガラスを被覆した鉄粉末、リン酸塩被覆鉄粉末または酸化物膜被覆鉄粉末を作製したのちこれら粉末を圧縮成形したのち熱処理するか、または前記溶液膜形成鉄粉末、溶液膜形成リン酸塩被覆鉄粉末または溶液膜形成酸化物膜被覆鉄粉末を圧縮成形したのち熱処理して複合軟磁性材を製造する技術が知られている。(特許文献3参照)
また、この種の軟磁性材において、粒径2nm〜200nmの低融点ガラスの原料粉末粒子を混合して圧密し、焼成処理することにより、低融点ガラスの境界層を介して複数の絶縁被覆軟磁性合金粒子を結合してなる軟磁性材が知られている。(特許文献4参照)
特開2006−332525号公報 特開2006−332524号公報 特開2006−278833号公報 特開2009−130286号公報
前記各特許文献に記載の技術を用いて複合軟磁性材料の特性改善を行う場合、絶縁被覆した鉄粉に低融点ガラスなどの原料粉末を混合し、圧密後に焼成することで製造しているが、絶縁皮膜被覆鉄粉と低融点ガラスの原料粉末との均一混合を行ったとしても、焼成後に得られた軟磁性材において数10〜数100μm程度の微細粒径をもつ鉄粉末の周囲の隅々に均一な厚さの低融点ガラス層をバインダー層として形成することが困難なことから、得られた複合軟磁性材の特性において、特に強度の面で不均一性を解消することができない問題があった。
例えば、前述の鉄粉末と低融点ガラスの原料粉末を均一混合して焼成する方法により軟磁性材を得ようとすると、微細化された鉄粉末の周囲に前述の技術に基づき形成しているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、厚さ100nm程度であるが、この軟磁性材にバインダーとして低融点ガラスの原料粉末を混合する場合、一般的な方法により低融点ガラスの原料粉末を極微細に粉砕しても、粉砕法により微細化する限り、その粒径を1μm程度、あるいはそれよりも若干細粒とする程度が限界であるので、この程度の粒径の原料粉末を前述のMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜を備えた鉄粉末と混合して圧密し、焼成しても低融点ガラスの原料成分が全ての鉄粉末の周囲に均一に回り込むことができず、バインダー層としての低融点ガラスの境界層が不均一になり易いという問題を有している。
また、前述の粒径の低融点ガラス原料粉末を用いて製造した複合軟磁性材は、微細化された鉄粉末の周囲にMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜を形成して各軟磁性粉末を個々に絶縁することで比抵抗を向上させ、複合軟磁性材としての渦電流損失を少なくしようとしているが、この複合軟磁性材を実際に製造してみると、期待したほど比抵抗が向上しない、という問題を有していた。
この原因について本発明者らが鋭意研究したところ、軟磁性粉末を加圧成形する時にMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が低融点ガラス原料粉末によって部分的に損傷される場合があり、本来鉄粉末の周囲を完全に取り囲んでいるべきMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が部分的に損傷し、本来有する優れた絶縁性を確保できていない結果として、比抵抗を高めることができず、渦電流損失の面で不利となり易い問題があった。
本発明は前記の問題に鑑みて創案されたものであり、その目的は、軟磁性粒子の周囲に形成する絶縁皮膜に損傷を与えることなく圧密し、焼成することが可能であり、高抵抗化することが可能であり、また、バインダーとして用いる低融点ガラスを軟磁性粒子の周囲の隅々まで浸透させて焼成し生成するので、高強度化することができ、しかも高比抵抗かつ低損失な特性を確保できる高強度高比抵抗複合軟磁性材の提供を目的とする。
(1)上記目的を達成するために本発明の高強度高比抵抗複合軟磁性材は、軟磁性粒子を絶縁皮膜で被覆してなる複数の絶縁被覆軟磁性粒子と低融点ガラスの原料粉末粒子を混合して圧密し、焼成処理して得られた高強度高比抵抗複合軟磁性材であって、軟磁性粒子を絶縁皮膜で被覆してなる複数の絶縁被覆軟磁性粒子と、これら絶縁被覆軟磁性粒子どうしの粒界に形成された低融点ガラスの境界層とを備え、前記境界層に隣接する絶縁被覆軟磁性粒子表面の絶縁皮膜に30ppm以下の範囲で欠損部が形成されていることを特徴とする。
(2)上記目的を達成するために本発明は、前記絶縁被覆軟磁性粒子の絶縁皮膜の厚さが5〜200nmの範囲とされてなることを特徴とする。
(3)上記目的を達成するために本発明は、前記軟磁性粒子の平均粒径が5〜500μmの範囲とされてなることを特徴とする。
(4)上記目的を達成するために本発明は、前記絶縁被覆軟磁性粒子の絶縁皮膜が、(Mg、Fe)Oを主体としてなるMg含有絶縁皮膜であることを特徴とする。
(5)上記目的を達成するために本発明は、前記低融点ガラスが、SiO−B−NaO系、NaO−B2O−ZnO系、SiO−B−ZnO系、SiO−B−LiO系ガラスのうち、少なくとも1種類以上であることを特徴とする。
(6)上記目的を達成するために本発明の電磁気回路部品は、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の高強度高比抵抗複合軟磁性材からなることを特徴とする。
(7)軟磁性粒子を絶縁皮膜で被覆してなる複数の絶縁被覆軟磁性粒子と低融点ガラスの原料粉末粒子を混合して圧密し、焼成して得られ、軟磁性粒子を絶縁皮膜で被覆してなる複数の絶縁被覆軟磁性粒子と、これら絶縁被覆軟磁性粒子どうしの粒界に形成された低融点ガラスの境界層とを備える高強度高比抵抗複合軟磁性材の製造方法であって、
絶縁被覆軟磁性粒子と低融点ガラスの原料粉末粒子を混合する際、高級アルコールを添加混合し、その後、圧密前に減圧乾燥することを特徴とする高強度高比抵抗複合軟磁性材の製造方法。
(8)本発明は、前記境界層に隣接する絶縁被覆軟磁性粒子表面の絶縁皮膜に形成されている欠損部を30ppm以下とすることを特徴とする。
(9)本発明は、前記絶縁被覆軟磁性粒子の絶縁皮膜が、(Mg、Fe)Oを主体としてなるMg含有絶縁皮膜であることを特徴とする。
(10)本発明は、前記低融点ガラスが、SiO−B−NaO系、NaO−B−ZnO系、SiO−B−ZnO系、SiO−B−LiO系ガラスのうち、少なくとも1種類以上であることを特徴とする。
本発明の高強度高比抵抗複合軟磁性材によれば、絶縁被覆軟磁性粒子が個々に絶縁皮膜で高い被覆率で被覆された上に、絶縁皮膜の欠損部の割合が30ppm以下と少ないので、圧密焼成後の状態において個々の軟磁性粒子が高い割合で絶縁被覆されている結果として、圧密焼成後に得られた状態において比抵抗を高くすることができる結果、渦電流損失を少なくすることができる。
また、低融点ガラスの境界層を介し絶縁被覆軟磁性粒子どうしを結合しているので、境界層部分での機械的結合力に優れ、高強度な複合軟磁性材が得られる。
また、境界層が均一であり、かつ、軟磁性粒子が個々に確実に絶縁被覆されているので、低融点ガラスの境界層が高比抵抗の状態とされる結果、軟磁性焼成材として高抵抗化ができており、渦電流損失も抑制することができる。
本発明の高強度高比抵抗複合軟磁性材によれば、低融点ガラスの境界層が無く、軟磁性粒子どうしが隣り合って接触している領域は存在しない。境界層には低融点ガラスが存在し、Mg−Fe−O三元系酸化物堆積膜に仮に欠損部があってもこのガラス層が存在することで鉄系粉末同士の接触を防いでいる。ただし、粒界にガラスがない領域の堆積膜欠損部においては、1ppmオーダーで鉄系粉末同士が接触し、比抵抗が低下する恐れがあるが本願発明ではこの問題を解消し、高い比抵抗を得ることができる。
また、絶縁被覆が(Mg、Fe)Oを主体としてなるMg含有絶縁皮膜であるならば、Mg含有絶縁物被覆軟磁性粒子が個々に高比抵抗の境界層で分離されているので、Mg含有絶縁物被覆軟磁性粒子が本来有する優れた軟磁気特性を維持しながら、高比抵抗で渦電流損失の抑制された低損失の高強度高比抵抗複合軟磁性材を提供できる。
本発明の高強度高比抵抗複合軟磁性材は、高密度、高強度、高比抵抗および高磁束密度を有するので、本発明の複合軟磁性材は、高強度と高磁束密度、かつ、高周波低鉄損の特徴を兼ね備えた優れたものであり、これらの特徴を生かした各種電磁気回路部品の材料として使用できる。
前記高強度高比抵抗低損失複合軟磁性材を用いて構成される電磁気回路部品として、例えば、磁心、電動機コア、発電機コア、ソレノイドコア、イグニッションコア、リアクトルコア、トランスコア、チョークコイルコアまたは磁気センサコアなどとしての利用が可能であり、いずれにおいても優れた特性を発揮し得る電磁気回路部品を提供できる。
そして、これら電磁気回路部品を組み込んだ電気機器には、電動機、発電機、ソレノイド、インジェクタ、電磁駆動弁、インバータ、コンバータ、変圧器、継電器、磁気センサシステム等があり、これら電気機器の高効率高性能化や小型軽量化に寄与するという効果がある。
本発明の製造方法に対し、従来方法が、加熱しながらMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子・低融点ナノガラス・エタノールの混合物を攪拌することにより乾燥を行っていて、攪拌中に低融点ガラス粉末によってMg含有絶縁皮膜の損傷が起きていたのに対し、本発明の製造方法では、先の皮膜損傷を低減させるため、減圧乾燥を施す。減圧乾燥の手法を採ることで、攪拌をほとんどせずに有機溶媒を揮発させることができ、乾燥工程の短縮にもつながる。この製造方法により絶縁皮膜の欠損部が少ないMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子を境界層で覆った高強度かつ高比抵抗の複合軟磁性材を得ることができる。
添加する有機溶媒として、アセトンが好ましく、アセトンであるならば沸点が低く減圧乾燥時に速やかに揮発させることができ、乾燥工程の短縮につながる。また、高級アルコールを添加することでMg含有絶縁皮膜の損傷を低減させることができる。
図1は本発明に係る高強度高比抵抗複合軟磁性材の一例構造を示す組織写真の模式図。 図2は本発明に係る高強度高比抵抗複合軟磁性材を製造するための工程の一例を示す工程説明図。 図3は実施例において製造された高強度高比抵抗複合軟磁性材の一例構造において軟磁性粒子と境界層部分を示す組織写真。 図4は同実施例において製造された高強度高比抵抗複合軟磁性材の一例構造において欠損部を示す組織写真の模式図。 図5は実施例において製造された高強度高比抵抗複合軟磁性材の一例構造において酸素の分布状態を測定した結果を示す組織写真。 図6は実施例において製造された高強度高比抵抗複合軟磁性材の一例構造においてMgの分布状態を測定した結果を示す組織写真。 図7は実施例において製造された高強度高比抵抗複合軟磁性材の一例構造においてFeの分布状態を測定した結果を示す組織写真。 図8は実施例において製造された高強度高比抵抗複合軟磁性材の一例構造においてSiの分布状態を測定した結果を示す組織写真。 図9は実施例において製造された高強度高比抵抗複合軟磁性材の一例構造においてZnの分布状態を測定した結果を示す組織写真。
以下に本発明をMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子に適用した場合を例にして以下に詳細に説明するが、本発明では軟磁性粒子の外面に被覆する絶縁皮膜をMgOの絶縁皮膜に限定するものではなく、リン酸塩皮膜、またはシリカのゾルゲル溶液(シリケート)もしくはアルミナのゾルゲル溶液などの湿式溶液を添加し、混合した後に乾燥し焼成した酸化ケイ素もしくは酸化アルミニウム皮膜等であってもよい。
図1は本発明に係る第1実施形態の高強度高比抵抗複合軟磁性材の一例構造を示す組織写真の模式図であり、この形態の高強度高比抵抗複合軟磁性材Aは、Mg含有絶縁物被覆軟磁性粒子5、5を低融点ガラスからなる境界層8で結合した組織構造とされている。
なお、図1では2つのMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子5を低融点ガラスからなる境界層8で結合した構造の一部分のみを示しているが、実際の高強度高比抵抗複合軟磁性材Aは多数のMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子5がそれらの境界部分に境界層8を介在させて結合された圧密体組織構造とされている。
また、この形態の高強度高比抵抗複合軟磁性材Aは、Mg含有絶縁物被覆軟磁性粒子5、5間の間に存在する低融点ガラスからなる境界層8が実質的に全てのMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子間に可能な限り均一に分散された境界層8とされたものであり、境界層8の均一分散により高強度のものが得られる。
また、この形態の高強度高比抵抗複合軟磁性材Aにあっては、Mg含有絶縁物被覆軟磁性粒子5の表面に存在するMg含有絶縁皮膜6が軟磁性粒子5に十分に密着するとともに、Mg含有絶縁皮膜6が存在しない欠損部9が30ppm以下(0.003%以下)の範囲とされている。
このような30ppm以下の少ない量の欠損部であると、換言すると、99.997%以上の範囲にMg含有絶縁皮膜6が欠陥無く存在していることと等価となり、圧密焼成後の軟磁性粒子5の表面が高い被覆率でMg含有絶縁皮膜6により覆われているので、多数の軟磁性粒子5が十分な量のMg含有絶縁皮膜6により絶縁被覆されるとともに、それらが低融点ガラスの境界層8を介し接合されている組織構造となっている。
Mg含有絶縁皮膜6の欠損部の被覆率において99.997%未満であると、軟磁性粒子5の表面においてMg含有絶縁皮膜6で覆われていない部分の面積が大きくなり、後述する如く高強度高比抵抗複合軟磁性材Aを原料粉末から圧密して焼成し、製造する場合に、軟磁性粒子5、5どうしが粒界において直接接触することが生じると、比抵抗の低下に繋がる。
軟磁性粒子の比抵抗の低下要因は、Mg含有絶縁皮膜6が存在しない欠損部9の箇所で軟磁性粒子の露出した鉄の部分同士が極めて微小な領域で接触することが影響していると
考えられる。また、その接触している箇所を分析によって確認することは通常は極めて困難である。
なお、Mg含有絶縁物被覆軟磁性粒子5とMg含有絶縁皮膜6については後に詳細に説明する。また、本願明細書において欠損部9とは、Mg含有絶縁皮膜6が完全に無くなっている部分から、その残存膜厚が5nm未満のものまでを包含するものとする。それらの理由についても後述する。
以下、図1に示す組織構造の高強度高比抵抗複合軟磁性材Aを製造する方法の一例について以下に順次工程順に説明する。
「Mg含有絶縁物被覆軟磁性粒子の製造」
本発明ではまず、(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が軟磁性粒子の表面に被覆形成されたMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子(粉末)を作製する。
この被覆軟磁性粒子を得るためには、以下のいずれかの原料粉末を用い、後述に記載の方法で実施すれば良い。
この発明のMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子の製造方法において使用する原料粉末としてのFe系軟磁性粒子は、従来から一般に知られている鉄粉末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末またはFe−P系鉄基軟磁性合金粉末であることが好ましい。
更に具体的には、鉄粉末は純鉄粉末であり、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末はAl:0.1〜20質量%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Al系鉄基軟磁性合金粉末(例えば、Fe−15質量%Alからなる組成を有するアルパーム粉末)であることが好ましい。
また、Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末はNi:35〜85質量%を含有し、必要に応じてMo:5質量%以下、Cu:5質量%以下、Cr:2質量%以下、Mn:0.5質量%以下の内の1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるニッケル基軟磁性合金粉末(例えば、Fe−49質量%Ni粉末)であり、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末はCr:1〜20質量%を含有し、必要に応じてAl:5質量%以下、Ni:5質量%以下の内の1種または2種を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末であり、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末は、Si:0.1〜10質量%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Si系鉄基軟磁性合金粉末であることが好ましい。
また、Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末は、Si:0.1〜10質量%、Al:0.1〜20質量%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末であり、Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末は、Co:0.1〜52質量%、V:0.1〜3質量%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末であり、Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末は、Co:0.1〜52質量%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Co系鉄基軟磁性合金粉末であり、Fe−P系鉄基軟磁性合金粉末は、P:0.5〜1質量%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−P系鉄基軟磁性合金粉末であることが好ましい。
そして、これらFe系の軟磁性粒子は平均粒径:5〜500μmの範囲内にある軟磁性合金粉末(粒子)を使用することが好ましい。その理由は、平均粒径が5μmより小さすぎると、軟磁性粒子の圧縮性が低下し、軟磁性粒子の体積割合が低くなるために磁束密度の値が低下するので好ましくなく、一方、平均粒径が500μmより大きすぎると、軟磁性粒子内部の渦電流が増大して高周波における透磁率が低下することによるものである。
これら各種のFe系軟磁性粒子のいずれかを原料粉末とし、酸化雰囲気中で室温〜500℃に保持する酸化処理を施した後、この原料粉末にMg粉末を添加し混合して得られた混合粉末を温度:150〜1100℃、圧力:1×10−12〜1×10−1MPaの不活性ガス雰囲気または真空雰囲気中で加熱し、さらに必要に応じて酸化雰囲気中、温度:50〜400℃で加熱すると、Fe系軟磁性粒子表面にMg含有酸化絶縁皮膜を有するMg含有絶縁物被覆軟磁性粉末(粒子)が得られる。
前記Mg粉末の添加量は0.1〜0.3質量%の範囲内にあることが好ましく、前記加熱温度は650℃、前記真空雰囲気は圧力:1×10−7〜1×10−4MPaの真空雰囲気であることが好ましい。
このMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子は、従来のMgフェライト膜を形成したMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子に比べて密着性が格段に優れたものとなり、このMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子をプレス成形して圧粉体を作製しても絶縁皮膜が破壊し剥離することが少なく、また、このMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子の圧粉体を温度:400〜1300℃で焼成して得られた軟磁性複合圧密焼成材は粒界にMg含有酸化膜が均一に分散し、粒界三重点にMg含有酸化膜が集中していない組織が得られる。
前述の製造方法の場合、酸化処理した軟磁性粒子を原料粉末とし、この原料粉末にMg粉末を添加し混合して得られた混合粉末を温度:150〜1100℃、圧力:1×10−12〜1×10−1MPaの不活性ガス雰囲気または真空雰囲気中で加熱するには、前記混合粉末を転動させながら加熱することが好ましい。
「堆積膜」という用語は、通常、真空蒸着やスパッタされた皮膜構成原子が例えば基板上に堆積された皮膜を示すが、本発明において用いる堆積膜とは、酸化鉄膜を有するFe系軟磁性粒子の酸化鉄(Fe−O)とMgが反応を伴って当該Fe系軟磁性粒子表面に堆積したMg含有絶縁皮膜を示す。このFe系軟磁性粒子の表面に形成されているMg含有絶縁皮膜(Mg−Fe−O三元系酸化物堆積膜)の膜厚は、圧粉成形後に軟磁性複合圧密焼成材の高磁束密度と高比抵抗を得るために、5nm〜200nmの範囲内にあることが好ましい。
ここでの膜厚が5nmより薄いと、圧粉成形した軟磁性複合圧密焼成材の比抵抗が充分ではなく、渦電流損失が増加するので好ましくなく、膜厚が200nmを越える厚さでは、圧粉成形した軟磁性複合圧密焼成材の磁束密度が低下する傾向となる。このような範囲において好ましい膜厚は、5nm〜100nmの範囲内である。
「高強度高比抵抗複合軟磁性材の製造方法」
以上説明した方法により前述の如く作製したMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子を使用して高強度高比抵抗低損失複合軟磁性材を製造するには、まず、前述の方法で作製したMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子に対し、バインダー材としての低融点ガラスの原料粉末(粒子)、高級アルコールを添加する。前記低融点ガラスの原料混合粉末(粒子)として、ナノオーダー、特に2〜200nm程度の原料粉末であることが好ましい。
なお、この範囲の原料粉末をハンドリングすることは容易ではないので、先のMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子に添加する場合、原料粉末をアセトンなどの有機溶媒に超音波分散により均一分散し、この有機溶媒中に先のMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子を浸漬して取り出し、減圧乾燥によって有機溶媒を除去し、成形する方法を採用することが好ましい。ただし、乾式によって前記低融点ガラスの原料粉末と高級アルコール、先のMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子を混合し成形する方法も可能である。
ここで用いる低融点ガラスとして、SiO−B−NaO系、NaO−B−ZnO系、SiO−B−ZnO系、SiO−B−LiO系ガラスのうち、少なくとも1種類以上を使用することが好ましい。
また、必要に応じ、これらの低融点ガラスにSiO、NaO、ZnO、B、LiO、SnO、BaO、CaO、Alの1種類または2種類以上を添加した組成を有する低融点ガラスを使用しても良い。
例えば、SiO−B−ZnO系にAlとLiOを添加した組成系、SiO−B−ZnO系にSnOとBaOとCaOとAlを添加した組成系などを例示することができる。
更に具体的な組成例として、(A1)SiO:13質量%、ZnO:35質量%、B:40質量%、Al:5質量%、LiO:7質量%の組成例、(A2)SiO:10〜15質量%、NaO:5〜10質量%、ZnO:30〜40質量%、B:40〜50質量%の組成例、(A3)SiO+NaO:40質量%以下、ZnO:20〜30質量%、BaO:1〜10質量%、B:20〜30質量%の組成例、(A4)SiO:5〜25質量%、SnO:1〜10質量%、ZnO:30〜50質量%、BaO:1〜10質量%、CaO:1〜10質量%、B:23質量%、Al:1〜10質量%の組成例などを例示することができる。
次に、先の成形体を望ましくは窒素雰囲気中などの非酸化性雰囲気において300℃〜1000℃、例えば650℃で数10分、例えば30分程度焼成して高強度高比抵抗複合軟磁性材を形成する。
図2は、Mg含有絶縁物被覆軟磁性材を製造する場合において、原料を準備するための最初の工程から、最終処理するまでの工程順の一例を記載したもので、図2の工程S1において用意した原料としての軟磁性合金粉末の原料(例えば純鉄粉末)を工程S2において前酸化して表面酸化し、工程S3においてMgを蒸着し、工程S4において別途用意した低融点ガラス原料粉末(粒子)1、高級アルコール(常温で固体状)と混合した後、工程S5において減圧乾燥し、工程S6において目的の形状に成形し、工程S7において焼成処理することにより、先に説明した如く本発明に係る高強度高比抵抗複合軟磁性材を得ることができる。
なお、前述の混合を行う工程S4においては、1つの例として、低融点ガラス原料混合粉末1、高級アルコールをアセトンなどの低沸点有機溶媒中において超音波振動を付加してアセトン中に均一分散し、この低沸点有機溶媒中に前述のMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜を形成した絶縁被覆軟磁性粒子を投入し、この後の工程S5において減圧乾燥する方法でも良いし、前述のMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜を形成した絶縁被覆軟磁性粒子と低融点ガラス原料混合粉末1、高級アルコールを直接混合しても良い。なお、このような乾式で直接混合する方法を採用する場合、工程S5の減圧乾燥する工程は必要がない。
ここで使用する高級アルコールの例としては、1−ヘキサデカノール、1−ヘキサコサノール、1−オクタデカノール、1−オクタコサノール、1−ノナデカノール、1−ヘプタデカノール、1−ヘンエイコサノール、1−エイコサノール、1−ドコサノール、1−テトラコサノール、1−トリアコンタノール、1−トリコサノールを例示できる。高級アルコールは、成形時の低融点ガラス粉末によるMg含有絶縁皮膜の損傷を低減させる働きがある。高級アルコールの添加量は0.4質量%以下が好ましく、より好ましくは0.01〜0.4質量%であることが好ましい。添加した高級アルコールは、工程S7の焼成後は残存しない。
前述の工程S5の乾燥工程を減圧乾燥にて行った理由について以下に説明する。従来技術(特許文献4に記載の方法)では、加熱しながらMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子、低融点ナノガラス、エタノールの混合物を攪拌することにより乾燥を行っている。しかし、この攪拌中に低融点ガラス粉末によってMg含有絶縁皮膜の損傷が起きており、この皮膜損傷を低減させるため、本実施形態では減圧乾燥を施す。減圧乾燥の手法を採ることで、攪拌をほとんどせずに有機溶媒(低沸点溶媒を使用)を揮発させることができ、乾燥工程の短縮にもつながる効果がある。
以上説明した工程S1〜S7において選択するべき各種の条件は前述した条件、あるいは後述する条件が好ましい。
以上説明のS6工程においてMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子とその周囲に存在する低融点ガラス原料混合粉末とを金型等を用いて圧密すると、目的の形状の成形体を得ることができる。なお、圧密時にMg含有絶縁皮膜(Mg−Fe−O三元系酸化物堆積膜)の損傷をできるだけ低減する目的で、Mg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の膜厚が5nm〜200nmの範囲内にあり、低融点ガラスの原料混合粉末(粒子)として2〜200nm程度の原料粉末である場合、Mg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の膜厚に対して低融点ガラスの原料混合粉末の粒径を小さいものとすることが好ましい。
これは、圧密時に必然的にMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜に対して低融点ガラスの原料混合粉末が押し付けられるので、物理的にMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が損傷するのを低減するためである。この関係を外れてMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の膜厚より大きい低融点ガラス原料粉末を用いると、圧密時にMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の損傷する割合が大きくなり、最終的に得られた複合軟磁性材の比抵抗値が低下する。
以上説明の方法により得られた高強度高比抵抗複合軟磁性材Aは、前記複数のMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子の結合が、前記軟磁性粒子5と該軟磁性粒子5の表面に被覆されたMg含有絶縁皮膜(Mg含有酸化物皮膜)6とを具備してなるMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子と、前述のナノオーダーの低融点ガラス原料混合粉末を混合し、圧密して焼成することにより低融点ガラス層からなる境界層8が得られた材料であり、しかも、Mg含有絶縁皮膜6の欠損部9の割合が低く、高い比抵抗が得られる。
従って例えば、図1に示す如く、Mg含有絶縁物被覆軟磁性粒子5、5間の間に存在する低融点ガラスからなる境界層8が実質的に全てのMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子間に可能な限り均一に分散されて境界層8とされるとともに、各Mg含有絶縁物被覆軟磁性粒子5の表面にMg含有絶縁皮膜6が高い被覆率で存在するので、高強度かつ高比抵抗のものが得られる。これは、ナノオーダーの微細な低融点ガラスの原料混合粉末7が溶融する際に各元素がMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子の周囲に容易に流動して組成比の均一な境界層8が生成するためであり、かつ、Mg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の膜厚に対して十分に小さな粒径の低融点ガラス原料混合粉末を用いたことにより、圧密時にMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の損傷が少ないためである。
また、以上の製造方法により得られた高強度高比抵抗複合軟磁性材は、高密度、高強度、高比抵抗および高磁束密度を有し、この高比抵抗低損失複合軟磁性材は、高磁束密度で高周波低鉄損の特徴を有する事から、この特徴を生かした各種電磁気回路部品の材料として使用できる。
また、以上の製造方法により得られた高強度高比抵抗複合軟磁性材にあっては、(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜と、その界面に存在する低融点ガラスの均一性に優れた境界層を備えているので、特にMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子同士の粒子接合が良好になされ、かつ、粒子個々の絶縁被覆が十分になされていて、強度が高く、比抵抗の高い、渦電流損失の少ない、低鉄損失の軟磁気特性に優れた高強度高比抵抗低損失複合軟磁性材を得ることができる。
なお、軟磁性粒子の表面に被覆する絶縁皮膜は先のMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜に限るものではなく、リン酸塩皮膜、酸化ケイ素皮膜、酸化アルミニウム皮膜等であっても良く、前述の望ましい膜厚とすることで、十分に小さな粒径の低融点ガラス原料混合粉末との混合圧密時の欠損部の発生を少なくすることができ、同等の作用効果を得ることができる。
平均粒径100μmの軟磁性粒子(純鉄粉末)に対して大気中250℃にて加熱処理を0〜60分間行った。ここでMgO膜は前段の250℃大気中加熱処理で生成される酸化膜厚に比例するので、Mgの添加量は必要最小限度で良く、鉄粉に対して0.3質量%のMg粉末を配合し、この配合粉末を0.1Paの真空雰囲気中、バッチ式回転キルンによって転動させながら650℃に加熱することによりMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜被覆軟磁性粒子(Mg含有絶縁物被覆軟磁性粒子)を作製した。
このMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子の外周面に形成されている(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の膜厚は、前述の大気中加熱処理で生成される酸化膜厚に比例するので、膜厚20〜200nmのものを試験試料として用いた。
次に表2に示す各組成比であって、表1に示す各平均粒径の低融点ガラス用の原料粉末試料1〜4を用い、これらの原料粉末を適宜使用してMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子、1−トリアコンタノール(高級アルコール)とともにアセトン中に10g/cmの割合で投入し、超音波加振器により均一分散させた後、減圧乾燥によりアセトンを蒸発させることで、Mg含有絶縁物被覆軟磁性粒子の表面に前述の各組成比の低融点ガラスの原料粉末と1−トリアコンタノールを付着させた混合粉末を得た。
次に表1に示す成形圧力で圧密し、表3に示す如く窒素雰囲気中、650℃にて0.5時間焼成し、目的の軟磁性複合圧密焼成材を得た。
得られた軟磁性複合圧密焼成材の各試料の皮膜欠損率の割合(ppm)、抗折強度(MPa)、比抵抗(μΩ・m)、密度(Mg/m)、10kA/mにおける磁束密度(T)、1T・400Hzにおけるコアロス(W/kg)の値を測定した結果を表3に示す。
「比較例」
比較のために、表2に示す各組成比であって、表1に示す各平均粒径の低融点ガラス用の原料粉末試料5〜8を適宜使用してMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子とともにエタノール中に10g/cmの割合で投入し、超音波加振器により均一分散させた後、加熱してエタノールを蒸発させることで、Mg含有絶縁物被覆軟磁性粒子の表面に前述の各組成比の低融点ガラスの原料粉末を付着させた混合粉末を得た。
次に表1に示す成形圧力で圧密し、表3に示す如く窒素雰囲気中、650℃にて0.5時間焼成し、目的の軟磁性複合圧密焼成材を得た。
次に、表3のNo.3の試料について、2つの隣接するMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子とそれらの間に存在する境界層部分を断面とした組織写真を図3に示す。図3の組織写真において、Mg含有絶縁物被覆軟磁性粒子の周辺部分が部分的に白く筋状に確認できる部分、または、黒い帯状に確認できる部分がMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜を示している。
このように組織の断面写真を撮影し、Mg含有絶縁物被覆軟磁性粒子の周縁部分に筋状に確認できる部分をMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜として、把握することができる。
次に、表1と表4に示す比較例試料No.9〜16は、低融点ガラスの製造に平均粒径の大きな(平均粒径:905〜987nm)混合原料を用いた試料である。
また、表3に示すNo.3の試料においてMg含有絶縁物被覆軟磁性粒子の周縁部分に存在するMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜における欠損部をSEMによって観察できた結果を図4に模式図として示す。
図4に示す模式図の如く高強度高比抵抗複合軟磁性材Aにあっては、Mg含有絶縁物被覆軟磁性粒子5の周縁部分に対してMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜6が存在するが、部分的にMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜6が欠損部9を有している。表4に示すNo.10、12、14、16の各試料について、この欠損部9の存在割合を画像観察により計測した。この計測は、各試料につき100箇所の画像解析を行い、それらの平均値を欠損部9の割合とした。
それらの結果を併せて表3、表4に示す。
表3に示す結果から、比較例に比べ抗折強度が高く、比抵抗が高く、鉄損も小さい優れた高強度高比抵抗低損失複合軟磁性材の実施例試料を得られることが判明した。また、低融点ガラスの原料粉末の粒径の好ましい範囲は5〜200nmの範囲であるが、具体的に5〜171nmの範囲で欠損部の割合を30ppm以下とした試料が良好な特性が得られ、比抵抗が高く、鉄損がより小さいことがわかった。
表3においてNo.5〜No.8の試料はいずれも皮膜欠損部の割合が38ppm〜73ppmの範囲で高く、比抵抗が低下していることが分かる。
また、比較例9〜16の試料にあっては、皮膜欠損部の割合が極めて大きく、このため比抵抗が著しく低下していると考えられる。これらの試料は、低融点ガラス原料粉末の平均粒径が200nmを超える大きい試料であるが、抗折強度において実施例の試料より大幅に低く、鉄損も増大している。
表3に示す対比から、本発明に係るNo.1〜8の試料は、抗折強度が高く、比抵抗値が高く、従って鉄損が小さく、軟磁気特性においても優秀であることが明らかとなった。
次に、表1と表4に示す比較例試料No.9〜16は、低融点ガラスの製造に平均粒径の大きな混合原料を用いた試料であるが、これらの試料の如く905〜987nmの混合原料では皮膜欠損部の割合が5.2〜8.0%と高く、これが原因となって比抵抗が著しく低下した。
なお、表1に示す平均粒径5〜171nmの低融点ガラス用の原料粉末を用いたNo.1〜8の試料については、SEM観察による微細な欠損部の直接観察が困難であるため、以下の方法により欠損部の割合を算出した。
まず、電気抵抗は以下の式、R=ρ・L/S(ただし、Rは電気抵抗[Ω]、ρは比抵抗[μΩm]、Lは導体の長さ[m]、Sは導体の断面積[m]を示す。)で示される。
ここで欠損部に着目すると、R=ρ・L/S=ρ・L/(L・L)=ρ・1/Lと表記することができる。即ち、欠損部が大きくなる程、抵抗は低下する。また、比抵抗と欠損部の割合は反比例の関係となる。
この関係を基に、表4に示すNo.14の試料より、比抵抗=0.19[μΩm]、皮膜欠損部の実測割合8%であるので、同じ組成のガラスを用いた場合、欠損部の割合1%であるならば、比抵抗は1.52[μΩm]、欠損部の割合0.1%であるならば、比抵抗は15.2[μΩm]、欠損部の割合0.01%であるならば、比抵抗は152[μΩm]の関係となる。
この関係を基に、表3のNo.3の試料は比抵抗の値が691[μΩm]であるので、この値から欠損部の割合は、0.01[%]/(691[μΩm]/152[μΩm])=0.0022%と算出される。即ち、皮膜欠損部の存在割合は22ppmとなる。
同様に計算すると、以下の算出結果から、No.1の試料は29ppm、No.2の試料は19ppm、No.4の試料は22ppmと算出できる。
<No.1の試料の欠損部の算出>
上述の関係を基に、表4のNo.10の試料の欠損部=5.2%、比抵抗=0.30[μΩm]から、欠損部=1.0%の場合、比抵抗=1.56[μΩm]、欠損部=0.01%の場合、比抵抗=156[μΩm]となるので、No.1の試料の欠損部=0.01/(532/156)=0.0029%と算出できる。
<No.2の試料の欠損部の算出>
上述の関係を基に、表4のNo.12の試料の欠損部=7.5%、比抵抗=0.23[μΩm]から、欠損部=1.0%の場合、比抵抗=1.725[μΩm]、欠損部=0.01%の場合、比抵抗=172.5[μΩm]となるので、No.2の試料の欠損部=0.01/(923/172.5)=0.00186%と算出できる。
<No.4の試料の欠損部の算出>
上述の関係を基に、表4のNo.16の試料の欠損部=5.3%、比抵抗=0.31[μΩm]から、欠損部=1.0%の場合、比抵抗=1.643[μΩm]、欠損部=0.01%の場合、比抵抗=164.3[μΩm]となるので、No.4の試料の欠損部=0.01/(746/164.3)=0.0022%と算出できる。
次に図5〜図9は、図3に示す試料について、組織写真と同じ位置を元素分析した結果を示す。図5はO(酸素)の分布図、図6はMg(マグネシウム)の分布図、図7はFe(鉄)の分布図、図8はSi(珪素)の分布図、図9はZn(亜鉛)の分布図である。
これらの図から、境界層の部分にFeの存在割合が少なく、低融点ガラスの主成分に由来するO、Si、Znと、Mg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の主成分に由来するMgとOが境界層に存在し、境界層に確実に低融点ガラスが生成していることを確認することができた。
本発明による高強度高比抵抗低損失複合軟磁性材は、電磁気回路部品として、例えば、磁心、電動機コア、発電機コア、ソレノイドコア、イグニッションコア、リアクトルコア、トランスコア、チョークコイルコアまたは磁気センサコアなどとしての利用が可能であり、いずれにおいても優れた特性を発揮し得る電磁気回路部品へ適用ができる。
そして、これら電磁気回路部品を組み込んだ電気機器には、電動機、発電機、ソレノイド、インジェクタ、電磁駆動弁、インバータ、コンバータ、変圧器、継電器、磁気センサシステム等があり、これら電気機器の高効率高性能化や小型軽量化を推進できる。
A…高強度高比抵抗複合軟磁性材、5…Mg含有絶縁物被覆軟磁性粒子、6…Mg含有絶縁皮膜(Mg−Fe−O三元系酸化物堆積膜)、8…境界層、9…欠損部。

Claims (10)

  1. 軟磁性粒子を絶縁皮膜で被覆してなる複数の絶縁被覆軟磁性粒子と低融点ガラスの原料粉末粒子を混合して圧密し、焼成して得られた高強度高比抵抗複合軟磁性材であって、軟磁性粒子を絶縁皮膜で被覆してなる複数の絶縁被覆軟磁性粒子と、これら絶縁被覆軟磁性粒子どうしの粒界に形成された低融点ガラスの境界層とを備え、
    前記境界層に隣接する絶縁被覆軟磁性粒子表面の絶縁皮膜に形成されている欠損部が30ppm以下であることを特徴とする。
  2. 前記絶縁被覆軟磁性粒子の絶縁皮膜の厚さが5〜200nmの範囲とされてなることを特徴とする請求項1に記載の高強度高比抵抗複合軟磁性材。
  3. 前記軟磁性粒子の平均粒径が5〜500μmの範囲とされてなることを特徴とする請求項1または2に記載の高強度高比抵抗複合軟磁性材。
  4. 前記絶縁被覆軟磁性粒子の絶縁皮膜が、(Mg、Fe)Oを主体としてなるMg含有絶縁皮膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高強度高比抵抗複合軟磁性材。
  5. 前記低融点ガラスが、SiO−B−NaO系、NaO−B−ZnO系、SiO−B−ZnO系、SiO−B−LiO系ガラスのうち、少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高強度高比抵抗複合軟磁性材。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の高強度高比抵抗複合軟磁性材からなることを特徴とする電磁気回路部品。
  7. 軟磁性粒子を絶縁皮膜で被覆してなる複数の絶縁被覆軟磁性粒子と低融点ガラスの原料粉末粒子を混合して圧密し、焼成して得られ、軟磁性粒子を絶縁皮膜で被覆してなる複数の絶縁被覆軟磁性粒子と、これら絶縁被覆軟磁性粒子どうしの粒界に形成された低融点ガラスの境界層とを備える高強度高比抵抗複合軟磁性材の製造方法であって、
    絶縁被覆軟磁性粒子と低融点ガラスの原料粉末粒子を混合する際、高級アルコールを添加混合し、その後、圧密前に減圧乾燥することを特徴とする高強度高比抵抗複合軟磁性材の製造方法。
  8. 前記境界層に隣接する絶縁被覆軟磁性粒子表面の絶縁皮膜に形成されている欠損部を30ppm以下とすることを特徴とする請求項7に記載の高強度高比抵抗複合軟磁性材の製造方法。
  9. 前記絶縁被覆軟磁性粒子の絶縁皮膜が、(Mg、Fe)Oを主体としてなるMg含有絶縁皮膜であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の高強度高比抵抗複合軟磁性材の製造方法。
  10. 前記低融点ガラスが、SiO−B−NaO系、NaO−B−ZnO系、SiO−B−ZnO系、SiO−B−Li2O系ガラスのうち、少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の高強度高比抵抗複合軟磁性材の製造方法。
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