JP2011177501A - 眼の屈折、角膜の曲率半径、又は、眼の内圧を定めるための測定システム及び方法 - Google Patents

眼の屈折、角膜の曲率半径、又は、眼の内圧を定めるための測定システム及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】眼の屈折を定めるための方法及び測定システムであって、患者が一般的な麻酔を受けているとき或いは球後麻酔の場合に屈折を術中に測定することにも適する方法及び測定システムを提供する。
【解決手段】屈折計3によって眼9の屈折を定めるための方法では、屈折を定める前に眼9の現在の視軸を定められる。その後、屈折計3が眼9の視軸に対して位置合わせされ、位置合わせ後に屈折が定められる。眼9の視軸は、眼9を照明するために使用される光源の少なくとも1つのプルキニエ像と、プルキニエ像の位置と視軸との間の関係とに基づいて定められる。
【選択図】図1

Description

本発明は、角膜の曲率半径、眼の屈折、又は、眼の内圧を定めるための測定システム及び方法に関する。また、本発明は、眼内圧を調整するための方法及びシステムに関する。
手術中、すなわち術中に眼の屈折を定めることは、多くのタイプの眼手術において重要である。その例は、角膜の表面にレーザビームを作用させて欠陥視力を補正すること、及び、眼のレンズが人工レンズと交換される白内障手術を含む。眼の屈折を決定するための方法及び装置は、例えば特許文献1及び2に記載されている。
屈折を定めるためにどの方法が使用されるかにかかわりなく、問題は、常に、屈折が眼の視軸上でも決定されるようにすることである。この軸は、眼で容易に見ることができず、時として眼の光軸とはかなり異なる。この問題は、凝視を固定できる固定マーキングを眼に与えることによって避けることができる。しかしながら、これは、患者の積極的な行為を必要とするとともに、いわゆる点眼麻酔薬の場合にのみ可能である。この場合、眼が医師によって固定されなければ、患者は、被写体を凝視して眼を移動させることができる能力を保持する。一方、患者が一般的な麻酔を受ける場合、又は、患者の眼が後球形態で麻酔される場合、すなわち、麻酔薬が眼球の背後に注入された場合には、患者は、もはや眼を積極的に移動させることができないとともに、もはや眼を積極的に固定させることができない。このとき、その屈折が測定されるべき眼の視軸の位置合わせは、測定配置に対して完全に任意である。測定値を視軸上で取得できる保証がない場合には、測定結果がより小さい或いはより大きい誤差を伴う。一例として、これは、手術前に眼を測定して、対応するマーキングを患者の眼に適用することによって是正できる。そのようなマーキングは、特に、白内障手術の範囲内で円環眼内レンズの軸位置合わせに関して使用される。
特許文献3は、角膜剥離に適したパルスレーザを伴う装置を開示している。眼には、ビームトラッキングのために赤外線ビームが照射される。カメラは、眼、より詳細には瞳孔の、赤外線ビームによって生成される像を明/暗コントラストで記録する。その後、カメラに接続されるコンピュータは、例えば暗視野、すなわち、瞳孔又は瞳孔の縁の質量中心を定め、そのため、現在の瞳孔の直径とは無関係に眼の動きを定めることができる。これは、眼の位置を定めることができるが、視軸を定めることができない。
特許文献4は、眼の位置を決定するために白色強膜と着色虹彩との間の界面が定められる、レーザ手術のための眼トラッキング装置について記載する。しかしながら、それによって視軸を容易に計算できない。また、この文献は、プルキニエ像を使用して眼位置を定めることができることについて説明する。しかしながら、眼手術中に眼の光学的品質が一時的に低下し、そのため、プルキニエ像の焦点がずれ、これにより、眼位置の正確な決定が非常に難しくなることに留意する。
特許文献5は、眼手術を行なうための外科用顕微鏡システム及び方法について記載する。システムは、虹彩、強膜、及び、瞼の内側及び外側の境界を定めるために眼の像を解析する眼トラッカを備える。この場合、画像処理ソフトウェアが、実際には瞳孔に対応する最も大きい関連する暗領域を定める。その後、最も大きい関連領域の幾何学的中心を決定することにより眼トラッキングが行なわれる。この方法により視軸を決定することはできない。
特許文献6は、眼のための明確なマシンに依存しない基準系を定めるための方法について記載する。この方法は、特に眼手術の範囲内で使用できる。それは、レーザ手術のため或いは診断測定のために使用される眼科機器の光軸に関する患者の視軸の位置合わせを可能にする。方法は、眼から異なる距離で眼科機器の光軸に沿って位置される第1及び第2の基準マーキングの像が位置合わせするまで眼を横方向に移動させることを含む。治療中、患者は、与えられたマーキングを凝視する。したがって、これにより、患者が一般的な麻酔を受けるとき或いは後球麻酔の場合に、視軸を決定することができる。
術中屈折測定における更なる困難性は、例えば(手術中に眼が潰れないようにするために)粘弾性物質を眼の前房内に注入する結果として、現在手術を受けている眼の眼内圧が自然の眼内圧からかなり逸脱する可能性があるという事実にある。この変化した眼内圧は、角膜の半径の変化をもたらす可能性があり、そのため、誤った屈折測定をもたらす可能性がある。
欧州特許出願公開第0563604号明細書 欧州特許出願公開第1338238号明細書 独国特許第19702335号明細書 米国特許第6299307号明細書 米国特許出願公開第2006/0247659号明細書 米国特許第5474548号明細書
したがって、本発明の目的は、眼の屈折を定めるための方法及び測定システムであって、より詳細には、患者が一般的な麻酔を受けているとき或いは球後麻酔の場合に屈折を術中に測定することにも適する方法及び測定システムを提供することである。
本発明の更なる目的は、より詳細には、眼の屈折の術中測定のための方法の範囲内でも使用できる、眼の曲率半径及び/又は内圧を定めるための有利な測定システム及び有利な方法を提供することである。
本発明の更なる他の目的は、眼の内圧を調整するためのシステム及び方法を提供することである。
第1の目的は、請求項1及び請求項14のごとく眼の屈折を定めるための方法及びシステムによって達成され、第2の目的は、請求項5及び請求項15のごとく角膜の曲率半径及び/又は眼の内圧を定めるための測定システム及び方法によって達成され、また、第3の目的は、請求項11及び請求項20のごとく眼の内圧を調整するための方法及びシステムによって達成される。従属請求項は、本発明の有利な実施形態を含む。
屈折計によって眼の屈折を定めるための本発明による方法では、屈折を定める前に眼の現在の視軸が定められる。その後、屈折計が眼の視軸に対して位置合わせされ、位置合わせ後に屈折が定められる。該方法において、眼の視軸は、眼を照明するために使用される光源の少なくとも1つのプルキニエ像と、プルキニエ像の位置と視軸との間の関係とに基づいて定められる。ここで、用語「プルキニエ像」は、眼構造での反射を意味するものとして理解されるべきである。眼で観察され得る様々なプルキニエ像が存在する。第1のプルキニエ像は角膜の外面での反射であり、第2のプルキニエ像は角膜の内面での反射であり、第3のプルキニエ像はレンズの外面での反射であり、第4のプルキニエ像はレンズの内面での反射である。第1のプルキニエ像、すなわち、角膜の外面での反射は、本発明による方法を実施するのに特に適している。プルキニエ像の位置と視軸との間の関係は、基準測定によって或いは数学的モデルによって定めることができる。光源は、特に、可視光を発することができるとともに、一次光源、すなわち、白熱ランプ又はルミネセンス発光体などの発光光源として、或いは、二次光源、すなわち、光導波路の出口端などの非発光光源として具現化され得る。
本発明は、患者の助けを伴うことさえなく、簡単な手段により、すなわち、プルキニエ像の位置、より詳細には角膜の外面における眼での光源の反射の位置を定めることにより眼の視軸に対して屈折計を位置合わせできるという認識に基づいている。この位置は眼の視軸に対して明確に関連付けられる。この関係は、数学的モデルを使用して計算することができ、或いは、好ましくは、視軸を定める前に基準測定を行なうことにより経験的に定めることができ、基準測定中に患者は眼を動かすことができる。プルキニエ像の位置は、この基準測定中に、多数の視野方向に関して決定して記憶できる。手術中、患者が一般的な麻酔を受けると、或いは眼が球後態様で麻酔されると、プルキニエ像の記憶された位置を利用して、記録されたプルキニエ像に基づき視方向を定めることができる。プルキニエ像の位置と眼の視方向との間の関係を経験的手段によって定めることは、これによりそれぞれの眼の特定の状態を考慮に入れることができるため、有益である。したがって、眼の視軸の位置は、一般に、眼の光軸から約5°の角度だけ偏位する。しかしながら、3°〜8°の偏位も知られており、極端な場合には、最大で10°の偏位もあり得る。数学的モデルはそのような変動を容易に考慮することができず、そのため、視軸とプルキニエ像との間の関係を数学的モデルに基づいて定めることは、経験的手段によってそれを定めるよりも正確ではない。
また、本発明によれば、角膜の曲率半径及び/又は眼の内圧を定めるための方法が提供される。この方法では、眼が少なくとも1つの光源によって照明される。曲率半径及び/又は内圧は、光源の少なくとも1つのプルキニエ像の特性と、この特性と曲率半径及び/又は内圧との間の関係とに基づいて定められる。特に、特性は、プルキニエ像のサイズ、すなわち、プルキニエ像が角膜上で占める面積であってもよい。少なくとも2つの光源が存在する場合、特性は、角膜上でのプルキニエ像同士の間の距離であってもよい。ここでは、距離は、より詳細には、プルキニエ像の中心間の距離であると見なすことができる。角膜の曲率半径が増大するにつれて、プルキニエ像のサイズ、又は、2つの光源からのプルキニエ像同士の間の距離が増大する。これは、角膜の外面が凸面鏡を形成し、凸面鏡の像のサイズが、凸面鏡の曲率半径に伴って、したがって凸面鏡の焦点距離に伴って減少するという事実に起因する。
眼の屈折を定めるための方法の場合と同様に、一次光源又は二次光源を光源として使用することができる。複数の二次光源の場合には、一次光源の数を二次光源の数と等しくすることができる。しかしながら、二次光源よりも少ない数の一次光源を設けることもできる。この場合、少なくとも2つの二次光源が1つの一次光源から一緒に供給される。
少なくとも1つのプルキニエ像の特性と曲率半径及び/又は内圧との間の関係は、数学的モデルに基づいて、或いは通常の曲率半径及び/又は通常の内圧での基準測定によって設定することができる。基準測定は、この場合も先と同様に、眼の通常の曲率半径及び/又は通常の内圧が数学的モデルにより処理することが難しい変化に晒されるため、有益である。
第1のプルキニエ像、すなわち、角膜の外面での光源の反射は、角膜の曲率半径及び/又は眼の内圧を決定するための方法を実施するのに特に適している。
より詳細には、前述した基準測定は、眼の通常の曲率半径及び/又は通常の内圧を定めるために使用できる。その後、この通常の内圧及び/又は角膜の通常の曲率半径からの偏差を数学的モデルに基づいて決定することができる。ここでは、生理学的モデルを用いて角膜の曲率半径から内圧を推定できる。しかしながら、生理学的モデルは、内圧が通常よりも高いか或いは低いかどうかに関してのみ監視すれば済む場合には不要である。その場合、曲率半径と内圧との間の関係の詳細な知識は必要とされない。
本発明による方法は、眼手術中に眼の内圧を調整するため、より詳細には、前記内圧を一定に保つために使用できる。目標値からの内圧の偏差は、曲率半径及び/又は内圧を定めるための本発明による方法を用いて決定できる。その後、決定された偏差に基づき、例えばその圧力を調整できる濯ぎ流体により或いは粘弾性物質を注入することにより、眼の内圧を目標値に近づけることができる。このとき、目標値への到達は、眼が通常の曲率半径及び/又は通常の内圧を得るという事実から明らかとなる。
また、曲率半径及び/又は内圧を定めるための本発明による方法は、眼の屈折を定めるための本発明による方法において使用できる。このとき、眼の曲率半径及び/又は内圧は、屈折が定められる前に定められる。その後、定められた曲率半径及び/又は定められた内圧を屈折測定において考慮に入れることができる。本発明による方法の組み合わせによって与えられる更なる選択肢は、眼内圧を屈折測定における通常の値へと至らせることにあり、そのため、測定された屈折を、手術前に眼の通常の状態で眼に対して行なわれた屈折測定と直接に比較することができる。
本発明による全ての方法では、光源を外科用顕微鏡の照明装置によって実現することができる。これは、眼手術が一般に外科用顕微鏡を用いて行なわれ、したがって、屈折測定及び/又は角膜の曲率及び/又は眼内圧の測定のために更なる光源を必要としないため、有益である。また、眼手術用の外科用顕微鏡の照明装置は、一般に、2つの照明ビーム経路が顕微鏡対物レンズと眼との間で立体観察ビーム経路に対して同軸に延びる同軸照明の可能性を与える。これは、2つの光源のプルキニエ像を観察できる可能性を与える。更に斜照明が存在する場合には、3つの光源のプルキニエ像を観察することができる。
眼の屈折を定めるための本発明による測定システムは、本発明による方法を実施するために具現化され、光軸を有する屈折計と、眼を照明するための少なくとも1つの光源と、眼の電子画像を記録するための電子画像記録装置と、電子画像を受けるために画像記録装置に接続されるとともに、電子画像に基づいて眼の角膜上における少なくとも1つの光源の少なくとも1つのプルキニエ像の位置を決定する手段を備える画像処理ユニットとを備える。また、測定システムは、少なくとも1つのプルキニエ像の位置を受けるために画像処理ユニットに接続され、少なくとも1つのプルキニエ像の位置と、少なくとも1つのプルキニエ像の位置と視軸との間の関係とに基づいて眼の視軸を定めるように具現化される評価ユニットと、眼の視軸を受けるために評価ユニットに接続されるとともに、受けられた視軸に対して屈折計を位置合わせするために屈折計に接続される調整ユニットとを備える。
本発明による方法を実施するように設計される測定システムは、眼手術中の術中使用に特に適する。ここでは、患者は所定位置にいて眼を移動させる必要がなく、したがって、前記患者は一般的な麻酔を受けることもでき、或いは、眼を球後態様で麻酔することもできる。
また、本発明によれば、眼の曲率半径及び/又は内圧を定めるための測定システムが提供される。この測定システムは、眼を照明するための少なくとも1つの光源を備え、該光源は一次光源又は二次光源であってもよい。また、測定システムは、照明される眼の電子画像を記録するための電子画像記録装置と、電子画像を受けるために画像記録装置に接続されるとともに、受けた電子画像に基づいて眼の角膜上における少なくとも1つの光源の少なくとも1つのプルキニエ像の位置及び/又はサイズを決定する手段を備える画像処理ユニットとを備える。更に、測定装置は、少なくとも1つのプルキニエ像の位置及び/又はサイズを受けるために画像処理ユニットに接続され、少なくとも1つのプルキニエ像の位置及び/又はサイズと、少なくとも1つのプルキニエ像の位置及び/又はサイズと曲率半径及び/又は内圧との間の関係とに基づいて曲率半径及び/又は内圧を定めるための評価ユニットを備える。
この測定システムは、角膜の曲率半径及び/又は眼の内圧を定めるための本発明による方法を実施するように適合されており、したがって、この方法に関して説明された利点を実現できる可能性を与える。
眼の曲率半径及び/又は内圧を定めるための測定システムの更なる実施形態では、少なくとも2つの光源が存在する。この場合、画像処理ユニットは、角膜上における光源のプルキニエ像の互いからの距離を決定する手段を備え、評価装置は、角膜上における光源のプルキニエ像の互いからの距離と、該距離と曲率半径との間の関係及び/又は前記距離と内圧との間の関係とに基づいて、曲率半径及び/又は内圧を定めるように設計されている。特に、このケースは、2つのプルキニエ像の位置に基づいて曲率半径及び/又は内圧を定める特別なケースと見なすことができる。
より詳細には、眼の曲率半径及び/又は内圧を定めるための本発明による測定システムは、眼の屈折を定めるための本発明による測定システムと組み合わせることができる。この組み合わせは、屈折を定めるときに角膜の曲率半径及び/又は眼の内圧を考慮に入れることができる可能性を与える。
眼の屈折を定めるための測定システム、及び角膜の曲率半径及び/又は眼の内圧を定めるための測定システムはいずれも、医療−光学観察機器、より詳細には照明装置を備える外科用顕微鏡を備えることができる。この場合、少なくとも1つの光源は、医療−光学観察機器の照明装置の光源によって実現される。特に、医療−光学観察機器には、2つの照明ビーム経路が立体観察ビーム経路に対して同軸的に観察機器の対物レンズと眼との間で延びる同軸照明を設けることができる。これは、少なくとも2つの光源によって眼を簡単な態様で照明することができる可能性を与える。
画像処理ユニット及び/又は評価ユニットは、前述した全ての測定システムにおいてハードウェア又はソフトウェアの形態で利用でき、また、画像記録装置は、例えばCCDチップ又はCMOSチップを有するデジタルカメラであってもよい。
また、本発明によれば、手術中に眼の内圧を調整するためのシステムが提供される。このシステムは、角膜の曲率半径及び/又は眼の内圧を定めるための本発明による測定システムと、流体、例えば濯ぎ流体又は粘弾性物質を眼へと供給するための流体供給装置と、供給された流体の圧力を調整するための調整装置と、定められた曲率半径及び/又は定められた内圧を受けるために測定システムの評価装置に接続されるとともに、補正変数を出力するために調整装置に接続される差分登録ユニットとを備える。差分登録ユニットは、受けた曲率半径及び/又は受けた内圧の目標値からの偏差を定めて、目標値からの定められた偏差に基づいて補正変数を計算するように設計されている。
眼の曲率半径及び/又は内圧を調整するための本発明によるシステムは、角膜の曲率半径及び/又は眼の内圧を目標値に調整するため、或いは目標値を維持するために使用できる。特に、眼の通常の曲率半径及び/又は通常の内圧は目標値としては問題があり、そのため、本発明によるシステムは、曲率半径及び/又は内圧を手術中に通常の値に至らせる、或いは曲率半径及び/又は内圧を通常の値に維持するために使用できる。より詳細には、眼の曲率半径及び/又は内圧を調整するためのシステムが眼の屈折を定めるための測定システムと組み合わされる場合には、眼の通常の曲率半径及び/又は通常の内圧をもって手術中に屈折を測定できるようにすることができる。
本発明は、光源の少なくとも1つのプルキニエ像の記録に基づいて眼の特性を簡単な態様で術中に測定できる可能性を与え、これらの特性は特に屈折測定の範囲内で使用できる。本発明の更なる特徴、特性、及び、利点は、添付図面に関連する典型的な実施形態の以下の説明から明らかである。
眼の屈折を定めるための、外科用顕微鏡を備える、本発明による測定システムを示している。 図1の外科用顕微鏡の必須の構成部品を概略的に示している。 図1の測定システムの電子部品をブロック図の形態で示している。 眼の概略図を視軸、光軸、及び、角膜でのビーム経路の反射と共に示している。 眼の曲率半径及び/又は内圧を調整するためのシステムを示している。 図5のシステムの電子部品をブロック図の形態で示している。
本発明の第1の態様は、眼の屈折を定めるための測定システムを提供する。そのような測定システムが図1に概略的に示されている。該測定システムは、外科用顕微鏡1と、屈折計3と、スタンド(図示せず)の一部である顕微鏡マウント5とを備えており、前記スタンドは、マウント5と共に、3つの並進自由度と最大で3つの回転自由度とを与える。これに関連して、眼科用途におけるスタンド及びマウントが多くの場合に2つの回転自由度しか与えないことに留意すべきである。したがって、マウント5を伴うスタンドは、外科用顕微鏡1の任意の位置決め及び方向付けを可能にする。
測定システムは、その屈折が測定されるべき眼9の視軸に対する屈折計3の適切な位置合わせを行なうために使用される電子部品7を更に備える。
この典型的な実施形態では、屈折計3が外科用顕微鏡1に結合固定され、そのため、外科用顕微鏡1を適切に位置合わせすることにより屈折計3を位置合わせすることができる。この目的を達成するため、電子部品7は、電子信号を受けるために外科用顕微鏡1に接続されるとともに、電子的な補正信号を出力するために顕微鏡マウント5及び場合によりスタンド(図示せず)に接続される。
図1の測定システムの外科用顕微鏡1が図2に詳しく示されている。外科用顕微鏡1は、必須の構成部品として、眼9と対向しなければならず且つこの典型的な実施形態では互いに接合された2つの部分レンズから形成される接合部品として示される、主対物レンズ11を備える。眼9の観察領域は対物レンズ11の焦点面内に配置され、そのため、眼9の観察領域から発する発散光線束10A、10Bが主対物レンズ11によって無限遠で結像される。すなわち、発散光線束は主対物レンズ11を通過した後に平行な光線束13へと変換される。この典型的な実施形態で使用されるような個々の対物レンズの代わりに、複数の個々のレンズを備える対物レンズ系、例えばいわゆる可変焦点レンズを使用することもでき、それにより、顕微鏡の作動距離、すなわち、焦点面と対物レンズ系との間の距離を変えることができる。焦点面内に配置される眼9の観察領域をそのような可変焦点系において無限遠で結像させることもでき、したがって、可変焦点レンズの場合にも、結像側で平行な光線束が存在する。
倍率変更器15が主対物レンズ11の結像側に配置され、該倍率変更器は、典型的な実施形態と同様に倍率因子を連続的に変化させるためのズーム系として、又は、倍率因子を個別的に変えるための所謂ガリレイ系として具現化され得る。少なくとも3つのレンズを備えるズーム系の場合には、倍率因子を変えるために2つの被写体側レンズを移動させることができる。一方、ガリレイ系では、ビーム経路へと交互に導入され得る複数の固定レンズ組み合わせが存在する。ズーム系及びガリレイ変更器はいずれも、被写体側の平行な光線束を、異なる束直径を有する結像側の平行な光線束へと変換する。この典型的な実施形態では、倍率変更器15が既に顕微鏡の両眼ビーム経路の一部である。すなわち、倍率変更器は、外科用顕微鏡の各立体部分光線束13A、13Bごとにそれ自体のレンズ組み合わせを有する。
結像側では、倍率変更器15にインタフェース17が隣接し、該インタフェースによって外部機器を外科用顕微鏡1に接続することができる。この典型的な実施形態において、インタフェース17は、平行な光線束19を平行な立体部分光線束13Bのビーム経路から分離するとともに、平行な光線束21を平行な立体部分光線束13Aのビーム経路に結合し且つ該ビーム経路から分離するのに役立つ。この典型的な実施形態において、インタフェース17は、それぞれの立体部分ビーム経路内に配置されるビームスプリッタプリズム18A、18Bを備える。
カメラアダプタ組み合わせ23が図1に示される外科用顕微鏡1のインタフェース17に配置される。該組み合わせは、カメラアダプタ25と、このカメラアダプタに取り付けられて少なくとも1つの電子イメージセンサ29、例えばCCDセンサ又はCMOSセンサを有するカメラ27とを備える。カメラアダプタ25は、ビームスプリッタプリズム18Bによって顕微鏡1のビーム経路から分離される平行な光線束19を収束光線束へと変換し、そのため、観察被写体が少なくとも1つの電子イメージセンサ29上に結像される。
また、この典型的な実施形態では、屈折計3がインタフェース17に接続される。屈折測定のため、屈折計3によって生成される光は、ビームスプリッタプリズム18Aを介して眼9の方向で部分ビーム経路に結合されて、倍率変更器15及び主対物レンズ11を介して眼9の網膜上に結像される。網膜によって反射される光は、その後、主対物レンズ11、倍率変更器15、及び、ビームスプリッタプリズム18Aを介して屈折計3へフィードバックされて解析される。従来技術から知られる任意の適した方法を使用して解析することができ、当業者はこれを容易に認識できる。一例として、屈折測定のための光として赤外光を使用することができる。
この典型的な実施形態における屈折計3は、倍率変更器15の下流側に位置されるインタフェース17に接続されるが、屈折計から発せられる及び/又は網膜から反射される光を結合して分離するために特に設けられるビームスプリッタも利用できる場合には、原則として、屈折計を外科用顕微鏡1の他の場所に取り付けることもできる。そのようなビームスプリッタは、例えば、主対物レンズ11と倍率変更器との間に配置することができる。ここでは、原則として、主対物レンズ11に対するビームスプリッタの中心位置及び局所位置の両方が存在し得る。
結像側では、両眼チューブ31がインタフェース17に隣接する。両眼チューブは、それぞれの平行な光線束13A、13Bの焦点を中間結像面35内に合わせる2つのチューブ対物レンズ33A、33Bを有する。すなわち、これらのチューブ対物レンズは、眼9の観察領域をそれぞれの中間結像面35A、35Bに結像させる。中間結像面35A、35Bに位置される中間像は、最終的に、接眼レンズ37A、37Bによって無限遠で結像され、そのため、観察者、例えば治療を行なう医師又はそのアシスタントは、弛緩した眼を伴う中間像を観察できる。また、2つの部分光線束13A、13B間の距離は、前記距離を観察者の眼間の距離に一致させるためにミラーの系を用いて或いはプリズム39A、39Bを用いて両眼チューブ内で増大される。
また、外科用顕微鏡1は、特に同軸照明を可能にする図2に概略的に示される照明装置を備える。同軸照明では、2つの部分照明光線束が立体部分ビーム経路に結合され、それにより、これらの部分照明光線束は、部分観察光線束10A、10Bのビーム経路に対して同軸態様で眼9へと案内される。特に、そのような照明は、いわゆる赤色反射によって、すなわち、眼の網膜によって反射される光によって、レンズの観察を可能にする。そのような赤色反射照明は、特に白内障手術中において非常に重要である。また、そのような照明は瞳孔を特に目に見えるようにし、そのため、プルキニエ像の位置を定めるときに有利となり得る。
この典型的な実施形態において、同軸照明は、2つの光源41A、41Bと関連する照明光学系43A、43Bとによって示されている。図2では非常に概略的な態様で単にレンズとして示される照明光学系は、光源41A、41Bから分岐して発散する照明光線束45A、45Bを、主対物レンズ11と倍率変更器15との間に配置されるビームスプリッタ49A、49Bを介して眼9の方向で立体部分観察ビーム経路に結合される平行な照明光線束47A、47Bへと変換する。ここでは、一次又は二次光源を光源41A、41Bとして使用できる。白熱ランプ、例えばハロゲンランプ、又は、ルミネセンス発光体、例えば発光ダイオードが一次光源として適している。特に、光導波路の出口端又は光源の実像を二次光源として使用できる。ここでは、必ずしも二次光源のそれぞれを個々の一次光源によって発生させる必要はない。むしろ、例えば継ぎ合わされた光導波路によって単一の一次光源から光導波路の2つの別個の出口端へと光を供給することもでき、或いは、適切な光学系によって単一の一次光源から2つの像を形成することもできる。
同軸照明に加えて、この外科用顕微鏡は、照明ビーム経路が主対物レンズ11の光軸に対して角度を成して延び、且つ観察光線束10A、10Bのビーム経路に対して同軸に延びない、いわゆる斜照明を有する。斜照明は、光源50と、照明ビーム経路51と、照明ビーム経路51を眼9の方向に偏向させるための偏向ミラー53とによって、図2に概略的に示されている。光源41A、41Bに対して成された一次又は二次光源の使用に関する記述は、光源50においても同様に当てはまる。
斜照明の照明ビーム経路51は、図2では主対物レンズ11の外側で延びているが、しばしば、偏向ミラー53がビームスプリッタ49A、49Bのように主対物レンズ11と倍率変更器15との間に配置されるように主対物レンズ11を貫通して延びる。観察ビーム経路の口径食を回避するため、斜照明のための偏向ミラー53の配置は、一般に、ビームスプリッタプリズム49A、49B間の仮想接続ラインの方向に対して90°だけ主対物レンズ11の光軸周りに回転される(すなわち、偏向ミラー53が図2の結像面から突出し或いは該結像面内に突出する)。偏向ミラー53を主対物レンズ11と倍率変更器15との間に配置せずに、主対物レンズ11と眼9との間に配置することもできる。斜照明は、一般に、例えば白内障手術中に周囲媒質照明としての役目を果たす。
図1に示される測定システムを使用してより正確な屈折測定を行なうことができるようにするためには、屈折計3が眼9の視軸に対して位置合わせされることが重要である。この典型的な実施形態では、これは、外科用顕微鏡1の適切な位置合わせによって達成される。電子部品7は、眼9の視軸を定めて、マウント5を用いて、随意的にはスタンドを用いて外科用顕微鏡1を位置合わせするために使用される。以下の文では、図3を参照して、前記電子部品について更に詳しく説明する。
屈折測定のための測定システムの電子部品7は、画像処理ユニット55と、評価ユニット57と、ランダムアクセスメモリ(RAM)59とを備える。画像処理ユニット55は、眼9の電子画像を受けるためにカメラ27に接続され、また、画像処理ユニットは、外科用顕微鏡1の光源の第1のプルキニエ像を電子画像内で見つけるとともに、角膜上でのプルキニエ像の位置を例えば瞳孔の境界を基準にして定めるように設計されている。この典型的な実施形態では、特に、光源の第1のプルキニエ像が使用される。これらは、図4に示されるように、角膜63の外面での光源41からの光の反射Rによって生成される。また、眼の光軸O及び眼の視軸Sが図4に示されている。視軸Sは光軸に対して角度kを成して延びている。この場合、角度は、3°〜8°の範囲であり、一般的には約5°である。しかしながら、最大で10°の角度も生じる。
評価装置57は、角膜上におけるプルキニエ像の位置を再現するデータを受けるために画像処理ユニット55に接続される。また、前記評価装置は、例えば瞳孔の境界を基準とした角膜上におけるプルキニエ像の位置と眼の視軸の方向を表わすそのベクトルとの間の関係を記憶するメモリ59に接続される。原則として、この関係は、数学的モデルによって視軸Sの方向が角膜上におけるプルキニエ像の位置にリンクされる機能的関係として記憶させることができる。ここでは、角度kが例えば5度に設定される。しかしながら、角度kに関して逸脱する値をとるオプションを設けることもできる。しかしながら、この典型的な実施形態では、他の方法が選択された。ここでは、前記リンクがテーブルの形態でメモリ59に記憶される。テーブルは、角膜上におけるプルキニエ像のそれぞれの位置を視軸Sの複数の方向と関連付ける。このテーブルは、患者が定められたマーキングを自分の眼で凝視して追うことができる基準測定中に形成することができる。関連するプルキニエ像は、マーキングの複数の位置に関して記録された後、アドレステーブルの形態でメモリ59に記憶される。基準測定で適用されるマーキング位置の数は、その後の視軸S方向の決定精度に依存する。
数学的モデルの使用と比べて、基準測定の利点は、該基準測定を眼で個別に行なうことができ、そのため、視軸の方向が後に術中において定められるという点である。これにより、それぞれの眼の生理学的特性及び特異性、より詳細には角度kを、その後に使用される基準において自動的に考慮することができる。数学的モデルが使用されると、これを容易に考慮に入れることができず、したがって、基準測定は、一般に、数学的モデルの使用と比べて視軸の方向を定める際の精度を高めることができる。
検査される眼9の視軸Sの方向は、術中に得られた眼の電子画像に基づいて定められる。これは、画像処理ユニット55が例えば瞳孔の縁に対する角膜上のプルキニエ像の位置を定めて、この位置を評価ユニット57へ送ることによってもたらされる。ここでは、座標変換を避けるため、測定が始められる基準系が、基準測定中の基準系に対応することが好ましい。評価ユニット57は、その後、メモリ59に記憶されるテーブル中の位置とプルキニエ像の位置との間の比較により、視軸Sの現在の方向を定める。評価ユニット57は、その後、このようにして定められた視軸Sの方向と、マウント装置5及び/又はスタンドから得られる外科用顕微鏡1の方向に関する情報とを使用して、外科用顕微鏡1の方向を視軸の方向に一致させるためにマウント5及び/又はスタンドにおいて必要とされる補正変数を定める。屈折測定は、その後、顕微鏡1の方向が視軸Sの方向に一致された後に行なわれる。これにより、屈折測定が眼の視軸に関して常に行なわれる。
原則として、眼における全ての利用可能なプルキニエ像を使用して、視軸Sの方向を定めることができる。これらは、角膜の外面での反射を表わす光源の第1のプルキニエ像、角膜の内面での反射を表わす第2のプルキニエ像、レンズの外面での反射を表わす第3のプルキニエ像、及び、レンズの内面での反射を表わす第4のプルキニエ像である。ここで、第4のプルキニエ像がレンズを通過する反射光に起因して逆さまになるという事実を考慮に入れる必要がある。前述したように、原則として、視軸の方向を定めるために光源の第1、第2、第3、又は、第4のプルキニエ像を使用できる。原則的に、様々なプルキニエ像の組み合わせを使用することもできる。また、全ての光源のプルキニエ像を評価する必要はない。原則的には、利用される光源のうちの1つのプルキニエ像を評価すれば十分である。
また、本発明によれば、角膜の曲率半径及び/又は眼の内圧を定めるための測定システムが設けられる。そのようなシステムは、特に、曲率半径及び/又は眼の内圧を目標値に調整するため、或いはそれを所定の値に維持するために使用できる。したがって、以下では、角膜の曲率半径及び/又は眼の内圧を定めるための測定システムを、角膜の曲率半径及び/又は眼の内圧を調整するためのシステムの範囲内で説明する。図5には、このシステムが非常に概略的な態様で示されている。このシステムは、図1及び図2を参照して既に説明した外科用顕微鏡1を備える。しかしながら、屈折計3は、角膜の曲率半径及び/又は眼の内圧を定めるための測定システムにおいて、或いは曲率半径及び/又は内圧を調整するためのシステムにおいては必要とされない。曲率半径及び/又は内圧を調整するためのシステムは、電子部品107と、眼9のための濯ぎ流体を伴うボトル65とを更に備えており、前記ボトルは、スライド67を用いて眼9よりも上側の高さに関して調整できる。濯ぎ流体は、手術中にチューブ67によって眼9へと案内される。ボトルの高さは、チューブ67の出口端の濯ぎ流体圧力、すなわち、眼内の濯ぎ流体の圧力を適切な態様で調整するために使用できる。設定されるべきボトル高さは電子部品107によって定められる。
図6には、電子部品107がブロック図の形態で示されている。これらの部品は、画像処理ユニット155と、評価ユニット157と、ランダムアクセスメモリ(RAM)159と、差分登録ユニット161とを備える。画像処理ユニット155は、眼9の電子画像を受けるために外科用顕微鏡1のカメラ27に接続される。画像処理ユニットは、光源のプルキニエ像のサイズを受けられた画像から定めるように設計されている。角膜は、光源の虚像を生成する凸面鏡であると見なすことができる。この虚像のサイズは、凸面鏡の曲率半径のサイズに伴って減少する。そのため、凸面鏡の曲率半径を画像のサイズから推定できる。これは角膜の場合にも可能である。光源のプルキニエ像のサイズによっても、眼の内圧に関して結論を引き出すことができる。これは、内圧の増大が曲率半径の増大をもたらし、また、内圧の減少が角膜の曲率半径の減少をもたらすからである。
画像処理ユニット155で定められる光源のプルキニエ像のサイズは、画像処理ユニット155に接続される評価ユニット157へ送られる。該評価ユニットにおいて、この典型的な実施形態では、プルキニエ像の定められたサイズに基づき、眼9の内圧が決定される。これは、眼の曲率半径を眼内圧とリンクさせる数学的モデルに基づいてもたらされ得る。その後、角膜に対するプルキニエ像のサイズを使用して角膜の曲率半径を定めることができ、また、この曲率半径を使用して眼内圧を定めることができる。しかしながら、この典型的な実施形態では数学的モデルが使用されない。むしろ、眼手術の前に基準測定が行なわれ、その基準測定中に、眼の通常の内圧とプルキニエ像の関連するサイズとが登録される。また、圧力を眼に対して及ぼすことにより内圧を一時的に増大させることができ、したがって、内圧が変化するときの角膜の挙動に関して基準測定の範囲内で基準を定めることもできる−そのため、内圧に応じたプルキニエ像のサイズの変化に関して基準を定めることもできる。したがって、基準測定中に登録される通常の眼内圧での光源のプルキニエ像のサイズは、例えば手術中に眼において維持されるべき目標値を成すことができる。基準測定中に定められる内圧とプルキニエ像のサイズの変化との間の関係を使用して、プルキニエ像のサイズが定められた基準サイズから逸脱する場合に、内圧が高すぎるか或いは低すぎるかどうかを決定することができる。内圧とプルキニエ像のサイズの変化との間の関係及び目標値は、同様に評価ユニット157に接続されるメモリ159に記憶され、手術中に呼び出すことができる。その後、評価ユニット157は、手術中に定められる光源のプルキニエ像のサイズと基準プルキニエ像のサイズとを比較することができる。手術中に記録された光源のプルキニエ像が通常の内圧で基準プルキニエ像のサイズから逸脱する場合には、内圧を補正するための措置が随意的に開始されてもよい。サイズが決定されるときには、座標変換を回避するため、基準測定の場合と同じ基準系でこの決定が行なわれれば有益である。
定められた曲率半径及び/又は定められた内圧を受けるために評価ユニット157に接続される差分登録ユニット161において、基準測定中に記録されるプルキニエ像のサイズからの手術中に記録されるプルキニエ像のサイズの所定の偏差は、濯ぎ流体ボトル65が設定されるべき高さを表わし且つスライド67に対して出力されるべき補正変数を定める。この補正変数は、通常の眼圧が設定され或いは通常の眼圧が維持されるように、ボトルの高さによって濯ぎ手段圧力を設定するためにスライド67へ出力される。これは、手術の全体にわたって眼内圧を通常の値に維持できる可能性を与える。
この典型的な実施形態において、光源のプルキニエ像のサイズ、すなわち、プルキニエ像が角膜に対して占める面積は、角膜の曲率及び/又は眼内圧に関する指標として使用された。複数の光源が存在する場合には、この典型的な実施形態の場合と同様に、プルキニエ像における光源同士の間の距離を光源のサイズの代わりに使用して、曲率半径及び/又は眼内圧を定めることもできる。しかしながら、プルキニエ像のサイズに基づいて曲率半径及び/又は眼内圧を定めることは、1つの光源だけが存在すれば済むため有益である。
図5及び図6に関連して説明される典型的な実施形態において、角膜の曲率半径及び/又は眼の内圧を定めるための測定装置は、眼内圧を目標値に調整するために使用される。しかしながら、曲率半径及び/又は眼内圧を単に定めて、定められた曲率半径及び/又は定められた眼内圧を眼の屈折の測定で使用することもできる。これは、眼の屈折が眼内圧と角膜の曲率半径とに依存するからである。そのため、角膜の曲率半径及び/又は眼の内圧を定めるための測定装置と、眼の視軸を定めるための測定装置とを組み合わせることが有益である。この組み合わせは、通常の眼内圧で、したがって眼の通常の曲率半径で屈折測定を常に行なうことができる可能性、又は、角膜の定められた曲率半径及び/又は定められた眼内圧を屈折測定で考慮に入れることができる可能性を与える。内圧が調整されるべきでない場合には、差分登録ユニットを省くこともできる。
全体として、本発明は、外科用顕微鏡の光源のプルキニエ像の記録に基づいて、眼手術中に関連する複数の眼パラメータを定めることができる可能性を与える。これについては具体的な典型的実施形態を使用して説明したが、これからの逸脱も可能である。したがって、光源は、必ずしも外科用顕微鏡からの光源である必要はない。代わりに、それらの光源は、プルキニエ像を記録するために特別に使用される更なる光源であってもよい。しかしながら、それらの光源は、手術中に使用される他の機器からの光源であってもよい。同様に、屈折計3を外科用顕微鏡1に組み込むことも必須ではない。また、独立の機器も同様に存在し得る。この場合には、無論、眼の視軸に対して位置合わせされるのは外科用顕微鏡ではなく、屈折計である。また、屈折測定の範囲内で記録されたプルキニエ像によって角膜の曲率半径及び/又は眼内圧を定めることは必須ではない。むしろ、角膜の曲率半径を定めるために角膜鏡が存在してもよい。測定装置によって得られる結果を外科用顕微鏡の観察ビーム経路に重ね合わせて、治療を行なう医師がそれらの結果を利用できるようにすることも有益となり得る。一例として、眼内圧が自動的に調整されなければ、治療を行なう医師のための観察像中に定められた眼内圧を映し出して、眼内圧及び/又は角膜の曲率半径が望ましくない値をとる場合に医師が随意的に対抗措置を講じることができるようにすることが有益となる場合がある。同様に、視軸の位置を観察像中に映し出すこともでき、それにより、治療を行なう医師は、外科用顕微鏡及び/又は屈折計を自動調整ではなく手動で調整することができる。
1 外科用顕微鏡
3 屈折計
5 顕微鏡マウント
7 電子部品
9 眼
10 発散光線束
11 対物レンズ
13 平行な光線束
15 倍率変更器
17 インタフェース
18 ビームスプリッタプリズム
19 平行な光線束
21 平行な光線束
23 カメラ−アダプタ組み合わせ
25 カメラアダプタ
27 カメラ
29 電子イメージセンサ
31 両眼チューブ
33 チューブ対物レンズ
35 中間結像面
37 接眼レンズ
39 プリズム
41 光源
43 照明光学系
45 発散する照明光線束
47 平行な照明光線束
49 ビームスプリッタ
50 光源
51 斜照明の照明ビーム経路
53 偏向ミラー
55 画像処理ユニット
57 評価ユニット
59 メモリ
63 角膜
65 濯ぎ流体を伴うボトル
67 スライド
69 チューブ
107 電子部品
155 画像処理ユニット
157 評価ユニット
159 メモリ
S 視軸
O 光軸

Claims (20)

  1. 屈折計(3)によって眼(9)の屈折を定めるための方法であって、屈折を定める前に眼(9)の現在の視軸(S)を定め、屈折計(3)を眼(9)の視軸(S)に対して位置合わせし、位置合わせ後に屈折を定めるもので、眼(9)の視軸(S)を、眼を照明するために使用される少なくとも1つの光源(41、50)のプルキニエ像の位置と、プルキニエ像の位置と視軸(S)との間の関係とに基づいて定める方法。
  2. 視軸(S)と眼(9)上のプルキニエ像の位置との間の関係を、基準測定中に定める、請求項1に記載の方法。
  3. 視軸(S)と眼上のプルキニエ像の位置との間の関係を、数学的モデルに基づいて定める、請求項1に記載の方法。
  4. 眼の視軸(S)を定めることが、少なくとも1つの光源(41、50)の第1のプルキニエ像に基づいて行なわれる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 角膜(63)の曲率半径及び/又は眼(9)の内圧を定めるための方法であって、少なくとも1つの光源(41、50)によって眼(9)を照明し、曲率半径及び/又は内圧を、光源(41、50)の少なくとも1つのプルキニエ像の特性と、この特性と曲率半径及び/又は内圧との間の関係とに基づいて定める方法。
  6. 少なくとも1つのプルキニエ像の特性と曲率半径及び/又は内圧との間の関係を、通常の曲率半径及び/又は通常の内圧での基準測定によって定める、請求項5に記載の方法。
  7. 少なくとも1つのプルキニエ像の特性がそのサイズである、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 少なくとも2つの光源(41A、41B)が存在し、プルキニエ像の特性が角膜(63)上でのプルキニエ像同士の間の距離である、請求項5から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 曲率半径及び/又は内圧を、光源(41、50)の少なくとも1つの第1のプルキニエ像の特性に基づいて定める、請求項5から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 眼(9)の曲率半径及び/又は内圧を、屈折を定める前に、請求項5から9のいずれか一項に記載の方法を用いて定める、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  11. 眼手術中に眼の内圧を調整するための方法であって、曲率半径及び/又は内圧を、請求項5から9のうちのいずれか1つにより定め、目標値からの内圧の偏差を定め、定められた偏差に基づいて内圧を目標値に近づける方法。
  12. 圧力を調整できる濯ぎ流体(65)を使用して内圧を目標値に近づける、請求項11に記載の方法。
  13. 外科用顕微鏡(1)の照明装置によって光源(41、50)を実現する、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 眼(9)の屈折を定めるための測定システムであって、
    − 光軸を有する屈折計(3)と、
    − 眼(9)を照明するための少なくとも1つの光源(41、50)と、
    − 照明される眼(9)の電子画像を記録するための電子画像記録装置(27)と、
    − 電子画像を受けるために画像記録装置(27)に接続されるとともに、受けた電子画像に基づいて眼(9)の角膜(63)上における少なくとも1つの光源(41、50)の少なくとも1つのプルキニエ像の位置を決定する手段を備える画像処理ユニット(55)と、
    − 少なくとも1つのプルキニエ像の位置を受けるために画像処理ユニット(55)に接続された、少なくとも1つのプルキニエ像の位置と、少なくとも1つのプルキニエ像の位置と視軸(S)との間の関係とに基づいて眼(9)の視軸(S)を定めるための評価ユニット(57)と、
    − 定められた視軸(S)を受けるために評価ユニット(57)に接続されるとともに、眼の視軸(S)に対して屈折計を位置合わせするために屈折計(3)に接続される調整ユニット(5)と
    を備える、測定システム。
  15. 眼(9)の曲率半径及び/又は内圧を定めるための測定システムであって、
    − 眼(9)を照明するための少なくとも1つの光源(41、50)と、
    − 照明される眼(9)の電子画像を記録するための電子画像記録装置(27)と、
    − 電子画像を受けるために画像記録装置(27)に接続されるとともに、受けた電子画像に基づいて眼(9)の角膜(63)上における少なくとも1つの光源(41、50)の少なくとも1つのプルキニエ像の位置及び/又はサイズを決定する手段を備える画像処理ユニット(155)と、
    − 少なくとも1つのプルキニエ像の位置及び/又はサイズを受けるために画像処理ユニット(155)に接続されて、少なくとも1つのプルキニエ像の位置及び/又はサイズと、少なくとも1つのプルキニエ像の位置及び/又はサイズと曲率半径との間の関係、及び/又は、少なくとも1つのプルキニエ像の位置及び/又はサイズと内圧との間の関係とに基づいて、曲率半径及び/又は内圧を定めるための評価ユニット(157)と
    を備える、測定システム。
  16. 少なくとも2つの光源(41A、41B)が存在し、画像処理ユニット(155)が、角膜(63)上における光源(41A、41B)のプルキニエ像の互いからの距離を決定する手段を備えており、評価装置(157)が、角膜(63)上における光源(41A、41B)のプルキニエ像の互いからの距離と、前記距離と曲率半径との間の関係及び/又は前記距離と内圧との間の関係とに基づいて、曲率半径及び/又は内圧を定めるように設計されている、請求項15に記載の測定システム。
  17. 眼(9)の曲率半径及び/又は内圧を定めるために請求項15又は16に記載の測定システムを更に備える、請求項14に記載の測定システム。
  18. 照明装置を有する医療−光学観察機器(1)を更に備えており、少なくとも1つの光源(41、50)が照明装置の光源によって実現されている、請求項14から17のいずれか一項に記載の測定システム。
  19. 医療−光学観察機器に同軸照明装置(41A、41B)が設けられている、請求項18に記載の測定システム。
  20. 手術中に眼(9)の曲率半径及び/又は内圧を調整するためのシステムであって、
    − 請求項15から19のいずれか一項に記載の測定システムと、
    − 濯ぎ流体を眼(9)に供給するための濯ぎ流体供給装置(65、69)と、
    − 供給された濯ぎ流体の圧力を調整するための調整装置(67)と、
    − 定められた曲率半径及び/又は定められた内圧を受けるために評価装置(157)に接続されるとともに、補正変数を出力するために調整装置(67)に接続され、受けた曲率半径及び/又は受けた内圧の目標値からの偏差を定め且つ定められた偏差に基づいて補正変数を計算するように設計されている差分登録ユニット(161)と
    を備えるシステム。
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