JP2021053064A - 検眼装置及び検眼プログラム - Google Patents

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諒佑 廣藤
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Abstract

【課題】 被検眼の眼位に関する他覚的な検査の精度を向上させることができる検眼装置及び検眼プログラムを提供する。【解決手段】 被検眼における少なくとも眼位量を測定可能な検眼装置であって、被検眼の角膜曲率半径を取得する角膜曲率半径取得手段と、被検眼の前房深度を取得する前房深度取得手段と、角膜曲率半径と前房深度とに基づいて算出される第1パラメータに基づいて、被検眼の眼位量を取得する眼位量取得手段と、を備える。【選択図】 図1

Description

本開示は、被検眼における少なくとも眼位量を測定可能な検眼装置及び検眼プログラムに関する。
被検眼に対する検眼では、被検眼の眼位を他覚的に検査することがある。一例としては、被検眼の眼位の変化に基づいて、被検眼が斜位であるか否か、等が検査される(特許文献1参照)。
特開2017−99532号公報
従来、被検眼の眼位の変化は、被検眼の回旋中心の位置を推定することで他覚的に求められてきた。しかし、発明者らは、このような場合に、眼位の検査精度が必ずしも適切であるとは限らないことに気が付いた。
本開示は、上記従来技術に鑑み、被検眼の眼位に関する他覚的な検査の精度を向上させることができる検眼装置及び検眼プログラムを提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を備えることを特徴とする。
本開示の第1態様に係る検眼装置は、被検眼における少なくとも眼位量を測定可能な検眼装置であって、前記被検眼の角膜曲率半径を取得する角膜曲率半径取得手段と、前記被検眼の前房深度を取得する前房深度取得手段と、前記角膜曲率半径と、前記前房深度と、に基づいて算出される第1パラメータに基づいて、前記被検眼の眼位量を取得する眼位量取得手段と、を備えることを特徴とする。
本開示の第2態様に係る検眼プログラムは、被検眼における少なくとも眼位量を測定可能な検眼装置にて用いる検眼プログラムであって、前記検眼装置のプロセッサに実行されることで、前記被検眼の角膜曲率半径を取得する角膜曲率半径取得ステップと、前記被検眼の前房深度を取得する前房深度取得ステップと、前記角膜曲率半径と、前記前房深度と、に基づいて算出される第1パラメータに基づいて、前記被検眼の眼位量を取得する眼位量取得ステップと、を前記検眼装置に実行させることを特徴とする。
検眼装置の外観図である。 検眼装置の測定部を示す図である。 検眼装置の内部を正面方向から見た概略構成図である。 検眼装置の内部を側面方向から見た概略構成図である。 検眼装置の内部を上面方向から見た概略構成図である。 検眼装置の制御系を示す図である。 斜位眼における前眼部画像を示す図である。 正位眼における前眼部画像を示す図である。
<実施例>
本実施形態に係る検眼装置の一実施例について説明する。
図1は、検眼装置1の外観図である。例えば、検眼装置1は、筐体2、呈示窓3、額当て4、顎台5、コントローラ6、撮像部90、等を備える。
筐体2は、その内部に、後述の測定部7、偏向ミラー81、反射ミラー84、凹面ミラー85、等を有する。呈示窓3は、被検眼Eに視標を呈示するために用いる。額当て4は、被検眼Eと検眼装置1との距離を一定に保つために用いる。顎台5は、被検眼Eと検眼装置1との距離を一定に保つために用いる。
コントローラ6は、モニタ6a、スイッチ部6b、等を備える。モニタ6aは、各種の情報(例えば、被検眼Eの測定結果、等)を表示する。モニタ6aは、タッチパネルであり、モニタ6aがスイッチ部6bの機能を兼ねている。スイッチ部6bは、各種の設定(例えば、開始信号の入力、等)を行うために用いる。コントローラ6からの操作指示に応じた信号は、図示なきケーブルを介した有線通信により、制御部70へ出力される。なお、コントローラ6からの操作指示に応じた信号は、赤外線等を介した無線通信により、制御部70へ出力されてもよい。
撮像部90は、図示なき撮像光学系を備える。例えば、撮像光学系は、被検者の顔を撮像するために用いられる。例えば、撮像光学系は、撮像素子とレンズにより構成されてもよい。
<測定部>
測定部7は、左眼用測定部7Lと右眼用測定部7Rを備える。本実施例において、左眼用測定部7Lと、右眼用測定部7Rと、は同一の部材で構成される。もちろん、左眼用測定部7Lと、右眼用測定部7Rと、はその少なくとも一部が異なる部材で構成されてもよい。測定部7は、左右一対の後述する自覚式測定部と、左右一対の後述する他覚式測定部と、を有する。測定部7からの視標光束及び測定光束は、呈示窓3を介して被検眼Eに導光される。
図2は、測定部7を示す図である。図2では、測定部7として、左眼用測定部7Lを例に挙げる。右眼用測定部7Rは、左眼用測定部7Lと同様の構成であるため省略する。例えば、左眼用測定部7Lは、他覚式測定光学系10、自覚式測定光学系25、第1指標投影光学系45、第2指標投影光学系46、正面投影光学系40、観察光学系50、等を備える。
<他覚式測定光学系>
他覚式測定光学系10は、被検眼の光学特性を他覚的に測定する他覚式測定部の構成の一部として用いられる。本実施例では、被検眼Eの光学特性として、被検眼Eの眼屈折力を測定する他覚式測定部を例に挙げて説明する。なお、被検眼Eの光学特性は、眼屈折力の他、眼軸長、角膜形状、等であってもよい。例えば、他覚式測定光学系10は、投影光学系10aと、受光光学系10bと、で構成される。
投影光学系10aは、被検眼Eの瞳孔中心部を介して、被検眼Eの眼底にスポット状の測定指標を投影する。例えば、投影光学系10aは、光源11、リレーレンズ12、ホールミラー13、プリズム15、対物レンズ93、ダイクロイックミラー35、ダイクロイックミラー29、等を備える。
受光光学系10bは、被検眼Eの眼底で反射された眼底反射光束を、被検眼Eの瞳孔周辺部を介してリング状に取り出す。例えば、受光光学系10bは、ダイクロイックミラー29、ダイクロイックミラー35、対物レンズ93、プリズム15、ホールミラー13、リレーレンズ16、ミラー17、受光絞り18、コリメータレンズ19、リングレンズ20、撮像素子22、等を備える。
なお、本実施例では、投影光学系10aと受光光学系10bとの説明を省略する。これらの詳細については、例えば、特開2018−47049号公報を参考されたい。
<自覚式測定光学系>
自覚式測定光学系25は、被検眼Eの光学特性を自覚的に測定する自覚式測定部の構成の一部として用いられる。本実施例では、被検眼Eの光学特性として、被検眼Eの眼屈折力を測定する自覚式測定部を例に挙げる。なお、被検眼Eの光学特性は、眼屈折力の他、コントラスト感度、両眼視機能(例えば、斜位量、立体視機能、等)、等であってもよい。例えば、自覚式測定光学系25は、投光光学系30と、矯正光学系60と、で構成される。
<投光光学系>
投光光学系30は、被検眼Eに向けて視標光束を投光する。例えば、投光光学系30は、ディスプレイ31、投光レンズ33、投光レンズ34、反射ミラー36、対物レンズ92、ダイクロイックミラー35、ダイクロイックミラー29、等を備える。
ディスプレイ31には、視標(固視標、検査視標、等)が表示される。ディスプレイ31から出射した視標光束は、投光レンズ33からダイクロイックミラー29までの光学部材を順に経由して、被検眼Eに投影される。ダイクロイックミラー35は、他覚式測定光学系10の光路と、自覚式測定光学系25の光路と、を共通光路にする。すなわち、ダイクロイックミラー35は、他覚式測定光学系10の光軸L1と、自覚式測定光学系25の光軸L2と、を同軸にする。ダイクロイックミラー29は、光路分岐部材である。ダイクロイックミラー29は、投光光学系30による視標光束と、後述の投影光学系10aによる測定光束と、を反射して被検眼Eに導く。
<矯正光学系>
矯正光学系60は、投光光学系30の光路内に配置される。また、矯正光学系60は、ディスプレイ31から出射した視標光束の光学特性を変化させる。例えば、矯正光学系60は、乱視矯正光学系63、後述の駆動機構39、等を備える。
乱視矯正光学系63は、被検眼Eの円柱度数や乱視軸角度を矯正するために用いる。乱視矯正光学系63は、投光レンズ33と投光レンズ34との間に配置される。乱視矯正光学系63は、焦点距離の等しい、2枚の正の円柱レンズ61aと円柱レンズ61bで構成される。円柱レンズ61aと円柱レンズ61bは、回転機構62aと回転機構62bの駆動によって、光軸L2を中心として、各々が独立に回転する。
なお、本実施例では、乱視矯正光学系63として、円柱レンズ61aと円柱レンズ61bを用いる構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。乱視矯正光学系63は、円柱度数、乱視軸角度、等を矯正できる構成であればよい。一例としては、投光光学系30の光路に、矯正レンズを出し入れしてもよい。
<駆動ユニット>
本実施例において、投影光学系10aが備える光源11及びリレーレンズ12と、受光光学系10bが備える受光絞り18、コリメータレンズ19、リングレンズ20、及び撮像素子22と、投光光学系30が備えるディスプレイ31と、は駆動機構39によって光軸方向へ一体的に移動可能となっている。つまり、ディスプレイ31、光源11、リレーレンズ12、受光絞り18、コリメータレンズ19、リングレンズ20、及び撮像素子22、が駆動ユニット95として同期し、駆動機構39によって、これらが一体的に移動される。駆動機構39は、モータ及びスライド機構からなる。駆動機構39が移動した移動位置は、図示なきポテンショメータによって検出される。
駆動機構39は、駆動ユニット95を光軸方向へ移動させることで、ディスプレイ31を光軸L2方向へ移動させる。これによって、他覚式測定では、被検眼Eに雲霧をかけることができる。自覚式測定では、被検眼Eに対する視標の呈示距離を光学的に変更し、被検眼Eの球面度数を矯正することができる。すなわち、ディスプレイ31を光軸L2方向へ移動させる構成が、被検眼Eの球面度数を矯正する球面矯正光学系として用いられ、ディスプレイ31の位置を変更することによって、被検眼Eの球面度数が矯正される。なお、球面矯正光学系の構成は、本実施例とは異なっていてもよい。例えば、多数の光学素子を光路内に配置することで、球面度数を矯正してもよい。また、例えば、レンズを光路内に配置し、レンズを光軸方向に移動させることで、球面度数を矯正してもよい。
また、駆動機構39は、駆動ユニット95を光軸方向へ移動させることで、光源11とリレーレンズ12、及び、受光絞り18から撮像素子22、を光軸L1方向へ移動させる。これによって、被検眼Eの眼底に対し、光源11、受光絞り18、及び撮像素子22が光学的に共役となるように配置される。なお、駆動ユニット95の移動にかかわらず、ホールミラー13とリングレンズ20は、被検眼Eの瞳と一定の倍率で共役になるように配置されている。このため、投影光学系10aの測定光束が反射された眼底反射光束は、常に平行光束として受光光学系10bのリングレンズ20に入射し、被検眼Eの眼屈折力に関わらず、リングレンズ20と同一の大きさのリング状光束が、ピントの合った状態で、撮像素子22に撮像される。
<第1指標投影光学系及び第2指標投影光学系>
第1指標投影光学系45及び第2指標投影光学系46は、ダイクロイックミラー29と、後述の偏向ミラー81と、の間に配置される。第1指標投影光学系45は、被検眼Eの角膜に無限遠のアライメント指標を投影するための近赤外光を発する。第2指標投影光学系46は、第1指標投影光学系45とは異なる位置に配置され、被検眼の角膜に有限遠のアライメント指標を投影するための近赤外光を発する。第2指標投影光学系46から出射される近赤外光(アライメント光)は、観察光学系50によって被検眼の前眼部を撮影するための前眼部撮影光としても用いられる。
<正面投影光学系>
正面投影光学系40は、光源41、投光レンズ42、ハーフミラー43、等を備える。光源41は、被検眼Eの角膜にアライメント指標を投影するための近赤外光を発する。投光レンズ42は、光源41からの近赤外光を平行光束にする。ハーフミラー43は、光源41からの近赤外光を反射し、被検眼Eへと導く。
<観察光学系>
観察光学系(撮像光学系)50は、ダイクロイックミラー29、対物レンズ94、撮像レンズ51、撮像素子52、等を備える。ダイクロイックミラー29は、前眼部観察光及びアライメント光を透過する。撮像素子52は、被検眼Eの前眼部と共役な位置に配置された撮像面をもつ。撮像素子52からの出力は、制御部70に入力される。これによって、被検眼Eの前眼部画像は撮像素子52により撮像され、モニタ6a上に表示される。なお、観察光学系50は、第1指標投影光学系45及び第2指標投影光学系46により被検眼Eの角膜に形成されるアライメント指標像を検出する光学系と、正面投影光学系40により被検眼Eの角膜に形成されるアライメント指標像(以下、プルキンエ像)を検出する光学系と、を兼ねている。制御部70により、これらのアライメント指標像及びプルキンエ像の位置が検出される。
<情報解析装置の内部構成>
検眼装置1の内部構成について説明する。図3は、検眼装置1の内部を正面方向から見た概略構成図である。図4は、検眼装置1の内部を側面方向から見た概略構成図である。図5は、検眼装置1の内部を上面方向から見た概略構成図である。なお、図4及び図5では、説明の便宜上、左眼用測定部7Lの光軸のみを示している。
検眼装置1は、自覚式測定部を備える。例えば、自覚式測定部は、測定部7、偏向ミラー81、駆動機構82、駆動部83、反射ミラー84、凹面ミラー85、等で構成される。なお、自覚式測定部はこの構成に限定されない。例えば、反射ミラー84を有しない構成であってもよい。この場合には、測定部7からの視標光束が、偏向ミラー81を介した後に凹面ミラー85の光軸Lに対して斜め方向から照射されてもよい。また、例えば、ハーフミラーを有する構成であってもよい。この場合には、測定部7からの視標光束を、ハーフミラーを介して凹面ミラー85の光軸Lに対して斜め方向に照射し、その反射光束を被検眼Eに導光してもよい。
検眼装置1は、左眼用駆動部9Lと、右眼用駆動部9Rと、を有し、左眼用測定部7Lと、右眼用測定部7Rと、をそれぞれX方向に移動させることができる。例えば、左眼用測定部7L及び右眼用測定部7Rを移動させることによって、測定部7と、後述の偏向ミラー81と、の間の距離が変化し、測定部7からの視標光束のZ方向における呈示位置が変更される。これによって、被検眼Eに、矯正光学系60で矯正された視標光束を導光し、被検眼Eの眼底に矯正光学系60で矯正された視標光束の像が形成されるように、測定部7がZ方向に調整される。
例えば、偏向ミラー81は、左右一対にそれぞれ設けられた右眼用偏向ミラー81Rと左眼用偏向ミラー81Lとを有する。例えば、偏向ミラー81は、矯正光学系60と被検眼Eとの間に配置される。すなわち、本実施例における矯正光学系60は、左右一対に設けられた左眼用矯正光学系と右眼用矯正光学系とを有しており、左眼用偏向ミラー81Lは左眼用矯正光学系と左眼ELの間に配置され、右眼用偏向ミラー81Rは右眼用矯正光学系と右眼ERの間に配置される。例えば、偏向ミラー81は、瞳共役位置に配置されることが好ましい。
例えば、左眼用偏向ミラー81Lは、左眼用測定部7Lから投影される光束を反射して、左眼ELに導光する。また、例えば、左眼用偏向ミラー81Lは、左眼ELからの眼底反射光束を反射して、左眼用測定部7Lに導光する。例えば、右眼用偏向ミラー81Rは、右眼用測定部7Rから投影される光束を反射して、右眼ERに導光する。また、例えば、右眼用偏向ミラー81Rは、右眼ERからの眼底反射光束を反射して、右眼用測定部7Rに導光する。なお、本実施例では、被検眼Eに測定部7から投影された光束を反射させて導光する偏向部材として、偏向ミラー81を用いる構成を例に挙げて説明しているが、これに限定されない。偏向部材は、被検眼Eに測定部7から投影された光束を反射して導光することができればよく、例えば、プリズム、レンズ、等であってもよい。
例えば、駆動機構82は、モータ(駆動部)等からなる。例えば、駆動機構82は、左眼用偏向ミラー81Lを駆動するための駆動機構82Lと、右眼用偏向ミラー81Rを駆動するための駆動機構82Rと、を有する。例えば、駆動機構82の駆動によって、偏向ミラー81は回転移動する。例えば、駆動機構82は、水平方向(X方向)の回転軸、及び鉛直方向(Y方向)の回転軸に対して偏向ミラー81を回転させる。すなわち、駆動機構82は偏向ミラー81をXY方向に回転させる。なお、偏向ミラー81の回転は、水平方向又は鉛直方向の一方であってもよい。
例えば、駆動部83は、モータ等からなる。例えば、駆動部83は、左眼用偏向ミラー81Lを駆動するための駆動部83Lと、右眼用偏向ミラー81Rを駆動するための駆動部83Rと、を有する。例えば、駆動部83の駆動によって、偏向ミラー81はX方向に移動する。例えば、左眼用偏向ミラー81L及び右眼用偏向ミラー81Rが移動されることによって、左眼用偏向ミラー81L及び右眼用偏向ミラー81Rとの間の距離が変更され、被検眼Eの瞳孔間距離にあわせて、左眼用光路と右眼用光路との間のX方向における距離を変更することができる。
なお、例えば、偏向ミラー81は、左眼用光路と右眼用光路とのそれぞれにおいて複数設けられてもよい。例えば、左眼用光路と右眼用光路とのそれぞれに、2つの偏向ミラーを設ける構成(例えば、左眼用光路に2つの偏向ミラーを設ける構成、等)が挙げられる。この場合、一方の偏向ミラーがX方向に回転され、他方の偏向ミラーがY方向に回転されてもよい。例えば、偏向ミラー81が回転移動されることによって、視標光束の像を被検眼の眼前に形成するためのみかけの光束を偏向させ、視標光束の像の形成位置を光学的に補正することができる。
例えば、凹面ミラー85は、左眼用測定部7Lと、右眼用測定部7Rと、で共有される。例えば、凹面ミラー85は、左眼用矯正光学系を含む左眼用光路と、右眼用矯正光学系を含む右眼用光路と、で共有される。すなわち、凹面ミラー85は、左眼用矯正光学系を含む左眼用光路と、右眼用矯正光学系を含む右眼用光路と、を共に通過する位置に配置されている。もちろん、凹面ミラー85は、左眼用光路と右眼用光路とで共有される構成でなくてもよい。すなわち、左眼用矯正光学系を含む左眼用光路と、右眼用矯正光学系を含む右眼用光路と、のそれぞれに凹面ミラーが設けられる構成であってもよい。例えば、凹面ミラー85は、被検眼Eに矯正光学系60を通過した視標光束を導光し、被検眼Eの眼前に矯正光学系60を通過した視標光束の像を形成する。
<自覚式測定部の光路>
自覚式測定部の光路について、左眼用光路を例に挙げて説明する。なお、右眼用光路は、左眼用光路と同様の構成である。例えば、左眼用の自覚式測定部において、自覚式測定光学系25におけるディスプレイ31から出射した視標光束は、投光レンズ33を介して乱視矯正光学系63へと入射し、乱視矯正光学系63を通過すると、投光レンズ34、反射ミラー36、対物レンズ92、ダイクロイックミラー35、及びダイクロイックミラー29、を経由して、左眼用測定部7Lから左眼用偏向ミラー81Lに向けて導光される。左眼用偏向ミラー81Lで反射された視標光束は、反射ミラー84により凹面ミラー85に向けて反射される。ディスプレイ31とから出射した視標光束は、このように各光学部材を経由して、左眼ELに到達する。
これにより、左眼ELの眼鏡装用位置(例えば、角膜頂点位置から12mm程度)を基準として、左眼ELの眼底上に、矯正光学系60で矯正された視標光束の像が形成される。従って、球面度数の矯正光学系(本実施例では、駆動機構39の駆動)による球面度数の調整が眼前で行われたことと、乱視矯正光学系63があたかも眼前に配置されたことと、が等価になっている。被検者は、自然な状態で、凹面ミラー85を介して光学的に所定の検査距離で眼前に形成された視標光束の像を視準することができる。
<制御部>
図6は、検眼装置1の制御系を示す図である。例えば、制御部70には、モニタ6a、不揮発性メモリ75(以下、メモリ75)、測定部7が備える光源11、撮像素子22、ディスプレイ31、光源41、撮像素子52、等の各種部材が電気的に接続されている。また、例えば、制御部70には、駆動部9、駆動機構39、駆動部83、等がそれぞれ備える図示なき駆動部が電気的に接続されている。
例えば、制御部70は、CPU(プロセッサ)、RAM、ROM、等を備える。例えば、CPUは、検眼装置1における各部材の制御を司る。例えば、RAMは、各種の情報を一時的に記憶する。例えば、ROMには、検眼装置1の動作を制御するための各種プログラム、視標、初期値、等が記憶されている。なお、制御部70は、複数の制御部(つまり、複数のプロセッサ)によって構成されてもよい。
例えば、メモリ75は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。例えば、メモリ75としては、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、USBメモリ、等を使用することができる。例えば、メモリ75には、他覚式測定部及び自覚式測定部を制御するための制御プログラムが記憶されている。
<制御動作>
検眼装置1の制御動作について説明する。
本実施例では、被検眼Eに対して、斜位の検査の1つであるカバーアンカバーテストを他覚的に実施し、被検眼Eの眼位量を取得する場合を例に挙げる。
<被検眼の角膜曲率半径の取得>
検者は、スイッチ部6bを操作して、被検眼Eの角膜曲率半径Rを入力する。例えば、被検眼Eの角膜曲率半径Rは、被検眼Eの角膜頂点Kの位置から角膜曲率中心Cまでの長さとして表される(図8参照)。例えば、被検眼Eの角膜曲率半径Rは、被検眼Eの角膜に向けて指標を投影し、指標の角膜反射光を含む前眼部画像を取得する角膜形状測定装置(例えば、特開2012−135536号公報参照)により、予め取得しておくことができる。もちろん、例えば、被検眼Eの角膜曲率半径Rは、このような角膜形状測定装置から送信される測定結果を、検眼装置1の制御部70が受信することで、取得されてもよい。制御部70は、角膜曲率半径Rをメモリ75に記憶させる。
なお、被検眼Eの角膜曲率半径Rは、上記の角膜形状測定装置とは異なる装置を用いて取得されてもよい。一例としては、トポグラフィ装置、OCT装置、眼寸法測定装置、シャインプルークカメラ、等の少なくともいずれかを用いることができる。
<被検眼の前房深度の取得>
また、検者は、スイッチ部6bを操作して、被検眼Eの前房深度ACDを入力する。被検眼Eの前房深度ACDは、被検眼Eの角膜頂点Kから水晶体前面までの長さである。なお、被検眼Eの前房深度ACDとしては、被検眼Eの水晶体前面と、被検眼Eの瞳孔と、の深さ方向の位置を略同一の位置とみなし、被検眼Eの角膜頂点Kから被検眼Eの瞳孔中心Pまでの長さを用いることも可能である。本実施例では、被検眼Eの前房深度ACDを、被検眼Eの角膜頂点Kから瞳孔中心Pまでの長さとして説明する(図8参照)。
例えば、被検眼Eの前房深度ACDは、被検眼Eの前眼部における断面画像を取得するOCT装置(例えば、特開2018−173301号公報参照)により、予め取得しておくことができる。もちろん、例えば、被検眼Eの前房深度ACDは、このようなOCT装置から送信される測定結果を、検眼装置1の制御部70が受信することで、取得されてもよい。制御部70は、被検眼Eの前房深度ACDをメモリ75に記憶させる。
なお、被検眼Eの前房深度ACDは、上記のOCT装置とは異なる装置を用いて取得されてもよい。一例としては、眼寸法測定装置等を用いることができる。
<第1パラメータの算出>
制御部70は、被検眼Eの角膜曲率半径R及び前房深度ACDを取得すると、これらに基づく第1パラメータを算出する。例えば、第1パラメータは、被検眼Eの角膜曲率半径Rと、被検眼Eの前房深度ACDと、の差分αとして算出される。なお、制御部70は、第1パラメータ(以下、第1パラメータα)の算出を、角膜曲率半径R及び前房深度ACDを取得したタイミングで実行してもよい。また、制御部70は、第1パラメータαの算出を、後述の第2パラメータを算出するタイミングで実行してもよい。制御部70は、被検眼Eの第1パラメータαをメモリ75に記憶させる。
<被検眼に対する測定部のアライメント>
検者は、被検眼Eの角膜曲率半径R及び前房深度ACDを入力すると、スイッチ部6bを操作し、被検眼Eを固視させるための固視標を選択する。制御部70は、スイッチ部6bからの入力信号に応じ、ディスプレイ31に固視標を表示させる。被検眼Eには、ディスプレイ31からの視標光束が投影されることで、その眼前に固視標が呈示される。検者は、被検者に、固視標を固視するように指示を出す。
続いて、検者は、スイッチ部6bを操作し、被検眼Eと測定部7とのアライメントを開始するためのスイッチを選択する。制御部70は、スイッチ部6bからの入力信号に応じて、被検眼Eの角膜に第1指標投影光学系45及び第2指標投影光学系46によるアライメント指標像を投影する。また、制御部70は、アライメント指標像を用いて、被検眼Eに対する測定部7のX方向、Y方向、及びZ方向のずれを検出し、このずれに基づいて、測定部7を移動させる。これによって、アライメントが完了される。
<被検眼の斜位の測定>
本実施例では、被検眼Eを遮蔽状態及び非遮蔽状態とし、各々の状態における前眼部画像を得ることによって、斜位の検査が行われる。例えば、被検眼Eに対し、斜位の検査の1つとして、カバーアンカバーテストが実施されてもよい。カバーアンカバーテストは、片眼の視界を覆うカバーを取り外し、その際の眼の動きを確認する検査方法である。以下では、左眼ELを測定眼、右眼ERを非測定眼として説明する。
検者は、被検眼Eに対するアライメントが完了すると、スイッチ部6bを操作し、被検眼Eの斜位の測定を開始するためのスイッチを選択する。制御部70は、スイッチ部6bからの入力信号に応じて、正面投影光学系40における光源41を点灯させる。これによって、被検眼Eの角膜には、光源41から出射したアライメント指標の角膜反射光に基づくプルキンエ像が投影されるようになる。
また、制御部70は、スイッチ部6bからの入力信号に応じて、左眼用測定部7Lが備えるディスプレイ31(以下、ディスプレイ31L)に左眼用の固視標を表示させ、右眼用測定部7Rが備えるディスプレイ31に右眼用の固視標を表示させる。例えば、このとき、左眼ELと右眼ERとの視線は、いずれも各々の光軸L1に一致する。
続いて、検者は、スイッチ部6bを操作し、測定眼である左眼ELに対する固視標の呈示を止め、左眼ELを遮蔽状態にする。制御部70は、スイッチ部6bからの入力信号に応じて、ディスプレイ31Lを非表示に切り換える。例えば、左眼ELに斜位がある場合、左眼ELの瞳孔は斜位がある方向へと移動する。このため、左眼ELの視線は、光軸L1に一致しなくなる。
<被検眼の前眼部画像の取得>
被検眼Eに対する斜位の測定では、被検眼Eの前眼部画像が取得される。図7及び図8は、被検眼Eの前眼部画像100の一例である。図7は、左眼ELが斜位眼である場合を示す。図8は、左眼ELが正位眼(非斜位眼)である場合を示す。なお、図7(a)及び図8(a)は、被検眼Eを上部からみた模式図であり、図7(b)及び図8(b)は、被検眼Eを正面からみた前眼部画像100である。例えば、前眼部画像100には、被検眼Eの瞳孔情報としての瞳孔中心Pと、正面投影光学系40により形成されるプルキンエ像Sと、が含まれる。
例えば、図7のように、左眼ELが斜位眼であると、ディスプレイ31Lを非表示に切り換えた際、左眼ELの瞳孔中心Pが所定の方向(本実施例では、被検眼Eの左方向)へ移動する。左眼ELの瞳孔中心Pが移動すると、これにともなって、プルキンエ像Sの形成位置が変化する。例えば、左眼ELの瞳孔中心Pの移動量が多いほど、プルキンエ像Sの形成位置は光軸L1から離れ、左眼ELの瞳孔中心Pの移動量が少ないほど、プルキンエ像Sの形成位置は光軸L1に近づく。このため、前眼部画像100において、左眼ELの瞳孔中心Pとプルキンエ像Sとは異なる位置に現れる。一方、例えば、図8のように、左眼ELが正位眼であると、ディスプレイ31Lを非表示に切り換えた際、左眼ELの瞳孔中心Pは移動しない。このため、前眼部画像100において、左眼ELの瞳孔中心Pと、プルキンエ像Sと、は略同一の位置に現れる。
<第2パラメータの算出>
制御部70は、前眼部画像100を解析処理し、左眼ELの瞳孔中心Pの位置座標と、左眼ELのプルキンエ像Sの位置座標と、を検出する。例えば、制御部70は、前眼部画像100における輝度の立ち上がりや立ち下がりから瞳孔を検出し、さらに、瞳孔の中心を計算することで、瞳孔中心Pの位置座標を検出してもよい。また、例えば、制御部70は、前眼部画像100における輝度の立ち上がりや立ち下がりからプルキンエ像Sの位置座標を検出してもよい。
また、制御部70は、前眼部画像100における、左眼ELの瞳孔中心Pの位置座標と、左眼ELのプルキンエ像Sの位置座標と、の距離に基づいて、第2パラメータを算出する。例えば、制御部70は、基準となる位置座標(例えば、X座標とY座標がともに0である位置、等)から瞳孔中心Pの位置座標までの距離と、基準となる位置座標からプルキンエ像Sの位置座標までの距離と、の差分δを求め、これを実距離δ’に換算することで、第2パラメータを算出する。例えば、差分δの距離と、実距離と、は予め対応付けられていてもよい。制御部70は、被検眼Eの第2パラメータ(以下、第2パラメータδ’)をメモリ75に記憶させる。
なお、例えば、制御部70は、瞳孔中心Pの位置座標からプルキンエ像Sの位置座標までの距離を直接的に求めてもよい。例えば、制御部70は、瞳孔中心P及びプルキンエ像Sの位置座標間の画素数を求め、画素数に基づいて実距離δ’を取得してもよい。例えば、この場合、前眼部画像100の画素と、実距離と、が予め対応付けられていてもよい。
<被検眼の眼位量の取得>
制御部70は、左眼ELの角膜曲率半径R及び前房深度ACDに基づく第1パラメータαと、左眼ELの瞳孔中心Pの位置及びプルキンエ像Sの位置に基づく第2パラメータδ’と、をそれぞれ取得すると、これらに基づいて、左眼ELの眼位量を取得する。例えば、本実施例では、以下に示す数式を用いることで、左眼ELの眼位量として、左眼ELの回旋中心Qを基準とした回旋角度θが求められる。
Figure 2021053064
例えば、制御部70は、第1パラメータα及び第2パラメータδ’を用いた三角関数により、左眼ELの回旋角度θを算出することができる。制御部70は、左眼ELの回旋角度θをメモリ75に記憶させる。
なお、制御部70は、左眼ELの回旋角度θに基づいて、左眼ELのプリズム量Δを取得してもよい。この場合には、以下に示す数式を用いることで、左眼ELのプリズム量Δが求められる。
Figure 2021053064
例えば、制御部70は、左眼ELの回旋角度θを用いた三角関数により、左眼ELのプリズム量Δを算出することができる。制御部70は、左眼ELのプリズム量Δをメモリ75に記憶させる。
例えば、本実施例において、検者は、左眼ELと右眼ERに対し、このような斜位の測定と、回旋角度θの算出(及びプリズム量Δの算出)と、を順に実施する。制御部70は、左眼ELと右眼ERとのそれぞれについて、回旋角度θ(及びプリズム量Δ)をモニタ6aに表示させてもよい。
<被検眼Eに対する自覚式測定の実施>
例えば、検者は、左眼EL及び右眼ERに対して自覚式測定を順に実施し、左眼ELの自覚値と、右眼ERの自覚値と、をそれぞれ取得してもよい。検者は、スイッチ部6bを操作し、所定の検査視標(例えば、ランドルト環視標)を選択する。制御部70は、スイッチ部6bからの入力信号に応じ、ディスプレイ31に検査視標を表示させる。
続いて、検者は、スイッチ部6bを操作して、所望の矯正度数を設定する。例えば、所望の球面度数、所望の円柱度数、所望の乱視軸角度、所望のプリズム度数、等を設定する。制御部70は、スイッチ部6bからの入力信号に応じ、投光光学系30と、矯正光学系60と、の少なくともいずれかを制御する。
例えば、制御部70は、駆動機構39を駆動させ、ディスプレイ31を光軸L2方向へ移動させることによって、被検眼Eの球面度数を矯正してもよい。また、例えば、制御部70は、回転機構62aと回転機構62bを駆動させ、円柱レンズ61aと円柱レンズ61bを光軸L2bの軸周りに回転させることによって、被検眼Eの円柱度数と乱視軸角度との少なくともいずれかを矯正してもよい。これによって、被検眼Eの眼屈折度が所定のディオプタ値(例えば、0D等)で矯正される。
さらに、例えば、制御部70は、ディスプレイ31の表示を制御して、検査視標の位置を変更させてもよい。例えば、制御部70は、ディスプレイ31において、検査視標を回旋角度θ(あるいは、プリズム量Δ)に対応する表示位置に表示させる。一例として、被検眼Eの回旋角度θが0度であれば、ディスプレイ31の中央の位置に検査視標を表示させ、被検眼Eの回旋角度θが0度とは異なる角度であれば、ディスプレイ31の所定の位置に検査視標を表示させてもよい。なお、ディスプレイ31の画素と、回旋角度θ(あるいは、プリズム量Δ)と、は予め対応付けられていてもよい。これによって、被検眼Eのプリズム度数が所定のプリズム度数値(例えば、0Δ等)で矯正される。
検者は、スイッチ部6bを操作して、被検眼Eに呈示する検査視標の視力値を切り換えながら、被検眼Eを矯正する矯正度数が適切であるかを確認する。被検眼Eを矯正する矯正度数が不適切であった場合等には、被検眼Eの眼屈折度及びプリズム度数の少なくともいずれかを、所定の値とは異なる値で矯正し、再度、矯正度数が適切であるかを確認してもよい。例えば、これによって、被検眼Eの適切な自覚値を取得し、被検眼Eに対して良好に処方を行うことができる。
以上、説明したように、例えば、本実施例における検眼装置は、被検眼の角膜曲率半径と、被検眼の前房深度と、に基づいて算出される第1パラメータに基づいて、被検眼の眼位量を取得する。例えば、これによって、従来のように、被検眼における角膜頂点の位置から回旋中心位置までの長さ等を平均的な値として眼位量を求めるのではなく、実際の値(実測値)に基づいたパラメータから眼位量を求めることができる。このため、被検眼の眼位量を精度よく取得することができる。また、このような被検眼の眼位量を用いることで、被検眼に対するプリズム度数等の矯正や処方を適切に行うことができる。
また、例えば、本実施例における検眼装置は、前述の第1パラメータ、及び、被検眼の瞳孔の位置と、被検眼のプルキンエ像の位置と、に基づいて算出される第2パラメータ、に基づいて、被検眼の眼位量を取得する。例えば、これによって、被検眼の実測値に基づくパラメータから、眼位量を容易に求めることができる。
また、例えば、本実施例における検眼装置は、被検眼に向けて視標を呈示する視標呈示部から出射された視標光束を投影する投影光学系と、投光光学系の光路中に配置され、前記視標光束の光学特性を変化させる矯正光学系と、を有し、被検眼の光学特性を自覚的に測定する。例えば、これにより、被検眼に対するプリズム度数等の矯正を、求めた眼位量に基づいて容易に行うことができる。
<変容例>
なお、本実施例では、被検眼Eの瞳孔情報として、被検眼Eの瞳孔の位置(ここでは、瞳孔中心Pの位置)を取得する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、被検眼Eの瞳孔情報として、被検眼Eの瞳孔周辺における虹彩の位置(例えば、虹彩中心の位置)を取得する構成としてもよい。この場合、被検眼Eの虹彩の位置と、プルキンエ像Sの位置と、に基づいて第2パラメータδ’を算出し、第1パラメータα及び第2パラメータδ’から被検眼Eの眼位量を取得してもよい。
なお、本実施例では、被検眼Eの角膜曲率半径Rを入力し、これを取得する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。本実施例では、被検眼Eの角膜に関する情報を取得し、これに基づいて、角膜曲率半径Rを取得する構成としてもよい。例えば、この場合、被検眼Eの角膜に関する情報は、角膜形状等であってもよい。例えば、制御部70は、被検眼Eの角膜に関するこれらの情報から、角膜曲率半径Rを算出することによって、角膜曲率半径Rを取得してもよい。
なお、本実施例では、被検眼Eの前房深度ACDを入力し、これを取得する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。本実施例では、被検眼Eの角膜に関する情報と、水晶体に関する情報と、を取得し、これに基づいて、前房深度ACDを取得する構成としてもよい。例えば、この場合、被検眼Eの水晶体に関する情報は、水晶体の深さ方向の位置等であってもよい。例えば、制御部70は、被検眼Eの角膜及び水晶体に関するこれらの情報から、前房深度ACDを算出することによって、前房深度ACDを取得してもよい。
なお、本実施例では、被検眼Eの前房深度ACDとして、被検眼Eの角膜頂点Kから被検眼Eの瞳孔中心Pまでの長さを用いる構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、本実施例では、被検眼Eの前房深度ACDとして、被検眼Eの水晶体前面と、被検眼Eの虹彩と、の深さ方向の位置を略同一の位置とみなし、被検眼Eの角膜頂点Kから被検眼Eの虹彩中心までの長さを用いることも可能である。
なお、本実施例では、被検眼Eの角膜曲率半径Rと前房深度ACDとを、いずれも実測値として取得する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、本実施例では、被検眼Eの角膜曲率半径Rと前房深度ACDと、の一方を実測値として取得し、他方を仮定値(一例としては、平均値、眼屈折力毎の文献値、等)として取得してもよい。例えば、このような構成であっても、被検眼Eの眼位量を一定の精度で得ることができる。
なお、本実施例では、被検眼Eの角膜曲率半径R及び前房深度ACDに基づく第1パラメータαを予め算出しておくことで、被検眼Eの回旋角度θを取得する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、本実施例では、被検眼Eの角膜曲率半径R及び前房深度ACDを取得し、これらの値を直接的に用いて、被検眼Eの回旋角度θを取得する構成としてもよい。
同様に、本実施例では、被検眼Eの瞳孔中心Pの位置及びプルキンエ像Sの位置に基づく第2パラメータδ’を予め算出しておくことで、被検眼Eの回旋角度θを取得する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、本実施例では、被検眼Eの瞳孔中心Pの位置及びプルキンエ像Sの位置を取得し、これらの位置情報を直接的に用いて、被検眼Eの回旋角度θを取得する構成としてもよい。
なお、本実施例では、被検眼Eが固視標を固視した際、被検眼Eの瞳孔中心Pの位置と光軸L1とが一致し、前眼部画像100上における瞳孔中心Pとプルキンエ像Sが略同一の位置に現れる構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。被検眼Eが固視標を固視した際、被検眼Eの瞳孔中心Pの位置と光軸L1とは必ずしも一致しないため、前眼部画像100上における瞳孔中心Pとプルキンエ像Sが異なる位置に現れることがある。例えば、この場合、被検眼Eが固視標を固視した状態における瞳孔中心Pとプルキンエ像Sとのずれ量を予め取得しておいてもよい。また、例えば、被検眼Eに対する斜位の測定において、ディスプレイ31を非表示に切り換えたときの瞳孔中心Pとプルキンエ像Sとのずれ量を取得してもよい。例えば、これらのずれ量の変化に基づいて、第2パラメータδ’を求め、被検眼Eの回旋角度θを取得する構成としてもよい。
なお、本実施例では、被検眼Eの角膜曲率半径Rが方向性をもたない場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。被検眼Eの角膜曲率半径Rは、方向性をもつ場合がある。一例として、被検眼Eが乱視眼である場合には、角膜曲率半径Rが大きな(すなわち、眼屈折力が弱い)軸と、角膜曲率半径Rが小さな(すなわち、眼屈折力が強い)軸と、が存在し、方向性をもっている。このとき、制御部70は、被検眼Eの角膜曲率半径Rにおける適切な方向の値を用いて、第1パラメータαを算出してもよい。例えば、制御部70は、被検眼Eの乱視軸のうち、被検眼Eの斜位の方向と一致する軸の角膜曲率半径Rを選択し、この値を用いて、第1パラメータαを算出してもよい。これによって、被検眼Eのより正確な眼位量を取得することができる。
また、例えば、被検眼Eの角膜曲率半径Rによっては、その屈折力が異なるために瞳孔のみかけのサイズが変化し、被検眼Eが回旋した際に、前眼部画像100上の瞳孔中心Pの位置がわずかに変化することがある。このとき、前眼部画像100上の瞳孔中心Pの位置が、実際の瞳孔中心Pの位置からずれることで、第2パラメータδ’の値も、実際の値からずれてしまうことになる。そこで、本実施例では、被検眼Eの角膜曲率半径Rに応じて、第2パラメータδ’のずれを補正する構成としてもよい。例えば、この場合には、角膜曲率半径Rと、前眼部画像100上の瞳孔中心Pの位置座標と、を予め対応付けたテーブルや演算式を用いて、第2パラメータδ’のずれを補正してもよい。もちろん、本実施例では、被検眼Eの角膜曲率半径Rに応じて、瞳孔の見かけのサイズを変更することで、パラメータδ'を補正してもよい。例えば、パラメータδ'を補正することで、被検眼Eのより正確な眼位量を取得することができる。
なお、本実施例では、被検眼Eの回旋角度θ(あるいは、プリズム量Δ)に基づいて、被検眼Eのプリズム度数を矯正する際に、ディスプレイ31の表示を制御する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。本実施例では、被検眼Eの回旋角度θに基づいて、被検眼Eのプリズム度数を矯正する際に、偏向ミラー81の回転を制御する構成としてもよい。この場合、この場合、制御部70は、回旋角度θ(あるいは、プリズム量Δ)に応じて、駆動機構82の駆動を制御し、偏向ミラー81を回転移動させる。なお、偏向ミラー81の回転角度と、被検眼Eの回旋角度θ(あるいは、プリズム量Δ)と、は予め対応付けられていてもよい。
なお、本実施例では、被検眼Eの前眼部画像100を、観察光学系50を用いた撮像により取得する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、本実施例では、検眼装置1とは異なる装置にて撮像された被検眼Eの前眼部画像100を、制御部70が受信することによって、取得されてもよい。この場合、検眼装置1とは異なる装置において、被検眼Eの角膜に向けて投影された指標の角膜反射光に基づくプルキンエ像を含む前眼部画像が撮像され、検眼装置1に向けて送信される。検眼装置1の制御部70は、この前眼部画像を受信することで取得し、被検眼Eの瞳孔中心Pの位置、及び、被検眼Eのプルキンエ像の位置、を検出してもよい。
なお、本実施例では、被検眼Eに、正面投影光学系40の光源41からアライメント指標を投影し、これによって形成されるプルキンエ像Sの位置に基づいて、第2パラメータδ’を算出する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、本実施例では、被検眼Eの前眼部を照明するための照明部を筐体2に別途設け、照明部からアライメント指標を投影し、これによって形成されるプルキンエ像の位置に基づいて、第2パラメータδ’を算出する構成とすることもできる。例えば、このような照明部は、少なくとも光源を備えていてもよい。
なお、本開示は、本実施形態に記載する装置に限定されない。例えば、上記実施形態の機能を行う端末制御ソフトウェア(プログラム)を、ネットワークまたは各種記憶媒体等を介してシステムあるいは装置に供給し、システムあるいは装置の制御装置(例えば、CPU等)がプログラムを読み出して実行することも可能である。
1 検眼装置
7 測定部
10 他覚式測定光学系
25 自覚式測定光学系
70 制御部
75 メモリ
81 偏向ミラー
84 反射ミラー
85 凹面ミラー

Claims (4)

  1. 被検眼における少なくとも眼位量を測定可能な検眼装置であって、
    前記被検眼の角膜曲率半径を取得する角膜曲率半径取得手段と、
    前記被検眼の前房深度を取得する前房深度取得手段と、
    前記角膜曲率半径と、前記前房深度と、に基づいて算出される第1パラメータに基づいて、前記被検眼の眼位量を取得する眼位量取得手段と、
    を備えることを特徴とする検眼装置。
  2. 請求項1の検眼装置において、
    前記被検眼の瞳孔情報を取得する瞳孔情報取得手段と、
    前記被検眼のプルキンエ像の位置を取得するプルキンエ像位置取得手段と、
    を備え、
    前記眼位量取得手段は、前記第1パラメータ、及び、前記瞳孔情報と、前記プルキンエ像の位置と、に基づいて算出される第2パラメータ、に基づいて、前記被検眼の前記眼位量を取得することを特徴とする検眼装置。
  3. 請求項1または2の検眼装置において、
    前記被検眼に向けて前記視標を呈示する視標呈示部から出射された視標光束を投影する投影光学系と、前記投光光学系の光路中に配置され、前記視標光束の光学特性を変化させる矯正光学系と、を有し、前記被検眼の光学特性を自覚的に測定する自覚式測定手段と、
    前記被検眼の前記眼位量に基づいて、前記矯正光学系を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする検眼装置。
  4. 被検眼における少なくとも眼位量を測定可能な検眼装置にて用いる検眼プログラムであって、
    前記検眼装置のプロセッサに実行されることで、
    前記被検眼の角膜曲率半径を取得する角膜曲率半径取得ステップと、
    前記被検眼の前房深度を取得する前房深度取得ステップと、
    前記角膜曲率半径と、前記前房深度と、に基づいて算出される第1パラメータに基づいて、前記被検眼の眼位量を取得する眼位量取得ステップと、
    を前記検眼装置に実行させることを特徴とする検眼プログラム。
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