JP2009028287A - 非接触型眼圧計 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンパクトで比較的簡単な光学系としながら、圧平による眼圧値測定精度の確保とZアライメント範囲の確保との両立を図ることができる非接触型眼圧計を提供すること。
【解決手段】被検眼角膜Cに空気を吹き付け、その際の被検眼角膜Cの変形状態を反射する光量の変化として検出し、被検眼眼球の眼圧値を計測する非接触型眼圧計において、眼圧値を計測するために被検眼角膜Cを照明する光源と、計器と被検眼Eの距離を検出するために被検眼Eを照明する光源を共有する共有光源50と、共有光源50から被検眼Eへ向かう光路上に設定し、被検眼角膜Cを照明する光束を、横長の非円形状に規定する照明絞り52(光束形状規定手段)と、を備えた。
【選択図】図1
【解決手段】被検眼角膜Cに空気を吹き付け、その際の被検眼角膜Cの変形状態を反射する光量の変化として検出し、被検眼眼球の眼圧値を計測する非接触型眼圧計において、眼圧値を計測するために被検眼角膜Cを照明する光源と、計器と被検眼Eの距離を検出するために被検眼Eを照明する光源を共有する共有光源50と、共有光源50から被検眼Eへ向かう光路上に設定し、被検眼角膜Cを照明する光束を、横長の非円形状に規定する照明絞り52(光束形状規定手段)と、を備えた。
【選択図】図1
Description
本発明は、被検眼角膜に空気を吹き付け、その際の被検眼角膜の変形状態を反射する光量の変化として検出し、被検眼眼球の眼圧値を計測する非接触型眼圧計に関する。
従来、ノズルから空気を噴射して被検眼角膜を圧平し、角膜が一定の形状に変形したときのチャンバ内部の圧力から被検眼の眼圧値を測定する非接触型眼圧計(「非接触式眼圧計」、「非接触眼圧計」とも呼ばれる。)が多数知られている。
この非接触型眼圧計において、前眼部照明用光源、固視標用光源、XYアライメント用光源、Zアライメント用光源、圧平検出用光源の5つの光源をそれぞれ独立に設定したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、非接触型眼圧計において、XYアライメント用光源と圧平検出用光源として共有光源を用い、前眼部照明用光源、固視標用光源、XYアライメント・圧平検出用光源、Zアライメント用光源の4つの光源をそれぞれ設定したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
ここで、「XYアライメント」とは、被検眼角膜の計器に対する左右上下方向(XY軸による二次元座標系)の位置関係をいい、被検眼に対し正面から光を投影し、被検眼角膜による反射光を受光し、二次元センサ上の輝点の移動として検出される。
また、「Zアライメント」とは、被検眼角膜の計器に対する前後方向(Z軸による一次元座標系)の位置関係をいい、被検眼に対し斜めから光を投影し、被検眼角膜による反射光を受光し、一次元センサの輝点の移動として検出される。
なお、「アライメント調整」とは、XYアライメントとZアライメントの検出に基づき、被検眼角膜の計器に対する左右上下方向と前後方向の位置関係を正規位置に調整することをいい、アライメント調整後、直ちにノズルからの空気を被検眼角膜に噴射して被検眼の眼圧値が測定される。
特開2002−165763号公報
特開2006−334435号公報
しかしながら、特許文献1に記載された非接触型眼圧計にあっては、5つの光源をそれぞれ独立に設定するものであるため、光源毎に設定される投影系による複雑な光学系となり、計器の大型化を招く、という問題があった。
また、特許文献2に記載された非接触型眼圧計にあっては、共有光源であるXYアライメント・圧平検出用光源からの光を円形光束として被検眼角膜に照射するが、円形光束による照明範囲であるため、圧平による眼圧値測定精度の確保とXYアライメント範囲の確保との両立を図ることができない、という問題があった。
すなわち、円形光束による照明範囲を広く拡大すると、XYアライメントの範囲は広く得られるものの、圧平による眼圧値測定精度が低下する。逆に、円形光束による照明範囲を狭く制限すると、圧平による眼圧値測定精度は確保されるものの、XYアライメントの範囲が狭くなる。特に、自動的にアライメント調整を行うオートアライメント眼圧計の場合、アライメント調整範囲をできる限り広くしたいという要求に応えられない。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、コンパクトで比較的簡単な光学系としながら、圧平による眼圧値測定精度の確保とZアライメント範囲の確保との両立を図ることができる非接触型眼圧計を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、被検眼角膜に空気を吹き付け、その際の被検眼角膜の変形状態を反射する光量の変化として検出し、被検眼眼球の眼圧値を計測する非接触型眼圧計において、
前記眼圧値を計測するために被検眼角膜を照明する光源と、計器と被検眼の距離を検出するために被検眼を照明する光源を共有する共有光源と、
前記共有光源から被検眼へ向かう光路上に設定し、被検眼角膜を照明する光束を、横長の非円形状に規定する光束形状規定手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記眼圧値を計測するために被検眼角膜を照明する光源と、計器と被検眼の距離を検出するために被検眼を照明する光源を共有する共有光源と、
前記共有光源から被検眼へ向かう光路上に設定し、被検眼角膜を照明する光束を、横長の非円形状に規定する光束形状規定手段と、
を備えたことを特徴とする。
よって、本発明の非接触型眼圧計にあっては、眼圧値を計測するために被検眼角膜を照明する光源(圧平検出用光源)と、計器と被検眼の距離(=Zアライメント)を検出するために被検眼を照明する光源(Zアライメント用光源)を共有する共有光源とするため、光源を持つ投影系の数を減らすことができる。
加えて、共有光源から被検眼へ向かう光路上に設定した光束形状規定手段により、被検眼角膜を照明する光束が、横長の非円形状に規定されるため、例えば、横長のスリットと円形を組み合わせた形状とすると、円形部分の光束により照明範囲を狭く制限することで、圧平による眼圧値測定精度を確保できるし、スリット部分の光束により照明範囲を横方向に広く確保することで、Zアライメント範囲を確保できる。
すなわち、Zアライメントの投影系及び受光系において、被検眼角膜が前後方向(Z方向)に移動した場合、被検眼角膜上の有効な照明範囲は、左右方向(X方向)に移動し、上下方向(Y方向)には移動しない。言い換えると、X方向(=横方向)にのみ照明範囲を拡大すれば、Zアライメントの調整範囲は拡大することによる。
この結果、コンパクトで比較的簡単な光学系としながら、圧平による眼圧値測定精度の確保とZアライメント範囲の確保との両立を図ることができる。
加えて、共有光源から被検眼へ向かう光路上に設定した光束形状規定手段により、被検眼角膜を照明する光束が、横長の非円形状に規定されるため、例えば、横長のスリットと円形を組み合わせた形状とすると、円形部分の光束により照明範囲を狭く制限することで、圧平による眼圧値測定精度を確保できるし、スリット部分の光束により照明範囲を横方向に広く確保することで、Zアライメント範囲を確保できる。
すなわち、Zアライメントの投影系及び受光系において、被検眼角膜が前後方向(Z方向)に移動した場合、被検眼角膜上の有効な照明範囲は、左右方向(X方向)に移動し、上下方向(Y方向)には移動しない。言い換えると、X方向(=横方向)にのみ照明範囲を拡大すれば、Zアライメントの調整範囲は拡大することによる。
この結果、コンパクトで比較的簡単な光学系としながら、圧平による眼圧値測定精度の確保とZアライメント範囲の確保との両立を図ることができる。
以下、本発明の非接触型眼圧計を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の非接触型眼圧計の光学系を示す平面配置図である。図2は実施例1の非接触型眼圧計の光学系を示す側面配置図である。
図1は実施例1の非接触型眼圧計の光学系を示す平面配置図である。図2は実施例1の非接触型眼圧計の光学系を示す側面配置図である。
実施例1の非接触型眼圧計は、図1及び図2に示すように、ノズルから空気を噴射して被検眼角膜Cを圧平する圧縮空気噴射構造1を備えると共に、光学系として、前眼部観察系2と、XYアライメント・固視標投影系3と、XYアライメント受光系4と、Zアライメント・圧平検出投影系5と、Zアライメント・圧平検出受光系6と、を備えている。以下、各構成要素について説明する。
[圧縮空気噴射構造]
前記圧縮空気噴射構造1は、図1及び図2に示すように、チャンバ10と、ノズル11と、前眼部窓ガラス12と、チャンバ窓ガラス13と、シリンダ14と、ピストン15と、チャンバ内圧センサ16と、を有して構成される。
すなわち、図外のソレノイドにより駆動されるピストン15によりシリンダ14内で圧縮された空気は、チャンバ10及びノズル11を介して被検眼角膜Cに対し噴射される。
なお、チャンバ10には、チャンバ10内の気圧の変化を検出するチャンバ内圧センサ16が設定されている。
前記圧縮空気噴射構造1は、図1及び図2に示すように、チャンバ10と、ノズル11と、前眼部窓ガラス12と、チャンバ窓ガラス13と、シリンダ14と、ピストン15と、チャンバ内圧センサ16と、を有して構成される。
すなわち、図外のソレノイドにより駆動されるピストン15によりシリンダ14内で圧縮された空気は、チャンバ10及びノズル11を介して被検眼角膜Cに対し噴射される。
なお、チャンバ10には、チャンバ10内の気圧の変化を検出するチャンバ内圧センサ16が設定されている。
[前眼部観察系]
前記前眼部観察系2は、図1及び図2に示すように、被検眼Eの前眼部に対しダイレクトに観察光を照射する複数の前眼部照明用光源20,20が計器ケース21に設けられる。そして、前眼部観察光軸2L(=ノズル軸)上には、被検眼角膜Cから順に、ノズル11と、前眼部窓ガラス12と、チャンバ窓ガラス13と、第1ハーフミラー22と、第2ハーフミラー23と、対物レンズ24と、CCD25(Charge Coupled Devices)と、を備えている。
前記前眼部観察系2は、図1及び図2に示すように、被検眼Eの前眼部に対しダイレクトに観察光を照射する複数の前眼部照明用光源20,20が計器ケース21に設けられる。そして、前眼部観察光軸2L(=ノズル軸)上には、被検眼角膜Cから順に、ノズル11と、前眼部窓ガラス12と、チャンバ窓ガラス13と、第1ハーフミラー22と、第2ハーフミラー23と、対物レンズ24と、CCD25(Charge Coupled Devices)と、を備えている。
前眼部照明光源20,20によって照明された被検眼Eの前眼部像は、ノズル11の内外を通り、前眼部窓ガラス12、チャンバ窓ガラス13、第1ハーフミラー22、第2ハーフミラー23を透過し、対物レンズ24により集束され、電荷結合素子であるCCD25上にて撮像される。このCCD25は、図外のモニタに接続されるイメージセンサであり、測定者が観察できる位置に設定したモニタ画面上に被検眼Eの前眼部像を映し出す。なお、モニタ画面には、XYアライメント指標光である輝点像も併せて映し出される。
[XYアライメント・固視標投影系]
前記XYアライメント・固視標投影系3は、図2に示すように、赤外光を出射するXYアライメント用光源30と、コンデンサレンズ31と、開口絞り32と、ピンホール板33と、可視光を出射する固視標用光源34と、ピンホール板35と、ピンホール板33,35に焦点を一致させるように光路上に配置されたダイクロイックミラー36と、コリメータレンズ37と、を備えている。なお、「ダイクロイックミラー」とは、特殊な光学素材を用いて作成された鏡の一種で、特定の波長の光を反射し、その他の波長の光を透過するものをいう。
前記XYアライメント・固視標投影系3は、図2に示すように、赤外光を出射するXYアライメント用光源30と、コンデンサレンズ31と、開口絞り32と、ピンホール板33と、可視光を出射する固視標用光源34と、ピンホール板35と、ピンホール板33,35に焦点を一致させるように光路上に配置されたダイクロイックミラー36と、コリメータレンズ37と、を備えている。なお、「ダイクロイックミラー」とは、特殊な光学素材を用いて作成された鏡の一種で、特定の波長の光を反射し、その他の波長の光を透過するものをいう。
XYアライメント用光源30から出射された赤外光は、コンデンサレンズ31により集束され、開口絞り32を通過し、ピンホール板33に導かれる。そして、ピンホール板33を通過した光束は、ダイクロイックミラー36で反射され、コリメータレンズ37によって平行光束となって第1ハーフミラー22で反射された後に、チャンバ窓ガラス13を透過してノズル11の内部を通過し、XYアライメント指標光を形成する。また、XYアライメント指標光は、被検眼角膜Cの頂点と被検眼角膜Cの曲率中心との中間位置に輝点像を形成するようにして角膜表面で反射される。なお、開口絞り32は、コリメータレンズ37に関して角膜頂点と共役な位置に設けられている。
固視標用光源34から出射された固視標光は、ピンホール板35、ダイクロイックミラー36を経て、コリメータレンズ37により平行光とされ、第1ハーフミラー22で反射された後に、チャンバ窓ガラス13を透過し、ノズル11の内部を通過して被検眼Eに導かれる。被検者は、眼圧測定時、この固視標光を固視目標として注視することにより視線が固定され、被検眼Eの動きが抑えられる。
[XYアライメント受光系]
前記XYアライメント受光系4は、計器ケース21と被検眼角膜Cの偏芯を検出する光学系であり、図1に示すように、結像レンズ40と、反射ミラー41と、XYアライメント受光センサ42と、を有する。なお、XYアライメント受光センサ42としては、PSDセンサが用いられる。
前記XYアライメント受光系4は、計器ケース21と被検眼角膜Cの偏芯を検出する光学系であり、図1に示すように、結像レンズ40と、反射ミラー41と、XYアライメント受光センサ42と、を有する。なお、XYアライメント受光センサ42としては、PSDセンサが用いられる。
ここで、「PSDセンサ」とは、PSD(Position Sensitive Detector:半導体位置検出素子)を用い、スポット状の光の位置を検出できる光センサである。基本的にはフォトダイオードのように1つの接合面を持つPIN構造となっているが、その面積が非常に大きく、1mm×12mmとか10mm×10mmのような大きさを持っている。その半導体面上に光のスポットを与えると電荷が発生し、発生した電荷は両端の電極に到達し、到達した電荷の量は、スポット光の位置から電極までの距離に反比例する。よって、電極から取り出した電流は、必要な計算を行うことにより、スポット光の位置に比例したデータとして使用することができる。なお、半導体面と電極の構造により一次元PSDセンサと二次元PSDセンサがある。PSDセンサは、上記のように非常にシンプルな動作によるものであるため、応答性が非常に速く、信頼性の高い位置認識ができる。また、分解能が非常に高いので、高い位置検出精度も持つ。
XYアライメント・固視標投影系3により被検眼角膜Cに投影され、角膜表面で反射された反射光束は、ノズル11の内部を通りチャンバ窓ガラス13、第1ハーフミラー22を透過し、第2ハーフミラー23でその一部が反射される。第2ハーフミラー23で反射された光束は、結像レンズ40により輝点が結像され、反射ミラー41にて反射され、XYアライメント受光センサ42上に輝点像を形成する。
[Zアライメント・圧平検出投影系]
前記Zアライメント・圧平検出投影系5は、図1に示すように、赤外光を出射する共有光源50と被検眼角膜Cとを結ぶ投影光軸5L上に、コンデンサレンズ51と、照明絞り52と、ピンホール板53と、コリメータレンズ54と、を有する。なお、前記共有光源50としては、LED(発光ダイオード)が用いられる。
前記Zアライメント・圧平検出投影系5は、図1に示すように、赤外光を出射する共有光源50と被検眼角膜Cとを結ぶ投影光軸5L上に、コンデンサレンズ51と、照明絞り52と、ピンホール板53と、コリメータレンズ54と、を有する。なお、前記共有光源50としては、LED(発光ダイオード)が用いられる。
共有光源50を出射した赤外光は、コンデンサレンズ51により集光され、照明絞り52を通過してピンホール板53に導かれる。ピンホール板53を通過した光束は、コリメータレンズ51によって平行光束とされ、被検眼角膜Cに導かれる。被検眼角膜Cに導かれたZアライメントを検出するためのスリット光束と圧平を検出するための円形光束との組み合わせ光束は、角膜表面において反射される。なお、照明絞り52は、コリメータレンズ51に関して角膜頂点と共役な位置に配置されている。
[Zアライメント・圧平検出受光系]
前記Zアライメント・圧平検出受光系6は、計器ケース21と被検眼角膜Cの距離(ワーキングディスタンス)を検出するZアライメント受光系と、被検眼角膜Cの形状変化を光量の変化として検出する圧平検出受光系を共有する光学系である。
前記Zアライメント・圧平検出受光系6は、計器ケース21と被検眼角膜Cの距離(ワーキングディスタンス)を検出するZアライメント受光系と、被検眼角膜Cの形状変化を光量の変化として検出する圧平検出受光系を共有する光学系である。
このZアライメント・圧平検出受光系6は、図1に示すように、被検眼角膜Cからの反射光軸6L上に、コンデンサレンズ60と、ハーフミラー61を有し、ハーフミラー61にて反射する光束による光軸上に、結像レンズ62と、Zアライメント受光センサ63と、を有し、ハーフミラー61にて透過する光束上に、結像レンズ64と、圧平検出受光センサ65と、を有する。なお、Zアライメント受光センサ63としては、XYアライメント受光センサ42と同様に、PSDセンサが用いられる。
被検眼角膜Cの角膜表面において反射された光束は、コンデンサレンズ60にて集光され、ハーフミラー61にて反射した後、結像レンズ62を介してZアライメント受光センサ63上に輝点像を形成する。被検眼角膜Cの角膜表面において反射された光束は、コンデンサレンズ60にて集光され、ハーフミラー61を透過した後、結像レンズ64を介して圧平検出受光センサ65上に被検眼角膜Cの圧平程度によって変化する光量による輝点像を形成する。
なお、ハーフミラー61は、被検眼角膜Cの角膜表面において反射された光束のうち、例えば、半分の光量を反射し、残りの半分の光量を透過する。
なお、ハーフミラー61は、被検眼角膜Cの角膜表面において反射された光束のうち、例えば、半分の光量を反射し、残りの半分の光量を透過する。
ここで、実施例1の非接触型眼圧計は、アライメント調整時、XYアライメント受光センサ42とZアライメント受光センサ63からの検出信号を基に、図外のX方向とY方向とZ方向に計器ケース21を動作させるモータを駆動制御し、被検眼角膜Cの計器ケース21に対するX方向とY方向とZ方向の位置関係を正規位置(共有光源50からの光束が被検眼角膜Cの角膜表面中心部にて反射する位置)に調整するアライメント自動制御回路を有する。すなわち、実施例1の非接触型眼圧計は、自動的にアライメント調整を行うオートアライメント眼圧計としている。
図3は実施例1の非接触型眼圧計のZアライメント・圧平検出投影系5の照明絞り52を示す拡大正面図である。以下、照明絞り52の具体的な構成を説明する。
共有光源50からの光束は、コンデンサレンズ51を介してピンホール板53を照明する。ピンホール板53を通過した光束は、コリメータレンズ54により平行光となって被検眼角膜Cを照明する。コンデンサレンズ51とピンホール板53の間には、光学系の明るさを決定する照明絞り52を配置するが、この照明絞り52は、被検眼角膜Cと略共役となる位置に配置される。したがって、被検眼角膜C上の照明範囲は、この照明絞り52の大きさと形状によって決まる。
一方、Zアライメント投影系において、被検眼EがZ方向(前後方向または縦方向)に移動した場合、被検眼角膜C上の有効な照明範囲は、X方向(左右方向または横方向)に移動し、Y方向(上下方向または垂直方向)には移動しない。したがって、横方向に広い照明範囲が要求される。
また、圧平検出投影系の場合、照明の形状は円形が望ましく、面積自体は規定の大きさにできるだけ近いものが望ましい。
双方の条件を満たすために、被検眼角膜Cを照明する光束を、角膜照明のための円形状光束領域部と、該円形状光束領域部から両側へ延びる距離検出のためのスリット状光束領域部を併せ持つ形状に規定した(光束形状規定手段)。
また、圧平検出投影系の場合、照明の形状は円形が望ましく、面積自体は規定の大きさにできるだけ近いものが望ましい。
双方の条件を満たすために、被検眼角膜Cを照明する光束を、角膜照明のための円形状光束領域部と、該円形状光束領域部から両側へ延びる距離検出のためのスリット状光束領域部を併せ持つ形状に規定した(光束形状規定手段)。
被検眼角膜Cを照明する光束の形状規定は、照明絞り52の絞り穴の形状により行うもので、照明絞り52は、図3に示すように、角膜照明のための円形状光束を作り出す中央位置の円形状穴部52aと、距離検出のためのスリット状光束を作り出す左右位置のスリット形状穴部52b,52cを有する。つまり、圧平の計測に必要な円形の照明野に、Zアライメントの検出範囲をカバーする横長のスリットの照明範囲を組み合わせた照明絞り52としている。
ここで、照明絞り52の絞り穴の穴加工は、エッチング処理によるものであり、円形状穴部52aは、例えば、直径1.5mmとし、スリット形状穴部52b,52cのスリット幅は、例えば、0.2mmとしている。このように、スリット形状穴部52b,52cのスリット幅が狭ければ面積の増加は最小限に抑えることができ、圧平波形の崩れも僅かとなり、測定への影響は問題無い範囲に抑えることができる。Zアライメントの範囲に関しては、有効な光束が円形状穴部52aからスリット形状穴部52b,52cに移動すると、Zアライメント受光センサ63に入射する光量は少なくなるが、位置を求めるのに充分とされる光量しきい値より高い光量を確保できれば良い(図7参照)。なお、共有光源50は、図3に示すように、円形状穴部52aの中央位置に設定される。
次に、非接触型眼圧計技術について説明する。
非接触型眼圧計は、ノズルから空気を噴射して被検眼角膜を圧平し、角膜が一定の形状に変形したときのチャンバ内部の圧力から被検眼の眼圧値を測定する。
この非接触型眼圧計において、光投影系の削減を図り、光学系構成を簡素にするため、アライメント投影系と圧平検出投影系で共有光源を採用する場合、照明絞りとして、(1)円形による固定絞り構造を用いる案、(2)絞り形状の切り替えによる可変絞り構造を用いる案が考えられる。
非接触型眼圧計は、ノズルから空気を噴射して被検眼角膜を圧平し、角膜が一定の形状に変形したときのチャンバ内部の圧力から被検眼の眼圧値を測定する。
この非接触型眼圧計において、光投影系の削減を図り、光学系構成を簡素にするため、アライメント投影系と圧平検出投影系で共有光源を採用する場合、照明絞りとして、(1)円形による固定絞り構造を用いる案、(2)絞り形状の切り替えによる可変絞り構造を用いる案が考えられる。
(1)の円形による固定絞り構造を用いた場合
圧平波形を左右対称の波形として取得するには、被検眼角膜に照射する光束径を細くした方が良い。しかし、光束径を細くすると、逆にXYアライメント受光センサやZアライメント受光センサの検出範囲は狭くなってしまうという関係にある。
このため、アライメントのための照明範囲拡大と、眼圧値測定精度の確保とは、相反するトレードオフの関係となり、両立しない。
圧平波形を左右対称の波形として取得するには、被検眼角膜に照射する光束径を細くした方が良い。しかし、光束径を細くすると、逆にXYアライメント受光センサやZアライメント受光センサの検出範囲は狭くなってしまうという関係にある。
このため、アライメントのための照明範囲拡大と、眼圧値測定精度の確保とは、相反するトレードオフの関係となり、両立しない。
(2)の絞り形状の切り替えによる可変絞り構造を用いた場合
非接触型眼圧計で眼圧を測定する場合、被検眼に固視標を視認させて被検眼を所定の位置に固定している。しかし、実際には、被検眼が固視微動等により絶えず動いているため、アライメント調整が完了した後、即座に空気を被検眼角膜に吹き付けて測定しなければならない。
このため、絞り形状を変える可変絞り構造を用いた場合、アライメント調整が完了した後、可変絞りが所定の大きさに絞られるまでの動作時間や絞りの切り替えのための動作時間を待たなければならず、その間に被検眼が動いて眼圧を測定できない。
非接触型眼圧計で眼圧を測定する場合、被検眼に固視標を視認させて被検眼を所定の位置に固定している。しかし、実際には、被検眼が固視微動等により絶えず動いているため、アライメント調整が完了した後、即座に空気を被検眼角膜に吹き付けて測定しなければならない。
このため、絞り形状を変える可変絞り構造を用いた場合、アライメント調整が完了した後、可変絞りが所定の大きさに絞られるまでの動作時間や絞りの切り替えのための動作時間を待たなければならず、その間に被検眼が動いて眼圧を測定できない。
さらに、測定者がモニタ上の画像を見ながら手動にてアライメント調整する眼圧計の場合は、検出範囲はそれほど広い範囲とする必要が無いが、自動的にアライメント調整を行うオートアライメント眼圧計が知られるに至り、手作業による面倒なアライメント調整作業を省略できることから、次第に普及する傾向にある。このオートアライメント眼圧計の場合、アライメント調整範囲をできる限り広くする必要があり、照明範囲が大きい方が望ましい。
一方、圧平を検出するための照明範囲は、必要以上に大きくすると、圧平波形の幅が広く非対称波形となるため、眼圧値を求める重心計算での誤差が大きくなる。つまり、圧平を検出するための照明範囲は、できる限り狭い方が望ましい。
このような要求に対し、本発明者は、二次元座標系であるXYアライメントと異なり、Zアライメントは一次元座標系であり、被検眼がZ方向に移動した場合、被検眼角膜上の有効な照明範囲は、X方向のみに移動し、Y方向には移動しない点に着目した。
この着目点にしたがって、光投影系の削減を図りつつ、圧平による眼圧値測定精度の確保とZアライメント範囲の確保との両立を図るため、圧平の計測に必要な円形の照明野に、Zアライメントの検出範囲をカバーする横長のスリットの照明範囲を組み合わせた照明絞りとする構成を採用した。
次に、作用を説明する。
以下、実施例1の非接触型眼圧計における作用を、「眼圧測定作用」、「眼圧値測定精度の確保作用」、「Zアライメント調整範囲の拡大作用」に分けて説明する。
以下、実施例1の非接触型眼圧計における作用を、「眼圧測定作用」、「眼圧値測定精度の確保作用」、「Zアライメント調整範囲の拡大作用」に分けて説明する。
[眼圧測定作用]
実施例1の非接触型眼圧計による眼圧の測定は、概ね以下の通りである。
被検者は、額当てと顎受けにより顔を固定し、被検眼Eにより固視標投影系による輝点を注視する。この状態で、非接触型眼圧計は、XYアライメント系のXYアライメント受光センサ42、Zアライメント系のZアライメント受光センサ63からのセンサ信号に基づき、被検眼Eに対し自動的にアライメント調整を行う。
実施例1の非接触型眼圧計による眼圧の測定は、概ね以下の通りである。
被検者は、額当てと顎受けにより顔を固定し、被検眼Eにより固視標投影系による輝点を注視する。この状態で、非接触型眼圧計は、XYアライメント系のXYアライメント受光センサ42、Zアライメント系のZアライメント受光センサ63からのセンサ信号に基づき、被検眼Eに対し自動的にアライメント調整を行う。
そして、XYZ全てのアライメントの合致が確認されると、ソレノイドを駆動し、被検眼角膜Cにノズル11から空気を噴射する。この際、圧平検出系の圧平検出受光センサ65に入射する光量と、チャンバ内圧センサによる内部気圧の時間的な変化を記憶する。
圧平検出系は、被検眼角膜Cが平面に圧平した際に圧平検出受光センサ65に入射する光量が最大になるように構成されている。このため、被検眼角膜Cに空気を噴射すると、図4の実線特性に示すように、被検眼角膜Cの圧平にしたがって圧平検出受光センサ65に入射する光量は増加し、平面になった時間tpのときに最大となる。さらに、圧平が進み、被検眼角膜Cが凹面になると、再び光量は減少する。
したがって、時間的に変化する光量の重心位置(時間tpの位置)を検出し、このときのチャンバ内圧値Pcを求める。ここで、チャンバ10の内圧と被検眼角膜Cに噴射している空気の圧力には一定の相関関係があるため、チャンバ内圧値Pcから被検眼眼圧値を得ることができる。
[眼圧値測定精度の確保作用]
上記のように、圧平検出系は、被検眼角膜Cの圧平にしたがって圧平検出受光センサ65に入射する光量が変化(増加→最大→減少)するように構成されている。
上記のように、圧平検出系は、被検眼角膜Cの圧平にしたがって圧平検出受光センサ65に入射する光量が変化(増加→最大→減少)するように構成されている。
そこで、例えば、照明絞り52の中央位置の円形状穴部52aの形状を、図3に示す圧平に最適な面積よりも広い面積に設定した場合を想定する。この場合、被検眼角膜Cの圧平にしたがって圧平検出受光センサ65に入射する光量は増加し、平面になった時間tpのときに最大となる(図4の実線特性とほぼ一致する特性)。さらに、圧平が進み、被検眼角膜Cが凹面になると、再び光量は減少するものの、図4の点線特性に示すように、圧平検出受光センサ65に入射する光量が、円形状穴部の径拡大により周辺部の角膜変形による反射光まで受光することにより増加し、光量の減少勾配が緩やかになる。
したがって、図4の点線特性による時間的に変化する光量の重心位置(時間tp'の位置)を検出し、このときのチャンバ内圧値Pc'を求めると、図4の実線特性によるチャンバ内圧値PcよりもΔPだけ大きくなり、チャンバ内圧値に基づいて取得される被検眼眼圧値に誤差が生じる。
これに対し、実施例1では、照明絞り52の中央位置の円形状穴部52aの形状を、図3に示す圧平に最適な面積に設定したため、図4の実線特性に示すように、単一の鋭いピークを持つ適正な照明範囲の時の圧平波形が得られる。したがって、時間的に変化する光量の重心位置(時間tpの位置)が、光量のピーク位置とほぼ一致し、高い眼圧値測定精度が確保される。
[Zアライメント調整範囲の拡大作用]
被検眼角膜Cと計器の距離であるワーキングディスタンスは、Zアライメント系により以下のように求めることができる。
被検眼角膜Cと計器の距離であるワーキングディスタンスは、Zアライメント系により以下のように求めることができる。
共有光源50からの光束は、コリメータレンズ54により平行光束として、被検眼Eを斜めから照明する。被検眼角膜Cで反射した光束は、レンズ系を介してZアライメント受光センサ63へ到達する。平行光として被検眼角膜Cに入射した光束は、被検眼角膜Cにより反射し、被検眼角膜Cの曲率半径の中間(r/2)の位置に虚像、すなわち、プルキンエ像を生じる。ここで、「プルキンエ像」とは、眼球の外部にある光源が角膜を鏡として映されて眼球内にあるように見える輝点像のことである。
Zアライメント受光系のZアライメント受光センサ63は、このプルキンエ像と略共役な位置に配置されている。したがって、被検眼角膜Cに入射する光束は、図5に示すように、角度θを有しているため、被検眼角膜Cと計器の距離が、アライメントOK位置から変化すると、Zアライメント受光センサ63上の輝点は横方向に移動する。
すなわち、被検眼角膜Cと計器(例えば、ノズル11)の距離が、アライメントOK位置(dZ=0の位置:例えば、ノズル11から11mm離れた位置)から距離dZだけ近い位置に変化すると、図6に示すように、Zアライメント受光センサ63上では、共有光源50による輝点が円形状穴部52aの位置からスリット形状穴部52bへと横方向に移動する。一方、被検眼角膜Cと計器(ノズル11)の距離が、アライメントOK位置から距離dZだけ遠い位置に変化すると、Zアライメント受光センサ63上では、光源50による輝点が円形状穴部52aからスリット形状穴部52cへと横方向に移動する。
すなわち、被検眼角膜Cと計器(例えば、ノズル11)の距離が、アライメントOK位置(dZ=0の位置:例えば、ノズル11から11mm離れた位置)から距離dZだけ近い位置に変化すると、図6に示すように、Zアライメント受光センサ63上では、共有光源50による輝点が円形状穴部52aの位置からスリット形状穴部52bへと横方向に移動する。一方、被検眼角膜Cと計器(ノズル11)の距離が、アライメントOK位置から距離dZだけ遠い位置に変化すると、Zアライメント受光センサ63上では、光源50による輝点が円形状穴部52aからスリット形状穴部52cへと横方向に移動する。
このため、輝点の移動量により、被検眼角膜の基準位置から軸方向(空気噴射方向)への移動距離(ワーキングディスタンス)を検出することができる。なお、輝点の移動は、被検眼が空気噴射軸と直交する面内(XY平面内)で移動をしても起こるため、XYアライメント系で得られる情報からワーキングディスタンスを補正するか、XY面内でのずれがなくなるようにXYアライメント調整が完了した後、ワーキングディスタンスを検出してZ方向のZアライメント調整を行う。
図7は被検眼角膜Cの移動によるZアライメント受光センサ63の光量変化の比較特性を示す図である。なお、圧平検出受光センサ65での光量変化特性も同様である。
まず、照明絞りの絞り穴として、角膜照明と距離検出のための大径による円形状光束を作り出す大円形状穴部を有し、この大円形状穴部の中央部に光源が配置されているZアライメント範囲を優先した例を比較例1とする。この比較例1の場合、図7の点線特性に示すように、Zアライメント正規位置(dZ=0)前後の広い移動量範囲で光量しきい値より遙かに高い光量により台形状に変化する特性を示し、Zアライメント範囲の拡大を達成できる。しかし、眼圧測定時、漏れ光量が多くなり、単一の鋭いピークを持つような圧平波形を得ることができず、眼圧測定精度が劣る。
次に、照明絞りの絞り穴として、角膜照明と距離検出のための円形状光束を作り出す円形状穴部のみを有し、この円形状穴部の中央部に光源が配置されている圧平計測を優先した例を比較例2とする。この比較例2の場合、図7の破線特性に示すように、Zアライメント正規位置(dZ=0)前後の狭い移動量範囲で光量しきい値より遙かに高い光量により台形状に変化する特性を示し、眼圧測定時、単一の鋭いピークを持つ適正な照明範囲の時の圧平波形を得ることができ、高い眼圧測定精度を達成できる。しかし、Zアライメント範囲は、図7の破線特性と光量しきい値とが交わる2つの点による狭い範囲(=従来のアライメント範囲)となり、Zアライメント範囲が狭く、オートアライメント眼圧計に適さない。
これに対し、実施例1のように、照明絞り52の絞り穴は、図3に示すように、角膜照明のための円形状光束を作り出す中央位置の円形状穴部52aと、距離検出のためのスリット状光束を作り出す左右位置のスリット形状穴部52b,52cを有する。そして、共有光源50を円形状穴部52aの中央位置に設定した。
このため、図7の実線特性に示すように、Zアライメント正規位置(dZ=0)前後の狭い移動量範囲で光量しきい値より遙かに高い光量を示す台形状特性部と、Zアライメント正規位置(dZ=0)前後の広い移動量範囲で光量しきい値より少し高い光量を示す台形状特性部の組み合わせ特性となる。
したがって、眼圧測定時、単一の鋭いピークを持つ適正な照明範囲の時の圧平波形を得ることができ、高い眼圧測定精度を確保することができる。特に、スリット形状穴部52b,52cのスリット幅を狭く設定しているため、円形状穴部52aに対する開口面積の増加は最小限に抑えることができ、圧平波形の崩れも僅かとなり、測定への影響は問題無い範囲に抑えることができる。
併せて、Zアライメント範囲は、図7の実線特性と光量しきい値とが交わる2つの点による広い範囲(=今回のアライメント範囲)となり、Zアライメント範囲が広く、自動的にアライメント調整するオートアライメント眼圧計に適したものとなる。このZアライメントの範囲に関しては、有効な光束が円形状穴部52aからスリット形状穴部52b,52cに移動すると、Zアライメント受光センサ63に入射する光量は少なくなるが、位置を求めるのに充分な光量しきい値より高い光量が確保されている範囲は、Zアライメントの調整範囲として使うことができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の非接触型眼圧計にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
実施例1の非接触型眼圧計にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 被検眼角膜Cに空気を吹き付け、その際の被検眼角膜Cの変形状態を反射する光量の変化として検出し、被検眼眼球の眼圧値を計測する非接触型眼圧計において、前記眼圧値を計測するために被検眼角膜Cを照明する光源と、計器と被検眼Eの距離を検出するために被検眼Eを照明する光源を共有する共有光源50と、前記共有光源50から被検眼Eへ向かう光路上に設定し、被検眼角膜Cを照明する光束を、横長の非円形状に規定する光束形状規定手段と、を備えたため、コンパクトで比較的簡単な光学系としながら、圧平による眼圧値測定精度の確保とZアライメント範囲の確保との両立を図ることができる。
(2) 前記光束形状規定手段は、被検眼角膜Cを照明する光束を、角膜照明のための円形状光束領域部と、該円形状光束領域部から両側へ延びる距離検出のためのスリット状光束領域部を併せ持つ形状に規定するため、ピークを持つ圧平波形により高い眼圧値測定精度を確保できると共に、眼圧値測定精度を低下させることなく、Zアライメントの調整範囲を拡大することができる。
(3) 前記共有光源50から被検眼角膜Cまでの間に、コンデンサレンズ51、照明絞り52、ピンホール板53、コリメータレンズ54を配置し、ピンホール板53を通過した光束を、コリメータレンズ54により平行光として被検眼角膜Cを照明するZアライメント・圧平検出投影系5を設け、前記光束形状規定手段は、コンデンサレンズ51とピンホール板53の間の位置であって、被検眼角膜Cとは略共役の位置に配置される前記照明絞り52の絞り穴の形状により規定するため、照明絞り52の絞り穴の形状の決定という容易な手法により、被検眼角膜Cを照明する光束形状を所望の形状に規定することができる。
(4) 前記照明絞り52の絞り穴は、角膜照明のための円形状光束を作り出す中央位置の円形状穴部52aと、距離検出のためのスリット状光束を作り出す左右位置のスリット形状穴部52b,52cを有し、前記共有光源50は、前記絞り穴52の円形状穴部52aの中央位置に設定したため、鋭いピークを持つ単一の圧平波形により眼圧値測定精度の向上を図ることができると共に、圧平波形の崩れを最小限に抑えながら、Zアライメントの調整範囲を大幅に拡大することができる。
(5) 前記被検眼角膜Cに対して斜め方向から角度θを有して入射する光束を被検眼角膜Cで反射した後、レンズ系を介して受光するZアライメント受光センサ63と圧平検出受光センサ65を有するZアライメント・圧平検出受光系6を設け、前記光束形状規定手段は、被検眼角膜Cの計器に対する移動量と前記Zアライメント・圧平検出受光系6で受光する光量の変化特性として、Zアライメントの検出が可能な光量下限値を光量しきい値と定義したとき、Zアライメント正規位置前後の狭い移動量範囲で光量しきい値より遙かに高い光量を示す台形状特性部と、Zアライメント正規位置前後の広い移動量範囲で光量しきい値より少し高い光量を示す台形状特性部との組み合わせ特性を得るように被検眼角膜Cを照明する光束形状を規定するため、適切な検出光量変化による圧平波形に基づき精度の高い眼圧値測定を行うことができると共に、Zアライメントの位置を求めるのに充分な検出光量によりZアライメントの調整範囲の拡大を図ることができる。
(6) 前記Zアライメント受光センサ63は、スポット状の光の位置を検出する半導体位置検出素子によるPSDセンサであるため、検出光量に多少の変化があっても正確にZアライメント位置を検出することができる。
以上、本発明の非接触型眼圧計を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、光束形状規定手段として、照明絞り52の絞り穴の形状により光束を規定する例を示したが、Zアライメント・圧平検出投影系において、例えば、照明絞りにより光学系の明るさのみを決定し、コリメータレンズによる平行光の光束形状を規定する光束形状規定手段を別に設けるような例としても良い。
実施例1では、照明絞り52の絞り穴として、角膜照明のための円形状光束を作り出す中央位置の円形状穴部52aと、距離検出のためのスリット状光束を作り出す左右位置のスリット形状穴部52b,52cを有する例を示した。しかし、例えば、図8に示すように、円形状穴部52a’とスリット形状穴部52b’,52c’をなだらかな曲線にて結ぶ変形例としても良いし、また、図9に示すように、円形状穴部52a”とスリット形状穴部52b”,52c”を、狭い接続部を介して独立に有する変形例としても良い。要するに、図7の実線特性に示すような被検眼角膜の移動による受光センサの光量変化特性を示す形状であれば、具体的な絞り穴の形状は、実施例1に限られることはない。
実施例1では、XYZ全てのアライメント調整を自動的に行う非接触型眼圧計の例を示したが、XYアライメント調整とZアライメント調整の一方のみを自動的に行う非接触型眼圧計に対しても適用することができるし、XYZ全てのアライメント調整を手動にて行う非接触型眼圧計に対しても適用することができる。要するに、被検眼角膜に空気を吹き付け、その際の被検眼角膜の変形状態を反射する光量の変化として検出し、被検眼眼球の眼圧値を計測する非接触型眼圧計であれば適用できる。
E 被検眼
C 被検眼角膜
1 圧縮空気噴射構造
10 チャンバ
11 ノズル
12 前眼部窓ガラス
13 チャンバ窓ガラス
14 シリンダ
15 ピストン
16 チャンバ内圧センサ
2 前眼部観察系
3 XYアライメント・固視標投影系
4 XYアライメント受光系
5 Zアライメント・圧平検出投影系
5L 光軸
50 共有光源
51 コンデンサレンズ
52 照明絞り
52a 円形状穴部
52b スリット形状穴部
53 ピンホール板
54 コリメータレンズ
6 Zアライメント・圧平検出受光系
6L 反射光軸
60 コンデンサレンズ
61 ハーフミラー
62 結像レンズ
63 Zアライメント受光センサ
64 結像レンズ
65 圧平検出受光センサ
C 被検眼角膜
1 圧縮空気噴射構造
10 チャンバ
11 ノズル
12 前眼部窓ガラス
13 チャンバ窓ガラス
14 シリンダ
15 ピストン
16 チャンバ内圧センサ
2 前眼部観察系
3 XYアライメント・固視標投影系
4 XYアライメント受光系
5 Zアライメント・圧平検出投影系
5L 光軸
50 共有光源
51 コンデンサレンズ
52 照明絞り
52a 円形状穴部
52b スリット形状穴部
53 ピンホール板
54 コリメータレンズ
6 Zアライメント・圧平検出受光系
6L 反射光軸
60 コンデンサレンズ
61 ハーフミラー
62 結像レンズ
63 Zアライメント受光センサ
64 結像レンズ
65 圧平検出受光センサ
Claims (6)
- 被検眼角膜に空気を吹き付け、その際の被検眼角膜の変形状態を反射する光量の変化として検出し、被検眼眼球の眼圧値を計測する非接触型眼圧計において、
前記眼圧値を計測するために被検眼角膜を照明する光源と、計器と被検眼の距離を検出するために被検眼を照明する光源を共有する共有光源と、
前記共有光源から被検眼へ向かう光路上に設定し、被検眼角膜を照明する光束を、横長の非円形状に規定する光束形状規定手段と、
を備えたことを特徴とする非接触型眼圧計。 - 請求項1に記載された非接触型眼圧計において、
前記光束形状規定手段は、被検眼角膜を照明する光束を、角膜照明のための円形状光束領域部と、該円形状光束領域部から両側へ延びる距離検出のためのスリット状光束領域部を併せ持つ形状に規定することを特徴とする非接触型眼圧計。 - 請求項1または請求項2に記載された非接触型眼圧計において、
前記共有光源から被検眼角膜までの間に、コンデンサレンズ、照明絞り、ピンホール板、コリメータレンズを配置し、ピンホール板を通過した光束を、コリメータレンズにより平行光として被検眼角膜を照明するZアライメント・圧平検出投影系を設け、
前記光束形状規定手段は、コンデンサレンズとピンホール板の間の位置であって、被検眼角膜とは略共役の位置に配置される前記照明絞りの絞り穴の形状により規定することを特徴とする非接触型眼圧計。 - 請求項3に記載された非接触型眼圧計において、
前記照明絞りの絞り穴は、角膜照明のための円形状光束を作り出す中央位置の円形状穴部と、距離検出のためのスリット状光束を作り出す左右位置のスリット形状穴部を有し、
前記共有光源は、前記絞り穴の円形状穴部の中央位置に設定したことを特徴とする非接触型眼圧計。 - 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載された非接触型眼圧計において、
前記被検眼角膜に対して斜め方向から角度を有して入射する光束を被検眼角膜で反射した後、レンズ系を介して受光するZアライメント受光センサと圧平検出受光センサを有するZアライメント・圧平検出受光系を設け、
前記光束形状規定手段は、被検眼角膜の計器に対する移動量と前記Zアライメント・圧平検出受光系で受光する光量の変化特性として、Zアライメントの検出が可能な光量下限値を光量しきい値と定義したとき、Zアライメント正規位置前後の狭い移動量範囲で光量しきい値より遙かに高い光量を示す台形状特性部と、Zアライメント正規位置前後の広い移動量範囲で光量しきい値より少し高い光量を示す台形状特性部との組み合わせ特性を得るように被検眼角膜を照明する光束形状を規定することを特徴とする非接触型眼圧計。 - 請求項5に記載された非接触型眼圧計において、
前記Zアライメント受光センサは、スポット状の光の位置を検出する半導体位置検出素子によるPSDセンサであることを特徴とする非接触型眼圧計。
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