JP2011174855A - ビード検査方法及びビード検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ビードBの品質を検査するビード検査工程S1及びビード検査装置1であって、ビード検査装置1は、ろう付けワイヤWの供給速度を計測するワイヤ供給速度計測装置11と、第一母材M1、第二母材M2、及びビードBの表面の位置座標データを計測し、解析する解析部12とを具備し、ろう付け前に第一形状データを計測する第一形状データ計測工程S10を行い、ろう付け後に第二形状データを計測する第二形状データ計測工程S30を行い、第一形状データ、第二形状データ、及びろう付けワイヤWの供給速度に基づいて、特徴量の予測値を算出する特徴量算出工程S40を行い、特徴量の実測値と、のど厚の実測値とに基づいて作成される回帰式によってのど厚の予測値を算出するのど厚算出工程S50を行う。
【選択図】図2
Description
例えば、図21に示すように、ろう付けは、約90度に湾曲された金属板である第一母材M1及び第二母材M2をそれらの上下平坦部(図21における垂直方向に沿った平坦部)同士で当接させ、第一母材M1の左右平坦部(図21における水平方向に沿った平坦部)が第二母材M2の左右平坦部(図21における水平方向に沿った平坦部)よりも上方に配置された状態で、第一母材M1の上下平坦部と第二母材M2の湾曲部との間に形成された空隙Sにレーザ等により溶融した合金(ろう)を流入させて、第一母材M1の上下平坦部から第二母材M2の湾曲部にかけてビードBを形成することで、第一母材M1と第二母材M2とを接合する手法である。
当該ビードBの検査は、ビードBののど厚(ビードBの表裏面にかけての最短部分の長さ)を計測し、当該のど厚が一定の基準を満たすか否かを判定するものである。
そのため、上記のビードBを検査する際の工数、及び廃品ワーク数の増加等を招いて、前記検査に要するコストが上昇し、延いては製品の製造コストが高くなる等の問題があった。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、検査対象となるビードが探触子に対して小さい場合に、所望の結果を得ることができない点で不利である。
したがって、低コストでビードの品質を検査することができる。
ビード検査装置1は、第一母材M1と第二母材M2とを接合する際に形成されるビードBののど厚[mm]の予測値を、第一母材M1、第二母材M2、及びビードBの特定部分における形状情報に基づいて算出し、当該のど厚[mm]の予測値が一定の基準を満たすか否かを判定する装置である。
第一母材M1と第二母材M2との接合は、約90度に湾曲された金属板である第一母材M1及び第二母材M2をそれらの上下平坦部(図1における垂直方向に沿った平坦部)同士で当接させ、第一母材M1の左右平坦部(図1における水平方向に沿った平坦部)が第二母材M2の左右平坦部(図1における水平方向に沿った平坦部)よりも上方に配置された状態で、第一母材M1の上下平坦部と第二母材M2の湾曲部との間に形成された空隙S(接合部分)に、ろう付け装置2によるろう付けによってビードBを形成することで行われる。
ここで、本発明におけるビードBの『のど厚』とは、ビードBにおいて厚みが最も薄い部分の長さであり、詳細には、ろう付け方向と直交する面でビードBを断面視した場合に、当該ビードBの断面におけるろう付け表面からその反対側の面にかけての最短部分の長さのことである(図1において両矢印で示す部分参照)。
なお、以下においては、図1における上下方向をビード検査装置1及びろう付け装置2の上下方向、図1における左右方向をビード検査装置1及びろう付け装置2の左右方向とし、図1における紙面手前側をビード検査装置1及びろう付け装置2の前方、同じく紙面奥側をビード検査装置1及びろう付け装置2の後方として説明する。
なお、ワイヤ供給部21によって供給されるろう付けワイヤWは、限定するものではなく、例えば、Cu−Si−Mnからなるワイヤを適用することが可能である。
溶融部22によって溶融されたろう付けワイヤWは、空隙Sで凝固することでビードBとなり、第一母材M1と第二母材M2とを接合する。つまり、第一母材M1の上下平坦部から第二母材M2の湾曲部にかけてビードBが形成される。
なお、本実施形態においては、レーザを用いてろう付けを行う構成としたが、それに限定するものではなく、例えば、アーク放電を用いてろう付けを行う構成とすることも可能である。
詳細には、アーム部23によって、ワイヤ供給部21、溶融部22、及びビード検査装置1が空隙Sの上方を前後方向に沿って移動可能となっている。
更に、アーム部23によって、ワイヤ供給部21、及び溶融部22がろう付けを行う角度と、ビード検査装置1がビードBの表面形状データ(表面の位置座標を示す多数の値)を計測する角度とを切替可能となっている。
また、解析部12は、前記表面形状データに基づいて、ビードBののど厚[mm]の予測値を算出し、当該のど厚[mm]の予測値が一定の基準を満たすか否かを判定する。
なお、本実施形態においては、レーザスリット光及びCCDカメラを用いて光切断法による前記表面形状データの計測を行う構成としたが、当該表面形状データを計測できれば三角測量法等、他の光学的手法を適用することも可能である。
図3に示すように、第一形状データ計測工程S10においては、まず、第一母材M1、及び第二母材M2における上下平坦部の表面同士を当接させ、第一母材M1の左右平坦部が第二母材M2の左右平坦部よりも上方に位置した状態で、第一母材M1、及び第二母材M2を固定する。
次に、アーム部23(図1参照)により、ワイヤ供給部21及び溶融部22、並びにビード検査装置1を、ビード検査装置1の解析部12によって第一形状データD1を計測することが可能な角度に設定し、第一形状データD1の計測開始位置へと移動する。
そして、第一母材M1の上下平坦部と第二母材M2の湾曲部との間に前後方向に沿って形成された空隙Sの上方において、ワイヤ供給部21及び溶融部22、並びにビード検査装置1を後方に向けて一定の速度で移動させつつ(図3における矢印参照)、ビード検査装置1の解析部12によって第一形状データD1を断続的に計測する。
更に、解析部12は、一定の速度で後方に移動しつつ計測範囲を後方へずらしながら、1ライン分の位置座標データの計測を移動方向における異なる箇所で所定の回数(以下、『Ny』回と定義する)行い、Nyライン分の位置座標データを計測する。
つまり、第一形状データD1は、Nyライン分の位置座標データであり、Nx×Ny個の位置座標データにより構成される。
なお、解析部12による第一形状データD1の計測は、ビードBが形成されることとなる空隙Sが計測範囲に含まれるように設定されるものとする。
図4は、X軸、及びH軸からなる二次元座標において、第一形状データD1における1ライン分の位置座標データ、つまり第一母材M1、及び第二母材M2の所定の前後方向断面における表面のNx個の位置座標データを示しており、更に、1ライン分の位置座標データがY軸にNy個存在することを示している。
図5に示すように、ろう付け工程S20においては、まず、ワイヤ供給部21及び溶融部22、並びにビード検査装置1を、ワイヤ供給部21及び溶融部22によってろう付けを行うことが可能な角度に設定し、ろう付け開始位置へと移動する。
そして、第一母材M1の上下平坦部と第二母材M2の湾曲部との間に形成された空隙Sの上方において、ワイヤ供給部21及び溶融部22、並びにビード検査装置1を後方に向けて一定の速度で移動させつつ(図5における矢印参照)、ワイヤ供給部21によって空隙Sに前後方向に沿って連続的にろう付けワイヤWを供給すると共に、ろう付けワイヤWを溶融部22から照射されるレーザによって溶融させる。
なお、ワイヤ供給部21、及び溶融部22によるろう付けの際には、ワイヤ供給速度計測装置11によりワイヤ供給速度[m/min]が計測されている。
図6に示すように、第二形状データ計測工程S30においては、まず、アーム部23(図1参照)により、ワイヤ供給部21及び溶融部22、並びにビード検査装置1を、ビード検査装置1の解析部12によって第二形状データD2を計測することが可能な角度に設定し、第二形状データD2の計測開始位置へと移動する。第二形状データD2を計測する角度、及び計測開始位置は、第一形状データD1を計測する角度、及び計測開始位置と同一に設定される。これは、第一形状データD1の計測位置と、第二形状データD2の計測位置とを同一にするためである。
そして、第一母材M1の上下平坦部と第二母材M2の湾曲部との間に前後方向に沿って形成された空隙Sの上方、つまりビードBの上方において、ワイヤ供給部21及び溶融部22、並びにビード検査装置1を後方に向けて一定の速度で移動させつつ(図6における矢印参照)、ビード検査装置1の解析部12によって第二形状データD2を断続的に計測する。
更に、解析部12は、第一形状データ計測工程S10と同様に、後方に移動しつつ計測範囲を後方へずらしながら、1ライン分の位置座標データの計測を移動方向における異なる箇所でNy回行い、Nyライン分の位置座標データを計測する。
つまり、第二形状データD2は、第一形状データD1と同様に、Nyライン分の位置座標データであり、Nx×Ny個の位置座標データにより構成される。
ただし、第一形状データD1、及び第二形状データD2における位置座標データの計測位置は同一に設定されるものとする。
図7は、X軸、及びH軸からなる二次元座標において、第二形状データD2における1ライン分の位置座標データ、つまり第一母材M1、第二母材M2、及びビードBの所定の前後方向断面における表面のNx個の位置座標データを示しており、更に、1ライン分の位置座標データがY軸にNy個存在することを示している。
ここで、『特徴量』とは、第一母材M1、第二母材M2、及びビードBの特定部分における長さ、及び角度等、非破壊で外部から取得し得る形状情報であり、その数値によってのど厚[mm]の増減に影響するものである。
これは、第二形状データD2だけでは、ビードBの両端部を検出することが困難なためである。
つまり、第一形状データD1と第二形状データD2とを重ね合わせると、第一母材M1における左右平坦部に対応する部分等のビードBが形成されない部分のデータは両者で一致するが、第二形状データD2におけるビードBが形成されている部分のデータと、第一形状データD1における当該部分に対応する部分のデータとは一致しないため、第一形状データD1及び第二形状データD2のデータが一致する部分と一致しない部分との境界点を、ビードBの両端部として検出することが可能となる。
なお、図8においては、説明の便宜上、第一形状データD1、及び第二形状データD2における1ライン分の位置座標データのみを図示し、第一形状データD1における1ライン分の位置座標データを近似した曲線を実線で図示し、第二形状データD2における1ライン分の位置座標データを近似した曲線を点線で図示している。
また、第一形状データD1と第二形状データD2とを重ね合わせる際に、互いの共通部分の位置座標データが相違する場合には、第一形状データD1、又は第二形状データD2に対して適宜の補正を施してもよい。
各特徴量の予測値は、1ライン(1断面)毎に算出され、それぞれNy個の特徴量の予測値が算出されることとなる。
以下では、1ラインに限定して、各特徴量について説明する。
ビード幅[mm]は、ビードBの両端部間の距離を表す特徴量である。
図9に示すように、ビード幅[mm]の予測値は、第一形状データD1、及び第二形状データD2に基づいて、点E1と点E2との距離を算出することで求めることが可能である。
ビード高低差[mm]は、第一母材M1における上下平坦部を基準とした場合におけるビードBの両端部の高低差を表す特徴量である。
図10に示すように、ビード高低差[mm]の予測値を求める際には、まず、点E1を通り、かつ第一形状データD1における上下方向の平坦部分(第一母材M1における上下平坦部に対応する部分)の近似直線f1を算出する。
次に、点E1を通り、かつ近似直線f1に直交する直線f2を算出する。
最後に、点E2から直線f2までの最短距離を算出することで、ビード高低差[mm]の予測値を求めることが可能である。
ビード端位置差[mm]は、第一母材M1における上下平坦部を基準とした場合におけるビードBの両端部の左右方向の位置差を表す特徴量である。
図11に示すように、ビード端位置差[mm]の予測値は、点E2から近似直線f1までの最短距離を算出することで求めることが可能である。
ビードヒケ深さ[mm]は、ビードBの表面におけるヒケの深さを表す特徴量である。
図12に示すように、ビードヒケ深さ[mm]の予測値を求める際には、まず、点E1と点E2とを通る直線f3を算出する。
そして、第二形状データD2における点E1から点E2までの曲線から直線f3までの長さが最大、かつ直線f3と垂直となるような線分を算出することで、ビードヒケ深さ[mm]の予測値を求めることが可能である。
ビードヒケR[mm]は、ビードBの表面におけるヒケのRを表す特徴量である。
図13に示すように、ビードヒケR[mm]の予測値は、第二形状データD2における点E1から点E2までの曲線に近似する円を算出し、その円の半径(曲率半径であり、図13におけるO1は、曲率中心を示す)を算出することで求めることが可能である。
ロア面角度[rad]は、第二母材M2の湾曲角度を表す特徴量である。
図14に示すように、ロア面角度[rad]の予測値を求める際には、まず、第一形状データD1における上下方向の平坦部分(第一母材M1における上下平坦部に対応する部分)の近似直線f4を算出する。
次に、第一形状データD1における点E2側の左右方向の平坦部分(第二母材M2における左右平坦部に対応する部分)の近似直線f5を算出する。
最後に、近似直線f4と近似直線f5とが成す角度であって、近似直線f4よりもE2側かつ近似直線f5よりもE1側の角度を算出することで、ロア面角度[rad]の予測値を求めることが可能である。
ロアR[mm]は、第二母材M2の湾曲部のRを表す特徴量である。
図15に示すように、ロアR[mm]の予測値は、第一形状データD1における点E2側の湾曲部分(第二母材M2の湾曲部に対応する部分)の曲線に近似する円を算出し、その円の半径(曲率半径であり、図15におけるO2は、曲率中心を表す)を算出することで求めることが可能である。
図16に示すように、板スキ[mm]は、第一母材M1と第二母材M2との間隔を表す特徴量である。
なお、本実施形態においては、第一母材M1と第二母材M2とが当接した状態、つまり板スキ[mm]がゼロの状態でそれらが接合されているものとしている。
図17に示すように、ビード断面積[mm2]は、ビードBにおける前後方向断面の面積を表す特徴量である。
ろう付け工程S20におけるろう付けの際、ワイヤ供給部21、及び溶融部22を後方に移動させる速度は、前述のように一定であり、第一母材M1の上下平坦部と第二母材M2の湾曲部との間に形成された空隙Sにろう付けワイヤWが単位時間あたりに供給される量は、ワイヤ供給速度[m/min]に比例する。また、空隙Sにろう付けワイヤWが単位時間あたりに供給される量は、ビード断面積[mm2]に比例する。
このことから、ビード断面積[mm2]は、ワイヤ供給速度[m/min]に比例するといえる。
詳細には、ワイヤ供給速度[m/min]に対するビード断面積[mm2]の蓄積された多数の実測値に基づいて、下記の数1のような回帰式を作成し、ろう付け工程S20でワイヤ供給速度計測装置11により計測されたワイヤ供給速度[m/min]を代入することで、ビード断面積[mm2]の予測値を統計的に算出することが可能である。
図18は、ワイヤ供給速度[m/min]に対するビード断面積[mm2]を示すグラフであり、グラフ中の実線が数2から算出されるビード断面積[mm2]の予測値の分布、点線が数2から算出されたビード断面積[mm2]の予測値に対するビード断面積[mm2]の実測値の誤差の許容範囲を示し、点がビード断面積[mm2]の実測値の分布を示している。
そのため、検査対象であるビードBの大きさに関わらず、第一母材M1、第二母材M2、及びビードBを切断することなく、ビード断面積[mm2]の予測値を算出することができる。
これにより、ビードBの品質を検査する際のコストを低減することができる。
のど厚[mm]の予測値は、各特徴量の予測値と同様に、1ライン(1断面)毎に算出され、Ny個ののど厚[mm]の予測値が算出されることとなる。
以下では、1ラインに限定して、のど厚算出工程S50について説明する。
数3における係数であるA1〜A9、及び定数項であるC1は、蓄積された九種類の特徴量の実測値と、のど厚[mm]の実測値との関係に基づいて決定され、第一母材M1、第二母材M2、及びビードBの形状、並びにろう付けワイヤWの種類等、様々な要因により変化するものである。
そこで、蓄積された九種類の特徴量の実測値と、のど厚[mm]の実測値との関係を示す多変量連関図を作成し、九種類の特徴量のうち、のど厚[mm]と密接に関連する傾向、つまり、のど厚[mm]との間に比例関係等の顕著な規則性が表れているもののみを抽出し、それ以外の特徴量においては、数3から除外する。
本実施形態においては、ビード高低差[mm]、ビードヒケ深さ[mm]、及びビード断面積[mm2]に、それぞれのど厚[mm]と密接に関連する傾向(比例関係等)が見受けられた。
図19は、ビード高低差[mm]の実測値に対するのど厚[mm]の実測値の分布を示すグラフである。
図19に示すように、右肩上がりの傾向が表れている部分は、ワイヤ供給速度[m/min]が比較的小さい場合におけるビード高低差[mm]の実測値に対するのど厚[mm]の実測値の分布を表しており、右肩下がりの傾向が表れている部分は、ワイヤ供給速度[m/min]が比較的大きい場合におけるビード高低差[mm]の実測値に対するのど厚[mm]の実測値の分布を表している。
なお、数5におけるビード断面積平均[mm2]は、蓄積された多数のビード断面積[mm2]の実測値の平均値であり、ビード高低差平均[mm]は、蓄積された多数のビード高低差[mm]の実測値の平均値である。
更に、数5におけるビード断面積[mm2]に上記の数2を代入することで、下記の数6が作成される。
図20は、数6から算出されたのど厚[mm]の予測値と、当該のど厚[mm]の予測値を算出するために第一形状データD1、及び第二形状データD2が計測された部分ののど厚[mm]の実測値との関係を示すグラフであり、グラフ中の実線が数6から算出されたのど厚[mm]の予測値と、のど厚[mm]の実測値とが完全に一致する位置、点線が数6から算出されたのど厚[mm]の予測値に対するのど厚[mm]の実測値の誤差の許容範囲を示し、点が数6から算出されたのど厚[mm]の予測値に対するのど厚[mm]の実測値の分布を示している。
なお、この誤差を考慮して、のど厚[mm]の予測値の判定を行うことが好ましい。
これにより、破壊検査が不要となって、ビードBの品質を検査する際の工数、及び廃品ワーク数を低減することができる。
したがって、低コストでビードBの品質を検査することができる。
また、全数検査が可能となり、製品の品質が向上すると共に、ろう付けの際の異常等を早期に察知することができる。
解析部12は、算出されたのど厚[mm]の予測値が前記範囲内にある場合は、ろう付けされた第一母材M1、及び第二母材M2を良品とし、前記範囲内にない場合は、ろう付けされた第一母材M1、及び第二母材M2を不良品とする。
なお、第二形状データD2のみからビードBの両端部を検出することができれば、第一形状データD1を計測するために第一形状データ計測工程S10を行わなくてもよい。
また、第一形状データD1をマスターデータとして予め記憶させておいてもよい。
また、本実施形態においては、九種類の特徴量の予測値を算出したが、のど厚[mm]と密接に関連する傾向のある特徴量の予測値のみを算出する構成としてもよい。
また、本実施形態においては、第一母材M1を湾曲部を有した形状の部材としたが、第一母材M1の湾曲部の有無に関わらず、第一母材M1の上下平坦部と第二母材M2の湾曲部との間に空隙Sが形成され、第一母材M1の上下平坦部から第二母材M2の湾曲部にかけてビードBが形成されていればよい。
2 ろう付け装置
11 ワイヤ供給速度計測装置
12 解析部
21 ワイヤ供給部
22 溶融部
23 アーム部
B ビード
M1 第一母材
M2 第二母材
S 空隙
W ろう付けワイヤ
Claims (5)
- 複数の金属母材の接合部分に連続的に供給されるろう付けワイヤを溶融して、前記複数の金属母材同士をろう付けすることで形成されるビードの品質を検査するビード検査方法であって、
前記複数の金属母材、及びビードの特定部分における形状情報であり、前記ビードののど厚に影響する特徴量の実測値と、当該特徴量の実測値に対する前記のど厚の実測値とに基づいて作成される回帰式から前記のど厚の予測値を算出し、
前記のど厚の予測値を予め設定される基準値と比較することで前記ビードの良否を判定するビード検査方法。 - 前記複数の金属母材は、二つの金属板であり、
前記二つの金属板の表面同士が近接する状態で、一方の金属板が他方の金属板と離間する方向に湾曲することによって形成される空隙に前記ビードが形成され、
前記特徴量は、ビード幅、ビード高低差、ビード端位置差、ビードヒケ深さ、ビードヒケR、ロア面角度、ロアR、板スキ、及びビード断面積のうちの少なくとも1つである請求項1に記載のビード検査方法。 - 前記特徴量は、前記ビード高低差、前記ビードヒケ深さ、及び前記ビード断面積である請求項2に記載のビード検査方法。
- 前記ビード断面積の予測値は、前記ろう付けワイヤの供給速度と、前記ビード断面積の実測値とに基づいて作成される回帰式から算出される請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載のビード検査方法。
- 複数の金属母材の接合部分に連続的に供給されるろう付けワイヤを溶融して、前記複数の金属母材同士をろう付けすることで形成されるビードの品質を検査するビード検査装置であって、
前記接合部分に連続的に供給される前記ろう付けワイヤの供給速度を計測するワイヤ供給速度計測部と、
前記複数の金属母材、及び前記ビードの表面の位置座標データを計測し、当該位置座標データを解析する解析部とを具備し、
前記解析部は、
ろう付け前の前記接合部分を含む、前記複数の金属母材の表面の位置座標データである第一形状データを計測し、
前記第一形状データの計測位置と同一位置で、ろう付け後の前記複数の金属母材、及び前記ビードの表面の位置座標データである第二形状データを計測し、
前記第一形状データ及び前記第二形状データ、並びに前記ろう付けワイヤの供給速度に基づいて、前記複数の金属母材、及びビードの特定部分における形状情報であり、前記ビードののど厚に影響する特徴量の予測値を算出し、
前記特徴量の実測値と、当該特徴量の実測値に対する前記のど厚の実測値とに基づいて作成される回帰式に、前記特徴量の予測値を代入することで前記のど厚の予測値を算出し、当該のど厚の予測値を予め設定される基準値と比較することで前記ビードの良否を判定するビード検査装置。
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