JP2009220155A - 溶接品質検査方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 溶接金属内あるいは裏ビードなどにおける欠陥要素を反映した溶接品質評価を行うことができる溶接品質検査方法および装置、特にパイプ突合せ継手のアーク溶接部における溶接品質評価を溶接施工時に行うことができる溶接品質検査方法および装置を提供する。
【解決手段】 表面形状計測器20を用いて溶接前の開先表面形状と溶接後のビード表面形状を測定して両者の形状差から溶接部の溶着金属量を算定し、溶接ワイヤ送給量測定器30により求めた溶接ワイヤ供給量に基づいて溶接金属供給量を推定し、溶着金属量の溶接金属供給量に対する比率を算定して、この比率を溶接品質の指標とする溶着指数として表示器に表示する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、突合せ継手のアーク溶接に関して溶接品質を指標化して評価する溶接品質検査方法と装置に関する。
従来、溶接施工後にレーザ測定装置により光切断法を用いてビード表面形状を取得して溶接品質を評価する方法があった。
特許文献1には、光切断法により溶接施工後のビード表面形状を求めて、溶接品質を推定する溶接ビード形状検査方法が開示されている。
しかし、溶接後に形成されるビードの形状だけを観察しても、溶接前に存在したギャップ、目違い、開先加工の深さバラツキなどの影響があるときは、必ずしも常に正当な評価を下すことはできない。
たとえば、開先が深すぎでかつ、開先底部に空隙が残ったり、溶接金属内部にブローホールなどの球状溶接欠陥が生じたりした場合でも、標準的な開先で良好に溶接したビードの表面形状と差がなければ、溶接品質は良好とする判定をすることになる。
また、開先形状のバラツキに起因するビード形状のバラツキなどにも対応できない可能性がある。
特許文献2には、溶接施工の前後で溶接部形状を計測する溶接品質検査方法が開示されている。
大型の溶接構造物ではガス切断により開先加工するため寸法精度が悪く、溶接部に不均一なギャップが生じ、画一的な判定基準では溶接品質を評価することができない。
開示方法は、溶接施工前の溶接部形状を測定してギャップの状態を知り、ギャップの大きさを考慮した判定基準を用いることによって、溶接品質の適正な判定が行えるようにしたものである。したがって、開示方法では、溶け込みや裏ビードの状態を反映した品質評価をすることはできない。
特に、パイプの突合せ溶接では、開先加工のバラツキ、目違いと呼ばれる突合せ位置のずれ、パイプ外形真円度の不良、パイプの曲がりなどにより、ビード外観形状が影響され、ビード外観のみでは溶接品質を正しく評価できない場合がある。また、溶接位置によりワイヤ送給量を調整しなければ良好な溶接ができないことから、位置により溶接金属供給量が異なり適正なビード形状も異なるため、単純な形状特徴量の比較だけでは適正な品質推定が難しい。
特開平5−087539号公報 特開2001−038467号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、溶接部の内部における欠陥要素を反映した溶接品質評価を行うことができる溶接品質検査方法および装置を提供することである。特に突合せ継手のアーク溶接部における溶接品質評価を溶接施工時に行うことができる溶接品質検査方法および装置を提供する。
上記課題を解決するため、本発明の溶接品質検査方法は、表面形状計測器を用いて溶接前の開先表面形状と溶接後のビード表面形状を測定して両者の形状差から溶接部の溶着金属量を算定し、溶接ワイヤ送給量測定器により求めた溶接ワイヤ供給量に基づいて溶接金属供給量を推定し、溶着金属量の溶接金属供給量に対する比率すなわち溶着指数を算定して、表示器に溶接品質の指標としてその溶着指数を表示することを特徴とする。
また、本発明の溶接品質検査装置は、溶接部の表面形状を計測する表面形状計測器と、溶接ワイヤの送給量を測定する溶接ワイヤ送給量計測装置と、演算装置と、表示装置を備え、溶接前の開先表面形状と溶接後のビード表面形状を測定して両者の形状差から溶接部の溶着金属量を算定し、溶接ワイヤ送給量測定器により測定した溶接ワイヤ送給量に基づいて溶接金属供給量を推定し、溶着金属量の溶接金属供給量に対する比率すなわち溶着指数を算定して、表示器に比率を表示することを特徴とする。
本発明の溶接品質検査方法および溶接品質検査装置では、溶接施工により開先部分を満たした溶着金属量を溶接前後の表面形状測定結果から求め、得られた溶着金属量と溶接ワイヤの送給量から求まる溶接金属供給量との比を算定して表示するので、溶接金属供給量に対する溶着金属量の増減量を明確にして、開先部分から漏れ出て裏ビードを形成した金属量や、溶接金属内に発生したブローホールなどの空隙部等を掌握した適正な溶接品質評価を行うことができる。
なお、溶接施工時に供給した溶接ワイヤの送給長は、ワイヤ送給装置に付属させたワイヤ送給量計測器によって容易に測定することができるので、ワイヤ径を用いてワイヤ送給量を知ることができる。また、溶接速度を勘案することにより、溶接品質検査位置に供給された溶接ワイヤ量を算定することができる。
さらに、溶接ワイヤのうち溶接部に溶着して残る金属の割合は、溶接ワイヤの種類や溶接法によって異なり、溶着効率として予め評価しておくことができる。たとえば、ティグ溶接など非消耗電極式溶接法では溶着効率は1となり、ミグ溶接などの消耗電極式溶接法ではスパッタで飛散する分を勘定に入れると1より小さい溶着率を示すことになる。
評価位置における単位幅当たりの溶接品質評価では、計測したワイヤ送給量、溶接速度、ワイヤ径、溶着効率を用いて求めた溶接金属供給量が使用される。
ワイヤ送給量などから算定した溶接金属供給量に対する、溶接施工前後の表面形状から算定した溶着金属量の比率すなわち溶着指数が、0.8〜1.0であれば経験上溶接品質は良好であるとしてよいが、1.0以上では溶接金属内部にブローホールなどの空隙がある異常、0.8以下では過大な裏ビードが発生した異常が存在することが推定できる。
このように、本発明の方法により、比較的簡単な演算により溶着指数として定量的に表現され、かつ的確な溶接品質評価ができる。
本発明の溶接品質検査方法または装置は、さらに、予め指定した理想的なビード形状と溶接後のビード形状を比較して、両者の差異を算定した結果を表示するようにしてもよい。
この方法は、溶接金属の内部に欠陥があるときにはビード表面形状に局所的に陥没が生じ、スパッタ粒が付着したときには突起を生じるので、溶接ワイヤの溶接金属供給量に基づく評価に加えてビード表面形状データからビード外観の良否を判定して品質評価を万全なものにするために導入される。
表面形状計測器は、スリット状の光を照射する投光装置と対象物表面に照射されたスリット状の光を撮影する撮像装置と撮像装置により取得された画像からスリット状の光の部分を抽出してその座標を求める画像処理装置で構成され、計測対象にスリット光を照射して表面形状に形成される光切断面輪郭線から表面形状を計測する光切断式表面形状測定器であることが好ましい。また、市販の各種3次元デジタイザーも利用することができる。
本発明の溶接品質検査方法または装置を用いれば、開先加工精度によらず安定した溶接品質評価ができる。また、溶接金属内部に発生したブローホールなどの欠陥を検出することができ、溶け込みや裏ビードの良否をも的確に推定することができる。
さらに、本発明の溶接品質検査方法または装置を用いて品質推定を自動化して、低いコストで安定した検査を行うことができる。
以下、実施例に基づき、図面を用いて、本発明の溶接品質検査方法および装置について詳細に説明する。
図1は本実施例の構成を説明するブロック図、図2は本実施例における測定工程を示すフローチャート、図3は本実施例を適用して測定した適正溶接例を示すグラフ、図4は裏ビードが過大なときの測定例を示すグラフ、図5は外観不良の場合の測定例を示すグラフ、図6は本実施例における測定工程の別例を示すフローチャートである。
図1に示すように、本実施例の溶接品質検査装置は、溶接トーチ14を把持した汎用ロボット10と、ロボット10の制御を行うロボットコントローラ12と、形状計測器の検出部になるレーザセンサ20と、レーザセンサ20の出力を受信して測定結果を出力するレーザセンサコントローラ22と、溶接トーチ14に溶接ワイヤを送給するワイヤ送給装置16に附属してワイヤ送給量を測定するワイヤ送給量計測器30と、ロボットコントローラ12やレーザセンサコントローラ22やワイヤ供給量計測器30から測定結果を入力して各種演算処理を行う計算機40とから構成される。
本実施例では、汎用ロボット10に本発明を適用しているが、検査位置とその位置における溶接条件の対応が取れれば自動溶接機に適用することもできることはいうまでもない。
計算機40では、開先形状データとビード形状データに関するデータ処理、ワイヤ送給計測器30で収集されたデータの処理、ロボットコントローラ12などからの溶接条件の収集を行う。
本実施例では、パイプの突合せ開先付きTIG溶接を対象としている。
図2は、断面積で溶着金属量を算定する場合の検査手順を説明するフローチャートである。
初めに突き合わせたパイプ先端の検査対象位置にレーザセンサ20を移動する(S10)。
続いて、パイプを回転させて1周分の開先形状データを収集する(S11)。
レーザセンサ20は、スリット状のレーザ光を対象物に照射して、表面に現れるスリット光をCCDカメラで撮影し、取得した画像をレーザセンサコントローラ22に送るように構成されたものである。対象物表面のスリット光は照射方向に平面で切断したときの表面輪郭線を表す光切断線になっている。
レーザセンサコントローラ22は、レーザセンサ20から供給される光切断線からレーザ光照射面における開先部分の表面輪郭を求める。測定対象物を移動させ、またはレーザセンサ20を測定対象物に対して相対的に移動しながら求めた表面輪郭を集積して開先部分の表面形状データとすることができる。
なお、レーザセンサ20のカメラは、2次元CCDカメラで直接輪郭線を求めるものであっても良く、また1次元CCDカメラを溶接線に直交する方向に移動させて2次元画像を得るものであってもよい。
レーザセンサコントローラ22で収集整理された表面形状データは計算機40に送信される。
計算機40は、入出力装置、記憶装置、演算装置、表示装置などを備え、本実施例の溶接品質検査方法を実行するコンピュータプログラムを実行可能に搭載させた汎用コンピュータであってもよい。
計算機40は、受信した表面形状データから、目違いを補正するようにデータを変換することにより(S12)、回転に伴って変化する段差が有る場合にも段差の変動を補償する。目違いの補正は、たとえば、開先の肩部を抽出して、開先を挟んだ両肩を同じ高さにするように補正することにより行うことができる。なお、後にビード表面形状との差を算出して溶接金属量とみなすため、パイプの軸方向表面の傾きをデータ変換により補償しておくことが好ましい。
変換方法には、左右の開先肩が傾いただけ開先形状データを傾角分回転させる方法がある。また、回転角度が十分に小さいときは、左右の開先肩位置を通る直線を引いて、この直線を基準として開先形状における高さ方向座標を算定する方法を使うことができる。
次に、溶接を行い、検査対象位置近傍におけるワイヤ送給量を測定する(S13)。ワイヤ送給量は、送給されるワイヤを滑らないローラで挟み込んで、ワイヤ送給により回転するローラの回転数から測定することができる。また、ワイヤ送給量をフィードバックして制御するワイヤ送給装置では、制御装置に対する送給量指令値をもってワイヤ送給量とすることもできる。
ワイヤ送給量と、ワイヤ径と、溶接速度、および溶着効率から、溶接品質検査位置における単位幅当たりの溶接金属供給量を算定する(S14)。
溶着効率は、溶接部に供給される溶接ワイヤ全量の内、溶接部に溶着して残る溶接金属量の割合を意味する。たとえば、ティグ溶接など非消耗電極式溶接法では溶着効率は1となる。一方、ミグ溶接などの消耗電極式溶接法ではスパッタで飛散する分を勘定に入れると1より小さい溶着率を示すことになる。
消耗電極式溶接法では、溶接ワイヤの種類や銘柄により溶着効率が異なり、ソリッドワイヤで0.90〜0.98、フラックス入りワイヤで0.85〜0.95などとされている。このように、溶着効率は溶接ワイヤの種類や溶接法によって異なるが予め与えることができる。
レーザセンサ20を検査対象位置に移動し(S15)、開先表面形状データを取得したときと同じ方法で、検査対象位置のビード表面形状データを取得する(S16)。なお、検査位置におけるビード表面形状データは、溶接工程中でも、溶接後でも取得できる。また、溶接終了後に溶接開始位置まで戻る途中で測定して、時間短縮をすることもできる。
溶接によりパイプ突き合わせ部分で変形したりしても、溶接金属量を正確に推量する必要があるので、取得したビード表面形状データに基づいて、目違いを補正する(S17)。目違いの補正は、たとえば、左右の溶接止端位置を検出し、左右の溶接止端を結んだ直線を基準線として溶接金属の表面座標を算定することにより行う。なお、パイプの軸方向表面が傾いたときにも、開先形状と整合しなくなり、両形状差に基づいて求める溶接金属量が不正確になるので、軸方向表面の傾きを水平に戻す補償を行うことが好ましい。
上記、ワークの位置ずれや傾き、溶接によるワーク変形を補償した、開先表面形状データとビード表面形状データの差を算出して、検査位置に堆積した溶接金属の断面積を算定する(S18)。
図3は、高い溶接品質を有するパイプの突合せ継手について、開先表面形状データAとビード表面形状データBを重ねてプロットしたグラフである。溶着した溶接金属は2つの曲線A,Bに挟まれた部分に相当する。
次に、先にワイヤ送給量計測器から得られたワイヤ送給量に基づいて求めた単位幅当たりの溶接金属供給量に対する、表面形状の差、すなわち断面積に単位厚さを掛けた値として求めた溶着金属量の比率を算出する(S19)。本明細書では、この比率を溶着指数と呼ぶ。
溶着指数が算定されると、経験から決められる値、たとえば0.8と1.0を境として良否を判定することができる(S20)。
たとえば、溶着指数が0.8以下であれば裏ビードなどの欠陥が推定される(S21)。図4は図3の場合と同じ開先表面形状データAで表される開先部に同量の溶接金属を供給したにもかかわらずビード表面形状データBのプロットが図3のときよりも低くなっているケースを表し、溶接金属の溶け込みがあったり、裏に抜けて過大な裏ビードが形成されたりすることが原因と考えられる。
溶着指数が1.0以上であるときはブローホールなど溶接金属内部に溶接欠陥が存在する分だけ表面が盛り上がっているとみることができ、溶接の不良と判定できる(S22)。
これらの推定結果は、表示装置に表示される(S27)。
また、溶着指数が0.8〜1.0であれば一応良好と考えられるが、表面形状の異常があり得るので、ビード表面形状を検査して、形状欠陥がないかを確認することが好ましい。
そこで、ビード表面形状データを理想形とする基準ビード表面形状データと比較して(S23)、差の絶対値を所定の値と比較することで溶接品質の良否を評価する(S24)。
開先形状が変わったりギャップが変化したりするとビード形状が変化するので、理想的なビード形状は単一でない。したがって、基準形状をテンプレートとして用意するものとすると、極めて多数の基準形を用意したうえで、検査対象ごとに種々の条件に適合する基準形を選択しなければならない。
本実施例の溶接品質検査方法では、基準ビード表面形状データをテンプレートとして予め用意する必要のない確実な品質推定が行える手順を採用している。
図5は、ビード表面形状を標準形状と比較して評価する方法を説明するグラフである。
開先部を測定することにより開先表面形状データAが得られ、溶接後に測定してビード表面形状データBが得られた。
ビード表面形状データBから、溶接止端を特定し、止端から一定距離の点を左右それぞれ2点ずつ合計4点取り、この丸印で表した4点の座標データから、4点を通るたとえば2次曲線など滑らかな曲線を設定し基準ビード表面形状データCとする。
測定したビード表面形状データBと基準ビード表面形状データCの差Dを取って、この差Dがたとえば±0.3mmなど所定の値より大きくなる部分が有れば、ピット、アンダカット、余盛過大など表面形状に現れる溶接欠陥が推定される(S25)。また、ビード表面形状データBと基準ビード表面形状データCの差Dの絶対値が0.3mm以下であれば、溶接の品質は問題がないと判断することができる(S26)。
これらの評価結果は表示装置に表示される(S27)。
このように、基準ビード表面形状Cを測定したビード表面形状データBに基づいて決定するようにしたので、多数のテンプレートを用意しなくても確実に表面形状異常を検出することができる。
なお、表面形状の測定結果に基づいて基準表面形状データCを形成する方法は、上記方法に限らず、たとえば適当な間隔で取った3個以上のビード表面形状データB上の座標点を使って近似曲線を描くことにより基準表面形状データCとする方法など適宜の近似方法を利用することができる。
さらに、測定したビード表面形状データBと基準表面形状データCとの差Dの評価も、両者の偏差を積算する方法や誤差を2乗して積算する方法など、各種の誤差評価方法を利用することができる。
開先に対して溶着したビードの量を測定する方法には、上記のような光切断面から求めた表面形状に基づいて算出する方法の他にも、たとえば光学式3次元デジタイザー(3Dデジタイザー)など汎用の立体計測装置を用いて直接的に体積を測定して溶接前後の差を取る方法もある。
3Dデジタイザーを使用するときは、検査領域を含む測定領域について溶接後のビード表面形状と溶接前の開先表面形状を計測し、検査領域におけるビード表面形状データと開先表面形状データの差に基づいて検査部分の溶着金属量を算定する。
3Dデジタイザーを使う溶接品質検査装置は、図1に表した構成に対して、レーザセンサ20とレーザセンサコントローラ22を3Dデジタイザーに置換したところだけが異なる構成になる。
溶接品質検査装置の検査手順は、光切断面データから2次元情報として表面形状を求める代わりに、3Dデジタイザーの3次元形状測定データを利用して検査領域における溶着金属の体積を直接的に算出するもので、他の手順は先に図2に関して説明したものと変わらない。
図6は、3Dデジタイザーを用いた溶接品質検査手順を説明するフローチャートである。
3Dデジタイザーを用いた溶接品質検査手順では、初めに検査対象部分に3Dデジタイザーを移動し(S30)、検査対象領域を含む部分について3次元の開先表面形状データを収集する(S31)。
次に、溶接を行い、検査対象領域に対するワイヤ送給量を測定する(S32)。ワイヤ送給量は、たとえば、ワイヤ送給により回転するローラの回転数から測定するワイヤ送給量計測器を用いて測定することができる。
ワイヤ送給量と、ワイヤ径と、溶接速度、および溶着効率から、検査対象領域に対する溶接金属供給量を算定する(S33)。
3Dデジタイザーを検査対象部分に移動し(S34)、検査対象位置のビード表面の3次元形状データを取得する(S35)。
検査対象領域における3次元開先表面形状データと3次元ビード表面形状データを比較して、検査対象領域に溶着した溶接金属の体積を算出する(S36)。
検査対象領域に供給された溶接金属量に対する、溶着した溶接金属の比率を算出して、溶着指数とする(S37)。
溶着指数が算定されると、たとえば0.8と1.0など所定の値を閾値として良否を判定する(S38)。
たとえば、溶着指数が0.8以下であれば裏ビードが過大である欠陥(S39)、溶着指数が0.8〜1.0であれば溶接品質良好(S40)、溶着指数が1.0以上であるときは溶接金属内部の溶接欠陥(S41)と判定できる。
これらの推定結果は、表示装置に表示される(S42)。
なお、本発明の溶接品質検査方法および検査装置は、積層溶接における各層毎に適用することにより、積層溶接における高品質な溶接品質を得ることが可能になる。
また、パイプ突合せ継手の他にも、すみ肉溶接継手や重ね継手などにも適用ができることはいうまでもない。
以上実施例に基づいて詳しく説明した通り、本発明の溶接品質検査方法および検査装置では、開先加工精度によらず安定した溶接品質の評価が可能になる。また、溶接金属内部に発生したブローホールなどの欠陥についても推定することができる。さらに、溶け込みや裏ビードの良否も併せて評価することができる。
また、本発明の溶接品質検査方法および検査装置を適用することにより、品質評価の自動化が可能になって、溶接コスト低減と検査の安定化が可能になる。
本発明の1実施例における溶接品質検査装置の構成を説明するブロック図である。 本実施例における測定工程を示すフローチャートである。 本実施例を適用して測定した適正溶接例における表面形状データを示すグラフである。 本実施例を適用して測定した裏ビードが過大なときの測定例を示すグラフである。 本実施例を適用して測定した外観不良の場合の測定例を示すグラフである。 本実施例における測定工程の別例を示すフローチャートである。
符号の説明
10 ロボット
12 ロボットコントローラ
14 溶接トーチ
16 ワイヤ送給装置
20 レーザセンサ
22 レーザセンサコントローラ
30 ワイヤ送給量計測器
40 計算機

Claims (8)

  1. 突合せ継手のアーク溶接部において、表面形状計測器を用いて溶接前の開先形状と溶接後のビード形状を測定して両者の形状差から溶接部の溶着金属量を算定し、溶接ワイヤ送給量測定器で溶接ワイヤによる溶接金属供給量を測定し、該溶着金属量の該溶接金属供給量に対する比率を算定して、表示器に該比率を表示することを特徴とする溶接品質検査方法。
  2. さらに、予め指定した理想的なビード形状と前記溶接後のビード形状を比較して、両者の差異を算定して結果を表示することを特徴とする請求項1記載の溶接品質検査方法。
  3. 前記表面形状計測器は、計測対象にスリット光を照射して表面形状に形成される光切断面輪郭線から表面形状を計測する光切断式表面形状測定器であることを特徴とする請求項1または2に記載の溶接品質検査方法。
  4. 前記表面形状計測器は、対象物の3次元形状データを出力する3次元デジタイザーであることを特徴とする請求項1または2に記載の溶接品質検査方法。
  5. 溶接部の表面形状を計測する表面形状計測器と、溶接ワイヤの送給量を測定する溶接ワイヤ送給量計測装置と、演算装置と、表示装置を備え、表面形状計測器が検査対象部分における溶接前の開先表面形状と溶接後のビード表面形状を測定して、演算装置が両者の形状差から溶接部に溶着した溶着金属量を算定し、溶接ワイヤ送給量測定器により溶接ワイヤの送給量を測定し、演算装置が該溶接ワイヤ送給量に基づいて溶接金属供給量を算定し、さらに、該溶着金属量の該溶接金属供給量に対する比率を算定して、表示器が該比率を表示する溶接品質検査装置。
  6. さらに、理想的なビード形状を測定したビード形状と比較できる形態で記憶する記憶装置を備え、前記演算装置が該理想的なビード形状と該測定したビード形状の差異を算定して結果を表示することを特徴とする請求項5記載の溶接品質検査装置。
  7. 前記表面形状計測器は、スリット状の光を照射する投光装置と検査対象部分の表面に照射されたスリット状の光を撮影する撮像装置と撮像装置により取得された画像からスリット状の光の部分を抽出してその座標を求める画像処理装置で構成された光切断式表面形状測定器であることを特徴とする請求項5または6に記載の溶接品質検査装置。
  8. 前記表面形状計測器は、対象物の3次元形状データを出力する3次元デジタイザーであることを特徴とする請求項5または6に記載の溶接品質検査装置。
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