JP2004053427A - 溶接ビードの品質評価方法およびそのための形状測定方法 - Google Patents

溶接ビードの品質評価方法およびそのための形状測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接ビードの測定区間の全体を通じて、溶接ビードの品質を正しく評価する。
【解決手段】溶接ビードの品質評価方法は、溶接ビードの長さ方向に所定間隔で溶接ビードの高さを測定して高さデータを取得し、高さデータから高さの分散値を演算し、高さの分散値に基づいて、溶接ビードの品質を評価するものである。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、鉄板同士の突合溶接において、溶接ビードの接合が強くて高品質なのか、接合が弱くて低品質なのかの品質を評価する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の方法としては、例えば、特開平5−87539号公報に開示されているように、溶接ビードにスリット光を投影し、投影したスリット光を撮影して溶接ビードの形状に係わるデータを取得する溶接ビードの形状測定方法において、溶接ビードの長さ方向の測定区間に複数の測定点を設定し、隣合う測定点におけるデータ同士の差分を求め、求めた差分が設定値以下であるか、否かを判定し、溶接ビードの測定区間にわたって、設定値以下であると判定された判定結果の回数に基づいて、溶接ビードの品質を評価するものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記方法では、品質評価の基準となるデータが隣合う測定点におけるデータ同士の差分に基づいている。そのため、溶接ビードの測定区間の全体を通じて測定データに大きい変化が無い場合は、問題が無い。ところが、例えば、測定区間の一端から他端にかけて、測定データが漸次変化し、測定区間の全体では、測定データが大きく変化してしまうような場合は、品質を正しく評価できないという問題点がある。
【0004】
この発明の目的は、溶接ビードの測定区間の全体を通じて、溶接ビートの品質を正しく評価することのできる溶接ビードの品質評価方法およびそのための形状測定方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明による第1の溶接ビードの品質評価方法は、溶接ビードの長さ方向に所定間隔で溶接ビードの高さを測定して高さデータを取得し、高さデータから高さの分散値を演算し、高さの分散値に基づいて、溶接ビードの品質を評価するものである。
【0006】
この発明による第1の溶接ビードの品質評価方法では、高さの分散値が小さければ、高さが揃っていると評価され、高さの分散値が大きければ、高さが揃っていないと評価される。したがって、溶接ビードの測定区間の全体を通じて、ビードの高さが揃っているか否かを評価することができる。
【0007】
この発明による第2の溶接ビードの品質評価方法は、溶接ビードの長さ方向に所定間隔で溶接ビードの幅を測定して幅データを取得し、幅データから幅の分散値を演算し、幅の分散値に基づいて、溶接ビードの品質を評価するものである。
【0008】
この発明による第2の溶接ビードの品質評価方法では、幅の分散値が小さければ、幅が揃っていると評価され、幅の分散値が大きければ、幅が揃っていないと評価される。したがって、溶接ビードの測定区間の全体を通じて、ビードの幅が揃っているか否かを評価することができる。
【0009】
この発明による第3の溶接ビードの品質評価方法は、溶接ビードの長さ方向に所定間隔で溶接ビードの高さを測定し、各測定か所において高さが最大となるところをビードの中心位置であると認定することにより、ビードの中心位置に係わる位置データを取得し、位置データからビードの中心位置の分散値を演算し、ビードの中心位置の分散値に基づいて、溶接ビードの品質を評価するものである。
【0010】
この発明による第3の溶接ビードの品質評価方法では、ビードの中心位置の分散値が小さければ、ビードの中心位置が標準位置からずれていないと評価され、ビードの中心位置の分散値が大きければ、ビードの中心位置が標準位置からずれていると評価される。したがって、溶接ビードの測定区間の全体を通じて、ビードの中心位置が標準位置からずれているか否かを評価することができる。
【0011】
この発明による第4の溶接ビードの品質評価方法は、溶接ビードの長さ方向に所定間隔で溶接ビードの幅方向の大きさおよび位置を測定し、溶接ビードの幅方向における一方の側に最大に張出したか所と、その他方の側に最大に張出したか所との溶接ビード幅方向の距離を測定して、これをビード最大余盛幅とし、ビード最大余盛幅と溶接ビードの幅方向の大きさの比に基づいて、溶接ビードの品質を評価するものである。
【0012】
この発明による第4の溶接ビードの品質評価方法では、ビード最大余盛幅と溶接ビードの幅方向の大きさの比が小さいと、ビード最大余盛幅が小さいと評価され、ビード最大余盛幅と溶接ビードの幅方向の大きさの比が大きいと、ビード最大余盛幅が大きいと評価される。したがって、溶接ビードの測定区間の全体を通じて、ビード最大余盛幅の大小を評価することができる。
【0013】
この発明による第5の溶接ビードの品質評価方法は、溶接ビードの長さ方向に所定間隔で溶接ビードの高さを測定して高さデータを取得し、高さデータをフーリエ変換し、フーリエ変換後の高さデータの平均値を求め、フーリエ変換後の高さデータの平均値に基づいて、溶接ビードの品質を評価するものである。
【0014】
この発明による第5の溶接ビードの品質評価方法では、フーリエ変換後の高さデータの平均値が小さければ、ビードの波が小さいと評価され、フーリエ変換後の高さデータの平均値が大きければ、ビードの波が大きいと評価される。したがって、溶接ビードの測定区間の全体を通じて、ビードの波の大小を評価することができる。
【0015】
この発明による第6の溶接ビードの品質評価方法は、溶接ビードの長さ方向に所定間隔で溶接ビードの高さを測定して高さデータを取得し、高さデータをフーリエ変換し、フーリエ変換後の高さデータの分散値を求め、フーリエ変換後の高さデータの分散値に基づいて、溶接ビードの品質を評価するものである。
【0016】
この発明による第6の溶接ビードの品質評価方法では、フーリエ変換後の高さデータの分散値が小さければ、ビードの波の大きさが揃っていると評価され、フーリエ変換後の高さデータの分散値が大きければ、ビードの波が大きさが揃っていないと評価される。したがって、溶接ビードの測定区間の全体を通じて、ビードの波の大小が揃っているか否かを評価することができる。
【0017】
この発明による第7の溶接ビードの品質評価方法は、上記第1〜第6の発明の溶接ビードの品質評価方法を組合せるものである。
【0018】
この発明による第1の溶接ビードの形状測定方法は、基準面上の溶接ビードにスリット光を投影し、投影したスリット光をイメージブレーン上に結像させる溶接ビードの形状測定方法において、基準面上の溶接ビードの有無により、イメージブレーン上においてスリット光を移動させ、移動するスリット光の移動量を測定し、測定した移動量を用い、三角測量の原理に基づいて、基準面上における溶接ビードの3次元的データを取得することを特徴とするものである。
【0019】
この発明による第1の溶接ビードの形状測定方法では、取得した3次元的データが現実の数値と一致する。したがって、3次元的データを様々なデータに容易に加工することができる。
【0020】
この発明による第2の溶接ビードの形状測定方法は、溶接ビードにスリット光を投影し、投影したスリット光を撮影して溶接ビードの形状に係わるデータを取得する溶接ビードの形状測定方法において、取得したデータ上において溶接ビードの高さが最大となるところを認定するとともに、同データを微分して微分値を取得し、溶接ビードの高さが最大となるところ境界として、取得した微分値を2つの領域に区分し、各領域内において、微分値の平均を求め、微分値の平均となるところから標準偏差分だけ移動したところを幅の端であると認定することにより、溶接ビードの幅を取得するものである。
【0021】
この発明による第2の溶接ビードの形状測定方法では、ノイズ、雑音等の影響を受けることなく、取得したデータから溶接ビードの幅を確実に認定することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図面を参照してつぎに説明する。
【0023】
図1を参照すると、評価の対象となるワーク11が示されている。ワーク11は、開先同士を突合せた2枚の鉄板21と、開先を埋めて盛上るように形成された溶接ビード22とよりなる。
【0024】
ビード22の形状の特徴を表すものとして、高さHおよび幅Wがある。高さHとは、鉄板21表面からビード22頂点までの距離である。幅Wとは、ビード22の一方の側における盛上り開始点から、その他方の側における盛上り終了点までの距離である。
【0025】
ビード22の高さHおよび幅Wは、スリット光投影法によって測定される。そのための測定装置31が図2に示されている。測定装置31は、レーザ41およびCCDカメラ42と、これらをビード22の長さ方向と平行に移動させる移動手段43とよりなる。
【0026】
図3は、測定装置31の光学的配置を示すものである。垂直基準面S上にビード22の長さ方向が水平になるようにワーク11が置かれている。基準面Sとそれぞれ相対するようにレーザ41およびカメラ42が並べられている。レーザ41からはスリット光が基準面Sに向かって投射される。このときのスリット光は、基準面Sに対して所定の角度をもった垂直面に含まれている。カメラ42は、基準面Sと直交させられたレンズ51および基準面Sと平行なイメージプレーン52を有している。基準面S上に投影された光はレンズ51を通ってイメージプレーン52上で結像させられる。
【0027】
基準面S上にワーク11が無いときに、基準面S上に投影されたスリット光がP1で示されている。基準面S上にワーク11が有るときに、ワーク11表面に投影されたスリット光がP2で示されている。これら2つのスリット光P1、P2は、イメージプレーン52上における2つの位置P3、P4で結像する。ワーク11の有無により、イメージプレーン52上において、スリット光が2つの位置P3、P4間で移動し、これを、移動量δとして表される。この移動量δを、三角測量の原理に適用すると、基準面S上におけるビード22の3次元データが取得される。
【0028】
基準面S上におけるビード22の位置(X、Y、Z)は、つぎの(1)〜(3)式で表される。位置(X、Y、Z)は、現実の空間における数値と一致している。
【0029】
【数式1】
Figure 2004053427
ここに、(u、v):イメージプレーン52上の座標
h:基準面Sおよびレンズ51間の距離
d:レーザ41およびレンズ51間の距離
l:レンズ51およびイメージプレーン52間の距離である。
【0030】
レーザ41およびカメラ42をビード22の長さ方向と平行に移動させながら、複数の所定の測定位置でスリット光の投影画像を取得する。取得した投影画像には、ノイズ、雑音等の影響を無くすための様々な画像処理を施し、正確なスリット光の投影位置を抽出する。各測定点において抽出したスリットの光投影位置に基づいて、移動量δを求め、これを(1)〜(3)式に適用することにより、ビード22の3次元情報を取得する。取得したビード22の3次元情報の例を、図4に示す。
【0031】
つぎに、取得したビード22の3次元情報から、ビード22の形状の特徴を表す高さHおよび幅Wの情報を取得する。
【0032】
図5に、ビード22の高さ情報の求め方が図解されている。各測定点おいて、測定データの高さHmaxが最大となっている地点を求める。その地点を中心として、左右両側に一定間隔離れた地点の高さHl、Hrを求め、これらの高さHl、Hrの平均値を最大高さHmaxから引いた値をその測定点におけるビード22の高さHとする。すなわち、
H=Hmax−(Hl−Hr)/2     (4)
である。
【0033】
ビード22幅Wの求め方は、図6に示されている。ここでは、ビード22の測定データが正規分布をなすものと見なしている。測定データを微分して微分値のデータを取得する。先に求めたビード22の高さHが最大となる地点を中心として、左右2つの領域Al、Arに分ける。左側の領域Alでは微分値は正成分となり、右側の領域Arでは負成分となっている。左側の領域Alにおいて、正成分の微分値の平均Mlを求め、その平均Mlから左側に標準偏差分εだけ移動した地点をビード22の幅W方向左側の端であると認定する。右側の領域においても同様に、負成分の微分値の平均Mrから右側に標準偏差分εだけ移動した地点をビード22の幅W方向右側の端であると認定する。このようにして得られた2つの地点間の距離をビード22の幅Wであると認定する。
【0034】
以上により求められたビード22の高さHおよび幅Wのデータの一例が図7および図8にそれぞれ示されている。
【0035】
ビード22の品質を評価するためには、つぎの6つの特徴量を抽出する。
【0036】
(1) 高さの分散値
(2) 幅の分散値
(3) ビード中心位置の分散値
(4) ビード最大余盛幅に対するビード幅の比の加算値
(5) 高さデータの離散フーリエ変換後の平均値
(6) 高さデータの離散フーリエ変換後の分散値
高さHおよび幅Wの分散値は、実際の評価においてビード22の高さHや幅Wの全体的なバランス等が評価されることから用いられる特徴量である。すなわち、溶接ビード22の高さHや幅Wが整ったものとなっているかを評価する場合、良好なものは高さHおよび幅Wがほぼ一定であり、そのため、良好なものでは分散値が低くなり、逆に粗悪なものは分散値が高くなると推測できる。
【0037】
ビード中心位置Cとは、図9に示すように、先に求めた測定データの高さHが最大となっている地点のことである。良好なビード程、ビード中心位置Cはほぼ一直線上に並ぶこととなって、分散値は低くなり、粗悪なビード程、ビード中心位置Cは直線からはずれて大きく蛇行し、分散値は高くなると推測できる。
【0038】
以上、3種類の分散値は、先に取得したビード22の高さHおよび幅Wのデータから、つぎの(5)式によって求められる。
【0039】
【数式2】
Figure 2004053427
ここに、σは分散値、Nはサンプル数、mは平均値、Piはサンプル値である。
【0040】
ビード最大余盛幅Wmaxについて、つぎのように定義する。図10(a)には蛇行するビード22、図10(b)には部分的に幅広部をもつビード22がそれぞれ示されている。これらのビード22の形態を考慮して、ビード22の幅方向における上側に最大に張出したか所と、その下側に最大に張出したか所との上下方向の距離を測定し、これをビード最大余盛幅Wmaxと定義する。ビード最大余盛幅Wmaxに対するビード幅Wの比を各測定点において算出し、全ての測定点で算出した比を全て加算したものを、ビード最大余盛幅Wmaxに対するビード幅Wの比の加算値とする。この加算値が小さい程、ビード最大余盛幅Wmaxが整っていると考えられる。
【0041】
高さデータの離散フーリエ変換後の平均値および分散値は、ビードピッチに着目したものである。ビードピッチとはビード22を形成する波の間隔を指す。溶接を行う際、溶接棒を溶接部位に対し一定の速度で動かすことができればビードピッチが一定に保たれると考えられる。ビードピッチが一定であれば、溶接部位に均等に熱や圧力が加えられ、溶接の強度は高くて、高品質の溶接であるといえる。逆に、ビードピッチがまちまちであると、熱や圧力が均等に加わらず、強度の弱い溶接と考えられる。要するに、ビードピッチに周期性が見られる程、溶接が高品位であると推察される。
【0042】
図11(a)に示す高さHのデータから、これらの平均値を求め、高さHのデータから平均値を引いた平均値0の離散的な波のデータを取得する。これを、図11(b)に示す。この離散データに対して、波の周期性を特徴としてとらえるために離散フーリエ変換を施した結果が図11(c)に示されている。図11(c)は横軸に周波数が、縦軸にスペクトルがそれぞれとられている。
【0043】
離散フーリエ変換は、時間的な離散データ(a0、a1、…、aN)を周波数データ(A0、A1、…、AN )に変換するものである。その変換式をつぎに示す。
【0044】
【数式3】
Figure 2004053427
図11(c)に示す高さHのデータの離散フーリエ変換後の値に基づいて、そのスペクトルの平均値および分散値を求める。平均値が小さい程、波が無いことを意味し、分散値が小さい程、波のピッチが一定であることを意味する。
【0045】
つぎに、本願発明による評価方法の有効性を検証するための実験を行ったので、これを説明する。
【0046】
ワーク11として、48枚のサンプルを用いた。これらのサンプルは、実際に行われた溶接技能試験に供せられかつ試験官によって評点されたものである。評点は、満点20点で行われている。
【0047】
48枚のサンプルに対し、測定装置31を1mmずつ移動させながら、1サンプルあたり所定枚数ずつの画像を取得した。取得した画像に対し、上記データ処理を施し、それぞれのサンプルに対し、6つの特徴量をそれぞれ抽出した。
【0048】
溶接技能試験における評点と、6つの特徴量との対比を図12(a)〜(f)に示す。図12(a)〜(f)の横軸には溶接技能試験における評点が、図12(a)〜(f)の縦軸には抽出した6つの特徴量の値がサンプル毎に示されている。図12(a)〜(f)中、点線は各評価点での特徴量の平均値を示している。図12(a)〜(f)の中でも、図12(a)、(e)および(f)に示すビード高さHの分散値、フーリエ変換後の平均値および分散値については、評点の大きいもの程、それらの値が低くなっていることが顕著に見てとれる。
【0049】
さらに、6つの特徴量を総合して評価するケースについて説明する。
【0050】
48枚のサンプルからそれぞれ抽出した6つずつの特徴量は、その平均値や分散値が低いもの程、評価が良好である。そこで、6つの特徴量のそれぞれにおいて、48枚のサンプルの値のうち、最小の値を良好な基準値とし、最大の値を粗悪な基準値として設定する。そして、これらの基準値から、評価対象の個々のサンプルの特徴量がどれだけ離れているか、その度合を定量評価する。すなわち、良好または粗悪な基準値に評価対象の特徴量を加減算したものと、良好または粗悪な基準値との比を求める。さらに、良好な基準値からの離れ度合いを減点、粗悪な基準値からの離れ度合いを加点とし、これらの点数を合計したものを最終的な定量評価の値とする。加点要素をAi、減点要素をDiとすると、評価値Scoreは、つぎの式によって表される。ここに、iはサンプル数48であり、Eは特徴量数6である。
【0051】
【数式4】
Figure 2004053427
評価値は、比の値であるため、各特徴量の最高点は、1.0である。一方、試験官による評点は最高が20であるため、評価値と評点を比較し易くするために、評価値Aoldをつぎの式を用いて補正し、その補正値Anewをグラフにして、図13に示す。
【0052】
Anew=20Aold/E          (11)
図13(a)では加点を黒○印とし、減点を+印として別々に示し、これらを合計したものが図13(b)に示されている。若干のばらつきは見られるが、評価値と評点の間に関連性があることが見られるであろう。
【0053】
以上、6つの特徴量に基づいて説明したが、これ以外の特徴量を抽出することも可能である。何故ならば、上記したように、ビード22の3次元情報を現実の数値として取得しており、これは、どのようにも加工することができるため、必要に応じて、任意の情報の取得は容易に行える。
【0054】
ビード22の品質評価に際し、6つの特徴量を個別に用いても良いし、複数または全ての特徴量を組み合わせても良い。中でも、上記したように、良い傾向を示したビード高さHの分散値、フーリエ変換後の平均値および分散値の3つの特徴量を組み合わせることにより、良い結果がもたらされることは推察される。複数の特徴量を組み合わせる場合、個々の特徴量の重みを一定にするか、特徴量の個々に異なる重みを持たせる選択肢も考えられる。
【0055】
【発明の効果】
この発明によれば、溶接ビードの測定区間の全体を通じて、溶接ビードの品質を正しく評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による評価方法に用いられるワークの斜視図である。
【図2】この発明による評価方法に用いられる測定装置の斜視図である。
【図3】同測定装置の光学的配置説明図である。
【図4】この発明による評価方法によって取得されたビードの3次元データを示す説明図である。
【図5】同3次元データからビードの高さデータを取得するための解説図である。
【図6】同ヒー度の幅を取得するための解説図である。
【図7】取得したビードの高さデータの一例を示すグラフである。
【図8】取得したビードの幅データの一例を示すグラフである。
【図9】ビートの中心位置の説明図である。
【図10】ビード最大余盛幅の説明図である。
【図11】ビードの高さデータをフーリエ変換するための説明図である。
【図12】6つの特徴量毎の評価結果を示すグラフである。
【図13】6つの特徴量を加算した評価結果を示すグラフである。
【符号の説明】
11 ワーク
21 鉄板
22 ビード
31 測定装置
41 レーザ
42 カメラ

Claims (9)

  1. 溶接ビードの長さ方向に所定間隔で溶接ビードの高さを測定して高さデータを取得し、高さデータから高さの分散値を演算し、高さの分散値に基づいて、溶接ビードの品質を評価する溶接ビードの品質評価方法。
  2. 溶接ビードの長さ方向に所定間隔で溶接ビードの幅を測定して幅データを取得し、幅データから幅の分散値を演算し、幅の分散値に基づいて、溶接ビードの品質を評価する溶接ビードの品質評価方法。
  3. 溶接ビードの長さ方向に所定間隔で溶接ビードの高さを測定し、各測定か所において高さが最大となるところをビードの中心位置であると認定することにより、ビードの中心位置に係わる位置データを取得し、位置データからビードの中心位置の分散値を演算し、ビードの中心位置の分散値に基づいて、溶接ビードの品質を評価する溶接ビードの品質評価方法。
  4. 溶接ビードの長さ方向に所定間隔で溶接ビードの幅方向の大きさおよび位置を測定し、溶接ビードの幅方向における一方の側に最大に張出したか所と、その他方の側に最大に張出したか所との溶接ビード幅方向の距離を測定し、これをビード最大余盛幅とし、ビード最大余盛幅と溶接ビードの幅方向の大きさの比に基づいて、溶接ビードの品質を評価する溶接ビードの品質評価方法。
  5. 溶接ビードの長さ方向に所定間隔で溶接ビードの高さを測定して高さデータを取得し、高さデータをフーリエ変換し、フーリエ変換後の高さデータの平均値を求め、フーリエ変換後の高さデータの平均値に基づいて、溶接ビードの品質を評価する溶接ビードの品質評価方法。
  6. 溶接ビードの長さ方向に所定間隔で溶接ビードの高さを測定して高さデータを取得し、高さデータをフーリエ変換し、フーリエ変換後の高さデータの分散値を求め、フーリエ変換後の高さデータの分散値に基づいて、溶接ビードの品質を評価する溶接ビードの品質評価方法。
  7. 請求項1〜6に記載の溶接ビードの品質評価方法を組合せる溶接ビードの品質評価方法。
  8. 基準面上の溶接ビードにスリット光を投影し、投影したスリット光をイメージブレーン上に結像させる溶接ビードの形状測定方法において、基準面上の溶接ビードの有無により、イメージブレーン上においてスリット光を移動させ、移動するスリット光の移動量を測定し、測定した移動量を用い、三角測量の原理に基づいて、基準面上における溶接ビードの3次元的データを取得することを特徴とする溶接ビードの形状測定方法。
  9. 溶接ビードにスリット光を投影し、投影したスリット光を撮影して溶接ビードの形状に係わるデータを取得する溶接ビードの形状測定方法において、取得したデータ上において溶接ビードの高さが最大となるところを認定するとともに、同データを微分して微分値を取得し、溶接ビードの高さが最大となるところ境界として、取得した微分値を2つの領域に区分し、各領域内において、微分値の平均を求め、微分値の平均となるところから標準偏差分だけ移動したところを幅の端であると認定することにより、溶接ビードの幅を取得する溶接ビードの形状測定方法。
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