JP2011173484A - 車両用冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却ファンを大型化しなくても空冷式の熱交換器を十分に冷却することができる車両用冷却装置を提供する。
【解決手段】コア33に冷却風A1および/またはA2を通すことで冷却する空冷式の熱交換器30と,熱交換器30の一面33rに対向させて設けられていてコア33に対し冷却風A2を通過させることができる冷却ファン40とを備え,コア33の,冷却ファン40が配置される側の面33rに対し,冷却ファン40の周囲と面33rとの間を覆い,車両が走行する時の走行風A1を受けて開放される可変シュラウド50を設けた。
【選択図】図6

Description

本発明は,車両用冷却装置に関するものである。
従来,車両用冷却装置として,例えば特許文献1に見られるような車両用冷却装置が知られている。同文献の符号を借りて説明すると,この車両用冷却装置は,車両(1)に取り付けられた空冷式の熱交換器としてのラジエーター(24)と,このラジエーター(24)の一面に対向させて設けられていてラジエーター(24)に対して冷却風を通過させることができる冷却ファン(25)とを備えており,車両(1)の停車時等,走行風によるラジエーター(24)の冷却が望めない時には冷却ファン(25)を作動させてラジエーター(24)を補助的に冷却することができる。
特開2000−238687号公報
上述した従来の車両用冷却装置は,冷却用ファン(25)の作動時に,ラジエーター(24)における,冷却用ファン(25)との対向部位,すなわち,冷却用ファン(25)のラジエーター(24)への投影面積に略等しい部位については,冷却風を通過させてラジエーター(24)を部分的に冷却することができる。
しかし,従来の車両用冷却装置では,冷却用ファン(25)の作動時,ラジエーター(24)における冷却用ファン(25)との対向部位しか冷却できないため,十分な冷却効果を得ようとすれば,冷却用ファン(25)を大型化するしかない。しかし,冷却ファン(25)を大型化すると,車両走行時にラジエーター(24)を通過しようとする走行風に対し,冷却用ファン(25)が大きな抵抗となってしまうため,走行時におけるラジエーター(24)の冷却効果が低減されるおそれがある。また,冷却用ファン(25)の大型化は,重量増大およびコストアップを招く。
本発明が解決しようとする課題は,冷却ファンを大型化しなくても空冷式の熱交換器を十分に冷却することができる車両用冷却装置を提供することである。
上記課題を解決するために本発明の車両用冷却装置は,クーラントが通るチューブと,このチューブと一体のフィンとを有するコアに冷却風を通すことでクーラントを冷却する,車両に取り付けられる,空冷式の熱交換器と,
この熱交換器の一面に対向させて設けられていて前記コアに対し冷却風を通過させることができる冷却ファンと,を備えた車両用冷却装置であって,
前記コアの,前記冷却ファンが配置される側の面(コア面ともいう)に対し,前記冷却ファンの周囲と前記面との間を覆い,かつ,前記車両が走行する時の走行風を受けて開放される可変シュラウドを設けたことを特徴とする。
この車両用冷却装置によれば,空冷式の熱交換器におけるコアの,冷却ファンが配置される側の面に対し,冷却ファンの周囲と前記面との間を覆う可変シュラウドが設けられているので,冷却ファンの作動時には,前記コアの可変シュラウドで覆われている部位に冷却風を通過させてコアを冷却することができる。したがって,冷却ファンのコアへの投影面積に等しい部位に比べてより広い部位に冷却風を通過させてコアを冷却することができるため,冷却ファンを大型化しなくても空冷熱交換器を十分に冷却することが可能になる。
一方,車両が走行する際には,その走行風を受けて可変シュラウドが開放されるため,コアを通過しようとする走行風に対し,可変シュラウドが大きな抵抗となることはない。
したがって,車両走行時においても十分な冷却効果が得られることとなる。
すなわち,この発明の車両用冷却装置によれば,コア面と冷却ファンの周囲との間を覆うシュラウドが,車両走行時の走行風に応じて開放される可変シュラウドとして構成されているため,これによって冷却ファン作動時および車両走行時のいずれの場合においても十分な冷却効果が得られることとなる。
望ましくは,前記可変シュラウドは,前記車両の走行時に前記コアを通過する走行風に対し交差させて設けられた複数枚の板部材を備え,それら板部材は,それぞれ前記走行風を受け走行風に従って回動可能に構成する。
このように構成すると,車両の走行時に,可変シュラウドを構成する複数の板部材が走行風を受け走行風に従って回動して走行風を逃がすため,複雑な構造を用いることなく可変シュラウドを実現することができる。また,熱交換器のコア面の形状に応じて,可変シュラウドの形状を任意に形成することが容易になる。
さらに望ましくは,前記走行風に対する受圧面積に関し,前記複数の板部材のうちの少なくとも一枚を他の板部材に比べて大きな受圧面積を有する開放制御板として構成し,この開放制御板と他の板部材との間に,開放制御板の開閉と他の板部材の開閉とを連動させる連動部材を設けた構成とする。
このように構成すると,開放制御板の受圧面積を適切に設定することによって,他の板部材の受圧面積によらず,開放制御板部および他の全ての板部材の開閉タイミングを適切に制御することができる。
また望ましくは,前記複数の板部材は,弾性部材で構成する。
このように構成すると,走行風を受けた板部材が,自身の弾性で変形して開状態となるため,必ずしも板部材を軸部材等を用いて回動可能に支持する必要が無くなる。したがって,部品点数の削減および生産性の向上を図ることができる。
また,上記課題を解決するために本発明の車両用冷却装置は,クーラントが通るチューブと,このチューブと一体のフィンとを有するコアに冷却風を通すことでクーラントを冷却する,車両に取り付けられる,空冷式の熱交換器と,
この熱交換器の一面に対向させて設けられていて前記コアに対し冷却風を通過させることができる冷却ファンと,を備えた車両用冷却装置であって,
前記コアの,前記冷却ファンが配置される側の面に対し,前記冷却ファンの周囲と前記面との間を覆い,かつ,前記冷却ファンの作動時に閉じ,前記冷却ファンの非作動時に開く可変シュラウドを設けたことを特徴とする。
この車両用冷却装置によれば,空冷式の熱交換器におけるコアの,冷却ファンが配置される側の面に対し,冷却ファンの周囲と前記面との間を覆う可変シュラウドが設けられており,この可変シュラウドは冷却ファンの作動時に閉じ,冷却ファンの非作動時に開くので,冷却ファンの作動時には,前記コアの可変シュラウドで覆われている部位に冷却風を通過させてコアを冷却することができる。したがって,冷却ファンのコアへの投影面積に等しい部位に比べてより広い部位に冷却風を通過させてコアを冷却することができるため,冷却ファンを大型化しなくても空冷熱交換器を十分に冷却することが可能になる。
一方,冷却ファンの非作動時には,可変シュラウドが開き,コアを通過しようとする走行風に対して可変シュラウドが大きな抵抗とはならなくなるため,車両の走行による走行風を利用して空冷熱交換器を十分に冷却することができる。
すなわち,この発明の車両用冷却装置によれば,コア面と冷却ファンの周囲との間を覆うシュラウドが,冷却ファンの作動,非作動に応じて開閉する可変シュラウドとして構成されているため,これによって冷却ファン作動時および非作動時のいずれの場合においても十分な冷却効果が得られることとなる。
望ましくは,前記冷却ファンは,その回転するファンの外周に当該ファンとともに回動する円筒部を有し,前記可変シュラウドは,前記冷却ファンの作動時に前記円筒部と接触することで閉方向にスライドするシャッターと,このシャッターを開方向に付勢していて前記冷却ファンの非作動時にシャッターを開く付勢部材とを有している構成とする。
このように構成すると,冷却ファンの作動時に,冷却ファンの円筒部とシャッターとの接触による摩擦力でシャッターが前記付勢部材による付勢力に抗して閉じ,冷却ファンの非作動時には,前記シャッターが前記付勢部材による付勢力で開くので,可変シュラウドを開閉させるための特別な動力を必要としないで,可変シュラウドを開閉させることができる。
また望ましくは,前記冷却ファンは,その回転するファンの外周に設けられていて当該ファンとともに回動する円筒部と,この円筒部に基部が取り付けられていて前記コア面に向かって延び,該延長部が前記冷却ファン作動時の前記円筒部の回転による遠心力で拡径して可変シュラウドを閉じ,前記冷却ファン非作動時には前記延長部が自身の弾性により縮径して可変シュラウドを開く円筒弾性部材とを有している構成とする。
このように構成すると,冷却ファンの作動時に,円筒弾性部材の延長部が遠心力で拡径して可変シュラウドが閉じ,冷却ファンの非作動時には,円筒弾性部材の延長部が自身の弾性により縮径して可変シュラウドが開くので,可変シュラウドを開閉させるための特別な動力を必要としないで,可変シュラウドを開閉させることができる。
本発明に係る車両用冷却装置を備えた車両の一例である自動二輪車の正面図。 同じく左側面図 同じくサイドカウルを除去し主としてフレーム構造と冷却装置を示した部分拡大右側面図。 冷却装置20を示す図で,(a)は車両後方から見た図,(b)は図(a)の底面図。 冷却装置20を車両斜め後方から見た斜視図。 (a)(b)はそれぞれ比較例を示す概略側面図,(c)(d)は本実施の形態に係る冷却装置の基本構造および作動を示す概略側面図。 可変シュラウド50の構成例を示す図で,(a)は冷却装置20を車両進行方向後方から見た図,(b)は冷却装置20の他の例を車両進行方向後方から見た図,(c)は図(a)または(b)におけるc−c断面図。 (a)(b)は,図7(a)または(b)におけるd−d断面図で,(a)は冷却ファン40が作動しているときの状態を示す図,(b)は冷却ファン40が作動していないときの状態を示す図,(c)は図(a)における部分省略c矢視拡大図。 (a)(b)は,図7(a)または(b)におけるd−d断面図で,(a)は冷却ファン40が作動しているときの状態を示す図,(b)は冷却ファン40が作動していないときの状態を示す図。 (a)(b)は,図7(a)または(b)におけるd−d断面図で,(a)は冷却ファン40が作動しているときの状態を示す図,(b)は冷却ファン40が作動していないときの状態を示す図。 (a)(b)は,図7(a)または(b)におけるd−d断面図で,(a)は冷却ファン40が作動しているときの状態を示す図,(b)は冷却ファン40が作動していないときの状態を示す図。 図11に示した例の変形例を示す図。 可変シュラウド50の基本構成の変形例を示す図で,(a)は冷却装置20を車両進行方向後方から見た図,(b)は図(a)におけるb−b断面図。 (a)(b)はいずれも図13(a)におけるb−b断面を斜視図で示した図で,(a)は冷却ファン40が作動しているときの状態を示す図,(b)は冷却ファン40が作動していないときの状態を示す図。 (a)(b)はいずれも図13(a)におけるb−b断面を斜視図で示した図で,(a)は冷却ファン40が作動しているときの状態を示す図,(b)は冷却ファン40が作動していないときの状態を示す図。 可変シュラウド50の他の基本構成例を示す図で,(a)は冷却装置20を車両進行方向後方から見た図(背面図),(b)は図(a)におけるb−b拡大断面図,(c)は本体52を示す背面図,(d)はシャッター57を示す背面図,(e)は冷却ファン40が作動しているときの状態を示す作動説明図,(f)は図(e)におけるf−f拡大断面図。 可変シュラウド50の他の構成例を示す図で,(a)(b)はいずれも冷却装置20の縦断面(図13(a)におけるb−b断面に相当する図)を斜視図で示した図で,(a)は冷却ファン40が作動しているときの状態を示す図,(b)は冷却ファン40が作動していないときの状態を示す図。
以下,本発明に係る車両用冷却装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る車両用冷却装置を備えた車両の一例である自動二輪車の正面図,図2は同じく左側面図,図3は同じくサイドカウルを除去し主としてフレーム構造と冷却装置を示した部分拡大右側面図である。
この自動二輪車1は,車体をなす車体フレーム10を有している。車体フレーム10は,車体フレーム10の前端を構成するヘッドパイプ11と,このヘッドパイプ11から後方に延びるメインフレーム12と,このメインフレーム12の後部に設けられたピボットプレート13と,このピボットプレート13および前記メインフレーム12から後方に延びるシートレール14と,前記ヘッドパイプ11から後下方に延びる左右一対のダウンチューブ15,15とを有している。
ヘッドパイプ11には,操舵装置STがヘッドパイプ11の軸線回りに回動自在に保持されている。操舵装置STはハンドル11hでヘッドパイプ11回りに回動操作される一対のフロントフォーク11fを有し,このフロントフォーク11fの下端に前輪1Fが回転自在に取り付けられている。
メインフレーム12,ピボットプレート13,およびダウンチューブ15に対してエンジン16が固定されている。
ピボットプレート13にスイングアーム17がピボット軸13pで上下スイング自在に取り付けられており,このスイングアーム17の後端部に駆動輪である後輪1Rが回転可能に取り付けられている。後輪1Rはエンジン16で駆動される。
シートレール14の上部にはライダーが着座するシート18が設けられている。
車体の前部はフロントカウル19fと,左右のサイドカウル19sとで覆われている。
図1〜図3に示すように,この実施の形態の車両用冷却装置(以下単に冷却装置ともいう)20は,ダウンチューブ15に取り付けられている。
図4は冷却装置20を示す図で,(a)は車両後方から見た図,(b)は図(a)の底面図である。図5は車両斜め後方から見た斜視図である。
これらの図に示すように,冷却装置20は,空冷式の熱交換器(ラジエーター)30と,冷却ファン40と,可変シュラウド50とを備えている。
図4に示すように,熱交換器30は,クーラント(この実施の形態では冷却水)が通る多数の金属製のチューブ31と,このチューブ31と一体の多数の金属製のフィン32とを有するコア33と,このコア33の一端側(チューブ31の一端側)に設けられていてコア33にクーラントを供給する入口タンク34と,コア33の他端側(チューブ31の他端側)に設けられていてコア33からクーラントを回収する出口タンク35とを有しており,コア33に冷却風Aを前方から後方へ通すことでクーラント(冷却水)を冷却する。入口タンク34と出口タンク35は,コア33の上下を保護する保護プレート36,36で連結されている。これら入口タンク34,出口タンク35,および保護プレート36,36は,熱交換器30のフレームを構成している。
上下の保護プレート36,36には,冷却装置20を車体フレーム10に取り付けるためのブラケット21,22,22が一体に設けられている。一方,図1〜図3に示すように,車体フレーム10の左右一対のダウンチューブ15には,その上部を連結するクロスメンバー15uと,中程を連結するクロスメンバー15mとが一体に設けられており,これらクロスメンバー15u,15mに,冷却装置20を固定するためのステー15s1,15s2,15s2が一体に設けられている。
冷却装置20は,上記ブラケット21,22,22を上記ステー15s1,15s2,15s2にそれぞれボルトナット21bで締結することによって,ダウンチューブ15に固定される。
図4,図5に示すように,熱交換器30の入口タンク34には冷却水を取り入れる入口パイプ34iが設けられ,出口タンク35には冷却水を排出する出口パイプ35oが設けられている。
図2に示すように,入口パイプ34iは,配管34pでエンジン16に設けられたウォーターポンプ16pに接続される。ウォーターポンプ16pはエンジン16のウォータージャケットからの冷却水を熱交換器30へ供給するポンプである。
図2,図3に示すように,出口パイプ35oは,配管35pで,エンジン16に設けられたウォータージャケット(図示せず)における冷却水入口16iに接続される。
したがって,冷却水は,ウォーターポンプ16pの作動により,ウォーターポンプ16p→配管34p→熱交換器30の入口パイプ34i→入口タンク34→複数のチューブ31→出口タンク35→出口パイプ35o→配管35p→エンジン16のウォータージャケット→ウォーターポンプ16pの順で循環し,複数のチューブ31を通過する過程で冷却風Aによりフィン32を介した熱交換で冷却されることとなる。
冷却風Aは,車両1が走行しているときは,その走行風A1により生じ(走行風A1自体が冷却風Aとなる),車両1が停止しているかあるいはその走行速度が遅い(走行風A1による冷却効果が十分には得られない程度に遅い)ときには,冷却ファン40の作動(この実施の形態では冷却ファン40による吸引風A2)によって発生させられる。冷却ファン40の作動を制御する手段は公知の手段を採用することができる。例えば,上述した冷却水の循環経路中の適所に冷却水の温度を検出する温度センサを設け,この温度センサを,車両に搭載されたコントローラに電気的に接続するとともに,冷却ファン40もコントローラに電気的に接続し,温度センサにより検出された冷却水温度が所定値以上になったとコントローラが判断したとき,コントローラが冷却ファン40を作動させ,上記所定値を下回ったとコントローラ判断したとき,コントローラが冷却ファン40の作動を停止させる構成を採用することができる。
図4に示すように,冷却ファン40は,熱交換器30すなわちコア33の一面(この実施の形態では車両進行方向背面)33rに対向させて設けられていて,コア33に対し冷却風A(吸引風A2)を前方から後方へと通過させることができる。
冷却ファン40は,リング状(短い筒状)のケース41と,このケース41の背部に支持部材42で固定されたモータ43と,ケース41内においてモータ43の出力軸44に固定されたファン45とを備えている。
保護プレート36にはL字形の固定部材36bが一体的に固着されており,この固定部材36bに支持部材42が固定されている。
支持部材42は,円盤状の中央部42cと,この中央部から一体に放射状に延びた3本のアーム部42aと,その内の一本のアーム部42aと中央部42cとを一体に連結する連結部42dと,この連結部42dに一体に設けられた一対のフック部42fとを有しており,フック部42fを保護プレート36に係合させるとともに,アーム部42aをボルトナット42bで固定部材36bに締結固定することで,一対の保護プレート36の間に固定されている。
モータ43は,そのフランジ部43f(図4(b))を複数本のビス43bで支持部材42の中央部42cに締結固定することで支持部材42とコア33との間に固定されている。
ケース41の上縁には3本のアーム41aが上方に向かってクランク上に一体に設けられており,これらアーム41aの上部を上記ビス43bでモータ43のフランジ部43fと共締めすることによって,ケース41は冷却ファン40とともに支持部材42に固定されている。
可変シュラウド50は,コア33の,冷却ファン40が配置される側の面(コア面ともいう)33rに対し,冷却ファン40の周囲とコア面33rとの間を覆い,かつ,前記車両1が走行する時の走行風A1を受けて開放される。
以下,詳しく説明する。
先ず比較例について説明する。
図6(a)(b)はそれぞれ比較例を示す概略側面図であり,図6(c)(d)は本実施の形態に係る冷却装置の基本構造を示す概略側面図である。なお,図6に示す熱交換器30はタンク34,35が上下に配置されているタイプのものであるが,上述した実施の形態においても,同様の熱交換器30を採用し得る。
図6(a)に示す例は図6(b)に示す例に比べて小型のファンF2を熱交換器30に対して設けたものである。
この例ではファンF2の作動時に,熱交換器30における,ファンF2との対向部位,すなわち,ファンF2の熱交換器30への投影面積に略等しい部位については,矢印A2で示すように吸引風による冷却風A2を通過させて熱交換器30を部分的に冷却することができる。
しかし,この例では,ファンF2の作動時,熱交換器30におけるファンF2との対向部位しか冷却できない。したがって,十分な冷却効果を得ようとすれば,図6(b)に示すように,ファンを大型化するしかない。大型化したファンをF2で示す。しかし,ファン(F2)を大型化すると,同図に示すように車両走行時に熱交換器30を通過しようとする走行風A1に対し,大型化したファンF2が抵抗となってしまうため,走行時における熱交換器30の冷却効果が低減されるおそれがある。また,ファン(F2)の大型化は,重量増大およびコストアップを招く。
そこで,冷却ファンを大型化しなくても空冷式の熱交換器30を十分に冷却することができるようにすべく,この実施の形態の冷却装置20では,図6(c)に示すように可変シュラウド50を設け,この可変シュラウド50は,コア33の,冷却ファン40が配置される側の面(コア面)33rに対し,冷却ファン40の周囲とコア面33rとの間を覆い,かつ,図6(d)に示すように前記車両1が走行する時の走行風A1を受けて開放される基本構造とした。
このような基本構造の車両用冷却装置20によれば,空冷式の熱交換器30におけるコア33の,冷却ファン40が配置される側のコア面33rに対し,冷却ファン40の周囲とコア面33rとの間を覆う可変シュラウド50が設けられているので,冷却ファン40の作動時には,図6(c)に示すようにコア33の可変シュラウド50で覆われている部位に冷却ファン40による冷却風A2を通過させてコア33を冷却することができる。したがって,冷却ファン40のコア33への投影面積に等しい部位に比べてより広い部位(可変シュラウド50で覆われている部位)に冷却風A2を通過させてコア33を冷却することができるため,冷却ファン40を大型化しなくても空冷熱交換器30を十分に冷却することが可能になる。
一方,車両1が走行する際には,その走行風A1を受けて図6(d)に示すように可変シュラウド50が開放されるため,コア33を通過しようとする走行風A1に対し,可変シュラウド50が大きな抵抗となることはない。
したがって,車両走行時においても十分な冷却効果が得られることとなる。
すなわち,この実施の形態の車両用冷却装置20によれば,コア面33rと冷却ファン40の周囲との間を覆うシュラウド50が,車両走行時の走行風A1に応じて開放される可変シュラウドとして構成されているため,これによって冷却ファン作動時および車両走行時のいずれの場合においても十分な冷却効果が得られることとなる。
以下,可変シュラウド50の構成例について説明する。
図7は可変シュラウド50の構成例を示す図で,(a)は冷却装置20を車両進行方向後方から見た図,(b)は冷却装置20の他の例を車両進行方向後方から見た図,(c)は図(a)または(b)におけるc−c断面図である。図8(a)(b),図9(a)(b),図10(a)(b),図11(a)(b)はいずれも図7(a)または(b)におけるd−d断面図で,(a)は冷却ファン40が作動しているときの状態を示す図,(b)は冷却ファン40が作動していないときの状態を示す図である。なお,図8(c)は図8(a)における部分省略c矢視拡大図である。
これらの図に示す可変シュラウド50は,いずれも,車両1(図1〜図3参照)の走行時にコア33を通過する走行風A1(図8(b))に対し交差させて設けられた複数枚の板部材(フラップ)51を備えている。これらの板部材51は,車両1の走行時にそれぞれ走行風A1を受け走行風A1に従って回動可能である。
いずれの可変シュラウド50も,コア面33rを全体的に覆うカバー状の本体52を有している。この本体52に,複数の開口53が設けられており,それぞれの開口53に対して,該開口53を開閉する板部材(フラップ)51が設けられている。本体52は合成樹脂で構成することができる。板部材51は合成樹脂あるいはゴムで板状またはシート状に構成することができる。
開口53の形状は,走行風A1を可変シュラウド50の後方へ逃がすことができる形状であれば任意である。図7(a)における最上部の開口53aと最下部の開口53dは,本体52の略全幅に亘って延びる開口であり,図7(a)における中程の開口53b,53cは冷却ファン40の左右において冷却ファン40の外殻に沿わせて開口させたものである。そのため,開口53b,53cの冷却ファン40と対向する一辺は円弧状となっている。図7(b)における開口53は矩形で,冷却ファン40の左右に配置されており,上下方向にそれぞれ4個,計8個設けてある。
これらの開口53を開閉する板部材51は,各開口53に適合した形状(相似形)となっている。
なお,図4,図5に示した可変シュラウド50は,図7(b)に示した構造を採用したものである。
板部材51を開閉可能に支持する構造も,適宜の構造を採用し得る。
図8に示す例は,本体52に対し,板部材51を,スプリング54sが内蔵または組み込まれた蝶番54で回動可能に取り付けたものである。板部材51は,蝶番54に内蔵された(または組み込まれた)スプリング54sによって常時,閉方向へ付勢されている。
したがって,車両1が停止しているかあるいはその走行速度が遅いために板部材51に対して該板部材51を開かせるだけの風圧が作用しないときは,図8(a)に示すように,板部材51が開口53を閉じた状態となる。この状態において,冷却ファン40が作動すると,図7(c)および図8(a)に示すように,冷却ファン40による吸引風A2が発生し,この吸引風A2によってコア33を全体的に冷却することができる。なお,冷却ファン40の作動は可変シュラウド50内に負圧を生じさせるため,板部材51による開口53の閉塞作用は強化される。この作用は他の例においても同様である。
一方,車両1の走行による走行風A1が板部材51を開かせるだけの大きさになると,図8(b)に示すように,板部材51が蝶番54のスプリング54sによる付勢力に抗して開口53を開き,走行風A1を通過させる状態となる。冷却ファン40が設けられている部分についても冷却ファン40を通るようにして走行風A1は通過し得るため(図7(c)の符号(A1)参照。以下同じ),車両走行時においても十分な冷却効果が得られることとなる。なお,スプリング54sによる付勢力は,車両1の走行速度が15Km/h程度に達したときに板部材51が開き始める程度の付勢力とする。また,スプリング54sは設けずに,板部材51が自重で閉じる構成とすることもできる。板部材51が開き始める車両1の速度は,他の例においても同程度に設定することができる。
このような構成によると,車両1の走行時に,可変シュラウド50を構成する複数の板部材51が走行風A1を受け走行風A1に従って回動して走行風A1を逃がすため,複雑な構造を用いることなく可変シュラウド50を実現することができる。また,熱交換器30のコア面33rの形状に応じて,可変シュラウドの形状を任意に形成することが容易になる。このような効果は,以下に説明する全ての例についても,同様に得られる。
図9に示す例は,板部材51を薄いゴム板等,所望の可撓性を有する弾性部材で構成し,その板部材51の一辺(図示のものは上部)を本体52に対しでリベット55で固定したものである。板部材51は,自由状態では平板形状を保ち,図9(a)に示すように開口53を閉じている。
したがって,車両1が停止しているかあるいはその走行速度が遅いために板部材51に対して該板部材51を開かせるだけの風圧が作用しないときは,図9(a)に示すように,板部材51が開口53を閉じた状態となる。この状態において,冷却ファン40が作動すると,図7(c)および図9(a)に示すように,冷却ファン40による吸引風A2が発生し,この吸引風A2によってコア33を全体的に冷却することができる。
一方,車両1の走行による走行風A1が板部材51を開かせるだけの大きさになると,図9(b)に示すように,走行風A1を受けて板部材51が弾性変形して開口53を開き,走行風A1を通過させる状態となる。冷却ファン40が設けられている部分についても冷却ファン40を通るようにして走行風A1は通過し得るため,車両走行時においても十分な冷却効果が得られることとなる。
さらに,この例によると,走行風A1を受けた板部材51が,自身の弾性で変形して開状態となるため,必ずしも板部材51を上記蝶番54ような軸部材等を用いて回動可能に支持する必要が無くなる。したがって,部品点数の削減および生産性の向上を図ることができる。
図10に示す例は,合成樹脂製の本体52に対し,該本体52の一部を肉薄に形成してなるヒンジ部52hを介して板部材51を本体52と一体的に構成したものである。開口53は図10(b)に示すように板部材51がヒンジ部52h回りに回動することによって形成される。すなわち,板部材51は,自由状態では垂下状態を保ち,その状態では図10(a)に示すように,開口53は形成されない。
したがって,車両1が停止しているかあるいはその走行速度が遅いために板部材51に対して該板部材51を開かせるだけの風圧が作用しないときは,図10(a)に示すように,板部材51が閉じた状態となる。この状態において,冷却ファン40が作動すると,図7(c)および図10(a)に示すように,冷却ファン40による吸引風A2が発生し,この吸引風A2によってコア33を全体的に冷却することができる。なお,板部材51の下縁51eと,これに対向する本体52の上縁52eは,板部材51の外方への回動は許すが内方への回動は許さない傾斜面となっている。したがって,冷却ファン40による吸引力(負圧)が作用しても,板部材51は内方へは回動しない。
一方,車両1の走行による走行風A1が板部材51を開かせるだけの大きさになると,10(b)に示すように,走行風A1を受けて板部材51がヒンジ部52h回りに外方へ回動し,これによって開口53が形成されて,走行風A1を通過させる状態となる。冷却ファン40が設けられている部分についても冷却ファン40を通るようにして走行風A1は通過し得るため,車両走行時においても十分な冷却効果が得られることとなる。
さらに,この例によると,走行風A1を受けた板部材51が,本体52と一体のヒンジ部52h回りに回動するため,上記蝶番54のような軸部材や,リベット55のような固定が必要なくなる。したがって,部品点数の削減および生産性の向上を図ることができる。
なお,図4,図5に示した可変シュラウド50は,図10に示した構造を採用したものである。
図11に示す例は,図10に示した例の変形例である。
図11に示す例は,板部材51とは別に,より直接的に(コア33を通すことなく)走行風A1を受けることができるエア受け板(開放制御板)56を本体52に対して軸56bで回動可能に設け,エア受け板56と各板部材51とを連動部材56cで連結したものである。
連動部材56cは,引っ張り線(例えばワイヤー)で構成することができる。
引っ張り線56cの一端をエア受け板56に連結し,連動部材56cの他端を最下部の板部材51の下端に連結する。また,連動部材56cの中間部を,それぞれ中間部の板部材51の下端に連結する。51cはそれそれの連結部である。
このように構成すると,図11(b)に示すように,エア受け板56が走行風A1を受けて回動すると,板部材51に対する走行風A1による風圧が板部材51を回動させるに満たない場合であっても,エア受け板56に連動して板部材51も回動し,開口53が開かれることとなる。
したがって,開放制御板としてのエア受け板56の受圧面積(走行風A1を受ける面積)を適切に設定することによって,板部材51の受圧面積によらず,板部材51の開閉タイミングを適切に制御することが可能になる。
開放制御板は,板部材51と別に設けなくてもよい。例えば,図12に示すように,走行風に対する受圧面積に関し,複数の板部材51のうちの少なくとも一枚(ここでは最上部の一枚)51Aを他の板部材51に比べて大きな受圧面積を有する開放制御板として構成し,この開放制御板51Aと他の板部材51との間に,開放制御板51Aの開閉と他の板部材51の開閉とを連動させる連動部材56cを設けた構成とすることができる。
このように構成すると,開放制御板51Aの受圧面積を適切に設定することによって,他の板部材51の受圧面積によらず,開放制御板51Aおよび他の全ての板部材51の開閉タイミングを適切に制御することができる。
なお,開放制御板(56,51A)を設けない場合には,個々の板部材51の受圧面積に応じて,各板部材51の開閉タイミングが決定されるため,走行風の強さ(=走行速度)に応じた開閉量を設定することが可能となる。
図13は可変シュラウド50の基本構成の変形例を示す図で,(a)は冷却装置20を車両進行方向後方から見た図,(b)は図(a)におけるb−b断面図である。図14(a)(b),図15(a)(b)はいずれも図13(a)におけるb−b断面を斜視図で示した図で,(a)は冷却ファン40が作動しているときの状態を示す図,(b)は冷却ファン40が作動していないときの状態を示す図である。これらの図において,上述した構成例と同一部分ないし相当する部分には同一の符号を付してある。
これらの図に示す可変シュラウド50は,いずれも,車両1(図1〜図3参照)の走行時にコア33を通過する走行風A1(図13(b))に対し交差させて設けられた複数枚の板部材(フラップ)51を備えている。これらの板部材51は,冷却ファン40を中心とする放射線状のスリット51sで画定される扇状のフラップであり,車両1の走行時にそれぞれ走行風A1を受け走行風A1に従って回動可能である。
いずれの可変シュラウド50も,コア面33rを全体的に覆うカバー状の本体52を有している。この本体52に,冷却ファン40と同心のリング状の開口53が設けられており,この開口53に対して,該開口53を開閉する上記扇状の板部材(フラップ)51が全体としてみればリング状に設けられている。本体52は合成樹脂で構成することができる。板部材51は合成樹脂あるいはゴムで板状またはシート状に構成することができる。
板部材51を開閉させる構造は適宜の構造を採用し得る。
図13(b)および図14に示す例は,本体52に対し,板部材51を,前述した蝶番54(図8(c))と同様の蝶番54で回動可能に取り付けたものである。板部材51は,蝶番54に内蔵された(または組み込まれた)スプリング54s(図8(c))によって常時,閉方向へ付勢されているが,その回動は,板部材51の先端が,冷却ファン40のケース41に設けたフランジ41fに当接することによって規制されている。なお,図13(b)に示すフランジ41fと図14に示すフランジ41fとでは,多少形状が異なっているがいずれの形状も採用し得る。
この例でも,車両1が停止しているかあるいはその走行速度が遅いために板部材51に対して該板部材51を開かせるだけの風圧が作用しないときは,図14(a)に示すように,板部材51が開口53を閉じた状態となる。この状態において,冷却ファン40が作動すると,図13(b)および図14(a)に示すように,冷却ファン40による吸引風A2が発生し,この吸引風A2によってコア33を全体的に冷却することができる。
一方,車両1の走行による走行風A1が板部材51を開かせるだけの大きさになると,図14(b)に示すように,板部材51が蝶番54のスプリングによる付勢力に抗して開口53を開き,走行風A1を通過させる状態となる。冷却ファン40が設けられている部分についても冷却ファン40を通るようにして走行風A1は通過し得るため,車両走行時においても十分な冷却効果が得られることとなる。
図15に示す例は,板部材51をゴム製とし,リング状の基部51bと,この基部51bと一体の薄い扇状のフラップ51fとで構成する一方,本体52にリング状の凹溝からなる係合部52fを設け,この係合部52fに板部材51のリング状の基部51bをその弾性を利用して嵌め込むことによって,板部材51を本体52に装着したものである。板部材51は,自由状態ではそのフラップ51fが,図15(a)に示すように開口53を閉じている。
したがって,車両1が停止しているかあるいはその走行速度が遅いために板部材51のフラップ51fに対して該フラップ51fを開かせるだけの風圧が作用しないときは,図15(a)に示すように,フラップ51fが開口53を閉じた状態となる。この状態において,冷却ファン40が作動すると,図15(a)に示すように,冷却ファン40による吸引風A2が発生し,この吸引風A2によってコア33を全体的に冷却することができる。
一方,車両1の走行による走行風A1がフラップ51fを開かせるだけの大きさになると,図15(b)に示すように,走行風A1を受けてフラップ51fが弾性変形して開口53を開き,走行風A1を通過させる状態となる。冷却ファン40が設けられている部分についても冷却ファン40を通るようにして走行風A1は通過し得るため,車両走行時においても十分な冷却効果が得られることとなる。
さらに,この例によると,本体52の係合部52fに板部材51のリング状の基部51bを嵌め込むことによって板部材51を本体52に装着してあるから,板部材51を本体52に固定するためのリベット55等の固定部材が不要になる。また,走行風A1を受けた板部材51のフラップ51fが,自身の弾性で変形して開状態となるため,必ずしも板部材51を上記蝶番54ような軸部材等を用いて回動可能に支持する必要が無くなる。したがって,部品点数の削減および生産性の向上を図ることができる。
図16は可変シュラウド50の他の基本構成例を示す図で,(a)は冷却装置20を車両進行方向後方から見た図(背面図),(b)は図(a)におけるb−b拡大断面図,(c)は本体52を示す背面図,(d)はシャッター57を示す背面図,(e)は冷却ファン40が作動しているときの状態を示す作動説明図,(f)は図(e)におけるf−f拡大断面図である。図16において,上述した構成例と同一部分ないし相当する部分には同一の符号を付してある。
この図に示す可変シュラウド50が前述した可変シュラウド50と基本的に異なる点は,冷却ファン40の作動によって可変シュラウド50の開閉を行うようにした点にある。
図16(b)に示すように,冷却ファン40は,回転するファン40fの外周に当該ファン40fとともに回動する円筒部40cを有している。この円筒部40cは他の全ての例において設けることができる。
可変シュラウド50は,コア面33rを全体的に覆うカバー状の本体52と,この本体52の中央部を冷却ファン40と同心のリング状に後方へ膨出させた膨張室52bと,この膨張室に設けられた複数個(図示のものは8個)の開口53と,これら開口53を開閉可能なシャッター57とを備えている。
シャッター57は,図16(d)に示すように,リング状の基部57bと,この基部57bから放射状に複数(図示のものは8個)突出した突片状のシャッター部57sとを有しており,図16(b)に示すように,基部57bの内周面57b1と冷却ファン40の円筒部40cの外周面40c1とを軽く接触させるようにして嵌め合わせ,シャッター部57sを開口53の内側に沿わせるようにして膨張室52b内に配置される。膨張室52b内には,リング状の凹溝からなるガイド溝52gが設けられており,このガイド溝52gにシャッター部57sの先端部が軽く嵌り合っている。
したがって,シャッター57はその基部57bが冷却ファン40の円筒部40cに摺接するとともにシャッター部57sがガイド溝52gで案内された状態で,冷却ファン40回り(矢印r1,r2方向)に回動可能である。
シャッター57の各シャッター部57sにはバネ掛け部(例えば穴またはフック)57cが設けられているとともに,膨張室52bにもバネ掛け部(例えば穴またはフック)52cが設けられており,これらバネ掛け部57c,52cの間に複数個(図示のものは8個)の引っ張りバネ(付勢部材)52sが設けられている。
シャッター57は,これに外力が作用しない状態(引っ張りバネ52sに外力が作用しない状態)においては,図16(a)(b)で示すように,シャッター部57sが開口53から退避して開口53を開く状態となっているが,冷却ファン40が作動すると,ファン40fとともに回転する円筒部40cの外周面40c1とシャッター57の基部57bの内周面57b1とが接触していることによる摩擦力で,シャッター57が引っ張りバネ52sに抗して冷却ファン40のファン40fと同方向(矢印r1方向)へ回動し,これによって,図16(e)(f)に示すように,開口53がシャッター部57sで閉じられることとなる。また,冷却ファン40の作動が停止し,円筒部40cによるシャッター57への動力伝達が引っ張りバネ52sによる付勢力より小さくなると,引っ張りバネ52sの付勢力でシャッター57は逆方向(ファン40fの回転方向と逆方向(矢印r2方向))へ回動し,シャッター部57sが開口53から退避して開口53が開放されることとなる。
したがって,車両1が停止しているかあるいはその走行速度が遅いために冷却ファン40が作動したときは,図16(e)(f)に示すように,シャッター57が開口53を閉じた状態となり,冷却ファン40による吸引風A2によってコア33を全体的に冷却することができる。
一方,車両1の走行による走行風A1が得られて冷却ファン40の作動が停止すると,図16(a)(b)で示すように開口53が開かれて,走行風A1が開口53を通過し得るようになり,可変シュラウド50が大きな抵抗とはならなくなるため,車両の走行による走行風A1を利用して車両走行時においても十分な冷却効果が得られることとなる。
すなわち,この冷却装置20によれば,コア面33rと冷却ファン40の周囲との間を覆うシュラウド50が,冷却ファン40の作動,非作動に応じて開閉する可変シュラウドとして構成されているため,これによって冷却ファン作動時および非作動時のいずれの場合においても十分な冷却効果が得られることとなる。
さらに,この図16に示す例によると,冷却ファン40の作動時に,冷却ファン40の円筒部40cとシャッター57との接触による摩擦力でシャッター57が付勢部材52sによる付勢力に抗して閉じ,冷却ファン40の非作動時には,シャッター57が付勢部材52sによる付勢力で開くので,可変シュラウド50を開閉させるための特別な動力を必要としないで,可変シュラウド50を開閉させることができる。
図17は可変シュラウド50の他の構成例を示す図であり,(a)(b)はいずれも冷却装置20の縦断面(図13(a)におけるb−b断面に相当する図)を斜視図で示した図で,(a)は冷却ファン40が作動しているときの状態を示す図,(b)は冷却ファン40が作動していないときの状態を示す図である。これらの図において,上述した構成例と同一部分ないし相当する部分には同一の符号を付してある。
この図に示す可変シュラウド50は,ファン40fとともに回動する円筒部40cに円筒弾性部材58が設けられている。
円筒弾性部材58は,冷却ファン40の円筒部40cに固定された基部58bと,この基部58bからコア面33rに向かって延びる延長部58cとを有している。
延長部58cは,冷却ファン40が作動して円筒部40cの回転による遠心力が作用すると図17(a)に示すように拡径して可変シュラウド50のリング状の開口53を閉じ,冷却ファン40が非作動状態になると延長部58c自身の弾性により縮径して可変シュラウドの開口53を開く。少なくとも延長部58cは弾性変形しやすい薄ゴムで構成することができる。円筒弾性部材58全体を薄ゴムで構成することもできる。
可変シュラウド50の本体52には,拡径した延長部58cの先端部分58dと接触するようにして先端部分58dを受け止める受け部52dを設ける。受け部52dは,本体52から後方に向かって延びる円筒部52jで構成することができる。円筒部52jの後部は,その径を後方に行くにしたがって湾曲状に小さくした湾曲部52kとすることが,延長部58cの先端部分58dを受け止めるうえで望ましい。
この例によると,車両1が停止しているかあるいはその走行速度が遅いために冷却ファン40が作動したときは,図17(a)に示すように,円筒弾性部材58の延長部58cが拡径して開口53を閉じた状態となり,冷却ファン40による吸引風A2によってコア33を全体的に冷却することができる。
一方,車両1の走行による走行風A1が得られて冷却ファン40の作動が停止すると,図17(b)で示すように開口53が開かれて,走行風A1が開口53を通過し得るようになり,可変シュラウド50が大きな抵抗とはならなくなるため,車両の走行による走行風A1を利用して車両走行時においても十分な冷却効果が得られることとなる。
さらに,この例によると,冷却ファン40の作動時に,円筒弾性部材58の延長部58cが遠心力で拡径して可変シュラウド50が閉じ,冷却ファン40の非作動時には,円筒弾性部材58の延長部58cが自身の弾性により縮径して可変シュラウド50が開くので,可変シュラウド50を開閉させるための特別な動力を必要としないで,可変シュラウドを開閉させることができる。
以上,本発明の実施の形態について説明したが,本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく,本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
A(A1,A2) 冷却風
A1 走行風
1 車両
10 車体フレーム
20 車両用冷却装置
30 熱交換器
31 チューブ
32 フィン
33 コア
33r 一面
40 冷却ファン
40c 円筒部
50 可変シュラウド
51 板部材
51A,56 開放制御板
52s 付勢部材
56c 連動部材
57 シャッター
58 円筒弾性部材

Claims (7)

  1. クーラントが通るチューブと,このチューブと一体のフィンとを有するコアに冷却風を通すことでクーラントを冷却する,車両に取り付けられる,空冷式の熱交換器と,
    この熱交換器の一面に対向させて設けられていて前記コアに対し冷却風を通過させることができる冷却ファンと,を備えた車両用冷却装置であって,
    前記コアの,前記冷却ファンが配置される側の面に対し,前記冷却ファンの周囲と前記面との間を覆い,かつ,前記車両が走行する時の走行風を受けて開放される可変シュラウドを設けたことを特徴とする車両用冷却装置。
  2. 前記可変シュラウドは,前記車両の走行時に前記コアを通過する走行風に対し交差させて設けられた複数枚の板部材を備え,それら板部材は,それぞれ前記走行風を受け走行風に従って回動可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の車両用冷却装置。
  3. 前記走行風に対する受圧面積に関し,前記複数の板部材のうちの少なくとも一枚を他の板部材に比べて大きな受圧面積を有する開放制御板として構成し,この開放制御板と他の板部材との間に,開放制御板の開閉と他の板部材の開閉とを連動させる連動部材を設けたことを特徴とする請求項2記載の車両用冷却装置。
  4. 前記複数の板部材は,弾性部材で構成したことを特徴とする請求項2または3記載の車両用冷却装置。
  5. クーラントが通るチューブと,このチューブと一体のフィンとを有するコアに冷却風を通すことでクーラントを冷却する,車両に取り付けられる,空冷式の熱交換器と,
    この熱交換器の一面に対向させて設けられていて前記コアに対し冷却風を通過させることができる冷却ファンと,を備えた車両用冷却装置であって,
    前記コアの,前記冷却ファンが配置される側の面に対し,前記冷却ファンの周囲と前記面との間を覆い,かつ,前記冷却ファンの作動時に閉じ,前記冷却ファンの非作動時に開く可変シュラウドを設けたことを特徴とする車両用冷却装置。
  6. 前記冷却ファンは,その回転するファンの外周に当該ファンとともに回動する円筒部を有し,前記可変シュラウドは,前記冷却ファンの作動時に前記円筒部と接触することで閉方向にスライドするシャッターと,このシャッターを開方向に付勢していて前記冷却ファンの非作動時にシャッターを開く付勢部材とを有していることを特徴とする請求項5記載の車両用冷却装置。
  7. 前記冷却ファンは,その回転するファンの外周に設けられていて当該ファンとともに回動する円筒部と,この円筒部に基部が取り付けられていて前記コア面に向かって延び,該延長部が前記冷却ファン作動時の前記円筒部の回転による遠心力で拡径して可変シュラウドを閉じ,前記冷却ファン非作動時には前記延長部が自身の弾性により縮径して可変シュラウドを開く円筒弾性部材とを有していることを特徴とする請求項5記載の車両用冷却装置。
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