JP2011171402A - シリコンウェーハの熱処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】デバイス活性領域となるウェーハの表面部において、ボイド等の結晶欠陥を低減させることができ、また、デバイスプロセスにおける熱的応力等の負荷によるスリップの伸長を抑制することができるシリコンウェーハの熱処理方法を提供する。
【解決手段】チョクラルスキー法により製造したシリコン単結晶インゴットをスライスして得られたシリコンウェーハを熱処理する方法において、酸素濃度が1.4×1018atoms/cm3以上のシリコンウェーハに、酸素含有雰囲気下、最高到達温度を1325℃以上シリコンの融点以下として急速加熱・急速冷却熱処理を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、チョクラルスキー法(CZ法)により製造したシリコン単結晶インゴットをスライスして得られたシリコンウェーハを半導体デバイスに適用するために施される熱処理方法に関する。
半導体デバイス形成用基板として用いられるシリコンウェーハ(以下、単に、ウェーハともいう)は、デバイス活性領域となるウェーハの表面近傍(以下、表面部という)において、COP(Crystal Originated Particle)等の結晶欠陥が存在しないことが要求される。
このようなシリコンウェーハは、CZ法によりシリコン単結晶を引き上げる際に、引上げ速度vと単結晶内の引上げ軸方向の温度勾配の平均値Gとの比であるv/G値を制御して、無欠陥の単結晶シリコンインゴットを育成し、これをスライスすることにより製造することができる(例えば、特許文献1参照)。
また、上記のようなシリコンウェーハは、高温で熱処理して、ウェーハの表面部に無欠陥層(DZ層:Denuded Zone)を形成する方法により製造することもできる。例えば、不活性ガスや還元性ガス雰囲気中、1250℃以上の高温下で1時間以上熱処理を行うことにより、ウェーハの表面部の固溶酸素を外方拡散させて、COPやBMD(Balk Micro Defect)等を消滅させる技術が知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1に記載されているようなシリコンインゴットの育成方法は、引上げ速度を小さくしなければならず、引上げに長時間を要するため、生産性が劣るとともに、インゴット育成コストが増加する。
また、特許文献2に記載されているようなウェーハの熱処理方法も、長時間熱処理を行うため、生産性が低下し、かつ、熱処理コストが増加する。さらに、長時間熱処理されたウェーハは、その表面部では酸素の外方拡散によりシリコン中の固溶酸素濃度が低下するため、デバイスプロセスに供した場合、該プロセスにおける熱処理等において生じる応力や歪の印加によって転位(スリップ)が伸長しやすく、デバイス歩留が低下する要因となる。
このため、近年では、シリコンウェーハに対して、1150℃以上の高温で秒単位の急速加熱・急速冷却熱処理(以下、単に、RTP(Rapid Thermal Process)ともいう)を施すことにより、デバイス活性領域となるウェーハの表面部に無欠陥層を形成する技術が用いられるようになった(例えば、特許文献3参照)。
COP等のボイド欠陥を有するシリコンウェーハであっても、上記のようなRTPを施すことにより、デバイスプロセスにおいて、DZ層を有するウェーハを低コストで製造することができる。
なお、本発明でいうボイドとは、結晶成長界面からシリコン単結晶に過飽和に取り込まれる空孔が凝集して、結晶中に八面体形状の空洞が形成されたものである。
特開平8−330316号公報 特開2006−261632号公報 特表2001−509319号公報
しかしながら、上記のようなRTPによって得られた表面部がDZ層であるウェーハであっても、ボイド欠陥を完全に消滅させることは困難であった。
ボイド欠陥は、レーザー光散乱による表面欠陥装置にて、ウェーハ表面部でLSTD(Laser Scattering Tomography Defect)として数十nmのサイズから検出される。このLSTDは、pn接合のソフトリークを誘起するとされており、次世代デバイス用には、このような微小な欠陥をより低減させ、デバイスにおけるリーク不良を一層低減させることが求められている。
前記ボイド欠陥は、その内壁に酸化膜が形成されているため、ボイド欠陥を消滅させるためには、この内壁酸化膜の溶解を促進することが有効であり、内壁酸化膜の周囲の酸素濃度、すなわち、ウェーハの酸素濃度を低くすればよい。
ところが、一方で、ウェーハの機械的強度の向上やスリップ発生の抑制のためには、ウェーハの酸素濃度を高くすればよいことが知られている。
このため、ボイド欠陥を消滅させるためにウェーハの酸素濃度を低下させることは、スリップ伸長を助長することととなり、ボイド欠陥の低減化とスリップの伸長の抑制との双方の目的を達成することは難しかった。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、デバイス活性領域となるウェーハの表面部において、ボイド欠陥を低減させることができ、また、デバイスプロセスにおける熱的応力等の負荷によるスリップの伸長を抑制することができるシリコンウェーハの熱処理方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法は、CZ法により製造したシリコン単結晶インゴットをスライスして得られたシリコンウェーハを熱処理する方法において、酸素濃度が1.4×1018atoms/cm3以上のシリコンウェーハに、酸素含有雰囲気下、最高到達温度を1325℃以上シリコンの融点以下としてRTPを行うことを特徴とする。
このように、予め高酸素濃度としたウェーハに、酸素含有雰囲気下でRTPを施すことにより、デバイス活性領域となるウェーハの表面部において、ボイド欠陥を低減させることができ、かつ、デバイスプロセスにおけるスリップの伸長を抑制することができる。
前記最高到達温度は、1350℃以上1400℃以下であることが好ましい。
上記範囲内の温度とすることにより、上述したようなボイド欠陥の消滅効果及びスリップの伸長の抑制効果を高めることができる。
また、前記最高到達温度における保持時間は、1秒以上30秒以下とすることが好ましい。
上記範囲内の保持時間とすることにより、生産性を維持したまま、上述したような効果を得ることができる。
さらに、前記酸素含有雰囲気においては、酸素分圧を20%以上100%以下とすることが好ましい。
上記範囲内の酸素分圧とすることにより、上述したようなボイド欠陥の消滅効果及びスリップの伸長の抑制効果を高めることができる。
本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法によれば、デバイス活性領域となるウェーハの表面部において、ボイド欠陥を低減させることができ、かつ、デバイスプロセスにおけるスリップの伸長を抑制することができる。
したがって、本発明に係る方法による熱処理を施したシリコンウェーハは、半導体デバイスプロセスにおける歩留の向上に大きく寄与するものである。
本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法に用いられるRTP装置のチャンバ部の概要を示す断面図である。 本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法に適用されるRTPにおける熱処理シーケンスの一例を説明するための概念図である。 実施例及び比較例におけるRTPの最高到達温度とウェーハ表面部におけるLSTD密度減少率との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例の各ウェーハの酸素濃度別のRTPの最高到達温度と熱処理後のスリップ全長との関係を示すグラフである。 実施例1〜4及び比較例1,2のRTP後のウェーハについて、ウェーハ表面から深さ方向の酸素濃度プロファイルを示すグラフである。
以下、本発明について、図面を参照して、より詳細に説明する。
本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法は、CZ法により製造したシリコン単結晶インゴットをスライスして得られたシリコンウェーハをRTPにて熱処理する方法である。そして、前記RTPを施す際、酸素濃度が1.4×1018atoms/cm3以上のシリコンウェーハに、酸素含有雰囲気下、最高到達温度を1325℃以上シリコンの融点以下とすることを特徴とする。
このように、予め所定の酸素濃度としたウェーハに、酸素含有雰囲気下でRTPを施すことにより、デバイス活性領域となるウェーハの表面部におけるボイド欠陥の低減化、かつ、デバイスプロセスにおける熱応力等により生じるスリップの伸長の抑制を図ることができる。
RTPを酸素含有雰囲気下で行うことにより、ウェーハ表面にはシリコン酸化膜が形成される。この際、シリコン酸化膜及びシリコン界面には、多量の格子間シリコンが生成される。RTP温度が高温であれば、これらの格子間シリコンは、ウェーハ内部へ拡散し、特に、ウェーハの表面部に存在するCOPを埋めるため、ウェーハ表面部のボイド欠陥を低減させることができる。
本発明におけるRTPは、上記のように酸素雰囲気下で行うが、RTPを施すウェーハの酸素濃度は、RTP前に、予め、1.4×1018atoms/cm3以上とすることが好ましい。この酸素濃度の制御は、CZ法によるシリコン単結晶インゴット製造時において、周知の方法により行うことができる。
前記ウェーハの酸素濃度が1.4×1018atoms/cm3未満である場合には、酸素がスリップに固着してスリップの伸長を妨害する、いわゆるピニング効果が十分に得られず、後のデバイスプロセスにおける応力や歪の印加によるスリップの伸長を効果的に抑制することができない。
前記ウェーハの酸素濃度の上限値は、1.8×1018atoms/cm3以下であることがより好ましい。
前記酸素濃度が1.8×1018atoms/cm3を超える場合には、酸素濃度が高すぎ、前記ボイド欠陥の内壁酸化膜の溶解が難しくなるため、ボイド欠陥の低減効果が低くなり好ましくない。
前記ウェーハの酸素濃度の上限値は、より好ましくは、1.5×1018atoms/cm3以下である。
また、前記RTPの最高到達温度は、1325℃以上シリコンの融点以下とする。
前記最高到達温度は、高温であるほど、ウェーハ内に存在するCOPの内壁酸化膜を効率よく溶解させることができる。このため、ウェーハの表面部で、格子間シリコンが埋めることによるCOPの消滅力を高めることができ、ボイド欠陥密度の減少率が増加する。
また、前記最高到達温度が高温であるほど、ウェーハの表面部における固溶酸素濃度が高くなり、処理雰囲気中の酸素がウェーハ内に内方拡散する。このため、上記のようなRTP後のウェーハは、ピニング効果が向上するため、後のデバイスプロセスにおける応力や歪の印加によって発生するスリップの伸長を抑制することができる。
なお、ここでいう最高到達温度は、ウェーハの裏面側の多数点での平均温度を基準とする。
前記最高到達温度が1325℃未満である場合には、デバイス活性領域となるウェーハの表面部においてボイド欠陥密度の減少率を十分に高めることが難しい。
一方、前記最高到達温度がシリコンの融点を超える場合には、熱処理するシリコンウェーハが融解してしまうため好ましくない。
前記最高到達温度は、上述したようなウェーハ表面部におけるボイド欠陥の低減及びスリップ伸長の抑制効果をより効率的に得る観点から、1350℃以上であることがより好ましい。
なお、前記最高到達温度の上限値は、RTP装置の耐用寿命の観点から、1400℃以下であることがより好ましい。
また、前記最高到達温度における保持時間は、1秒以上30秒以下であることが好ましい。
前記保持時間が1秒未満である場合は、RTPの本来の目的であるボイド欠陥の消滅やBMD密度の向上等を達成することが難しい。
一方、前記保持時間tが30秒を超える場合は、生産性が低下するため好ましくない。
前記保持時間は、より好ましくは1秒以上15秒以下である。
前記酸素含有雰囲気においては、酸素分圧を20%以上100%以下とすることが好ましい。
前記酸素分圧が20%未満である場合には、COPを埋める格子間シリコンの濃度が減少し、ウェーハの表面部におけるボイド欠陥の低減効果が十分に得られない。
前記酸素含有雰囲気における酸素ガス以外のガスは、不活性ガスであることが好ましい。
前記酸素ガス以外のガスとして窒素ガスを用いる場合には、RTPにおいてウェーハ表面に窒化膜が形成され、この窒化膜の除去のため、新たにエッチング工程等を増やさなければならず、工程が増加するため好ましくない。また、水素ガスは、酸素及び水素の混合ガスは爆発の危険性があるため、用いることは好ましくない。また、アンモニア系ガスは、COP等の結晶欠陥の消滅力が低下するため好ましくない。
前記不活性ガスとしては、アルゴンガスを用いることが好ましい。アルゴンガスを用いることにより、窒化膜等の他の膜の形成や化学的反応等が生じることがなく、RTPを行うことができる。
本発明においてRTPを行うウェーハは、CZ法により製造したシリコン単結晶インゴットをスライスして得られたウェーハである。
チョクラルスキー法は、周知の方法であり、具体的には、石英ルツボに充填した多結晶シリコンを加熱してシリコン融液とし、このシリコン融液の液面に種結晶を接触させて、種結晶と石英ルツボを回転させながら種結晶を引き上げ、所望の直径まで拡径して直胴部を形成し、その後、シリコン融液から切り離すことにより、シリコン単結晶インゴットを育成する。
そして、上記により得られたシリコン単結晶インゴットを、内周刃またはワイヤソー等によりウェーハ状にスライスした後、外周部の面取り、ラッピング、エッチング、鏡面研磨等の加工を行う等の周知の加工方法を経ることにより、シリコンウェーハを得る。
上記のような本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法は、例えば、図1に示すようなRTP装置により、好適に行うことができる。
図1は、本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法に用いられるRTP装置のチャンバ部の概要を示す断面図である。
図1に示すRTP装置のチャンバ部10は、ウェーハWを収容する反応管20と、前記反応管20内に配設され、前記ウェーハWが載置されるウェーハ支持部30と、前記ウェーハWを光照射により加熱する複数のランプ40とを備えている。
前記反応管20は、前記ウェーハWの半導体デバイスが形成される表面W1側の第1の空間20aに第1の雰囲気ガスFA(図中実線矢印)を供給するガス供給口22と、前記第1空間20aからガスを排出するガス排出口26と、前記ウェーハWの裏面W2側の第2の空間20bに第2の雰囲気ガスFB(図中点線矢印)を供給するガス供給口24と、前記第2空間20bからガスを排出するガス排出口28とを備える。
前記第1の雰囲気ガスFAは、ウェーハWのRTPにおける熱処理時の雰囲気ガスとして、前記第2の雰囲気ガスFBは、必要に応じてRTPにおける冷却用ガスとして用いられる。すなわち、本発明においては、少なくとも第1の雰囲気ガスFAは酸素含有雰囲気ガスである。
以下、図1に示すようなRTP装置を用いた本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法の一例を説明する。図2は、本実施形態に係るシリコンウェーハの熱処理方法に適用されるRTPにおける熱処理シーケンスの一例を説明するための概念図である。
図2に示す熱処理シーケンスにおいては、まず、温度T0(例えば、600℃)に保持された反応管20内のウェーハ支持部30のサセプタ32上に、ウェーハWの裏面W2の外周部を載置して支持させる。そして、ガス供給口22から第1の雰囲気ガスFAを供給しつつ、ガス排出口26から第1の雰囲気ガスFAを排出させて、サセプタ回転部34によりサセプタ32を回転させながら、ランプ40からの光照射によりウェーハWを最高到達温度T1(℃)まで所定の昇温速度ΔTu(℃/秒)で急速加熱する。
次に、前記最高到達温度T1を所定時間t(秒)保持する。
その後、必要に応じて、ガス供給口24から第2の雰囲気ガスFBを供給するとともに、ガス排出口28から第2の雰囲気ガスFBを排出させて、所定の降温速度ΔTd(℃/秒)でウェーハWを急速冷却する。
なお、上記熱処理シーケンスにおけるウェーハWの温度測定は、例えば、ウェーハWの下方に配置された放射温度計(図示せず)により行う。また、前記昇温速度及び降温速度の制御は、上記のようにして測定した温度に基づいて制御手段(図示せず)により、ランプ40の個別の出力制御や、第1の雰囲気ガスFAまたは第2の雰囲気ガスFBの流量の制御等により行う。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
CZ法により製造したシリコン単結晶インゴットからスライスして得られた両面が鏡面研磨されたシリコンウェーハ(酸素濃度1.4×1018atoms/cm3、直径300mm、厚さ775μm)を、酸素100%(流量20slm)雰囲気下、最高到達温度1325℃、その保持時間15秒にてRTPを行った。なお、降温レートは、90℃/秒とした。
[実施例2〜8、比較例1〜16]
ウェーハの酸素濃度及び最高到達温度を変化させ、それ以外は実施例1と同様にして、RTPを行った。
各実施例及び比較例におけるRTP条件を表1に示す。
Figure 2011171402
上記実施例及び比較例におけるRTPの処理前後のウェーハについて、ウェーハ表面から深さ5μm以内の表面部におけるLSTDを、LSTDスキャナ(株式会社レイテックス製 MO−601)にて測定し、LSTD密度減少率を算出した。
図3に、上記実施例及び比較例におけるRTPの最高到達温度とウェーハ表面部におけるLSTD密度減少率との関係をグラフにして示す。
さらに、上記実施例及び比較例でRTPを施した各ウェーハを、縦型ウェーハボート(ウェーハ外周付近の4点支持)を用いて、縦型拡散炉にて、アルゴン雰囲気下、最高温度1200℃で1時間熱処理を行った。なお、この熱処理は、デバイスプロセスにおいて施される熱処理と想定して行ったものである。
この熱処理後のウェーハにおけるスリップ長をX線トポグラフィ(株式会社リガク製 XRT300)にて測定した。
図4に、上記実施例及び比較例の各ウェーハの酸素濃度別のRTPの最高到達温度と熱処理後のスリップ全長との関係をグラフにして示す。
図3のグラフに示した結果から、LSTD密度減少率は、RTPの最高到達温度が高温になるほど増加し、特に、RTPの最高到達温度が1325℃以上の場合、LSTD密度減少率が90%以上であり、また、ウェーハ酸素濃度への依存性が小さくなることが認められた。これは、RTPの最高到達温度が高温になるほど、酸素濃度に関係なく、COPの内壁酸化膜が溶解しやすくなり、また、ウェーハ内部に拡散する格子間シリコンが増加するためと考えられる。
なお、1250℃において、LSTD欠陥密度の減少率が極端に低下しているのは、内壁酸化膜が溶解する平衡酸素濃度が、1250℃でウェーハ酸素濃度と共通する範囲に存在するためである考えられる。
また、図4のグラフに示した結果から、ウェーハの酸素濃度が高いほど、また、RTPにおける最高到達温度が高いほど、デバイスプロセスでの熱処理によるスリップ伸長が抑制されることが認められた。
なお、実施例1〜4及び比較例1,2のRTP後のウェーハについて、ウェーハ表面から深さ方向の酸素濃度プロファイルを二次イオン質量分析装置(SIMS;カメカ社製 Ims−6f)にて評価した結果を図5に示す。
図5の酸素濃度プロファイルのグラフから、RTPにおける最高到達温度が高いほど、ウェーハ表面部における固溶酸素濃度が高くなる傾向があることが認められた。
以上の結果から、ウェーハの酸素濃度が1.4×1018atoms/cm3以上であり、かつ、最高到達温度を1325℃以上としてRTPを行うことにより、ウェーハ表面部でのボイド欠陥を低減し、かつ、スリップの伸長を抑制することができることが認められた。
10 チャンバ部
20 反応管
30 ウェーハ支持部
40 ランプ

Claims (4)

  1. チョクラルスキー法により製造したシリコン単結晶インゴットをスライスして得られたシリコンウェーハを熱処理する方法において、
    酸素濃度が1.4×1018atoms/cm3以上のシリコンウェーハに、酸素含有雰囲気下、最高到達温度を1325℃以上シリコンの融点以下として急速加熱・急速冷却熱処理を行うことを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法。
  2. 前記最高到達温度が、1350℃以上1400℃以下であることを特徴とする請求項1記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
  3. 前記最高到達温度における保持時間を1秒以上30秒以下とすることを特徴とする請求項1または2に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
  4. 前記酸素含有雰囲気において、酸素分圧を20%以上100%以下とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
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