JP2011169696A - 磁気センサユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】センサ出力Vhr、Vhlの差信号を演算する減算部16及びセンサ出力Vhr、Vhlの和信号を演算する加算部17の上流に設けた、センサ出力Vhr、VhlをV/I変換するV/I変換部13a、13bを所定周期で切り替え、結果的にセンサ出力VhrをV/I変換部13a、センサ出力VhrをV/I変換部13bで処理したときの差信号及び和信号の除算値と、センサ出力VhrをV/I変換部13b、センサ出力VhrをV/I変換部13aで処理したときの差信号及び和信号の除算値との平均値を、位置検出信号として出力する構成とする。これによりV/I変換部13a、13bでのオフセット成分を低減し位置検出信号に含まれるオフセット成分を低減して精度向上を図る。
【選択図】 図1
Description
各種方式のうち、小型化、低コスト、低消費電流化等の要請がある場合には、磁石と磁気センサとを用い、磁石の移動による周囲の磁界変化を磁気センサで検出することにより座標検知を行う磁気検出方式の位置検出装置を用いることが好適である。
このような磁石及び磁気センサの特性のばらつきや、組立精度の影響を緩和する技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が提案されている。この技術によれば、2つの磁気センサの差出力を、和出力で除算して磁石の位置検出信号とすることで、環境温度による影響を抑え、磁石及び磁気センサの特性のばらつきや組立精度による影響も抑えることが可能である。
この課題を解決する一般的な方法として、位置検出信号を生成する出力部において、コモン電圧をトリミングして調整するという方法がある。
しかしながら、この方法を用いるためには、出力部において位置検出信号としての出力信号を補正するための調整用電圧生成回路を新規に追加する必要があり、このため回路規模が大きくなるという問題がある。また、位置検出装置に個別に調整用電圧生成回路を追加してトリミングして調整する必要があるため、コスト面でのデメリットが大きくまた手間がかかる。
さらにまた、請求項4にかかる磁気センサユニットは、前記第1の信号処理部及び前記第2の信号処理部は、電圧信号を増幅する電圧増幅部であって、前記センサ出力は電圧信号であり且つ前記減算部、加算部及び除算部は電圧信号に対して処理を行うことを特徴としている。
さらに、請求項5にかかる磁気センサユニットは、前記磁気センサはホール素子であって、前記ホール素子を駆動する電圧及び電流を、前記ホール素子内で直交する方向に切り替える切替駆動手段を備えることを特徴としている。
また、このとき、切り替え手段を設けるだけで実現することができるため、磁気センサ対のセンサ出力の差信号を和信号で除算して相対信号を得るようにした従来の磁気センサユニットにおいて、大幅な変更を伴うことなく容易に実現することができる。
まず、第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明における磁気センサユニットを適用した、磁気センサ対に対する磁性体の相対位置を検出するようにした位置検出装置の一例を示すブロック図である。
図中1はセンサ部、2はセンサ部1からのセンサ出力に対して信号処理を行い、磁気センサ対に対する磁性体の相対位置を位置検出信号として演算する信号処理装置である。
センサ部1は、磁石(より詳細には永久磁石)10と検出部11とで構成され、検出部11は2つの磁気センサ11a、11bを備える。
磁気センサ11a、11bとして、例えば、ホール素子、半導体磁気抵抗素子、感磁性耐磁気抵抗素子、GMR素子等を適用することができる。また、磁石10として、電磁石や磁気フィルム等を適用することができる。
図3に示すように、磁石10が磁気センサ11a、11b間の中央に位置し、磁石10の着磁方向が鉛直方向にあるときに、磁気センサ11a、11bの出力電圧が一致するように構成されている。そして、磁石10が磁気センサ11aに近づく方向に移動すると、磁気センサ11bと磁石10との間の距離が大きくなるほど磁気センサ11bの出力電圧は減少する。一方、磁気センサ11aの出力電圧は、磁気センサ11aと磁石10との間の距離が短くなるほど増加し、その後、磁気センサ11aと磁石10との間の距離が増加するようになると増加するに応じて磁気センサ11aの出力電圧は減少する。
図1に戻って信号処理装置2は、切替スイッチ12、変換部13、切替スイッチ14、スイッチ切替制御部15、減算部16、加算部17、電流除算部18、及び出力部19を備える。
検出部11の磁気センサ11a及び11bの出力電圧からなるセンサ出力Vhr、Vhlは、切替スイッチ12に入力される。
変換部13は、V/I変換部13a及びV/I変換部13bを備える。これらV/I変換部13a及び13bはそれぞれ、切替スイッチ12を介して、磁気センサ11a又は11bのセンサ出力Vhr、Vhlを入力する。つまり、スイッチ切替制御部15からの切替信号に応じて切替スイッチ12が動作することにより、磁気センサ11a及び磁気センサ11bのセンサ出力Vhr、VhlがV/I変換部13a又はV/I変換部13bに供給されるようになっている。
切替スイッチ14は、前記切替スイッチ12と同期して前記スイッチ切替制御部15からの前記切替信号に応じて動作し、入力されるV/I変換部13a及びV/I変換部13bからの電流信号Ihr、Ihlの出力先を切り替えて減算部16に出力する。
減算部16は、正入力端子に入力される電流信号から負入力端子に入力される電流信号を減算し、減算結果を磁気センサ11a、11bの差信号Isとしてこれを電流除算部18に出力する。
電流除算部18は、減算部16からの差信号Isを加算部17からの和信号Iaで除算し、除算結果Ioを出力部19に出力する。
出力部19は、例えばI/V変換器で構成され、電流除算部18での除算結果Ioを電圧信号に変換しこれを磁石10のX軸方向の位置を表す位置検出信号Voとして出力する。
V/I変換部13a、13bにおけるV/I変換係数を1/Rc、V/I変換部13aのオフセット電流をIro1、V/I変換部13bのオフセット電流をIlo1とし、磁気センサ11aのセンサ出力VhrをV/I変換部13aで変換したときの電流信号をIhr1、磁気センサ11bのセンサ出力VhlをV/I変換部13bで変換したときの電流信号をIhl1とすると、V/I変換部13a、13bから出力される電流信号Ihr1、Ihl1は、次式(1)で表すことができる。
減算部16での減算により得られる差信号をIs1、加算部17での加算により得られる和信号をIa1とすると、これら差信号Is1、和信号Ia1は、次式(2)で表すことができる。
上述のような第1の回路接続と第2の回路接続との切り替えを行わない場合、つまり切替スイッチ12、14を第1の回路接続、又は第2の回路接続の何れかの状態に固定した場合、出力部19の出力電圧は前記(4)式で表すVo1又は(8)式で表すVo1′のように、分母及び分子にオフセット電流Iro、Iloからなる項が存在し、Vo(=Vo1又はVo1′)=Vcomとはならない。
すなわち、要求される位置検出装置の応答速度に依存する。
例えば、高速で動作するアプリケーションに対して、位置検出装置が高速に応答することが要求される場合には、切替周期は、要求される応答時間よりも短くする必要がある。逆に要求される応答時間が長い場合には、切替周期は長くてもよい。
さらに、V/I変換部13a、13bは、環境温度変化によるオフセット変動の影響を受けないため、位置検出装置を使用する全温度範囲で出力オフセット電圧を低減して中心位置検出精度を上げることができる。その結果、中心位置検出信号を基準として検出される位置検出の検出精度を向上させることができる。
図4は、本発明の第2の実施の形態における磁気センサユニットを適用した位置検出装置の一例を示す回路ブロック図である。
第2の実施の形態における位置検出装置は、上記第1の実施の形態において、信号処理装置2に替えて、信号処理装置2aを備えている。なお、上記第1の実施の形態と同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
なお、センサ部1は、上記第1の実施の形態におけるセンサ部1と同様であって、磁石10と、二つの磁気センサ11a、11bを備え、これら磁気センサ11a及び11bは電圧信号からなるセンサ出力Vhr、Vhlを出力する。これら磁気センサ11a、11bのセンサ出力は、切替スイッチ22に入力される。
増幅部23は、電圧増幅部23a及び23bを備える。これら電圧増幅部23a及び23bはそれぞれ、切替スイッチ22を介して、磁気センサ11a又は11bの電圧信号からなるセンサ出力Vhr、Vhlを入力する。つまり、スイッチ切替制御部25からの切替信号に応じて切替スイッチ22が動作することにより、磁気センサ11a及び磁気センサ11bのセンサ出力Vhr、Vhlが電圧増幅部23a又は電圧増幅部23bに供給されるようになっている。
切替スイッチ24は、前記切替スイッチ22と同期して前記スイッチ切替制御部25からの前記切替信号に応じて動作し、電圧増幅部23a及び23bからの電圧信号Vrp、Vlpの出力先を、切替信号に応じて切り替えて減算部26に出力する。
減算部26は、正入力端子に入力される電圧信号から負入力端子に入力される電圧信号を減算し、減算結果を磁気センサ11a、11bの差信号Vsとしてこれを電圧除算出力部28に出力する。
電圧除算出力部28は、減算部26からの差信号Vsを加算部27からの和信号Vaで除算し、これを磁石10のX軸方向の位置を表す位置検出信号Voとして出力する。
このため、電圧増幅部23a、23bの増幅率をGp、電圧増幅部23aのオフセット電圧をVro2、電圧増幅部23bのオフセット電圧をVlo2とすると、磁気センサ11aのセンサ出力Vhrを電圧増幅部23aで増幅した電圧信号Vrp2、磁気センサ11bのセンサ出力Vhlを電圧増幅部23bで増幅した電圧信号Vlp2は、次式(10)で表すことができる。
減算部26での減算により得られる差信号をVs2、加算部27での加算により得られる和信号をVa2とすると、これら差信号Vs2、和信号Va2は、次式(11)で表すことができる。
上述のような第3の回路接続と第4の回路接続との切り替えを行わない場合、つまり切り替えスイッチ22、24を第3の回路接続又は第4の回路接続の何れかの状態に固定した場合、電圧除算出力部28の出力電圧Voは、前記(12)式で表すVo2又は(15)式で表すVo2′のように、分母及び分子にオフセット電圧Vro、Vloからなる項が存在し、Vo=Vcomとはならない。
つまり、電圧位置検出信号Voとして中心位置信号が出力されるVhr=Vhlの状態においてはVo(=Vo2″)=Vcomとなる。
2つの電圧増幅回路23a、23bの出力電圧を減算部26で減算した差信号Vs2′及び加算部27で加算した和信号Va2′を、参照電圧Vrefを“1〔v〕”として電圧除算出力部28で除算すると、(11〔mV〕−9〔mV〕)÷(11〔mV〕+9〔mV〕)×1〔v〕=100〔mV〕が電圧除算出力部28からオフセット電圧として出力されることになり、すなわち、電圧増幅回路部23a、23bのオフセットが100倍に増幅されることになり、出力信号としての位置検出信号に対して大きく影響を与えることになる。
なお、この第2の実施の形態においても、切替スイッチ22及び24の切替周期は上記第1の実施の形態における切替周期と同様の手順で設定すればよい。
また、この第2の実施の形態においても、環境温度変化により電圧増幅部23におけるオフセット電圧変動の影響を受けることはない。
さらに、電圧増幅部23a、23bは、環境温度変化によるオフセット変動の影響を受けないため、位置検出装置を使用する全温度範囲で出力オフセット電圧を低減して中心位置検出精度を上げることができる。その結果、中心位置信号を基準として検出される位置検出の検出精度を向上させることができる。
例えば、直交するX軸及びY軸の各軸上にそれぞれ対称となる位置に対をなす磁気センサを配置し、これら4つの磁気センサが配置された平面と平行な面内において磁石10を移動させることにより平面内におけるX軸方向及びY軸方向における磁石10の位置を検出するように構成する場合であっても適用することができる。
また、上記各実施の形態においては、磁気センサ11a、11bに対する磁石10の相対位置を検出する場合について説明したが、これに限るものではなく、磁気センサ11a、11bに対する磁石10の傾斜角の変化に応じて、磁気センサ11a、11bのセンサ出力が変化することを利用して、磁気センサ11a、11bに対する磁石10の傾斜を検出するようにした傾斜検出装置であっても同様に適用することができる。
また、例えばV/I変換処理を行うV/I変換部、又は電圧増幅を行う電圧増幅部など、センサ出力に対して一つの信号処理を行う場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、V/I変換部の後に電流増幅部を設けた場合等、一つのセンサ信号に対して信号処理を行う信号処理部が複数設けられている場合であっても適用することができる。
図5は、本発明の第3の実施の形態における磁気センサユニットを適用した位置検出装置の一例を示す回路ブロック図である。
第3の実施の形態における位置検出装置は、上記第1の実施の形態において、センサ部1に替えて、センサ部1aを備えている。なお、上記第1の実施の形態と同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
磁気センサ駆動部31は、ホール素子からなる磁気センサ11a′、11b′が磁石10の磁界に応じた出力信号を生成するために、磁気センサ11a′、11b′に対して所定の駆動電流及び駆動電圧を印加する回路である。
そして、チョッパスイッチ制御部33からのタイミング信号に応じてチョッパスイッチ32が端子t1〜t4の選択(切り替え)動作を行うことにより、磁気センサ駆動部31で生成された駆動電流及び駆動電圧を磁気センサ11a′内及び磁気センサ11b′内で直交する方向に切り替える。これによって、磁気センサオフセットをキャンセルすることができる。この技術は前述の非特許文献1で紹介されている。
この機能をもつセンサ部1aを上記第1の実施の形態の位置検出装置に組み合わせることで、V/I変換部13a、13bのオフセットだけでなく、磁気センサ11a′、11b′自身のオフセットも低減することができる。
図6は、第4の実施の形態における磁気センサユニットを適用した位置検出装置の一例を示す回路ブロック図である。
第4の実施の形態における位置検出装置は、上記第2の実施の形態において、センサ部1に替えて、センサ部1aを備えている。なお、上記第2の実施の形態と同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
第4の実施の形態における位置検出装置は、第3の実施の形態における位置検出装置と同様に、センサ部1aを上記第2の実施の形態の位置検出装置に組み合わせる。上述のように、センサ部1aを用いることによってホール素子からなる磁気センサ11a′11bのオフセットを低減することができる。したがって、電圧増幅部23a、23bのオフセットだけでなく、ホール素子からなる磁気センサ11a′、11b′のオフセットも低減することができる。
ここで、第3及び第4の実施の形態において、磁気センサ駆動部31、チョッパスイッチ32、及びチョッパスイッチ制御部33が切替駆動手段に対応している。
2、2a 信号処理装置
10 磁石
11、11′ 検出部
11a、11b 磁気センサ
12、14、22、24 切替スイッチ
13 変換部
13a、13b V/I変換部、
15、25 スイッチ切替制御部
16、26 減算部
17、27 加算部
18 電流除算部
19 出力部
23 増幅部
23a、23b 電圧増幅部
28 電圧除算出力部
31 磁気センサ駆動部
32 チョッパスイッチ
33 チョッパスイッチ制御部
Claims (5)
- 任意に設定した一軸上に沿って配設される少なくとも一組の磁気センサ対と、
前記磁気センサ対に対して移動自在又は傾斜自在に相対移動可能な磁性体と、を有し、
前記磁性体が前記磁気センサ対に対して相対移動することにより生じる磁束の変化を前記磁気センサ対で検知し、
前記磁気センサ対の差信号を、前記磁気センサ対の和信号で除算してこれを前記磁気センサ対に対する前記磁性体の相対位置又は傾斜を表す相対信号として出力する磁気センサユニットにおいて、
前記磁気センサ対のセンサ出力のうち第1のセンサ出力から第2のセンサ出力を減算して前記差信号を演算する減算部と、
前記第1のセンサ出力と前記第2のセンサ出力とを加算して前記和信号を演算する加算部と、
前記差信号を前記和信号で除算して前記相対信号を演算する除算部と、
前記減算部及び前記加算部の上流に設けられ、前記第1のセンサ出力及び第2のセンサ出力に対して所定の信号処理を行う第1の信号処理部及び第2の信号処理部と、
前記第1のセンサ出力及び前記第2のセンサ出力に対して前記信号処理を行う前記第1の信号処理部及び前記第2の信号処理部を、各センサ出力に対して前記信号処理を行う時間比が同一となるように周期的に切り替える切り替え手段と、
を備えることを特徴とする磁気センサユニット。 - 前記切り替え手段は、
前記第1及び第2の信号処理部の上流に設けられ、前記第1及び前記第2のセンサ出力の出力先を前記第1及び第2の信号処理部間で切り替える第1の切替スイッチと、
前記第1及び第2の信号処理部と前記減算部との間に設けられ、前記第1の切替スイッチと同期して動作する第2の切替スイッチと、
前記第1及び第2の切替スイッチを制御するスイッチ切替制御部と、を有し、
前記第2の切替スイッチは、前記第1又は第2の信号処理部で前記信号処理がなされた前記第1のセンサ出力を前記減算部の正入力端子に供給し、前記第1又は第2の信号処理部で前記信号処理がなされた前記第2のセンサ出力を前記減算部の負入力端子に供給するように動作することを特徴とする請求項1記載の磁気センサユニット。 - 前記第1の信号処理部及び前記第2の信号処理部は、電圧信号を電流信号に変換する電圧/電流変換部であって、
前記センサ出力は電圧信号であり且つ前記減算部、加算部及び除算部は電流信号に対して処理を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の磁気センサユニット。 - 前記第1の信号処理部及び前記第2の信号処理部は、電圧信号を増幅する電圧増幅部であって、
前記センサ出力は電圧信号であり且つ前記減算部、加算部及び除算部は電圧信号に対して処理を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の磁気センサユニット。 - 前記磁気センサはホール素子であって、
前記ホール素子を駆動する電圧及び電流を、前記ホール素子内で直交する方向に切り替える切替駆動手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の磁気センサユニット。
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