JP2011038919A - 位置検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】位置検出装置は、2個の磁気センサ11a,11bが互いに離間されて配置される少なくとも1つの磁気センサ対と、磁気センサ対に対して移動自在又は傾斜自在に配設される磁石10と、各磁気センサ11a,11bの出力電圧を電流に変換するV/I変換回路12と、V/I変換回路12が変換した各電流I1,I2を基に、差電流(I1−I2)を生成する減算回路13と、V/I変換回路12が変換した各電流I1,I2を基に、和電流(I1+I2)を生成する加算回路14と、差電流(I1−I2)を和電流(I1+I2)で除算する電流除算回路15と、電流除算回路15が除算して得た値を位置信号Voとして出力する出力回路16と、を備える。
【選択図】図1
Description
小型化、低コスト、低消費電流化などの要請がある場合には、各種方式のうち、磁石と磁気センサとを用いた磁気検出方式の位置検出装置を用いることが好適である。
ただし、磁石及び磁気センサは、温度による特性変化が大きく、環境温度に影響を受けやすい。また、磁石及び磁気センサを用いた位置検出装置の位置精度は、磁石及び磁気センサの特性のバラツキや組立精度の影響を受けやすい。
また、他にもこのような影響を緩和する技術としては、例えば、特許文献2に記載の技術が存在する。特許文献2に記載の技術によれば、2つの磁気センサの出力値の和を一定にするように磁気センサへの入力電流を制御しつつ、2つの磁気センサの出力値の差を出力信号とすることで、環境温度による影響を抑えることが可能である。
また、電圧を除算する方法としては、一般的には、デジタル除算演算方法がある。しかし、この方法を用いるためには、磁気センサの出力信号をA/D変換し、デジタル除算演算した後、D/A変換する必要がある。そのため、電圧を除算することは可能になるが、A/D変換回路、D/A変換回路等が必要になるため、回路規模が大きくなるという課題が新たに発生する。
本発明の課題は、磁石及び磁気センサの特性のバラツキや組立精度の影響を抑えながら、回路規模が小さく、低消費電流による駆動を実現することにある。
本発明において、出力手段が出力する値は、磁石又は位置検出装置の被検出対象の移動量又は傾斜度合いを示す位置信号となる。
また、本発明によれば、各磁気センサの差電流をその各磁気センサの和電流で除算しているので、その除算演算に回路規模が小さい電流除算回路を用いることができ、位置検出装置を小型化できる。
(構成)
本実施形態は、本発明を適用した位置検出装置である。
位置検出装置は、磁石の移動又は傾斜による周囲の磁界変化を検出して、座標検知を行う磁気検出方式の位置検出装置である。
図1は、位置検出装置の概略構成を示す回路ブロックである。図1に示すように、位置検出装置は、検出部11、V/I変換回路12、減算回路13、加算回路14、電流除算回路15、及び出力回路16を有する。
第1及び第2磁気センサ11a,11bは、互いに離間されて配置された磁気センサ対を構成する。第1及び第2磁気センサ11a,11bは、例えば、ホール素子、半導体磁気抵抗素子、感磁性体磁気抵抗素子、又はGMR素子である。第1磁気センサ11aと第2磁気センサ11bとは、1軸上(X軸)に沿って配置されている。第1及び第2磁気センサ11a,11bには、所定の入力電圧を印加して電流を流す。
図3に示すように、位置Xが第1及び第2磁気センサ11a,11bから遠いほど、第1及び第2磁気センサ11a,11bの出力電圧V1,V2は小さくなる。また、位置Xが第1及び第2磁気センサ11a,11bに近いほど、第1及び第2磁気センサ11a,11bの出力電圧V1,V2は大きくなる。
検出部11は、各磁気センサ11a,11bの出力電圧V1,V2をV/I変換回路12に出力する。
V/I変換回路12は、磁気センサ11a,11bの出力電圧V1,V2を電流I1,I2に変換する。V/I変換回路12は、電流I1,I2を減算回路13及び加算回路14に出力する。
減算回路13は、電流I1,I2を基に下記出力電流(差電流)Io1を生成する。また、加算回路14は、電流I1,I2を基に下記出力電流(和電流)Io2を生成する。
Io1=I1−I2
Io2=I1+I2
減算回路13及び加算回路14は、出力電流Io1,Io2を電流除算回路15に出力する。
電流除算回路15は、出力電流Io1,Io2を基に、下記出力電流Io3を生成する。
Io3=Io1/Io2
=(I1−I2)/(I1+I2)
ここで、電流除算回路15は、マイナス電流の演算ができない。そのため、電流除算回路15では、下記式(I1−I2>0)が成立する場合に除算演算が可能になる。
Io1=I1−I2>0
出力回路16は、電流電圧変換回路である。出力回路16は、下記式のように、電流除算回路15の出力電流Io3に基準電流Iref及び任意のゲインGainを乗算して電圧変換し、位置信号Voを出力する。
Vo=(I1−I2)/(I1+I2)×Iref×Gain
この回路において、
VBE・Q1+VBE・Q2=VBE・Q3+VBE・Q4
とすると、
VBE∝XlogIc
より、
Io×Ix=Iy×Iz
となる。この式を変形すると、
Iz=Io×Ix/Iy
となる。そして、IxをIo1とし、IyをIo2とし、IzをIo3とし、Ioを基準電流Irefとすることで、
Io3=Io1/Io2×Iref
=(I1−I2)/(I1+I2)×Iref
となる。
このIo3に任意のゲインGainを乗算して電圧変換して、位置信号Voを得ることができる。
位置検出装置は、磁石10が移動又は傾斜すると、検出部11の磁気センサ11a,11bがその移動又は傾斜に応じた出力電圧V1,V2をV/I変換回路12に出力する。
V/I変換回路12は、磁気センサ11a,11bの出力電圧V1,V2を電流I1,I2に変換して、減算回路13及び加算回路14に出力する。
減算回路13は、電流I1,I2を基に生成した出力電流Io1を電流除算回路15に出力する。また、加算回路14は、電流I1,I2を基に生成した出力電流Io2を電流除算回路15に出力する。
出力回路16は、電流除算回路15の出力電流Io3に基準電流Iref及び任意のゲインGainを乗算して電圧変換し、位置信号Voを出力する。
ここで、位置検出装置が、物体の移動又は傾斜を検出する位置検出装置に適用された場合、位置信号Voは、物体の位置、移動量又は傾斜度合いを示す情報となる。また、位置検出装置が、パーソナルコンピュータや携帯電話等の入力手段として使用される位置検出装置に適用された場合、位置信号Voは、入力手段の位置、移動量又は傾斜度合いを示す情報となる。
これに対して、第1の実施形態の位置検出装置は、磁気センサ11a,11bの出力電流I1,I2を基に生成した差電流(I1−I2)を、同出力電流I1,I2を基に生成した和電流(I1+I2)で除算演算して、位置信号Voを生成している。
このようにすることで、位置検出装置は、環境温度による影響を抑え、磁石及び磁気センサの特性のバラツキや組立精度による影響を抑えることができる。
なお、この第1の実施形態では、V/I変換回路12は電圧電流変換回路に対応する。減算回路13は電流減算回路に対応する。加算回路14は電流加算回路に対応する。電流除算回路15は電流除算回路に対応する。出力回路16は出力手段に対応する。
(構成)
第2の実施形態は、前記第1の実施形態と同様、位置検出装置である。
第2の実施形態の位置検出装置の構成は、前記図1に示した第1の実施形態の位置検出装置の構成と同一である。しかし、第2の実施形態では、減算回路13の出力電流、加算回路14の出力電流、及び電流除算回路15の出力電流の演算内容が第1の実施形態のものと異なる。
第2の実施形態では、減算回路13は、電流I1,I2を基に下記出力電流Io1’を生成する。また、加算回路14は、電流I1,I2を基に下記出力電流Io2’を生成する。
Io1’=(I1−I2)+(I1+I2)
Io2’=(I1+I2)
電流除算回路15は、出力電流Io1’,Io2’を基に、下記出力電流Io3’を生成する。
Io3’=Io1’/Io2’
=((I1−I2)+(I1+I2))/(I1+I2)
=1+(I1−I2)/(I1+I2)
ここで、電流除算回路15は、マイナス電流の演算ができない。そのため、電流除算回路15では、下記式(2×I1>0)が成立する場合に除算演算が可能になる。
Io1’=(I1−I2)+(I1+I2)
=2×I1>0
出力回路16は、下記式のように、電流除算回路15の出力電流Io3’に基準電流Irefを乗算し、その乗算値から基準電流Irefを減算し、その減算値に任意のゲインGainを乗算して電圧変換し、位置信号Vo’を出力する。
Vo’=(((((I1−I2)+(I1+I2))/(I1+I2))×Iref)−Iref)×Gain
=(I1−I2)/(I1+I2)×Iref×Gain
Vo’=IC4・Rout
である。一方、
Ic4=α・IE4
≒α・IS・eq・VBE4/(K・T)
となる。ここで、Isは順方向活性領域のトランジスタの伝達特性を表す定数、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは電子電荷である。
VBE4=K・T/q・ln(IC4/(α・IS))
となる。
また、NPNトランジスタQ1,Q2,Q3,Q4のベース電圧の関係は、
VBE4=VBE1−VBE2+VBE3
である。そして、それらベース−エミッタ間電圧は、コレクタ電流ICによって決まるため、
VBE4=K・T/q・(ln(IC1/(α・IS))−ln(IC2/(α・IS))+ln(IC3/(α・IS)))
=K・T/q・(ln(IC1・IC3)/(α・IS・IC2))
となる。
Vo’=IC4・Rout=(IC1・IC3/IC2)・Rout
となる。
そして、電流割算回路ではマイナス電流の割算ができないことから、出力電圧(位置信号)Vo’を以下のように導出する。さらに、このとき、Iref1=Iref0とすると、
Vo’=(Io1’/Io2’×Iref1−Iref0)×Rout
=((Io1/Io2×Iref1)+Iref1−Iref0)×Rout
=(Io1/Io2)×Iref1×Rout
=(I1−I2)/(I1+I2)×Iref1×Rout
となる。そして、Iref1をIrefとし、RoutをGainとすることで、前述の式と同じ
Vo’=(I1−I2)/(I1+I2)×Iref×Gain
を導出できる。
位置検出装置は、磁石10が移動又は傾斜すると、検出部11の磁気センサ11a,11bがその移動又は傾斜に応じた出力電圧V1,V2をV/I変換回路12に出力する。
V/I変換回路12は、磁気センサ11a,11bの出力電圧V1,V2を電流I1,I2に変換して、減算回路13及び加算回路14に出力する。
減算回路13は、電流I1,I2を基に生成した出力電流Io1’を電流除算回路15に出力する。また、加算回路14は、電流I1,I2を基に生成した出力電流Io2’を電流除算回路15に出力する。
出力回路16は、電流除算回路15の出力電流Io3’を、基準電流Iref及び任意のゲインGainを用いて電圧変換し、位置信号Vo’を出力する。
ここで、第2の実施形態では、前記第1の実施形態との差異として、減算回路13の出力電流Io1’の演算内容を変更している。この演算内容の変更により、電流除算回路15では、下記式が成立する場合に除算演算が可能となっている。
2×I1>0
この結果、第2の実施形態の位置検出装置は、前記第1の実施形態と比較して、磁石10の磁界の変化の検出可能範囲が広がり、磁石10の移動距離が長い場合や磁石10の姿勢変化が大きい場合にも対応できるようになる。
すなわち、第2の実施形態の位置検出装置は、磁気センサ11a,11bの出力電流I1,I2を基に生成した差電流(I1−I2)を、同出力電流I1,I2を基に生成した和電流(I1+I2)で除算演算して、位置信号Vo’を生成している。
このようにすることで、位置検出装置は、環境温度による影響を抑え、磁石及び磁気センサの特性のバラツキや組立精度による影響を抑えることができる。
また、位置検出装置は、電流除算回路15により除算演算している。ここで、電流除算回路15は、回路規模の小さい回路である。よって、電流除算回路15の回路規模が小さいため、位置検出装置は、小型化されたものとなる。
なお、この第2の実施形態では、減算回路13は電流加減算回路に対応する。
(構成)
第3の実施形態は、前記第1及び第2の実施形態と同様、位置検出装置である。
第3の実施形態の位置検出装置の構成は、前記図1に示した第1及び第2の実施形態の位置検出装置の構成と同一である。しかし、第3の実施形態では、減算回路13の出力電流、加算回路14の出力電流、及び電流除算回路15の出力電流の演算内容が第1及び第2の実施形態のものと異なる。
以下の説明で、特に言及がない限りは、第3の実施形態の構成は、前記第1及び第2の実施形態の構成と同一である。
Io1’’=n×(I1−I2)+m×(I1+I2)
Io2’’=m×(I1+I2)
ここで、n、mは任意の定数である。
電流除算回路15は、出力電流Io1’’,Io2’’を基に、下記出力電流Io3’’を生成する。
Io3’’=Io1’’/Io2’’
=(n×(I1−I2)+m×(I1+I2))/(m×(I1+I2))
=1+n×(I1−I2)/(m×(I1+I2))
Io1’’=n×(I1−I2)+m×(I1+I2)>0
電流除算回路15は、出力電流Io3’’を出力回路16に出力する。
出力回路16は、下記式のように、電流除算回路15の出力電流Io3’’に基準電流Irefを乗算し、その乗算値から基準電流Irefを減算し、その減算値に任意のゲインGainを乗算して電圧変換し、位置信号Vo’’を出力する。
Vo’’=((((n×(I1−I2)+m×(I1+I2))/(m×(I1+I2)))×Iref)−Iref)×Gain
=(n/m)×(I1−I2)/(I1+I2)×Iref×Gain
位置検出装置は、磁石10が移動又は傾斜すると、検出部11の磁気センサ11a,11bがその移動又は傾斜に応じた出力電圧V1,V2をV/I変換回路12に出力する。
V/I変換回路12は、磁気センサ11a,11bの出力電圧V1,V2を電流I1,I2に変換して、減算回路13及び加算回路14に出力する。
減算回路13は、電流I1,I2を基に生成した出力電流(差電流)Io1’’を電流除算回路15に出力する。また、加算回路14は、電流I1,I2を基に生成した出力電流(和電流)Io2’’を電流除算回路15に出力する。
出力回路16は、電流除算回路15の出力電流Io3’’を、基準電流Iref及び任意のゲインGainを用いて電圧変換し、位置信号Vo’’を出力する。
ここで、第3の実施形態では、前記第1及び第2の実施形態との差異として、減算回路13の出力電流Io1’’の演算内容を変更している。この演算内容の変更により、電流除算回路15では、下記式が成立する場合に除算演算が可能となっている。
n×(I1−I2)+m×(I1+I2)>0
例えば、n=1、m=2とした場合、
1×(I1−I2)+2×(I1+I2)
=3×I1+I2>0
となる。この場合、
I1>−1/3+I2
が除算演算可能な範囲、すなわち、磁石10の磁界の変化の検出可能範囲となる。よって、第2の実施形態における除算可能な範囲が(2×I1>0)となるから、第3の実施形態における磁界の変化の検出可能範囲は、第2の実施形態における磁界の変化の検出可能範囲よりも広くなる。
すなわち、第3の実施形態の位置検出装置は、磁気センサ11a,11bの出力電流I1,I2を基に生成した差電流(I1−I2)(又は(n×(I1−I2)))を、同出力電流I1,I2を基に生成した和電流(I1+I2)(又は(m×(I1+I2)))で除算演算して、位置信号Vo’’を生成している。
このようにすることで、位置検出装置は、環境温度による影響を抑え、磁石及び磁気センサの特性のバラツキや組立精度による影響を抑えることができる。
また、位置検出装置は、電流除算回路15により除算演算している。ここで、電流除算回路15は、回路規模の小さい回路である。よって、電流除算回路15の回路規模が小さいため、位置検出装置は、小型化されたものとなる。
なお、この第3の実施形態では、減算回路13は電流加減算回路に対応する。
(構成)
第4の実施形態は、前記第1〜第3の実施形態と同様、位置検出装置である。
第4の実施形態では、V/I変換回路による電圧を電流に変換するタイミングが前記第1〜第3の実施形態のものと異なっている。すなわち、第4の実施形態では、V/I変換部に入力する信号が前記第1〜第3の実施形態のものと異なる。
図9は、第4の実施形態の位置検出装置の概略構成を示す回路ブロックである。
図9に示すように、位置検出装置は、検出部11、減算回路21、加算回路22、V/I変換回路23、電流除算回路15、及び出力回路16を有する。
検出部11は、各磁気センサ11a,11bの出力電圧V1,V2を減算回路21及び加算回路22に出力する。
減算回路21は、電圧減算回路である。減算回路21は、出力電圧V1,V2を基に下記出力電圧(差電圧)Vo1を生成する。また、加算回路22は、電圧加算回路である。加算回路22は、出力電圧V1,V2を基に下記出力電圧(和電圧)Vo2を生成する。
Vo1=V1−I2
Vo2=V1+I2
V/I変換回路23は、電圧電流変換回路である。V/I変換回路23は、出力電圧Vo1,Vo2を下記出力電流(差電流及び和電流)Io1,Io2にそれぞれ変換する。
Io1=I1−I2
Io2=I1+I2
V/I変換回路23は、出力電流Io1,Io2を電流除算回路15に出力する。
そして、前記第1の実施形態と同様に、電流除算回路15は、出力電流Io1,Io2を基に出力電流Io3を生成し、生成した出力電流Io3を出力回路16に出力する。出力回路16は、電流除算回路15の出力電流Io3に基準電流Iref及び任意のゲインGainを乗算して電圧変換し、位置信号Voを出力する。
位置検出装置は、磁石10が移動又は傾斜すると、検出部11の磁気センサ11a,11bがその移動又は傾斜に応じた出力電圧V1,V2を減算回路21及び加算回路22に出力する。
減算回路21は、出力電圧V1,V2を基に生成した差電圧Vo1をV/I変換回路23に出力する。また、加算回路22は、出力電圧V1,V2を基に生成した和電圧Vo2をV/I変換回路23に出力する。
V/I変換回路23は、減算回路21及び加算回路22の出力電圧Vo1,Vo2を出力電流(差電流及び和電流)Io1,Io2に変換して、電流除算回路15に出力する。
出力回路16は、電流除算回路15の出力電流Io3に基準電流Iref及び任意のゲインGainを乗算して電圧変換し、位置信号Voを出力する。
ここで、第4の実施形態では、減算回路21と加算回路22を電圧演算回路とし、V/I変換回路23が、減算回路21と加算回路22とが出力する差電圧Vo1及び和電圧Vo2を差電流及び和電流Io1,Io2に変換して、電流除算回路15に出力している。
すなわち、位置検出装置は、環境温度による影響を抑え、磁石及び磁気センサの特性のバラツキや組立精度による影響を抑えることができる。
また、位置検出装置は、電流除算回路15により除算演算している。ここで、電流除算回路15は、回路規模の小さい回路である。よって、電流除算回路15の回路規模が小さいため、位置検出装置は、小型化されたものとなる。
(構成)
第5の実施形態は、前記第1〜第4の実施形態と同様、位置検出装置である。
第5の実施形態では、X軸及びY軸(2軸)に対応して検出部を有する。すなわち、第5の実施形態では、4個(2対)の磁気センサを有しており、その点が前記第1〜第4の実施形態のものと異なる。
図10は、第5の実施形態の位置検出装置の概略構成を示す回路ブロックである。
図10に示すように、位置検出装置は、X軸及びY軸に対応する検出部11X,11Yを有し、そのX軸及びY軸用検出部11X,11Yに対応して、X軸及びY軸用V/I変換回路12X,12Y、X軸及びY軸用減算回路13X,13Y、X軸及びY軸用加算回路14X,14Y、X軸及びY軸用電流除算回路15X,15Y、X軸及びY軸用及び出力回路16X,16Yを有する。
第1〜第4磁気センサ11Xa,11Xb,11Ya,11Ybは、前記第1〜第4の実施形態と同様に、例えば、ホール素子、半導体磁気抵抗素子、感磁性体磁気抵抗素子、又はGMR素子である。
図12に示すように、位置Xが第1及び第2磁気センサ11Xa,11Xbから遠いほど、第1及び第2磁気センサ11Xa,11Xbの出力電圧V1X,V2Xは小さくなる。また、位置Xが第1及び第2磁気センサ11Xa,11Xbに近いほど、第1及び第2磁気センサ11Xa,11Xbの出力電圧V1X,V2Xは大きくなる。
図13に示すように、位置Yが第3及び第4磁気センサ11Ya,11Ybから遠いほど、第3及び第4磁気センサ11Ya,11Ybの出力電圧V1Y,V2Yは小さくなる。また、位置Yが第3及び第4磁気センサ11Ya,11Ybに近いほど、第3及び第4磁気センサ11Ya,11Ybの出力電圧V1Y,V2Yは大きくなる。
X軸用V/I変換回路12Xは、第1及び第2磁気センサ11Xa,11Xbの出力電圧V1X,V2Xを電流I1X,I2Xに変換する。X軸用V/I変換回路12Xは、電流I1X,I2XをX軸用減算回路13X及びX軸用加算回路14Xに出力する。
Io1X=I1X−I2X
Io2X=I1X+I2X
X軸用減算回路13X及びX軸用加算回路14Xは、出力電流Io1X,Io2XをX軸用電流除算回路15Xに出力する。
X軸用電流除算回路15Xは、出力電流Io1X,Io2Xを基に、下記出力電流Io3Xを生成する。
Io3X=Io1X/Io2X
=(I1X−I2X)/(I1X+I2X)
Io1X=I1X−I2X>0
X軸用電流除算回路15Xは、出力電流Io3XをX軸用出力回路16Xに出力する。
X軸用出力回路16Xは、下記式のように、X軸用電流除算回路15Xの出力電流Io3Xに基準電流Iref及び任意のゲインGainを乗算して電圧変換し、位置信号VoXを出力する。
VoX=(I1X−I2X)/(I1X+I2X)×Iref×Gain
Y軸用減算回路13Yは、電流I1Y,I2Yを基に下記出力電流(差電流)Io1Yを生成する。また、Y軸用加算回路14Yは、電流I1Y,I2Yを基に下記出力電流(和電流)Io2Yを生成する。
Io1Y=I1Y−I2Y
Io2Y=I1Y+I2Y
Y軸用電流除算回路15Yは、出力電流Io1Y,Io2Yを基に、下記出力電流Io3Yを生成する。
Io3Y=Io1Y/Io2Y
=(I1Y−I2Y)/(I1Y+I2Y)
Io1Y=I1Y−I2Y>0
Y軸用電流除算回路15Yは、出力電流Io3YをY軸用出力回路16Yに出力する。
Y軸用出力回路16Yは、下記式のように、Y軸用電流除算回路15Yの出力電流Io3Yに基準電流Iref及び任意のゲインGainを乗算して電圧変換し、位置信号VoYを出力する。
VoY=(I1Y−I2Y)/(I1Y+I2Y)×Iref×Gain
第5の実施形態の位置検出装置は、前記第1の実施形態の位置検出装置とはX軸(1軸)だけでなくY軸にも(2軸に)検出部を備える点で異なる。そして、第5の実施形態の位置検出装置では、X軸及びY軸に対応する位置信号VoX,VoYを、前記第1の実施形態の位置検出装置が位置信号Voを得る処理と同様な処理により得ている。これにより、第5の実施形態でも、前記第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
このようにすることで、位置検出装置は、環境温度による影響を抑え、磁石及び磁気センサの特性のバラツキや組立精度による影響を抑えることができる。
なお、この第5の実施形態では、X軸及びY軸用V/I変換回路12X,12Yは電圧電流変換回路に対応する。X軸及びY軸用減算回路13X,13Yは電流減算回路に対応する。X軸及びY軸用加算回路14X,14Yは電流加算回路に対応する。X軸及びY軸用電流除算回路15X,15Yは電流除算回路に対応する。X軸及びY軸用出力回路16X,16Yは出力手段に対応する。
(1)第5の実施形態のように4個(2対)の磁気センサを用いて、前記第2〜第4の実施形態のような演算内容により、位置信号を得ることもできる。
(2)第2及び第3の実施形態では、減算回路13が差電流(I1−I2)又は差電流(n×(I1−I2))に和電流(I1+I2)又は和電流(m×(I1+I2))を加算した電流Io1’又は電流Io1’’を生成している。これに対して、加算回路14が生成した和電流(I1+I2)又は和電流(m×(I1+I2))を減算回路13に出力して、減算回路13が加算回路14から得た和電流(I1+I2)又は和電流(m×(I1+I2))を用いて、電流Io1’又は電流Io1’’を生成することもできる。
(3)本実施形態では、2個(1対)の磁気センサ又は4個(2対)の磁気センサにより位置検出装置(検出部)を構成している。これに対して、6個以上(3対以上)の磁気センサにより位置検出装置(検出部)を構成することもできる。
Claims (7)
- 2個の磁気センサが互いに離間されて配置される少なくとも1つの磁気センサ対と、
前記磁気センサ対に対して移動自在又は傾斜自在に配設される磁石と、
前記磁気センサ対の各磁気センサの差電流に基づいた値を、該各磁気センサの和電流で除算する演算回路と、
前記演算回路が除算して得た値を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする位置検出装置。 - 前記演算回路は、前記磁気センサ対の各磁気センサの出力電圧を電流に変換する電圧電流変換回路と、前記電圧電流変換回路が変換した各電流を基に、前記差電流を生成する電流減算回路と、前記電圧電流変換回路が変換した各電流を基に、前記和電流を生成する電流加算回路と、前記電流減算回路が生成した差電流を前記電流加算回路が生成した和電流で除算する電流除算回路と、を備え、
前記出力手段は、前記電流除算回路が除算して得た値を出力することを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。 - 前記演算回路は、前記磁気センサ対の各磁気センサの出力電圧を電流に変換する電圧電流変換回路と、前記電圧電流変換回路が変換した各電流を基に生成した差電流に、前記電圧電流変換回路が変換した各電流を基に生成した和電流を加算した電流を生成する電流加減算回路と、前記電圧電流変換回路が変換した各電流を基に、前記和電流を生成する電流加算回路と、前記電流加減算回路が前記差電流に前記和電流を加算して生成した電流を、前記電流加算回路が生成した和電流で除算する電流除算回路と、を備え、
前記出力手段は、前記電流除算回路が除算して得た値を出力することを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。 - 前記演算回路は、前記磁気センサ対の各磁気センサの出力電圧を電流に変換する電圧電流変換回路と、前記電圧電流変換回路が変換した各電流を基に生成した差電流を任意の整数nによりn倍した差電流であるn倍差電流に、前記電圧電流変換回路が変換した各電流を基に生成した和電流を任意の整数mによりm倍した和電流であるm倍和電流を加算した電流を生成する電流加減算回路と、前記電圧電流変換回路が変換した各電流を基に和電流を生成し、生成した和電流を任意の整数mによりm倍した和電流であるm倍和電流を生成する電流加算回路と、前記電流加減算回路が前記n倍差電流に前記m倍和電流を加算して生成した電流を、前記電流加算回路が生成したm倍和電流で除算する電流除算回路と、を備え、
前記出力手段は、前記電流除算回路が除算して得た値を出力することを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。 - 前記演算回路は、前記磁気センサ対の各磁気センサの出力電圧を基に、差電圧を生成する電圧減算回路と、該磁気センサ対の各磁気センサの出力電圧を基に、和電圧を生成する電圧加算回路と、前記電圧減算回路及び電圧加算回路が生成した差電圧及び和電圧を差電流及び和電流にそれぞれ変換する電圧電流変換回路と、前記電圧電流変換回路が変換した差電流を前記電圧電流変換回路が変換した和電流で除算する電流除算回路と、を備え、
前記出力手段は、前記電流除算回路が除算して得た値を出力することを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。 - 一の方向に2個の磁気センサが互いに離間されて配置される一の磁気センサ対と、前記一の方向に対して垂直な他の方向に2個の磁気センサが互いに離間されて配置される他の磁気センサ対と、を備え、前記一の磁気センサ対の2個の磁気センサの中間位置と、前記他の磁気センサ対の2個の磁気センサの中間位置とが一致しており、
前記磁石は、前記一致する位置を通り前記一の方向及び前記他の方向それぞれに対して垂直な軸線上に配置されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の位置検出装置。 - 前記電流除算回路は、前記除算により電流値を出力しており、
前記出力手段は、前記電流除算回路が出力した除算して得た値である電流値を電圧値に変換して出力する電流電圧変換回路であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の位置検出装置。
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