JP5054831B2 - 方位角計測装置 - Google Patents
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Description
歩行者の進行方向を計測するために、従来から行われている方法として、感度の高いフラックスゲートセンサにより地磁気を検出して方位を求める方法があった。なお、このような従来技術としては、例えば、特許文献1が挙げられる。
そこで、本発明の目的は、感度の低い磁気センサを用いたか、近くに地磁気より大きな磁気を発生する物がある移動機器内に搭載された場合においても、地磁気から方位を計測することが可能な方位角計測装置を提供することである。
また、請求項3記載の方位角計測装置によれば、前記磁気センサが、地磁気を検出する3軸以上の磁気センサであり、2軸以上の傾斜センサと、前記傾斜センサの各軸出力値に基づいて、前記移動機器が水平面に対して傾いている傾斜角を計算する傾斜角計算部と、前記第1の補正計算部による磁気センサ出力補正値および前記2軸以上の傾斜角計算値に基づいて、前記移動機器が向かっている水平面の方位を計算する方位角計算部と、を備えることを特徴とする。
また、請求項6記載の方位角計測装置によれば、前記磁気センサの内少なくとも1つが、ホール素子であることを特徴とする。
さらに、請求項8記載の方位角計測装置によれば、前記基準値が、前記携帯機器の前記使用状態に対応したオフセット値であることを特徴とする。
図1は、本発明の第1実施形態に係る方位角計測装置の構成を示すブロック図である。
図1において、2軸磁気センサ1、チョッパ部2、磁気センサ駆動電源部3、差動入力アンプ4、A/D変換部5、補正計算部6、補正値記憶部7および方位角計算部8が設けられ、2軸磁気センサ1には、x軸ホール素子HExおよびy軸ホール素子HEyが設けられている。
チョッパ部2はx軸ホール素子HExおよびy軸ホール素子HEyを駆動する端子を切り換えるためのもので、磁気センサ駆動電源部3から出力された駆動電圧をx軸ホール素子HExおよびy軸ホール素子HEyに印加する。
また、360°チョッパ駆動では、x軸ホール素子HExおよびy軸ホール素子HEyの出力に含まれるホール素子自身のオフセット項だけでなく、後段のアンプ自身による電気的なオフセット項もキャンセルすることができる。
図2において、x軸ホール素子HExおよびy軸ホール素子HEyには4つの端子T1〜T4が設けられている。そして、360°チョッパ駆動方法では、4つの位相ごとに、入力端子および出力端子を切り換えながら、x軸ホール素子HExおよびy軸ホール素子HEyを駆動する。
(D0+D90−D180−D360)=H1+H2+F2
ここで、補正値記憶部7には、上記H2+F2に相当するx軸ホール素子HExおよびy軸ホール素子HEyの基準値Lx、Lyが記憶され、補正計算部6は、この基準値Lx、Lyを用いることにより、x軸ホール素子HExおよびy軸ホール素子HEyの出力増幅値Dx、Dyを補正し、上記H1に相当する地磁気の各軸成分に比例した値α、βだけを取り出す。
そして、補正計算部6は、x軸ホール素子HExおよびy軸ホール素子HEyの出力増幅値Dx、Dyから、この基準値Lx、Lyを減算することにより、x軸ホール素子HExおよびy軸ホール素子HEyの出力から、地磁気の各軸成分に比例した値α、βだけを取り出すことができる。
これにより、たとえ地磁気から得られる信号が微弱なため、チョッパ部2でオフセットをキャンセルした後の残留オフセット値が、信号成分と同等レベル以上残っている場合においても、また、携帯機器の近くに、スピーカ等地磁気より大きい磁気を発生するものがある場合においても、方位角の算出を行うことが可能となる。
図3において、補正計算部6は、x軸ホール素子HExおよびy軸ホール素子HEyの出力増幅値Dx、Dyを取得すると(ステップS1)、x軸ホール素子HExおよびy軸ホール素子HEyの基準値Lx、Lyを補正値記憶部7から取得する(ステップS2)。
次に、方位角算出部8は、地磁気の各軸成分に比例した値α、βを用いることにより、方位角θを算出し(ステップS4)、算出した方位角θを出力する(ステップS5)。
通常、携帯機器、特に、携帯電話等電源容量に限りがある機器の場合には、消費電力を抑えたり、計算速度を速めたりするために、固定小数点演算を行うことが多い。
これにより、地磁気の各軸成分に比例した値α、βのみを積算平均して、S/N比を向上させることができ、感度の低いx軸ホール素子HExおよびy軸ホール素子HEyを用いた場合においても、歩行者の進行方向を計測するために必要な角度分解能を確保することができる。
図5において、3軸磁気センサ11、チョッパ部12、磁気センサ駆動電源部13、差動入力アンプ14、A/D変換部15、補正計算部16、補正値記憶部17、方位角計算部18、積算平均部19、傾斜角計算部2F2軸傾斜センサ21および傾斜センサ駆動電源部22が設けられ、3軸磁気センサ11には、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzが設けられている。
ここで、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzはチョッパ部12により駆動端子が入れ換えられる。そして、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzから出力された信号は、差動入力アンプ14で増幅され、ここで増幅された出力増幅値Dx、Dy、DzがA/D変換部15でデジタル信号に変換された後、補正計算部16に入力される。
ここで、補正値記憶部17には、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzの基準値Lx、Ly、Lzに加え、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzの感度比Gx、Gy、Gzが記憶される。
そして、補正計算部16は、これらの基準値Lx、Ly、Lzおよび感度比Gx、Gy、Gzを用いることにより、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzの出力増幅値Dx、Dy、Dzを補正し、地磁気の各軸成分に比例した値α、β、γだけを取り出す。
図6において、各ホール素子HEx、HEy、HEzの地磁気感度値(地磁気水平成分の最大値に対応する各ホール素子HEx、HEy、HEzの出力値)は、17.3、15.9、18.0である。
また、方位角計測装置を携帯機器に入れる前の状態で、チョッパ駆動なしで測定した各ホール素子HEx、HEy、HEzのオフセット値(mV)は、−164.5、301.0、1064.0、方位角計測装置を携帯機器に入れる前の状態で、チョッパ駆動ありで測定した各ホール素子HEx、HEy、HEzのオフセット値(mV)は、25.3、22.8、16.8、方位角計測装置を携帯機器に入れた後の状態で、チョッパ駆動なしで測定した各ホール素子HEx、HEy、HEzのオフセット値(mV)は、−58.1、253.8、774.7、方位角計測装置を携帯機器に入れる前の状態で、チョッパ駆動ありで測定した各ホール素子HEx、HEy、HEzのオフセット値(mV)は、131.7、−24.4、−272.5である。
また、地磁気感度値として、ホール素子感磁軸が水平になるように配置し、水平面で1周等速回転させて、この時の最大出力と最小出力との差を2で割った値を用いた。
また、オフセット値として、ホール素子感磁軸が水平になるように配置し、水平面で1周等速回転させて、この時の出力を1周積分平均した値を用いた。
また、携帯機器のスピーカなどに使用される磁石からの磁気の影響のため、方位角計測装置を携帯機器に入れる前後で、各ホール素子HEx、HEy、HEzのオフセット値は大きく異なり、その差はチョッパを用いた場合においても、地磁気を測定した場合の各ホール素子HEx、HEy、HEzの信号成分と同等レベルかそれ以上ある。
そして、図5の補正計算部16は、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzの出力増幅値Dx、Dyを、補正値記憶部17に記憶されている感度補正値および方位角計測装置を携帯機器に入れた後の状態で測定した基準値を用いて補正する。
これにより、方位角計測装置が搭載された携帯端末が傾いている場合においても、微弱な地磁気を用いて方位を算出することができる。
例えば、折り畳み式の携帯電話では、携帯電話を折り畳んだ状態と、携帯電話を開いた状態とでは、各ホール素子HEx、HEy、HEzのオフセット値が異なる。
ここで、感度とオフセットが補正された3軸の地磁気データα、β、γおよび2軸の傾斜角データφ、ηを用いて方位角θを算出する場合、以下の計算アルゴリズムを用いることができる。
図7において、地磁気ベクトル(x、y、z)に対応してTMx軸を設定し、このTMx軸に直交する2軸をTMy軸、TMz軸とする。
また、方位角計測装置を携帯端末10に搭載して用いる場合において、地磁気ベクトル(x、y、z)に対する携帯端末10の方位をθ、俯角をδとする。また、携帯端末10は水平面から長手方向にφ、短手方向にηだけ傾いているものとする。
次に、HZ軸の周りに、θだけ回転させ、この回転後の軸をM1x、M1y、M1zとする。
次に、M1y軸の周りに、−φだけ回転させ、この回転後の軸をM2x、M2y、M2zとし、さらに、M2x軸の周りに、−ηだけ回転させる。
図8は、図5の補正計算部16、傾斜角計算部20および方位角算出部18の動作例を示すフローチャートである。
図8において、補正計算部16は、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzの出力増幅値Dx、Dy、Dzを取得すると(ステップS11)、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzの基準値Lx、Ly、Lzを補正値記憶部17から取得する(ステップS12)。
次に、方位角計算部18は、地磁気の各軸成分に比例した値α、β、γと傾斜角φ、ηとを用いることにより、方位角θを算出し(ステップS17)、算出した方位角θを出力する(ステップS18)。
なお、上述した実施形態では、傾斜角φ、ηを求めるために、2軸傾斜センサ21の計測値を用いる方法について説明したが、傾斜角を使用者が設定し、この設定値を用いて、方位角θを算出するようにしてもよい。
11 3軸磁気センサ
HEx x軸ホール素子
HEy y軸ホール素子
HEz z軸ホール素子
2、12 チョッパ部
3、13 磁気センサ駆動電源部
4、14 差動入力アンプ
5、15 A/D変換部
6、16 補正計算部
7、17 補正値記憶部
8、18 方位角計算部
9、19 積算平均部
20 傾斜角計算部
10 携帯端末 21 2軸傾斜センサ
22 傾斜センサ駆動電源部
Claims (8)
- 携帯機器内に搭載される方位角計測装置であって、
地磁気を検出する2軸以上の磁気センサと、
前記磁気センサの各軸出力に対する基準値を、前記携帯機器自体の形状変化を伴う使用状態ごとに複数記憶する第1の補正値記憶部と、
前記磁気センサの出力増幅値から前記使用状態に対応した前記基準値を選択して減算する第1の補正計算部と、
前記第1の補正計算部による出力補正値に基づいて、前記使用状態に対応して前記携帯機器が向かっている方位を計算する方位角計算部と、
を備えることを特徴とする方位角計測装置。 - 前記携帯機器は折り畳み式の携帯電話であり、前記携帯機器の使用状態は、前記携帯電話を折り畳んだ状態と、携帯電話を閉じた状態を含むことを特徴とする請求項1に記載の方位角計測装置。
- 前記磁気センサは、地磁気を検出する3軸以上の磁気センサであり、
2軸以上の傾斜センサと、
前記傾斜センサの各軸出力値に基づいて、前記移動機器が水平面に対して傾いている傾斜角を計算する傾斜角計算部と、
前記第1の補正計算部による磁気センサ出力補正値および前記2軸以上の傾斜角計算値に基づいて、前記移動機器が向かっている水平面の方位を計算する方位角計算部と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の方位角計測装置。 - 前記磁気センサは、地磁気を検出する3軸以上の磁気センサであり、
傾斜角を設定する傾斜角設定手段と、
前記第1の補正計算部による磁気センサ出力補正値および前記傾斜角設定手段により設定された傾斜角に基づいて、前記移動機器が向かっている水平面の方位を計算する方位角計算部と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の方位角計測装置。 - 移動機器内に搭載される方位角計測装置であって、
前記磁気センサの出力増幅値から前記基準値を減算した出力補正値を積算平均する積算平均部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方位角計測装置。 - 前記磁気センサの内少なくとも1つは、ホール素子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方位角計測装置。
- 前記ホール素子を駆動する電源の入力端子と、前記ホール素子の電圧出力端子の接続を切り替えるチョッパ部を備えると共に、
前記チョッパ部を利用して前記ホール素子の出力に含まれるオフセットの大部分を相殺した後に、前記基準値を減算する第3の補正計算部を備えることを特徴とする請求項6に記載の方位角計測装置。 - 前記基準値が、前記携帯機器の前記使用状態に対応したオフセット値であることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の方位角計測装置。
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