JP2012247298A - 位置検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、広い区間において位置検出が可能で、さらに簡単な構成でありながら、広い温度範囲で物体の位置を正確に検出できる位置検出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の位置検出装置は、第1、第2の磁気検出素子を有する磁気検出部21と、磁石51とを備え、前記第1の磁気検出素子の出力と前記第2の磁気検出素子の出力との比から、磁束密度がX軸となす角度θを求めることによって、前記磁石のX軸方向の相対的な移動距離を検出したものである。
【選択図】図3
【解決手段】本発明の位置検出装置は、第1、第2の磁気検出素子を有する磁気検出部21と、磁石51とを備え、前記第1の磁気検出素子の出力と前記第2の磁気検出素子の出力との比から、磁束密度がX軸となす角度θを求めることによって、前記磁石のX軸方向の相対的な移動距離を検出したものである。
【選択図】図3
Description
本発明は、磁気を利用して物体の位置を検出する装置に関し、更に詳しくはオートフォーカスレンズ等の直線方向の位置を検出する装置に関する。
一般にビデオカメラやデジタルスチルカメラはフォーカス機能やズーム機能や手ぶれ補正機能等を具備している。これらの機能は、主にレンズ等の複数の光学デバイスを相対的に移動制御させる各種移動機構により実現している。これらの移動機構は、通常、光学デバイスの位置や移動距離を検出するための位置検出装置を備え、この装置からの情報に基づきアクチュエータ等を駆動させて位置制御を行っている。
このような位置検出装置としては、ホール素子と永久磁石を組み合わせて構成したものが知られている。図5(a)は従来の位置検出装置が適用されたステージ駆動機構の上面図、図5(b)は図5(a)の同ステージ駆動機構のI−I線横断面図を示す(特許文献1参照)。図5(a)(b)において、このステージ駆動機構1は、撮像素子2と、ホール素子3a、3b、3cと、コイル4a、4b、4cとが設けられた可動部5と、永久磁石6a、6b、6cが設けられた固定部7とからなり、手ぶれ補正信号に基づいてコイル4a、4b、4cに駆動電流を流し、前記撮像素子2を固定部7に対して、並進および回転させるとともに、可動部5の位置を前記ホール素子3a、3b、3cと永久磁石6a、6b、6cから成る位置検出装置を用いて検出し、フィードバック制御することにより、適正な手ぶれ補正を行うものである。
図6(a)はホール素子3と永久磁石6とから成る従来の位置検出装置の構成を示し、図6(b)は同位置検出装置の位置−出力電圧の変化を示すものである。図6(a)において、永久磁石6は同一平面上に異なる磁極を突き合わせて配するとともに、ホール素子3の感磁方向を永久磁石6の磁極面に対して垂直方向としているために、ホール素子3の出力電圧は図6(b)に示すように、ホール素子3が前記異なる磁極の突き合わせ部から離れると、中点電位から極値を経た後、減少または増加して再び中点電位に漸近する、という変化を示すことになる。これにより、ホール素子3と永久磁石6の各々が配置された部材間の相対的な移動距離を検出するものである。
しかしながら、上記従来の位置検出装置においては、ホール素子3はこれに印加される磁界の垂直方向成分に比例した電圧を検出するのみであるため、ホール素子3が異なる磁極の突き合わせ部から離れると、中点電位から極値を経た後、出力電圧が急速に減少、または増加して中点電位に漸近する。このため、従来の位置検出装置は位置検出が可能な範囲が小さいという問題があった。すなわち、従来の位置検出装置は、たとえば、2mm程度といった狭い区間における位置検出には向いているが、2〜20mm程度といった比較的広い区間における位置検出には不向きであり、昨今の軽量かつコンパクトなカメラ等の開発においてはその適用範囲は限定されるという問題点があった。さらに、上記従来の位置検出装置においては、ホール素子3の出力オフセット電圧が温度により大きく変動するとともに、その変動量も素子によりバラツキが大きいため、位置検出誤差が生じてしまうという問題もあった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、従来の位置検出装置よりも広い区間において位置検出が可能で、さらに簡単な構成でありながら、広い温度範囲で物体の位置を正確に検出できる位置検出装置を提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
請求項1に記載の発明は、基板と、前記基板の主面上に原点を配し、該原点を通り互いに直交するX軸、Y軸により前記基板の主面上にXY座標系を定義したとき、前記原点上に配置した前記X軸方向に主感度を持つ第1の磁気検出素子と、前記Y軸方向に主感度を持つ第2の磁気検出素子と、前記基板に平行に、前記X軸に沿って相対的に移動可能な磁石とを備え、前記第1、第2の磁気検出素子は略同一の感度を有し、前記磁石により原点に発生する磁束密度がX軸となす角度をθとしたとき、前記磁石が前記原点から相対的にxだけ移動した時に、前記θがxに関する単調一価関数となるよう磁石の形状を設定することにより、前記原点を挟むX軸上の所定の区間内で、前記第1の磁気検出素子の出力と前記第2の磁気検出素子の出力との比の逆正接関数から前記θを求めることによって、前記磁石のX軸方向の相対的な移動距離を検出するようにしたもので、この構成によれば、簡単な構成で、磁石のX軸方向の相対的な移動距離を広い範囲内で検出することができるとともに、前記第1の磁気検出素子の出力と前記第2の磁気検出素子の出力との比から前記θを求めているため、温度変化による前記第1の磁気検出素子と前記第2の磁気検出素子の出力の変動をキャンセルするようにでき、これにより、雰囲気温度が変化しても、磁石のX軸方向の相対的な移動距離を安定かつ正確に検出できるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項2に記載の発明は、特に、前記単調一価関数がxに関する略一次関数としたもので、この構成によれば、磁石形状を変更することにより、θがxに関する略一次関数と見なされる範囲を拡大でき、これにより、測定されたθの値に比例定数を乗ずるという簡単な操作を施すだけで磁石のX軸方向の移動距離を正確に検出できるという作用効果を有するものである。
以上のように本発明の位置検出装置は、基板と、前記基板の主面上に原点を配し、該原点を通り互いに直交するX軸、Y軸により前記基板の主面上にXY座標系を定義したとき、前記原点上に配置した前記X軸方向に主感度を持つ第1の磁気検出素子と、前記Y軸方向に主感度を持つ第2の磁気検出素子と、前記基板に平行に、前記X軸に沿って相対的に移動可能な磁石とを備え、前記第1、第2の磁気検出素子は略同一の感度を有し、前記磁石により原点に発生する磁束密度がX軸となす角度をθとしたとき、前記磁石が前記原点から相対的にxだけ移動した時に、前記θがxに関する単調一価関数となるよう磁石の形状を設定することにより、前記原点を挟むX軸上の所定の区間内で、前記第1の磁気検出素子の出力と前記第2の磁気検出素子の出力との比の逆正接関数から前記θを求めることによって、前記磁石のX軸方向の相対的な移動距離を検出するようにしたもので、この構成によれば、簡単な構成で、磁石のX軸方向の相対的な移動距離を広い範囲内で検出することができるとともに、前記第1の磁気検出素子の出力と前記第2の磁気検出素子の出力との比から前記θを求めているため、温度変化による前記第1の磁気検出素子と前記第2の磁気検出素子の出力の変動をキャンセルするようにでき、これにより、雰囲気温度が変化しても、磁石のX軸方向の相対的な移動距離を安定かつ正確に検出できるという優れた効果を奏するものである。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1に記載の発明について説明する。図1(a)は本発明の実施の形態1における位置検出装置にて用いる磁気検出部21の分解斜視図、図1(b)は同横断面図、図2(a)は同要部である第1のブリッジ回路の上面図、図2(b)は第2のブリッジ回路の上面図である。また、図2(c)は前記第1のブリッジ回路の電気回路図である。
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1に記載の発明について説明する。図1(a)は本発明の実施の形態1における位置検出装置にて用いる磁気検出部21の分解斜視図、図1(b)は同横断面図、図2(a)は同要部である第1のブリッジ回路の上面図、図2(b)は第2のブリッジ回路の上面図である。また、図2(c)は前記第1のブリッジ回路の電気回路図である。
図1(a)(b)において、22はアルミナ等の絶縁性、非磁性の基板であり、該基板22の主面上に原点を配し、該原点を通り互いに直交するX軸、Y軸、Z軸により前記基板の主面上にXYZ座標系を定義している。そして、23A、23Bは各々、前記原点上に配置した第1および第2のブリッジ回路である。また、24A、24Bは各々、磁界の向きが設定されたCoPt合金、CoCrPt合金、フェライト等の磁石からなり、この基板22上で、前記第1および第2のブリッジ回路23A、23Bのそれぞれと対向する位置に設けられた第1、第2の磁気バイアス部である。さらに、25A、25B、25Cは、前記第1のブリッジ回路23Aと第1の磁気バイアス部24Aとの間、前記第1の磁気バイアス部24Aと第2のブリッジ回路23Bとの間、前記第2のブリッジ回路23Bと第2の磁気バイアス部24Bとの間にそれぞれ設けられたSiO2、アルミナ、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等からなる絶縁層である。これにより、第1のブリッジ回路23Aと第1の磁気バイアス部24Aとからなる第1の磁気検出素子23と、第2のブリッジ回路23Bと第2の磁気バイアス部24Bとからなる第2の磁気検出素子24が基板22上に積み重ねて形成される。
図2(a)において、第1のブリッジ回路23Aは第1の検出部30A、第2の検出部30B、第3の検出部30Cおよび第4の検出部30Dとから構成される。ここで、第1の検出部30Aから第4の検出部30Dは、強磁性薄膜や人工格子多層膜等の磁気抵抗体を複数折り返して形成される。強磁性薄膜はNiCo,NiFe等からなり、外部磁界が垂直に印加されたときに抵抗値変化率が最大となる。また、複数折り返すことにより、感磁部分の抵抗値を大きくして、引き回し部分の抵抗の影響を小さくして効率よく磁界検出することができる。ここで、第1の検出部30Aと第2の検出部30Bとは電気的に直列に接続されており、第3の検出部30Cと第4の検出部30Dも電気的に直列に接続されている。そして、第1の検出部30Aと第2の検出部30Bの直列回路と、第3の検出部30Cと第4の検出部30Dの直列回路とは電気的に並列に接続している。さらに、第1の検出部30Aと第2の検出部30Bとの接続部は第1の出力電極31Aと接続しており、第3の検出部30Cと第4の検出部30Dとの接続部は第2の出力電極31Bと接続している。また、第1の検出部30Aと第2の検出部30Bとは、パターンの長手方向が互いに略90°異なっている。第3の検出部30Cと第4の検出部30Dにおいても同様の構成である。そして、第1の検出部30Aと第4の検出部30Dとは、パターンの長手方向が平行である。第2の検出部30Bと第3の検出部30Cにおいても同様の構成である。なお、第1の検出部30Aと第3の検出部30Cとは、入力電極32Aに接続している。一方、第2の検出部30Bと第4の検出部30Dとは、グランド電極32Bに接続している。このように、第1の検出部30Aから第4の検出部30Dは 図2(c)に示すようにフルブリッジを構成している。また、第1のブリッジ回路23Aには、第1の磁気バイアス部24Aにより、図で示すY軸方向に平行にバイアス磁界33が印加されている。このとき、第1の検出部30A〜第4の検出部30Dは、その長手方向が第1の磁気バイアス部24Aで発生するバイアス磁界33と45°の角度をなすように配置している。
第1のブリッジ回路23Aと同様に、第2のブリッジ回路23Bも第5の検出部40A、第6の検出部40B、第7の検出部40Cおよび第8の検出部40Dとを備える。そして第3の出力電極41A、および第4の出力電極41B、入力電極42A、グランド電極42Bと接続している。これらの構成要素は、それぞれ、第2のブリッジ回路23Bの第5の検出部40Aが第1のブリッジ回路23Aの第1の検出部30Aに対応する。以下同様に、第6の検出部40Bが第2の検出部30Bに、第7の検出部40Cが第3の検出部30Cに、第8の検出部40Dが第4の検出部30Dに、入力電極42Aが入力電極32Aに、グランド電極42Bがグランド電極32Bに、第3の出力電極41Aが第1の出力電極31Aに、第4の出力電極41Bが第2の出力電極31Bに対応する。なお、入力電極32Aと入力電極42Aとは電気的に接続され、グランド電極32Bとグランド電極42Bとも電気的に接続されている。すなわち、第1のブリッジ回路23Aと第2のブリッジ回路23Bとは電気的に並列に接続されている。そして、第2のブリッジ回路23Bには、第2の磁気バイアス部24Bにより、図で示すX軸方向に平行にバイアス磁界43が印加されている。このとき、第5の検出部40A〜第8の検出部40Dは、その長手方向が第2の磁気バイアス部24Bで発生するバイアス磁界43と45°の角度をなすように配置している。
図3(a)は前記図1の磁気検出部21を用いた位置検出装置50の斜視図、図3(b)は同装置の側面図、図3(c)は同装置において、前記磁気検出部21を原点にとった場合に、磁石のX軸方向の位置と、前記磁石により前記磁気検出部21の位置に発生する磁束密度がX軸となす角度θとの関係を示すシミュレーション結果である。
図3(a)(b)において、位置検出装置50は磁気検出部21と、磁石51とからなり、前記磁気検出部21はデジタルカメラ等の機器に固定されている。前記のように、磁気検出部21の基板22の主面上には原点と、該原点を通り互いに直交するX軸、Y軸が定義され、前記原点上には第1、第2の磁気検出素子23、24(図示せず)が設けられている。また、51はX軸方向に着磁された直方体状の磁石であり、前記磁気検出部21に平行に、X軸方向に沿って移動可能である。
以下、本発明の実施の形態1における位置検出装置50の動作について説明する。
第1のブリッジ回路23Aの入力電極32Aとグランド電極32Bの間に所定の電圧を印加する。最初に、第1の検出部30A〜第4の検出部30Dに、磁石51からの磁界が作用しない場合を考える。この場合には、第1の磁気バイアス部24Aから発生したY軸方向のバイアス磁界33が第1の検出部30A〜第4の検出部30Dに一様に作用するため、第1の検出部30A〜第4の検出部30Dの抵抗値は各々R1(1−△)、R2(1−△)、R3(1−△)、R4(1−△)に変化する。ここで、R1、R2、R3、R4は各々第1の検出部30A〜第4の検出部30Dの初期抵抗、△はバイアス磁界33による抵抗変化率である。この時、R1*R4=R2*R3の関係が成立するようにしておくと、R1(1−△)*R4(1−△)=R2(1−△)*R3(1−△)となり、第1のブリッジ回路23Aは平衡するため、第1の出力電極31Aと第2の出力電極31Bから得られる差動電圧は零となる。
次に、第1の検出部30A〜第4の検出部30Dに、さらに磁石51からの磁界が作用する場合を考える。磁石51により前記原点に発生する磁束密度をBとすると、該磁束密度BのY軸方向成分Byは第1の検出部30A〜第4の検出部30Dに一様に作用するため、第1の検出部30A〜第4の検出部30Dの抵抗値は各々R1(1−△−△´)、R2(1−△−△´)、R3(1−△−△´)、R4(1−△−△´)に変化する。ここで△´は磁束密度BのY軸方向成分Byによる抵抗変化率である。この時も、R1(1−△−△´)*R4(1−△−△´)=R2(1−△−△´)*R3(1−△−△´)となり、第1のブリッジ回路23Aは平衡するため、第1の出力電極31Aと第2の出力電極31Bから得られる差動電圧は零となる。一方、磁石51により前記原点に発生する磁束密度BのX軸方向成分Bxが第1の検出部30A〜第4の検出部30Dに作用すると、第1の検出部30A〜第4の検出部30Dの抵抗値は各々R1(1−△+△´)、R2(1−△−△´)、R3(1−△−△´)、R4(1−△+△´)に変化する。この時はR1(1−△+△´)*R4(1−△+△´)=R2(1−△−△´)*R3(1−△−△´)は成立しないため、第1のブリッジ回路23Aは平衡せず、第1の出力電極31Aと第2の出力電極31Bとの差動電圧が発生する。これにより、第1の磁気検出素子23のブリッジ回路23Aにおける第1の出力電極31A、第2の出力電極31B間には磁石51からの磁束密度BのX軸方向成分Bxに比例する電圧信号V1=A*Bxが得られることになる。ここで、Aは比例定数である。
同様にして、第2の磁気検出素子24のブリッジ回路23Bにおいては、第3の出力電極41A、第4の出力電極41B間には磁石51からの磁束密度BのY軸方向成分Byに比例する電圧信号V2=A´*Byが得られることになる。ここで、A´は比例定数である。
この時、第1の磁気検出素子23と第2の磁気検出素子24における各検出部の磁気抵抗変化率と、磁気バイアス部の磁界強度バラツキを管理することにより、第1の磁気検出素子23と第2の磁気検出素子24との感度が略同一になるよう、すなわち比例定数A、A´が実質的に等しくなるようにすることができる。この時、前記原点上に配置した第1、第2の磁気検出素子23、24の位置に、前記磁石51により発生する磁束密度BがX軸となす角度θの正接、すなわちtanθ=By/Bxは前記第1、第2のブリッジ回路23A、23Bの出力電圧の比、すなわちV2/V1に等しくなる。そして、前記磁石51の形状、着磁方向が決まると、この角度θは磁石51のX軸方向の位置xの関数となる。よって、角度θを前記第1、第2のブリッジ回路23A、23Bの出力電圧の比、V2/V1の逆正接を計算すれば(θ=tan-1V2/V1)、磁石51のX軸方向の位置xを検出できることになる。
本発明の実施の形態1における磁石51はX、Y、Z方向の寸法が各々4mm、4mm、2mmの矩形状磁石であり、+X方向に着磁されている。また、前記磁石51は天面51AはXZ平面と平行で0.8mm下方、側面51BはXY平面と平行で0.2mm上方にある。
図3(c)は前記磁石51のX軸方向の位置と、前記磁石により前記磁気検出部21の位置に発生する磁束密度がX軸となす角度θとの関係を示すシミュレーション結果である。ここで、「位置」は磁石51の中心のX座標を表わしている。この図から、θはxに関する単調一価関数であり、磁石51の中心のX座標が0の時、磁石51により前記原点に発生する磁束密度Bは−X方向(θ=180°)であり、磁石51がX軸の正方向に移動するにつれ、磁束密度Bは時計回りに回転し、xが約2mmでY軸の正方向(θ=90°)、xが約5mmで45°の方向を向くことが分かる。一方、磁石51がX軸の負方向に移動すると、磁束密度Bは反時計回りに回転し、xが約−2mmでY軸の負方向(θ=270°)、xが約−5mmで315°の方向を向くことが分かる。よって、このθと位置との関係を参照可能にメモリ等に保存しておけば、前記第1、第2のブリッジ回路23A、23Bの出力電圧の比、V2/V1を測定することにより、磁石51のX軸方向の移動距離を±10mm程度の広い範囲内で検出することができるものである。
このように、本発明の実施の形態1における位置検出装置においては、基板22にとった原点上に配置したX軸方向に主感度を持つ第1の磁気検出素子23と、Y軸方向に主感度を持つ第2の磁気検出素子24と、前記基板22に平行に、前記X軸に沿って移動可能な磁石51とを備え、前記第1、第2の磁気検出素子23、24は略同一の感度を有し、前記磁石51により原点に発生する磁束密度BがX軸となす角度をθとしたとき、前記磁石が前記原点からxだけ移動した時に、前記θがxに関する単調一価関数となるよう磁石51の形状を設定することにより、前記原点を挟むX軸上の所定の区間内で、前記第1の磁気検出素子23の出力と前記第2の磁気検出素子24の出力との比の逆正接関数から前記θを求めることによって、前記磁石のX軸方向の相対的な移動距離を検出するようにしているため、簡単な構成で、磁石51のX軸方向の移動距離を広い範囲内で検出することができるとともに、前記θを第1、第2のブリッジ回路23A、23Bの出力電圧の比から求めているため、温度変化による第1、第2のブリッジ回路23A、23Bの出力電圧の変動をキャンセルでき、雰囲気温度が変化しても磁石51のX軸方向の移動距離を安定に検出することが可能である。
これにより、簡単な構成で、オートフォーカスレンズ等の直線方向の位置を安定、正確に検出できるものである。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項2に記載の発明についてさらに説明する。図4(a)は本発明の実施の形態2における位置検出装置の斜視図、図4(b)は同装置に用いる磁石の上面図、図4(c)は同装置において、磁気検出部21を原点にとった場合に、磁石のX軸方向の位置と、前記磁石により前記磁気検出部21の位置に発生する磁束密度がX軸となす角度θとの関係を示すシミュレーション結果である。なお、この本発明の実施の形態2においては、上記した本発明の実施の形態1の構成と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しており、その説明は省略する。
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項2に記載の発明についてさらに説明する。図4(a)は本発明の実施の形態2における位置検出装置の斜視図、図4(b)は同装置に用いる磁石の上面図、図4(c)は同装置において、磁気検出部21を原点にとった場合に、磁石のX軸方向の位置と、前記磁石により前記磁気検出部21の位置に発生する磁束密度がX軸となす角度θとの関係を示すシミュレーション結果である。なお、この本発明の実施の形態2においては、上記した本発明の実施の形態1の構成と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しており、その説明は省略する。
図4(a)(b)において、61は本発明の実施の形態2における位置検出装置60に用いる磁石である。そして、本発明の実施の形態2が上記した本発明の実施の形態1と相違する点は、磁石61の形状を変更した点である。
本発明の実施の形態2における磁石61はX、Y、Z方向の寸法が各々1.6mm、4mm、4.2mmの矩形状部の両端部に半径4.2mm、高さ4mmの1/4円柱が付いた一体形状をなし、+X方向に着磁されている。また、前記磁石61は天面61AはXZ平面と平行で0.8mm下方、側面61BはXY平面と平行で0.2mm上方にある。
図4(c)は前記磁石61のX軸方向の位置と、前記磁石により前記磁気検出部21の位置に発生する磁束密度がX軸となす角度θとの関係を示すシミュレーション結果である。ここで、「位置」は磁石61の中心のX座標を表わしている。この図から、θはxに関する単調一価関数であり、かつθがxに関する略一次関数と見なされる範囲が−5mm〜+5mmであることが分かる。一方、図3(c)に示す本発明の実施の形態1における位置検出装置50の場合には、θがxに関する略一次関数と見なされる範囲が−2mm〜+2mmに留まる。すなわち、本発明の実施の形態2における位置検出装置60においては、磁石形状を変更することにより、θがxに関する略一次関数と見なされる範囲を拡大したもので、これにより、測定されたθの値に比例定数を乗ずるという簡単な操作を施すだけで磁石61のX軸方向の移動距離を検出することができるという効果が得られるものである。
なお、本発明の実施の形態1、2における位置検出装置においては、図1で示すように、基板22の1主面上に第1の磁気検出素子23と、第2の磁気検出素子24とを積み重ねて形成したが、基板22の第1の主面上に原点を配し、該原点を通り互いに直交するX軸、Y軸により前記基板の第1の主面上にXY座標系を定義したとき、前記原点上に第1の磁気検出素子を配置し、前記原点の基板22の第2の主面上への投影点上に第2の磁気検出素子を配置しても同様の効果が得られるものである。また、本発明の実施の形態1、2における位置検出装置においては、磁気検出部21が固定され、磁石51、61がX軸方向に沿って移動するとしたが、磁石51、61が固定され、磁気検出部21がX軸方向に沿って移動するとしても同様の効果が得られるものである。
本発明に係る位置検出装置は、基板と、前記基板の主面上に原点を配し、該原点を通り互いに直交するX軸、Y軸により前記基板の主面上にXY座標系を定義したとき、前記原点上に配置した前記X軸方向に主感度を持つ第1の磁気検出素子と、前記Y軸方向に主感度を持つ第2の磁気検出素子と、前記基板に平行に、前記X軸に沿って相対的に移動可能な磁石とを備え、前記第1、第2の磁気検出素子は略同一の感度を有し、前記磁石により原点に発生する磁束密度がX軸となす角度をθとしたとき、前記磁石が前記原点から相対的にxだけ移動した時に、前記θがxに関する単調一価関数となるよう磁石の形状を設定することにより、前記原点を挟むX軸上の所定の区間内で、前記第1の磁気検出素子の出力と前記第2の磁気検出素子の出力との比の逆正接関数から前記θを求めることによって、前記磁石のX軸方向の相対的な移動距離を検出してなるもので、簡単な構成で、磁石のX軸方向の相対的な移動距離を広い範囲内で検出することができるとともに、雰囲気温度が変化しても、磁石のX軸方向の相対的な移動距離を安定かつ正確に検出できるという効果を有するものであり、特に、ビデオカメラやデジタルスチルカメラのフォーカス機能部や手ぶれ補正機能部等に用いて、レンズ等の複数の光学デバイスの直線方向の位置を検出する位置検出装置として有用なものである。
22 基板
23 第1の磁気検出素子
24 第2の磁気検出素子
50、60 位置検出装置
51、61 磁石
23 第1の磁気検出素子
24 第2の磁気検出素子
50、60 位置検出装置
51、61 磁石
Claims (2)
- 基板と、前記基板の主面上に原点を配し、該原点を通り互いに直交するX軸、Y軸により前記基板の主面上にXY座標系を定義したとき、前記原点上に配置した前記X軸方向に主感度を持つ第1の磁気検出素子と、前記Y軸方向に主感度を持つ第2の磁気検出素子と、前記基板に平行に、前記X軸に沿って相対的に移動可能な磁石とを備え、
前記第1、第2の磁気検出素子は略同一の感度を有し、前記磁石により原点に発生する磁束密度がX軸となす角度をθとしたとき、前記磁石が前記原点から相対的にxだけ移動した時に、前記θがxに関する単調一価関数となるよう磁石の形状を設定することにより、前記原点を挟むX軸上の所定の区間内で、前記第1の磁気検出素子の出力と前記第2の磁気検出素子の出力との比の逆正接関数から前記θを求めることによって、前記磁石のX軸方向の相対的な移動距離を検出する位置検出装置。 - 前記単調一価関数がxに関する略一次関数であることを特徴とする請求項1記載の位置検出装置。
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-
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- 2011-05-27 JP JP2011119052A patent/JP2012247298A/ja not_active Withdrawn
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