JP6897106B2 - 電流センサの信号補正方法、及び電流センサ - Google Patents

電流センサの信号補正方法、及び電流センサ Download PDF

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本発明は、電流センサの信号補正方法、及び電流センサに関する。
従来、磁気検出素子の出力電圧を被測定磁界(空気中では磁界と磁束密度とは比例関係にあるので、以下では誤解を招かない限り、磁束密度と磁界は同じ意味として用いる)に対する直線性を高めるように補正する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたような技術を用いれば、出力信号が被測定電流(または、非測定電流によって生じる磁界。以下ではこれを『被測定磁界』と呼ぶこととする)に対して非線形となるGMR(Giant Magneto Resistive)素子等を磁気検出素子として用いて大電流を計測する場合であっても、高い精度で電流を測定することができる。
また、従来、2つの磁気センサの出力信号の差動値をセンサ出力として処理する電流センサが知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2によれば、2つの磁気センサの出力信号の差動値をセンサ出力として処理することにより、外部磁場の影響に起因するノイズをキャンセルし、高精度に電流を測定できるとされている。
国際公開第2016/056136号 特許第5504483号公報
本発明は、磁気検出素子の出力電圧を被測定電流(またはそれにより生じる被測定磁界)に対する直線性を高めるように補正する電流センサの信号補正方法であって、測定精度、測定範囲、及び磁気検出素子の設置自由度をより向上させることのできる電流センサの信号補正方法、並びにその信号補正方法による信号の補正を実施することのできる電流センサを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、磁気検知部を有する電流センサの信号補正方法であって、電流によって生じる被測定磁界を検知した2つの前記磁気検知部から出力される第1の出力電圧と第2の出力電圧の差動をとることにより、差動出力電圧を取得するステップと、前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧の符号の組み合わせ、又は前記差動出力電圧が前記被測定磁界に対して単調増加しているか否かに基づいて、複数のフィッティング係数を含むフィッティング処理用の式を選択するステップと、前記差動出力電圧に対して、前記式を用いたフィッティング処理を実施し、前記複数のフィッティング係数を算出するステップと、算出された前記複数のフィッティング係数を用いて、新たに取得した前記差動出力電圧を前記被測定磁界に対して略線形となるように線形補正し、補正出力電圧を取得するステップと、を含む、電流センサの信号補正方法を提供する。
また、本発明の他の態様は、上記目的を達成するため、検知した被測定磁界に対応して第1の出力電圧を出力する第1の磁気検知部と、検知した被測定磁界に対応して第2の出力電圧を出力する第2の磁気検知部と、前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧の差動をとり、差動出力電圧を出力する差動出力部と、前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧の符号の組み合わせ、又は前記差動出力電圧が前記被測定磁界に対して単調増加しているか否かに基づいて、複数のフィッティング係数を含むフィッティング処理用の式を選択する式選択部と、前記差動出力電圧に対して、前記式を用いたフィッティング処理を実施し、前記複数のフィッティング係数を算出するフィッティング係数演算部と、算出された前記複数のフィッティング係数を用いて、新たに取得した前記差動出力電圧を前記被測定磁界に対して略線形となるように線形補正し、補正出力電圧を出力する信号補正部と、を有する電流センサを提供する。
本発明によれば、磁気検出素子の出力電圧を被測定磁界に対する直線性を高めるように補正する電流センサの信号補正方法であって、測定精度、測定範囲、及び磁気検出素子の設置自由度をより向上させることのできる電流センサの信号補正方法、並びにその信号補正方法による信号の補正を実施することのできる電流センサを提供することができる。
図1は、第1の実施の形態に係る電流センサの構成を概略的に示すブロック図である。 図2(a)は、第1の磁気検知部及び第2の磁気検知部に用いられるGMR素子の磁気検知原理を示す図である。図2(b)は、第1の磁気検知部及び第2の磁気検知部の概略構造の一例を示す図である。 図3は、第1の実施の形態に係る電流センサの信号補正処理の流れを示すフローチャートである。 図4(a)〜(c)は、差動出力電圧Vと被測定磁界Bとの関係の一例を示すグラフである。 図5は、GMR素子の固定層の磁化方向M、バイアス磁界B、被測定磁界B、及び合成磁界Bとの関係を示す図である。 図6(a)〜(c)は、補正出力電圧Vと被測定磁界Bとの関係の一例を示すグラフである。 図7は、第2の実施の形態に係る電流センサの構成を概略的に示すブロック図である。 図8は、第2の実施の形態に係る電流センサの信号補正処理の流れを示すフローチャートである。
[第1の実施の形態]
(電流センサの構成)
図1は、第1の実施の形態に係る電流センサ1の構成を概略的に示すブロック図である。電流センサ1は、第1の磁気検知部11、第2の磁気検知部12、差動出力部13、及び信号補正部14を有する電流検出部10と、電圧測定部21、式選択部22、フィッティング係数演算部23、係数制御部24、及び定電圧源25を有する制御部20と、を有する。
第1の磁気検知部11及び第2の磁気検知部12は、GMR素子から構成され、被測定電流によって生じる磁界(被測定磁界)を検知する。
図2(a)は、第1の磁気検知部11及び第2の磁気検知部12に用いられるGMR素子40の磁気検知原理を示す図である。GMR素子40は、磁化方向Mの固定された固定層と、磁化方向Mと略直交する方向に印加されたバイアス磁界Bと被測定磁界Bによって磁化方向θの変化する自由層と、これら固定層と自由層を分離する非磁性層とが積層されて構成されている。被測定磁界Bは、被測定電流によって発生する磁界のことであり、θは固定層の磁化方向Mを基準とした自由層の磁化方向の角度のことである。
GMR素子40においては、被測定磁界Bの印加方向が固定層の磁化方向Mと同方向でほぼ平行で、かつ被測定磁界Bの大きさがバイアス磁界Bの大きさに対して十分大きい場合、バイアス磁界Bと被測定磁界Bの合成磁界Bが固定層の磁化方向Mと成す角度θが小さくなり、それに伴って固定層、非磁性層、自由層の積層方向の電流密度分布が広くなり抵抗値も低くなる。
逆に、被測定磁界Bの印加方向が固定層の磁化方向Mと逆方向でほぼ平行で、かつ被測定磁界Bの大きさがバイアス磁界Bの大きさに対して十分大きい場合、合成磁界B0が固定層の磁化方向Mと成す角度θが大きくなり、それに伴って固定層、非磁性層、自由層の積層方向の電流密度分布が狭くなり抵抗値Rも高くなる。すなわち、バイアス磁界Bと被測定磁界Bの合成磁界Bの方向に従って自由層の磁化方向が回転し、自由層の磁化方向の回転量に応じてGMR素子40の抵抗値が変化する。
バイアス磁界Bには、GMR素子40のヒステリシスを抑制する働きがある。バイアス磁界Bを強くすることによって感度を低下させ、結果として線形範囲を拡大させることもできる。
図2(b)は、第1の磁気検知部11及び第2の磁気検知部12の概略構造の一例を示す図である。図2(b)に示される例では、第1の磁気検知部11及び第2の磁気検知部12は、2つのGMR素子40(GMR素子40a、40bとする)を含むハーフブリッジ構造を有する。この構造においては、GMR素子40aの固定層の磁化方向MとGMR素子40bの固定層の磁化方向Mが反対となるように、GMR素子40aとGMR素子40bが直列接続される。
この直列接続のGMR素子40a側の電極には定電圧源25から電源電圧+Vcc(例えば約5.0V)が印加され、GMR素子40b側の電極は接地される。ここで、第1の磁気検知部11におけるGMR素子40aとGMR素子40bによる出力電圧を第1の出力電圧Vとし、第2の磁気検知部12におけるGMR素子40aとGMR素子40bによる出力電圧を第2の出力電圧Vとする。
第1の磁気検知部11と第2の磁気検知部12は、ともに被測定電流が流れる導体の近傍に設置されるが、第1の磁気検知部11が検知する磁界の強さと第2の磁気検知部12が検知する磁界の強さが異なるような位置にそれぞれ設置される。
なお、第1の磁気検知部11と第2の磁気検知部12とで1つのフルブリッジ回路を構成してもよい。この場合であっても、第1の磁気検知部11と第2の磁気検知部12は、第1の磁気検知部11が検知する磁界の強さと第2の磁気検知部12が検知する磁界の強さが異なるような位置にそれぞれ設置される。
差動出力部13は、第1の磁気検知部11の第1の出力電圧Vと第2の磁気検知部12の第2の出力電圧Vの差動をとって差動出力電圧Vを出力する。このように2つの磁気検知部の出力電圧の差動をとることにより、地磁気等の外乱磁界の影響をキャンセルし、計測誤差を低減することができる。
信号補正部14は記憶部15を有し、記憶部15に記憶された信号補正フラグが『1』である場合に、差動出力電圧Vを後述の式4で表される線形補正式及びフィッティング係数を用いて線形補正し、得られた補正出力電圧Vを出力する。この線形補正により、被測定磁界に対する出力電圧の直線性、すなわち被測定電流に対する出力電圧の直線性を向上させることができる。
上述のように、本実施の形態においては、2つの磁気検知部の出力電圧の差動をとって外乱磁界の影響をキャンセルした後に、その差動出力電圧に対して線形補正を施している。この手順を逆にすると、外乱を含んだ状態で線形補正することになるため、高精度の補正を行うことができない。
記憶部15に記憶された信号補正フラグが『0』である場合には、信号補正部14は差動出力電圧Vを補正せずにそのまま電圧測定部21に出力する。なお、係数制御部24が『1』にセットするまでは、信号補正フラグは『0』である。
電圧測定部21は、被測定磁界Bが増加するときの差動出力電圧V、及び被測定磁界Bが減少するときの出力電圧Vをそれぞれ計測し、それらの平均値を差動出力電圧Vとして式選択部22及びフィッティング係数演算部23に出力する。
式選択部22は、差動出力電圧Vが被測定磁界Bに対して単調増加するか否かにより、フィッティング処理に用いる式を後述する式1と式2(式3)から選択して、その選択結果をフィッティング係数演算部23に出力する。
フィッティング係数演算部23は、電圧測定部21から出力された差動出力電圧Vに対して、式選択部22により選択されたフィッティング処理に用いる式によるフィッティング処理(演算処理)を実施し、フィッティング係数を算出する。
係数制御部24は、フィッティング係数演算部23から出力されたフィッティング係数を信号補正部14の記憶部15に書き込み、さらに、記憶部15の信号補正フラグを『1』にセットする。
(電流センサによる信号補正処理)
図3は、第1の実施の形態に係る電流センサ1の信号補正処理の流れを示すフローチャートである。
まず、第1の磁気検知部11及び第2の磁気検知部12により、被測定電流によって生じる被測定磁界Bを検知し、それぞれ第1の出力電圧Vと第2の第1の出力電圧Vを出力する(ステップS1)。
このとき、第1の磁気検知部11及び第2の磁気検知部12は、第1の磁気検知部11及び第2の磁気検知部12のGMR素子40a、40bの固定層の磁化方向Mが被測定磁界Bの方向に対して平行となるように設置される。また、GMR素子40a、40bの固定層の磁化方向Mと直交する同方向にバイアス磁界Bが印加される。
例えば、フィッティング処理を行うための磁界(磁束密度)−出力電圧曲線を得るために、被測定電流を−1000Aから1000Aの範囲で変化させ、−4mTから4mTの範囲の被測定磁界Bを検知する。なお、この被測定電流範囲と被測定磁界範囲の関係は一例であり、電流センサの構造により変化するが、構造が一定であればその関係は一意に決まる。その換算係数はあらかじめ決めておく。
次に、差動出力部13により、第1の磁気検知部11の第1の出力電圧Vと第2の磁気検知部12の第2の出力電圧Vの差動をとって差動出力電圧Vを出力する(ステップS2)。
図4(a)〜(c)は、差動出力電圧Vと被測定磁界Bとの関係の一例を示すグラフである。差動出力電圧Vは線形補正されていないため、図4(a)〜(c)に示されるように、被測定磁界Bとの関係は非線形である。
図4(a)に示される曲線は、第1の出力電圧Vと第2の出力電圧Vが異符号(正と負)であった場合の出力電圧Vと被測定磁界Bとの関係を示す。図4(b)示される曲線は、第1の出力電圧Vの絶対値と第2の出力電圧Vの一方が他方に対して十分に小さかった場合、具体的には第1の出力電圧Vの絶対値と第2の出力電圧Vの絶対値の小さい方を大きい方で除した値が0.01以下であった場合の出力電圧Vと被測定磁界Bとの関係を示す。これらの曲線は、図4(a)、(b)に示されるように、単調増加する。なお、「第1の出力電圧Vと第2の出力電圧Vが異符号であった場合」は、第1の出力電圧Vの絶対値と第2の出力電圧Vの絶対値の小さい方を大きい方で除した値が0.01以下であった場合を除くものとする。
図4(c)示される曲線は、第1の出力電圧Vと第2の出力電圧Vが同符号(正と正又は負と負)であった場合の差動出力電圧Vと被測定磁界Bとの関係を示す。この曲線は、図4(c)に示されるように、単調増加ではなく、最大、最小のピークを有する。なお、「第1の出力電圧Vと第2の出力電圧Vが同符号であった場合」は、第1の出力電圧Vの絶対値と第2の出力電圧Vの絶対値の小さい方を大きい方で除した値が0.01以下であった場合を除くものとする。
次に、差動出力電圧Vが信号補正部14に入力され、記憶部15に記憶された信号補正フラグが『0』か『1』かの判定が行われる(ステップS3)。
ステップS3において、記憶部15に記憶された信号補正フラグが『0』であった場合は、信号補正部14は差動出力電圧Vをそのまま電圧測定部21に出力する(ステップS4)。
次に、電圧測定部21が、被測定磁界Bが増加するときの差動出力電圧V、及び被測定磁界Bが減少するときの差動出力電圧Vをそれぞれ計測し、それらの平均値を差動出力電圧Vとして式選択部22及びフィッティング係数演算部23に出力する(ステップS5)。
次に、式選択部22が、差動出力電圧Vが被測定磁界Bに対して単調増加するか否かによって、フィッティング係数演算部23に記憶されたフィッティング処理に用いる式を選択する(ステップS6)。
具体的には、差動出力電圧Vが被測定磁界Bに対して単調増加する場合、すなわち図4(a)、(b)に示されるような曲線形状である場合には下記の式1を選択し、単調増加しない場合、すなわち図4(c)に示されるような曲線形状である場合には下記の式2を選択する。
Figure 0006897106
Figure 0006897106
ここで、Voff、Vsat、V、B、φ、αを、それぞれ出力オフセット係数、飽和出力係数、実効飽和出力係数、バイアス磁界強度係数、被測定磁界方向の角度ずれ係数、バイアス磁界方向の角度ずれ係数と呼び、これらを総称してフィッティング係数と呼ぶ。
出力オフセット係数Voffは、図4(a)〜(c)に示されるような非線形の差動出力電圧Vがほぼ点対称となるような出力電圧値のことである。飽和出力係数Vsatは、図4(a)、(b)に示されるような非線形の差動出力電圧Vが上限値及び下限値を示す出力電圧値のことである。また、実効飽和出力係数Vは、図4(c)に示されるような非線形の差動出力電圧Vが最大を示す出力電圧値の約2倍にほぼ等しい。
図5は、GMR素子40a、40bの固定層の磁化方向M、バイアス磁界B、被測定磁界B、及び合成磁界Bとの関係を示す図である。
図5に示されるように、GMR素子40aの固定層における磁化方向M(Mp1とする)は、図面上において上向きであり、GMR素子40bの固定層における磁化方向M(Mp2とする)は、図面上において下向きである。バイアス磁界Bは、これらの磁化方向Mp1、Mp2に対して略直交し、図面上では右向きである。
バイアス磁界Bは、バイアス磁界用の磁石やバイアス磁界発生用コイル(以下、単に『バイアスコイル』と呼ぶ)をGMR素子40a、40bの近傍に設けることによって発生させる。バイアス磁界強度係数Bは、バイアス磁界Bの磁束密度に相当する値である。
第1の磁気検知部11及び第2の磁気検知部12は、GMR素子40a、40bの固定層の磁化方向Mp1、Mp2が被測定磁界Bに対して平行になるように設置されるが、設置誤差により角度ずれが生じる場合がある。このときの磁化方向Mp1、Mp2に対して被測定磁界Bが成す角度φを被測定磁界方向の角度ずれ係数φと定義する。なお、この角度ずれ係数φの値は、磁化方向Mp1の方向を基準として反時計方向を正とする。
また、第1の磁気検知部11及び第2の磁気検知部12には、GMR素子40a、40bの固定層の磁化方向Mp1、Mp2と略直交する方向にバイアス磁界Bが印加されるが、バイアス磁界用磁石の設置誤差やバイアスコイルの製造誤差(個体差)により角度ずれが生じる場合がある。このときの磁化方向Mp1、Mp2に対する直交線に対してバイアス磁界Bが成す角度αをバイアス磁界方向の角度ずれ係数αと定義する。なお、この角度ずれ係数αの値は、磁化方向Mp1、Mp2に垂直な方向を基準として反時計方向を正とする。
第1の磁気検知部11及び第2の磁気検知部12に含まれるGMR素子40aにおいて、被測定磁界Bとバイアス磁界Bとを合成した合成磁界Bは、磁化方向Mp1に対して時計方向に角度θずれており、GMR素子40bにおいて、被測定磁界Bとバイアス磁界Bとを合成した合成磁界Bは、磁化方向Mp2に対して反時計方向に角度θずれている。そして、GMR素子40a、40bにおける合成磁界Bの方向及び大きさは等しい。
なお、上記の式2の代わりに、下記の式3を用いてもよい。式3を用いた場合であっても、式2を用いた場合と比較して、フィッティング処理の精度に大きな差はない。
Figure 0006897106
次に、フィッティング係数演算部23は、電圧測定部21から出力された差動出力電圧Vに、式選択部22により選択された式1又は式2(式3)のVがフィットするように最小二乗法によりフィッティング処理を実施し、フィッティング係数を算出し、係数制御部24に出力する(ステップS7)。
次に、係数制御部24は、フィッティング係数演算部23から出力されたフィッティング係数を信号補正部14の記憶部15に書き込み、さらに、記憶部15の信号補正フラグを『1』にセットする(ステップS8)。その後、ステップ1へ戻る。
ステップS3において、記憶部15に記憶された信号補正フラグが『1』であった場合は、信号補正部14が、記憶部15に記憶された下記の式4で表される線形補正式及びフィッティング係数を用いて、差動出力電圧Vを線形補正し、得られた補正出力電圧Vを出力する(ステップS9)。
Figure 0006897106
式4の係数mは0以外の任意の値であり、係数nは任意の値である。また、式4のBは、上記の式1を用いてフィッティング処理を行っている場合は下記の式5及び式6で表され、上記の式2を用いてフィッティング処理を行っている場合は下記の式7及び式8で表される。
Figure 0006897106
Figure 0006897106
Figure 0006897106
Figure 0006897106
図6(a)〜(c)は、補正出力電圧Vと被測定磁界Bとの関係の一例を示すグラフである。図6(a)、(b)、(c)の補正出力電圧Vは、それぞれ図4(a)、(b)、(c)の差動出力電圧Vを線形補正したものである。
このことから、第1の出力電圧Vと第2の出力電圧Vが異符号であった場合、第1の出力電圧Vの絶対値と第2の出力電圧Vの一方が他方に対して十分に小さかった場合、第1の出力電圧Vと第2の出力電圧Vが同符号であった場合のいずれの場合であっても精度よく線形補正できることがわかる。すなわち、本実施の形態に係る電流センサ1においては、第1の磁気検知部11及び第2の磁気検知部12の設置位置の影響を大きく受けることなく、精度よく電流を測定することができる。
次に、補正出力電圧Vと被測定磁界Bが略線形の関係にあるか否かの判定が制御部20により行われる(ステップS10)。具体的には、例えば、式選択部22が判定する。
例えば、被測定磁界Bが所定の範囲(例えば−2mT〜2mT)にあるときに略線形の関係にある場合には『yes』と判定し、そうでない場合は『no』と判定する。
ステップS10において、補正出力電圧Vと被測定磁界Bが略線形の関係にないと判定された場合は、フィッティング処理を再度行うために、フィッティング処理を施す被測定磁界Bの範囲を限定する(ステップS11)。その後、ステップS7にリターンする。
例えば、ステップS7において、被測定磁界Bが−4mTから4mTである範囲についてフィッティング処理を行っていた場合は、−3mTから3mTの範囲に狭める。それから、ステップS7へ戻って再びフィッティング処理を行い、フィッティング係数を再度算出する。
このようにフィッティング処理における磁界の範囲を徐々に限定することによって、補正出力電圧Vの所定の範囲(例えば被測定磁界Bが−2mT〜2mTである範囲)における直線性を向上させることができる。
なお、再フィッティング処理後において、ステップS10の判定処理の結果が線形でない(no)となった場合には、制御部20は、線形とみなせる測定範囲を抽出し、抽出した測定範囲を電流センサ1の測定可能範囲として記憶部15に書き込み、一連の信号補正処理を終了するようにしてもよい。
ステップS10において、補正出力電圧Vが被測定磁界Bに対して略線形であると判定された場合は、略線形とみなせる被測定磁界Bの範囲を制御部20が信号補正部14の記憶部15に書き込む(ステップS12)。
続いて、略線形とみなせる範囲の補正出力電圧Vを信号補正部14が外部に出力する(ステップS13)。また、全範囲の補正出力電圧Vと補正出力電圧Vを略線形とみなせる被測定磁界Bの範囲とを出力してもよい。その後、一連の信号補正処理を終了する。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、フィッティング処理用の式を選択する手段において、第1の実施の形態と異なる。なお、第1の実施の形態と同様の点については、説明を省略又は簡略化する。
(電流センサの構成)
図7は、第2の実施の形態に係る電流センサ2の構成を概略的に示すブロック図である。電流センサ2の制御部30は、電流センサ1の制御部20と比較して、第1の電圧測定部31と第2の電圧測定部32をさらに有する点、及び式選択部22の代わりに式選択部33を有する点において異なる。
第1の電圧測定部31は、被測定磁界Bが増加するときの第1の磁気検知部11の第1の出力電圧V、及び被測定磁界Bが減少するときの第1の磁気検知部11の第1の出力電圧Vをそれぞれ計測し、それらの平均値を第1の出力電圧Va1として式選択部33に出力する。
第2の電圧測定部32は、被測定磁界Bが増加するときの第2の磁気検知部12の第2の出力電圧V、及び被測定磁界Bが減少するときの第2の磁気検知部12の第2の出力電圧Vをそれぞれ計測し、それらの平均値を第2の出力電圧Va2として式選択部33に出力する。
式選択部33は、第1の出力電圧Va1と第2の出力電圧Va2の符号の組み合わせによってフィッティング処理に用いる式を上記の式1と式2(式3)から選択して、その選択結果をフィッティング係数演算部23に出力する。
(電流センサによる信号補正処理)
図8は、第2の実施の形態に係る電流センサ2の信号補正処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートにおいては、図3に示される第1の実施の形態に係るフローチャートと同じ処理を示す部分は省略されている。また、第1の実施の形態と第2の実施の形態でステップの番号は共通であり、同じ番号のステップでは同じ処理を行う。
第2の実施の形態においては、ステップS2〜S5と並行して、ステップS13〜S15が実施される。また、ステップS15においてフィッティング処理に用いる式が選択されるため、ステップS6は含まれない。
ステップS13では、第1の電圧測定部31が、被測定磁界Bが増加するときの第1の出力電圧V、及び被測定磁界Bが減少するときの第1の出力電圧Vをそれぞれ計測し、それらの平均値を第1の出力電圧Va1として式選択部33に出力する。
ステップS14では、第2の電圧測定部32が、被測定磁界Bが増加するときの第2の出力電圧V、及び被測定磁界Bが減少するときの第2の出力電圧Vをそれぞれ計測し、それらの平均値を第2の出力電圧Va2として式選択部33に出力する。
ステップS15では、式選択部33は、第1の出力電圧Va1と第2の出力電圧Va2の符号の組み合わせによってフィッティング処理に用いる式を上記の式1と式2(式3)から選択して、その選択結果をフィッティング係数演算部23に出力する。
具体的には、第1の出力電圧Va1と第2の出力電圧Va2が異符号であった場合、及び第1の出力電圧Vの絶対値と第2の出力電圧Vの絶対値の小さい方を大きい方で除した値が0.01以下であった場合は、上記の式1をフィッティング処理に用いる式として選択し、第1の出力電圧Va1と第2の出力電圧Va2が同符号であった場合は、上記の式2(式3)をフィッティング処理に用いる式として選択する。
その後、フィッティング処理を実施するステップS7へ進む。
(実施の形態の効果)
上記第1及び第2の実施の形態によれば、被測定電流により生じる磁界の差動検知(勾配検知)によって外乱の影響を抑制しつつ、かつ出力電圧の線形補正により大電流領域までの広範囲に渡り電流を高精度に計測することができる。さらに、磁気検出素子の設置位置の影響を大きく受けることなく、精度よく電流を測定することができるため、磁気検出素子の設置位置の自由度を高めることができる。
(実施の形態のまとめ)
次に、前述の実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]磁気検知部(11、12)を有する電流センサ(1、2)の信号補正方法であって、被測定磁界を検知した2つの磁気検知部(11、12)から出力される第1の出力電圧と第2の出力電圧の差動をとることにより、差動出力電圧を取得するステップと、前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧の符号の組み合わせ、又は前記差動出力電圧が前記被測定磁界に対して単調増加しているか否かに基づいて、複数のフィッティング係数を含むフィッティング処理用の式を選択するステップと、前記差動出力電圧に対して、前記式を用いたフィッティング処理を実施し、前記複数のフィッティング係数を算出するステップと、算出された前記複数のフィッティング係数を用いて、新たに取得した前記差動出力電圧を前記被測定磁界に対して略線形となるように線形補正し、補正出力電圧を取得するステップと、を含む、電流センサ(1、2)の信号補正方法。
[2]前記式が、下記の式1、式2、又は式3であり、前記複数のフィッティング係数が、前記式1、前記式2及び前記式3の出力オフセット係数Voff、バイアス磁界強度係数B、被測定磁界方向の角度ずれ係数φ、及びバイアス磁界方向の角度ずれ係数α、前記式1の飽和出力係数Vsat、並びに前記式2及び前記式3の実効飽和出力係数Vであり、前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧が異符号又は前記第1の出力電圧Vの絶対値と前記第2の出力電圧Vの絶対値の小さい方を大きい方で除した値が0.01以下である場合に、前記式1が選択され、前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧が同符号である場合(前記第1の出力電圧Vの絶対値と前記第2の出力電圧Vの絶対値の小さい方を大きい方で除した値が0.01以下である場合を除く)に、前記式2又は前記式3が選択され、前記式の出力電圧Vを前記差動出力電圧にフィッティングさせて、前記複数のフィッティング係数を算出する、前記[1]に記載の電流センサ(2)の信号補正方法。
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[3]前記式が、下記の式1、式2、又は式3であり、前記複数のフィッティング係数が、前記式1、前記式2及び前記式3の出力オフセット係数Voff、バイアス磁界強度係数B、被測定磁界方向の角度ずれ係数φ、及びバイアス磁界方向の角度ずれ係数α、前記式1の飽和出力係数Vsat、並びに前記式2及び前記式3の実効飽和出力係数Vであり、前記差動出力電圧が前記被測定磁界に対して単調増加する場合に、前記式1が選択され、前記差動出力電圧が前記被測定磁界に対して単調増加しない場合に、前記式2又は前記式3が選択され、前記式の出力電圧Vを前記差動出力電圧にフィッティングさせて、前記複数のフィッティング係数を算出する、前記[1]に記載の電流センサ(1)の信号補正方法。
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[4]前記式1が選択された場合、前記線形補正が、下記の式4、式5、及び式6と前記複数のフィッティング係数を用いて行われ、前記補正出力電圧であるVが出力され、前記式4の係数mは0以外の任意の値であり、係数nは任意の値である、前記[2]又は[3]に記載の電流センサ(1、2)の信号補正方法。
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[5]前記式2又は前記式3が選択された場合、前記線形補正が、下記の式4、式7、及び式8と前記複数のフィッティング係数を用いて行われ、前記補正出力電圧であるVが出力され、前記式4の係数mは0以外の任意の値であり、係数nは任意の値である、前記[2]又は[3]に記載の電流センサ(1、2)の信号補正方法。
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[6]検知した被測定磁界に対応して第1の出力電圧を出力する第1の磁気検知部(11)と、検知した被測定磁界に対応して第2の出力電圧を出力する第2の磁気検知部(12)と、前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧の差動をとり、差動出力電圧を出力する差動出力部(13)と、前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧の符号の組み合わせ、又は前記差動出力電圧が前記被測定磁界に対して単調増加しているか否かに基づいて、複数のフィッティング係数を含むフィッティング処理用の式を選択する式選択部(22、33)と、前記差動出力電圧に対して、前記式を用いたフィッティング処理を実施し、前記複数のフィッティング係数を算出するフィッティング係数演算部(23)と、算出された前記複数のフィッティング係数を用いて、新たに取得した前記差動出力電圧を前記被測定磁界に対して略線形となるように線形補正し、補正出力電圧を出力する信号補正部(14)と、を有する電流センサ(1、2)。
[7]前記式が、下記の式1、式2、又は式3であり、前記複数のフィッティング係数が、前記式1、前記式2及び前記式3の出力オフセット係数Voff、バイアス磁界強度係数B、被測定磁界方向の角度ずれ係数φ、及びバイアス磁界方向の角度ずれ係数α、前記式1の飽和出力係数Vsat、並びに前記式2及び前記式3の実効飽和出力係数Vであり、前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧が異符号又は前記第1の出力電圧Vの絶対値と前記第2の出力電圧Vの絶対値の小さい方を大きい方で除した値が0.01以下である場合に、前記式1が式選択部(22、33)において選択され、前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧が同符号である場合(前記第1の出力電圧Vの絶対値と前記第2の出力電圧Vの絶対値の小さい方を大きい方で除した値が0.01以下である場合を除く)に、前記式2又は前記式3が式選択部(22、33)において選択され、前記フィッティング係数演算部(23)が、前記式の出力電圧Vを前記差動出力電圧にフィッティングさせて、前記複数のフィッティング係数を算出する、前記[6]に記載の電流センサ(2)。
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[8]前記式が、下記の式1、式2、又は式3であり、前記複数のフィッティング係数が、前記式1、前記式2及び前記式3の出力オフセット係数Voff、バイアス磁界強度係数B、被測定磁界方向の角度ずれ係数φ、及びバイアス磁界方向の角度ずれ係数α、前記式1の飽和出力係数Vsat、並びに前記式2及び前記式3の実効飽和出力係数Vであり、前記差動出力電圧が前記被測定磁界に対して単調増加する場合に、前記式1が式選択部(22、33)において選択され、前記差動出力電圧が前記被測定磁界に対して単調増加しない場合に、前記式2又は前記式3が式選択部(22、33)において選択され、前記フィッティング係数演算部(23)が、前記式の出力電圧Vを前記差動出力電圧にフィッティングさせて、前記複数のフィッティング係数を算出する、前記[6]に記載の電流センサ(1)。
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[9]前記式1が選択された場合、前記線形補正が、下記の式4、式5、及び式6と前記複数のフィッティング係数を用いて信号補正部(14)において行われ、前記補正出力電圧であるVが出力され、前記式4の係数mは0以外の任意の値であり、係数nは任意の値である、前記[7]又は[8]に記載の電流センサ(1、2)。
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[10]前記式2又は前記式3が選択された場合、前記線形補正が、下記の式4、式7、及び式8と前記複数のフィッティング係数を用いて信号補正部(14)において行われ、前記補正出力電圧であるVが出力され、前記式4の係数mは0以外の任意の値であり、係数nは任意の値である、前記[7]又は[8]に記載の電流センサ(1、2)。
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以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
また、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1、2…電流センサ
10…電流検出部
11…第1の磁気検知部
12…第2の磁気検知部
13…差動出力部
14…信号補正部
22、33…式選択部
23…フィッティング係数演算部

Claims (10)

  1. 被測定電流が流れる導体の近傍に設置され、磁気検知部を有する電流センサの信号補正方法であって、
    前記被測定電流によって生じる被測定磁界を検知した2つの前記磁気検知部から出力される第1の出力電圧と第2の出力電圧の差動をとることにより、差動出力電圧を取得するステップと、
    前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧の符号の組み合わせ、又は前記導体に流す電流を所定の範囲内で増加させて取得した前記差動出力電圧が前記電流によって生じる前記被測定磁界に対して単調増加しているか否かに基づいて、複数のフィッティング係数を含むフィッティング処理用の式を選択するステップと、
    前記差動出力電圧に対して、前記式を用いたフィッティング処理を実施し、前記複数のフィッティング係数を算出するステップと、
    算出された前記複数のフィッティング係数を用いて、新たに取得した前記差動出力電圧を前記被測定磁界に対して略線形となるように線形補正し、補正出力電圧を取得するステップと、
    を含む、電流センサの信号補正方法。
  2. 前記式が、下記の式1、式2、又は式3であり、
    前記複数のフィッティング係数が、前記式1、前記式2及び前記式3の出力オフセット係数Voff、バイアス磁界強度係数B、被測定磁界方向の角度ずれ係数φ、及びバイアス磁界方向の角度ずれ係数α、前記式1の飽和出力係数Vsat、並びに前記式2及び前記式3の実効飽和出力係数Vであり、
    前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧が異符号又は前記第1の出力電圧Vの絶対値と前記第2の出力電圧Vの絶対値の小さい方を大きい方で除した値が0.01以下である場合に、前記式1が選択され、
    前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧が同符号である場合(前記第1の出力電圧Vの絶対値と前記第2の出力電圧Vの絶対値の小さい方を大きい方で除した値が0.01以下である場合を除く)に、前記式2又は前記式3が選択され、
    前記式の出力電圧Vを前記差動出力電圧にフィッティングさせて、前記複数のフィッティング係数を算出する、
    請求項1に記載の電流センサの信号補正方法。
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  3. 前記式が、下記の式1、式2、又は式3であり、
    前記複数のフィッティング係数が、前記式1、前記式2及び前記式3の出力オフセット係数Voff、バイアス磁界強度係数B、被測定磁界方向の角度ずれ係数φ、及びバイアス磁界方向の角度ずれ係数α、前記式1の飽和出力係数Vsat、並びに前記式2及び前記式3の実効飽和出力係数Vであり、
    前記差動出力電圧が前記被測定磁界に対して単調増加する場合に、前記式1が選択され、
    前記差動出力電圧が前記被測定磁界に対して単調増加しない場合に、前記式2又は前記式3が選択され、
    前記式の出力電圧Vを前記差動出力電圧にフィッティングさせて、前記複数のフィッティング係数を算出する、
    請求項1に記載の電流センサの信号補正方法。
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  4. 前記式1が選択された場合、前記線形補正が、下記の式4、式5、及び式6と前記複数のフィッティング係数を用いて行われ、前記補正出力電圧であるVが出力され、
    前記式4の係数mは0以外の任意の値であり、係数nは任意の値である、
    請求項2又は3に記載の電流センサの信号補正方法。
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  5. 前記式2又は前記式3が選択された場合、前記線形補正が、下記の式4、式7、及び式8と前記複数のフィッティング係数を用いて行われ、前記補正出力電圧であるVが出力され、
    前記式4の係数mは0以外の任意の値であり、係数nは任意の値である、
    請求項2又は3に記載の電流センサの信号補正方法。
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  6. 被測定電流が流れる導体の近傍に設置され、前記被測定電流によって生じる被測定磁界に対応して第1の出力電圧を出力する第1の磁気検知部と、
    前記被測定電流が流れる前記導体の近傍に設置され、前記被測定電流によって生じる被測定磁界に対応して第2の出力電圧を出力する第2の磁気検知部と、
    前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧の差動をとり、差動出力電圧を出力する差動出力部と、
    前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧の符号の組み合わせ、又は前記導体に流す電流を所定の範囲内で増加させて取得した前記差動出力電圧が前記被測定磁界に対して単調増加しているか否かに基づいて、複数のフィッティング係数を含むフィッティング処理用の式を選択する式選択部と、
    前記差動出力電圧に対して、前記式を用いたフィッティング処理を実施し、前記複数のフィッティング係数を算出するフィッティング係数演算部と、
    算出された前記複数のフィッティング係数を用いて、新たに取得した前記差動出力電圧を前記被測定磁界に対して略線形となるように線形補正し、補正出力電圧を出力する信号補正部と、
    を有する電流センサ。
  7. 前記式が、下記の式1、式2、又は式3であり、
    前記複数のフィッティング係数が、前記式1、前記式2及び前記式3の出力オフセット係数Voff、バイアス磁界強度係数B、被測定磁界方向の角度ずれ係数φ、及びバイアス磁界方向の角度ずれ係数α、前記式1の飽和出力係数Vsat、並びに前記式2及び前記式3の実効飽和出力係数Vであり、
    前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧が異符号又は前記第1の出力電圧Vの絶対値と前記第2の出力電圧Vの絶対値の小さい方を大きい方で除した値が0.01以下である場合に、前記式1が前記式選択部において選択され、
    前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧が同符号である場合(前記第1の出力電圧Vの絶対値と前記第2の出力電圧Vの絶対値の小さい方を大きい方で除した値が0.01以下である場合を除く)に、前記式2又は前記式3が前記式選択部において選択され、
    前記フィッティング係数演算部が、前記式の出力電圧Vを前記差動出力電圧にフィッティングさせて、前記複数のフィッティング係数を算出する、
    請求項6に記載の電流センサ。
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  8. 前記式が、下記の式1、式2、又は式3であり、
    前記複数のフィッティング係数が、前記式1、前記式2及び前記式3の出力オフセット係数Voff、バイアス磁界強度係数B、被測定磁界方向の角度ずれ係数φ、及びバイアス磁界方向の角度ずれ係数α、前記式1の飽和出力係数Vsat、並びに前記式2及び前記式3の実効飽和出力係数Vであり、
    前記差動出力電圧が前記被測定磁界に対して単調増加する場合に、前記式1が前記式選択部において選択され、
    前記差動出力電圧が前記被測定磁界に対して単調増加しない場合に、前記式2又は前記式3が前記式選択部において選択され、
    前記フィッティング係数演算部が、前記式の出力電圧Vを前記差動出力電圧にフィッティングさせて、前記複数のフィッティング係数を算出する、
    請求項6に記載の電流センサ。
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  9. 前記式1が選択された場合、前記線形補正が、下記の式4、式5、及び式6と前記複数のフィッティング係数を用いて前記信号補正部において行われ、前記補正出力電圧であるVが出力され、
    前記式4の係数mは0以外の任意の値であり、係数nは任意の値である、
    請求項7又は8に記載の電流センサ。
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  10. 前記式2又は前記式3が選択された場合、前記線形補正が、下記の式4、式7、及び式8と前記複数のフィッティング係数を用いて前記信号補正部において行われ、前記補正出力電圧であるVが出力され、
    前記式4の係数mは0以外の任意の値であり、係数nは任意の値である、
    請求項7又は8に記載の電流センサ。
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