JP3189365U - 位置検出装置及びそれを用いた電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁石と磁気センサとの間の距離のバラツキに対して影響を抑える位置検出装置及びそれを用いた電子機器を提供する。【解決手段】磁石301の左端の最大移動可能範囲402は、磁石301の定位置の左端から磁石301の長さの略2/3の長さであり、磁石301の右端の最大移動可能範囲403は、磁石301の定位置の右端から磁石301の長さの略2/3の長さである。磁石301の左右の最大移動可能範囲402,403うち、磁石301の基準位置401から所定の移動距離の範囲は、磁石301の定位置(基準位置)401から±0.30mmの範囲内であることが最適である。【選択図】図2

Description

本考案は、物体の移動を検出する位置検出装置及びそれを用いた電子機器に関し、より詳細には、磁石と磁気センサを用いた位置検出装置及びそれを用いた電子機器に関する。
近年、携帯電話などの市場においては、CCDやCMOSなどの固体撮像素子を有するモバイルカメラを搭載する端末が多数存在するようになり、モバイルカメラに適用される光学系においては、瞬時に高精度な位置検出を行う機能を有するセンサが強く求められている。
また、物体の移動又は傾斜あるいは移動角度を磁石や磁性体と磁気センサで検出する装置が知られている。さらに、パーソナルコンピュータ(アミューズメント用やシミュレーション用のコンピュータを含み)のポインティングデバイス(ジョイスティックやトラックボールなど)における座標検出の方式としては、光学式、感圧式、可変抵抗式、磁気検出式などが実用化されているが、近年、小型化が容易でしかも無接点で長寿命という特徴を有する磁気検出式が有力になってきている。
例えば、特許文献1に記載のものは、パーソナルコンピュータや携帯電話などの入力手段として使用される位置検出装置に関し、マグネットの移動による周囲の磁界変化を検出することにより座標検知を行う磁気検出方式の位置検出装置に関するものである。
また、カメラなどの撮像装置において、光軸上に配設される撮像素子を当該撮像装置の移動に応じて移動させることで像のブレを補正する撮像装置が知られている。
このブレを補正する撮像装置では、例えば、ボイスコイルモータを用いて撮像素子を移動させ、かつボイスコイルモータの磁石と磁力検出手段であるホールセンサとを用いて撮像素子の位置を検出する構成が知られている。このような構成によれば、駆動機構と位置検出機構を一体化し装置を小型化することが可能である。
例えば、特許文献2のように、ホールセンサ(磁気センサ対)を用いて光学レンズなどの位置検出を実施しているものがある。この特許文献2に記載のものは、撮影光軸に対して直交する平面内で撮像素子を移動させることによりブレを補正する撮像装置に関するものである。
特開2004−348173号公報 特開2010−15107号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載のものでは、磁石の移動は指先で押すことにより達成しているが、携帯電話内で移動するレンズは保護カバー内に納められている事が多く、指先で押すことは困難であり、そのため、別途レンズを移動させるアクチュエータが必要となる。磁石が存在しているため、この磁石をアクチュエータ用として共用する方法が考えられるが、ホール素子対に印加される磁石からの磁束がN極もしくはS極のみとなるように磁石が配置されているため、この磁石をアクチュエータ用磁石として共用することが難しい。
この問題を解決したのが、上述した特許文献2に記載のもので、N極とS極の両極が、ホール素子対に印加されるように磁石を配置している。そのため、磁石とコイルを配置することで、位置検知用磁石とアクチュエータ用磁石を共用することが可能となる。
また、上述した特許文献2に記載の位置検出装置は、デジタルスチルカメラの手ブレを補正する装置に適用できる形態であり、携帯電話のカメラに適用するには大きすぎてしまうという問題点がある。更に、磁気センサと磁石との間の距離(GAP)がずれたりすると、出力信号に影響を及ぼすという問題がある。
そのため、磁石の基準位置から所定の移動距離の範囲に存在する磁石の相対位置を検出するようにすることにより、磁気センサと磁石との間の距離(GAP)がずれたりしても、出力信号に影響を及ぼさないようにすることが望まれている。
本考案は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、磁石と磁気センサとの間の距離のバラツキに対して影響を抑える位置検出装置及びそれを用いた電子機器を提供することにある。
本考案は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の考案は、移動自在に配設される磁石と、該磁石の移動方向に沿って配設された少なくとも2つの磁気センサとを備え、該磁気センサの出力に基づいて前記磁石の相対位置を検出する位置検出装置において、前記磁気センサの一方の磁気センサからの信号と、他方の磁気センサからの信号との和信号を、前記一方の磁気センサからの信号と、前記他方の磁気センサからの信号との差信号で除して得られる結果に基づいて、前記磁石の基準位置からの前記磁石の相対位置を検出する位置検出部を備え、前記磁石の移動範囲が前記基準位置から±0.30mm以下の範囲であることを特徴とする。
また、請求項2に記載の考案は、請求項1に記載の考案において、前記磁石が、移動方向にN極とS極が分布している磁石であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の考案は、請求項1又は2に記載の考案において、前記磁気センサが、1つのパッケージに一体的に封入されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の考案は、請求項1,2又は3に記載の考案において、前記磁気センサが、磁気増幅を行うための磁性体チップを備えていないことを特徴とする。
また、請求項5に記載の考案は、請求項1乃至4のいずれかに記載の考案において、前記磁気センサが、GaAs,InAs,InSbのIII−V族化合物半導体を有するホールセンサであることを特徴とする。
また、請求項6に記載の考案は、請求項1乃至5のいずれかに記載の考案において、前記磁気センサが、Si,GeのIV族半導体を有するホールセンサであることを特徴とする。
また、請求項7に記載の考案は、請求項1乃至6のいずれかに記載の考案において、前記位置検出部が、前記磁気センサの出力をAD変換するAD変換器を備え、該AD変換器の出力に基づき、前記磁石の基準位置からの相対位置を検出することを特徴とする。
また、請求項8に記載の考案は、請求項1乃至7のいずれかに記載の考案において、前記位置検出部は、前記和信号を前記差信号で除する演算を行う演算部と、前記演算部の出力に基づいて前記基準位置からの前記磁石の相対位置を検出する検出部とを備えていることを特徴とする。
また、請求項9に記載の考案は、請求項1乃至7のいずれかに記載の考案において、前記位置検出部は、前記差信号が一定となるようなゲイン係数を演算し、該ゲイン係数を前記和信号に掛け合わせる演算を行う演算部と、前記演算部の出力に基づいて前記基準位置からの前記磁石の相対位置を検出する検出部とを備えていることを特徴とする。
また、請求項10に記載の考案は、請求項1乃至8のいずれかに記載の考案において、前記位置検出部が、前記磁気センサの差信号が一定となるように、前記磁気センサの入力値を制御する制御部と、該制御された前記磁気センサの和信号に基づいて前記基準位置からの前記磁石の相対位置を検出する検出部とを備えていることを特徴とする。
また、請求項11に記載の考案は、請求項1乃至8のいずれかに記載の考案において、前記位置検出部が、前記磁気センサの差信号が一定となるように、前記磁気センサの出力値を補正する補正部と、該補正された前記磁気センサの和信号に基づいて前記基準位置からの前記磁石の相対位置を検出する検出部とを備えていることを特徴とする。
また、請求項12に記載の考案は、請求項1乃至11のいずれかに記載の位置検出装置と、該位置検出装置からの出力信号が入力されるオートフォーカス機構とを備えていること特徴とする電子機器である。
また、請求項13に記載の考案は、請求項12に記載の考案において、前記オートフォーカス機構が、携帯端末のオートフォーカス機構であることを特徴とする。
本考案によれば、磁石と磁気センサの距離のバラツキによる影響が小さくなり、組立てが容易になる位置検出装置及びそれを用いた電子機器を実現することができる。
本考案に係る位置検出装置の実施例を説明するための斜視図である。 図1に示す位置検出装置の正面図である。 本考案に係る位置検出装置を説明するための回路ブロックである。 基準位置からの磁石の距離と2つのホールセンサに印加される磁束との関係を示した図である。 基準位置からの磁石の距離と2つのホールセンサに印加される磁束の和磁束と差磁束の関係を示した図である。 基準位置からの磁石の距離と和磁束と差磁束の比の値との関係を示した図である。 表1に示す条件で磁石を移動させた場合の2つのホールセンサに印加される磁束密度の和磁束と差磁束の比を示す図である。 表4の結果をグラフ化した図である。 ホールセンサの出力信号について説明するための図(その1)である。 ホールセンサの出力信号について説明するための図(その2)である。
以下、図面を参照して本考案の実施形態について説明する。
<実施形態1>
図1は、本考案に係る位置検出装置の実施形態1を説明するための斜視図で、磁気センサと磁石の配置関係を示す図である。図中符号301は磁石、302は磁石端部、303は磁石の移動方向、304は基板を示している。
本考案の位置検出装置は、移動自在に配設され、移動方向にN極とS極が分布している磁石301と、この磁石301の移動方向に沿って配設された少なくとも2つの磁気センサS1,S2(21a,21b)とを備え、この磁気センサS1,S2(21a,21b)の出力に基づいて磁石301の相対位置を検出するものである。
また、磁気センサは、GaAs,InAs,InSbなどのIII−V族化合物半導体を有するホールセンサであることが好ましい。また、磁気センサは、Si,GeなどのIV族半導体を有するホールセンサであっても良い。
実施形態1の位置検出装置は、移動する物体に取り付けられている磁石301(磁石の幅をW、磁石の長さをL、磁石の高さをHとする)の、装置本体などの固定されている物体に取り付けられているホールセンサS1,S2に対する相対位置を検出する。ここで、第1のホールセンサS1と第2のホールセンサS2を結ぶ線分の距離は、符号SLで示されている。そして、ホールセンサS1,S2の感磁面の中心と磁石下面との距離は、符号SMD(GAP)で示されている。
磁石301は、幅Wmm、高さHmm、長さLmm直方体で、X軸方向に着磁されているものである。X軸は、着磁方向に対して平行な方向であり、Y軸,Z軸は、着磁方向に対して垂直な方向である。ここで、Z軸は、磁石301から基板面に向かう基板面に垂直な方向である。X軸は、磁石301の移動方向303に平行な方向であり、Y軸は、磁石301の移動方向303に垂直な方向である。本考案の実施例では、磁石301は、ネオジム焼結磁石で、残留磁束密度は、1200mT(一般的なネオジウム焼結磁石の値)である。以下に示すのは、本考案に係る位置検出装置の一例であり、これに限定されるものではない。
第1のホールセンサS1と第2のホールセンサS2は、規定の距離SLを隔てて基板304上に実装され、磁石301は、ホールセンサS1,S2に対向するように配置されている。この際、磁石301は、第1と第2のホールセンサS1,S2を結ぶ直線を磁石301に投影した場合、磁石301の幅Wmmの中央と重なるように配置されている。第1と第2のホールセンサS1,S2の検出可能な磁束の方向は、磁石から基板面に向かう基板面に垂直な方向(Z軸方向)である。また、磁石301の運動方向303は、着磁方向(X軸方向)である。
また、ホールセンサは、1つのパッケージに一体的に封入されていることが好ましい。また、ホールセンサは、磁気増幅を行うための磁性体チップを備えていないことが好ましい。
図2は、図1に示す位置検出装置の正面図で、ホールセンサと磁石の移動距離の範囲を示す図である。図中符号401は磁石の基準位置、402は磁石の最大移動可能範囲(左端)、403は磁石の最大移動可能範囲(右端)、404a,404bはホールセンサの感磁面の中心位置を示している。なお、STは磁石の中心の移動距離の範囲を示している。
実施形態1における磁石301の中心の移動距離の範囲STは、±0.3mm以下である。磁石301の端部302の左端の最大移動可能範囲402は、磁石301の定位置の左端端部から磁石301の長さLの略2/3の長さ(磁石の301の右側端部がホールセンサ404aを覆う限界位置)であり、磁石301の端部302の右端の最大移動可能範囲403は、磁石301の定位置の右端端部から磁石301の長さLの略2/3の長さ(磁石の301の左側端部がホールセンサ404bを覆う限界位置)である。
ホールセンサ404a,404bは、この最適な±0.30mmの範囲内で移動する磁石301の相対位置を検出するように配置されている。
図3は、実施形態1に係る位置検出装置を説明するための回路ブロックで、図中符号10は位置検出部、11は磁気検出部、12は演算部、13は検出部、12aはAD変換器を示している。
実施形態1の位置検出装置は、磁気検出部11と位置検出部10を備えており、位置検出部10は、演算部12と検出部13を備えている。磁気検出部11は、基板304上におけるX軸上に配置され、規定の距離SLを隔てて実装されている一方のホールセンサ21aと他方のホールセンサ21bとを備えている。
演算部12は、ホールセンサ21a,21bの一方のホールセンサ21aからの信号X1(V1)と、他方のホールセンサ21bからの信号X2(V2)との和信号(X1+X2)と差信号(X1−X2)を演算し、更に、和信号(X1+X2)を差信号(X1−X2)で除する演算する。そして、演算結果(Xo=(X1+X2)/(X1−X2))を出力する。
また、検出部13は、演算部12の出力に基づいて、磁石301の基準位置から所定の移動距離の範囲に存在する磁石301の相対位置を検出するもので、磁石の所定の移動距離の範囲が、±0.3mm以下が好ましい。
また、演算部12は、演算結果XoをAD変換するAD変換器12aを備え、検出部13は、このAD変換器12aの出力に基づき、磁石301の基準位置からの相対位置を検出するものである。
これに代えて、AD変換器12aが、和信号(X1+X2)と差信号(X1−X2)をそれぞれAD変換し、演算部12が、AD変換器12aの出力を用いて、和信号(X1+X2)を差信号(X1−X2)で除する演算を行ってもよい。
磁気検出部11は、2個のホールセンサ21a,21bからなり、このホールセンサ21a,21bは、X軸に沿って2個配置されている。X軸に配設された2個のホールセンサ21a,21bの中央付近にマグネットが配置されている。このマグネットの移動による磁界の変化によりホールセンサ21の出力電圧が変化する。2つのホールセンサの中心を結んだ直線の中心部と、磁石のX方向の中心部が一致する時の磁石の位置が原点Oであり、出力信号が0になるようにしてある。磁石が移動すると、これに応じて演算部12は、出力信号Xoを発生する。この原点Oを磁石の基準位置とする。
なお、磁気センサとしては、ホールセンサの他に、ホールIC、磁気抵抗効果素子(MR素子)、磁気抵抗効果IC(MRIC)など様々な磁気センサの適用が可能である。
また、2つのホールセンサの出力端子(プラス側)と出力端子(マイナス側)を反転させた信号をX1a及びX2aとした場合、比は(X1a−X2)/(X1a+X2)もしくは(X1−X2a)/(X1+X2a)としても適用が可能である。
また、2つのホールセンサの入力端子(電源側)と入力端子(GND側)を反転させた信号をX1b及びX2bとした場合、比は(X1b−X2)/(X1b+X2)もしくは(X1−X2b)/(X1+X2b)としても適用が可能である。
図4は、基準位置からの磁石の距離と2つのホールセンサに印加される磁束との関係を示した図である。なお、横軸は基準位置からの磁石の位置(単位はμm)、縦軸は磁束密度である。ホールセンサ21aとホールセンサ21bに印加される磁束は、磁石の位置を右側に行くほど磁束密度が高くなっている様子がわかる。
図5は、基準位置からの磁石の距離と2つのホールセンサに印加される磁束の和磁束と差磁束の関係を示した図である。ホールセンサ21aとホールセンサ21bに印加される磁束の和磁束と差磁束となる。横軸と縦軸は、図4と同様である。(X1+X2)は和磁束に比例した値になり、(X1−X2)は差磁束に比例した値となる。
図6は、基準位置からの磁石の距離と和磁束と差磁束の比の値との関係を示した図である。横軸は磁石の位置(単位はμm)であり、縦軸は和磁束/差磁束の比の値になる。Xoは和磁束/差磁束の比の値に比例した値となる。演算部12の出力Xoは、磁石の位置に対して極めて高い線形性を有することが分かる。
なお、一般的に、磁石とホールセンサとの距離(Z軸方向)がバラつくと、位置検出精度の悪化に繋がるために、Z軸方向の位置調整を行う必要があったが、本考案では、磁石の移動距離を±0.3mm以下とすることで、磁石とホールセンサとの距離(Z軸方向)が、組立時にバラついた場合においても、位置検出精度に対する影響を抑制することが可能となる。なお、磁石301は、N極とS極が1極ずつの例を示したが、X軸方向において原点Oを境界として磁極が反転するようにZ軸方向に着磁したN極とS極が2極ずつ存在する磁石も使用可能である。
次に、2つのホールセンサに対する磁石移動距離が、±300μm以下が最適である理由について以下に説明する。
<携帯電話に搭載されているカメラのオートフォーカス機構のリニアリティについて>
位置検出装置としては、レンズ位置を検出し、検出した結果をレンズの位置を制御するレンズ位置制御部にオートフォーカス(AF)機構と手ブレ補正機構とを備えたものがある。このような位置検出装置におけるオートフォーカス機構のアルゴリズムには各種あるが、例えば、レンズ移動距離(ストローク)内を荒く20点程度移動させて、位置を検出する場合がある。つまり、ストロークの1/20の位置精度が必要となる場合がある。この場合、ストロークが400(±200)μmであれば、位置精度は20μm以下が必要で、ストロークが800(±400)μmであれば、位置精度は40μm以下が必要となる。
<±300μmを超える領域ではそもそも位置精度が悪い>
表1に示す条件の磁石をレンズに固定し、レンズの移動=磁石の移動とした場合、磁石の移動距離(ストローク)が±300μmを大幅に超えるとそもそも位置精度が悪い。
Figure 0003189365
この条件は、携帯電話のオートフォーカス機構で使用される一般的な条件である。
図7は、表1に示す条件で磁石を移動させた場合の2つのホールセンサに印加される磁束密度の和磁束と差磁束の比を示す図である。
この時、ストローク毎の位置精度を数値化すると以下の表2のようになる。
位置精度は、ストローク両端点での2つの和磁束と差磁束の比の値を結んだ直線からの実曲線の乖離量を、各磁石位置において求めたなかの最大値のことを意味している。
Figure 0003189365
この場合は、ストローク±400μmでも、ストロークの1/20の精度は達成できる。
<GAPが100μm変動することによる精度の悪化について>
表1に示した条件のうちユーザ側の組立バラつきなどで、GAPが100μm変動した場合は精度が悪化する。GAP100μmのズレは一般的なズレ量である。例えば、GAPが0.7mmから0.6mmに変動した場合は、以下の表3のようになる。
Figure 0003189365
この場合は、ストローク±400μmでは、ストロークの1/20の精度は達成できなくなる。
<GAPが100μm変動した場合のリニアリティ悪化量>
GAP変動による精度の悪化は、以下の表4に示すように、ストロークが長い程大きくなる。
Figure 0003189365
図8は、表4の結果をグラフ化した図である(横軸は、±ではなくレンジで標記しているため、表4における±300は600、±400は800で標記されている)。つまり、ストロークが長いと元々の精度が悪いにも関わらず、GAP変動による精度の悪化も大きいため、ストロークを短く限定する必要がある。したがって、表1に示した条件では、±300μmを大幅に超えると、GAP変動により要求精度を達成できなくなるため、±300μm以下にすることが望ましいことが理解できる。
つまり、本考案に係る位置検出装置の位置検出部13は、演算部12の出力に基づいて、磁石301の基準位置から所定の移動距離の範囲に存在する磁石301の相対位置を検出するもので、磁石の所定の移動距離の範囲が、±0.30mm以下であることが最適である。
<実施形態2>
実施形態1では、演算部12が、和信号(X1+X2)を差信号(X1−X2)で除する演算し、その演算結果
Xo=(X1+X2)/(X1−X2)・・・(1)
を出力する場合を説明したが、実施形態2では、演算部12が、ホールセンサ21a,21bの差信号(X1−X2)を一定値Aにするためのゲインαを演算し、このゲインαを和信号(X1+X2)にかけて式(1)と同じ出力をする場合を説明する。
<ゲイン補正について>
(X1−X2)で表される差信号を一定値Aにするためのゲインをαとする。演算部12は、(X1+X2)にゲインαをかけたもの、つまり、α×(X1+X2)をゲイン補正された和信号(X1+X2)として出力する。
<ゲイン補正された和信号(α×(X1+X2))が(X1+X2)で表される和信号を(X1−X2)で表される差信号で除算することにより得られるXoと同じである理由>
α=A/(X1−X2)となる。
(X1+X2)にゲインαをかけたものは、
α×(X1+X2)=A×((X1+X2)/(X1−X2))
となるので、ゲイン補正された和信号(α×(X1+X2))は、結局、上述した式(1)を表すこととなる(正確には、式(1)のA倍となるがA=1と置けば、式(1)を表すこととなる)。
このように、演算部12は和信号を差信号で除して得られる結果Xoを出力しさえすればよく、その出力Xoを得るための演算については問わない。
図9は、ホールセンサの出力信号について説明するための図(その1)である。
<ホールセンサ1の出力X1とホールセンサ2の出力X2の定義>
ホールセンサ1の正極側端子の電位から負極側端子の電位を引いた電位差をX1、ホールセンサ2の正極側端子の電位から負極側端子の電位を引いた電位差をX2とする
つまり、X1=(ホールセンサ1の正極側端子の電位)−(ホールセンサ1の負極側端子の電位)、X2=(ホールセンサ2の正極側端子の電位)−(ホールセンサ2の負極側端子の電位)となる。
<正極側端子と負極側端子の定義>
上述した図9のように、駆動電流の向きが紙面上から紙面下となるようにホールセンサを見たときの、ホールセンサの感磁面を紙面の裏から表に貫く磁場をかけたときに、電位が高くなる側の端子を正極側端子とし、電位が低くなる側の端子を負極側端子とする。
つまり、図9において右側の端子が正極側端子となり、左側の端子が負極側端子となる。(電位が高くなる側の端子を正極側端子、電位が低くなる側の端子を負極側端子と定義しているわけではなく、図9の配置にした時に電位が高くなる側の端子を正極側端子、電位が低くなる側の端子を負極側端子としているので、磁場のかかり方によっては、正極側端子の方が負極側端子よりも電位が低くなる場合があり、X1やX2が負の値になりうる)。
図10は、ホールセンサの出力信号について説明するための図(その2)である。仮に、図10のような配置のホールセンサがあった場合、ホールセンサの感磁面を紙面の裏から表に貫く磁場をかけたときに、紙面上側にある端子の電位が高くなり、紙面下側にある端子の電位が低くなるので、紙面上側にある端子が正極側端子、紙面下側にある端子が負極側端子となる。
出力信号は、(紙面上側にある端子の電位)−(紙面下側にある端子の電位)で計算される。
実施形態2では、演算部12が、ホールセンサ21a,21bの差信号(X1−X2)を一定値Aにするためのゲインαを演算し、このゲインαを和信号(X1+X2)にかけて式(1)と同じ出力をする場合を説明したが、これに代えて、
演算部12が、磁気センサ(21a,21b)の差信号(X1−X2)が一定値Aとなるように、磁気センサ(21a,21b)の入力値を制御する制御部を備え、
演算部12が、該制御された磁気センサ(21a,21b)の和信号をXoに相当する出力として出力するようにしてもよく、また、演算部12が、磁気センサ(21a,21b)の差信号(X1−X2)が一定値Aとなるように、磁気センサ(21a,21b)の出力値を補正する補正部を備え、演算部12が、該補正された磁気センサ(21a,21b)の和信号をXoに相当する出力として出力するようにしてもよい。
また、本考案の位置検出装置と、この位置検出装置からの出力信号が入力されるオートフォーカス機構とを備えた電子機器を実現することも可能である。また、オートフォーカス機構は、携帯端末のオートフォーカス機構にも適用できる。
以上説明したように本考案によれば、磁石の基準位置から所定の移動距離の範囲に存在する磁石の相対位置を検出する位置検出部を設けたので、具体的には、磁石の移動距離を±0.30mmとすることで、磁石と磁気センサの距離のバラツキによる影響が小さくなるので、磁石とホールセンサとの距離(Z軸方向)が、組立時にバラついた場合においても、位置検出精度に対する影響を抑制することが可能となり、組立てが容易になる。
10 位置検出部
11 磁気検出部
12 演算部
12a AD変換器
13 検出部
21a,21b ホールセンサ
301 磁石
302 磁石端部
303 磁石の移動方向
304 基板
401 磁石の基準位置
402 磁石の最大移動可能範囲(左端)
403 磁石の最大移動可能範囲(右端)
404a,404b ホールセンサの感磁面の中心位置
ST 磁石の中心の移動距離の範囲
W 磁石の幅
L 磁石の長さ
H 磁石の高さ
S1 ホールセンサ
S2 ホールセンサ
SL 2つのホールセンサを結ぶ線分の距離
SMD(GAP) 2つのホールセンサの感磁面の中心と磁石下面との距離
ST 磁石の中心の移動範囲
また、請求項5に記載の考案は、請求項1乃至4のいずれかに記載の考案において、前記磁気センサが、GaAs,InAs,InSbのIII−V族化合物半導体を有するホールセンサであることを特徴とする。
また、請求項6に記載の考案は、請求項1乃至のいずれかに記載の考案において、前記磁気センサが、Si,GeのIV族半導体を有するホールセンサであることを特徴とする。

Claims (13)

  1. 移動自在に配設される磁石と、該磁石の移動方向に沿って配設された少なくとも2つの磁気センサとを備え、該磁気センサの出力に基づいて前記磁石の相対位置を検出する位置検出装置において、
    前記磁気センサの一方の磁気センサからの信号と、他方の磁気センサからの信号との和信号を、前記一方の磁気センサからの信号と、前記他方の磁気センサからの信号との差信号で除して得られる結果に基づいて、
    前記磁石の基準位置からの前記磁石の相対位置を検出する位置検出部を備え、
    前記磁石の移動範囲が前記基準位置から±0.30mm以下の範囲であることを特徴とする位置検出装置。
  2. 前記磁石が、移動方向にN極とS極が分布している磁石であることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
  3. 前記磁気センサが、1つのパッケージに一体的に封入されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の位置検出装置。
  4. 前記磁気センサが、磁気増幅を行うための磁性体チップを備えていないことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の位置検出装置。
  5. 前記磁気センサが、GaAs,InAs,InSbのIII−V族化合物半導体を有するホールセンサであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の位置検出装置。
  6. 前記磁気センサが、Si,GeのIV族半導体を有するホールセンサであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の位置検出装置。
  7. 前記位置検出部が、前記磁気センサの出力をAD変換するAD変換器を備え、該AD変換器の出力に基づき、前記磁石の基準位置からの相対位置を検出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の位置検出装置。
  8. 前記位置検出部は、前記和信号を前記差信号で除する演算を行う演算部と、前記演算部の出力に基づいて前記基準位置からの前記磁石の相対位置を検出する検出部とを備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の位置検出装置。
  9. 前記位置検出部は、前記差信号が一定となるようなゲイン係数を演算し、該ゲイン係数を前記和信号に掛け合わせる演算を行う演算部と、前記演算部の出力に基づいて前記基準位置からの前記磁石の相対位置を検出する検出部とを備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の位置検出装置。
  10. 前記位置検出部が、前記磁気センサの差信号が一定となるように、前記磁気センサの入力値を制御する制御部と、該制御された前記磁気センサの和信号に基づいて前記基準位置からの前記磁石の相対位置を検出する検出部とを備えていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の位置検出装置。
  11. 前記位置検出部が、前記磁気センサの差信号が一定となるように、前記磁気センサの出力値を補正する補正部と、該補正された前記磁気センサの和信号に基づいて前記基準位置からの前記磁石の相対位置を検出する検出部とを備えていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の位置検出装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の位置検出装置と、該位置検出装置からの出力信号が入力されるオートフォーカス機構とを備えていること特徴とする電子機器。
  13. 前記オートフォーカス機構が、携帯端末のオートフォーカス機構であることを特徴とする請求項12に記載の電子機器。
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