JP3189365U - 位置検出装置及びそれを用いた電子機器 - Google Patents
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Abstract
Description
また、物体の移動又は傾斜あるいは移動角度を磁石や磁性体と磁気センサで検出する装置が知られている。さらに、パーソナルコンピュータ(アミューズメント用やシミュレーション用のコンピュータを含み)のポインティングデバイス(ジョイスティックやトラックボールなど)における座標検出の方式としては、光学式、感圧式、可変抵抗式、磁気検出式などが実用化されているが、近年、小型化が容易でしかも無接点で長寿命という特徴を有する磁気検出式が有力になってきている。
また、カメラなどの撮像装置において、光軸上に配設される撮像素子を当該撮像装置の移動に応じて移動させることで像のブレを補正する撮像装置が知られている。
例えば、特許文献2のように、ホールセンサ(磁気センサ対)を用いて光学レンズなどの位置検出を実施しているものがある。この特許文献2に記載のものは、撮影光軸に対して直交する平面内で撮像素子を移動させることによりブレを補正する撮像装置に関するものである。
また、上述した特許文献2に記載の位置検出装置は、デジタルスチルカメラの手ブレを補正する装置に適用できる形態であり、携帯電話のカメラに適用するには大きすぎてしまうという問題点がある。更に、磁気センサと磁石との間の距離(GAP)がずれたりすると、出力信号に影響を及ぼすという問題がある。
本考案は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、磁石と磁気センサとの間の距離のバラツキに対して影響を抑える位置検出装置及びそれを用いた電子機器を提供することにある。
また、請求項3に記載の考案は、請求項1又は2に記載の考案において、前記磁気センサが、1つのパッケージに一体的に封入されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の考案は、請求項1,2又は3に記載の考案において、前記磁気センサが、磁気増幅を行うための磁性体チップを備えていないことを特徴とする。
また、請求項6に記載の考案は、請求項1乃至5のいずれかに記載の考案において、前記磁気センサが、Si,GeのIV族半導体を有するホールセンサであることを特徴とする。
また、請求項8に記載の考案は、請求項1乃至7のいずれかに記載の考案において、前記位置検出部は、前記和信号を前記差信号で除する演算を行う演算部と、前記演算部の出力に基づいて前記基準位置からの前記磁石の相対位置を検出する検出部とを備えていることを特徴とする。
また、請求項10に記載の考案は、請求項1乃至8のいずれかに記載の考案において、前記位置検出部が、前記磁気センサの差信号が一定となるように、前記磁気センサの入力値を制御する制御部と、該制御された前記磁気センサの和信号に基づいて前記基準位置からの前記磁石の相対位置を検出する検出部とを備えていることを特徴とする。
また、請求項12に記載の考案は、請求項1乃至11のいずれかに記載の位置検出装置と、該位置検出装置からの出力信号が入力されるオートフォーカス機構とを備えていること特徴とする電子機器である。
<実施形態1>
図1は、本考案に係る位置検出装置の実施形態1を説明するための斜視図で、磁気センサと磁石の配置関係を示す図である。図中符号301は磁石、302は磁石端部、303は磁石の移動方向、304は基板を示している。
また、磁気センサは、GaAs,InAs,InSbなどのIII−V族化合物半導体を有するホールセンサであることが好ましい。また、磁気センサは、Si,GeなどのIV族半導体を有するホールセンサであっても良い。
図2は、図1に示す位置検出装置の正面図で、ホールセンサと磁石の移動距離の範囲を示す図である。図中符号401は磁石の基準位置、402は磁石の最大移動可能範囲(左端)、403は磁石の最大移動可能範囲(右端)、404a,404bはホールセンサの感磁面の中心位置を示している。なお、STは磁石の中心の移動距離の範囲を示している。
図3は、実施形態1に係る位置検出装置を説明するための回路ブロックで、図中符号10は位置検出部、11は磁気検出部、12は演算部、13は検出部、12aはAD変換器を示している。
演算部12は、ホールセンサ21a,21bの一方のホールセンサ21aからの信号X1(V1)と、他方のホールセンサ21bからの信号X2(V2)との和信号(X1+X2)と差信号(X1−X2)を演算し、更に、和信号(X1+X2)を差信号(X1−X2)で除する演算する。そして、演算結果(Xo=(X1+X2)/(X1−X2))を出力する。
また、演算部12は、演算結果XoをAD変換するAD変換器12aを備え、検出部13は、このAD変換器12aの出力に基づき、磁石301の基準位置からの相対位置を検出するものである。
磁気検出部11は、2個のホールセンサ21a,21bからなり、このホールセンサ21a,21bは、X軸に沿って2個配置されている。X軸に配設された2個のホールセンサ21a,21bの中央付近にマグネットが配置されている。このマグネットの移動による磁界の変化によりホールセンサ21の出力電圧が変化する。2つのホールセンサの中心を結んだ直線の中心部と、磁石のX方向の中心部が一致する時の磁石の位置が原点Oであり、出力信号が0になるようにしてある。磁石が移動すると、これに応じて演算部12は、出力信号Xoを発生する。この原点Oを磁石の基準位置とする。
また、2つのホールセンサの出力端子(プラス側)と出力端子(マイナス側)を反転させた信号をX1a及びX2aとした場合、比は(X1a−X2)/(X1a+X2)もしくは(X1−X2a)/(X1+X2a)としても適用が可能である。
図4は、基準位置からの磁石の距離と2つのホールセンサに印加される磁束との関係を示した図である。なお、横軸は基準位置からの磁石の位置(単位はμm)、縦軸は磁束密度である。ホールセンサ21aとホールセンサ21bに印加される磁束は、磁石の位置を右側に行くほど磁束密度が高くなっている様子がわかる。
図6は、基準位置からの磁石の距離と和磁束と差磁束の比の値との関係を示した図である。横軸は磁石の位置(単位はμm)であり、縦軸は和磁束/差磁束の比の値になる。Xoは和磁束/差磁束の比の値に比例した値となる。演算部12の出力Xoは、磁石の位置に対して極めて高い線形性を有することが分かる。
<携帯電話に搭載されているカメラのオートフォーカス機構のリニアリティについて>
位置検出装置としては、レンズ位置を検出し、検出した結果をレンズの位置を制御するレンズ位置制御部にオートフォーカス(AF)機構と手ブレ補正機構とを備えたものがある。このような位置検出装置におけるオートフォーカス機構のアルゴリズムには各種あるが、例えば、レンズ移動距離(ストローク)内を荒く20点程度移動させて、位置を検出する場合がある。つまり、ストロークの1/20の位置精度が必要となる場合がある。この場合、ストロークが400(±200)μmであれば、位置精度は20μm以下が必要で、ストロークが800(±400)μmであれば、位置精度は40μm以下が必要となる。
表1に示す条件の磁石をレンズに固定し、レンズの移動=磁石の移動とした場合、磁石の移動距離(ストローク)が±300μmを大幅に超えるとそもそも位置精度が悪い。
図7は、表1に示す条件で磁石を移動させた場合の2つのホールセンサに印加される磁束密度の和磁束と差磁束の比を示す図である。
この時、ストローク毎の位置精度を数値化すると以下の表2のようになる。
位置精度は、ストローク両端点での2つの和磁束と差磁束の比の値を結んだ直線からの実曲線の乖離量を、各磁石位置において求めたなかの最大値のことを意味している。
表1に示した条件のうちユーザ側の組立バラつきなどで、GAPが100μm変動した場合は精度が悪化する。GAP100μmのズレは一般的なズレ量である。例えば、GAPが0.7mmから0.6mmに変動した場合は、以下の表3のようになる。
GAP変動による精度の悪化は、以下の表4に示すように、ストロークが長い程大きくなる。
実施形態1では、演算部12が、和信号(X1+X2)を差信号(X1−X2)で除する演算し、その演算結果
Xo=(X1+X2)/(X1−X2)・・・(1)
を出力する場合を説明したが、実施形態2では、演算部12が、ホールセンサ21a,21bの差信号(X1−X2)を一定値Aにするためのゲインαを演算し、このゲインαを和信号(X1+X2)にかけて式(1)と同じ出力をする場合を説明する。
(X1−X2)で表される差信号を一定値Aにするためのゲインをαとする。演算部12は、(X1+X2)にゲインαをかけたもの、つまり、α×(X1+X2)をゲイン補正された和信号(X1+X2)として出力する。
<ゲイン補正された和信号(α×(X1+X2))が(X1+X2)で表される和信号を(X1−X2)で表される差信号で除算することにより得られるXoと同じである理由>
α=A/(X1−X2)となる。
(X1+X2)にゲインαをかけたものは、
α×(X1+X2)=A×((X1+X2)/(X1−X2))
となるので、ゲイン補正された和信号(α×(X1+X2))は、結局、上述した式(1)を表すこととなる(正確には、式(1)のA倍となるがA=1と置けば、式(1)を表すこととなる)。
このように、演算部12は和信号を差信号で除して得られる結果Xoを出力しさえすればよく、その出力Xoを得るための演算については問わない。
図9は、ホールセンサの出力信号について説明するための図(その1)である。
ホールセンサ1の正極側端子の電位から負極側端子の電位を引いた電位差をX1、ホールセンサ2の正極側端子の電位から負極側端子の電位を引いた電位差をX2とする
つまり、X1=(ホールセンサ1の正極側端子の電位)−(ホールセンサ1の負極側端子の電位)、X2=(ホールセンサ2の正極側端子の電位)−(ホールセンサ2の負極側端子の電位)となる。
上述した図9のように、駆動電流の向きが紙面上から紙面下となるようにホールセンサを見たときの、ホールセンサの感磁面を紙面の裏から表に貫く磁場をかけたときに、電位が高くなる側の端子を正極側端子とし、電位が低くなる側の端子を負極側端子とする。
実施形態2では、演算部12が、ホールセンサ21a,21bの差信号(X1−X2)を一定値Aにするためのゲインαを演算し、このゲインαを和信号(X1+X2)にかけて式(1)と同じ出力をする場合を説明したが、これに代えて、
演算部12が、磁気センサ(21a,21b)の差信号(X1−X2)が一定値Aとなるように、磁気センサ(21a,21b)の入力値を制御する制御部を備え、
演算部12が、該制御された磁気センサ(21a,21b)の和信号をXoに相当する出力として出力するようにしてもよく、また、演算部12が、磁気センサ(21a,21b)の差信号(X1−X2)が一定値Aとなるように、磁気センサ(21a,21b)の出力値を補正する補正部を備え、演算部12が、該補正された磁気センサ(21a,21b)の和信号をXoに相当する出力として出力するようにしてもよい。
以上説明したように本考案によれば、磁石の基準位置から所定の移動距離の範囲に存在する磁石の相対位置を検出する位置検出部を設けたので、具体的には、磁石の移動距離を±0.30mmとすることで、磁石と磁気センサの距離のバラツキによる影響が小さくなるので、磁石とホールセンサとの距離(Z軸方向)が、組立時にバラついた場合においても、位置検出精度に対する影響を抑制することが可能となり、組立てが容易になる。
11 磁気検出部
12 演算部
12a AD変換器
13 検出部
21a,21b ホールセンサ
301 磁石
302 磁石端部
303 磁石の移動方向
304 基板
401 磁石の基準位置
402 磁石の最大移動可能範囲(左端)
403 磁石の最大移動可能範囲(右端)
404a,404b ホールセンサの感磁面の中心位置
ST 磁石の中心の移動距離の範囲
W 磁石の幅
L 磁石の長さ
H 磁石の高さ
S1 ホールセンサ
S2 ホールセンサ
SL 2つのホールセンサを結ぶ線分の距離
SMD(GAP) 2つのホールセンサの感磁面の中心と磁石下面との距離
ST 磁石の中心の移動範囲
また、請求項6に記載の考案は、請求項1乃至4のいずれかに記載の考案において、前記磁気センサが、Si,GeのIV族半導体を有するホールセンサであることを特徴とする。
Claims (13)
- 移動自在に配設される磁石と、該磁石の移動方向に沿って配設された少なくとも2つの磁気センサとを備え、該磁気センサの出力に基づいて前記磁石の相対位置を検出する位置検出装置において、
前記磁気センサの一方の磁気センサからの信号と、他方の磁気センサからの信号との和信号を、前記一方の磁気センサからの信号と、前記他方の磁気センサからの信号との差信号で除して得られる結果に基づいて、
前記磁石の基準位置からの前記磁石の相対位置を検出する位置検出部を備え、
前記磁石の移動範囲が前記基準位置から±0.30mm以下の範囲であることを特徴とする位置検出装置。 - 前記磁石が、移動方向にN極とS極が分布している磁石であることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
- 前記磁気センサが、1つのパッケージに一体的に封入されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の位置検出装置。
- 前記磁気センサが、磁気増幅を行うための磁性体チップを備えていないことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の位置検出装置。
- 前記磁気センサが、GaAs,InAs,InSbのIII−V族化合物半導体を有するホールセンサであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の位置検出装置。
- 前記磁気センサが、Si,GeのIV族半導体を有するホールセンサであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の位置検出装置。
- 前記位置検出部が、前記磁気センサの出力をAD変換するAD変換器を備え、該AD変換器の出力に基づき、前記磁石の基準位置からの相対位置を検出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の位置検出装置。
- 前記位置検出部は、前記和信号を前記差信号で除する演算を行う演算部と、前記演算部の出力に基づいて前記基準位置からの前記磁石の相対位置を検出する検出部とを備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の位置検出装置。
- 前記位置検出部は、前記差信号が一定となるようなゲイン係数を演算し、該ゲイン係数を前記和信号に掛け合わせる演算を行う演算部と、前記演算部の出力に基づいて前記基準位置からの前記磁石の相対位置を検出する検出部とを備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の位置検出装置。
- 前記位置検出部が、前記磁気センサの差信号が一定となるように、前記磁気センサの入力値を制御する制御部と、該制御された前記磁気センサの和信号に基づいて前記基準位置からの前記磁石の相対位置を検出する検出部とを備えていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の位置検出装置。
- 前記位置検出部が、前記磁気センサの差信号が一定となるように、前記磁気センサの出力値を補正する補正部と、該補正された前記磁気センサの和信号に基づいて前記基準位置からの前記磁石の相対位置を検出する検出部とを備えていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の位置検出装置。
- 請求項1乃至11のいずれかに記載の位置検出装置と、該位置検出装置からの出力信号が入力されるオートフォーカス機構とを備えていること特徴とする電子機器。
- 前記オートフォーカス機構が、携帯端末のオートフォーカス機構であることを特徴とする請求項12に記載の電子機器。
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