JP2011143852A - シフト位置検出装置 - Google Patents

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    • F16H59/10Range selector apparatus comprising levers
    • F16H59/105Range selector apparatus comprising levers consisting of electrical switches or sensors

Abstract

【課題】シフト位置を高い精度で検出することのできるシフト位置検出装置を提供する。
【解決手段】第1及び第2の磁気センサ17,18と磁石とのZ軸方向における距離を異ならせた。また、第1及び第2の磁気センサ17,18の出力電圧V1,V2に対して第1及び第2の閾値Vh1,Vh2(Vh1<Vh2)を設定した。そして制御装置は、出力電圧V1,V2と第1及び第2の閾値Vh1,Vh2との比較を通じて三値(H、M、L)の出力論理を生成するようにした。第1及び第2の閾値Vh1,Vh2は、各シフト位置に対応する出力論理の組合せがすべて異なるように設定される。このため、第1及び第2の磁気センサ17,18の出力論理の組合せに基づき5つのシフト位置の検出が可能となる。2つのセンサ出力の組合せを利用することにより、5つの位置を2つの閾値を設定するだけで検出可能となる。
【選択図】図4

Description

本発明は、シフトパターンに沿って操作されるシフトレバーのシフト位置を検出するシフト位置検出装置に関する。
ユーザによって操作される車両のシフトレバーと変速機との間の機械的な連結を排除した上で、シフトレバーの位置をセンサを通じて検出し、検出されたシフト位置に基づいて変速機のシフトレンジの切り替えを行う、いわゆるバイワイヤ式のシフト装置が周知である。車両のシフト装置としてこうしたバイワイヤ式のシフト装置を採用すれば、シフトレバーと変速機とを連結するリンク機構などを車両に設ける必要がなくなることから、シフトレバーの配設位置を自由に変更することが可能になるなど、車両設計の自由度を大きく高めることができるようになる。そして従来、この種のシフト装置としては、例えば特許文献1に記載の装置が知られている。
図14に示されるように、このシフト装置には、軸部120aを中心に揺動するシフトレバー120が設けられており、このシフトレバー120の揺動がシフト路121によって案内される。そして、ユーザは、シフトレバー120をシフト路121に沿って操作することで、そのシフト位置を「D(ドライブ)ポジション」、「N(ニュートラル)ポジション」、及び「R(リバース)ポジション」に変更することが可能となっている。また、図15に示されるように、このシフト装置では、シフトレバー120の基端部に磁石122が設けられており、シフトレバー120の揺動に伴って、磁石122が図中のX軸方向に往復動する構造となっている。ちなみに、シフトレバー120がNポジションに位置しているときの磁石122の位置を図中の実線で示される基準位置Pnとすると、シフトレバー120がDポジションに位置したとき、磁石122は基準位置Pnよりも右側の第1の位置P1に移動する。また、シフトレバー120がRポジションに位置したとき、磁石122は基準位置Pnよりも左側の第2の位置P2に移動する。一方、このシフト装置には、こうした磁石122の移動に伴う磁界の変化を検出するための2つの磁気センサ123a,123bが設けられている。ちなみに、これらの磁気センサ123a,123bは、磁石122から図中のY軸方向に若干ずれた位置に設けられて且つ、上記X軸方向に沿って併設されている。また、これらの磁気センサ123a,123bは、印加される磁気ベクトルに応じて磁気抵抗効果により抵抗値を変化させる磁気抵抗効果素子(MRE素子)からなる、いわゆる磁気抵抗効果センサ(MRセンサ)である。そして、このシフト装置では、磁気センサ123a,123bの出力電圧を差動増幅回路に入力してそれらの差分値を演算するとともに、演算された差分値に基づいて上記磁石122の位置を、換言すればシフトレバー120の位置を検出する。
このような構成からなるシフト装置によれば、ユーザによるシフトレバー120の操作に伴って磁石122が上記X軸方向に往復動したときに、上記差分値Vdが、図16に示すように直線的に変化する。なお、この図16では、横軸が磁石122の上記基準位置Pnからの変位を、また、縦軸が上記差分値Vdをそれぞれ示している。また、磁石122の変位量を、基準位置Pnから上記第1の位置P1に向かう側を正として示している。このように磁石122の変位に対して差分値Vdが直線的に変化すれば、差分値Vdとシフトレバー120の操作位置とを一対一に対応させることができるため、同差分値Vdに基づいてシフトレバー120のシフト位置を検出することができる。
特開2009−222594号公報
ところで、このようなシフト装置にあっては、通常、差分値Vdに基づいてシフトレバー120の位置を検出する際に、次のような方法が採用されることが多い。すなわち、先の図16に示されるように、差分値Vdに対して2つの閾値Ve11,Ve12(Ve11<Ve12)を設けた上で、以下の(a1)〜(a3)に例示する判定処理を行う。
(a1)差分値Vdが閾値Ve11未満であるとき。このとき、シフトレバー120のシフト位置はRポジションであると判定する。
(a2)差分値Vdが閾値Ve11以上であって且つ、閾値Ve12未満であるとき。このとき、シフトレバー120のシフト位置はNポジションであると判定する。
(a3)差分値Vdが閾値Ve12以上であるとき。このとき、シフトレバー120の位置はDポジションであると判定する。
このような判定処理を通じてシフトレバー120のシフト位置を検出すれば、差分値Vdと閾値Ve11,Ve12との比較を行うだけでシフトレバー120の位置を検出することができるため、シフト位置を容易に検出することが可能となる。
一方、上述した特許文献1に記載のシフト装置にあっては、磁石122が上記第1の位置P1から上記第2の位置P2の範囲に位置しているときに限って差分値Vdの直線性を担保することが可能となっている。このため、差分値Vdの直線性を担保しつつシフト位置の数を増やそうとすると、差分値Vdに対して設けられる各閾値の間隔が自ずと狭くなってしまう。例えば上述した3つのシフト位置に加え、更に2つのシフト位置を設ける場合には、先の図16に対応する図として図17に示すように、4つの閾値Ve21〜Ve24を設ける必要があり、これらの各閾値Ve21〜Ve24の間隔が上記閾値Ve11,Ve12の間隔と比較すると狭くなってしまう。そしてこのように閾値の間隔が狭くなると、例えばノイズ等の影響によって磁気センサ123a,123bの出力値が変動した際に、上記差分値Vdが閾値を超えて変化するような状況が生じ易くなり、ひいてはシフトレバー120の位置の誤検出等をも招きかねない。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、シフト位置を高い精度で検出することのできるシフト位置検出装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、特定方向へ直線状に延びるシフトパターンに沿って設定された5つのシフト位置に操作されるシフトレバーと、当該シフトレバーの前記特定方向への変位に伴い異なる傾きをもって直線的に変化する2つの電圧信号を生成する検出部と、を備え、前記2つの電圧信号並びにこれらに対して共通して設定される2つの閾値の比較を通じて前記2つの電圧信号をそれぞれ三値化し、その三値の組合せに基づき前記シフトレバーが5つのシフト位置のいずれに位置しているかを検出することをその要旨とする。
本発明によれば、検出部において生成される2つの電圧信号の傾きが異なるので、共通して設定される2つの閾値との比較を通じて生成される三値の組合せを5つのシフト位置毎に異ならせることが可能となる。このため、三値の組合せに基づき5つのシフト位置を検出することができる。このように、検出部において生成される2つの電圧信号に対して設定される閾値の数を2つにすることができるため、前述したように検出部の信号に対して4つの閾値を設定して5つのシフト位置を検出する場合と比較すると、閾値の間隔を広げることができる。このため、仮にノイズ等の影響によって検出部の電圧信号が変動したとしても、当該検出部の電圧信号が閾値を超えて変化するような状況が発生しにくくなる。したがって、シフトレバーのシフト位置を適切に検出することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシフト位置検出装置において、前記検出部は、前記シフトレバーの特定方向に沿った方向への操作に伴い変位する磁石と、当該磁石の変位に伴う当該磁石から発せられる磁界の変化を検出する2つの磁界検出器と、これら磁界検出器の検出信号をそれぞれ所要に処理することで前記シフトレバーの特定方向への変位に対して直線的に変化する電圧信号を生成する2つの信号処理回路と、を備え、前記2つの磁界検出器は、前記磁石の変位量当たりの印加磁界の変化の度合いが互いに異なるように配設されてなることをその要旨とする。
本発明によれば、2つの磁界検出器に対する磁石の変位量当たりの印加磁界の変化の度合いが異なるので、これら磁気検出器の検出信号の変化の度合い(態様)も異なるものとなる。このため、これら2つの検出信号を所要に処理することにより、印加磁界の変化の度合いに応じて互いに異なる傾きをもって直線的に変化する2つの電圧信号を、容易に生成することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のシフト位置検出装置において、前記2つの磁界検出器は、それぞれ印加される磁界の強度に比例した電圧信号を生成するホールセンサを備え、これらホールセンサは、前記磁石に対する距離が互いに異ならせられることにより、前記磁石の変位量当たりの印加磁界強度の変化の度合いが互いに異ならせられてなることをその要旨とする。
本発明によれば、2つのホールセンサの磁石に対する距離が異なるので、これらホールセンサに印加される磁界強度の変化の度合いも異なる。したがって、印加磁界強度の変化の度合いに応じて互いに異なる傾きをもって直線的に変化する2つの電圧信号を、容易に生成することが可能となる。
この場合、例えば、請求項4に記載の発明によるように、2つのホールセンサを、磁石の変位方向に平行をなす基板の表裏に設けることにより、2つのホールセンサと磁石との距離を異ならせることができる。
また、請求項5に記載される構成を採用することにより、2つのホールセンサと磁石との距離を異ならせることも可能である。すなわち、磁石には、その変位方向に直交する方向に凹む段差部を形成することにより厚みの異なる第1及び第2の部分を設ける。また、2つのホールセンサは、磁石の段差部側の部分に対向しかつ磁石の変位方向に平行をなす同一基板上に配設する。そして、2つのホールセンサの一方は磁石の第1の部分に、同じく他方は第2の部分に対応して配設する。2つのホールセンサは同一基板上に配設されているので、磁石の段差部が形成された部分に対応するホールセンサと、そうでないホールセンサとでは、磁石との距離が異なることになる。
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載のシフト位置検出装置において、前記2つの磁界検出器は、前記磁石の変位方向に間隔をおいて配設されて当該磁石の変位に伴う磁界の方向の変化を検出して増減特性が相反する電圧信号を生成する2つを1組とする磁気抵抗効果センサをそれぞれ備え、これら2組の磁気抵抗効果センサは、各組を構成する2つの磁気抵抗効果センサの前記磁石の変位方向における距離、及び当該変位方向に直交する方向における前記磁石に対する距離を異ならせることにより、前記磁石の変位量当たりの印加磁界方向の変化の度合いが互いに異ならせられてなり、前記2つの信号処理回路は、前記所要の処理として、対応する組の前記2つの磁気抵抗効果センサにおいて生成される前記2つの電圧信号の差分を求めることにより、前記シフトレバーの特定方向への変位に対して直線的に変化する一の電圧信号をそれぞれ生成することをその要旨とする。
本発明によれば、各組の2つの磁気抵抗効果センサにおいて生成される2つの電圧信号は、磁石の変位量に対する増減特性が相反する。このため、各組の2つの磁気抵抗効果センサにおいて生成される2つの電圧信号の差分値は、磁石の変位量に応じて直線的に変化するものとなる。ここで、2組の磁気抵抗効果センサの磁石に対する配置は前述の通り異なるので、各組の磁気抵抗効果センサに印加される磁界方向の変化の度合いも異なる。このため、各組の2つの磁気抵抗効果センサにおいて生成される2つの電圧信号の変化の態様は、印加磁界方向の変化の度合いに応じて各組で異なるものとなる。したがって、各組の2つの磁気抵抗効果センサにおいて生成される2つの電圧信号の差分値の変化の度合いは各組で異なる。このように、印加磁界方向の変化の度合いに応じて互いに異なる傾きをもって直線的に変化する2つの電圧信号を、容易に生成することが可能となる。
本発明にかかるシフト位置検出装置によれば、シフト位置を高い精度で検出することができる。
第1の実施の形態におけるシフト装置の斜視図。 同じくシフト位置検出装置の概略構成を示す斜視図。 同じく(a)は磁石と磁気センサとの位置関係及び磁石の形状を示す正面図、(b)は図3(a)の左側面図、(c)は図3(a)の平面図。 同じく磁石の変位量と磁気センサに印加される磁束密度及び出力電圧との関係を示すグラフ。 同じくシフト装置の電気的な構成を示すブロック図。 2つの磁気センサにおいて生成される三値信号の組合せとシフトレバーの操作位置との関係を示す一覧表。 (a)は第2の実施の形態における磁石と磁気センサとの位置関係及び磁石の形状を示す正面図、(b)は図7(a)の左側面図、(c)は図7(a)の平面図。 (a)は第3の実施の形態における磁石と磁気センとの位置関係を示す平面図、(b)は同じく正面図、(c)は同じく下面図。 同じくシフトレバーの操作を通じて磁石が変位した場合における当該磁石と磁気センサとの相対位置関係を示す平面図。 同じくシフト装置の電気的な構成を示すブロック図。 同じく2つの磁気センサの出力信号と磁石の変位量との関係、並びにそれらの出力信号の差分値と磁石の変位量との関係を示すグラフ。 同じく磁石の変位量と第1及び第2の磁気センサの出力信号の差分値、並びに第3及び第4の磁気センサの出力信号の差分値との関係を示すグラフ。 (a),(b)は、同じくシフト位置検出装置におけるシフト位置の検出態様を示すグラフ。 従来のシフト装置の斜視図。 同じくシフト装置におけるシフトレバーの基端部に設けられる磁石と2つの磁気センサとの位置関係を模式的に示す平面図。 同じくシフト装置における2つの磁気センサの出力信号の差分値と磁石の変位量との関係を示すグラフ。 同じくシフト装置における5つのシフト位置を検出する方法を示すグラフ。
<第1の実施の形態>
以下、本発明を車両のシフト装置に具体化した第1の実施の形態について図1〜図6を参照して説明する。
<シフト装置の概略構成>
まず、シフト装置の概略構成を説明する。図1に示されるように、シフト装置は、車両に固定されるレバーユニット1と、このレバーユニット1に基端部が支持されて車両の変速機のシフトレンジを切り替える際にユーザによって操作されるシフトレバー2と、このシフトレバー2の移動を案内するシフトゲート3が形成されたシフトパネル4とを備えてなる。シフトゲート3は、図中のY軸方向へ延びる直線状に形成されている。このシフト装置では、シフトゲート3に対して5つのシフト位置、すなわち「Pポジション(駐車位置)」、「Rポジション(後進位置)」、「Nポジション(中立位置:ニュートラル)」、「Dポジション(前進位置)」、及び「Bポジション(回生ブレーキ位置)」が設定されている。これらシフト位置にシフトレバー2が操作されると、変速機のシフトレンジが各シフト位置に対応するシフトレンジに設定される。なお、シフト装置は、シフトレバー2の操作位置が各シフト位置に保持される保持型(ステーショナリタイプ)のものとして構成されている。また、このシフト装置では、レバーユニット1の内部に設けられるシフト位置検出装置を通じて、シフトレバー2が5つのシフト位置のいずれに位置しているかを検出する。
<シフト位置検出装置>
次に、シフト位置検出装置について説明する。図2に示すように、レバーユニット1の内部に設けられる支持部材11は、X軸方向において互いに対向する2つの側壁12a,12b及びこれらの下部間を連結する底壁12cを備えている。これら側壁12a,12bの上部には、Y軸方向へ延びる段差部13a,13bが形成されている。2つの段差部13a,13b間には四角板状のスライダ14が架け渡されている。スライダ14は、段差部13a,13bによって、そのX軸方向への変位が規制されるとともに、そのY軸方向への変位が許容される。
スライダ14の上面中央部には先のシフトレバー2の基端部が、同じく下面には直方体状の磁石15が固定されている。また、支持部材11の2つの側壁12a,12b間には基板16が固定されている。基板16と支持部材11の底壁12cとの間には若干の隙間が形成されている。基板16の表裏両面にはそれぞれ第1及び第2の磁気センサ17,18、並びに図示しない各種の電子部品が設けられている。したがって、シフトレバー2がY軸方向へスライド操作されると、これに伴い磁石15も基板16(第1及び第2の磁気センサ17,18)に対してY軸方向へ相対変位する。
第1及び第2の磁気センサ17,18は、図示しないホール素子及びその信号処理回路17b,18bが1チップに集積化されたホールセンサである。また、これらホールセンサは、S極からN極、あるいはN極からS極への磁界の変化を検出して直線状の出夏信号を生成する、いわゆるリニア検出タイプのものである。当該タイプのホールセンサは、N極の磁界が印加されたときには正(+)の信号を、S極の磁界が印加されたときには負(−)の電圧信号を生成する。信号処理回路17b,18bは、ホール素子において印加磁界強度に応じて生成される電圧信号を増幅する増幅回路等を備えてなる。なお、これら信号処理回路17b,18bは、ホール素子等とは別個に構成することも可能である。
<磁石と磁気センサとの位置関係>
図3(a),(b),(c)に示されるように、磁石15は、図中のZ軸方向に沿って着磁されることにより両面4極とされている。これら磁石15、並びに第1及び第2の磁気センサ17,18の相対位置関係は、シフトレバー2が先のNポジションに位置するときの磁石15の位置をその基準位置Pnとしたとき、次のように設定されている。すなわち、図3(a)に示されるように、第1及び第2の磁気センサ17,18は、これらをX軸方向から見たとき、磁石15のY軸方向における中央部に対応して設けられている。また、図3(b)に示されるように、第1及び第2の磁気センサ17,18は、これらをY軸方向からみたとき、磁石15のX軸方向における中央部よりも若干ずれて設けられている。なお、第1及び第2の磁気センサ17,18のX軸方向における位置は適宜変更可能である。Z軸方向において磁石15に対向していればよい。また、図3(b),(c)に示されるように、第1及び第2の磁気センサ17,18は、これらをZ軸方向から見たとき、互いに一致するように設けられている。なお、この図3(c)では、便宜上、磁石15を二点鎖線で示す。
前述したように、また図3(a),(b)に示されるように、第1及び第2の磁気センサ17,18は、基板16の表裏に設けられている。すなわち、磁石15と第1の磁気センサ17とのZ軸方向における距離Gz1は、磁石15と第2の磁気センサ18とのZ軸方向における距離Gz2よりも小さい。ちなみに、これら距離Gz1,Gz2は、磁石15の下面と第1及び第2の磁気センサ17,18の感磁面17a,18aとの間の距離を示す。磁石15の磁束密度は、磁石15からの距離に反比例するので、磁石15からの距離が大きくなるほど磁束密度の大きさは小さくなる。このため、基板16の磁石15側の側面に設けられた第1の磁気センサ17に印加される磁束密度は、基板16の磁石15と反対側の側面に設けられた第2の磁気センサ18に印加される磁束密度よりも大きくなる。
なお、図3(c)にシフトレバー2が各操作位置(P,R,N,D,B)に操作されたときの磁石15の位置を示す。同図では、シフトレバー2がP,R,N,D,Bポジションにあるときの磁石15の位置をそれぞれ位置Pp,Pr,Pn,Pd,Pbとする。また、同図では、磁石15のX軸方向へ延びる中心軸Oxの位置を示す。この中心軸OxはY軸方向における極性(N極及びS極)の境界でもある。
磁石15が基準位置Pnに位置するとき、当該磁石15の中心軸Oxは、第1及び第2の磁気センサ17,18にZ軸方向において対応する。磁石15が位置Pr,Ppに位置するとき、第1及び第2の磁気センサ17,18は磁石15のS極に対応する。詳述すると、磁石15が位置Ppにあるとき、第1及び第2の磁気センサ17,18はS極のY軸方向における中央部に対応する。磁石15が位置Prにあるとき、第1及び第2の磁気センサ17,18はS極のY軸方向における中央部よりも若干ずれた部位に対応する。
同様に、磁石15が位置Pd,Pbに位置するとき、第1及び第2の磁気センサ17,18は磁石15のN極に対応する。詳述すると、磁石15が位置Pbにあるとき、第1及び第2の磁気センサ17,18はN極のY軸方向における中央部に対応する。磁石15が位置Pdにあるとき、第1及び第2の磁気センサ17,18はN極のY軸方向における中央部よりも若干ずれた部位に対応する。
<磁石の変位と磁気センサの印加磁束密度との関係>
次に、磁石15の変位と、第1及び第2の磁気センサ17,18の印加磁束密度との関係について説明する。
第1及び第2の磁気センサ17,18は、前述したようにホールセンサが採用されているので、それらの感磁面17a,18aに対して直交する方向の磁界を検出する。また、第1及び第2の磁気センサ17,18の出力は磁界の強さ、すなわち磁束密度の大きさに比例する。また、先の図3(a)に示されるように、磁石15がその基準位置Pnに存在する場合、第1及び第2の磁気センサ17,18は磁石15の磁極の境界に対応するため、両感磁面17a,18aに直交する磁束密度は最も小さくなる。
そしてこの磁石15の基準位置Pnを基準として、シフトレバー2の操作を通じて磁石15がY軸方向へ変位した場合、当該磁石15の変位量と第1及び第2の磁気センサ17,18に印加される磁束密度との関係は、図4のグラフのようになる。なお、当該グラフでは、その横軸に磁石15の変位量が、縦軸に磁束密度がプロットされている。また、当該グラフでは、磁石15がその基準位置Pnを原点としてシフトレバー2のBポジションに対応する位置Pbへ向かうときの変位量を正(+)の値、同じくPポジションに対応する位置Ppへ向かうときの変位量を負(−)の値としている。
さて、図4のグラフに示されるように、磁石15のY軸方向への変位に伴い、第1及び第2の磁気センサ17,18に印加される磁束密度はそれぞれ正弦波状に変化する。すなわち、磁石15の基準位置Pnを原点とする正の方向への変位量が大きくなるにつれて第1及び第2の磁気センサ17,18に印加される正の磁束密度が大きくなる。逆に、磁石15の基準位置Pnを原点とする負の方向への変位量が大きくなるにつれて第1及び第2の磁気センサ17,18に印加される負の磁束密度が大きくなる。これは、磁石15の正の方向への変位に伴い両感磁面17a,18aに直交する方向におけるN極の磁界成分が増大し、磁石15の負の方向への変位に伴い両感磁面17a,18aに直交する方向におけるS極の磁界成分が増大するからである。
また、磁石15の変位量当たりの磁束密度の変化の割合は、第1の磁気センサ17に印加される磁束密度の方が第2の磁気センサ18に印加される磁束密度よりも大きくなる。これは、第2の磁気センサ18は第1の磁気センサ17よりも磁石15からの距離が大きく、その分だけ印加される磁束密度が小さくなるからである。
また、図5に示すように、ホールセンサである第1及び第2の磁気センサ17,18は、印加される磁界(磁束密度)の大きさに比例した出力電圧V1,V2を生成する。このため、図4のグラフに示されるように、磁石15の変位に伴う出力電圧V1,V2の変化は、第1及び第2の磁気センサ17,18に対する印加磁束密度の変化に準じたものとなる。シフト位置検出装置の制御装置21は、この磁石15の変位に伴う磁束密度の変化、正確には出力電圧V1,V2の変化を利用して磁石15の位置、すなわちシフトレバー2の操作位置を検出する。
<シフト位置の検出方法>
次に、シフトレバー2の操作位置の検出方法について説明する。図4のグラフに示されるように、当該シフト位置検出装置では、出力電圧V1,V2に対して第1及び第2の閾値Vh1,Vh2が設定されている。第2の閾値Vh2は、第1の閾値Vh1よりも大きな値である。そして制御装置21は、出力電圧V1,V2と第1及び第2の閾値Vh1,Vh2との比較を通じて、出力電圧V1,V2を三値化する。すなわち、制御装置21は、次の(b1)〜(b3)に示されるようにして、出力電圧V1,V2の電圧レベルに応じて、H(ハイ)レベル、M(ミドル)レベル、及びL(ロー)レベルのいずれかの電圧レベルを有する論理信号(H、M、L)を生成する。
(b1)出力電圧V1,V2の電圧レベルが第1の閾値Vh1未満であるとき、Lレベルの論理信号(L)を生成する。
(b2)出力電圧V1,V2の電圧レベルが第1の閾値Vh1以上、かつ第2の閾値Vh2未満であるとき、Mレベルの論理信号(M)を生成する。
(b3)出力電圧V1,V2の電圧レベルが第2の閾値Vh2以上であるとき、Hレベルの論理信号(H)を生成する。
ここで、磁石15がシフトレバー2の各操作位置に対応して変位したとき、第1及び第2の磁気センサ17,18の出力電圧V1,V2の電圧レベル、すなわち出力論理(三値H、M、L)の組合せがすべて異なるように、第1及び第2の閾値Vh1,Vh2は設定される。このため、シフトレバー2の各操作位置(P、R、N、D、B)と、第1及び第2の磁気センサ17,18の出力論理である三値(H,M,L)との組合せは、次のようになる。
すなわち、図6の一覧表の左側の2列の欄に示されるように、シフトレバー2がPポジションに操作された場合には「L,L」、Rポジションに操作された場合には「M,L」、Nポジションに操作された場合には「M,M」、Dポジションに操作された場合には「M,H」、Bポジションに操作された場合には「H,H」となる。なお、図6の一覧表では、Hレベル、Mレベル及びLレベルの電圧レベルを有する論理信号をそれぞれH、M、Lとして表している。
このように、シフトレバー2が各操作位置に操作された場合、第1及び第2の磁気センサ17,18の出力論理の組合せがすべて異なる。すなわち、シフトレバー2の各操作位置と各出力論理との組合せが一対一で対応するので、当該出力論理の組合せに基づきシフトレバー2の操作位置を特定可能となる。
図5に示すように、シフト装置の制御装置21は、第1及び第2の磁気センサ17,18からの出力論理の組合せに基づきシフトレバー2の操作位置を検出し、当該操作位置に応じた指令信号を変速機22へ出力する。変速機22側では、この指令信号に基づきその内部の動力伝達経路の接続状態の切り替えが行われる。
こうした構成によれば、出力電圧V1,V2に対して設定される閾値の数が2つであるにもかかわらず、5つのシフト位置を検出することができる。このため、先の背景技術に記載したように、検出信号に対して4つの閾値を設定して5つのシフト位置を検出する場合と比較すると、閾値の間隔を広げることができる。このため、仮に外乱等の影響によって磁束密度が変動したとしても、当該磁束密度が各閾値を超えて変化するような状況が発生しにくくなるため、シフトレバー2の操作位置を適切に検出することが可能になる。
なお、前述した構成では、第1及び第2の磁気センサ17,18の出力電圧V1,V2の三値化は制御装置21において行われるようにしたが、これを第1及び第2の磁気センサ17,18で行うようにしてもよい。この場合には、制御装置21は、第1及び第2の磁気センサ17,18を通じて取得される出力論理(三値)の組合せに基づき、シフトレバー2のシフト位置を検出する。
また、図3(b),(c)に二点鎖線で示されるように、基板16の表裏に第3及び第4の磁気センサ31,32を追加して設けてもよい。これら第3及び第4の磁気センサ31,32も交番検出タイプのホールセンサが採用される。第3及び第4の磁気センサ31,32は、例えば、図3(b)に示されるように、基準位置Pnに位置する磁石15のZ軸方向へ延びる中心軸を中心としてX軸方向において線対称となるように、かつ図3(c)に示されるように、基準位置Pnに位置する磁石15のY軸方向へ延びる中心軸を中心としてX軸方向において線対称となるように設ける。なお、これら第3及び第4の磁気センサ31,32の位置は適宜変更可能である。
そしてこの場合、磁石15の変位量と第3及び第4の磁気センサ31,32に印加される磁束密度との関係は、先の図4のグラフに示されるように、磁石15の変位量と第1及び第2の磁気センサ17,18に印加される磁束密度との関係と同様の関係になる。第3の磁気センサ31に印加される磁束密度は第1の磁気センサ17に印加される磁束密度と同様に変化する。第4の磁気センサ32に印加される磁束密度は、第2の磁気センサ18に印加される磁束密度と同様に変化する。したがって、第3及び第4の磁気センサ31,32の出力論理は、図6の一覧表の右側の2列の欄に示されるように、第1及び第2の磁気センサ17,18の出力論理と同じになる。
このようにした場合であれ、シフトレバー2が各操作位置に操作されたときの第1〜第4の磁気センサ17,18,31,32の出力論理の組合せはすべて異なるものとなり、シフトレバー2の各操作位置と各出力論理との組合せは一対一で対応する。したがって、第1〜第4の磁気センサ17,18,31,32の出力論理の組合せに基づき、シフトレバー2の各操作位置を検出可能となる。また、この場合には、シフトレバー2の各操作位置に対応する出力論理の組合せに重なるものがないので、第1〜第4の磁気センサ17,18,31,32のうちいずれか一が故障等したときであれ、シフトレバー2の各操作位置の検出が可能になる。
なお、本例において、第1及び第2の磁気センサ17,18は、シフトレバー2の特定方向への変位に伴い異なる傾きをもって直線的に変化する2つの電圧信号を生成する検出部を構成する。
<実施の形態の効果>
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)第1及び第2の磁気センサ17,18と磁石15とのZ軸方向における距離を異ならせた。また、第1及び第2の磁気センサ17,18の出力電圧V1,V2に対して第1及び第2の閾値Vh1,Vh2(Vh1<Vh2)を設定した。そして制御装置21は、出力電圧V1,V2と第1及び第2の閾値Vh1,Vh2との比較を通じて三値の出力論理を生成するようにした。第1及び第2の閾値Vh1,Vh2は、各シフト位置に対応する出力論理の組合せがすべて異なるように設定される。このため、第1及び第2の磁気センサ17,18の出力論理の組合せに基づき5つのシフト位置の検出が可能となる。2つのセンサ出力の組合せを利用することにより、5つの位置を2つの閾値を設定するだけで検出可能となる。従来のように、5つの検出位置に対して4つの閾値を設定する場合と比較して、閾値の間隔を広げることができるため、外乱磁界等の影響によって磁束密度が閾値を超えて変化するような状況が発生しにくくなる。ひいては、シフトレバー2の操作位置を適切に検出することができる。
(2)第1及び第2の磁気センサ17,18として、交番検出タイプのホールセンサを採用した。このため、磁石15を両面4極とすることにより、磁石15の変位量当たりの磁束密度の変化の割合を大きくすることが可能になる。センサに印加される磁束密度は、磁極の境界を原点とした正負の方向における変化として得られるからである。
(3)第3及び第4の磁気センサ31,32を追加して設けた場合には、位置検出装置の検出信頼性を向上させることができる。1つのセンサが故障等しても、シフトレバー2の操作位置の検出が可能になるからである。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施の形態は、基本的には先の図1及び図2及び図5に示される構成と同様の構成を備えてなる。したがって、前記第1の実施の形態と同一の部材及び構成については同一の符号を付し、その重複した説明を省略する。
第1の実施の形態では、第1及び第2の磁気センサ17,18の磁石15からの距離を異ならせることにより、これら磁気センサに印加される磁束密度の大きさを異ならせるようにしているところ、本例ではこれを、磁石15のZ軸方向における厚さを異ならせることにより実現している。すなわち、図7(a)に示すように、磁石15の着磁方向は、第1の実施の形態と同様に両面4極着磁とされている。そして図7(b)に示すように、磁石15の上面及び下面にはそれぞれ段差部41,42が形成されている。これら段差部41,42は、磁石15をその左側(Y軸方向)から見た場合、磁石15のZ軸方向へ延びる中心軸を境界として磁石15を第1及び第2の部分15a,15bに分けたとき、図中左側の部分である第1の部分15aの上面及び下面の全域に亘って形成されている。このため、第1の部分15aのZ軸方向における厚さDz1は、第2の部分15bのZ軸方向における厚さDz2よりも、段差部41,42の分だけ小さくなっている。なお、第1の部分15aの厚さDz1は第1の実施の形態の磁石15の厚さと同じに、第2の部分15bの厚さDz2は、第1の実施の形態における磁石15の厚さよりも大きく設定されている。この厚さDz1,Dz2の違いにより、先の段差部41,42が形成される。
図7(b)に示されるように、基板16の上面(磁石15側の側面)には、第1及び第2の磁気センサ17,18が設けられている。図7(a)に示されるように、第1及び第2の磁気センサ17,18は、これらをX軸方向からみたとき、互いに一致するように設けられている。また、図7(c)に併せて示されるように、第1の磁気センサ17は第1の部分15aに、第2の磁気センサ18は第2の部分15bに対応している。このため、図7(b)に示されるように、磁石15(第1の部分15a)と第1の磁気センサ17とのZ軸方向における距離Gz1は、磁石15(第2の部分15b)と第2の磁気センサ18とのZ軸方向における距離Gz2よりも大きくなっている。なお、これら距離Gz1,Gz2は、磁石15の下面と感磁面17a,18aとの間の距離を示す。
シフトレバー2の操作を通じて磁石15がY軸方向へ変位した場合、当該磁石15の変位量と第1及び第2の磁気センサ17,18に印加される磁束密度との関係は、第1の実施の形態と同様になる。すなわち、磁石15のY軸方向への変位に伴い、第1及び第2の磁気センサ17,18に印加される磁束密度は、先の図4のグラフに示されるように変化する。そして、先の図6の一覧表に示されるように、磁石15がシフトレバー2の各操作位置に対応して変位したとき、第1及び第2の磁気センサ17,18の出力論理の組合せはすべて異なるものとなる。すなわち、シフトレバー2の各操作位置と各出力論理との組合せは一対一で対応するので、各出力論理の組合せに基づきシフトレバー2の各操作位置を検出可能となる。
なお、本例においても、出力電圧V1,V2の三値化を第1及び第2の磁気センサ17,18で行うようにしてもよい。
また、本例においても、前記第1の実施の形態と同様に、第3及び第4の磁気センサ31,32を追加して設けてもよい。この場合、図7(b),(c)に二点鎖線で示されるように、第3の磁気センサ31は第1の部分15aに、第4の磁気センサ32は第2の部分15bに対応して設けられる。また、第3及び第4の磁気センサ31,32は、基板16の磁石15側の側面において第1及び第2の磁気センサ17,18とともにX軸方向に沿って1列をなすように設けられる。
磁石15のY軸方向への変位に伴う第3及び第4の磁気センサ31,32の印加磁束密度は、先の図4のグラフに示されるように、第1及び第2の磁気センサ17,18の印加磁束密度と同様の傾向で変化する。また、図6の一覧表に示されるように、第3及び第4の磁気センサ31,32の出力論理は、第1及び第2の磁気センサ17,18の出力論理と同じになる。すなわち、シフトレバー2の各操作位置と各出力論理との組合せは一対一で対応する。このため、第1〜第4の磁気センサ17,18,31,32の出力論理の組合せに基づき、シフトレバー2の各操作位置を検出可能となる。また、シフトレバー2の各操作位置に対応する出力論理の組合せに重なるものがないので、第1〜第4の磁気センサ17,18,31,32のうちいずれか一が故障等したときであれ、シフトレバー2の各操作位置の検出が可能になる。
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)磁石15の厚さを第1の部分15aと第2の部分15bとで異ならせるとともに、これらにZ軸方向において対向するように第1及び第2の磁気センサ17,18を配設することにより、前記第1の実施の形態の(1),(2)と同様の効果を得ることができる。
(2)また、第3及び第4の磁気センサ31,32を追加して設けた場合には、前記第1の実施の形態の(3)と同様の効果を得ることができる。
(3)また、第1及び第2の磁気センサ17,18は、基板16の磁石15側の側面にのみ配設される。このため、基板16と支持部材11の底壁12cとの間に隙間を省略することも可能になる。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態も、基本的には先の図1及び図2及び図5に示される構成と同様の構成を備えてなる。
図8(a),(b)に示すように、スライダ14(図2を参照。)の底部には、円柱状の磁石51が固定されている。シフトレバー2のY軸方向への操作に伴い、磁石51もY軸方向に沿って変位する。また、同図に示されるように、磁石51は、Z軸方向に着磁されてなる。
磁石51に対向する基板16の表裏両面には、2つを1組とする2組の磁気センサ52a,52b,53a,53bが設けられている。これら磁気センサ52a,52b,53a,53bは、磁気抵抗効果素子(MRE)を利用した磁気抵抗効果センサである。この磁気抵抗効果素子は、印加される磁気ベクトル(磁界の方向)に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果を有する。より具体的には、各磁気センサ52a,52b,53a,53bは、2つの磁気抵抗効果素子が直列に接続されたいわゆるハーフブリッジ回路等が1チップに集積化されたものである。なお、4つの磁気抵抗効果素子がブリッジ状に接続された、いわゆるフルブリッジ回路を備えてなる磁気抵抗効果センサを採用することも可能である。
図8(a),(b)に示されるように、2つの磁気センサ52a,52bは基板16の磁石51側の側面に、また図8(b),(c)に示されるように、残りの2つの磁気センサ53a,53bは基板16の磁石51と反対側の側面に設けられている。
図9に示されるように、2つの磁気センサ52a,52bは、磁石51に対して以下の(c1)〜(c3)に示す配置関係を有している。
(c1)2つの磁気センサ52a,52bは、磁石51をZ軸方向から見たとき、そのZ軸方向へ伸びる中心軸OからX軸方向に距離Dx1だけずれた位置に配設されている。
(c2)2つの磁気センサ52a,52bは、Y軸方向に沿って並設されている。なお、これら磁気センサ52a,52bの間の距離は、シフトレバー2がシフトゲート3に沿ってY軸方向へ操作された際(P〜B間)の磁石51の中心軸Oの移動距離S1と同等の長さに設定されている。
(c3)2つの磁気センサ52a,52bは、磁石51が図中の基準位置Pnに位置している状態において、その中心軸Oを通ってX軸に平行をなす軸線X1を基準に線対称となるように設けられている。
また、図9に二点鎖線で示されるように、2つの磁気センサ53a,53bは、磁石51に対して以下の(d1)〜(d3)に示す配置関係を有している。
(d1)2つの磁気センサ53a,53bは、磁石51をZ軸方向から見たとき、そのZ軸方向へ伸びる中心軸OからX軸方向に、かつ磁気センサ52a,52bと反対側に距離Dx2だけずれた位置に配設されている。ただし、Dx2<Dx1の関係を有する。
(d2)2つの磁気センサ53a,53bは、Y軸方向に沿って並設されている。なお、これら磁気センサ53a,53bの間の距離は、シフトレバー2がシフトゲート3に沿ってY軸方向へ操作された際(R,N,D間)の磁石51の中心軸Oの移動距離S2と同等の長さに設定されている。すなわち、S2<S1の関係を有する。
(d3)2つの磁気センサ53a,53bは、磁石51が図中の基準位置Pnに位置している状態において、その中心軸Oを通ってX軸に平行をなす軸線X1を基準に線対称となるように設けられている。
そして、このシフト位置検出装置では、図9に示されるように、シフトレバー2のシフト位置の変化に伴って磁石51(正確には、その中心軸O)がY軸に平行をなす軸線Y1上を移動すると、各磁気センサ52a,52b,53a,53bに印加される磁界が変化することにより、これら磁気センサの出力電圧(センサ出力)が変化する。
図10に示すように、このシフト位置検出装置では、2つの磁気センサ52a,52bの出力電圧V1,V2が、信号処理回路としての差動増幅回路61に入力されてそれらの差分値(=V1−V2)が演算された後、当該差分値が第1の検出信号Sc1として、制御装置21に取り込まれる。また、2つの磁気センサ53a,53bの出力電圧V3,V4が、信号処理回路としての差動増幅回路62に入力されてそれらの差分値(=V3−V4)が演算された後、当該差分値が第2の検出信号Sc2として、制御装置21に取り込まれる。
制御装置21では、第1及び第2の検出信号Sc1,Sc2に対してそれぞれ第1及び第2の閾値Vh1,Vh2が設定され、これら第1及び第2の閾値Vh1,Vh2と第1及び第2の検出信号Sc1,Sc2との比較に基づきシフトレバー2のシフト位置を検出する。制御装置21は、検出されたシフト位置に応じて変速機22に指令信号を出力し、変速機22の接続状態の切り替えを行わせる。
<磁気センサの出力電圧の変化>
次に、磁石15の変位、並びに2つの磁気センサ52a,52bの出力電圧V1,V2及び第1の検出信号Sc1の関係を図11のグラフを参照しつつ説明する。当該グラフでは、横軸に磁石51の基準位置Pnからの変位量が、縦軸に磁気センサ52a,52bの出力電圧V1,V2及び第1の検出信号Sc1がプロットされている。また当該グラフでは、磁石51の変位量を、基準位置PnからPポジションに対応する位置へ向かう側を正、Bポジションに対応する位置へ向かう側を負として表している。
当該グラフに示されるように、磁石51が、Pポジションに対応する位置Pp、Rポジションに対応する位置Pr、Nポジションに対応する位置(基準位置Pn)、Dポジションに対応する位置Pd、及びBポジションに対応する位置Pbの順で移動したとすると、2つの磁気センサ52a,52bの出力電圧V1,V2は、図中に一点鎖線及び二点鎖線でそれぞれ示されるように、互いに半周期だけ位相がずれる態様にて正弦波状に変化する。ちなみに、本例では、このように出力電圧V1,V2の位相が半周期だけずれるように2つの磁気センサ52a,52b(正確には、磁気抵抗素子)の向き等が調整されている。また、このように変化する出力電圧V1,V2に対して、第1の検出信号Sc1は、磁石51が各シフト位置に変位する範囲(すなわち、移動距離S1内)で直線的に変化する値となる。
他の2つの磁気センサ53a,53bの出力電圧V3、V4及び第2の検出信号Sc2の関係も先の図11のグラフに示される関係に準じたものになる。ただし、これら出力電圧V3,V4に対して、第2の検出信号Sc2は、図12のグラフに示されるように、磁石51がRポジションに対応する位置PrからDポジションに対応する位置Pdまでの間を変位する範囲(すなわち、移動距離S2内)で直線的に変化する値となる。また、当該範囲において、磁石51の変位量当たりの第2の検出信号Sc2の電圧レベルは、磁石51の変位量当たりの第1の検出信号Sc1の電圧レベルよりも大きくなる。すなわち、磁石51の変位に伴う第2の検出信号Sc2の変化を示す直線の傾きは、第1の検出信号Sc1の変化を示す直線の傾きよりも大きくなる。これは、前述した2つの磁気センサ52a,52bの磁石51に対する位置関係と、2つの磁気センサ53a,53bの磁石51に対する位置関係とが異なることによる。
詳述すると、2組の磁気センサの配置関係の違いにより、2組の磁気センサ52a,52b及び磁気センサ53a,53bに印加される磁界方向の変化の度合いが異なるものになる。このため、2組の出力電圧V1,V2及び出力電圧V3,V4の変化の態様も印加磁界方向の変化の度合いに応じて各組で異なる。したがって、2組の出力電圧V1,V2及び出力電圧V3,V4の差分値、すなわち第1及び第2の検出信号Sc1,Sc2の変化の度合いは異なるものとなる。本例では、この磁石51の変位に伴う第1及び第2の検出信号Sc1,Sc2の変化を利用して磁石51の位置、すなわちシフトレバー2の操作位置を検出する。
<シフト位置の検出方法>
次に、シフト位置検出装置によるシフトレバー2の操作位置の検出方法について説明する。
図12のグラフに示されるように、シフト位置検出装置では、第1及び第2の検出信号Sc1,Sc2に対して第1及び第2の閾値Vh1,Vh2が設定されている。第2の閾値Vh2は、第1の閾値Vh1より大きな値とである。そして制御装置21は、第1及び第2の検出信号Sc1,Sc2と第1及び第2の閾値Vh1,Vh2との比較を通じて、第1及び第2の検出信号Sc1,Sc2をそれぞれ三値化する。当該三値化は、前記第1の実施の形態における(b1),(b2),(b3)と同様の判定処理に基づき行われる。そして、シフトレバー2の各操作位置(P、R、N、D、B)と三値(H,M,L)の組合せは、先の図6の一覧表に示されるものに準じたものとなる。すなわち、シフトレバー2がPポジションに操作された場合には「L,L」、Rポジションに操作された場合には「M,L」、Nポジションに操作された場合には「M,M」、Dポジションに操作された場合には「M,H」、Bポジションに操作された場合には「H,H」となる。なお、先の図6の一覧表において、第1の磁気センサ17の出力には第2の検出信号Sc2が、第2の磁気センサ18の出力には第1の検出信号Sc1が対応する。このように、シフトレバー2の各操作位置と各出力論理との組合せは一対一で対応する。このため、第1及び第2の検出信号Sc1,Sc2に基づき生成される三値(H,M,L)の組合せに基づき、シフトレバー2の各操作位置を検出可能となる。
なお、本例では、前述した三値化を行うことなく、第1及び第2の検出信号Sc1,Sc2と第1及び第2の閾値Vh1,Vh2との比較に基づきシフトレバー2の操作位置を検出することも可能である。すなわち、制御装置21は、次のようにしてシフトレバー2の各操作位置の判定処理を行う。
(e1)図13(a)のグラフに示されるように、第1の検出信号Sc1の電圧レベルが第1の閾値Vh1未満であるとき、シフトレバー2はPポジションである旨判定する。
(e2)同じく第1の検出信号Sc1の電圧レベルが第2の閾値Vh2以上であるとき、シフトレバー2はBポジションである旨判定する。
(e3)図13(b)のグラフに示されるように、第2の検出信号Sc2の電圧レベルが第1の閾値Vh1未満であるとき、シフトレバー2はRポジションである旨判定する。
(e4)同じく第2の検出信号Sc2の電圧レベルが第1の閾値Vh1以上、かつ第2の閾値Vh2未満であるとき、シフトレバー2はNポジションである旨判定する。
(e5)同じく第2の検出信号Sc2の電圧レベルが第2の閾値Vh2以上であるとき、シフトレバー2はDポジションである旨判定する。
このようにしても、第1及び第2の検出信号Sc1,Sc2に対して設定される閾値の数を2つにすることができるため、従来のように、センサ出力(検出信号)に対して4つの閾値を設定して5つのシフト位置を検出する場合と比較すると、閾値の間隔を広げることができる。
また、図8(a),(b)に二点鎖線で示されるように、基板16の磁石51側の側面に2つの磁気センサ71a,71bを、磁石51と反対側の側面に2つの磁気センサ72a,72bを追加して設けてもよい。これら磁気センサ71a,71b及び磁気センサ72a,72bもMRセンサが採用される。2つの磁気センサ71a,71bは、先の磁気センサ52a,52bに対して次のような配置関係を有する。すなわち、図8(a)に示されるように、磁石51のY軸方向へ延びる中心軸を中心としてX軸方向において線対称となるように設けられる。また、2つの磁気センサ72a,72bは、先の磁気センサ53a,53bに対して次のような配置関係を有する。すなわち、図8(c)に示されるように、磁石51のY軸方向へ延びる中心軸を中心としてX軸方向において線対称となるように設けられる。
そして、基準位置Pnを基準とする磁石15の変位量と2つの磁気センサ71a,71bの出力電圧の差分値である検出信号(第3の検出信号)との関係が、先の図12のグラフに示される第1の検出信号Sc1と同様の関係になるように、2つの磁気センサ71a,71b(正確には、磁気抵抗素子)の向き等が調節されている。また、基準位置Pnを基準とする磁石15の変位量と2つの磁気センサ72a,72bの出力電圧の差分値である検出信号(第4の検出信号)との関係が、先の図12のグラフに示される第2の検出信号Sc2と同様の関係になるように、2つの磁気センサ72a,72b(正確には、磁気抵抗素子)の向き等が調節されている。
このため、図6の一覧表の右側の2列の欄に示されるように、2つの磁気センサ71a,71bの検出信号(第3の検出信号)の出力論理、及び2つの磁気センサ72a,72bの検出信号(第4の検出信号)の出力論理は、第1の実施の形態における第3及び第4の磁気センサ31,32の出力論理と同じになる。すなわち、シフトレバー2が各操作位置に操作されたときの第1〜第4の検出信号の出力論理の組合せはすべて異なるものとなる。したがって、シフトレバー2の各操作位置と各出力論理との組合せは一対一で対応するので、これら出力論理の組合せに基づき、シフトレバー2の各操作位置を検出可能となる。また、この場合には、シフトレバー2の各操作位置に対応する出力論理の組合せに重なるものがないので、各磁気センサ71a,71b,72a,72bのいずれか一、あるいは互いに対をなす2つの磁気センサが故障等したときであれ、シフトレバー2の各操作位置の検出が可能になる。
<実施の形態の効果>
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)特定の位置にある磁石51に対する2つの磁気センサ52a,52b及び2つの磁気センサ53a,53bの配置を異ならせることにより、傾き(勾配)の異なる第1及び第2の検出信号Sc1,Sc2を生成するようにした。そして、これら第1及び第2の検出信号Sc1,Sc2と第1及び第2の閾値Vh1,Vh2との比較を通じて、第1及び第2の検出信号Sc1,Sc2を三値化するようにした。各シフト位置に対応する出力論理の組合せはすべて異なるため、これら出力論理の組合せに基づき5つのシフト位置の検出が可能となる。すなわち、前記第1の実施の形態の(1)と同様の効果を得ることができる。
(2)第1及び第2の検出信号Sc1,Sc2を三値化することなく、これら第1及び第2の検出信号Sc1,Sc2と第1及び第2の閾値Vh1,Vh2との比較を通じて、シフト位置を判定するようにすることも可能である。この場合、第1及び第2の検出信号Sc1,Sc2の傾きが異なるので、これらに対してそれぞれ同一の閾値を設定したときであれ、異なる比較結果を得ることができる。本例では、第1及び第2の検出信号Sc1,Sc2に対して同一の第1及び第2の閾値Vh1,Vh2を設定することにより、最大で6つの位置を検出可能になる。
(3)2つの磁気センサ71a,71b及び2つの磁気センサ72a,72bを追加して設けた場合には、位置検出装置の検出信頼性を向上させることができる。1つあるいは対をなす2つの磁気センサが故障等しても、シフトレバー2の操作位置の検出が可能になるからである。
<他の実施の形態>
なお、前記各実施の形態は、次のように変更して実施してもよい。
・第3の実施の形態では、シフトパターンがストレート(直線状)に設定されるシフト装置について適用したが、例えばHタイプのものに適用することも可能である。この場合、シフトパネル4には、Y軸方向へ沿って延びる第1及び第2のシフトゲート及びこれらの間を連通してX軸方向へ延びる第3のシフトゲートが形成される。そして、第1のシフトゲートと第2のシフトゲートとの間の操作の切り替えを検出するスイッチ(接点又はセンサ)を設ける。このスイッチを通じてシフトレバー2が第1及び第2のシフトゲートのいずれに切り替えられているのかを検出可能になる。したがって、同一の磁気センサ52a,52b,53a,53bを使用して、第1及び第2のシフトゲートに設定される各操作位置を検出することが可能になる。第1及び第2のシフトゲートにそれぞれ設定されるシフト位置が5つまでであれば、前記第3の実施の形態と同等の精度で各シフト位置を検出することができる。
・第3の実施の形態において、2つの差動増幅回路61,62は、磁気センサ52a,52b及び磁気センサ53a,53bと一体的に設けてもよい。すなわち、2つの磁気センサ52a,52b及び差動増幅回路61、並びに2つの磁気センサ53a,53b及び差動増幅回路62は、それぞれ単一のICチップとして集積化する。また、2つの差動増幅回路61,62は、制御装置21と一体的に設けるようにしてもよい。
・第1〜第3の実施の形態では、シフトレバー2の操作位置が各シフト位置に保持される保持型(ステーショナリタイプ)のシフト装置を例に挙げたが、当該操作位置が特定の基準位置に自動復帰する復帰型(モーメンタリタイプ)のシフト装置へ本発明を適用してもよい。この復帰型のシフト装置では、運転者によりシフトレバー2が各シフト位置に操作された後、当該シフトレバー2の把持が解除されたとき、当該シフトレバー2は特定の基準位置に自動復帰する。しかし、前述した各シフト位置に対応するシフトレンジはそのまま維持される。
・第1〜第3の実施の形態では、シフトレバー2のシフト位置を5つとしたが、例えばRポジション、Nポジション及びDポジションの3つとしてもよい。この場合、Pポジションに対応する変速機22のシフトレンジの切り替えは、運転席の近傍に設けられるパーキングボタンの操作を通じて行う。
<他の技術的思想>
次に、前記実施の形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)特定方向へ直線状に延びるシフトパターンに沿って設定された5つのシフト位置に操作されるシフトレバーと、前記シフトレバーの前記特定方向への変位に対して異なる傾きをもって直線的に変化する2つの電圧信号を生成する検出部と、を備え、前記2つの電圧信号の一方を前記5つのシフト位置のうちの2つ又は3つに、他方を前記5つのシフト位置のうち残りの3つ又は2つに割り当て、前記2つの電圧信号並びにこれらに対して設定される2つの閾値の比較を通じて前記シフトレバーが5つのシフト位置のいずれに位置しているかを検出するシフト位置検出装置。
この構成によれば、一方の電圧信号と2つの閾値との比較を通じて、シフトレバーが当該一方の電圧信号に割り当てられた2つ又は3つのシフト位置のいずれに位置するかを、他方の電圧信号と2つの閾値との比較を通じて、当該他方の電圧信号に割り当てられた残りの3つ又は2つのシフト装置のいずれに位置するかを検出可能になる。2つの電圧信号に対して、同じ2つの閾値を使用して異なる5つのシフト位置を検出することが可能になる。
2…シフトレバー、15,51…磁石、15a…磁石の第1の部分、15b…磁石の第2の部分、16…基板、17…第1の磁気センサ(磁界検出器)、18…第2の磁気センサ(磁界検出器)、17b,18b…信号処理回路、41,42…段差部、52a,52b,53a,53b…磁気センサ(磁界検出器)、61,62…差動増幅回路(信号処理回路)。

Claims (6)

  1. 特定方向へ直線状に延びるシフトパターンに沿って設定された5つのシフト位置に操作されるシフトレバーと、当該シフトレバーの前記特定方向への変位に伴い異なる傾きをもって直線的に変化する2つの電圧信号を生成する検出部と、を備え、
    前記2つの電圧信号並びにこれらに対して共通して設定される2つの閾値の比較を通じて前記2つの電圧信号をそれぞれ三値化し、その三値の組合せに基づき前記シフトレバーが5つのシフト位置のいずれに位置しているかを検出するシフト位置検出装置。
  2. 請求項1に記載のシフト位置検出装置において、
    前記検出部は、前記シフトレバーの特定方向に沿った方向への操作に伴い変位する磁石と、当該磁石の変位に伴う当該磁石から発せられる磁界の変化を検出する2つの磁界検出器と、これら磁界検出器の検出信号をそれぞれ所要に処理することで前記シフトレバーの特定方向への変位に対して直線的に変化する電圧信号を生成する2つの信号処理回路と、を備え、
    前記2つの磁界検出器は、前記磁石の変位量当たりの印加磁界の変化の度合いが互いに異なるように配設されてなるシフト位置検出装置。
  3. 請求項2に記載のシフト位置検出装置において、
    前記2つの磁界検出器は、それぞれ印加される磁界の強度に比例した電圧信号を生成するホールセンサを備え、これらホールセンサは、前記磁石に対する距離が互いに異ならせられることにより、前記磁石の変位量当たりの印加磁界強度の変化の度合いが互いに異ならせられてなるシフト位置検出装置。
  4. 請求項3に記載のシフト位置検出装置において、
    前記2つのホールセンサは、前記磁石の変位方向に平行をなす基板の表裏に設けることにより、前記磁石との距離が異ならせられてなるシフト位置検出装置。
  5. 請求項3に記載のシフト位置検出装置において、
    前記磁石は、その変位方向に直交する方向に凹む段差部を形成することにより厚みの異なる第1及び第2の部分を設け、
    前記2つのホールセンサは、前記磁石の前記段差部側の部分に対向しかつ前記磁石の変位方向に平行をなす同一基板上に配設するとともに、一方は前記第1の部分に、他方は前記第2の部分に対応して配設することにより、前記磁石との距離が異ならせられてなるシフト位置検出装置。
  6. 請求項2に記載のシフト位置検出装置において、
    前記2つの磁界検出器は、前記磁石の変位方向に間隔をおいて配設されて当該磁石の変位に伴う磁界の方向の変化を検出して増減特性が相反する電圧信号を生成する2つを1組とする磁気抵抗効果センサをそれぞれ備え、
    これら2組の磁気抵抗効果センサは、各組を構成する2つの磁気抵抗効果センサの前記磁石の変位方向における距離、及び当該変位方向に直交する方向における前記磁石に対する距離を異ならせることにより、前記磁石の変位量当たりの印加磁界方向の変化の度合いが互いに異ならせられてなり、
    前記2つの信号処理回路は、前記所要の処理として、対応する組の前記2つの磁気抵抗効果センサにおいて生成される前記2つの電圧信号の差分を求めることにより、前記シフトレバーの特定方向への変位に対して直線的に変化する一の電圧信号をそれぞれ生成するシフト位置検出装置。
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