JP2011165961A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 はんだ濡れ性に優れるとともに、リフローはんだ時の膨張や特性劣化が発生しない品質の高い固体電解コンデンサの製造方法を提供する。
【解決手段】 リード線外部接続部にメッキ処理を未だ行っていないメッキ未処理リード線を使用して熱処理などの各種の工程を行って、熱処理をした後にリード線外部接続部にメッキ処理を施して固体電解コンデンサを製造する。
【選択図】図5

Description

本発明は、固体電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
従来、電解コンデンサの陽極電極は、アルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁作用金属からなるが、この陽極電極はエッチングピットや微細孔を持ち、陽極電極表面に誘電体からなる酸化皮膜層を形成し、この酸化皮膜層上に電解質層を形成し、電極を引き出して構成される。電解コンデンサにおける真の陰極は、この電解質層であり、この電解質層が、電解コンデンサの電気特性に大きな影響を及ぼすため、電解質層の数々の形成方法が提案されている。
また、固体電解コンデンサは、イオン伝導性であるために高周波領域でインピーダンス特性が悪化する液状の電解質に替えて、電子伝導性である固体の電解質を用いるもので、なかでも7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体が知られており、このTCNQ錯体を熱溶融して陽極電極に浸漬、塗布し、固体電解質層を形成している(例えば、特許文献1参照)。
さらに、他の手法として、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等の導電性高分子を固体の電解質として用いることが試みられている(例えば、特許文献2参照)。
さらにまた、導電性高分子の形成を促進させたり、製品の信頼性を向上させたりするために、固体電解コンデンサの製造工程内で、200℃〜300℃程度の熱処理を行う製造方法が多く検討されている。このような熱処理を行う場合には、熱処理の温度より高い融点を有する銀でリード線外部接続部にメッキ層を形成する必要がある(例えば、特許文献3及び4参照)。
特開昭58−191414号公報 特開平2−15611公報 特開2000−277385公報 特開2001−284179公報
電解コンデンサなどのコンデンサのリード線のリード端子(リード線外部接続部)は、母材として銅や鉄などの材料が用いられている。これらの銅や鉄は酸化しやすく、酸化物や鉄材にはんだが十分に付かないため、コンデンサをフローはんだやリフローはんだ処理にて電子基板に取り付ける工程において、コンデンサのリード端子と電子基板との間で電気的接合を的確に行うことができなかった。このため、従来から、酸化しにくく、かつはんだ濡れ性が良い錫、銀、金等を用いて、リード端子の表面にコーティング処理をしてきた。コーティングの方法としてメッキ処理が用いられることが多く、電子基板に取り付けるコンデンサの全ては、リード線に何らかのコーティング処理を行っており、その中でもメッキ処理したリード線を使用することが一般的であった。
また、固体電解コンデンサの特性を向上させるため、セパレータの炭化処理時に200〜300℃の熱処理を行うことが一般的であった。その熱処理の際、融点の低い錫では溶融してしまうため、その温度で溶融しない銀がリード端子の表面にコーティングされていた。
このように、固体電解コンデンサでは銀メッキのコーティングを施したリード端子を有するコンデンサを用いて、電子基板に取り付けることが望ましい。しかしながら、従来使用してきた銀は、高価でコストがかかり、気中で酸化しやすい問題があった。また、近年、固体電解質の1種として使用されているポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)は、合成時に硫黄を使用しているため、その硫黄が銀と反応すると、銀を硫化させてしまい、はんだの濡れ性を低下させてしまう問題があった。
本発明は、上記課題を解決すべく、はんだ濡れ性に優れ、コストが低く、品質の安定化を図れる固体電解コンデンサを製造できる固体電解コンデンサの製造方法の提供を目的とする。
本発明の実施の形態に係る特徴は、
皮膜処理がされていない未皮膜処理リード線を陽極箔と陰極箔との各々に接続するステップと、
セパレータを介して前記陽極箔と前記陰極箔とを巻回するステップと、
前記陽極箔と前記陰極箔との間で固体電解質を形成してコンデンサ素子を作製するステップと、
前記固体電解質を形成したコンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに収納し、封口ゴムを取り付けて組立を行うステップと、
前記未皮膜処理リード線に皮膜処理をするステップと、からなることである。
このように構成したことにより、固体電解質を形成する前では未皮膜処理リード線を用いて処理をし、固体電解質を形成し、組み立てた後に、未皮膜処理リード線に皮膜処理をするので、固体電解質を形成する処理によって、酸化によるリード線や皮膜を劣化させることがなく、外観やはんだ濡れ性を維持することができる。
ここで、皮膜処理には、メッキ処理や溶射処理や化成処理などがある。いずれにしても、未皮膜処理リード線に皮膜処理をして、未皮膜処理リード線の表面を金属材料などの材料で被覆する処理である。皮膜を形成することによってリード線を保護して酸化等を防止するとともに、はんだ濡れ性を向上させるものであればよい。
また、
前記未皮膜処理リード線は、下地皮膜形成処理と前記下地皮膜形成処理の後に行う仕上げ皮膜形成処理との双方がされていないリード線であり、
前記皮膜処理をするステップは、前記下地皮膜形成処理と前記仕上げ皮膜形成処理との双方を行うステップであるものが好ましい。
このように構成したことにより、酸化によってリード線や皮膜を劣化させることを防止することができる。
ここで、下地皮膜は、仕上げ皮膜よりも先に形成されるものであればよい。下地皮膜の層の数や種類、仕上げ皮膜の層の数や種類にはよらない。たとえば、下地皮膜は、下地メッキ処理によって形成されるものがある。また、仕上げ皮膜は、仕上げメッキ処理によって形成されるものがある。これらの下地皮膜と仕上げ皮膜とによって、リード線を保護して酸化等を防止するとともに、はんだ濡れ性を向上させるものであればよい。
さらに、
前記未皮膜処理リード線は、下地皮膜形成処理がされているリード線であり、
前記皮膜処理をするステップは、前記下地皮膜形成処理の後に行う仕上げ皮膜形成処理を行うステップであるものが好ましい。
このように構成したことにより、酸化によって皮膜を劣化させることを防止できる。ここで、下地皮膜は、仕上げ皮膜よりも先に形成されるものであればよい。下地皮膜の層の数や種類、仕上げ皮膜の層の数や種類にはよらない。これらの下地皮膜と仕上げ皮膜とによって、リード線を保護して酸化等を防止するとともに、はんだ濡れ性を向上させるものであればよい。
さらにまた、
前記固体電解質を形成するステップは、熱処理を施して導電性高分子を形成するステップであるものがより好ましい。
このように構成したことにより、固体電解質を熱処理によって形成することができるが、熱処理をした後に、未皮膜処理リード線に皮膜処理をするので、固体電解質を形成する処理によって、酸化によってリード線や皮膜を劣化させることを防止できるとともに、はんだ濡れ性を維持することができる。
本発明は、はんだ濡れ性に優れ、品質の安定化を図れる固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供することができる。
本発明の実態の形態に係る固体電解コンデンサ1の構造を示す断面図である。 陽極リード線16および陰極リード線17の構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係るコンデンサ素子10の分解斜視図である。 固体電解コンデンサ1の積層構造を概略的に示す概念図である。 本発明の実施の形態に係る固体電解コンデンサ1の製造工程を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るメッキ処理工程を示すフローチャートである。
本発明の実施の方法について図面を参照して説明する。
<<固体電解コンデンサ1の構造>>
図1は、本発明の実態の形態に係る固体電解コンデンサ1の構造を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の製造方法により製造された固体電解コンデンサ1は、コンデンサ素子10と、陽極リード線16および陰極リード線17と、封口ゴム18と、外装ケース19とからなる。
後述するように、コンデンサ素子10には、陽極リード線16および陰極リード線17が電気的に接続されている。このコンデンサ素子10には封口ゴム18が取り付けられている。封口ゴム18が取り付けられた状態で、コンデンサ素子10は外装ケース19に収納されている。外装ケース19の端部は押圧変形され、外装ケース19の開口部は密封されている。
図3は、本発明の実施の形態に係るコンデンサ素子10の分解斜視図である。図4は、固体電解コンデンサ1の積層構造を概略的に示す概念図である。
図3および図4に示すように、コンデンサ素子10は、陽極箔12と陰極箔13とを有し、これら陽極箔12と陰極箔13とがセパレータ14を介して巻回された構造を有する。
陽極箔12は、アルミニウム等の弁作用金属で形成されている。図4に示すように、この陽極箔12の表面はエッチング処理により粗面化(エッチングピット形成)されるとともに陽極酸化(酸化皮膜形成)による陽極酸化皮膜12aが形成されている。
また、陰極箔13も陽極箔12と同様にアルミニウム等で形成されており、その表面は粗面化(エッチングピット形成)されるとともに自然酸化皮膜13aが形成されている。
また、セパレータ14の両面には導電性高分子からなる固体電解質15が保持されている。つまり、陽極箔12および陰極箔13とセパレータ14との間に固体電解質15が狭持されている。固体電解質15を構成する導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリピロール、または、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等を使用でき、これらはモノマーの化学重合により生成される。
図1および図3に示すように、陽極箔12には陽極リード線16のタブ部22(図2参照)が接続されており、陰極箔13には、陰極リード線17のタブ部22(図2参照)が接続されている。このように、陽極箔12からは陽極リード線16がタブ部22を介して引き出され、陰極箔13からは陰極リード線17がタブ部22を介して引き出される。
後述するように、固体電解コンデンサ1の製造工程においては、表面にメッキ処理が施されていないメッキ未処理リード線20を用いる。すなわち、陽極箔12と陰極箔13との各々に、メッキ未処理リード線20のタブ部22を電気的に接続し(後述するステップS13)、その後、所定の工程、たとえば熱処理(後述するステップS15)を経た後、メッキ未処理リード線20のリード線外部接続部28にメッキ処理を施す(後述するステップS21)。
陽極箔12に接続されたメッキ未処理リード線20(未処理の陽極リード線16)は、ステップS21の処理でリード線外部接続部28にメッキ処理を施すことによって、メッキ処理済みの陽極リード線16となる。同様に、陰極箔13に接続されたメッキ未処理リード線20(未処理の陰極リード線17)は、ステップS21の処理でリード線外部接続部28にメッキ処理を施すことによって、メッキ処理済みの陰極リード線17となる。なお、本明細書では、未処理の陽極リード線16や陰極リード線17を、特に区別する必要がないときには、メッキ未処理リード線20と総称する場合もある。このメッキ未処理リード線20が、「未皮膜処理リード線」に相当する。
<<固体電解コンデンサ1の製造工程>>
図5は、本発明の実施の形態に係る固体電解コンデンサ1の製造工程を示すフローチャートである。以下、固体電解コンデンサ1の製造工程について、図5を参照して説明する。
まず、陽極箔12および陰極箔13の表面にエッチング処理を施して粗面化する(ステップS11)。このエッチング処理をすることにより、電極である陽極箔12および陰極箔13の実効表面積を大きくすることができる。
次に、陽極箔12の表面には、化成処理を施して陽極酸化皮膜12aを形成し、陰極箔13には、耐水性処理および/または熱処理にて自然酸化皮膜13aを形成する(ステップS12)。
さらに、陽極酸化皮膜12aが形成された陽極箔12と、自然酸化皮膜13aが形成された陰極箔13とを所定の寸法に裁断した後、陽極箔12と陰極箔13との各々にメッキ未処理リード線20を接続する(ステップS13)。ここで、メッキ未処理リード線20は、リード線外部接続部28にメッキ処理を未だ行っていないリード線である。従来では、リード線外部接続部28に予めメッキ処理を施したリード線を用いて、ステップS13の工程を行っていたが、本実施の形態に係る固体電解コンデンサの製造工程におけるステップS13の工程では、メッキ未処理リード線20を用いて、陽極箔12と陰極箔13との各々に接続する。このステップS13の処理が、「皮膜処理がされていない未皮膜処理リード線を陽極箔と陰極箔との各々に接続するステップ」に相当する。
図2は、本実施の形態に係る固体電解コンデンサの製造工程におけるステップS13の工程で用いるメッキ未処理リード線20の構造を示す正面図である。
図2に示すように、メッキ未処理リード線20は、タブ部22と丸棒部24とリード線外部接続部28とからなる。このリード線外部接続部28が、陽極リード線16や陰極リード線17やメッキ未処理リード線20の端子部として機能する。
タブ部22は、コンデンサ素子10の陽極箔12や陰極箔13と電気的に接続される部分である。タブ部22として、たとえば、アルミ材質で丸棒形状のものをプレスすることによってプレート状の形状に加工したものを用いることができる。
丸棒部24は、接続部26を有し、接続部26を介して、リード線外部接続部28をタブ部22に電気的に接続するための部材である。丸棒部24も、たとえば、アルミ材質のものを用いることができる。
リード線外部接続部28は、固体電解コンデンサ1を電子基板等にはんだによって電気的に接合するための外部接続電極端子である。リード線外部接続部28は、母材として鉄や銅が用いられる。後述するメッキ工程において、下地メッキとしては、パラジウム、銅やニッケルが用いられ、仕上げメッキとしては、錫、銀、金やニッケルが用いられる。
上述したステップS13の処理では、リード線外部接続部28が下地メッキ処理もメッキ処理も何らされていないメッキ未処理リード線20を用いるのが好ましいが、下地メッキ処理のみがされているリード線外部接続部28を有するメッキ未処理リード線20を用いてもよい。
上述したステップS13の工程の後、メッキ未処理リード線20が接続された陽極箔12と、メッキ未処理リード線20が接続された陰極箔13とをセパレータ14を介して巻回する(ステップS14)。このステップS14の処理が、「セパレータを介して前記陽極箔と前記陰極箔とを巻回するステップ」に相当する。
次に、アジピン酸アンモニウム水溶液中で、電圧を印加して素子化成(切り口化成)を行い、その後、セパレータ14の炭化処理(200〜300℃での熱処理)を行い(ステップS15)、円筒形のコンデンサ素子10を作製する。
次いで、この円筒形に形成されたコンデンサ素子10を酸化剤に浸漬することによって、コンデンサ素子10に酸化剤を含浸させた(ステップS16)後、乾燥させる(ステップS17)。その後、酸化剤が可溶な希釈溶剤でモノマーを希釈したモノマー溶液にコンデンサ素子10を浸漬することによって、コンデンサ素子10にモノマー溶液を含浸させる(ステップS18)。
続いて、重合槽内で所定の温度で一定時間、加熱処理することで、含浸した酸化剤とモノマーとを化学重合させて、電極箔2、3とセパレータ14との間に、導電性高分子からなる固体電解質15を形成する(ステップS19)。このステップS19の処理が、「前記陽極箔と前記陰極箔との間で固体電解質を形成してコンデンサ素子を作製するステップ」に相当する。
次に、ステップS19までの工程により得られた円筒形のコンデンサ素子10に封口ゴム18を取り付け、有底筒状の外装ケース19に収納し、開口部を密封することによって、固体電解コンデンサ1の組立を行う(ステップS20)。このステップS20の処理が、「前記固体電解質を形成したコンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに収納し、封口ゴムを取り付けて組立を行うステップ」に相当する。
続いて、メッキ処理を行っていないメッキ未処理リード線20のリード線外部接続部28にメッキ処理を行う(ステップS21)。上述したように、本実施の形態に係る固体電解コンデンサの製造工程におけるステップS13の工程では、メッキ未処理リード線20を陽極箔12と陰極箔13との各々に接続している。ステップS21は、このメッキ未処理リード線20のリード線外部接続部28にメッキ処理を行う工程である。ステップS21では、まず、リード線表面に付着した油分や酸化物を除去した後にメッキ処理を行って、リード線外部接続部28を通常のメッキ処理済みの端子とする。なお、このステップS21でのメッキ処理については後述する。ステップS21の処理が、「前記未皮膜処理リード線に皮膜処理をするステップ」に相当する。
最後にエージング工程によって、エージングを行って(ステップS22)、固体電解コンデンサの製造工程を完了する。
<<メッキ処理工程>>
図6は、本発明の実施の形態に係る固体電解コンデンサの製造工程におけるステップS21のメッキ処理の工程を示すフローチャートである。以下では、メッキ処理の具体的な工程について、図6を参照して説明する。
まず、リード線外部接続部28の表面を界面活性剤混合溶液中に1分間浸漬させて、コンデンサ素子10を揺動させることで、リード線外部接続部28の表面の油分を除去する(ステップS31)。
次いで、水洗によりリード線外部接続部28を洗浄する洗浄工程(ステップS32)を経た後、錫置換を行いやすくするために活性化処理として、酸性溶液を使用して、リード線外部接続部28の表面の酸化物を除去する(ステップS33)。
さらに、同様の洗浄工程を経た後(ステップS34)、無電解メッキによりリード線外部接続部28のメッキ処理を行い(ステップS35)、その後、同様の洗浄工程を経て(ステップS36)、メッキ処理工程を終了する。
上述したメッキ処理が、「皮膜処理」に相当する。上述したメッキ処理の工程では、単一の工程でメッキ処理をする場合を示したが、下地メッキ処理をして、仕上げメッキ処理をするように、複数の工程でメッキ処理をするようにしてもよい。このようにしたことで、リード線外部接続部28の材質に応じて的確にリード線外部接続部28を皮膜することができる。このようにした場合には、ステップS19の処理の加熱処理を終えてから、複数のメッキ処理の全てを行うことになる。
また、複数のメッキ処理の一部の処理を行い、その後、ステップS19の加熱処理をし、さらに、複数のメッキ処理の残りの処理を行ってもよい。たとえば、まず、下地メッキ処理をしてから、ステップS19の加熱処理をし、その後に仕上げメッキ処理をするようにしてもよい。このようにしても、下地メッキ層(下地皮膜)と仕上げメッキ層(仕上げ皮膜)との間で、剥離を起させたり酸化によって仕上げメッキ層を劣化させたりすることを防止することができる。
上述した複数のメッキ処理の工程がある場合に、下地メッキ処理が「下地皮膜形成処理」に相当し、仕上げメッキ処理が、「仕上げ皮膜形成処理」に相当する。
<<実施例、従来例1、および従来例2>>
次に、本発明のより具体的な例を、実施例、従来例1、および従来例2を用いて説明する。
実施例は、メッキを施していないメッキ未処理リード線20を使用し、高温熱処理をして組み立てた後にメッキ処理をして作製した固体電解コンデンサを用いたものである。従来例1は、高融点メッキ材質によってメッキ処理済のリード線を使用し、高温熱処理して、組み立てた後にメッキ処理をせずに作製した固体電解コンデンサを用いたものである。従来例2は、低融点メッキ材質によってメッキ処理済のリード線を使用し、高温熱処理して、組み立てた後にメッキ処理をせずに作製した固体電解コンデンサを用いたものである。
このように、実施例と従来例1、および従来例2とでは、リード線外部接続部のメッキ状態と組立後のメッキ工程の有無とが異なり、その他の工程の条件は全て同じである。また、実施例と従来例2とでは、リード線外部接続部のメッキ状態と組立後のメッキ工程の有無とが異なり、その他の工程の条件は全て同じである。
以下では、実施例と従来例1、および従来例2との結果について説明する。なお、各固体電解コンデンサの定格は、全て2.5V−820μFである。
[実施例]メッキを施していないメッキ未処理リード線20を使用し、セパレータの炭化処理時に、300℃の高温熱処理をして組み立てた後にメッキ処理をして作製した固体電解コンデンサ
この実施例においては、上述した図5および図6の処理工程に従って、まず、リード線外部接続部にメッキ処理が施されていない無メッキの銅線を使用してコンデンサ素子を形成し、セパレータの炭化処理時に300℃で熱処理を行い、組立後のメッキ処理を行って、固体電解コンデンサを作製した。
(従来例1)高融点メッキ材質によってメッキ処理済のリード線を使用し、セパレータの炭化処理時に、300℃の高温熱処理して、組み立てた後にメッキ処理をせずに作製した固体電解コンデンサ
この従来例1においては、メッキ処理により高融点である銀をリード線外部接続部にコーティングした銅線をリード線外部接続部に使用し、300℃で熱処理を行い、組み立てた後にメッキ処理をせずに固体電解コンデンサを作製した。
(従来例2)低融点メッキ材質によってメッキ処理済のリード線を使用し、セパレータの炭化処理時に、300℃の高温熱処理して、組み立てた後にメッキ処理をせずに作製した固体電解コンデンサ
この従来例2においては、メッキ処理により低融点である錫をリード線外部接続部にコーティングした銅線をリード線外部接続部に使用し、300℃で熱処理を行い、組み立てた後にメッキ処理をせずに固体電解コンデンサを作製した。
表1は、実施例並びに従来例1、および従来例2の結果を示す表である。上記の実施例並びに従来例1、および従来例2について、初期と硫化水素4.8ppm、500h後のはんだ濡れ性試験のゼロクロス時間を表1に示す。サンプル数は、実施例並びに従来例1および従来例2のいずれも、各20個ではんだ濡れ性試験のゼロクロス時間の平均値を記す。はんだ濡れ性試験のより詳細な試験の条件は、まず、サンプルのリード線外部接続部にフラックスを塗布・乾燥させた後、20mm/sの速度で溶融はんだに浸漬させて保持した後、20mm/sの速度で引きあげる。さらに、ゼロクロス時間は、はんだ付け性試験機を用いて計測したものである。
表1から明らかなように、実施例で作製した固体電解コンデンサは、従来例1、従来例2の固体電解コンデンサと比較すると、初期、硫化試験実施後ともゼロクロス時間が短く、はんだ濡れ性に優れた品質が得られる。
また、実施例は従来例1と比較すると、銀メッキの材料コストを要しないため、より安価な固体電解コンデンサを提供することができる。
実施例では、組立工程後にメッキ処理を行ったものを用いたが、エージング後にメッキ処理を行っても有効であり、熱処理後であれば本発明は有効である。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
また、本発明は固体電解コンデンサの製造に関するが、アルミニウム電解コンデンサの製造工程においても有効である。
また、上記実施例では、錫メッキ処理工程を用いたが、公知のメッキ処理技術(ニッケルメッキ、銅メッキ、銀メッキ)を用いても同様の効果が得られる。
さらに、上記実施例では、酸化剤とモノマーをコンデンサ素子に別々に含浸する方法を採用したが、予め酸化剤とモノマーとを混合調合した溶液をコンデンサ素子に含浸する方法を採用しても同様の効果が得られる。
その他、本明細書に添付の特許請求の範囲内での種々の設計変更および修正を加え得ることは勿論である。
本発明では、固体電解コンデンサのはんだ濡れ性の悪化を防ぎ、品質の安定化を図ることができる固体電解コンデンサの製造方法として有用である。
1 固体電解コンデンサ
10 コンデンサ素子
12 陽極箔
13 陰極箔
14 セパレータ
15 固体電解質
16 陽極リード線
17 陰極リード線
20 メッキ未処理リード線(未皮膜処理リード線)
28 リード線外部接続部

Claims (5)

  1. 皮膜処理がされていない未皮膜処理リード線を陽極箔と陰極箔との各々に接続するステップと、
    セパレータを介して前記陽極箔と前記陰極箔とを巻回するステップと、
    前記陽極箔と前記陰極箔との間で固体電解質を形成してコンデンサ素子を作製するステップと、
    前記固体電解質を形成したコンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに収納し、封口ゴムを取り付けて組立を行うステップと、
    前記未皮膜処理リード線に皮膜処理をするステップと、からなることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記未皮膜処理リード線は、下地皮膜形成処理と前記下地皮膜形成処理の後に行う仕上げ皮膜形成処理との双方がされていないリード線であり、
    前記皮膜処理をするステップは、前記下地皮膜形成処理と前記仕上げ皮膜形成処理との双方を行うステップであることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記未皮膜処理リード線は、下地皮膜形成処理がされているリード線であり、
    前記皮膜処理をするステップは、前記下地皮膜形成処理の後に行う仕上げ皮膜形成処理を行うステップであることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記固体電解質を形成するステップは、熱処理を施して導電性高分子を形成するステップであることを特徴とする請求項2または3に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5. セパレータを介して陽極箔と陰極箔とが巻回された固体電解コンデンサであって、
    前記陽極箔及び前記陰極箔は、皮膜処理がされたリード線を有し、
    前記リード線の皮膜処理がされた箇所において、はんだ濡れ性のゼロクロス時間が0.65秒以下であることを特徴とする固体電解コンデンサ。
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