JP2012084626A - 電解コンデンサの製造方法および電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサの製造方法および電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】半田濡れ性を向上するとともに、電気的特性を向上する、電解コンデンサの製造方法および電解コンデンサを提供する。
【解決手段】電解コンデンサ1の製造方法は、以下の工程を備える。接続部とリード線部とを含むリードタブ端子10を準備する。リードタブ端子10の接続部を陽極箔に電気的に接続して、陽極箔を巻回することで、コンデンサ素子2を形成する。リード線部13の少なくとも一部を露出するように、コンデンサ素子2を外装ケース20に封入する。封入する工程後に、露出したリード線部13の少なくとも一部の領域にめっきをする。電解コンデンサ1は、リードタブ端子10を備える。リード線部10において外装ケース20の内部に位置する領域は、基材からなり、リード線部10において外装ケース20から露出した少なくとも一部の領域は、基材と、基材の表面に形成されためっき層とからなる。
【選択図】図1

Description

本発明は電解コンデンサに関し、特に、陽極箔等を巻回した電解コンデンサに関するものである。
電解コンデンサの一形態に、陽極リードタブ端子が接続された陽極箔および陰極リードタブ端子が接続された陰極箔がセパレータを介して巻回されてなるコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を収納した外装ケースと、この外装ケースの開口部を封口する封口体とを備えた電解コンデンサがある。このような電解コンデンサとして、たとえば特開2010−3731号公報(特許文献1)が挙げられる。特許文献1のコンデンサは、陽極リードタブ端子および陰極リードタブ端子はそれぞれ、リードタブ端子のボス部と溶接され、外部に導出されるリード線を有し、このリード線は、基材の表面に、ニッケルめっき層、パラジウムめっき層、および金めっき層がこの順に形成されており、ニッケルめっき層の厚さが0.3〜5.0μmで、パラジウムめっき層の厚さが0.01〜0.10μmで、金めっき層の厚さが0.002〜0.030μmであることが開示されている。
また上記特許文献1には、電解コンデンサの製造方法として、以下の工程が開示されている。まず、アルミニウム箔にエッチング処理および化成処理を行った陽極箔と、アルミニウム箔にエッチング処理を行った陰極箔とをそれぞれ作製する。そして、各電極箔にリード線を溶接したリードタブ端子を接続した後、陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して円筒状に巻き取ってコンデンサ素子を形成し、更に、該コンデンサ素子の切り口化成と熱処理とを行なう。次に、モノマーと酸化剤とを上記コンデンサ素子に含浸させた後、該モノマーを熱重合させることにより、コンデンサ素子の電極箔間に導電性高分子層(固体電解質層)を形成させる。次いで、コンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに収納固定し、外装ケースの開口部を各リード線を外部に導出するための貫通孔を有する封口体で封口し、更にエージング処理を行なう。最後に、封口体側に配置した座板のリード挿通孔から各リード線を外部に導出し、各リード線の端部をプレス加工および折り曲げ加工して電極端子を作製することにより、固体電解コンデンサが製造される。
特開2010−3731号公報
しかしながら、上記特許文献1の電解コンデンサでは、以下の点で特性が十分でない場合がある。具体的には、ポリチオフェン系などの導電性高分子を含有する導電性高分子層(固体電解質層)を電極箔間に形成するにあたっては、上記のようにリード線を接続したコンデンサ素子内でモノマーが熱重合されるため、この熱重合時にモノマーやドーパントなどから硫化ガスが発生する。このような硫化ガスが発生した場合、めっき層を有するリード線においては、めっき層が硫化ガスによって汚染され、めっき層に硫黄が付着してしまう。このように、導電性高分子を含有する固体電解質層を形成する工程において、用いる薬品の成分がリード線のめっき層表面に付着する。また切り口化成後の熱処理工程において、リード線のめっき層が酸化される場合がある。この場合、固体電解質層を形成する工程および熱処理工程により、半田濡れ性が十分ではない。
また、切り口化成後の熱処理工程において、リード線のめっき層が酸化されることを防止するために、めっき層を構成する金属の融点により熱処理の温度が制限される。このため、熱処理してもセパレータ紙の密度を十分に下げることができない場合がある。この場合、等価直列抵抗(ESR:Equivalent Series Resistance)等の電気的特性が十分でない。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、半田濡れ性を向上するとともに、電気的特性を向上する、電解コンデンサの製造方法および電解コンデンサを提供することである。
本発明の電解コンデンサの製造方法は、以下の工程を備えている。接続部と、この接続部と電気的に接続されるリード線部とを含むリードタブ端子を準備する。リードタブ端子の接続部を陽極箔に電気的に接続して、陽極箔を巻回することで、コンデンサ素子を形成する。リード線部の少なくとも一部を露出するように、コンデンサ素子を外装ケースに封入する。封入する工程後に、露出したリード線部の少なくとも一部の領域にめっきをする。
本発明の電解コンデンサは、コンデンサ素子と、このコンデンサ素子を封入する外装ケースとを備えている。コンデンサ素子は、巻回された陽極箔と、この陽極箔と電気的に接続される接続部と、この接続部と電気的に接続されるリード線部とを有するリードタブ端子とを含んでいる。リード線部において外装ケースの内部に位置する領域は、基材からなり、リード線部において外装ケースから露出した少なくとも一部の領域は、基材と、基材の表面に形成されためっき層とからなる。
本発明の電解コンデンサの製造方法および電解コンデンサによれば、リード線部にめっき層を形成する前にコンデンサ素子を外装ケースに封入し、その後にリード線部において外装ケースから露出したリード線部の少なくとも一部にめっき層を形成している。このため、固体電解質層(導電性高分子層)を形成する工程および熱処理工程を実施した後に、外装ケースから露出したリード線部の少なくとも一部の領域にめっき層を形成することができる。このため、リード線部において外装ケースから露出した少なくとも一部の領域に形成されためっき層は汚染されることが抑制される。このため、半田濡れ性を向上することができる。
また、リード線部にめっき層が形成されていないコンデンサ素子を熱処理した後に、コンデンサ素子を外装ケースに封入して、リード線部において外装ケースから露出した少なくとも一部の領域にめっき層を形成するので、熱処理時にはめっき層を構成する金属による制限がなくなる。このため、熱処理を高温で行なうことができるので、コンデンサ素子がセパレータ紙を有している場合には、セパレータ紙の密度を下げることができる。これにより、セパレータ紙の導電性高分子の含有量を上げることで、ESRを下げることができる。このため、ESR等の電気的特性を向上することができる。
上記電解コンデンサの製造方法において好ましくは、準備する工程では、リード線部が銅、銅を被覆した鉄、鉄、およびニッケルからなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなるリードタブ端子を準備する。
上記電解コンデンサにおいて好ましくは、基材は、銅、銅を被覆した鉄、鉄、およびニッケルからなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなる。
これらの材質は融点が高いので、熱処理により酸化されることを抑制することができる。このため、熱処理をより高温で行なうことができるので、ESRをより向上することができる。
以上のように、本発明の電解コンデンサの製造方法および電解コンデンサによれば、半田濡れ性を向上するとともに、電気的特性を向上することができる。
(A)は、本発明の実施の形態における電解コンデンサを概略的に示す断面図であり、(B)は、(A)における領域IBの拡大断面図である。 本発明の実施の形態における電解コンデンサを概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態における電解コンデンサに用いられるリードタブ端子を概略的に示す側面図である。 本発明の実施の形態におけるリードタブ端子の陽極箔への接続状態と、陽極箔とセパレータ紙との配置態様を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態において、電解コンデンサの製造方法の一工程を示す部分斜視図である。 本発明の実施の形態において、図5に示す工程の後に行なわれる工程を示す斜視図である。 本発明の実施の形態において、図6に示す工程の後に行なわれる工程を示す斜視図である。 本発明の実施の形態において、図7に示す工程の後に行なわれる工程を示す斜視図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰り返さない。
始めに、図1(A)、(B)および図2を参照して、本発明の一実施の形態における電解コンデンサ1を説明する。
図1(A)、(B)および図2に示すように、電解コンデンサ1は、コンデンサ素子2と、外装ケース20と、封止部材22と、座板24とを備えている。コンデンサ素子2は、陽極箔と、陰極箔と、セパレータ紙と、リードタブ端子10とを含む。リードタブ端子10は、リード線部13と、接続部とを有する。
コンデンサ素子2は、陽極箔と、陰極箔と、その間に配置されたセパレート紙とが巻回されている。外装ケース20は、コンデンサ素子2を内部に封入する。外装ケース20は、たとえばアルミニウムケースである。封止部材22は、コンデンサ素子2のリード線部13の一部を封止する。封止部材22は、たとえばゴムパッキングである。座板24は、外装ケース20のカール面に取り付けられている。
リードタブ端子10の接続部は、陽極箔および陰極箔のそれぞれと電気的に接続されている。リード線部13はこの接続部と電気的に接続されている。本実施の形態におけるリードタブ端子10は、ボス部11と、ボス部の一端に設けられ、かつ陽極箔または陰極箔に接続され、かつ少なくとも一方がプレスされた接続部12(図3参照)と、ボス部11の他端に設けられリード線部13とを含む。
リード線部13は、外装ケース20から露出した少なくとも一部の領域としての第1の領域13aと、外装ケース20の内部に位置する第2の領域13bとを有する。第1の領域13aは、リード線部13において接続部と反対側に位置する領域(本実施の形態では、リード線部13においてボス部11と接続されている側と反対側に位置する領域)である。第2の領域13bは、リード線部13において接続部側に位置する領域(本実施の形態ではボス部11と接続されている領域)である。つまり、第2の領域13は、リード線部13の根元である。
第1の領域13aは、基材と、この基材の表面に形成されためっき層とからなる。第2の領域13bは、基材からなる。つまり、リード線部13は、接続部側においてめっきされていない領域を有する。
ここで、図1(B)を参照して、第1および第2の領域13a、13bの境界Bについて説明する。第1の領域13aが最も広範囲に形成される場合は、図1(B)に示すように、外装ケース20から露出する領域全てにめっき層が形成されている場合である。このため、第1および第2の領域13a、13bの境界Bは、図1(B)で示す場合またはそれよりも上側に位置する。なお、外装ケース20の内部に位置する領域とは、外装ケース20の開口端20aよりも下側(閉口端側)の領域である。言い換えると、外装ケース20の内部に位置する領域とは、外装ケース20の側壁と対向する位置に配置されるリードタブ端子13である。外装ケース20から露出する領域とは、外装ケース20の開口端20aよりも外側の領域である。
基材を構成する材料は特に限定されないが、銅、銅を被覆した鉄、鉄、およびニッケルからなる群より選ばれた少なくとも一種の材料よりなることが好ましい。
めっき層を構成する材料は特に限定されないが、金、銀、錫、ニッケル、鉛、および半田からなる群より選ばれた少なくとも一種の材料よりなることが好ましい。
続いて、図1〜図8を参照して、本実施の形態における電解コンデンサの製造方法について説明する。
まず、図3に示すように、接続部12と、接続部12と電気的に接続されるリード線部13とを含むリードタブ端子10を準備する。本実施の形態では、円柱状のボス部11と、ボス部11の一端に設けられ、かつ陽極箔または陰極箔に接続され、かつ少なくとも一方がプレスされた接続部12(平打ち部)と、ボス部11の他端に設けられた円柱状のリード線部13とを含むリードタブ端子10を準備する。
リードタブ端子10を構成する材料(基材を構成する材料)は特に限定されないが、銅、銅を被覆した鉄、鉄、およびニッケルからなる群より選ばれた少なくとも一種の材料よりなるリードタブ端子10を準備することが好ましい。このようなリードタブ端子として、無酸素銅線(OFC線)、銅被覆鉄線(CP線)などを使用することができる。
また、ボス部11および接続部12を構成する材料は、リード線部13の基材と異なる材料であってもよく、たとえばアルミニウムからなる。
次に、図4に示すように、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンなどの弁作用金属からなる箔に粗面化のためのエッチング処理および誘電体皮膜形成のための化成処理を施した陽極箔3を準備する。またエッチング処理を施した陰極箔4を準備する。次いで、陽極箔3および陰極箔4の長手方向の所定の位置にリードタブ端子10を接続する。
次に、図4に示すように、陽極箔3と陰極箔4との間に一方のセパレータ紙5が挟み込まれるとともに、一方のセパレータ紙5と他方のセパレータ紙6との間に陽極箔3が挟み込まれる態様に配置する。
次に、図5に示すように、上記のように配置された陽極箔3、陰極箔4およびセパレータ紙5、6の一端側を巻芯131a、131bに挟み込む。その状態で巻芯131a、131bを右回り(時計回り)に回転させることにより、一端側から陽極箔3および陰極箔4等が円筒状に巻き取られることで、図6に示すように、コンデンサ素子2を形成することができる。
次に、コンデンサ素子2に対して、陽極箔3等の切断面等に化成処理(切り口化成)を施し、さらに、熱処理を施す。熱処理は、図3に示すリードタブ端子10を構成する材料の融点以下で行なうことが好ましい。このような熱処理温度は、たとえば150℃以上300℃以下である。
次に、重合により導電性高分子となるモノマーとして、たとえば、3,4−エチレンジオキシチオフェンと、酸化剤溶液として、たとえば、p−トルエンスルホン酸第二鉄アルコール溶液との混合溶液をコンデンサ素子2に含浸する。その後、熱化学重合させることにより、コンデンサ素子2の両極間に導電性高分子層(図示せず)を形成する。なお、電解質としては、この他に、たとえば、ポリピロール、ポリフラン、または、ポリアニリン等の導電性高分子材料、あるいは、TCNQ錯塩(7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン)を用いてもよい。
次に、図7に示すように、コンデンサ素子2に封止部材22を装着する。本実施の形態では、封止部材22には、各々のリードタブ端子10に対応した所定の位置に2つの開口部22aが形成されているゴムパッキングを用いている。図8に示すように、封止部材22は、リードタブ端子10のリード線部13(図3参照)およびボス部11(図3参照)を、対応する開口部22aに挿通することによってコンデンサ素子2に装着することができる。
次に、封止部材22が装着されたコンデンサ素子2を、所定の大きさの有底の外装ケース20(図1参照)に収納する。外装ケース20として、たとえばアルミニウムケースを用いる。次に、外装ケース20の開口端側を横絞りとカールによって封止して、所定のエージング処理を行なう。
次に、露出したリード線部13の少なくとも一部の領域にめっきをする。これにより、リード線部13において、外装ケース20から露出している少なくとも一部の領域である第1の領域13aにおいて、基材を被覆するめっき層を形成することができる。つまり、基材と、この基材の表面に形成されためっき層とからなる第1の領域13a(図1参照)と、基材からなる第2の領域13b(図1参照)とを有するリード線部13を形成することができる。本実施の形態では、リード線部13において外装ケース20の開口端20a(図1(B)参照)から露出している領域にめっきをする。つまり、本実施の形態におけるリード線部13の第1の領域13aは、外装ケース20から露出した領域である。
めっきする方法は限定されないが、たとえば電気化学的にめっきする方法である電解めっき、化学的にめっきする方法である無電解めっき、溶融金属に浸漬してめっきする方法である溶融めっきなどを用いることができる。
めっきにより基材を被覆するめっき層を構成する材料は、特に限定されないが、金、銀、錫、ニッケル、鉛、および半田からなる群より選らばれた少なくとも一種の材料よりなることが好ましく、金、銀、錫、ニッケル、および半田からなる群より選ばれた少なくとも一種の材料よりなることがより好ましい。めっきとして用いることが可能で、かつ半田濡れ性が良好な観点から、めっき層の主成分が錫であることが特に好ましい。
次に、図1および図2に示すように、外装ケース20のカール面にプラスチック製の座板24を取り付ける。座板24には、リードタブ端子10の位置に対応した2つの開口部24aが形成されている。座板24は、リードタブ端子10のリード線部13を、対応する開口部24aに挿通させることによってコンデンサ素子2に装着する。その後、図1および図2に示すように、座板24の開口部24aより突出した各リード線部13を電極端子として、プレス加工と折り曲げ加工を施すことで、2端子構造の電解コンデンサ1を製造することができる。
なお、本実施の形態では、コンデンサ素子2を形成する工程において、陽極箔3および陰極箔4を巻回しているが、陰極箔4は省略されてもよい。また、本実施の形態では、2本のリードタブ端子10を備えた電解コンデンサ1を例に挙げて説明したが、本発明の電解コンデンサは3本以上のリードタブ端子を備えていてもよい。
以上説明したように、本実施の形態における電解コンデンサ1およびその製造方法によれば、リード線部13にめっき層を形成する前にコンデンサ素子2を外装ケース20に封入し、その後にリード線部13において外装ケース20から露出した少なくとも一部の領域(第1の領域13a)にめっき層を形成している。このため、固体電解質層を形成する工程および熱処理工程を実施した後に、外装ケース20から露出した少なくとも一部の領域(第1の領域13a)にめっき層を形成することができる。これにより、固体電解質層を形成する際に用いる3,4−エチレンジオキシチオフェンなどの薬品の成分がめっき層の表面に付着すること(汚染されること)を抑制できる。また、仮にめっき層を形成する前のリード線部(基材)が汚染された場合でも、その上に形成するめっき層の表面が汚染されることは抑制できる。このように、リード線部13において外装ケース20から露出している少なくとも一部の領域(第1の領域13a)のめっき層の表面に不純物が付着することを抑制できる。したがって、基板実装に良好な半田濡れ性を呈することができる。
また、めっき層が形成されていないコンデンサ素子2を熱処理した後に、コンデンサ素子2を外装ケース20に封入して第1の領域13aにめっき層を形成するので、熱処理時にはめっき層を構成する金属による制限がなくなる。このため、炭化工程での熱処理において高温で行なうことができるので、セパレータ紙5、6の低密度化が可能になる。これにより、含浸時の重合液の染み込みが向上するので、導電性高分子層を安定して形成することができる。このため、セパレータ紙の導電性高分子の含有量を上げることで、ESRを下げることができる。したがって、ESR等の電気的特性を向上することができる。
また、めっき層を形成したリードタブ端子を陽極箔に接続した後に、固体電解質層を形成する工程および熱処理工程をする従来の方法では、これらの工程後に洗浄する必要があったが、本実施の形態における電解コンデンサ1の製造方法では、めっき層を形成した後に洗浄する工程を省略または簡略化することができる。
本実施例では、外装ケース20に封入する工程後に、露出したリード線部13の少なくとも一部の領域にめっきをする工程を備えること、およびリード線部13において外装ケースの内部に位置する領域はめっき層が形成されていないリードタブ端子10を備えることの効果について調べた。
(本発明例1)
まず、図3に示す形状であり、表面が銅であるリードタブ端子10を準備した。エッチング処理、化成処理を行なったアルミニウム箔である陽極箔、および化成処理を行なったアルミニウム箔である陰極箔にリードタブ端子10をそれぞれ接続し、陽極箔および対向陰極箔との間にセパレータ紙を介して円筒状に巻き取ることで、コンデンサ素子2を形成した。
次に、コンデンサ素子2に対して、切り口化成と、150℃〜300℃の熱処理とを行ない、コンデンサ素子2に重合により導電性高分子となるモノマーである3,4−エチレンジオキシチオフェンと、酸化剤溶液としてのp−トルエンスルホン酸第2鉄アルコール溶液との混合溶液を含浸させた。
その後、熱化学重合することによりコンデンサ素子2の両電極間に導電性高分子層を形成した。そして、このコンデンサ素子2に封止部材22として封止用ゴムパッキングを挿入し、外装ケース20としてアルミニウムケースに収納固定後、外装ケース20の開口部を横絞りとカールすることで封止を行ない、エージング処理を行なった。
その後、外装ケース20から露出したリード線部13(第1の領域13aとなるべき領域)に、電解めっき法によりめっきを行なった。これにより表面が銅の基材上に、銀からなるめっき層を形成した。そして、コンデンサ素子のカール面にプラスチック製の座板24を挿入し、リード線部13を電極端子としてプレス加工・折り曲げを行ない、本発明例1の電解コンデンサを300個製造した。
(比較例1)
比較例1の電解コンデンサの製造方法は、基本的には本発明例1の電解コンデンサの製造方法と同様の構成を備えているが、リードタブ端子を準備する工程において表面が銅の基材上に、電解めっき法により銀からなるめっき層を形成した点、および外装ケース20挿入後にめっきする工程を省略した点において異なっていた。このため、300個の比較例1の電解コンデンサは、接続部、ボス部、およびリード線部の全体にわたって基材上にめっき層が形成されていた。
(評価方法)
本発明例1および比較例1の電解コンデンサについて、半田濡れ性および電気的特性を測定した。
半田濡れ性は、本発明例1および比較例1の電解コンデンサの300個について、JIS C 60068−2−54の半田付け試験(平衡法)により評価した。半田表面とリード線とが最初に接触する作用力零値の時点からリード線が浮力を受けた後に濡れ始めることで再び作用力零値となる時点までの時間であるZCT(zero cross time)を測定した。フラックスにはロジンを25質量%含有するエタノール溶液を、半田槽には無鉛半田(245℃)を用いた。ZCTが3秒以下であるものを半田濡れ性が良好と判断し、ZCTが3秒を超えたものを半田濡れ性が不良であると判断した。その結果を下記の表1の不良発生数に示す。
電気的特性としては、本発明例1および比較例1の電解コンデンサの20個について、LCRメータを用いて、容量(Cap.)およびESRについて測定した。容量の測定条件は、120Hzの周波数とした。ESRの測定条件は、100kHzとした。これらの結果を下記の表1に示す。
Figure 2012084626
表1に示すように、外装ケース20に封入する工程後に露出したリード線部13にめっきをした本発明例1の電解コンデンサは、めっき層を形成したリード線部を有するコンデンサ素子を外装ケース20に封入した比較例1に比べて、半田濡れ性の不良発生数を低減できることがわかった。また、本発明例1の電解コンデンサは、比較例1の電解コンデンサに比べて電気的特性を向上できることもわかった。
以上より、本実施例によれば、外装ケース20に封入する工程後に、露出したリード線部13の少なくとも一部にめっきをする工程を備えることで製造され、リード線部13において外装ケースの内部に位置する領域はめっき層が形成されていないリードタブ端子10を備える電解コンデンサは、半田濡れ性を向上するとともに、電気的特性を向上できることが確認できた。
今回開示された実施の形態および実施例は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電解コンデンサ、2 コンデンサ素子、3 陽極箔、4 陰極箔、5 セパレータ紙、6 セパレータ紙、10 リードタブ端子、11 ボス部、12 接続部、13 リード線部、13a 第1の領域、13b 第2の領域、20 外装ケース、22 封止部材、22a,24a 開口部、24 座板、131a,131b 巻芯。

Claims (4)

  1. 接続部と、前記接続部と電気的に接続されるリード線部とを含むリードタブ端子を準備する工程と、
    前記リードタブ端子の前記接続部を陽極箔に電気的に接続して、前記陽極箔を巻回することで、コンデンサ素子を形成する工程と、
    前記リード線部の少なくとも一部を露出するように、前記コンデンサ素子を外装ケースに封入する工程と、
    前記封入する工程後に、露出した前記リード線部の少なくとも一部の領域にめっきをする工程とを備えた、電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記準備する工程では、前記リード線部が銅、銅を被覆した鉄、鉄、およびニッケルからなる群より選ばれた少なくとも一種の材料よりなる前記リードタブ端子を準備する、請求項1に記載の電解コンデンサの製造方法。
  3. コンデンサ素子と、
    前記コンデンサ素子を封入する外装ケースとを備え、
    前記コンデンサ素子は、
    巻回された陽極箔と、
    前記陽極箔と電気的に接続される接続部と、前記接続部と電気的に接続されるリード線部とを有するリードタブ端子とを含み、
    前記リード線部において前記外装ケースの内部に位置する領域は、基材からなり、前記リード線部において前記外装ケースから露出した少なくとも一部の領域は、基材と、前記基材の表面に形成されためっき層とからなる、電解コンデンサ。
  4. 前記基材は、銅、銅を被覆した鉄、鉄、およびニッケルからなる群より選ばれた少なくとも一種の材料よりなる、請求項3に記載の電解コンデンサ。
JP2010228239A 2010-10-08 2010-10-08 電解コンデンサの製造方法および電解コンデンサ Pending JP2012084626A (ja)

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