JP2020053588A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】陽極外部電極の剥離を防止することができる固体電解コンデンサを提供すること。【解決手段】陽極芯部の表面に多孔質層を備える陽極体と、上記多孔質層の表面に設けられた誘電体層と、上記誘電体層の表面に設けられた固体電解質層と、上記固体電解質層の表面に設けられた陰極部と、を備えるコンデンサ素子が積層された積層体と、上記積層体を覆う外装体と、上記外装体の第1の端面上に設けられ、上記陽極芯部と電気的に接続された陽極外部電極と、上記外装体の第1の端面に対向する第2の端面上に設けられ、上記陰極部と電気的に接続された陰極外部電極とを備えた固体電解コンデンサであって、上記外装体の第1の端面側において、上記陽極芯部の端面が、上記多孔質層の端面に対して内側に引き込まれており、上記陽極芯部の端面と、上記陽極外部電極の内面の距離が0.01μm以上20μm以下であり、上記陽極芯部の端面と上記陽極外部電極の内面との間を引出導体が接続していることを特徴とする固体電解コンデンサ。【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解コンデンサに関する。
固体電解コンデンサは、アルミニウム等の弁作用金属からなる弁作用金属基体と、該弁作用金属基体の表面に形成された誘電体層と、該誘電体層の表面に形成された固体電解質層と、該固体電解質層の表面に形成された導電体層とを有するコンデンサ素子を備えている。このような固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子においては、弁作用金属基体をエッチングによって多孔質化ないし粗面化して表面積を大きくするとともに、誘電体層を酸化皮膜によって形成することで、小型で大容量のコンデンサを得ることができる。
特許文献1には、表面に弁金属多孔質層を形成した弁金属箔の端部に陽極電極部を形成し、弁金属多孔質層の上に誘電体被膜、固体電解質層、集電体層を順次形成し、陽極電極部と接続された陽極引出電極部及び前記集電体層と接続された陰極引出電極部を形成し、無機フィラーを含む樹脂からなる外装を形成し、この外装の両端に少なくとも陽極引出電極部及び陰極引出電極部の端部と接続された端面電極から構成される固体電解コンデンサが開示されている。
特開2004−63543号公報
特許文献1の固体電解コンデンサの構造では、外部電極はリードフレームである陽極引出電極部及び陰極引出電極部により引き出された構造となっている。したがって、ESRが高くなるという問題がある。
一方、リードフレームを用いずに、陽極外部電極側において弁金属箔に対して直接外部電極を形成することも考えられるが、その場合、弁金属箔から陽極外部電極が剥離しやすいという問題がある。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、陽極外部電極の剥離を防止することができる固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明の固体電解コンデンサは、陽極芯部の表面に多孔質層を備える陽極体と、上記多孔質層の表面に設けられた誘電体層と、上記誘電体層の表面に設けられた固体電解質層と、上記固体電解質層の表面に設けられた陰極部と、を備えるコンデンサ素子が積層された積層体と、上記積層体を覆う外装体と、上記外装体の第1の端面上に設けられ、上記陽極芯部と電気的に接続された陽極外部電極と、上記外装体の第1の端面に対向する第2の端面上に設けられ、上記陰極部と電気的に接続された陰極外部電極とを備えた固体電解コンデンサであって、上記外装体の第1の端面側において、上記陽極芯部の端面が、上記多孔質層の端面に対して内側に引き込まれており、上記陽極芯部の端面と、上記陽極外部電極の内面の距離が0.01μm以上20μm以下であり、上記陽極芯部の端面と上記陽極外部電極の内面との間を引出導体が接続していることを特徴とする。
本発明によれば、陽極外部電極の剥離を防止することができる固体電解コンデンサを提供することができる。
図1は、本発明の固体電解コンデンサの一例の全体構成を模式的に示す断面図である。 図2は、図1において破線Aで囲った領域である、陽極体と陽極外部電極の界面付近の領域を拡大して示す断面図である。 図3は、陽極外部電極側の端面から陽極外部電極及び引出導体を除いて固体電解コンデンサを見た端面における、陽極芯部の端面の面積と多孔質層の端面の面積を模式的に示す断面図である。 図4は、図2に示す固体電解コンデンサの断面において陽極外部電極を除き、外装体部分に含まれるパラジウムを明示した断面図である。 図5(a)、図5(b)、図5(c)及び図5(d)は、固体電解コンデンサの製造方法における各工程を模式的に示す断面図である。 図6(a)及び図6(b)は、固体電解コンデンサの製造方法における各工程を模式的に示す断面図である。 図7は、実施例1で作製した固体電解コンデンサの、陽極体と陽極外部電極の界面付近の領域の断面を撮影した電子顕微鏡写真である。
以下、本発明の固体電解コンデンサについて説明する。
しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する本発明の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
図1は、本発明の固体電解コンデンサの一例の全体構成を模式的に示す断面図である。
図1に示す固体電解コンデンサ1は、コンデンサ素子10が積層された積層体5を有している。積層体5の周囲は外装体20で覆われている。
外装体20の第1の端面21上には、陽極外部電極30が設けられており、陽極外部電極30はコンデンサ素子10の陽極芯部12と電気的に接続されている。
外装体20の第2の端面22上には、陰極外部電極40が設けられており、陰極外部電極40はコンデンサ素子10の陰極部16と電気的に接続されている。
積層体5において、積層されたコンデンサ素子10の間は、導電性接着剤41を介して互いに接合される。導電性接着剤41は、隣り合うコンデンサ素子10間を互いに機械的に固定するとともに、隣り合うコンデンサ素子10の陰極部16間を互いに電気的に接続する。
また、図1の例では最も下のコンデンサ素子10の下面側に、陰極端子電極42が接続されており、陰極端子電極42が陰極外部電極40と電気的に接続されている。
コンデンサ素子10を構成する陽極体11は、陽極芯部12を中心に有し、エッチング層等の多孔質層13を表面に有している。多孔質層13の表面には誘電体層14が設けられている。
陽極体11の上下には絶縁材料51(マスク材)が設けられていて、絶縁材料51により陽極体11と陰極部16が絶縁されて分離される。
絶縁材料としてはポリイミド樹脂等の樹脂材料を使用することができる。
陽極体は、いわゆる弁作用を示す弁作用金属からなる。弁作用金属としては、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、ケイ素等の金属単体、又は、これらの金属を含む合金等が挙げられる。これらの中では、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
陽極体の形状は特に限定されないが、平板状であることが好ましく、箔状であることがより好ましい。また、多孔質層はエッチング層であることが好ましい。
本発明の固体電解コンデンサにおいて、誘電体層は、上記弁作用金属の酸化皮膜からなることが好ましい。例えば、弁作用金属基体としてアルミニウム箔が用いられる場合、ホウ酸、リン酸、アジピン酸、又は、それらのナトリウム塩、アンモニウム塩等を含む水溶液中で陽極酸化することにより、誘電体層となる酸化皮膜を形成することができる。
誘電体層14の表面には固体電解質層15が設けられている。固体電解質層を構成する材料としては、例えば、ピロール類、チオフェン類、アニリン類等を骨格とした導電性高分子等が挙げられる。チオフェン類を骨格とする導電性高分子としては、例えば、PEDOT[ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)]が挙げられ、ドーパントとなるポリスチレンスルホン酸(PSS)と複合化させたPEDOT:PSSであってもよい。
固体電解質層15の表面には陰極部16が設けられている。
陰極部16は、導電性を有する層であり、例えば、カーボンペースト、銀ペーストのような導電性ペーストを付与することによって形成される。
また、金属箔や、カーボンコートされた金属箔であってもよい。
また、導電性ペーストの上に金属箔を設けた構成であってもよい。
陰極部16は、コンデンサ素子10において、陽極体11と反対側の端面を覆っており、図1に示す固体電解コンデンサでは、陰極部16と導電性接着剤41が接合され、隣り合うコンデンサ素子10の間の陰極部16同士が導電性接着剤41により互いに機械的に固定されるとともに、電気的にも接続される。
陰極部16は陰極端子電極42により外装体20の第2の端面22に引き出されて陰極外部電極40と電気的に接続されている。
外装体20としては、絶縁性を有する材料を使用することができる。例えば、エポキシ樹脂等が挙げられる。また、樹脂中に無機フィラーを含んでいてもよい。
本発明の固体電解コンデンサは、外装体の第1の端面側における陽極体及びその周囲の構成に特徴を有するので、以下、陽極体及びその周囲の構成について詳しく説明する。
図2は、図1において破線Aで囲った領域である、陽極体と陽極外部電極の界面付近の領域を拡大して示す断面図である。
図2では、外装体20の第1の端面21側において、陽極芯部12の端面12aが、多孔質層13の端面13aに対して内側に引き込まれている。そして、陽極芯部12の端面12aと、陽極外部電極30の内面30aの距離が0.01μm以上20μm以下となっている。
図2中、陽極芯部12の端面12aと陽極外部電極30の内面30aの距離は、両矢印Xで示す長さである。
陽極芯部12の端面12aは陽極外部電極30の内面30aと直接接続されてはいない。
陽極芯部12の端面12aと陽極外部電極30の内面30aとの間は引出導体50によって接続されている。
このように、陽極芯部に対して陽極外部電極が直接形成されているのではなく、陽極芯部から引出導体を介して陽極外部電極が形成される。このような構成であると、引出導体が多孔質層の端面の間に食い込む形となり、アンカー効果によって陽極外部電極の剥離を防止することのできる固体電解コンデンサとなる。
このような構成であると、特に、リフロー炉での陽極外部電極の剥離を防止することができる。
陽極芯部の端面と陽極外部電極の内面の距離が0.01μm未満であると、陽極芯部と陽極外部電極の接合が弱く、陽極外部電極の剥離が生じやすくなる。
一方、陽極芯部の端面と陽極外部電極の内面の距離が20μmを超えると、内側に引き込まれた陽極芯部の端面へのめっきのつき回りが悪化し、電極の接合性が低下しやすくなる。また、コンデンサ素子の信頼性が低下し、ショート不良が生じやすくなる。
引出導体は、金属めっきからなることが好ましく、ニッケルめっきからなることがより好ましい。
また、多孔質層の端面と陽極外部電極の内面とが金属結合しておらず、陽極外部電極の内面に対しては陽極芯部と接続された引出導体だけが接触していると、たわみ強度が向上する。
多孔質層の端面と陽極外部電極の内面も金属結合していると、陽極外部電極に対する接合強度の違いから応力が集中しクラックが入ることがあり、その結果たわみ強度が低下するおそれがある。
また、陽極外部電極側の端面から陽極外部電極及び引出導体を除いて固体電解コンデンサを見た端面において、陽極芯部の端面の面積が、陽極芯部の端面の面積と多孔質層の端面の面積の合計に対して、30%以上80%以下であることが好ましい。
図3は、陽極外部電極側の端面から陽極外部電極及び引出導体を除いて固体電解コンデンサを見た端面における、陽極芯部の端面の面積と多孔質層の端面の面積を模式的に示す断面図である。
図3は、図2におけるY−Y´線断面図に相当する。
断面図で見ると、箔状の陽極芯部12の周囲に多孔質層13が設けられた形状となっている。陽極芯部12の端面の面積は斜線のハッチングで示す面積S2であり、多孔質層13の端面の面積はドットのハッチングで示す面積S1である。
このS1とS2を使用して、[S2/(S1+S2)]×100=30以上80以下となることが好ましい。
上記条件を満たすことによって、たわみ強度に優れ、はんだ爆ぜ発生率が低い固体電解コンデンサとすることができる。
また、上記条件を満たすことによって、耐湿負荷試験(例えば60℃−湿度95%−1000時間)後のESR及び電気容量が規格値から外れにくい固体電解コンデンサとすることができる。
また、図3に示す断面図では、陽極芯部12の周囲の全周に多孔質層13が設けられた形状を示したが、陽極芯部12の上下面のみに多孔質層13が設けられた形状であってもよい。
また、陽極芯部の端面の面積が、陽極芯部の端面の面積と多孔質層の端面の面積の合計に対して、45%以上60%以下であることがより好ましい。
上記条件を満たすことによって、耐湿負荷試験(例えば60℃−湿度95%−1000時間)後のESR及び電気容量が規格値からより外れにくい固体電解コンデンサとすることができる。
陽極外部電極は、その内面となる層が銅めっき層であることが好ましい。また、銅めっき層を覆うようにさらにニッケルめっき層及びスズめっき層が設けられていることが好ましい。
図2には、陽極外部電極30が銅めっき層31、ニッケルめっき層32、スズめっき層33の3層のめっき層からなる例を示している。
なお、外装体の第2の端面上に設けられる陰極外部電極の構成は特に限定するものではないが、陽極外部電極と同様の構成のめっき層とすることができる。
また、陽極外部電極を除いた固体電解コンデンサの端面の外装体部分において、表層から5μm以内の領域でパラジウムが0.2重量%以上0.6重量%以下含まれることが好ましい。
図4は、図2に示す固体電解コンデンサの断面において陽極外部電極を除き、外装体部分に含まれるパラジウムを明示した断面図である。
図4には、外装体20の第1の端面21にパラジウム52が付着していることを示している。
パラジウムが付着した表面は、導電性が向上するので電解めっきによる外部電極の形成が容易になり、めっき付着性が向上する。
パラジウムの含有量は、固体電解コンデンサの端面の外装体部分につき、SEM−EDX像を撮影し、表層から5μmまでの深さにおける外装体の元素量(重量換算)を分母としてそれに対する割合としてパラジウム元素量(重量換算)を定量することによって求めることができる。
パラジウムの付着量が0.2重量%以上であると、陽極外部電極の付着性が高く、めっき付着不良が発生しにくくなる。また、パラジウムの付着量が0.6重量%以下であると、引出導体の端面にパラジウムが残ってしまうことが防止される。そのため、リフロー処理後に引出導体と陽極外部電極の密着性が低下することが防止される。
また、陰極外部電極を除いた固体電解コンデンサの端面の外装体部分においてもパラジウムが含まれることが好ましい。パラジウムが含まれることで電解めっきによる陰極外部電極のめっき付着性が向上する。
[固体電解コンデンサの製造方法]
以下、本発明の固体電解コンデンサを製造する方法の一例について説明する。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法のうち、図2に示すような外装体の第1の端面側における陽極体及びその周囲の構成を形成する方法の一例について説明する。
図5(a)、図5(b)、図5(c)及び図5(d)、並びに、図6(a)及び図6(b)は、固体電解コンデンサの製造方法における各工程を模式的に示す断面図である。
図5(a)には、陽極芯部12を中心に有し、エッチング層等の多孔質層13を表面に有する陽極体11を示している。多孔質層13の表面には誘電体層14が設けられている。
誘電体層14は、陽極体11の表面に対する陽極酸化処理(化成処理ともいう)により多孔質層13の表面に形成される。
陽極体11の上下には絶縁材料51が設けられている。絶縁材料51の陽極体11と反対側には外装体20の一部が位置している。
図示しない図5(a)の左側の領域には固体電解質層及び陰極部が設けられている。陰極部が設けられたコンデンサ素子を複数個積層して積層体を形成したのちに、外装体20で積層体を封止する。そして、外装体20の一方の端面を切断して第1の端面21を露出させ、併せて陽極芯部12の端面12a、多孔質層13の端面13a及び絶縁材料51の端面51aを外装体20の第1の端面21に露出させた状態が図5(a)に示す状態である。
続いて、ジンケート処理を行う。ジンケート処理は、陽極芯部12の端面12aに対するめっき付着性を向上させるため、表面を亜鉛で置換する処理であり、その際に硝酸での表面の洗浄を行う。硝酸での洗浄により陽極芯部12の一部が溶解して、陽極芯部12の端面12aが多孔質層13の端面13aに対して内側に引き込まれる。
多孔質層13は硝酸での洗浄により殆ど溶解することはない。
ここまでの状態を図5(b)に示している。
続いて、引出導体となる金属を無電解めっきにより設ける。無電解めっきとして無電解ニッケルめっきを行い、ニッケルからなる引出導体50を設けることが好ましい。
陽極芯部12の端面12aにはジンケート処理がされているので、無電解ニッケルめっきが付着しやすくなっている。
ここまでの状態を図5(c)に示している。
続いて、外装体の端面へのパラジウム付与を行うことが好ましい。
パラジウムは錯体の形で付与され、後に陽極外部電極を形成するための銅めっき工程において導電性を向上させる働きを有する。付与されたパラジウム52は、外装体20の第1の端面21に付着するとともに、絶縁材料51の端面51a、多孔質層13の端面13a及び引出導体50の端面50aにも付着する。
なお、図示しないが外装体の第2の端面にもパラジウムが付着する。
ここまでの状態を図5(d)に示している。
続いて、外装体の端面に酸処理を行う。酸処理により引出導体50の一部がエッチングされ、引出導体50の表面に付着したパラジウム52が除去される。
外装体20の第1の端面21に付着したパラジウム52は除去されず残っている。
このようにして外装体の端面に付与されるパラジウムの量が、表層から5μm以内の領域で0.2重量%以上0.6重量%以下となるようにパラジウムの付与量を調整することが好ましい。
ここまでの状態を図6(a)に示している。
続いて、陽極外部電極の形成を行う。陽極外部電極30として、銅めっき層31、ニッケルめっき層32、スズめっき層33の3層からなるめっき層を設けることが好ましい。
銅めっき層31を設ける際に、外装体20の第1の端面21に付着したパラジウム52により導電性が向上するので、外装体20に対する銅めっき層のめっき付着性を向上させることができる。
ここまでの状態を図6(b)に示しており、上記工程によって、図2に示すような外装体の第1の端面側における陽極体及びその周囲の構成が得られる。
以下、本発明の固体電解コンデンサをより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、弁作用金属基体として、表面にエッチング層を有するアルミニウム化成箔を準備した。アルミニウム化成箔を覆うように、酸化皮膜からなる誘電体層を設けた。
具体的には、アルミニウム化成箔の表面をアジピン酸アンモニウム水溶液に浸漬させて電圧を印加することで、アルミニウム化成箔の表面のエッチング層に誘電体層を設けた。
次に、陽極体と陰極部の短絡を防止するために、アルミニウム化成箔の長軸方向の一端から所定の間隔を隔てた位置において、アルミニウム化成箔を一周するように帯状の絶縁材料を設けた。
その後、絶縁材料で分割されたアルミニウム化成箔のうち、面積の大きい部分(エッチング層)に導電性重合体液を含浸させ、固体電解質層の内層を形成した。内層用の導電性重合体液として、超音波ホモジナイザーにより解砕した市販のPEDOT:PSS(Sigma−Aldrich社製Orgacon HIL−1005)を用いた。
続いて、誘電体層を有する弁作用金属基体の全体を導電性重合体配合液に浸漬させることにより、固体電解質層の外層を形成し、誘電体層上に固体電解質層を設けた。外層用の導電性重合体配合液として、市販のPEDOT:PSS(Sigma−Aldrich社製Orgacon HIL−1005)を含む配合液を用いた。導電性重合体配合液には分散媒として水、高沸点溶剤としてDMSOを使用した。
固体電解質層の表面をカーボンペーストに浸漬した後、乾燥させることにより、カーボン層を形成し、得られたカーボン層の表面を銀ペーストに浸漬した後、乾燥させることにより、銀層を形成してコンデンサ素子とした。
このようにして得られたコンデンサ素子を導電性接着剤(NAMIX製H9480)を用いて所定数積層接着した後、外装体となるエポキシ樹脂により封止した。
封止した積層体の一方の端面を切断して第1の端面を露出させ、併せて陽極芯部の端面、多孔質層の端面及び絶縁材料の端面を外装体の第1の端面に露出させた。
また、積層体の第2の端面側については、積層体の最下面に引き出し用の陰極端子電極を配置し、積層体の最下面に位置する陰極端子電極と陰極部を導電性接着剤により電気的に接続した。
外装体の第1の端面に対し、硝酸を用いたジンケート処理を行い、さらに無電解ニッケルめっきを行って、陽極芯部の端面にニッケルからなる引出導体を設けた。
続けて、外装体の第1の端面へのパラジウム錯体の付与と酸処理を行い、外装体の第1の端面にパラジウムを付与した。
同時に、外装体の第2の端面にもパラジウムを付与した。
そして、外装体の第1の端面側に銅めっき層、ニッケルめっき層及びスズめっき層の3層からなるめっき層を設けて、陽極外部電極とした。
また、外装体の第2の端面側にも同じ3層からなるめっき層を設けて、陰極外部電極とした。上記工程により、固体電解コンデンサを作製した。
図7は、実施例1で作製した固体電解コンデンサの、陽極体と陽極外部電極の界面付近の領域の断面を撮影した電子顕微鏡写真である。
この写真から、陽極芯部の端面が多孔質層の端面に対して内側に引き込まれていることが分かる。また、陽極芯部の端面と陽極外部電極の内面の距離は10μmである。
(評価試験1:陽極芯部の端面と陽極外部電極の内面の距離の影響)
実施例1の固体電解コンデンサの製造工程中のジンケート処理において陽極芯部を溶解させる量を調整することにより、陽極芯部の端面と陽極外部電極の内面の距離を調整した。
各固体電解コンデンサのサンプルを1000個以上作製し、ショート不良率、LC不良率、陽極剥がれ発生率を求めた。
ショート不良率は、コンデンサがショートモードでの故障を生じた不良の発生率である。
LC不良率は、漏れ電流が規格値以上になった不良の発生率である。
陽極剥がれ発生率は、陽極外部電極に剥離が生じていた不良の発生率である。
陽極芯部の端面と陽極外部電極の内面の距離と、評価結果の関係をまとめて表1に示す。
Figure 2020053588
陽極芯部の端面と陽極外部電極の内面の距離が0.01μm未満であると、陽極剥がれ発生率が高い。また、上記距離が20μmを超えると、ショート不良率及びLC不良率が高い。
(評価試験2:外装体部分におけるパラジウム付与量の影響)
実施例1の固体電解コンデンサの製造工程中、外装体の端面へのパラジウム付与量を調整した。
各固体電解コンデンサのサンプルを1000個以上作製し、電極未着率、リフロー剥がれ発生率を求めた。
電極未着率は、陽極外部電極の形成時に銅めっきが未着となる不良の発生率である。
リフロー剥がれ率は、リフロー条件での加熱によって陽極外部電極が剥離する不良の発生率である。
Figure 2020053588
外装体の端面でのパラジウム量が0.2重量%未満であると、電極未着率が高い。
また、外装体の端面でのパラジウム量が0.6重量%を超えると、リフロー剥がれ率が高い。
(評価試験3:端面における陽極芯部の面積割合の影響)
実施例1の固体電解コンデンサの製造工程中、アルミニウム化成箔のエッチング量を調整して、陽極芯部の端面の面積の割合を調整した。
陽極芯部の端面の面積の割合は、陽極芯部の端面の面積と多孔質層の端面の面積の合計に対する陽極芯部の端面の面積の割合(%)である。
各固体電解コンデンサのサンプルを1000個以上作製し、温度60℃、湿度95%、1000時間の耐湿負荷試験を行い、CAP不良率、ESR不良率を求めた。
CAP不良率は、耐湿負荷試験後に電気容量が規格値以下になる不良の発生率である。
ESR不良率は、耐湿負荷試験後にESRが規格値以上になる不良の発生率である。
また、たわみ強度試験を行い、強度が規格値以下となるたわみ強度不良率を求めた。
また、はんだ付けを行った場合にはんだ爆ぜが発生する不良である、はんだ爆ぜ発生率を求めた。
Figure 2020053588
陽極芯部の端面の面積割合が30%以上、80%以下であると各試験結果が良好であり、陽極芯部の端面の面積割合が45%以上、60%以下であると各試験結果が特に良好である。
1 固体電解コンデンサ
5 積層体
10 コンデンサ素子
11 陽極体
12 陽極芯部
12a 陽極芯部の端面
13 多孔質層
13a 多孔質層の端面
14 誘電体層
15 固体電解質層
16 陰極部
20 外装体
21 外装体の第1の端面
22 外装体の第2の端面
30 陽極外部電極
30a 陽極外部電極の内面
31 銅めっき層
32 ニッケルめっき層
33 スズめっき層
40 陰極外部電極
41 導電性接着剤
42 陰極端子電極
50 引出導体
50a 引出導体の端面
51 絶縁材料
51a 絶縁材料の端面
52 パラジウム

Claims (8)

  1. 陽極芯部の表面に多孔質層を備える陽極体と、前記多孔質層の表面に設けられた誘電体層と、前記誘電体層の表面に設けられた固体電解質層と、前記固体電解質層の表面に設けられた陰極部と、を備えるコンデンサ素子が積層された積層体と、
    前記積層体を覆う外装体と、
    前記外装体の第1の端面上に設けられ、前記陽極芯部と電気的に接続された陽極外部電極と、
    前記外装体の第1の端面に対向する第2の端面上に設けられ、前記陰極部と電気的に接続された陰極外部電極とを備えた固体電解コンデンサであって、
    前記外装体の第1の端面側において、前記陽極芯部の端面が、前記多孔質層の端面に対して内側に引き込まれており、
    前記陽極芯部の端面と、前記陽極外部電極の内面の距離が0.01μm以上20μm以下であり、
    前記陽極芯部の端面と前記陽極外部電極の内面との間を引出導体が接続していることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記陽極体がアルミニウムからなる請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記引出導体がニッケルからなる請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記陽極外部電極の内面となる層が銅めっき層である請求項1〜3のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記銅めっき層を覆うようにさらにニッケルめっき層及びスズめっき層が設けられている請求項4に記載の固体電解コンデンサ。
  6. 前記多孔質層の端面が前記陽極外部電極の内面と金属結合していない請求項1〜5のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  7. 前記陽極外部電極側の端面から前記陽極外部電極及び前記引出導体を除いて固体電解コンデンサを見た端面において、前記陽極芯部の端面の面積が、前記陽極芯部の端面の面積と前記多孔質層の端面の面積の合計に対して、30%以上80%以下である請求項6に記載の固体電解コンデンサ。
  8. 陽極外部電極を除いた固体電解コンデンサの端面の外装体部分において、表層から5μm以内の領域でパラジウムが0.2重量%以上0.6重量%以下含まれる請求項1〜7のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022114047A1 (ja) * 2020-11-30 2022-06-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 固体電解コンデンサ

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