JP2011157231A - 窒化物半導体単結晶及び窒化物半導体基板の製造方法 - Google Patents

窒化物半導体単結晶及び窒化物半導体基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高品質の窒化物半導体単結晶及び窒化物半導体基板を効率よく得ることのできる製造方法を提供する。
【解決手段】表面11と、傾斜面12を有する側面14とを備える窒化物半導体からなる種結晶10の前記表面11及び側面14上に第2の窒化物半導体20を成長させる成長工程を有し、前記成長させた第2の窒化物半導体20の上面の面積が、前記種結晶10の表面11の面積よりも大きくなるように窒化物半導体を成長させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体単結晶の製造方法に関するものであり、具体的には、窒化物半導体からなる種結晶を用いて窒化物半導体単結晶及び窒化物半導体基板を製造する方法に関するものである。
近年、各種照明、ディスプレイ及び光ディスク装置等に窒化物半導体からなる半導体デバイスが利用されている。LEDやレーザダイオードなどの窒化物半導体デバイスの多くは、C面サファイヤ等の窒化物半導体とは異なる材料からなる基板を用いてヘテロエピタキシャル成長で形成されている。しかしながら、ヘテロエピタキシャル成長で形成された窒化物半導体層中に存在する転位や応力のため、素子寿命などの特性が十分でないことがある。窒化物半導体デバイスの特性の向上のためには、ホモエピタキシャル成長の可能な窒化物半導体基板が必要であり、特に結晶性のよい窒化物半導体基板を得るため、その研究が進められている。
例えば、ヘテロエピタキシャル成長させた窒化物半導体を剥離、加工することにより得られる窒化物半導体を種結晶として窒化物半導体を成長させ、窒化物半導体基板を切り出す方法が提案されている(例えば、特許文献1〜4)。
特に、特許文献1では、長尺成長時のクラックの発生率を低減する方法が提案されている。
特開2009−173507号公報 特開2006−160568号公報 特開2009−46377号公報 特開2009−73710号公報
Journal of Crystal Growth 311 (2009) 3011−3014
窒化物半導体の成長時には、成長した窒化物半導体の上面の面積が、下地となる結晶(以下、「種結晶」と記載する)の表面の面積に対して小さくなってしまうことが多かった。また、非特許文献1に示すように、成長した窒化物半導体は、外周部に異なる結晶面が発達した凸状の領域が形成されることがある。この外周部の領域は、他の領域と比較して転位密度や不純物濃度が異なるため、窒化物半導体成長用の種結晶や基板として用いるためにはこの部分を除去する必要がある。つまり、用いる種結晶表面の面積に対して、実質的に得られる窒化物半導体の上面の面積は小さくなってしまう。よって、高品質の窒化物半導体が得られたとしても、種結晶と比較すると小径のものであるため製造効率を向上させることはできず、製造コストが高くなってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、高品質の窒化物半導体及び窒化物半導体基板を効率よく得ることのできる製造方法を提供することを目的とする。
本発明の窒化物半導体単結晶の製造方法は、表面と、傾斜面を有する側面とを備える窒化物半導体からなる種結晶の前記表面及び側面上に第2の窒化物半導体を成長させる成長工程を有し、前記成長させた第2の窒化物半導体の上面の面積が、前記表面の面積よりも大きくなるように窒化物半導体を成長させる。
また、前記側面は、表面と連続する傾斜面と、傾斜面と連続する略垂直面とを有することが好ましい。
また、表面と傾斜面のなす角は鈍角であることが好ましい。
また、前記種結晶は、前記表面と対向する裏面の面積が前記表面の面積よりも大きく、前記第2の窒化物半導体の上面の面積は、前記裏面の面積よりも大きくなるように成長させることが好ましい。
また、前記種結晶の表面は、(000−1)面を[2−1−10]方向、[−12−10]方向、[−1−120]方向、[−2110]方向、[1−210]方向もしくは[11−20]方向に20°以下で傾斜させた面であることが好ましい。
また、前記種結晶の表面は、(000−1)面を[1−100]方向、[0−110]方向、[−1010]方向、[−1100]方向、[01−10]方向もしくは[10−10]方向に20°以下で傾斜させた面であることが好ましい。
また、前記種結晶の表面は、(000−1)面であることが好ましい。
また、前記略垂直面は、{11−20}面又は{11−20}面を10°以下で傾斜させた面であることが好ましい。
また、前記略垂直面は、{1−100}面又は{1−100}面を10°以下で傾斜させた面であることが好ましい。
また、前記傾斜面は、前記種結晶の表面をエッチングすることにより得られることが好ましい。
また、前記成長工程は、HVPE法もしくはMOCVD法により行われることが好ましい。
また、本発明の方法により得られる前記第2の窒化物半導体を前記種結晶から分離して得られる窒化物半導体基板は、主面の転位密度が1×10個/cm以下であることが好ましい。
また、本発明の方法により得られる前記第2の窒化物半導体を前記種結晶から分離して得られる窒化物半導体基板は、キャリア濃度が1×1018/cm以上であることが好ましい。
本発明では、傾斜面を有する側面を備える種結晶を用いることで、種結晶の上に成長させた第2の窒化物半導体の上面の面積が種結晶の表面の面積よりも大きくなるように成長させる(以下、「拡大成長」と記載する)ことができ、得られた第2の窒化物半導体を窒化物半導体基板または種結晶として有効に用いることができる。
本発明の製造方法に用いる種結晶を説明するための概略断面図である。 本発明の製造方法により得られる第2の窒化物半導体を説明するための概略断面図である。 本発明の製造方法により得られる第2の窒化物半導体から窒化物半導体基板を得る方法を説明するための模式図である。 本発明の窒化物半導体基板を用いて作製した窒化物半導体レーザ素子の概略断面図である。 本発明の製造方法に用いる別の種結晶を説明するための概略断面図である。
本発明の一実施形態を図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す形態は一例であって、本発明を限定するものではなく、記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等についても本発明を限定するものではない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、説明を簡略化するために、同一の構成要件には同一の符号を付し、その説明を一部省略する。
図1は、本発明の製造方法に用いる種結晶の一例であり、図2はこの種結晶に窒化物半導体を成長させたものである。説明の便宜上、表面11及び裏面15を包括して「主面」と記載する。また、種結晶上に成長させた窒化物半導体を「第2の窒化物半導体」と記載する。
本発明の製造方法に用いる種結晶10について説明する。種結晶10は、主面として、対向する表面11及び裏面15を有する。第2の窒化物半導体は、表面上に形成される。また、種結晶の側面14は、少なくとも傾斜面12を有する。また、側面は、傾斜面の他に略垂直面13を有していてもよい。略垂直面は、種結晶の主面に対して略垂直な面である。「略垂直」とは、加工の誤差による若干の傾斜を有するものを含むことを意味し、基準面となるいずれかの主面と垂直な面に対し5°程度の傾斜を有していてもよいことを意味する。
種結晶の組成は、一般式InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)で示される窒化物半導体を用いる。なかでもGaNからなる単結晶を種結晶として用いることで、高品質の第2の窒化物半導体を得ることができる。
種結晶の主面の形状としては特に限定されず、円形、矩形、六角形をはじめとする多角形、楕円形のものを用いることができる。
種結晶の転位密度は、低いほど好ましい。例えば、1×10個/cm程度以下のものであれば、第2の窒化物半導体の転位密度を低くすることができ好ましい。転位の評価は、CLマップ測定やTEM観察、EPD法により行うことができる。
また、種結晶は、例えばSi、O、Mg等の不純物を含有していてもよい。
種結晶は、HVPE法、MOCVD法、フラックス法、アモノサーマル法など、公知の方法を用いて形成した窒化物半導体を用いることができる。
種結晶の主面は、{0001}面、{10−10}面、{10−11}面、{10−12}面、{11−20}面、{11−21}面、{20−21}面及び{11−22}面等を用いることができる。なかでも、(000−1)面、若しくは{10−10}面を表面とするものが好ましい。種結晶、第2の窒化物半導体、窒化物半導体基板の各面の面方位は、X線回折法を用いて測定することで特定することができる。
また、これらの面を所定の方向に傾斜させたオフ角を有する種結晶を用いてもよい。例えば、(000−1)面の場合、
(1)(000−1)面を[2−1−10]方向、[−12−10]方向、[−1−120]方向、[−2110]方向、[1−210]方向もしくは[11−20]方向に傾斜させたもの
(2)(000−1)面を[1−100]方向、[0−110]方向、[−1010]方向、[−1100]方向、[01−10]方向又は[10−10]方向に傾斜させたもの
(3)(000−1)面を[2−1−10]方向、[−12−10]方向、[−1−120]方向、[−2110]方向、[1−210]方向、もしくは[11−20]方向及び[1−100]方向、[0−110]方向、[−1010]方向、[−1100]方向、[01−10]方向もしくは[10−10]方向に傾斜させたもの、すなわち上記の(1)と(2)の合成の方向に傾斜させたもの
のいずれかとすることが好ましい。このようなオフ角を有する種結晶を用いることにより、第2の窒化物半導体の異常成長やピット等を低減し、表面モフォロジーを改善できる。また、拡大成長を安定して維持できるようになり、第2の窒化物半導体の大型化に有効である。オフ角の範囲は0°より大きく20°以下が好ましく、より好ましくは0°より大きく10°以下の範囲である。また、{10−10}面を20°以下の範囲で傾斜させた場合にも同様の効果を得ることができる。以下、特別に記載しない限りは、(000−1)面と上記のような(000−1)面のオフ角を有する面を包括して「(000−1)面」と記載し、{10−10}面と20°以下のオフ角を有する面についても包括して「{10−10}面」と記載する。
このような(000−1)面や{10−10}面を表面として第2の窒化物半導体を成長させることで効果的に拡大成長を行うことができる。結晶成長により得られる結晶の形は成長の遅い面に支配される。窒化物半導体結晶の結晶面において相対的に成長の遅い(000−1)面又は、{10−10}面を表面として用いることで、表面を拡大させることができ、図2のような拡大成長した逆円錐台形状あるいは逆角錐台形状の第2の窒化物半導体を得ることができることを見出した。
例えば、成長の速い(0001)面を表面とする種結晶上に窒化物半導体を成長させると、他の面よりも(0001)面が成長するので、成長した(0001)面の周囲の面はそれに伴った、つまり種結晶と相似形となるような成長をすることができない。具体的には、(0001)面に対して、側面を構成する{10−10}面、{10−11}面、{10−12}面、{11−20}面、{11−21}面、及び{11−22}面等は成長が相対的に遅いため(0001)面が次第に縮小する。その結果、成長した窒化物半導体の側面は基板の表面に対して傾斜して形成され種結晶よりも径が縮小した円錐台形状あるいは角錐台形状の窒化物半導体となる。
具体的には、後述するような条件で成長した場合に、(0001)面の成長速度に対する{10−10}面、{10−11}面、{10−12}面、{11−20}面、{11−21}面、{11−22}面の成長速度は、数分の1から数十分の1程度であることが観察された。
しかし、(000−1)面や{10−10}面を表面とする種結晶上に窒化物半導体を成長させると、これらの面は成長が遅いので、(000−1)面や{10−10}面の面積が拡大すると考えられる。
また、種結晶の側面14は、少なくとも傾斜面12を有している。また、この傾斜面は、表面と連続して設けられることが好ましい。これによって、拡大成長を安定して持続させることができる。また、拡大成長した第2の窒化物半導体が得られるので、外周部分に結晶状態の違う領域が形成された場合に、その部分を除去したとしても、元の種結晶の表面と同等以上の上面の面積を有する窒化物半導体単結晶を得ることができる。傾斜面を有しない、断面視において略矩形の種結晶を用いた場合には、成長工程において、種結晶外周部分の角部付近で原料ガスの過飽和度が高くなるため、二次元核が多数発生し、結晶状態の違う領域が形成されてしまうと考えられる。この領域が形成されると、得られた第2の窒化物半導体単結晶を基板や種結晶として用いる際に、この部分を除去してから利用する必要があるため、基板や種結晶が小さくなってしまう。種結晶の側面に傾斜面を有することで、原料ガスを種結晶の表面上に均等に供給することができ、安定して結晶径を拡大させることができることを見出した。
傾斜面は、図1に示すように、種結晶において表面と傾斜面で構成される角度(以下、「傾斜角度」と記載)が鈍角となるように設けられることが好ましい。さらに好ましくは、傾斜角度が120〜150°の範囲のものであり、このような傾斜面を設けることで拡大成長を効果的に行うことができる。加工方法によっては、表面と傾斜面により形成される角部が丸みを帯びていることもある。また、種結晶の傾斜面は、特定の結晶面を有するものには限定されず任意の面で形成することができる。
種結晶の主面の大きさは、主面の形状が円形の場合、少なくとも直径25mm以上、六角形、矩形の場合は対角線の長さが25mm以上のものを用いることが実用上好ましい。
また、種結晶の厚みは主面間の距離で規定され、薄すぎると取り扱いが困難になるため50μm以上程度のものを用いることが好ましい。
また、傾斜面12の面積及び略垂直面13の面積は任意の割合で形成することができる。好ましくは、略垂直面13の面積が傾斜面12の面積より大きいものである。また、複数の傾斜面を有する場合も同様である。
また、傾斜面は、図5(a)に示すように、異なる傾斜角度で傾斜した複数の傾斜面12a及び12bを有する多面体の傾斜面であってもよい。
種結晶の表面側の傾斜面12aの傾斜角度と裏面側の傾斜面12bの傾斜角度は、種結晶の表面側の傾斜面12aの傾斜角度が大きいことが好ましい。また、傾斜面12aの面積、傾斜面12bの面積及び略垂直面13の面積は任意の割合で形成することができる。好ましくは、略垂直面13の面積が傾斜面12の面積より大きいものであり、かつ、傾斜面12aの面積が傾斜面12bの面積より大きいものである。
あるいは、図5(b)に示すように、傾斜面12が、種結晶の厚み方向の側面全体にわたって設けられていてもよい。種結晶の厚みが100μm以下の場合は側面全体に設けられることが好ましい。
また、傾斜面は種結晶を表面から観察したときに、外周の長さの50%以上に設けられていることが好ましく、さらに好ましくは、種結晶の外周全体に設けられていることが好ましい。外周に部分的に設けられる場合には、連続して設けられていてもよいし、断続的に設けられていてもよい。
上述したような傾斜面が設けられることにより、種結晶の表面の面積は、裏面の面積よりも小さくなっている。このとき種結晶の表面の面積は、裏面の面積の80%以上100%未満になるように設けることが好ましい。つまり、種結晶は、表面と対向する裏面の面積が表面の面積よりも大きく形成されることが好ましい。このような種結晶を用い、第2の窒化物半導体の上面の面積が、種結晶の裏面の面積よりも大きくなるように成長させることで、確実に種結晶よりも大きな第2の窒化物半導体を得ることができるので、得られる窒化物半導体単結晶を基板や種結晶として用いることが可能になり好ましい。
傾斜面の形成には、エッチングや機械加工等の方法を用いることができる。
例えば、第2の窒化物半導体の成長前にエッチング処理を行うことで傾斜面を形成することができる。また、エッチングを行うことで、表面欠陥や表面変質層を除去することができる。あるいは、種結晶の保護の観点から、傾斜面の形成予定領域以外にマスクを形成してエッチングを行ってもよい。エッチングにより傾斜面を形成する場合、ウエットエッチング、ドライエッチングのどちらを用いてもよい。
ウエットエッチングの場合、成長前の種結晶をNaOH、KOH融液や水溶液、またはNaOH、KOHの混合融液からなるエッチング液に浸漬する方法で行うことができる。また、エッチング液として、硫酸、燐酸、塩酸、硝酸、フッ酸、やこれらの混合液またそれに過酸化水素を加えた水溶液を用いることもできる。エッチングは、水溶液の場合には室温〜100℃の温度で、NaOH、KOHの融液の場合には230℃〜400℃の温度で行うことが好ましい。また、(000−1)面を表面とする種結晶の場合には、表面である(000−1)面及びその側面を露出させてエッチング液に浸漬することより、傾斜面を設けることができる。
また、ドライエッチングの場合、気相成長装置内で成長直前にHClガス、Clガス等を用いて行う方法が挙げられる。(000−1)面を表面とする種結晶の場合には、(000−1)面側からエッチングすることで、傾斜面を設けることができる。気相成長装置内でのエッチングの場合には、900〜1200℃の温度で、実施することが好ましい。エッチング雰囲気としては、特に限定されず、水素雰囲気、アンモニア雰囲気、あるいはこれらの混合雰囲気にHCl、Cl、あるいはこれらの混合ガスが含まれていても良い。
また、機械加工の場合、ダイヤモンドの砥石等を用いて切削、研磨を行うことにより傾斜面を設けることができる。砥石または研磨面の角度を途中で変更することで図5(a)のような種結晶を得ることができる。また、機械加工にて形成した傾斜面には加工により表面欠陥や表面変質層が形成されるため、機械加工後に、これらの表面欠陥や表面変質層をウエットエッチング、ドライエッチングにて除去することが好ましい。
また、種結晶に傾斜面を設ける前に種結晶の主面を研磨加工することが好ましい。
また、種結晶10は、側面14として、傾斜面の他に、種結晶の主面に対して略垂直な面である略垂直面を有することが好ましい。(000−1)面を表面とする場合には、略垂直面は、{11−20}面もしくはその面を5°以下の範囲で傾斜させた面を用いることにより、(000−1)面の面積を拡大する成長を安定して維持することができる。
次に、上述したような種結晶10に第2の窒化物半導体20を成長させる工程について説明する。第2の窒化物半導体20は、少なくとも種結晶の表面11及び側面14上に成長されていればよく、側面においては、傾斜面12上のみに形成されていてもよいし、図2に示すように、傾斜面12及び略垂直面13上に第2の窒化物半導体が形成されていてもよい。得られる第2の窒化物半導体は、その上面21の面積が種結晶の表面11の面積よりも大きく、成長側面22を有している。
第2の窒化物半導体の成長方法は、HVPE法、MOCVD法などの気相成長法、フラックス法、アモノサーマル法などの液相成長法等、公知の方法を用いることができる。そのなかでも、HVPE法は第2の窒化物半導体を比較的早い速度で成長させることができ好ましい。
例えば、加熱したHVPE成長装置内部に反応管を通して原料ガス及びキャリアガスを流し成長させる。
また、種結晶裏面への成長を抑制することで、拡大成長を促進させることができる。具体的には、マスクで裏面を被覆する、接着剤等で裏面をサセプター上に接着する、ガス供給ノズルと成長表面が対向するように配置する、バッフルを設ける等の方法により、種結晶裏面への成長を抑制することが出来る。
HVPE法においては、原料ガスとしては、例えば、GaNを成長させる場合、塩化ガリウム及びアンモニアを用いる。キャリアガスとしては、水素及び/又は窒素、アルゴン等の希ガス雰囲気を用いることができる。原料ガスの供給量については、特に限定されないが、(0001)面上に窒化物半導体を成長させるときの1/10程度の成長速度となるように、原料ガスを供給することが好ましい。具体的には1時間で3〜30μm程度成長するよう原料ガス供給量を調整することが挙げられる。成長温度としては、900〜1100℃程度が好ましい。成長時の圧力は、適宜調整することができるが、0.01〜0.1MPa程度に調整することが好ましい。
MOCVD法においては、原料ガスとしては、例えば、GaNを成長させる場合、トリメチルガリウム及びアンモニアを用いる。キャリアガスとしては、水素及び/又は窒素を用いることができる。原料ガスの供給量については、特に限定されないが、1時間で0.1〜10μm程度成長するよう原料ガス供給量を調整することが好ましい。成長温度としては、900〜1200℃程度が好ましい。成長時の圧力は、適宜調整することができるが、0.01〜0.1MPa程度に調整することが好ましい。
場合によっては、導電性の第2の窒化物半導体を作製するためにドーピング元素を含むガスを原料ガスに添加してもよい。n型ドーパント原料としてはSiH、SiCl、HO等が、p型ドーパント原料としてはCCl、CH、CO、CO、ZnCl、ジエチル亜鉛(DEZn)、ビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム(EtCpMg)等が選択される。
さらに、絶縁性の第2の窒化物半導体を作製するためには、塩化鉄等がドーパント原料として選択される。
このような条件で第2の窒化物半導体の成長を行うことにより、種結晶の表面の面積よりも大きな上面の面積を有する第2の窒化物半導体単結晶を得ることができる。第2の窒化物半導体の厚みは、第2の窒化物半導体の上面と種結晶表面の距離で規定され、第2の窒化物半導体の厚みに相当する成長厚みが増加すると上面の面積が拡大することが観察された。
成長した第2の窒化物半導体は、一般式InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)で示されるものであることが好ましい。
得られる第2の窒化物半導体を種結晶表面と垂直な方向から観察したときの(以下、「上面視」と記載する)形状は、成長厚みが増すにしたがって違いが見られ、円形、十二角形もしくは六角形のものが得られる。種結晶の表面が(000−1)面であり、上面視の形状が円形のものを用いる場合、成長厚みが100μm程度の場合、略円形の第2の窒化物半導体が得られる。成長を進めると、成長厚みが500μm程度までは{10−10}面及び{11−20}面が発達し、上面視で十二角形の第2の窒化物半導体が成長される。成長厚みが500μmを超えると、{10−10}、{10−11}、{10−12}面が特に発達し、上面視が六角形の第2の窒化物半導体を得ることができる。
第2の窒化物半導体は、成長を進めるにしたがって上面の面積が大きくなる。例えば、直径もしくは対角長が50mm程度の種結晶を用いた場合に、成長厚み500μm程度成長させると、直径もしくは対角長が1〜5mm程度拡大する。成長側面22と種結晶の裏面とで構成される角度は鈍角となっており、略一定の角度で成長させることができる。具体的には100°以上180°未満である。成長側面の端部22aは、図2に示すように種結晶の裏面側端部に位置していてもよいし、傾斜面の端部に位置していてもよいし、略垂直面の途中に位置していてもよい。
また、得られた第2の窒化物半導体は、表面の転位密度が、成長前に測定した種結晶の転位密度よりも小さいものが得られる。特に種結晶の直上より外側に成長された領域の結晶の転位密度が小さく、1×10〜5×10個/cm程度であった。
得られた第2の窒化物半導体の断面を観察したところ、[000−1]と略垂直な方向に線状の転位が観察された。本発明のように、(000−1)面を成長表面とする場合には、転位が[000−1]に対し略垂直な方向に伸びていることで、第2の窒化物半導体上面の転位密度を減少させていると考えられる。
また、種結晶の表面が(000−1)面のものを用いる場合、成長工程において不純物が取り込まれやすく、キャリア濃度が1×1018〜1×1019/cm程度の第2の窒化物半導体を容易に得ることができる。n型及び、p型のいずれにおいてもキャリア濃度の高い第2の窒化物半導体を容易に得ることができ、導電性の窒化物半導体基板を作製する場合に有効である。
尚、不純物を選択することで、絶縁性の第2の窒化物半導体も容易に得ることができる。
また、種結晶の表面が(000−1)面のものを用いる場合、第2の窒化物半導体の上面は、(000−1)面であることが好ましい。
以上の方法で作製した第2の窒化物半導体は、ワイヤーソー等を用いて所望の面方位で切り出し、窒化物半導体基板を得ることができる。例えば、図2に示すように、種結晶の表面11と第2の窒化物半導体20の界面近傍(図2中の点線部分)で切断することができる。また、図3に示すように、所望の厚みで切り出し、窒化物半導体基板31(図3中の各々の窒化物半導体基板31a、31b、31cを含む)を得ることができる。また、適宜外周の加工や研磨等を行い成形してもよい。また、切り出した第2の窒化物半導体を種結晶として用いることもできる。得られた窒化物半導体基板の{0001}面や{10−10}面上に窒化物半導体層を成長させ、窒化物半導体発光素子や窒化物半導体レーザ素子を得ることができる。
以下に本発明の実施例を示す。
<実施例1>
(000−1)面を[11−20]方向に1°傾斜させたオフ角を有する直径50mm、厚み1mmの円柱形のGaN基板を準備する。CLマップ測定により求めたこのGaN基板の主面の転位密度は1×10個/cmである。このGaN基板の(000−1)面を研磨し、1030℃の反応炉内において(000−1)面側から水素−アンモニア混合雰囲気中でHClガスの分圧100Paの条件でガスエッチングを1時間行う。これにより、種結晶において表面と傾斜面で構成される傾斜角度が150°であり、表面の直径が49.5mm、裏面の直径が50mm、厚さ0.95mmの図1に示すような種結晶10が得られる。
続いて、1030℃で20日間、HVPE法により種結晶の(000−1)面側に成長を行う。これにより、図2に示すような成長厚み約10mmのGaN単結晶からなる第2の窒化物半導体20が得られる。
得られた第2の窒化物半導体20は、その上面21が(000−1)面、成長側面22が{10−11}面で構成された逆六角錐台形状であり、種結晶の表面11及び裏面15よりも第2の窒化物半導体の上面21の面積が大きくなっている。
種結晶の表面直上に形成された第2の窒化物半導体の上面の転位密度をCLマップ法で測定すると、1×10個/cmであり、種結晶の転位密度に対して約1桁低減している。さらに、種結晶の表面よりも面積が拡大している領域の第2の窒化物半導体20の上面の転位密度は1×10個/cmである。
なお、種結晶10と第2の窒化物半導体20の界面(図2中の点線部分)で切断し、第2の窒化物半導体のみを切り出す。続いて、図3に示すように、第2の窒化物半導体の上面21と平行な方向にワイヤーソーで12枚に分割し、外周加工および両面研磨を行い31a、31b、31cを含むGaNよりなる窒化物半導体基板31を作成する。
完成した窒化物半導体基板31は、直径50〜60mmであり、その主面は、{0001}面である。また、第2の窒化物半半導体の上面に近い側の31cは、31a及び31bよりもその直径が大きくなっている。このように、本実施例によれば、窒化物半導体を拡大成長させることができ、種結晶の表面よりも大きい主面を有する窒化物半導体基板を得ることができる。
<実施例2>
本実施例では、実施例1で使用し、第2の窒化物半導体を分離した種結晶の(000−1)面側を研磨した後、実施例1と同様の条件で傾斜面を形成し、これを種結晶とする。それ以外は、実施例1と同様の方法で第2の窒化物半導体を成長させ、窒化物半導体基板を得る。
本実施例では、実施例1と同程度の品質の第2の窒化物半導体及び窒化物半導体基板を得ることができる。本実施例の方法を繰り返すことで種結晶の再利用が可能であり、窒化物半導体基板の製造コストを下げることができる。
<実施例3>
本実施例では、実施例1及び実施例2で使用した種結晶の(000−1)面側を研磨し、表面とする。表面である(000−1)面及びその側面を露出させた状態で、250℃のKOH−NaOH融液中で10分間エッチング処理を行う。これにより、表面と傾斜面で構成される傾斜角度が150°であり、表面の直径が49.8mm、裏面の直径が50mm、厚さ0.99mmの図1に示すような種結晶10が得られる。それ以外は実施例1と同様にして第2の窒化物半導体を成長させる。
本実施例でも、実施例1と同程度の品質の第2の窒化物半導体を得ることができ、種結晶の表面よりも大きい主面を有する窒化物半導体基板を得ることができる。
<実施例4>
実施例1で得られる第2の窒化物半導体の(000−1)面を研磨し、略垂直面が{10−10}面で、主面の対角線の長さ60mmの六角柱状に加工し、実施例1と同様の条件で傾斜面を形成し、これを種結晶とする。これにより、表面と傾斜面で構成される傾斜角度が150°であり、表面の対角長が59.5mm、裏面の対角長が60mm、厚さ0.4mmの種結晶10が得られる。それ以外は、実施例1と同様の方法で、第2の窒化物半導体を成長させ、窒化物半導体基板を作製する。
本実施例で得られた第2の窒化物半導体は、その上面21が(000−1)面、成長側面22が{10−11}面で構成された逆六角錐台形状であり、実施例1乃至3と同程度の品質の第2の窒化物半導体及び窒化物半導体基板を得ることができる。また、本実施例では、直径が65mmと、実施例1と比較してより大きな主面を有する窒化物半導体基板を得ることができる。
<実施例5>
実施例1で得られた窒化物半導体基板のうち、直径60mmのものを実施例1と同様の条件で傾斜面を形成し、種結晶とする。これにより、表面と傾斜面で構成される傾斜角度が150°であり、表面の直径が59.5mm、裏面の直径が60mm、厚さ0.4mmの種結晶10が得られる。それ以外は、実施例1と同様の方法で、第2の窒化物半導体を成長させ、窒化物半導体基板を作製する。
本実施例で得られた第2の窒化物半導体は、実施例4よりも、拡大成長する領域を大きくすることができる。また、本実施例では、直径が65mmと、実施例1と比較してより大きな主面を有する窒化物半導体基板を得ることができる。
<実施例6>
本実施例では、略垂直面が、{11−20}面となるように種結晶を作製する以外は、実施例4と同様である。
本実施例で得られた第2の窒化物半導体は、その上面21が(000−1)面、成長側面22が{10−11}面で構成された逆六角錐台形状であり、実施例1乃至5と同程度の品質のものを得ることができる。また、本実施例では、種結晶より拡大成長した領域を実施例5よりも大きくすることができる。
<実施例7>
本実施例では、{0001}面を主面とし、(000−1)面を[11−20]方向に2°のオフ角を有している直径50mm、厚み1.5mmの円柱形のGaN基板を準備する。CLマップ測定により求めたこのGaN基板の主面の転位密度は1×10個/cmである。このGaN基板の(000−1)面を研磨し表面とする。表面である(000−1)面及びその側面を露出させた状態で、KOHとNaOHがモル比1:1の250℃の融液中で30分間エッチング処理を行う。これにより表面と傾斜面で構成される傾斜角度が150°であり、表面の直径が49.5mm、裏面の直径が50mm、厚さ1mmの図1に示すような種結晶10が得られる。
続いて、MOCVD反応炉内のサセプター上に、種結晶10を配置する。成長炉内を圧力60kPaにコントロールしながら、N及びHの混合ガスをキャリアガス、NH、TMGを原料ガスとして、1200℃の温度で、30日間、MOCVD法により種結晶の(000−1)面側に成長を行い、成長厚み約5mmの第2の窒化物半導体を成長する。その後、原料ガスの供給を停止し、キャリアガス雰囲気中で室温まで降温し、反応炉から取り出す。これにより、図2に示すような第2の窒化物半導体20が得られる。
得られた第2の窒化物半導体は、その上面21が(000−1)面、成長側面22が{10−11}面で構成された逆六角錐台形状であり、種結晶の表面11及び裏面15よりも第2の窒化物半導体上面21面積が大きくなっている。また、種結晶の表面直上に形成された第2の窒化物半導体の上面の転位密度をCLマップ法で測定すると、1×10個/cmであり、種結晶の転位密度に対して約1桁低減している。さらに、種結晶表面よりも面積が拡大している領域の第2の窒化物半導体の上面における転位密度は1×10個/cmである。
なお、種結晶10と第2の窒化物半導体20の界面(図2中の点線部分)で切断し、第2の窒化物半導体のみを切り出す。図3に示すように、第2の窒化物半導体の上面21と平行な方向にワイヤーソーで6枚に分割し、外周加工および両面研磨を行い窒化物半導体基板を作成する。
完成した窒化物半導体基板は、直径50〜60mmであり、主面は、{0001}面である。
<実施例8>
本実施例では、第2の窒化物半導体の成長時に、ドーピングガスとしてSiHを添加する以外は実施例7と同様にして第2の窒化物半導体を成長させ、窒化物半導体基板を作製する。
本実施例では、実施例7と同様の第2の窒化物半導体及び窒化物半導体基板を得ることができる。得られた第2の窒化物半導体のキャリア濃度を測定すると、n型で1×1019/cmであり、導電性の窒化物半導体基板を作製することができる。
<実施例9>
本実施例では、厚みが2.5mmである以外は実施例7で用いたものと同様のGaN基板を準備し、{0001}面を研磨し、主面が{0001}面、略垂直面が{11−20}面で、主面の対向する1組の2辺の長さが50mmかつ2辺の距離が5mmの六角柱状に加工し、これを種結晶とする。このGaN基板の(000−1)面及びその略垂直面を露出させた状態で、KOHとNaOHがモル比1:1の250℃の融液中で30分間エッチング処理を行う。これによりGaN基板は{0001}面及び{11−20}面全面がエッチングされ、表面と傾斜面で構成される傾斜角度が150°であり、表面の対角長が49.5mm、裏面の対角長が50mmかつ2辺の距離が5mm、厚さ2mmの種結晶が得られる。それ以外は、実施例7と同様の方法で、第2の窒化物半導体を成長させる。
得られた第2の窒化物半導体は、その上面21が(000−1)面で構成された逆六角錐台形であり、特に種結晶の{11−20}面に成長した部分が板状に発達している。また、第2の窒化物半導体の上面の転位密度をCLマップ法で測定すると種結晶の{11−20}面上に板状に発達した部分は1×10個/cm程度であり、種結晶の転位密度よりも減少している。
<実施例10>
本実施例は、{10−10}面を主面とする種結晶を用いる。具体的には、GaN基板の{10−10}面を研磨し、その際に機械加工によって傾斜面12を形成し、その後、KOHとNaOHがモル比1:1の250℃の融液中で30分間エッチング処理を行うことで、種結晶において表面と傾斜面で構成される傾斜角度が135°であり、表面の直径が48mm、裏面の直径が50mm、厚さ1mmの種結晶が得られる。
その後、実施例1の方法で第2の窒化物半導体の成長を行い、窒化物半導体基板を作製する。
本実施例では、実施例1と同様の第2の窒化物半導体及び窒化物半導体基板を得ることができる。
<実施例11>
本実施例は、種結晶の表面として、(000−1)面が[11−20]方向に10°傾斜したものを用いる以外は実施例1と同様である。本実施例では、実施例1と同等の品質の第2の窒化物半導体が得られる。
<実施例12>
本実施例は、種結晶の表面として、(000−1)面が[10−10]方向に1°傾斜したものを用いる以外は実施例1と同様である。本実施例では、実施例1と同等の品質の第2の窒化物半導体及び窒化物半導体基板が得られる。
<実施例13>
本実施例は、種結晶の表面として、(000−1)面が[11−20]方向及び[10−10]方向に1°傾斜したものを用いる以外は実施例1と同様である。本実施例では、実施例1と同等の品質の第2の窒化物半導体及び窒化物半導体基板が得られる。
<実施例14>
本実施例は、図5(b)のような種結晶を用いる。具体的には、厚さが80μmである点以外は、実施例1と同様のGaN基板を用いて同様の条件でエッチングを行う。得られる種結晶は、図5(b)に示すように、側面全体が傾斜したものである。
その後、実施例1と同様に第2の窒化物半導体を成長させることで、実施例1と同等の品質の第2の窒化物半導体及び窒化物半導体基板を得ることができる。
<比較例1>
本比較例では、第2の窒化物半導体を成長させる前にエッチングしない以外は実施例1と同様にして第2の窒化物半導体を成長させる。
その結果、得られた第2の窒化物半導体の表面は粗面となっており、対角線の長さが1〜5mm程度の六角板状、六角柱状及び六角錐状の混在したGaNの雑晶が上面に形成されていた。また、第2の窒化物半導体は多結晶化していたため、種結晶や窒化物半導体基板として用いることができなかった。得られた第2の窒化物半導体の断面を観察したところ、種結晶との境界付近を基点に転位が多量に発生していた。
<実施例15>
実施例8で得られた窒化物半導体基板31を用いて図4に示すような窒化物半導体レーザ素子30を作製する。
具体的には、実施例8で得られた窒化物半導体基板31の(0001)面上に、MOCVD装置を用いてSiをドープしたAlGaNを2.5μm、アンドープのGaNを170nmの膜厚で成長させn型窒化物半導体層とする。
続いて、SiをドープしたIn0.02Ga0.98Nよりなる障壁層を14nm、アンドープのIn0.07Ga0.93Nよりなる井戸層を8nmの膜厚で成長させ、この障壁層、井戸層を2回繰り返して積層し、最後に障壁層を形成して、総膜厚58nmの多重量子井戸(MQW)からなる活性層を成長させる。
続いて、MgをドープしたAlGaN層を10nm、アンドープGaN層を0.15μmの膜厚で成長させる。さらに、アンドープAlGaN層を2.5nm、MgドープGaN層を2.5nmを繰り返して、総膜厚0.45μmの超格子層を成長させる。最後に、MgドープしたGaN層を15nmの膜厚で成長させ、p型窒化物半導体層とする。
得られた窒化物半導体を成長させたウェハを反応容器から取り出し、最上層の表面に、所定の形状のマスクを介して、ストライプ状のSiOよりなる保護膜を形成し、RIE(反応性イオンエッチング)を用い、p型半導体層の途中までエッチングを行い、幅2.0μmのストライプ状のリッジを形成する。
続いて、リッジの表面以外の窒化物半導体層の表面に、ZrO膜を1000nm形成する。
p型半導体層のリッジ最表面に、ストライプ状のNi/Au/Ptを順に形成し、p側電極とする。p側電極上にp側パッド電極を形成する。一方、Ti/Pt/Auを順に形成してなるn側電極を、窒化物半導体基板31の裏面に形成する。
その後、窒化物半導体基板31を劈開してバー状とし、そのバーの劈開面に共振面を作製する。共振面作製後、さらに共振面に垂直な方向でバー状のウェハを切断して窒化物半導体レーザ素子とする。
以上のようにして得られた窒化物半導体レーザ素子は、良好な寿命特性を示す。
本発明の製造方法は、発光ダイオード、レーザダイオード、フォトダイオード、HEMT等の種々の電子デバイスに用いられているIII−V族の窒化物半導体基板を製造することができる。
10:種結晶、11:表面、12:傾斜面、13:略垂直面、14:側面、15:裏面、20:第2の窒化物半導体、21:上面、22:成長側面、22a:成長側面の端部、30:窒化物半導体レーザ素子、31:窒化物半導体基板

Claims (13)

  1. 表面と、傾斜面を有する側面とを備える窒化物半導体からなる種結晶の前記表面及び側面上に第2の窒化物半導体を成長させる成長工程を有し、前記成長させた第2の窒化物半導体の上面の面積が、前記表面の面積よりも大きくなるように窒化物半導体を成長させる窒化物半導体単結晶の製造方法。
  2. 前記側面は、表面と連続する傾斜面と、傾斜面と連続する略垂直面とを有する請求項1に記載の窒化物半導体単結晶の製造方法。
  3. 表面と傾斜面のなす角は鈍角である請求項1又は2に記載の窒化物半導体単結晶の製造方法。
  4. 前記種結晶は、前記表面と対向する裏面の面積が前記表面の面積よりも大きく、前記窒化物半導体の上面の面積は、前記裏面の面積よりも大きくなるように前記第2の窒化物半導体を成長させる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の窒化物半導体単結晶の製造方法。
  5. 前記種結晶の表面は、(000−1)面を[2−1−10]方向、[−12−10]方向、[−1−120]方向、[−2110]方向、[1−210]方向もしくは[11−20]方向に20°以下で傾斜させた面である請求項1乃至4のいずれか1項の窒化物半導体単結晶の製造方法。
  6. 前記種結晶の表面は、(000−1)面を[1−100]方向、[0−110]方向、[−1010]方向、[−1100]方向、[01−10]方向もしくは[10−10]方向に20°以下で傾斜させた面である請求項1乃至5のいずれか1項の窒化物半導体単結晶の製造方法。
  7. 前記種結晶の表面は、(000−1)面である請求項1乃至4のいずれか1項の窒化物半導体単結晶の製造方法。
  8. 前記略垂直面は、{11−20}面又は{11−20}面を10°以下で傾斜させた面である請求項2乃至7のいずれか1項に記載の窒化物半導体単結晶の製造方法。
  9. 前記略垂直面は、{1−100}面又は{1−100}面を10°以下で傾斜させた面である請求項2乃至7のいずれか1項に記載の窒化物半導体単結晶の製造方法。
  10. 前記傾斜面は、前記種結晶の表面をエッチングすることにより得られる請求項1乃至9のいずれか1項に記載の窒化物半導体単結晶の製造方法。
  11. 前記成長工程は、HVPE法もしくはMOCVD法により行われる請求項1乃至10のいずれか1項に記載の窒化物半導体単結晶の製造方法。
  12. 請求項1乃至11の方法により得られる前記第2の窒化物半導体を前記種結晶から分離して得られる窒化物半導体基板であって、主面の転位密度が1×10個/cm以下である窒化物半導体基板。
  13. 請求項1乃至11の方法により得られる前記第2の窒化物半導体を前記種結晶から分離して得られる窒化物半導体基板であって、キャリア濃度が1×1018/cm以上である窒化物半導体基板。
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