JP2019094218A - Iii族窒化物単結晶積層体の製造方法及びiii族窒化物単結晶積層体 - Google Patents

Iii族窒化物単結晶積層体の製造方法及びiii族窒化物単結晶積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】 (0001)面を表面としたベース基板上に、クラウンの成長が抑制され、面内膜厚分布が改善されたIII族窒化物単結晶層を成長することで製造するIII族窒化物積層体の製造方法を提供する。【解決手段】 III族源ガスと窒素源ガスとを反応させることにより、ベース基板上にIII族窒化物単結晶を成長させるIII族窒化物単結晶積層体の製造方法であって、前記ベース基板におけるIII族窒化物単結晶を成長させる面が(0001)面であり、前記III族窒化物単結晶を成長させる面の端部に到達するIII族源ガスと窒素源ガスにおけるIII族原子量に対する窒素原子量の比(窒素原子量/III族原子量)の経時平均値が0.5〜3.0であることを特徴とするIII族窒化物単結晶積層体の製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、発光ダイオード(LED)などの光デバイスの製造に用いるIII族窒化物単結晶積層体の製造方法及びIII族窒化物単結晶積層体に関する。特に、積層体外縁部における多結晶体の形成を抑制しつつ、高い成長速度で歩留まり良く積層体を製造するための窒化アルミニウム単結晶積層体の製造方法に関する。
III族窒化物半導体(AlGaInN、X+Y+Z=1、0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1)は、直接遷移型のバンド構造を持つため、高効率な発光素子の作製が可能である。このようなIII族窒化物半導体デバイスは、有機金属気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法や分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法等の気相成長法によって、単結晶基板上にIII族窒化物半導体薄膜を結晶成長させることにより製造される。中でも、MOCVD法は、原子層レベルでの膜厚制御が可能であり、また比較的高い成長速度が得られることから、工業的には現在最も多く用いられている手法である。
また、III族窒化物半導体薄膜を結晶成長させる単結晶基板としては、昇華(PVT:Physical Vapor Transport)法やハイドライド気相エピタキシー(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)法等の公知の結晶成長方法で得られた窒化ガリウム(GaN)や窒化アルミニウム(AlN)等のIII族窒化物単結晶基板が用いられている。PVT法は、固体のIII族窒化物を高温で昇華させることで発生したIII族金属ガス(例えば、アルミニウムガス)と窒素ガスを低温のベース基板上に供給し、III族窒化物単結晶を析出させることで成長させる方法である(特許文献1参照)。高い成長速度で厚膜を成長することが可能であるというメリットがある。一方、HVPE法は、ベース基板上で、III族ハロゲン化物ガス(例えば、塩化アルミニウムガス)と窒素源ガス(例えば、アンモニアガス)とを反応させて、単結晶を製造する方法であり、PVT法に比べて成長速度は遅いものの、不純物濃度の低い単結晶を製造できるメリットがある。この両者が半導体デバイス用単結晶ベース基板の製造方法として多く用いられている(特許文献2参照)。
GaNやAlN等のIII族窒化物単結晶は、六方晶系のウルツ鉱型構造をとり、各種の結晶面を形成することが知られている。例えば、極性面である{0001}面(+c面、−c面)、非極性面である{10−10}面(m面)や{11−20}面(a面)、半極性面である{1−102}面(r面)が存在する。極性とは、原子配列の方向性を示すものである。III族窒化物単結晶において、{0001}面はIII族金属極性(例えばAlN単結晶の場合はアルミニウム極性)である(0001)面(+c面)と、その反対側の面であり、窒素極性面である(000−1)面(−c面)を含む。具体的には、III族金属原子から垂直上側に窒素原子を配置する結晶をIII族金属極性といい、反対に窒素原子から垂直上側にIII族金属原子を配置する結晶を窒素極性という。(0001)面とその反対側の(000−1)面は異なる特性をもつ。
例えば、AlN単結晶のアルミニウム極性面においては、表面に現れる1つの窒素原子が1つのアルミニウム原子と結合しており、窒素極性面においては、表面に現れる1つの窒素原子が3つのアルミニウム原子と結合している。窒素極性面上にIII族窒化物半導体を成長する場合、成長中に飛来するIII族原子に対して窒素原子の結合手が1本しかないため結合力が弱くなることから成長速度が遅い。また、同様の理由からIII族空孔などを形成しやすく、アルミニウム極性面上にIII族窒化物半導体層を成長する場合に比べて結晶品質が劣る場合がある。
以上のことから、窒素極性面を半導体薄膜の成長面として用いることは不適となる場合があるため、一般的にはIII族金属極性面上に前記III族窒化物半導体薄膜を成長させて窒化物半導体素子が製造されている。
WO2012063853 特許第3803788号 特開2013−222902号公報 特開2007−320849号公報 特許5446945号
窒化物半導体素子を効率良く製造するためには、1枚の単結晶基板上にIII族窒化物半導体薄膜を積層させて得られたウェーハからできるだけ多くの窒化物半導体素子を切り出せることが必要であり、このため、直径の大きなIII族窒化物単結晶基板が要望されている。しかしながら、III族窒化物単結晶基板の製造にあたり、ベース基板上にIII族窒化物単結晶層を成長する際に、III族窒化物単結晶層の端部または外縁部に、III族窒化物多結晶が、単結晶層表面に対して凸状に成長する場合があることが知られている。この多結晶はクラウンと呼ばれ、成長させる単結晶層の膜厚が大きくなるほど顕著となる。クラウンとその付近の領域は、他の領域と比較して、結晶品質が悪く、半導体素子製造用基板として使用することができないため、クラウン発生部を切断した後、III族窒化物半導体薄膜を成長させる必要があり、1枚の単結晶基板から得られる素子数の低下や、クラウン発生部を切断するための工程が増加する等、生産性の点で課題があった。
さらに、III族窒化物単結晶層を厚膜化した際には、成長時間の増加に伴いクラウンが大きく発達し、基板表面への原料ガスの供給を阻害するため、クラウンに近い領域の単結晶成長速度が低下し、得られたIII族窒化物単結晶層は、中心部の膜厚に比べ、外周部の膜厚が小さくなり、面内膜厚分布が悪化するという問題もあった。特にクラウンの発生は、(0001)面のAlN単結晶層を成長させる際に顕著に起こる現象であり、膜厚の大きな(0001)面のIII族窒化物単結晶層を得る際の課題となっている。
III族窒化物単結晶層を得る際のクラウン発生を抑制させる方法としてこれまで種々の方法が提案されている。例えば、特許文献3では、III族窒化物成長時のクラウン発達の抑制のため、ベース基板の外周部周囲に窒化物を含む多結晶体を配置し、該多結晶体にIII族窒化物を析出させることで基板外周部の過飽和度を下げる方法が示されている。しかし、この方法によると、クラウンの発達速度は低減できるが、周囲の多結晶体にクラウン同様の大きな凸部が発達するため、原料ガス供給の阻害を低減させることに関しては、さらなる改善の余地があった。
また、特許文献4には、所定の深さを有する種基板収容部を有するサセプタにGaN種基板を収容して成長することにより、GaN単結晶側面におけるGaN多結晶成長を抑制できると記載されている。しかし、この場合にも、クラウンの発達速度は低減できるが、種基板収容部の角にクラウン同様の大きな凸部が発達するため、原料ガス供給の阻害を低減させることに関しては、さらなる改善の余地があった。
また、特許文献5では、(000−1)面を表面とし、傾斜面を有する側面を備えたベース基板を用いて成長した窒化物半導体の表面が、該ベース基板の表面より大きくなるように成長する製造方法が示されている。しかし、該方法を用いても、クラウンの発生により、表面積が大きくならない場合があった。さらに、前述したように、半導体素子製造用基板を製造する場合、表面は(0001)面であることが好ましいが、特許文献5の方法は、(0001)面上の成長には不適であった。
すなわち本発明の目的は、(0001)面を表面としたベース基板上に、クラウンの成長が抑制され、該単結晶層の面内膜厚分布が改善されたIII族窒化物単結晶層を成長することで製造するIII族窒化物単結晶積層体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、ベース基板上へIII族窒化物単結晶を成長させる際の成長条件について検討した。その結果、原料ガスである窒素源ガスとIII族源ガスの窒素原子量とIII族原子量の比について、各々のガス供給管より供給される比と実際にベース基板に到達する比が大きく異なる場合があること、さらに、ベース基板に到達する窒素原子量とIII族原子量の比と、クラウンの成長に相関があるという知見を得た。そこで、さらに検討を進めた結果、ベース基板上に到達する窒素原子量とIII族原子量の比を特定の範囲とすることでクラウンの発生を抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、第1の本発明は、III族源ガスと窒素源ガスとを反応させることにより、ベース基板上にIII族窒化物単結晶を成長させるIII族窒化物単結晶積層体の製造方法であって、前記ベース基板におけるIII族窒化物単結晶を成長させる面が(0001)面であり、前記III族窒化物単結晶を成長させる面の端部に到達するIII族源ガスと窒素源ガスにおけるIII族原子量に対する窒素原子量の比(窒素原子量/III族原子量)の経時平均値が0.5〜3.0であることを特徴とするIII族窒化物単結晶積層体の製造方法である。
本発明の製造方法では、以下の態様が好適に採り得る。
(1)前記ベース基板の、III族窒化物単結晶を成長させる面の中心におけるラマン分光分析によって検出されるE highピークの半値幅に対する、端部から10μm内側の位置における該半値幅の比の値(端部から10μmの位置の半値幅/中心の半値幅)が1.2以下である基板であること。
(2)前記III族源ガスと窒素源ガスと共にハロゲン化水素ガス、及びハロゲンガスから選ばれる少なくとも1種のハロゲン系ガスを供給すること。
さらに本発明の第2の発明は、ベース基板上にIII族窒化物単結晶層が積層した積層体であって、前記III族窒化物単結晶層の面積が前記ベース基板の面積よりも大きく、
前記III族窒化物単結晶層の膜厚の最大値が500μm以上であり、且つ、前記III族窒化物単結晶層の表面の端部から中心にかけての幅1mmの領域を除く領域における、最大膜厚に対する最小膜厚の比の値が0.7以上であるIII族窒化物単結晶積層体である。
本発明のIII族窒化物単結晶積層体の製造方法によれば、ベース基板のIII族窒化物単結晶を成長させる面が(0001)面の場合においてもクラウンの発生を抑制できるため、外周領域の成長速度を向上させ、III族窒化物単結晶層の面内膜厚分布を改善することができる。これにより、成長時間を少なくすることができ、生産性が向上する。本発明の製造方法で得られるIII族窒化物単結晶積層体は、ベース基板上に成長させたIII族窒化物単結晶層の表面の面積がベース基板のIII族窒化物単結晶を成長させる面の面積よりも大きくなるように成長させることができるため、得られたIII族窒化物単結晶層を半導体素子製造用基板として有効に用いることができる。
本発明で用いるベース基板の概略図である。 本発明の製造方法に用いる縦型気相成長装置の一例の概略図である。 本発明の製造方法に用いる横型気相成長装置の一例の概略図である。
<III族窒化物単結晶積層体の製造方法>
本発明のIII族窒化物単結晶積層体の製造方法は、ベース基板におけるIII族窒化物単結晶を成長させる面(以下「結晶成長面」とも言う)が(0001)面であり、さらに、前記結晶成長面の端部に到達するIII族源ガスと窒素源ガスにおけるIII族原子量に対する窒素原子量の比の値(窒素原子量/III族原子量、以下「V/III値」とも言う)の経時平均値が0.5〜3.0であることが特徴である。このような本発明の製造方法によって上記結晶成長面が(0001)面の場合においてもクラウンの発生を抑制できる理由について詳細は不明であるが、本発明者らは以下のとおり推測している。
すなわち、ベース基板の結晶成長面上における窒素源ガスとIII族源ガスの反応によりIII族窒化物単結晶層が成長するが、この時、単結晶の成長は結晶成長面に対して鉛直方向に進行する。しかしながら、結晶成長面と、結晶成長面の側面とが接するベース基板の端部においては、結晶成長方向が定まりにくく、多方向への結晶成長が生じて異常成長が生じやすい傾向にあるものと推測される。結晶成長面が(0001)面である場合には、鉛直方向は、[0001]方向(+c軸方向)、平行方向は、<11−20>方向(a軸方向)あるいは<10−10>方向(m軸方向)となる。そして、各方向における単結晶成長速度は、+c軸方向>a軸方向>m軸方向であることから、このような成長速度差を考慮せずにIII族窒化物単結晶の結晶成長を行うと、多方向への結晶成長が生じて異常成長が生じやすく多結晶体が成長し、クラウンが発生するものと推測される。
一方、本発明の製造方法では、結晶成長面の端部における上記V/III値を特定の範囲とすることで、特にa軸方向への成長速度が向上し、端部の結晶成長における平行方向の成長速度が優勢となっているものと推測される。その結果、ベース基板に対し、形成される単結晶層の径が大きくなるように結晶成長が進行し、端部における異常成長の発生が抑制できるものと推測される。
なお一般的には、十分な結晶成長速度を担保するため、窒素源ガスとIII族源ガスは、各々のガス供給口からの供給量として、通常V/III値が1.0を超えるように供給されており、ベース基板に到達するV/III値も結晶成長に十分な値であるものと考えられていた。しかしながら、供給された窒素源ガスとIII族源ガスは、反応系内の温度、キャリアガスの存在や、各々のガスの拡散速度の違い等の要因によって、結晶成長面に到達するV/III値が大きく低下する場合があることが、本発明者らの検討により明らかとなった。そこで、結晶成長面の端部に到達するV/III値を制御することによって、初めてクラウンの発生が抑制できたものと推測される。
図1は、本実験の製造方法に用いるベース基板の概略図を示したものである。ベース基板1は、III族窒化物単結晶層を成長させる面(結晶成長面)2と、該結晶成長面2に対して略垂直である側面4を有する。また、該結晶成長面2と該側面4とが接する端部5、及び該結晶成長面2において、該端部5から該結晶成長面2の中心にかけて1mmの幅をもつ領域である外縁部3を有する。
上記結晶成長面の端部に到達するV/III値は、反応装置の形状、ベース基板と原料ガスノズルとの距離、該ノズルから供給されるガスの線速度、反応装置内の温度環境等によって大きく異なるため、製造に先立って、用いる反応装置、反応条件に応じた流体解析等を実施し、上記範囲となる様、V/III値の値を決定すれば良い。
また、結晶成長装置の構造や、結晶成長条件によっては、ベース基板を指示する支持台を回転させながら、すなわち、ベース基板を回転させながら結晶成長を行うことや、或いは、III族源ガスと窒素源ガスの供給量を変化させながら結晶成長を行うことも考えられる。本発明の製造方法においては、結晶成長時に結晶成長面の端部に到達するV/III値の経時平均値を0.5〜3.0の範囲とすることが必要である。V/III値の経時平均値が0.5より低い場合には、クラウンの形成速度が増加し、3.0より高い場合には、III族窒化物単結晶層の結晶品質が低下するため、好ましくない。
V/III値の経時平均値は、ベース基板を回転させずに一定の供給量でIII族源ガスと窒素源ガスを供給する場合には一定値であるが、ベース基板を回転させながら結晶成長を行う場合、あるいは、III族源ガスと窒素源ガスの供給量を変化させながら結晶成長を行う場合には、V/III値は経時的に変化する。ベース基板を回転させながら結晶成長を行う場合の端部に到達するV/III値の経時平均値は、端部に到達するV/III値の最大値と最小値の平均が経時平均値となる。一方III族源ガスと窒素源ガスの供給量を変化させながら結晶成長を行う場合には、端部全域に到達するV/III値と該値で供給される時間の加重平均値が経時平均値となる。
高い結晶成長速度を得、効率的に高品質な単結晶層を得ることができる観点から、結晶成長面の端部に到達するV/III値の経時平均値は、0.6〜2.8、特に0.7〜2.5であることが好ましい。
上記本発明の製造方法における結晶成長方法はIII族源ガスと窒素源ガスとを反応させることにより、ベース基板上にIII族窒化物単結晶を成長させる方法であり、かかる結晶成長方法として、公知の方法を採用することができる。結晶成長方法として具体的には、固体のIII族窒化物を加熱して昇華することにより、III族金属ガスをIII族源ガスとして、窒素ガスを窒素源ガスとして用いるPVT法や、III族ハロゲン化物ガスをIII族源ガスとして用いるHVPE法、III有機物ガスをIII族源ガスとして用いるMOCVD法などがある。なかでも、不純物濃度が低いIII族窒化物を比較的高速で成長できるHVPE法を用いることが好ましい。
<ベース基板>
本発明の製造方法において用いるベース基板としては、III族窒化物単結晶層を成長させる面が(0001)面であれば特に制限されず、公知の基板を用いることができるが、均一な結晶成長が可能である点から、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムガリウム等の混晶等のIII族窒化物単結晶であることが好ましい。特にベース基板としては、転位やクラックを抑制する観点から成長させるIII族窒化物単結晶層と同種のIII族窒化物単結晶を用いることが好ましい。
ベース基板の形状は、円形、多角形、楕円形など、任意の形状でよい。ただし、本発明の製造方法においては、ベース基板端部が<11−20>方向に成長し、最終的には{10−10}面を側面とした六角形で安定する。そのため、該ベース基板の側面は{10−10}面以外であることが好ましい。ただし、基板の向きを判断するために基板の一部にオリエンテーションフラットやインデックスフラット、あるいは切り欠きを形成することができ、これらによって側面の一部が{10−10}面となってもよい。
結晶成長面の外縁部の結晶品質が低い場合、外縁部においても結晶成長の方向が安定しにくい傾向があり、多結晶体が生成しやすい傾向にある。従って、本発明において用いるベース基板としては、均一な単結晶層を得る観点から結晶成長面の結晶性の面内均一性が高いことが好ましい。ベース基板の結晶性の乱れは、ベース基板の加工(すなわち、所定の大きさに切断、研磨)時に生じやすく、ベース基板の端部あるいは外縁部において生じやすい。
結晶性は、ラマン分光分析によって検出されるE highピークの半値幅で評価することができる。端部から中心にかけて10μmより外側の領域は、特に傾斜面を有している場合などには表面形状が安定しておらず、ラマン分光分析においてレーザーの焦点を合わせることが困難であり、測定が正確にできない場合がある。従って、測定可能で端部に近い地点のE highピークの半値幅によって、ベース基板の結晶性の面内均一性を評価することができる。
一般的に、外縁部は加工の影響でダメージ層が残りやすく、結晶成長面の中心に比べて該半値幅が大きい。本発明においては、結晶成長面の中心におけるラマン分光分析によって検出されるE highピークの半値幅に対する、端部から10μm内側の位置における該半値幅の比の値(端部から10μm内側の位置の半値幅/中心の半値幅)が1.2以下である基板であることが好ましい。上記ベース基板を使用することにより、外縁部の異常成長を抑制できる。 E highピークの半値幅評価は市販の顕微レーザーラマン分光光度計を使用することが可能である。例えば、励起レーザーとして波長531.98nmのレーザーを使用し、0.5cm−1以下の波数分解能を得られるようにスリット幅やグレーティングを調整する。測定に際しては、励起レーザー出力を10mW程度に調整し、対物レンズ100倍を用いて測定スポットを直径約1μmとして励起レーザーを照射して局所的なラマンスペクトルを測定する。得られたスペクトルにおけるE highピークの半値幅を算出する。E highピークは、窒化アルミニウム単結晶の場合、657.4cm−1に検出される。基板が有する応力によって該ピークの検出波数は前後することもある。
さらに、ベース基板の端部におけるチッピングや成長時のガス流れの乱れを抑制するという観点から、前記ベース基板の外縁部に傾斜面を有することが好ましい。該傾斜面は結晶面であっても結晶面でなくてもよく、該傾斜面の幅や深さは任意の距離でよい。
さらに、本発明において用いるベース基板としては、表面において安定したステップフロー成長を促進させ結晶品質を向上することができるほか、製造したIII族窒化物単結晶積層体を、素子製造用基板として用いる場合に容易にエピレディの状態とすることができるとの観点から、オフ角を有していてもよい。オフ角の範囲としては、±10°以下、より好ましくは、0.05°以上4°以下、さらに好ましくは0.1°以上2°以下である。
このようなベース基板はPVT法、HVPE法など公知の方法で製造される。製造したブールを、ワイヤーソーなどで切断して基板状にしたあと、該基板表面をCMPして平坦化した基板をベース基板とすることが好ましい。切断後には外縁部に、がたつきが生じていたり、空隙が生じていたりする場合が多く、これらはクラウン成長を促進する要因となる。そのため、表面のCMPを行う前または後に、切断や面取りにより基板外縁部の該がたつきや空隙を除去することが好ましい。ただし、切断や面取りによって外縁部にダメージが入ったり表面に傷が入ったりする場合があるため、これらの加工はCMPの前に行うことが好ましい。
<結晶成長装置>
本発明の製造方法に用いる製造装置としてしては、気相成長法に用いる公知の製造装置を用いることができる。係る製造装置として具体的には、ベース基板を載置する支持台に対し、鉛直方向より、III族源ガスと窒素源ガスを供給する縦型製造装置や、該支持台に対し平行方向よりIII族源ガスと窒素源ガスを供給する横型製造装置等が挙げられる。
図2は、本発明の製造方法に用いる縦型気相成長装置の一例の概略図である。図2に示す装置10は、反応管11と、反応管の内部に配置されたベース基板1、ベース基板1が設置された、回転可能な基板支持台(サセプタ)12を有する。サセプタは、局所加熱手段により加熱される。ベース基板の上方からベース基板表面へIII族源ガスを吹き出すIII族源ガス供給口13と窒素源ガスを吹き出す窒素源ガス供給口14を有するシャワーヘッド型の原料ガス供給ノズル15を有する。また、窒素源ガスとIII族源ガスを基板表面へ効率よく供給するためのプッシングガスを供給する、プッシングガス供給ノズルを有する。
上記図2の縦型気相成長装置は、ベース基板に対し鉛直方向より、III族源ガスと窒素源ガスを供給する製造装置であるが、図3に示すようなベース基板に対し平行方向よりIII族源ガスと窒素源ガスを供給する横型気相成長装置を採用する場合には、ベース基板の結晶成長面端部に到達するIII族源ガスと窒素源ガスのV/III値は上記ガスの供給口に近い箇所と遠い箇所で異なる傾向にある。このため端部全体に到達するV/III値を均一化し、均一な単結晶層を得られやすい点から、支持台を回転させながら、すなわちベース基板を回転させながら結晶成長を行うことが好ましい。支持台の回転速度は、III族窒化物単結晶の大きさや成長速度に応じて適宜決定すれば良い。回転数が低すぎると、V/III値の平均化効果が薄く、高すぎるとIII族窒化物単結晶の結晶性に影響を及ぼす傾向にあるため、通常5〜50rpmの範囲で適宜決定すれば良い。
<III族源ガス>
本発明の製造方法に用いるIII族源ガスは、特に制限されるものではなく、III族窒化物単結晶を製造する際に使用される、公知の原料ガスを使用すればよい。その中でも、本発明の効果が顕著となるのは、アルミニウムを含むIII族源ガスを用いた場合である。例えば、HVPE法の場合、塩化アルミニウムガスやヨウ化アルミニウムガス等のハロゲン化アルミニウムガスが用いられる。ハロゲン化アルミニウムガスは、反応性が高く、高い成長速度を得ることができるため、本発明で使用する原料ガスに好適である。
例えば、ハロゲン化アルミニウムガスは、固体のハロゲン化アルミニウムを気化させて供給してもよく、金属アルミニウムを塩化水素ガスや塩素ガス等の原料生成用ハロゲン系ガスと反応させることによりハロゲン化アルミニウムガスを得てもよい。金属アルミニウムからハロゲン化アルミニウムガスを製造する場合には、ハロゲン化アルミニウムガスの原料となるアルミニウムとしては、純度が99.99%以上の固体を使用することが好ましい。固体のアルミニウムの寸法及び形状は特に制限されるものではないが、実際に使用する装置において、アルミニウムと原料生成用ハロゲン系ガスとの接触効率、ハロゲン系ガスの流通のしやすさ等を考慮すると、例えば直径0.1〜10mmであって長さ0.1〜10mmのペレット形状のものを好適に使用できる。
また、アルミニウムを含む有機金属ガスと原料生成用ハロゲン系ガスとの反応を利用してハロゲン化アルミニウムガスを得てもよい。
III族源ガスは、キャリアガスと共にベース基板上に供給することが好ましい。キャリアガスとしては、水素ガス及び/又は各種の不活性ガスを用いることができる。キャリアガスは1種類のガスを使用することもできるし、2種類以上のガスを混合して使用することもできる。中でも、III族窒化物単結晶の製造に悪影響を与えないという点で、キャリアガスには、水素ガス、及び窒素ガスから選ばれる1種類以上を用いることが好ましい。III族源ガスをキャリアガスで希釈された状態で供給する場合には、III族源ガスの濃度が例えば0.0001〜50体積%とすればよい。III族源ガスの供給量は、例えば0.005〜500sccmとすることができる。
<窒素源ガス>
本発明の製造方法に用いる窒素源ガスとしては窒素を含有する反応性ガスが採用されるが、コストと取り扱いやすさの点でアンモニアガスを使用することが好ましい。
この窒素源ガスは、通常、下記のキャリアガスに適宜希釈して、ベース基板上へ供給される。上記キャリアガスと共にベース基板上へ供給する場合は、装置の大きさ等により、窒素源ガスの供給量、キャリアガスの供給量を決定すればよい。
III族窒化物単結晶の製造のし易さ等を考慮すると、キャリアガスの供給量は10〜10000sccmの範囲とすることが好ましく、さらに、50〜5000sccmの範囲とすることが好ましい。窒素源ガスの濃度は、該キャリアガスに対して、0.001体積%以上90体積%以下の範囲から実用的な濃度を選択すればよい。また、窒素源ガスの供給量は0.01〜1000sccmの範囲とすることが好ましい。
<ハロゲン系ガス>
本発明の製造方法においては、III族源ガスと窒素源ガスと共にハロゲン化水素ガス、及びハロゲンガスから選ばれる少なくとも1種のハロゲン系ガスを含むことが好ましい。ハロゲン系ガスをIII族源ガスと窒素源ガスと共に供給することにより、III族窒化物単結晶を成長する際に、外縁部において多結晶を分解し、クラウンの成長速度を抑制する効果を有する。ハロゲンガスとしては塩素ガス、臭素ガスが挙げられる。また、ハロゲン化水素ガスとしては塩化水素ガス、臭化水素ガス等が挙げられる。中でも、ガス配管に対する腐食性の低さ、取り扱いやすさ及び経済性を考慮すると塩化水素ガスを使用することが好ましい。ハロゲン系ガスは、III族源ガス供給ノズルから、III族源ガスとともに供給することも可能であるし、窒素源ガス供給ノズルから、窒素源ガスとともに供給することも可能である。また、別途配置されたハロゲン系ガス供給ノズルから、ハロゲン系ガス単独またはハロゲン系ガスおよび上記キャリアガスを供給しても良い。さらには、基板上へ吹き出すように配置されたノズルでなくとも、成長部上流側全体から供給しても良いし、サセプタの下側に配置された供給口により、サセプタ周りから上方に向かって供給しても良い。該ハロゲン系ガスの供給量は、上記III族源ガスの供給量に対して、100〜5000体積%であることが好ましく、500〜3000体積%であることがより好ましい。
<プッシングガス>
本発明において、III族源ガス、及び窒素源ガスの原料ガスを反応器内のベース基板上へ効率よく、所定のV/III値で供給するためには、III族源ガス、及び窒素源ガスを供給するために用いるキャリアガスとは別に、反応器内にプッシングガスを供給して該原料ガスの流れを形成することが好ましい。プッシングガスの供給流路としては、III族源ガス、及び窒素源ガスの流路制御の点から、成長部上流側全体から供給するか、III族源ガス、及び窒素源ガスの供給管の外周部に設けることが好ましい。プッシングガスとしては、水素ガス及び/又は各種の不活性ガスを用いることができる。プッシングガスは1種類のガスを使用することもできるし、2種類以上のガスを混合して使用することもできる。中でも、III族窒化物単結晶の製造に悪影響を与えないという点で、プッシングガスには、水素ガス、及び窒素ガスから選ばれる1種類以上を用いることが好ましい。プッシングガス供給量は、反応器の容積に応じて適宜決定することができるが、一般的には例えば50〜50000sccmであることが好ましく、100〜10000sccmであることがより好ましい。また、あらかじめ精製器を用いて酸素、水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素等の不純ガス成分を除去しておくことが好ましい。
<ベース基板の温度>
結晶成長時のベース基板の温度(成長温度)は、特に制限されるものではなく、公知の条件を採用することができる。具体的には、成長温度は1000〜1700℃であることが好ましい。中でも、ハロゲン化アルミニウムガスを使用したアルミニウム系III族窒化物単結晶、特に、窒化アルミニウム単結晶を製造する場合には、ベース基板の温度(成長温度)は1200〜1600℃であることが好ましい。この場合、ハロゲン化アルミニウムガスの供給量としては、0.001〜100sccmの範囲とすることが好ましい。
<III族窒化物単結晶の成長速度>
ハロゲン化アルミニウムガスは、アルミニウム系III族窒化物単結晶の成長速度が10μm/h以上、より好ましくは15μm/h以上となるよう、十分な量を供給することが好ましい。なお、結晶性を高める観点から、結晶の成長速度の上限値は100μm/h以下であることが好ましいが、外部からベース基板を加熱する手段を設けた場合には、100μm/h以上とすることも可能である(外部からの加熱手段を設けた場合の成長速度の上限値は300μm/h程度である)。
<反応器内の圧力>
使用する原料等に応じて適宜決定すればよいが、III族窒化物単結晶の成長中、反応器内部の圧力は0.2〜1.5atmの範囲とすることが好ましい。
<III族窒化物単結晶の成長後の冷却>
III族窒化物単結晶の成長後の冷却は、ベース基板に応力やクラックが発生しない速度が好ましい。具体的には、10分〜15時間で、処理効率を考慮すると、30分〜6時間が好ましい。
<III族窒化物単結晶積層体>
上記本発明のIII族窒化物単結晶積層体の製造方法によれば、ベース基板の結晶成長面が(0001)面の場合においてもクラウンの発生を抑制できるため、外周領域の成長速度を向上させ、III族窒化物単結晶層の面内膜厚分布を改善することができる。
ここで、III族窒化物単結晶層の端部や外縁部に発生するクラウン成長の評価は、成長による単結晶層の重量増加量に対するクラウンの重量増加量の比の値で評価できる。例えば、成長後のIII族窒化物積層体の重量から、あらかじめ測定しておいたベース基板の重量を差し引くことにより、単結晶層の重量増加量とクラウンの重量増加量の和が算出される。さらにIII族窒化物積層体からクラウンのみを研削等によって除去した後に秤量することで、単結晶層の重量増加量とクラウンの重量増加量がそれぞれ算出される。以上の方法により、単結晶層の重量増加量に対するクラウンの重量増加量の比の値を算出することができる。
さらに、上記III族窒化物単結晶積層体は、クラウンの発生が抑制できるため、特に厚膜成長時においても、面内の膜厚分布を改善することができる。該膜厚は、ノギスやレーザー照射による板厚測定器により測定できる。III族窒化物単結晶積層体の板厚から、あらかじめ測定しておいたベース基板の板厚を差し引くことによりIII族窒化物単結晶層の膜厚を算出することができる。
本発明によれば、前記III族窒化物単結晶層の面積が前記ベース基板の面積よりも大きくすることができる。つまり、前記ベース基板の結晶成長面の面積に対する前記III族窒化物単結晶層の表面の面積の比の値を1より大きくすることができる。該比の値は、画像処理ソフトにて算出した面積や、ノギスや移動距離を測定できる顕微鏡等を使用して測定した径で求めることができる。
III族窒化物単結晶積層体は、III族窒化物単結晶層の膜厚が大きくなるほどクラウンが成長しやすい傾向にあるが、本発明の製造方法によれば、クラウンの発生を抑制できるため、前記III族窒化物単結晶層の膜厚の最大値が500μm以上であり、且つ、前記窒化物単結晶層表面の外縁部を除く領域において、最小膜厚/最大膜厚が0.7以上であるIII族窒化物単結晶積層体を得ることができる。このような本発明のIII族窒化物単結晶積層体は、半導体素子製造用基板として有効に用いることができる。
また、本発明によれば、結晶品質の高いIII族窒化物単結晶積層を成長することができる。該結晶品質は、(0002)面における、X線ロッキングカーブの半値幅(FWHM)で評価することができ、本発明によれば、該半値幅が60秒であるIII族窒化物単結晶積層を成長することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、ラマン分光分析によるE highピークの半値幅、X線ロッキングカーブの半値幅、基板端部における経時窒素原子量/III族原子量、III族窒化物単結晶重量増加量に対するクラウン重量増加量の比、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚、ベース基板の結晶成長面の面積に対するIII族窒化物単結晶層表面の面積の比は、以下の方法にて測定した。
(ラマン分光分析によるE highピークの半値幅)
顕微ラマンスペクトルのE highピーク半値幅評価は日本分光製のレーザーラマン分光光度計NRD−7100を使用した。励起レーザーとして波長531.98nmのレーザーを使用し、幅10μm×長さ1000μmスリットと、600本/mmのグレーティングを使用した。励起レーザー出力は10.8mWとして100倍の対物レンズを用いて測定スポットを直径約1μmに集光した後、励起レーザーを窒化アルミニウム単結晶に照射して局所的なラマンスペクトルを測定した。このときの露光時間は5秒として3回積算した。また、測定したラマンスペクトルの波数は同様の条件で測定したシリコン基板の波数521.448cm−1のラマンシフトにより校正した。測定した窒化アルミニウム単結晶のE highラマンシフトのピーク(657.4cm−1)はローレンツ関数フィッティングによりピーク波数を求め、該波数に検出されたピークの半値幅(FWHM)を算出した。
(X線ロッキングカーブの半値幅)
PANalytical社製のX線回折装置X‘Pert PRO−MRDを使用した。入射側の光学系はミラーとGe220対称4結晶モノクロメータ、Divergence slitは1/2°、クロススリットは2mm×2mmとした。受光側光学系はOpen detectorとした。X線管電圧は45kV、管電流は40mAとした。基板中心にX線が照射されるように基板を設置し、2θ、z、ωを調整した。回折面が(0002)面となるように基板角度をセットし、さらにピーク強度が最大となるようにω、chiを調整した。最後にωロッキングカーブを測定し、検出されたピークの半値幅(FWHM)を算出した。
(基板端部における経時窒素原子量/III族原子量)
下記に示す製造方法において基板上に到達する原料ガスの窒素原子量/III族原子量を流体解析にて算出した。流体解析は、汎用熱流体解析ソフトウェアのANSYS FLUENTを用い、実機を模した3D構造、各境界条件(温度、圧力、ガス種、ガス流量等)をもとに行った。伝熱・輻射に関してはDO(Discrete ordinates)モデル、流れに関しては層流モデルにて、定常熱解析を行った。
サセプタを回転して成長した場合には、該窒素原子量/III族原子量が最大値となる基板端部位置の窒素原子量/III族原子量と該窒素原子量/III族原子量が最小値となる基板端部位置の窒素原子量/III族原子量の平均値を経時N/Alとした。
(III族窒化物単結晶重量増加量に対するクラウン重量増加量の比)
ベース基板および該ベース基板上にIII族窒化物単結晶層を成長して作製したIII族窒化物単結晶積層体を秤量した。クラウンを研削除去した後、再び秤量した。クラウン除去前の前記積層体の重量とクラウン除去後の前記積層体の重量の差がクラウン重量増加量である。一方、クラウン除去後の積層体の重量とベース基板の重量の差がIII族窒化物単結晶層の重量増加量である。クラウン重量増加量をIII族窒化物単結晶層重量増加量で除することにより、III族窒化物単結晶重量増加量に対するクラウン重量増加量の比を算出した。
(外縁部を除く表面における最大膜厚に対する最小膜厚の比(最小膜厚/最大膜厚)
外縁部を除く表面において、FAシステムズ社製の非接触板厚測定器を用いて、0.5mm間隔でレーザーを照射することによりIII族窒化物単結晶積層体の板厚を測定した。各測定点における板厚からベース基板の板厚を差し引くことにより、各測定点におけるIII族窒化物単結晶層の膜厚を算出した。全測定点のうちの最小膜厚を最大膜厚で除することにより、外縁部を除く表面における最大膜厚に対する最小膜厚の比を算出した。
(ベース基板の結晶成長面の面積に対するIII族窒化物単結晶層表面の面積の比)
OLYMPUS社製の実体顕微鏡SZX7を用いて、倍率100倍でベース基板の結晶成長面を撮影した。撮影した画像をもとに、画像処理ソフトウェアImageJにより結晶成長面の面積を算出した。III族窒化物単結晶層成長後、クラウンを研削除去し、クラウン除去後の窒化物単結晶積層体において、ベース基板と同様に前記実体顕微鏡を用いて倍率100倍で撮影後、ImageJで表面の面積を算出した。III族窒化物単結晶層の表面の面積をベース基板の結晶成長面の面積で除することで、ベース基板の結晶成長面の面積に対するIII族窒化物単結晶層表面の面積の比を算出した。
(ベース基板の製造)
(ベース基板A)
ベース基板として、昇華法により製造された、厚さ500μm、表面が(0001)面、オフ角0.3°であり、表面がCMPされた直径25mmの円形の窒化アルミニウム単結晶基板を用意した。該基板はCMP前に端部の面取りを行ったため、外縁部に幅0.2mmの傾斜面を有している。該基板の中心におけるラマン分光分析によるE highピークの半値幅は3.3cm−1、端部から10μm内側の位置における該半値幅は3.5cm−1(端部から10μmの位置の半値幅/中心の半値幅=1.06)であった。該基板の表面中心の(0002)のX線ロッキングカーブの半値幅は21秒であった。該基板の結晶成長面の面積は470mmであった。
(ベース基板B)
上記ベース基板Aを側面がm面とa面になるようにダイヤモンドペンで劈開し、表面が7mm四方である正方形形状である窒化アルミニウム単結晶基板を用意した。劈開後の基板中心におけるラマン分光分析によるE highピークの半値幅は3.3cm−1、端部から10μm内側の位置における該半値幅は3.3cm−1(端部から10μm内側の位置の半値幅/中心の半値幅=1.00)であり、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が21秒であった。該ベース基板の結晶成長面の面積は49mmであった。
(ベース基板C)
ベース基板として、昇華法により製造された、厚さ500μm、表面が(0001)面、オフ角0.3°である、表面がCMPされた直径25mmの円形であり一部のm方向にオリエンテーションフラットを有する窒化アルミニウム単結晶基板を用意した。該基板はCMP前に端部の面取りを行ったため、外縁部に幅0.2mmの傾斜面を有している。該基板の中心におけるラマン分光分析によるE highピークの半値幅は3.3cm−1、端部から10μm内側の位置における該半値幅は3.8cm−1(端部から10μmの位置の半値幅/中心の半値幅=1.15)であった。該基板の表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅は21秒であった。該基板の結晶成長面の面積は470mmであった。
(ベース基板D)
ベース基板として、昇華法により製造された、厚さ500μm、表面が(0001)面、オフ角0.3°である、表面がCMPされた直径25mmの円形であり一部のm方向にオリエンテーションフラットを有する窒化アルミニウム単結晶基板を用意した。該基板はCMP前に端部の面取りを行ったため、外縁部に幅0.2mmの傾斜面を有している。該基板の中心におけるラマン分光分析によるE highピークの半値幅は3.3cm−1、端部から10μm内側の位置における該半値幅は4.5cm−1(端部から10μmの位置の半値幅/中心の半値幅=1.36)であった。該基板の表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅は21秒であった。該基板の結晶成長面の面積は470mmであった。
実施例1
ベース基板Bを用いて、図2に示す縦型気相成長装置を用いて、HVPE法にて窒化アルミニウム単結晶膜を積層した。基板はノズルの真下に設置された直径150mmのサセプタの中心に設置した。アルミニウムと塩化水素ガスを反応させて製造した三塩化アルミニウムガスをIII族源ガスとして、アンモニアガスを窒素源ガスとして用いた。III族源ガス供給口から三塩化アルミニウムガス2sccmと塩化水素ガス18sccmと水素ガス980sccm、窒素源ガス供給口からアンモニアガス2sccmと水素ガス998sccmを供給した。プッシングガス供給ノズルから窒素ガス5000sccmを供給した。サセプタを1450℃に加熱した状態で窒化アルミニウム単結晶層を成長させた。成長時間は、基板中心の窒化アルミニウム単結晶膜厚が100〜140μmになるように制御した。この時の基板外縁部上の窒素原子量/III族原子量の経時平均値は1.00であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.15であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.96であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は1.09であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が24秒であった。
実施例2
基板をサセプタの中心から40mm離れた位置に設置した以外は実施例1と同じ方法で窒化アルミニウム単結晶積層体を製造した。この時の基板外縁部上の窒素原子量/III族原子量の経時平均値は位置によって0.85〜0.89であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.22であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.94であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は1.02であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が27秒であった。
比較例1
基板をサセプタの中心から60mm離れた位置に設置した以外は実施例1と同じ方法で窒化アルミニウム単結晶積層体を製造した。この時の基板外縁部上の窒素原子量/III族原子量の経時平均値は位置によって0.40〜0.58であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.40であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.95であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は0.94であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が25秒であった。
比較例2
窒素源ガス供給ノズルからアンモニアガスを0.2sccmと水素ガスを999.8sccm供給した以外は実施例1と同じ方法で窒化アルミニウム単結晶積層体を製造した。この時の基板外縁部上の窒素原子量/III族原子量の経時平均値は0.08であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.53であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.92であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は0.93であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が42秒であった。
実施例3
窒素源ガス供給ノズルからアンモニアガスを5sccmと水素ガスを995sccm供給した以外は実施例1と同じ方法で窒化アルミニウム単結晶積層体を製造した。この時の基板外縁部上の窒素原子量/III族原子量の経時平均値は2.52であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.05であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.95であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は1.11であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が27秒であった。
比較例3
窒素源ガス供給ノズルからアンモニアガスを8sccmと水素ガスを992sccm供給した以外は実施例1と同じ方法で窒化アルミニウム単結晶積層体を製造した。この時の基板外縁部上の窒素原子量/III族原子量の経時平均値は4.03であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.03であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.95であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は1.12であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が70秒であった。
実施例4
III族源ガス供給口から三塩化アルミニウムガス2sccmと塩化水素ガス6sccmと水素ガス992sccmした以外は実施例1と同じ方法で窒化アルミニウム単結晶積層体を製造した。この時の基板外縁部上の窒素原子量/III族原子量の経時平均値は1.00であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.30であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.95であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は0.96であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が44秒であった。
実施例5
III族源ガス供給口から三塩化アルミニウムガス2sccmと水素ガス998sccmした以外は実施例1と同じ方法で窒化アルミニウム単結晶積層体を製造した。この時の基板外縁部上の窒素原子量/III族原子量の経時平均値は1.00であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.38であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.92であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は0.95であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が57秒であった。
実施例6
ベース基板Aを用いたことと、基板中心の窒化アルミニウム単結晶膜厚が800〜840μmになるように成長時間を制御したこと以外は実施例1と同じ方法で窒化アルミニウム単結晶積層体を製造した。この時の基板外縁部上の窒素原子量/III族原子量の経時平均値は0.98であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.20であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.76であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は1.18であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が25秒であった。
実施例7
ベース基板Cを用いたこと以外は実施例6と同じ方法で窒化アルミニウム単結晶積層体を製造した。この時の基板外縁部上の窒素原子量/III族原子量の経時平均値は0.98であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.27であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.73であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は1.13であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が24秒であった。
実施例8
ベース基板Dを用いたこと以外は実施例6と同じ方法で窒化アルミニウム単結晶積層体を製造した。この時の基板外縁部上の窒素原子量/III族原子量の経時平均値は0.98であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.33であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.70であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は1.00であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が29秒であった。
実施例9
基板中心の窒化アルミニウム単結晶膜厚が500〜540μmになるように成長時間を制御したこと以外は実施例6と同じ方法で窒化アルミニウム単結晶積層体を製造した。この時の基板外縁部上の窒素原子量/III族原子量の経時平均値は0.98であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.16であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.89であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は1.14であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が23秒であった。
実施例10
基板中心の窒化アルミニウム単結晶膜厚が300〜340μmになるように成長時間を制御したこと以外は実施例6と同じ方法で窒化アルミニウム単結晶積層体を製造した。この時の基板外縁部上の窒素原子量/III族原子量の経時平均値は0.98であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.10であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.94であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は1.09であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が27秒であった。
比較例4
窒素源ガス供給ノズルからアンモニアガスを0.2sccmと水素ガスを999.8sccm供給した以外は実施例6と同じ方法で窒化アルミニウム単結晶積層体を製造した。この時の基板外縁部上の窒素原子量/III族原子量の経時平均値は0.08であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.71であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.39であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は0.92であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が35秒であった。
比較例5
窒素源ガス供給ノズルからアンモニアガスを0.2sccmと水素ガスを999.8sccm供給した以外は実施例9と同じ方法で窒化アルミニウム単結晶積層体を製造した。この時の基板外縁部上の窒素原子量/III族原子量の経時平均値は0.08であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.66であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.63であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は0.94であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が28秒であった。
比較例6
窒素源ガス供給ノズルからアンモニアガスを0.2sccmと水素ガスを999.8sccm供給した以外は実施例10と同じ方法で窒化アルミニウム単結晶積層体を製造した。この時の基板外縁部上の窒素原子量/III族原子量の経時平均値は0.08であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.49であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.93であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は0.97であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が27秒であった。
比較例7
プッシングガスを供給しなかった以外は実施例6と同じ方法で窒化アルミニウム単結晶積層体を製造した。この時の基板外縁部上の窒素原子量/III族原子量の経時平均値は5.20であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.65であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.13であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は1.08であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が112秒であった。
実施例11
図3に示す気相成長装置を用いて、HVPE法にて窒化アルミニウム単結晶膜を積層した。基板はノズルの吹き出し口の斜め下に設置された直径70mmのサセプタの中心に設置した。アルミニウムと塩化水素ガスを反応させて製造した三塩化アルミニウムガスをIII族源ガスとして、アンモニアガスを窒素源ガスとして用いた。III族源ガス供給口から三塩化アルミニウムガス4sccmと塩化水素ガス36sccmと水素ガス1760sccm、窒素源ガス供給口からアンモニアガス16sccmと水素ガス184sccmを供給した。プッシングガス供給ノズルから窒素ガス3250sccmと水素ガス3250sccmを供給した。サセプタを20rpmで回転し、1450℃に加熱した状態で窒化アルミニウム単結晶層を成長させた。成長時間は、基板中心の窒化アルミニウム単結晶膜厚が800〜840μmになるように制御した。この時の基板外縁部上の窒素原子量/III族原子量の経時平均値は0.84であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.16であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.72であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は1.15であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が26秒であった。
比較例8
サセプタを回転させなかったこと以外は実施例11と同じ方法で窒化アルミニウム単結晶積層体を製造した。この時の基板外縁部上の経時平均値は位置によって0.45〜1.22であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.42であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.48であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は1.04であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が35秒であった。
比較例9
窒素源ガス供給口からアンモニアガス10sccmと水素ガス190sccmを供給した以外は実施例11と同じ方法で窒化アルミニウム単結晶積層体を製造した。この時の基板外縁部上の窒素原子量/III族原子量の経時平均値は0.44であった。
得られた窒化アルミニウム単結晶積層体の、表面重量増加量に対するクラウン重量増加量の比の値は0.44であり、外縁部を除く表面における最小膜厚/最大膜厚は0.40であった。ベース基板の結晶成長面に対するIII族窒化物単結晶層の表面の面積の比は0.95であった。また、表面中心の(0002)面のX線ロッキングカーブの半値幅が32秒であった。
1:ベース基板
2:結晶成長面
3:外縁部
4:側面
5:端部
10:縦型気相成長装置
11:反応管
12:サセプタ
13:III族源ガス供給口
14:窒素源ガス供給口
15:原料ガス供給ノズル
16:プッシングガス供給ノズル
20:横型気相成長装置
21:窒素源ガス供給ノズル
22:III族源ガス供給ノズル

Claims (4)

  1. III族源ガスと窒素源ガスとを反応させることにより、ベース基板上にIII族窒化物単結晶を成長させるIII族窒化物単結晶積層体の製造方法であって、
    前記ベース基板における
    III族窒化物単結晶を成長させる面が(0001)面であり、
    前記III族窒化物単結晶を成長させる面の端部に到達するIII族源ガスと窒素源ガスにおけるIII族原子量に対する窒素原子量の比(窒素原子量/III族原子量)の経時平均値が0.5〜3.0であることを特徴とするIII族窒化物単結晶積層体の製造方法。
  2. 前記ベース基板の、III族窒化物単結晶を成長させる面の中心におけるラマン分光分析によって検出されるE highピークの半値幅に対する、該基板端部から10μm内側の位置における該半値幅の比の値が1.2以下であるベース基板を用いる請求項1に記載のIII族窒化物単結晶積層体の製造方法。
  3. 前記III族源ガスと窒素源ガスと共にハロゲン化水素ガス、及びハロゲンガスから選ばれる少なくとも1種のハロゲン系ガスを供給することを特徴とする請求項1または2に記載のIII族窒化物単結晶積層体の製造方法。
  4. ベース基板上にIII族窒化物単結晶層が積層した積層体であって、
    前記III族窒化物単結晶層の表面の面積がベース基板のIII族窒化物単結晶を成長させる面の面積よりも大きく、
    前記III族窒化物単結晶層の膜厚の最大値が500μm以上であり、且つ、前記III族窒化物単結晶層の端部から中心にかけての幅1mmの領域を除く領域における、最大膜厚に対する最小膜厚の比の値が0.7以上であるIII族窒化物単結晶積層体。
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