JP2011156994A - 乗物用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】シートの座り心地が表皮によって阻害され難いシートを提供する。
【解決手段】パッド4の表面を覆う表皮5と、パッド4の裏面を支持するプレート部材3と、プレート部材3が取付けられるフレーム2を有する乗物用シート1であって、表皮5は、プレート部材3に取付けられる端部5a,5bを有する。プレート部材3とフレーム2の間には、プレート部材3をフレーム2に対して移動可能に取付け、かつプレート部材3が表皮5の端部5a,5bによって引っ張られることでプレート部材3がフレーム2に対して移動することを許容しかつプレート部材3が弾性変形することを許容する取付部材7,8が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両などの乗物に搭載される乗物用シートに関する。
従来の乗物用シートは、例えばパッドの裏面を支持するプレート部材と、プレート部材をフレームに対して弾性的に支持するばねを有する(特許文献1参照)。したがってシートに使用者が座ると、ばねが弾性変形してプレート部材が移動する。そのためシートの座面の弾性的な移動量が大きくなり、シートの座り心地が向上する。
特開2009−208728号公報
しかしシートは、一般にパッドの表面に表皮が装着され、使用者がシートに座ることで表皮に張力が加わる。表皮は、張力が加わることでシートの座面の移動量を規制し、シートの座り心地を低下させる場合がある。そこでシートの座り心地が表皮によって阻害され難いシートが従来望まれている。
前記課題を解決するために本発明は、各請求項に記載の通りの構成を備える乗物用シートであることを特徴とする。一つの特徴によると本発明は、パッドの表面を覆う表皮と、パッドの裏面を支持するプレート部材と、プレート部材が取付けられるフレームを有する乗物用シートであって、表皮は、プレート部材に取付けられる端部を有する。プレート部材とフレームの間には、プレート部材をフレームに対して移動可能に取付け、かつプレート部材が表皮の端部によって引っ張られることでプレート部材がフレームに対して移動することを許容しかつプレート部材が弾性変形することを許容する取付部材が設けられている。
したがって使用者がシートに座ると、使用者の体重によって表皮に張力が加わる。表皮に張力が加わることで、プレート部材が表皮によって引っ張られ、プレート部材がフレームに対して移動し、かつプレート部材が弾性変形する。これにより表皮に大きな張力が加わることが規制される。そのためシートの座り心地が表皮によって阻害されることが緩和される。
乗物用シートの斜視図である。 シートクッションの分解斜視図である。 シートクッションの断面側面図である。 シートに使用者が座った際のシートクッションの断面側面図である。 シートに使用者が座り、かつ乗物が前方から衝撃を受けた際のシートクッションの断面側面図である。
本発明の一つの実施の形態を図1〜5にしたがって説明する。図1に示すようにシート1は、車両などの乗物に搭載される乗物用シートであって、シートクッション10とシートバック11とヘッドレスト12を有する。シートバック11は、シートクッション10の後部に取付けられて起立する。ヘッドレスト12は、シートバック11の上部に取付けられる。
シートクッション10は、図1,2に示すようにフレーム2と、フレーム2に装着されるプレート部材3と、プレート部材3の上に載せられるパッド4と、パッド4の表面を覆う表皮5を有する。フレーム2は、シートクッション10の左右部において前後方向に延出する左右のサイドフレーム2aと、サイドフレーム2aの下側に設置される左右のベースフレーム2bを有する。サイドフレーム2aの前端部には、ナット2hが装着される。
フレーム2は、さらに図2に示すように一対の前リンク2cと一対の後リンク2dを有する。前リンク2cの上部は、サイドフレーム2aの前部に回転可能に取付けられ、前リンク2cの下部は、ベースフレーム2bの前部に回転可能に取付けられる。後リンク2dの上部は、サイドフレーム2aの後部に回転可能に取付けられ、後リンク2dの下部は、ベースフレーム2bの後部に回転可能に取付けられる。
一対の前リンク2cの間には、図2に示すようにこれらを連結する連結ロッド2eが設けられる。一対の後リンク2dの間には、これらを連結する連結ロッド2fが設けられる。後リンク2dとサイドフレーム2aの間には、これらの角度を調整することで、サイドフレーム2aのベースフレーム2bに対する高さを調整し得る高さ調節機構2gが設けられる。
フレーム2の下側には、図2に示すように一対のスライド装置6が設けられる。スライド装置6は、フロアに取付けられるロアレール6aと、ロアレール6aにスライド可能に取付けられるアッパレール6bを有する。アッパレール6bの上面には、ベースフレーム2bが取付けられる。
プレート部材(クッションパン)3は、図2,3に示すように鋼板材などの板材から形成される。プレート部材3は、本体部3aとフロント部3bと二本のリア部3cを一体に有する。本体部3aは、板状であって、パッド4の裏側(下側)に設置され、パッド4の裏面を支持する。本体部3aの幅長さは、パッド4の左右幅の3分の1以上であり、本体部3aの前後長は、パッド4の前後長の2分の1以上である。本体部3aは、裏側(下側)に膨らんでおり、前側部3a1と後側部3a2と屈曲部3a3を有する。屈曲部3a3は、前側部3a1と後側部3a2を屈曲状に連結する。
フロント部3bは、図2,3に示すように本体部3aの前側に位置し、本体部3aよりも左右幅が広い。フロント部3bは、断面L字状であって、第一面部3b1と第二面部3b2を有する。第一面部3b1は、フレーム2の前部表側を覆う。第二面部3b2は、第一面部3b1の前端部から下方に延出し、フレーム2の前側を覆う。フロント部3bには、複数の隆起部3dが形成される。隆起部3dは、断面L字状であって、第一面部3b1に形成される第一隆起部3d1と、第二面部3b2に形成される第二隆起部3d2を一体に有する。フロント部3bの左右部には、ナット3eが装着される。
リア部3cは、図2,3に示すように本体部3aの後部から後方に延出する。リア部3cは、それぞれ取付部材(リテーナ)7によって連結ロッド2fに取付けられる。取付部材7は、勘合部7aと装着部7bを一体に有する。勘合部7aは、連結ロッド2fの外周面にスライド可能に勘合される。装着部7bは、リア部3cに形成された取付孔3d1に挿入されてリア部3cに装着される。したがってリア部3cは、取付部材7によって連結ロッド2fに対して回転可能に取付けられる。
フロント部3bとフレーム2の間には、図2,3に示すように取付部材(ばね部材)8が設けられる。取付部材8は、板ばねであって、第一取付部8aと第二取付部8cと連結部8bを一体に有する。第一取付部8aは、ボルト13とナット2hによってサイドフレーム2aの前端部に移動不能に取付けられる(固着される)。連結部8bは、第一取付部8aの上端部から斜め前上方向に延出する。第二取付部8cは、連結部8bの上端部から後方に延出する。第二取付部8cは、ボルト13とナット3eによってフロント部3bの裏面に移動不能に取付けられる(固着される)。
パッド4は、発砲ウレタン、軟質ウレタン等の弾性材料から成形され、図3に示すようにプレート部材3の上に設置される。これによりパッド4は、プレート部材3によって裏面が支持される。
表皮5は、織布、皮革、合成皮革等であって、図3に示すようにパッド4の表面と側面を覆う。表皮5の前端部5aと後端部5bには、クリップ5c,5dが装着される。クリップ5cがプレート部材3のフロント部3bの端縁に掛けられ、これにより前端部5aがフロント部3bの端縁に取付けられる。クリップ5dがプレート部材3のリア部3cの端縁に掛けられ、これにより後端部5bがリア部3cの端縁に取付けられる。
使用者がシートクッション10に座ると、図4に示すように表皮5とパッド4の中央が下方に押される。これにより表皮5に張力が加わり、表皮5の前端部5aがプレート部材3のフロント部3bを引っ張る。フロント部3bは、表皮5によって前下端縁が前上方向に引っ張られ、取付部材8を中心とする時計回り方向のトルクを受ける。取付部材8は、弾性変形して、連結部8bと第二取付部8cとの角部を中心に第二取付部8cが時計回りに回転する。第二取付部8cとともにフロント部3bが時計回りに回転する。そしてプレート部材3の本体部3aが弾性変形する。
表皮5に張力が加わることで、図4に示すように表皮5の後端部5bがプレート部材3のリア部3cを引っ張る。リア部3cは、表皮5によって後下端縁が後上方向に引っ張られ、取付部材7を中心とする反時計回り方向のトルクを受ける。取付部材7は、リア部3cとともに連結ロッド2fを中心に反時計回りに回転する。そしてプレート部材3の本体部3aが弾性変形する。本体部3aは、図4に示すように弾性変形することで屈曲部3a3の表側(上側)の角度が大きくなる。
使用者がシートクッション10に座り、乗物が前方から衝撃を受けた場合は、図5に示すように使用者の体重が慣性力によってシートクッション10に衝撃として加わる。シートクッション10は、上方から前下方向に衝撃を受け、その衝撃によって取付部材8が塑性変形する。取付部材8は、塑性変形することで、第一取付部8aと連結部8bの前面側の角度が小さくなり、かつ第二取付部8cと連結部8bの裏面側の角度が小さくなる。これにより衝撃が取付部材8の塑性変形によって吸収され、衝撃がフレーム2側に伝わることが抑制される。そのため衝撃に耐え得るために必要なフレーム2の強度が小さくなり、フレーム2が安価または軽量に構成され得る。
以上のように表皮5は、図3に示すようにプレート部材3に取付けられる端部5a,5bを有する。プレート部材3とフレーム2の間には、取付部材7,8が設けられている。取付部材7,8は、プレート部材3をフレーム2に対して移動可能に取付け、かつプレート部材3が表皮5の端部5a,5bによって引っ張られることでプレート部材3がフレーム2に対して移動することを許容しかつプレート部材3が弾性変形することを許容する。
したがって使用者がシート1に座ると、図4に示すように使用者の体重によって表皮5に張力が加わる。表皮5に張力が加わることで、プレート部材3が表皮5によって引っ張られ、プレート部材3がフレーム2に対して移動し、かつプレート部材3が弾性変形する。これにより表皮5に大きな張力が加わることが規制される。そのためシート1の座り心地が表皮5によって阻害されることが緩和され得る。
また取付部材8は、図3に示すように板ばねであって、一端部がプレート部材3に固着され、他端部がフレーム2に固着される。したがってプレート部材3が表皮5によって引っ張られることで、板ばねが弾性変形してプレート部材3がフレーム2に対して移動し得る。
また取付部材7は、図3に示すようにプレート部材3側に設けられ、かつフレーム2に回転可能に取付けられる。したがってプレート部材3が表皮5によって引っ張られることで、プレート部材3が取付部材7によってフレーム2に対して回転し得る。
またプレート部材3のフロント部3bには、図2に示すように隆起部3dが形成される。したがってフロント部3bは、隆起部3dによって剛性が強くなり、本体部3aに比べて弾性変形し難くなる。そのため図4に示すようにプレート部材3が表皮5に引っ張られると、フロント部3bは、ほとんど変形せずフレーム2に対して確実に移動する。そしてプレート部材3の本体部3aが確実に弾性変形する。
またプレート部材3は、図3に示すように裏側(下側)に膨らんでいる本体部3aを有する。本体部3aは、板状でかつ、プレート部材3が表皮5によって引っ張られることで、全長が長くなるように弾性変形する。したがって本体部3aは、裏側に膨らんでいるために弾性変形されやすい。
(他の実施の形態)
本発明は、上記実施の形態に限定されず、以下の形態等であっても良い。例えば、図3に示すプレート部材3は、取付部材7,8によってフレーム2に移動可能(回転可能)に取付けられている。しかしプレート部材がフレームに上下方向または前後方向等にスライド可能に取付けられても良い。
図3に示すプレート部材3は、両端部がフレーム2に移動可能に取付けられている。しかしプレート部材の一端部が移動可能で、他端部が移動不能にフレームに取付けられても良い。図2に示す取付部材7,8は、プレート部材3と別体である。しかし取付部材がプレート部材に一体に形成されても良い。
図3に示すプレート部材3は、前後両端部がフレーム2に支持されている。しかしプレート部材の左右両端部がフレームに支持されても良い。図1に示すフレーム2とプレート部材3は、シートクッション10に設けられている。しかしこれらがシートバック側に設けられても良い。
図3に示す表皮5の端部5a,5bは、プレート部材3の端部に取付けられている。しかし表皮の端部がプレート部材の他の部分に取付けられ、該端部によってプレート部材が引っ張られることで、プレート部材がフレームに対して移動しかつ弾性変形しても良い。図3に示すようにプレート部材3の本体部3aは、屈曲部3a3を一つ有する。しかし本体部が蛇腹状であって、複数の屈曲部を有していても良い。
1…シート
2…フレーム
3…プレート部材
3a…本体部
3b…フロント部
3c…リア部
3d…隆起部
4…パッド
5…表皮
5a,5b…端部
5c,5d…クリップ
6…スライド装置
7,8…取付部材
10…シートクッション
11…シートバック

Claims (3)

  1. パッドの表面を覆う表皮と、前記パッドの裏面を支持するプレート部材と、前記プレート部材が取付けられるフレームを有する乗物用シートであって、
    前記表皮は、前記プレート部材に取付けられる端部を有し、
    前記プレート部材と前記フレームの間には、前記プレート部材を前記フレームに対して移動可能に取付け、かつ前記プレート部材が前記表皮の前記端部によって引っ張られることで前記プレート部材が前記フレームに対して移動することを許容しかつ前記プレート部材が弾性変形することを許容する取付部材が設けられていることを特徴とする乗物用シート。
  2. 請求項1に記載の乗物用シートであって、
    前記取付部材は、板ばねであって、一端部が前記プレート部材に固着され、他端部が前記フレームに固着されることを特徴とする乗物用シート。
  3. 請求項1に記載の乗物用シートであって、
    前記取付部材は、前記プレート部材側に設けられ、かつ前記フレームに回転可能に取付けられることを特徴とする乗物用シート。

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