JP2011153398A - チップ状電子部品用キャリアテープ台紙及びその製造方法 - Google Patents

チップ状電子部品用キャリアテープ台紙及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、装填されたチップ状電子部品が腐食して劣化することがない、多層抄き板紙を使用したチップ状電子部品用キャリアテープ台紙及び生産効率の高いチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るチップ状電子部品用キャリアテープ台紙は、基紙が、表層と、裏層と、前記表層及び前記裏層の間に1層以上の中間層とを有する多層抄き板紙であり、前記基紙は、水溶性高分子及び硫酸銅を含有し、前記硫酸銅の含有量が、前記基紙のパルプ固形分質量に対して5×10−4質量%以上35×10−4質量%以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子機器のプリント基板に装着されるチップ状電子部品などを装填し、カバーテープで封入保持して部品を保護及び搬送する包装形態として用いられるキャリアテープ台紙及びその製造方法に関し、特には、装填された電子部品が腐食することのないキャリアテープ台紙及びその製造方法に関する。
従来、各種の電子機器の自動生産化を図るために、プリント基板に対してチップ状電子部品の自動装着がなされるようになってきた。チップ状電子部品の自動装着工程では、チップ部品実装機などの自動機を用いて、プリント配線板にチップ状電子部品を一つずつ供給し、プリント配線板に自動装着している。この自動装着工程において、チップ状電子部品の取り扱いを容易に行うために、個々のチップ状電子部品をテープ状の搬送体で包装したテーピング包装体が使用されている。
前記テーピング包装体は、キャリアテープ台紙に、チップ状電子部品装填用の凹状又は穿孔の装填部を一定間隔で形成し、前記装填部に所定のチップ状電子部品を装填した後、カバーテープで封入することによって形成されている。
チップ状電子部品を装填したテーピング包装体は、リール状で搬送され、チップ状電子部品を装着する自動機械によって連続的にカバーテープが引き剥がされ、チップ状電子部品がキャリアテープ台紙から順次取り出されてプリント配線板の所定の位置に自動装着される。
キャリアテープ台紙は、プラスチック製、紙製に大別される。製造コスト、非帯電性、使用後の廃棄容易性などの点で紙製が望ましいとされ、単層又は多層抄きの板紙製のキャリアテープ台紙に関する技術が提案されている(例えば、特許文献1又は2を参照。)。
特開平9−188385号公報 特開2005−313946号公報
しかし、特許文献1又は2で提案されている技術では、キャリアテープ台紙に使用する板紙に残留する硫酸イオンなどによって、装填されたチップ状電子部品が腐食するという問題が生じる課題があった。
そこで本発明は、装填されたチップ状電子部品が腐食して劣化することがない、多層抄き板紙を使用したチップ状電子部品用キャリアテープ台紙及び生産効率の高いチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、基紙に水溶性高分子と硫酸銅を含有させることによって前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。具体的には、本発明に係るチップ状電子部品用キャリアテープ台紙は、基紙が、表層と、裏層と、前記表層及び前記裏層の間に1層以上の中間層とを有する多層抄き板紙であり、前記基紙は、水溶性高分子及び硫酸銅を含有し、前記硫酸銅の含有量が、前記基紙のパルプ固形分質量に対して5×10−4質量%以上35×10−4質量%以下(5質量ppm以上35質量ppm以下)であることを特徴とする。
本発明に係るチップ状電子部品用キャリアテープ台紙では、前記水溶性高分子として、ポリビニルアルコール及びデンプンの両方又はいずれか一つを含有することが好ましい。表面強度を向上することができ、操業性及び加工性により優れたキャリアテープ台紙とすることができる。
本発明に係るチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法は、表層と、裏層と、前記表層及び前記裏層の間に1層以上の中間層とを有する多層抄き板紙である基紙を抄造する工程と、前記基紙の両面にオンマシン塗工機で水溶性高分子及び硫酸銅を含有するサイズ液を塗布する工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係るチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法では、前記硫酸銅の含有量が、前記基紙のパルプ固形分に対して5×10−4質量%以上35×10−4質量%以下であることが好ましい。チップ状電子部品の腐食を防止することができ、かつ、操業性に優れたキャリアテープ台紙とすることができる。
本発明に係るチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法では、前記オンマシン塗工機が、2ロールサイズプレスであることが好ましい。表面強度及び紙層強度を向上させることができる。
本発明は、装填されたチップ状電子部品が腐食して劣化することがない、多層抄き板紙を使用したチップ状電子部品用キャリアテープ台紙及び生産効率の高いチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法を提供することができる。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係るチップ状電子部品用キャリアテープ台紙は、基紙が、表層と、裏層と、前記表層及び前記裏層の間に1層以上の中間層とを有する多層抄き板紙であり、前記基紙は、水溶性高分子及び硫酸銅を含有し、前記硫酸銅の含有量が、前記基紙のパルプ固形分に対して5×10−4質量%以上35×10−4質量%以下である。
基紙に使用する原料パルプとしては、叩解によって容易に強度が向上する木材、靱皮、雁皮などからなるパルプである。本実施形態においては、特に木材パルプが、入手が容易である点で好ましい。木材パルプの具体例としては、針葉樹さらしクラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未さらしクラフトパルプ(NUKP)、広葉樹さらしクラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未さらしクラフトパルプ(LUKP)などの化学パルプ、砕木パルプ(GP)サーモメカニカルパルプ(TMP)などの機械パルプ、脱墨パルプなどの古紙パルプが挙げられる。これらの原料パルプから選択した1種類又は2種類以上を配合して使用することができる。この中で、特に、NBKPとLBKPとを配合して使用することが好ましい。
前記原料パルプは、離解機及び叩解機を使用して適切な叩解度を有するパルプスラリーとする。各層のパルプの叩解度は、本実施形態では、限定されるものではないが、カナダ標準ろ水度(JIS P 8121:1995 パルプのろ水度試験方法)でCFS300ml〜800mlとすることが好ましい。より好ましくは、CFS400ml〜600mlである。
パルプスラリーには、充分な層間強度の確保及び折れじわの発生防止を目的として、デンプン、変性デンプン、ポリアクリルアミドなどの紙力増強剤を内添することが望ましい。紙力増強剤の添加量は、紙力増強剤の種類によって異なるが、原料パルプの絶乾質量100.0質量部に対して0.5〜20.0質量部であることが好ましい。より好ましくは、1.0〜10.0質量部である。また、内添サイズ剤、填料、歩留まり向上剤、染料などの各種添加薬品を適宜用いることができる。
前記のように配合された各層の原料パルプスラリーを抄紙機で抄紙して、基紙を形成するが、本実施形態では、抄紙方法に限定されるものではない。抄紙機は、公知の抄紙機、例えば、円網式抄合せ抄紙機、長網式抄合せ抄紙機、両方を組み合わせたコンビネーション式抄合せ抄紙機を使用することができる。
各層間には、層間強度を向上させることを目的として、層間デンプンを塗布して抄紙してもよい。
基紙の厚さは、装填されるチップ状電子部品の大きさによって異なるが、20〜1200μmとすることが好ましく、より好ましくは、25〜1100μmである。また、坪量は、200〜1200g/mとすることが好ましく、より好ましくは、250〜1100g/mである。
基紙は、水溶性高分子及び硫酸銅を含有する。エマルション、ラテックスなどの水系高分子(水分散高分子)は、残モノマー、分散剤などを含むため、水溶性高分子を用いることが好ましい。なお、本実施形態では、水溶性高分子とは、常温又は加温によって水に溶解する高分子物質をいう。例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシル基変性PVA、カチオン基変性PVAなどの変性PVA、デンプン、エステル化デンプン、エーテル化デンプン、架橋エーテル化デンプン、グラフト化デンプンなどのデンプン誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、カゼイン、ゼラチン、テルペンである。
本実施形態に係るチップ状電子部品用キャリアテープ台紙では、水溶性高分子として、PVA及びデンプンの両方又はいずれか一つを含有することが好ましい。基紙に、水溶性高分子を含有させることによって、キャリアテープ台紙の表面の毛羽立ち又はキャリアテープ台紙の表面若しくはチップ状電子部品の装填部の壁面から紙粉などの発生を防止することができ、操業性及び加工性に優れたキャリアテープ台紙に適した板紙を得ることができる。
デンプンは、特に限定されないが、例えば、酸化デンプン、ヒドロキシエチルエーテル化デンプン、酵素変性デンプンであり、1種類又は2種類以上を選択して使用することができる。水溶性高分子としてデンプンを含有することによって、表面強度を向上することができる。また、基紙に適度な剛度を付与することができる。
PVAは、カルボキシル基変性PVA、アセトアセチル基変性PVAなどの変性PVAを包含する。水溶性高分子としてPVAを含有することによって、表面強度を向上することができる。さらに、硫酸銅を基紙中に定着させることができる。
硫酸銅は、硫酸銅五水和物、三水和物、一水和物、無水硫酸銅を包含する。この中では、安定性と容易に入手できる点で、硫酸銅五水和物が好ましい。基紙中の硫酸銅(五水和物)の含有量が、基紙のパルプ固形分に対して5×10−4質量%以上35×10−4質量%以下である。より好ましくは、7×10−4質量%以上32×10−4質量%以下である。特に好ましくは、9×10−4質量%以上29×10−4質量%以下である。5×10−4質量%未満では、基紙中に残留する硫酸イオンによるチップ状電子部品の腐食を防止することができず、35×10−4質量%を超えると、キャリアテープ台紙が着色され、操業時に工程汚れが発生し、操業性に劣る。硫酸銅(五水和物)を含有することによって、チップ状電子部品の硫酸イオンによる腐食を防止する詳細なメカニズムは不明であるが、おそらくは基紙に残留している硫酸イオンが硫酸銅(五水和物)によって容易に捕捉されるため、チップ状電子部品の腐食を防止することができると考えられる。
水溶性高分子と硫酸銅(五水和物)とは、両者を配合したサイズ液を抄紙機に付属されたオンマシン塗工機で塗布することで基紙に含有させる。水溶性高分子と硫酸銅(五水和物)とを含む配合液とすることによって、硫酸銅(五水和物)の基紙への付着性が改善される。オンマシン塗工機を使用することによって、キャリアテープ台紙を連続して製造することが可能となり、生産効率を高めることができる。また、サイズ液には、その他の薬品としてポリアクリルアマイド、樹脂ポリマーなどを適宜添加してもよい。
オンマシン塗工機は、例えば、2ロースサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、メタリングサイズプレスがあるが、本実施形態では、製造効率、加工適性、表面強度及び紙層強度の向上の観点から、2ロールサイズプレスを使用することが好ましい。水溶性高分子の塗布量は、両面で乾燥固形分質量0.5〜5.0g/m、好ましくは1.0〜3.5g/mの範囲である。
サイズ液を塗布後の乾燥方式としては、熱風乾燥、赤外乾燥、ドラム乾燥などが挙げられるが、本実施形態においては特に限定されるものではない。
サイズ液の塗布面の平滑性を制御する目的で、必要に応じてキャレンダー処理を行ってもよい。キャレンダーは、スーパーキャレンダー、マシンキャレンダー、ソフトキャレンダーなどが挙げられるが、本実施形態においては特に限定されないが、オンマシンキャレンダーであることが好ましい。
本実施形態に係るチップ状電子部品用キャリアテープ台紙は、例えば、チップ状電子部品を収納するための装填部を一定間隔で形成し、前記装填部にチップ状電子部品を装填した後、カバーテープで封入して使用される。装填部は、エンボス加工によって形成される有底の凹部又は打ち抜き加工によって形成される貫通孔のいずれでもよい。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」、「質量%」を示す。
(実施例1)
〈原料パルプスラリーの調製〉
基紙は、表層と、裏層と、表層及び裏層の間に3層の中間層とを有した5層抄き板紙とした。各層の原料パルプの配合割合は、NBKP15部とLBKP85部とした。各層を、叩解機によってカナダ標準濾水度(CSF)500mlとなるように叩解処理し、原料パルプスラリーとした。各層の原料パルプスラリーには、原料パルプ100部に対して固形分換算で、カチオン化デンプン(日食ネオタック#40T、日本食品化工社製)1.0部、アルキルケテンダイマー系内添サイズ剤(AD1600、星光PMC社製)0.3部を添加した。
〈基紙の抄造〉
次に、前記原料パルプスラリーを、円網式5層抄合せ抄紙機を用いて、各層の坪量が均等になるように抄紙した。坪量が350.0g/mである基紙を得た。
〈サイズ液の調製〉
処方1:水に固形分換算で、デンプン(酸化デンプン、SK−20、日本コーンスターチ社製)5.0%と、PVA(カルボキシル基変性PVA、ゴーセナールT−350、日本合成化学工業社製)4.0%と、硫酸銅(五水和物)(三井金属鉱業社製)0.005%とを配合し、サイズ液を調製した。
〈サイズ液の塗布〉
前記基紙に、オンマシン2ロールサイズプレスを使用して、前記サイズ液を固形分質量で両面に合計で3.6g/mとなるように塗布した。ここで、硫酸銅(五水和物)の基紙に対する含有量は、6×10−4%(6ppm)となった。
〈キャレンダー処理〉
その後、オンラインキャレンダー処理を行い、坪量が353.6g/mのキャリアテープ台紙を得た。
(実施例2)
サイズ液の調製において、処方1の硫酸銅(五水和物)の配合量を、0.008%とした(処方2)以外は実施例1と同様にして、キャリアテープ台紙を作製した。ここで、硫酸銅(五水和物)の基紙に対する含有量は、9×10−4%(9ppm)となった。
(実施例3)
サイズ液の調製において、処方1の硫酸銅(五水和物)の配合量を、0.025%とした(処方3)以外は実施例1と同様にして、キャリアテープ台紙を作製した。ここで、硫酸銅(五水和物)の基紙に対する含有量は、29×10−4%(29ppm)となった。
(実施例4)
〈原料パルプスラリーの調整〉
基紙は、表層と、裏層と、表層及び裏層の間に3層の中間層とを有した5層抄き板紙とした。各層の原料パルプの配合割合は、NBKP15部とLBKP85部とした。各層を、叩解機によってカナダ標準濾水度(CSF)300mlとなるように叩解処理し、原料パルプスラリーとした。各層の原料パルプスラリーには、実施例1と同様にカチオン化デンプン及びアルキルケテンダイマー系内添サイズ剤を添加した。
〈基紙の抄造〉
次に、前記原料パルプスラリーを、円網式5層抄合せ抄紙機を用いて、各層の坪量が均等になるように抄紙し、坪量が800.0g/mである基紙を得た。
〈サイズ液の調製〉
処方4:水に固形分換算で、デンプン(酸化デンプン、SK−20、日本コーンスターチ社製)5.0%と、PVA(カルボキシル基変性PVA、ゴーセナールT−350、日本合成化学工業社製)4.0%と、硫酸銅(五水和物)0.012%とを配合し、サイズ液を調製した。実施例1と同様にして、サイズ液を塗布し、キャレンダー処理を行い、坪量が803.6g/mのキャリアテープ台紙を作製した。ここで、硫酸銅(五水和物)の基紙に対する含有量は、6×10−4%(6ppm)となった。
(実施例5)
サイズ液の調製において、処方4の硫酸銅(五水和物)の配合量を、0.068%とした(処方5)以外は実施例4と同様にして、キャリアテープ台紙を作製した。ここで、硫酸銅(五水和物)の基紙に対する含有量は、34×10−4%(34ppm)となった。
(比較例1)
サイズ液の調製において、処方1の硫酸銅(五水和物)を配合しなかった(処方6)以外は実施例1と同様にして、キャリアテープ台紙を作製した。ここで、硫酸銅(五水和物)の基紙に対する含有量は、0%となった。
(比較例2)
サイズ液の調製において、処方1の硫酸銅(五水和物)の配合量を、0.003%とした(処方7)以外は実施例1と同様にして、キャリアテープ台紙を作製した。ここで、硫酸銅(五水和物)の基紙に対する含有量は、3×10−4%(3ppm)となった。
(比較例3)
サイズ液の調製において、処方4の硫酸銅(五水和物)の配合量を、0.100%とした(処方8)以外は実施例4と同様にして、キャリアテープ台紙を作製した。ここで、硫酸銅(五水和物)の基紙に対する含有量は、50×10−4%(50ppm)となった。
(比較例4)
サイズ液の調製において、処方1のデンプンとPVAとを配合せず、硫酸銅(五水和物)だけを配合量0.008%で配合し(処方9)、サイズ液の塗布量を40g/mとした以外は実施例1と同様にして、坪量が350.0g/mのキャリアテープ台紙を作製した。ここで、硫酸銅(五水和物)の基紙に対する含有量は、9×10−4%(9ppm)となった。
(比較例5)
サイズ液の調製において、処方1の硫酸銅(五水和物)を酸化銅とし、酸化銅の配合量を0.008%で配合(処方10)した以外は実施例1と同様にして、キャリアテープ台紙を作製した。ここで、酸化銅の基紙に対する含有量は、9×10−4%(9ppm)となった。
(比較例6)
サイズ液の調製において、処方1の硫酸銅(五水和物)を硫酸第一鉄とし、硫酸第一鉄の配合量を0.008%で配合(処方11)した以外は実施例1と同様にして、キャリアテープ台紙を作製した。ここで、硫酸第一鉄の基紙に対する含有量は、9×10−4%(9ppm)となった。
(チップ状電子部品腐食性)
得られたキャリアテープ台紙を幅2cm、長さ20cmの短冊状に断裁して試料とし、この試料4本を、チップ状電子部品を7個入れた秤量瓶に、チップ状電子部品と接触しないように入れて密封した。その後、循環式恒温器に庫内温度150℃で1時間放置し、その後、チップ状電子部品を一つ一つ顕微鏡で観察し腐食による変色状態を評価した。評価基準を次に示す。
○:腐食による変色が発生せず、実用上問題ない。
△:変色が1〜2個に僅かに認められ、実用下限レベルである。
×:腐食による変色が3個以上で発生し、実用上問題あり。
(サイズ液着色)
サイズ液の着色を目視で観察した。
(操業性)
キャリアテープ台紙を作製する過程において、操業トラブルの発生の状況を観察し、評価を行った。評価基準を次に示す。
○:操業トラブルが無く、実用上問題ない。
△:ドライヤー設備、キャレンダー設備などの工程で紙粉が付着したことによる工程汚れが見られた。長期連続操業上問題あり。
×:ドライヤー設備、抄紙機ワイヤー又はエンボス加工機などの工程で硫酸銅由来の着色が見られた。実用上問題あり。
(加工性)
得られたキャリアテープ台紙を使用してチップ状電子部品を装填して封入するテーピング包装体を作製する過程及び作製したテーピング包装体を使用し、チップ状電子部品をプリント配線板の所定の位置に自動装着する過程において、加工性を評価した。評価基準を次に示す。
○:加工性が良好で、実用上問題ない。
×:キャリアテープ台紙の表面に毛羽立ち又は剥離が見られ、実用上問題あり。
得られたキャリアテープ台紙の評価結果を表1に示す。
Figure 2011153398
実施例1〜実施例5は、チップ状電子部品と直接接触しない状態で密封して、150℃で1時間処理後でも、チップ状電子部品の表面に腐食による変色を生じさせず、かつ、操業性及び加工性が良好で、実用できるレベルであった。
一方、比較例1は、硫酸銅を含まないため、チップ状電子部品に腐食による変色が見られた。比較例2は、硫酸銅(五水和物)の量が少ないため、チップ状電子部品に腐食による変色が見られた。比較例3は、硫酸銅(五水和物)の量が多いため、ドライヤー設備、キャレンダー設備又はエンボス加工機などの工程で硫酸銅由来の着色が見られた。比較例4は、水溶性高分子を含まないため、ドライヤー設備、キャレンダー設備又はエンボス加工機などの工程で紙粉が付着したことによる工程汚れが見られた。さらに、チップ状電子部品をプリント配線板の所定の位置に自動装着する過程において、強度不足によってキャリアテープ台紙の表面に毛羽立ち又は剥離が見られた。比較例5は、硫酸銅(五水和物)に換えて酸化銅を使用したが、チップ状電子部品に腐食による変色が見られた。比較例6は、硫酸銅(五水和物)に換えて硫酸第一鉄を使用したが、チップ状電子部品に腐食による変色が見られた。
電子機器のプリント基板に装着されるチップ状電子部品などを装填し、カバーテープで封入保持して部品を保護、搬送する包装形態として用いられるキャリアテープ台紙の製造に用いられる多層抄き板紙として利用が可能である。

Claims (7)

  1. 基紙が、表層と、裏層と、前記表層及び前記裏層の間に1層以上の中間層とを有する多層抄き板紙であり、前記基紙は、水溶性高分子及び硫酸銅を含有し、前記硫酸銅の含有量が、前記基紙のパルプ固形分質量に対して5×10−4質量%以上35×10−4質量%以下であることを特徴とするチップ状電子部品用キャリアテープ台紙。
  2. 前記水溶性高分子として、ポリビニルアルコール及びデンプンの両方又はいずれか一つを含有することを特徴とする請求項1に記載のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙。
  3. 前記硫酸銅が、硫酸銅五水和物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙。
  4. 表層と、裏層と、前記表層及び前記裏層の間に1層以上の中間層とを有する多層抄き板紙である基紙を抄造する工程と、
    前記基紙の両面にオンマシン塗工機で水溶性高分子及び硫酸銅を含有するサイズ液を塗布する工程と、
    を有することを特徴とするチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法。
  5. 前記硫酸銅が、硫酸銅五水和物であることを特徴とする請求項4に記載のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法。
  6. 前記硫酸銅の含有量が、前記基紙のパルプ固形分質量に対して5×10−4質量%以上35×10−4質量%以下であることを特徴とする請求項4又は5に記載のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法。
  7. 前記オンマシン塗工機が、2ロールサイズプレスであることを特徴とする請求項4、5又は6に記載のチップ状電子部品用キャリアテープ台紙の製造方法。
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