JP2014141279A - チップ型電子部品収納台紙およびその製造方法 - Google Patents

チップ型電子部品収納台紙およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
チップ型電子部品のキャビティ壁面への付着による実装トラブルを起こしにくいチップ型電子部品収納台紙を提供する。
【解決手段】
表層、単層又は複数層からなる中層、及び裏層からなる多層紙基材にチップ型電子部品を収納する凹部又は穿孔部が設けられたチップ型電子部品収納台紙であり、前記チップ型電子部品の表面の大きさが0.7mm×0.4mm以下であり、且つチップ型電子部品収納台紙の厚さが470μm以下であって、さらに前記多層紙基材は、その各層間に澱粉を塗布させるものであり、前記澱粉の各層間の塗布量が固形分で0.1乃至1.2g/m2、さらに前記多層紙基材の含水分率を6.0乃至10.0質量%とする。さらに、前記澱粉を各層間に塗布する際の澱粉水分散液濃度を0.01乃至1.80質量%とすることがより好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、紙製チップ型電子部品収納台紙及びその製造方法に関するものである。より詳しく述べるならば、本発明は、特に0.7mm×0.4mm以下の微小なチップ型電子部品が装填されるチップ型電子部品収納台紙に関するもので、微小チップ型電子部品が、収納される孔(パンチ(貫通孔)又はエンボス(凹部))壁面に付着して、実装トラブルを起こさないチップ型電子部品収納台紙とその製造方法に関するものである。
チップ型電子部品は、家庭用電化製品から情報通信機器、PC等あらゆる製品に使用されている。なかでも0.7mm×0.4mm以下の大きさの微小チップは、高機能携帯電話(スマートフォン)などの普及により、需要が拡大している。
チップ型電子部品は、単独では保管や搬送が困難であるため、通常紙製またはプラスチック製の収納台紙(キャリアテープ)に予め装填されており、これをマウンター(組み立て機械)にセットして搬送するものである。
近年、組み立て工程を中国や東南アジア諸国で行なわれることが多くなり、日本とは異なる環境(高温多湿環境)で使用される機会が増えている。
紙製チップ型電子部品収納台紙は、通常、台紙用紙基材を次のように加工処理して台紙とし、チップ型電子部品のキャリアとして使用される。(1)台紙用紙基材を所定の幅にスリットする。(2)所定大きさの角孔と丸孔を開ける(パンチ加工)。角孔はチップ型電子部品収納用で、丸孔(貫通孔)は電子部品の充填機内送り用である。(3)台紙用紙基材の裏面(ボトム側)にカバーテープを接着して台紙とする。なお、角孔を開けないで、所定の大きさの角状エンボンス加工をすることもあり、この場合、カバーテープ接着工程は省かれる。台紙用紙基材とカバーテープを接着する方法は、台紙用紙基材とカバーテープを重ね、カバーテープ上から熱と圧力を加えて接着する、いわゆるヒートシール法で行われる。(4)チップ型電子部品を台紙の角孔に充填する。(5)台紙の表面(トップ側)にヒートシール法によってカバーテープを熱圧着する。(6)所定の大きさのカセットリールに巻き付け、チップ型電子部品を収納した状態で出荷する。(7)最終ユーザー(実装メーカー)でトップ側カバーテープを剥がし、チップ型電子部品を取り出し、プリント基板に実装される。
以上のように使用されることから、収納台紙に求められる品質には、充填したチップ型電子部品の品質へ悪影響を及ぼさないこと、さらに、カバーテープが良好に接着されるように表面平滑性を有すること、カセットリールへの巻き付け時の曲げ応力などによる層間剥離や、台紙割れ、または、しわや折れなどを生じない強度を有すること、チップ部品を挿入する角孔(以下キャビティと記す)の形成精度が良好で、部品の充填、取り外し性が良好であること、キャビティ形成に使用する金型の摩耗が少ないこと等が挙げられる。
このうち、収納台紙の品質欠陥として問題となるものの1つに、パンチ機又はエンボス機でキャビティ形成時に、壁面がシャープ(正確な寸法)に形成されず、チップ型電子部品の挿入及び取り出し不良が発生することがある。このようにキャビティ形成性が悪化すると、チップメーカーでチップ充填又は実装メーカーで部品取出しする際にひっかかりトラブルとなるので、形成精度をあげるために、金型を研磨仕直すか、又は新調する必要があり、時間ロス、歩留まりロスなど操業性を著しく悪化させ、結局コスト増となるなど大きな問題となる。
これまで、金型の磨耗性を改善する技術としては、金型自体の改良も行われているが、チップ型電子部品を収納する台紙側での改良も求められている。台紙側の改良技術としては、特許文献1や特許文献2に記載されている、紙の密度でキャビティの成形性を向上させる技術や、特許文献3に記載されている、紙の縦方向及び横方向の破断伸びでキャビティ加工性を管理する技術や、特許文献4に記載されているように灰分量を規定するもの等がある。
収納される電子部品が微小化することに伴って、新たにカバーテープ熱圧着時に紙中のバインダー成分によるチップ型電子部品のキャビティ壁面への付着による実装トラブルの発生も懸念されている。
紙中のバインダーにデンプン類を使用する場合のうち、特に内添方法で溶解デンプンを用いる場合、カセットリールへの巻き付け時の曲げ応力などによる層間剥離や、台紙割れ、または、しわや折れなどを生じない強度を有するためには、バインダー必要量は多くなるため、上記のカバーテープ熱圧着工程が高温多湿環境で行なわれる場合はキャビティ壁面に結露が起こることが想定され、結露水とテーピング機の加熱により、澱粉が再度溶解状態となって、キャビティ壁面に染み出して、チップ型電子部品をキャビティ壁面へ付着させる可能性が高まる。
また、多層紙基材の各層間に水分散させた未溶解デンプンを噴霧し、紙中水分とマシンドライヤーの熱でデンプンを溶かして、多層紙基材の各層間の接着強度を高める場合は、比較的少量のデンプン使用量でカセットリールへの巻きつけ時トラブルを起こさない台紙が得られやすいが、チップ型電子部品がより小型化することで、やはりチップ型電子部品のキャビティ壁面への付着の懸念は残るため、全てに対応可能な技術にはなっていないのが現状である。
特開2000−43975号公報 特開2002−53195号公報 特開2003−95320号公報 特開2006−143227号公報
本発明は、特に0.7mm×0.4mm以下の微小なチップ型電子部品が装填されるチップ型電子部品収納台紙に関するもので、微小チップ型電子部品が、収納される孔(パンチ(貫通孔)又はエンボス(凹部))壁面への付着を防止して、実装トラブルを起こさないチップ型電子部品収納台紙およびそれらの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、チップ型電子部品収納台紙に使用する紙基材の厚さとチップ型電子部品収納台紙をカセットリール巻き取り時に発生する層間剥離や台紙割れの起こりやすさとの関係と必要な層間強度について鋭意検討することにより、以下に示す発明を完成するに至った。
(1)表層、単層又は複数層からなる中層、及び裏層からなる多層紙基材にチップ型電子部品を収納する凹部又は穿孔部が設けられたチップ型電子部品収納台紙であり、前記チップ型電子部品の表面の大きさが0.7mm×0.4mm以下であり、且つチップ型電子部品収納台紙の厚さが470μm以下であって、且つ前記多層紙基材は、その各層間に澱粉を塗布させてなるものであり、前記澱粉の各層間の塗布量を固形分で0.1〜1.2g/mとし、さらに前記多層紙基材の含水分率を6.0〜10.0質量%としたことを特徴とするチップ型電子部品収納台紙。
(2)前記澱粉の水分散液濃度を0.01〜1.80質量%とした請求項1記載のチップ型電子部品収納台紙。
(3)前記チップ型電子部品収納台紙のTAPPI UM 522で規定される層間強度が、300〜2000kPaである請求項1〜2記載のチップ型電子部品収納台紙。
(4)前記多層紙基材の層間に塗布する澱粉は、未溶解状態で水中に分散させた澱粉を噴霧して塗布させるものである(1)〜(3)記載のチップ型電子部品収納台紙の製造方法。
本発明は、特に0.7mm×0.4mm以下の微小なチップ型電子部品が装填されるチップ型電子部品収納台紙に関するもので、微小チップ型電子部品が、収納される孔(パンチ(貫通孔)又はエンボス(凹部)所謂キャビテキ)壁面への付着を防止して、実装トラブルを起こさないチップ型電子部品収納台紙が提供される。
本発明のチップ型電子部品収納台紙は、その厚さが470μm以下で、且つ表層、単層又は複数層からなる中層、及び裏層からなる多層紙基材の各層間に澱粉を塗布させるものであり、各層間の澱粉の塗布量を固形分で0.1〜1.2g/mに調整し、且つ前記多層紙基材の含水分率を6.0〜10.0質量%とした場合に、カセットリール巻きつけ時に発生するトラブルを起こさず、また微小なチップ型電子部品のキャビティ壁面への付着を防止するものである。
各層間の澱粉塗布量については、0.1g/mを下回ると十分な層間強度が得られず、カセットリールに巻き取った場合に層間剥離、台紙割れが発生して実装トラブルとなるおそれがある。また、1.2g/mを上回る場合は、使用環境によってはカバーテープを高温で熱圧着した場合に、澱粉が再溶解して、チップ型電子部品はキャビティ壁面に付着して、やはり実装トラブルとなるおそれがある。
各層間の澱粉の塗布量としては、0.2〜0.9g/mがより好ましい。
各層間の澱粉の種類としては、特に限定されるものではないが、例えばトウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、またはアセチル化澱粉、尿素リン酸化澱粉、酸化澱粉等の変性澱粉が挙げられる。
本発明では、各層間に塗布する澱粉の塗布方法としては、未溶解状態で水中に分散させた澱粉を噴霧して塗布させることが好ましく、分散液の濃度としては、特に限定するものではないが、例えば0.01〜1.80質量%が好ましい。
澱粉分散液濃度が0.01質量%を下回る場合は、必要な塗布量を得るためには、大量の澱粉分散液を塗布しなければならなくなり、乾燥負荷が増大し、製造コスト面で好ましくない。また、澱粉分散液濃度が1.80質量%を上回る場合は、使用する澱粉の種類によっては、未分散のもの(凝集粒子)が紙間に塗布され、チップ型電子部品のキャビティ壁面への付着を起こすおそれがあるため、やはり好ましくない。
本発明では、多層紙基材の含水分率を6.0〜10.0質量%とするものである。含水分率が10.0質量%を超えると、ヒートシール法によって収納台紙とカバーテープを熱圧着する場合に発生する水蒸気により紙層間の澱粉が再溶解する恐れがあるため好ましくない。また、6.0質量%を下回る場合は、収納台紙の柔軟性が失われて、カセットリールに巻きつけた場合に、台紙割れやしわ、折れの発生が懸念されるため、やはり好ましくない。多層紙基材の含水分率を前記範囲に調整する方法としては特に限定するものではないが、一般に抄紙工程後の乾燥工程(シリンダードライヤー、エアードライヤー、IRヒーター等)での調整、さらには、表面処理剤を塗布・含浸後に前述と同様の乾燥工程を設けて調整することも可能である。
本発明の台紙に使用されるパルプの種類としては、通常木材パルプを使用する。主に広葉樹または針葉樹の晒クラフトパルプが使用されるが、必要に応じて砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ等の機械パルプ、古紙パルプ等を使用することもできる。
さらに、本発明では、チップ挿入後の収納台紙保存時の錆を防止するため、錆を発生させる要因となる硫化水素を吸着固定することができる金属塩類を台紙中に含有させることも可能である。金属塩類としては、特に銅化合物が好ましい。銅の含有量は質量として、台紙中に10〜1000ppm含有することが好ましく、更に好ましい範囲としては、10ppm〜300ppmである。10ppm未満では硫酸塩還元細菌の増殖にともなう硫化水素の発生分が吸収されず、錆の発生を抑えることができないため好ましくない。また1000ppmを超えると、効果が頭打ちになり、さらに多量に入れると、特に銅化合物では、水溶液が青色に着色していることが多いからパルプ自体の色目が変化してしまい好ましくない。
前記銅化合物を台紙中に含有させるには、銅化合物を水溶液にして添加する方法が簡便であり、またパルプスラリーに添加・攪拌することで均一に金属イオンを分散させることができるため好ましい。チップ型電子部品収納台紙はチップ型電子部品を収納するキャビティが形成されてその中にチップ型電子部品が収納されるため、収納台紙全体で硫化水素を固定する必要があり、塗布や含浸では不十分となるため好ましくない。均一な防錆効果を達成するためにもパルプスラリーへの添加が好ましい。
前記銅化合物としては、水溶液として添加できる、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸との塩が好ましい。硫酸銅、硝酸銅、塩化第一銅、塩化第二銅等の銅化合物が挙げられる。中でも薬品の安定性、作業環境、安全性の面から硝酸銅、硫酸銅がもっとも好ましい。硝酸銅、硫酸銅は食品添加物として使用されており、安全性には問題がない。廃棄物として燃焼させたときにも問題が無い。また、灰からの溶出基準もなく、環境に影響を与えるものではないため、好ましい。
本発明で使用されるパルプは、公知の方法により叩解して使用することができるが、叩解しなくても問題はない。叩解機には特に限定はなく、ビーター、ジョルダン、デラックス・ファイナー(DF)、ダブル・ディスク・レファイナー(DDR)等、種々の叩解機が使用される。叩解する場合は、カナダスタンダードフリーネスで250ml〜560ml程度の処理が好ましく、更には300ml〜470mlが好ましい。560mlよりも高いと強度、特に層間強度が弱くなり好ましくない。一方、250mlよりも叩解を進めると、パルプ歩留の低下、原紙の高密度化による量目損の問題が生じるので、あまり好ましくない。
また、必要に応じて、種々の内添薬品を使用できる。例えば、ロジン系サイズ剤、スチレン・マレイン酸系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、スチレン・オレフィン酸系樹脂、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸など、天然及び合成の製紙用の内添サイズ剤、両性ポリアクリルアミド等の紙力増強剤、濾水歩留り向上剤、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン等の耐水化剤、消泡剤等が挙げられる。
チップ型電子部品収納台紙の坪量は、中に収納するチップ型電子部品の大きさにより決ってくるが、本発明では、0.7mm×0.4mm大以下の微小チップ用を想定しているため、一般に100〜500g/m程度である。このような坪量範囲であるため、台紙基材の抄造方法としては、地合いの取り易い3〜10層の多層抄が好ましい。多層抄のための抄紙機としては、円網多層抄、円網短網コンビネーション、短網多層抄、長網多層抄、等様々なタイプのものを用いることが可能であり、特に限定するものではない。
本発明のチップ型電子部品収納台紙のTAPPI UM 522で規定される層間強度は、特に限定するものではないが、500〜2000kPaの範囲で調整されるのが好ましい。層間強度が500kPaを下回る場合は、カセットリールに巻き取った場合に層間剥離、台紙割れが発生して実装トラブルとなるおそれがある。また、2000kPaを上回る場合は、台紙の剛度も上昇するため、カセットリールに巻き取った場合にしわや折れが発生しやすくなり実装トラブルの原因となるため、やはり好ましくない。
本発明では、カバーテープ、ボトムテープとの接着性及びケバ防止効果を向上させるために収納台紙の表面、裏面に、各種変性、非変性のポリビニルアルコール、デンプン、ポリアクリルアミド、アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−イソプレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル−ビニルアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂など必要な薬品を適宜塗布することが可能である。なかでもポリアクリルアミドやアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールは、カバーテープとの接着性とケバ防止効果を得られやすいだけでなくテーピング時の熱によるタッキ性が発生しにくいためチップ型電子部品の付着が起こり難いため好ましい。
また、表面処理剤には、カバーテープとの接着性を向上させ、さらに台紙表面の強度を高めるためにスチレン・マレイン酸樹脂、オレフィン・マレイン酸樹脂を含有させることができる。スチレン・マレイン酸樹脂、オレフィン・マレイン酸樹脂は疎水基と親水基を有しており、台紙表面に塗工することにより、表面のカバーリングのほか、紙層中に浸透し、親水基であるカルボン酸がパルプ繊維と水素結合を形成し、繊維間を架橋した状態にし、繊維間結合を大幅に向上させる。繊維間結合の向上により、カバーテープを剥がす際の抵抗力が向上し、剥離強度を強くするほか、チップ型部品の実装に悪影響するケバとなる繊維の抜けを防止出来る。
本発明において、上記のように台紙表面に表面処理剤を塗布・含浸する手段としては、例えば、バーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ゲートロールコーターやサイズプレスやキャレンダーコーター等のロールコーター、ビルブレードコーター等の塗布装置が使用できる。
水溶性高分子の塗布量は、0.1g/m以上2.0g/m以下であることが好ましい。2.0g/mを超えて塗布すると、カバーテープとの接着力が著しく弱くなり好ましくない。また、0.1g/mよりも少ないとケバや紙粉を抑える効果が弱い。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。各例中、配合、濃度等を示す数値は、固形分又は有効成分の質量基準の数値である。また、特に記載のない場合については、抄造した紙はJIS P 8111に準じて前処理を行った後、測定やテストに供した。
<実施例1>
表層、裏層用パルプ分散液として、CSF400mlに調整したLBKPスラリーに硫酸バンドを添加して、pH4.5に調整し、内添紙力増強剤としてポリアクリルアミド(商品名:ポリストロン1260、荒川化学工業製)をパルプ固形量の0.3質量%添加し、内添サイズ剤としてロジン系エマルジョン(商品名:AL−1200、星光PMC社製)をパルプ固形量の0.3質量%添加した。中層用パルプ分散液として、CSF380mlに調整したLBKPスラリーに、硝酸銅(3水和物)を対パルプ(全層合計)で0.1%となるように添加し、硫酸バンドを添加して、pH4.5に調整し、内添紙力増強剤としてポリアクリルアミド(商品名:ポリストロン1260、荒川化学工業製)をパルプ固形量の0.3質量%添加し、内添サイズ剤としてロジン系エマルジョン(商品名:AL−1200、星光PMC社製)をパルプ固形量の0.2質量%添加した。以上の条件のパルプスラリーを円網6層抄き合わせ抄紙機で、それぞれ乾燥後の付け量が、表層70g/m、中層(4層とも)70g/m、裏層70g/mとなるように抄き合わせる際、各層間に馬鈴薯澱粉(商品名:ファラジム、松谷化学工業社製)の1.0質量%水分散液を乾燥の塗布量が0.7g/mとなるように噴霧・乾燥した。抄紙パート後に設置された平滑化処理機(マシンキャレンダー)で表面紙力増強剤としてポリアクリルアミド(商品名:ポリマセット512、荒川化学工業社製)を0.5g/m塗工、平滑化処理を行い、坪量420g/m、厚さ0.42mm、含水分率9.0質量%のチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<実施例2>
実施例1において、各層間に噴霧する澱粉の塗布量を0.15g/mにした以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<実施例3>
実施例1において、各層間に噴霧する澱粉の塗布量を1.0g/mにした以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<実施例4>
実施例1において、各層の坪量を表層60g/m、中層(4層とも)50g/m、裏層50g/mとした以外は実施例1と同様にして、坪量310g/m、厚さ0.31mmのチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<実施例5>
実施例1において、各層間に噴霧する澱粉の水分散液濃度を2.0質量%とした以外は実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<実施例6>
チップ型電子部品収納台紙の製造において、平滑化処理機(マシンキャレンダー)で塗工される表面紙力増強剤としてポリアクリルアミド(商品名:ポリマセット512、荒川化学工業社製)を0.5g/mの代わりにアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−100、日本合成化学社製)を0.5g/mを塗工した以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<実施例7>
チップ型電子部品収納台紙の製造において、平滑化処理機(マシンキャレンダー)で塗工される表面紙力増強剤としてポリアクリルアミド(商品名:ポリマセット512、荒川化学工業社製)を0.5g/mの代わりに酸化デンプン(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)を0.5g/mを塗工した以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<実施例8>
実施例1において、含水分率を6.5質量%に調整した以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<比較例1>
実施例1において、各層間に澱粉を噴霧しなかった以外は実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<比較例2>
実施例1において、各層間に噴霧する澱粉の塗布量を1.5g/mにした以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<比較例3>
実施例1において、表層、中層、裏層用パルプ分散液のそれぞれに予め溶解したカチオン化デンプン(日食ネオタック#40T、日本食品化工社製)を固形比でパルプ固形量の1.0質量%となるように添加し、各層間に澱粉を噴霧しなかった以外は実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<比較例4>
実施例1において、含水分率を11.0質量%に調整した以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<比較例5>
実施例1において、含水分率を4.0質量%に調整した以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<高温下結露状態におけるチップ付着性評価>
(1)凹部形成
得られた電子部品収納台紙を8mm幅のテープ状にスリットして、JIS C 806−3に準拠し、日本オートマチックマシン社製ACP505S型穿孔機を用いて2mm間隔で、幅方向0.70mm、流れ方向0.40mmの凹型金型(0603電子部品用)を用いて凹部を形成した。
なお、実施例4のみ幅方向0.50mm、流れ方向0.30mmの凹型金型(0402電子部品用)を使用して凹部を形成した。
(2)チップ型電子部品の付着性試験
上記方法にて形成された凹部に0.6mm×0.3mm大のチップ型多層セラミックコンデンサを挿入した(なお、実施例4のみ凹部に0.4mm×0.2mm大のチップ型多層セラミックコンデンサを挿入した)後、マイクロシリンジによって、キャビティ上に水滴0.01mlを乗せて、180℃のホットプレート上に30秒間放置した後に電子部品収納台紙を裏向けて、チップ型多層セラミックコンデンサの脱離の様子から付着具合を評価した。
チップ付着性評価指標
○ : 全く付着していない。
○−: わずかに付着しており、弱い衝撃を与えることで脱離する。
△ : 付着が見られ、強い衝撃を与えることで脱離する。
× : 付着が見られ、強い衝撃を与えても脱離しない。
なお、実装機で問題なく使用できるレベルは○−までと判断する。
<チップ型電子部品収納台紙の層間強度の測定>
得られた電子部品収納台紙の層間強度をTAPPI UM 522に基づいて測定した。上記の各試験結果を表1に示す。
Figure 2014141279
実施例で得られた電子部品収納台紙はいずれも結露環境でのトップテープのテーピング工程を想定した場合のチップ付着性に問題なかった。また、層間強度も層間剥離やしわ、折れが起こり難い範囲であった。一方比較例で得られた電子部品収納台紙は、チップ付着と層間強度の両方を満足するものはなかった。
本発明に係る電子部品収納台紙は、特に0.7mm×0.4mm以下の微小なチップ型電子部品が装填されてもキャビティ壁面に付着することに起因する実装トラブルを起こし難いものであるため、これを用いたチップ型電子部品収納台紙は実用上極めて有用である。

Claims (5)

  1. 表層、単層又は複数層からなる中層、及び裏層からなる多層紙基材にチップ型電子部品を収納する凹部又は穿孔部が設けられたチップ型電子部品収納台紙であり、前記チップ型電子部品の表面の大きさが0.7mm×0.4mm以下であり、且つチップ型電子部品収納台紙の厚さが470μm以下であって、且つ前記多層紙基材は、その各層間に澱粉を塗布させるものであり、前記澱粉の各層間の塗布量が固形分で0.1乃至1.2g/m2とし、さらに前記多層紙基材の含水分率を6.0乃至10.0質量%としたことを特徴とするチップ型電子部品収納台紙。
  2. 前記澱粉の水分散液濃度を0.01乃至1.80質量%とした請求項1記載のチップ型電子部品収納台紙。
  3. 前記チップ型電子部品収納台紙のTAPPI UM 522で規定される層間強度が、300乃至2000kPaである請求項1〜2記載のチップ型電子部品収納台紙。
  4. 前記チップ型電子部品収納台紙表面にポリアクリルアミド及び/又は変性ポリビニルアルコールを塗布した請求項1〜3記載のチップ型電子部品収納台紙。
  5. 前記多層紙基材の層間に塗布する澱粉が、未溶解状態で水中に分散させた澱粉を噴霧して塗布させるものである請求項1〜4記載のチップ型電子部品収納台紙の製造方法。
JP2013011459A 2013-01-24 2013-01-24 チップ型電子部品収納台紙およびその製造方法 Pending JP2014141279A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5837676B1 (ja) * 2014-12-26 2015-12-24 大王製紙株式会社 プレスポケット型キャリアテープ用原紙
JP2016124618A (ja) * 2015-09-14 2016-07-11 大王製紙株式会社 プレスポケット型キャリアテープ用原紙
JP2016156119A (ja) * 2015-02-19 2016-09-01 王子ホールディングス株式会社 ヒートシールシート、その製造方法およびプレススルー包装体

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