JP2015105136A - チップ型電子部品収納台紙およびその製造方法 - Google Patents

チップ型電子部品収納台紙およびその製造方法 Download PDF

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律雄 萬道
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幸伸 花村
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真也 秋元
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Abstract

【課題】本発明は、巻き取り加工時にシワや層間剥離を起こさず、またカバーテープやボトムテープとの良好なシール適性を有し、チップ型電子部品の実装工程においても実装トラブルを起こさないチップ型電子部品収納台紙を提供する。【解決手段】紙基材とプラスチック発泡体基材とを貼合したチップ型電子部品収納台紙において、前記チップ型電子部品収納台紙の厚さが1,100μm以上であり、前記発泡体基材の密度が0.15〜0.80g/cm3であり、且つ紙基材面にカバーテープが貼合されることを特徴とするチップ型電子部品収納台紙である。【選択図】なし

Description

本発明は、チップ型電子部品収納台紙及びその製造方法に関するものである。より詳しく述べるならば、本発明は、特に厚さが1,000μm以上の比較的大きなチップ型電子部品を装填する収納台紙に関するもので、巻き取り加工時にシワや層間剥離を起こさず、カバーテープやボトムテープとの良好なシール適性を有し、チップ型電子部品の実装工程においても実装トラブルを起こさないチップ型電子部品収納台紙とその製造方法に関するものである。
チップ型電子部品は、家庭用電化製品から情報通信機器、PC等あらゆる製品に使用されている。
チップ型電子部品は、単独では保管や搬送が困難であるため、通常紙製またはプラスチック製の収納台紙(キャリアテープ)に予め装填されており、これをマウンター(組み立て機械)にセットして搬送するものである。
紙製チップ型電子部品収納台紙は、通常、台紙用紙基材を次のように加工処理して台紙とし、チップ型電子部品のキャリアとして使用される。(1)台紙用紙基材を所定の幅にスリットする。(2)所定大きさの角孔と丸孔を開ける(パンチ加工)。角孔はチップ型電子部品収納用で、丸孔(貫通孔)は電子部品の充填機内送り用である。(3)台紙用紙基材の裏面(ボトム側)にカバーテープを接着して台紙とする。なお、角孔を開けないで、所定の大きさの角状エンボンス加工をすることもあり、この場合、ボトム側のカバーテープ接着工程は省かれる。台紙用紙基材とカバーテープを接着する方法は、台紙用紙基材とカバーテープを重ね、カバーテープ上から熱と圧力を加えて接着する、いわゆるヒートシール法で行われる。(4)チップ型電子部品を台紙の角孔に充填する。(5)台紙の表面(トップ側)にヒートシール法によってカバーテープを熱圧着する。(6)所定の大きさのカセットリールに巻き付け、チップ型電子部品を収納した状態で出荷する。(7)最終ユーザー(実装メーカー)でトップ側カバーテープを剥がし、チップ型電子部品を取り出し、プリント基板に実装される。
以上のように使用されることから、収納台紙に求められる品質には、充填したチップ型電子部品の品質へ悪影響を及ぼさないこと、さらに、カバーテープが良好に接着されるように表面平滑性を有すること、カセットリールへの巻き付け時の曲げ応力などによる層間剥離や、台紙割れ、または、しわや折れなどを生じない強度を有すること、チップ部品を挿入する角孔(以下キャビティと記す)の形成精度が良好で、部品の充填、取り外し性が良好であること、キャビティ形成に使用する金型の摩耗が少ないこと等が挙げられる。
このうち、収納台紙の厚さが950μm程度のものまでは、カセットリールへの巻き付け時の曲げ応力によって層間剥離や台紙割れを起こさず商品化されているが、1,000μmを超えるものについては、カセットリールに巻き付けた場合、表面と裏面の曲率差から前述のさまざまな不具合を生じるおそれがある。
また、製造面においても、厚さが1,000μmを超える板紙を抄紙機で抄造する場合は中層からの脱水が過剰量となり表面にフクレを生じたり、巻き取り工程でシワが発生するため、製造は困難である。
その他の収納台紙の厚さを稼ぐ方法としては、紙基材同士を可塑性接着剤層を介して積層する貼合紙が提案されている(特許文献1)。この場合、可塑性接着剤層が表面側基材と裏面側基材間の曲率差から生じるしわや折れ等の不具合はある程度改善するが、可塑性接着剤がキャビティ壁面に浸み出し、チップ型電子部品がキャビティ壁面に接着して実装不良を起こすおそれがある。また、貼合紙の片面から厚さ方向の途中まで刃を入れることでしわや折れの発生を防ぐことにより、使用できる接着剤を特に限定しない貼合紙が提案されている(特許文献2)。この場合、刃を入れた部分が、チップ型電子部品挿入時や実装時に、部材に引っかかり、走行性不良を起こすおそれがある。さらに、プラスチック発泡体との貼合によって、発泡体部分のクッション性で、カセットリール巻き付け時に発生する厚さ方向の歪を軽減することが考えられる。紙と発泡体との貼合については、テープ状の発泡プラスチック製基材の両面または片面に、テープ状の紙またはフィルムを貼着して、伸びにより生ずるキャビティ変形による問題、静電気による実装不良を改善するキャリアテープが提案されている(特許文献3)。ただし、発泡体の材質、各層の厚さ、貼合方法についても詳細には記載されておらず、巻き取り時のシワや層間剥離の問題、さらにはカバーテープ、ボトムテープのヒートシール適性についても記載されていない。また、通常カバーテープはヒートシール方式でチップ型電子部品収納台紙と貼合されるが、特にヒートシール面がプラスチック発泡体の場合、ヒートシールの加熱により軟化や場合によっては追加発泡が発生して、厚さが不均一となりチップ型電子部品の挿入や実装に問題を起こすおそれがある。さらに、発泡体粒子を含んだ低密度嵩高紙の片面に紙あるいは板紙が貼合された貼合紙が提案されている(特許文献4)。この場合は、発泡体粒子を含んだ低密度嵩高紙層の強度が低いために層間剥離を生じ、チップ型電子部品の挿入及び取り出し不良が発生することがある。
このように、厚さが1,100μmを超える満足なチップ型電子部品収納台紙は得られておらず、比較的高価なプラスチック基材を用いたエンボスキャリアテープが使用されているのが現状である。
特開平8−26335号公報 特開2004−268949号公報 特開昭58−108731号公報 特開2000−43975号公報
上述したように、本発明は厚さが1,100μm以上のチップ型電子部品収納台紙に関するものである。具体的には、巻き取り加工時にシワや層間剥離を起こさず、またカバーテープやボトムテープとの良好なシール適性を有し、チップ型電子部品の実装工程においても実装トラブルを起こさないチップ型電子部品収納台紙を提供することを目的に検討を進めた。
本発明者らは、特に厚さが1,000μm以上の比較的大きなチップ型電子部品を装填する収納台紙に関して、構成、材質、構成各層の厚さ、貼合接着剤について鋭意検討した。そして、紙基材とプラスチック発泡基材とを貼合したチップ型電子部品収納台紙において、収納台紙の厚さおよびプラスチック発泡基材の密度を特定範囲とし、紙基材面にカバーテープを貼合することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は、以下の各構成を包含する。
(1)紙基材とプラスチック発泡体基材とを貼合したチップ型電子部品収納台紙において、前記チップ型電子部品収納台紙の厚さが1,100μm以上であり、前記プラスチック発泡体基材の密度が0.15〜0.80g/cmであり、且つ紙基材面にカバーテープが貼合されることを特徴とするチップ型電子部品収納台紙。
(2)前記プラスチック発泡体基材の紙基材と貼合された面と反対の面にも紙基材を貼合されることを特徴とする(1)に記載のチップ型電子部品収納台紙。
(3)前記紙基材の厚さが100μm以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載のチップ型電子部品収納台紙。
(4)前記チップ型電子部品収納台紙の厚さが1,100〜3,500μmであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のチップ型電子部品収納台紙。
(5)前記プラスチック発泡体基材の材質がポリスチレン、耐熱ポリスチレン、ポリエチレンから選択される少なくとも1種を主成分とすることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のチップ型電子部品収納台紙。
(6)前記ポリエチレンの発泡前の密度が0.95g/cm以上であることを特徴とする(5)に記載のチップ型電子部品収納台紙。
(7)前記チップ型電子部品収納台紙の紙基材とプラスチック発泡体基材との貼合用の接着剤が水溶性高分子接着剤および/または水性エマルション接着剤であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載のチップ型電子部品収納台紙。
(8)前記水性エマルション接着剤がエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルションおよび/または酢酸ビニル樹脂エマルションであることを特徴とする(7)に記載のチップ型電子部品収納台紙。
(9)前記チップ型電子部品収納台紙の紙基材とプラスチック発泡体基材との貼合が水溶性高分子接着剤および/または水性エマルション接着剤を塗布、乾燥して行うことを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1項に記載のチップ型電子部品収納台紙の製造方法。
本発明は、特に厚さが1,100μm以上のチップ型電子部品収納台紙に関するもので、巻き取り加工時にシワや層間剥離を起こさず、またカバーテープやボトムテープとの良好なシール適性を有し、チップ型電子部品の実装工程においても実装トラブルを起こさないチップ型電子部品収納台紙が提供される。
本発明のチップ型電子部品収納台紙は、紙基材とプラスチック発泡体基材とを貼合し、その厚さが1,100μm以上とするもので、前記プラスチック発泡体基材の密度が0.15〜0.80g/cmであり、且つ紙基材面にカバーテープを貼合することにより、しわや折れの発生を防止するとともに、良好なシール適性が得られる。また、チップ型電子部品の実装工程においても実装トラブルを防止するものである。
本発明で使用されるプラスチック発泡体基材の材質は特に限定されるものではないが、たとえばポリスチレン、耐熱ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、ポリフェノール、ポリ塩化ビニル、ポリ尿素、ポリアクリル、EPDM等の樹脂が挙げられる。なかでもポリスチレン、耐熱ポリスチレン、ポリエチレンの発泡体が強度、柔軟性のバランスの面で好ましい。ポリエチレン発泡体を使用する場合、発泡前の密度が0.95g/cm以上であることが、発泡後の強度や耐熱性が優れるためより好ましい。
本発明で使用されるプラスチック発泡体基材の密度としては、0.15〜0.80g/cmの範囲で調整される。0.15g/cmを下回る場合は、十分な強度が得られず、巻き取り時に所望の厚さが保持できないばかりか、キャビティ打ち抜き加工時に打ち抜きカスやスリットカスが発生し、チップ型電子部品の挿入や実装に問題をきたすおそれがあるため、好ましくない。0.80g/cmを超える場合は、シワや折れを防止する効果が得られにくくなり、また経済的にも好ましくない。
本発明のチップ型電子部品収納台紙の構成としては、紙基材とプラスチック発泡体基材とを貼合し、紙基材側にカバーテープを貼合するものであるが、より好ましくはプラスチック発泡体基材の紙基材と貼合された面と反対の面にも紙基材を貼合することができる。この場合、ボトムテープのヒートシール適性がさらに向上する。なお、プラスチック発泡体基材と貼合される紙基材の厚さについては、特に限定されるものではないが、100μm以上が好ましい。より好ましくは200μmである。紙基材の厚さが100μmを下回る場合は、カバーテープやボトムテープを貼合する際、ヒートシールの熱が発泡体に伝わり、悪影響を及ぼす可能性があるため好ましくない。
本発明のチップ型電子部品収納台紙の厚さは、1,100μm以上とするものであり、厚さの上限については特に限定するものではないが、3,500μmを超える場合は、発泡体を使用しても巻き取り時にしわや折れが発生するおそれがあるため好ましくない。なお、チップ型電子部品収納台紙の厚さはチップ型電子部品の厚さ(大きさ)より大きくなるように適宜設定するものである。
本発明では、紙基材とプラスチック発泡体基材との貼合方法については、特に限定するものでなく、各種方法が適用できる。たとえば、水溶性高分子接着剤や水性エマルション接着剤を紙基材および/または発泡体基材に塗布し貼合する方法、ホットメルト接着剤を紙基材に塗布し貼合する方法等が挙げられ、なかでも水溶性高分子接着剤や水性接着剤を塗布して貼合する方法が発泡体への影響が小さいため好ましい。
水溶性高分子接着剤や水性エマルション接着剤としては、例えば変性、非変性のポリビニルアルコール、デンプン、ポリアクリルアミド、アクリル系樹脂エマルション、スチレン−ブタジエン共重合体エマルション、スチレン−イソプレン共重合体エマルション、ポリエステル樹脂エマルション、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルション、酢酸ビニル樹脂エマルション、酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体エマルション、ウレタン系樹脂エマルション等が挙げられる。なかでも、酢酸ビニル樹脂エマルション、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルションがより好ましい。
水溶性高分子接着剤や水性エマルション接着剤の塗布量については、特に限定するものではないが、例えば乾燥後の固形分で2〜40g/m、より好ましくは5〜30g/m、さらに好ましくは10〜25g/mである。塗布量が2g/mを下回る場合は、満足な貼合強度が得られず、使用中に層間剥離をきたすおそれがある。40g/mを超えるとキャビティ壁面に接着剤層が観察されるようになり、チップ型電子部品がその部分に付着して実装不良を起こすおそれがあり、やはり好ましくない。
紙基材については、単層抄紙でもよいし、円網または短網の多層抄紙でもよい。多層抄紙の場合は、層間にポリビニルアルコールや澱粉等の層間接着剤を使用することも可能である。
各層間の澱粉の種類としては、特に限定されるものではないが、例えばトウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、またはアセチル化澱粉、尿素リン酸化澱粉、酸化澱粉等の変性澱粉が挙げられる。
本発明では、各層間に塗布する澱粉の塗布方法としては、特に限定するものではないが、例えば未溶解状態で水中に分散させた澱粉を噴霧して塗布させることや、水に溶解させたものも使用できる。
各層間の層間接着剤の塗布量としては、0.1〜1.5g/mが好ましく、0.2〜0.9g/mがより好ましい。
本発明の紙基材に使用されるパルプの種類としては、通常木材パルプを使用する。主に広葉樹または針葉樹の晒クラフトパルプが使用されるが、必要に応じて砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ等の機械パルプ、古紙パルプ等を使用することもできる。
さらに、本発明では、チップ挿入後の収納台紙保存時の錆を防止するため、錆を発生させる要因となる硫化水素を吸着固定することができる金属塩類を紙基材中に含有させることも可能である。金属塩類としては、特に銅化合物が好ましい。銅の含有量は質量として、紙基材中に10〜1000ppm含有することが好ましく、更に好ましい範囲としては、10ppm〜300ppmである。10ppm未満では硫酸塩還元細菌の増殖にともなう硫化水素の発生分が吸収されず、錆の発生を抑えることができないため好ましくない。また、1000ppmを超えると、効果が頭打ちになり、さらに多量に入れると、特に銅化合物では水溶液が青色に着色していることが多いためパルプ自体の色目が変化してしまい、好ましくない。
前記銅化合物を紙基材中に含有させるには、銅化合物を水溶液にして添加する方法が簡便であり、またパルプスラリーに添加・攪拌することで均一に金属イオンを分散させることができるため好ましい。チップ型電子部品収納台紙はチップ型電子部品を収納するキャビティが形成されてその中にチップ型電子部品が収納されるため、収納台紙全体で硫化水素を固定する必要があるが、硫化水素の発生源は紙基材部分であるため、塗布や含浸などよりパルプスラリーと混合する方が好ましい。
前記銅化合物としては、水溶液として添加できる硫酸、塩酸、硝酸、酢酸との塩が好ましい。具体的には、硫酸銅、硝酸銅、塩化第一銅、塩化第二銅等の銅化合物が挙げられる。中でも薬品の安定性、作業環境、安全性の面から硫酸銅がもっとも好ましい。硫酸銅は食品添加物として使用されており、安全性には問題がない。廃棄物として燃焼させたときにも問題が無い。また、灰からの溶出基準もなく、環境に影響を与えるものではないため、好ましい。
本発明で使用されるパルプは、公知の方法により叩解して使用することができるが、叩解しなくても問題はない。叩解機には特に限定はなく、ビーター、ジョルダン、デラックス・ファイナー(DF)、ダブル・ディスク・レファイナー(DDR)等、種々の叩解機が使用される。叩解する場合は、カナダスタンダードフリーネスで250ml〜560ml程度の処理が好ましく、更には300ml〜470mlが好ましい。560mlよりも高いと強度、特に層間強度が弱くなり好ましくない。一方、250mlよりも叩解を進めると、パルプ歩留の低下、原紙の高密度化による量目損の問題やシワ、折れの発生予防の面からも好ましくない。
また、必要に応じて、種々の内添薬品を使用できる。例えば、ロジン系サイズ剤、スチレン−マレイン酸系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸など、天然及び合成の製紙用の内添サイズ剤、両性ポリアクリルアミド等の紙力増強剤、濾水歩留り向上剤、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン等の耐水化剤、消泡剤等が挙げられる。
本発明のチップ型電子部品収納台紙のTAPPI UM 522で規定される層間強度は、特に限定するものではないが、2000kPa以下の範囲で調整されるのが好ましい。層間強度が2000kPaを上回る場合は、台紙の剛度も上昇するため、カセットリールに巻き取った場合にしわや折れが発生しやすくなり実装トラブルの原因となるため、好ましくない。
本発明では、カバーテープ、ボトムテープとの接着性及びケバ防止効果を向上させるために紙基材のカバーテープやボトムテープが貼合される面、必要に応じて紙基材裏面に、各種変性、非変性のポリビニルアルコール、デンプン、ポリアクリルアミド、アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−イソプレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル−ビニルアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂など必要な薬品を適宜塗布することが可能である。なかでもポリアクリルアミドやアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールは、カバーテープとの接着性とケバ防止効果を得られやすいため好ましく用いられる。
また、表面処理剤には、カバーテープとの接着性を向上させ、さらに紙基材表面の強度を高めるためにスチレン−マレイン酸樹脂、オレフィン−マレイン酸樹脂を含有させることができる。スチレン−マレイン酸樹脂、オレフィン−マレイン酸樹脂は疎水基と親水基を有しており、紙基材表面に塗工することにより、表面のカバーリングのほか、紙層中に浸透し、親水基であるカルボン酸がパルプ繊維と水素結合を形成し、繊維間を架橋した状態にし、繊維間結合を大幅に向上させる。繊維間結合の向上により、カバーテープを剥がす際の抵抗力が向上し、剥離強度を強くするほか、チップ型電子部品の実装に悪影響するケバとなる繊維の抜けを防止出来る。
本発明において、上記のように紙基材表面に表面処理剤を塗布・含浸する手段としては、例えば、バーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ゲートロールコーターやサイズプレスやキャレンダーコーター等のロールコーター、ビルブレードコーター等の塗布装置が使用できる。
水溶性高分子の塗布量は、0.1〜2.0g/mであることが好ましい。塗布量が2.0g/mを超えて塗布すると、カバーテープとの接着力が著しく弱くなり好ましくない。また、0.1g/mよりも少ないとケバや紙粉を抑える効果が弱い。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。各例中、配合、濃度等を示す数値は、固形分又は有効成分の質量基準の数値である。また、特に記載のない場合については、抄造した紙はJIS P 8111に準じて前処理を行った後、測定やテストに供した。
<実施例1>
(1)紙基材のパルプ分散液調製
表層、裏層用パルプ分散液として、CSF400mlに調整したLBKPスラリーに硫酸バンドを添加して、pH4.5に調整し、内添紙力増強剤としてポリアクリルアミド(商品名:ポリストロン1260、荒川化学工業製)をパルプ固形量の0.3質量%添加し、内添サイズ剤としてロジン系エマルジョン(商品名:AL−1200、星光PMC社製)をパルプ固形量の0.3質量%添加した。
(2)表層用紙基材の製造
(1)で得られたパルプ分散液を用いて、長網抄紙機を用いて、坪量90g/mで抄紙を行い、サイズプレスにて表面紙力増強剤としてポリアクリルアミド(商品名:ポリマセット512、荒川化学工業社製)を0.5g/m塗布、平滑化処理を行い、坪量90.5g/m、厚さ110μm、含水分率9.0質量%の表層用紙基材を得た。
(3)裏層用紙基材の製造
(1)で得られたパルプ分散液を用いて、長網抄紙機で、坪量90g/m2の抄紙を行い、サイズプレスにて表面紙力増強剤としてポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ社製)を0.5g/m塗布、平滑化処理を行い、坪量90.5g/m、厚さ110μm、含水分率9.0質量%の裏層用紙基材を得た。
(4)チップ型電子部品収納台紙の製造
(2)、(3)で得られた表層用紙基材、裏層用紙基材の各片面にエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルション(商品名:ポリゾールEVA AD−18、昭和電工社製)の56%分散液を乾燥後の固形分として20g/mとなるようにロールコーターで塗布し、発泡ポリスチレンシート(商品名:MD200A−200、厚さ1,200μm、密度0.17g/cm、積水化成品工業社製)と貼合後、乾燥して厚さ1,420μm、坪量425g/m、密度0.3g/cmのチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<実施例2>
実施例1の(2)の表層用紙基材において、6層短網抄紙機を用いて、坪量315g/mの抄紙を行い、オンマシンカレンダーにて表面紙力増強剤としてポリアクリルアミド(商品名:ポリマセット512、荒川化学工業社製)を0.5g/m塗布、平滑化処理を行い、坪量315.5g/m、厚さ350μm、含水分率9.0質量%の表層用紙基材を得た。さらに実施例1の(4)チップ型電子部品収納台紙の製造において、発泡ポリスチレンシートの代わりに、発泡ポリエチレンシート(商品名:PES400−1035−150、厚さ1,000μm、密度0.4g/cm、発泡前の密度0.975g/cm、積水化成品工業製)を用い、裏面紙基材は用いず、表層紙基材と発泡ポリエチレンシートの貼合で、厚さ1,350μm、坪量735.5g/m、密度0.54g/cmのチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<実施例3>
実施例1の(2)の表層用基材の製造において、坪量を60.5g/m、厚さを75μmに変更し、且つ(3)の裏層用基材の製造において、坪量を60.5g/m、厚さを75μmに変更した以外は実施例1と同様にして、厚さ1,350μm、坪量361g/m、密度0.27g/cmのチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<実施例4>
実施例2の(4)チップ型電子部品収納台紙の製造において、発泡ポリエチレンシートの代わりに、発泡ポリプロピレンシート(商品名:DP−NN33A−200A、厚さ1,100μm、密度0.3、積水化成品工業製)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ1,450μm、坪量665.5g/m、密度0.46g/cmのチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<実施例5>
実施例1の(4)のチップ型電子部品収納台紙の製造において、(2)、(3)で得られた表層用紙基材、裏層用紙基材の各片面にエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルションの代わりに、酢酸ビニル樹脂エマルション(商品名:ポリゾールAX−505Z、昭和電工社製)の35%分散液を乾燥後の固形分として20g/mとなるようにロールコーターで塗布し、発泡ポリスチレンシート(商品名:MD200A−200、厚さ1,200μm、密度0.17g/cm、積水化成品工業社製)と貼合後、乾燥して厚さ1,420μm、坪量425g/m、密度0.3g/cmのチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<比較例1>
実施例1の(2)の表層用基材の製造において、9層円網抄紙機を用いて、坪量540g/mの抄紙を行い、オンマシンカレンダーにて表面紙力増強剤としてポリアクリルアミド(商品名:ポリマセット512、荒川化学工業社製)を片面に0.5g/m塗布、もう一方の面には水を塗工して平滑化処理を行い、坪量540.5g/m、厚さ675μm、含水分率9.0質量%の表層用紙基材を得た。
さらに、実施例1の(3)の裏面層用基材の製造において、9層円網抄紙機を用いて、坪量540g/mの抄紙を行い、オンマシンカレンダーにて表面紙力増強剤としてポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ社製)を片面に0.5g/m塗布、もう一方の面には水を塗布して平滑化処理を行い、坪量540.5g/m、厚さ675μm、含水分率9.0質量%の裏層用紙基材を得た。
上記で得られた表層用基材のポリアクリルアミドを塗工した面の反対面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルション(商品名:ポリゾールEVA AD−18、昭和電工社製)の56%分散液を乾燥後の固形分として20g/mとなるようにロールコーターで塗布し、上記で得られた裏層用基材のポリビニルアルコールを塗布した面の反対面に貼合、乾燥して、坪量1,101g/m、厚さ1,350μm、密度0.82g/cmのチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<比較例2>
実施例1の(4)チップ型電子部品収納台紙の製造において発泡ポリスチレンシートの代わりに、発泡耐熱ポリスチレンシート(商品名:DHS−Y3600−250A、厚さ1,800μm、密度0.1g/cm、積水化成品工業製)を用いた以外は実施例1と同様にして、坪量401g/m、厚さ2,020μm、密度0.20g/cmのチップ型電子部品収納台紙を製造した。
<比較例3>
チップ型電子部品収納台紙として、発泡ポリスチレンシート(商品名:MD200A−200、厚さ1,200μm、密度0.17g/cm、積水化成品工業社製)を用いた。
<キャリアテープ加工適性評価>
得られた電子部品収納台紙を8mm幅のテープ状にスリットして、JIS C 806−3に準拠し、日本オートマチックマシン社製ACP505S型穿孔機を用いて4mm間隔で、幅方向2.12mm、流れ方向1.37mmの金型(2012電子部品用)を用いて角孔を形成してキャリアテープ加工を行い、粉塵発生状況を確認した。
また、得られたキャリアテープは内径76mm、肉厚10mmの紙管にトラバース巻きで巻き取ったテープの状態を確認した。
<ボトムテープシール適性の評価>
得られたチップ型電子部品収納台紙の裏面側にヒートシール機(モデル:TP−701S、テスター産業製)を用いて、ボトムテープ(商品コード:S4Y17T300A25、レーザーテック社製)を用いて、(貼合条件:コテ温度180℃、コテ圧0.5kgf/cm、加熱時間0.1秒)で貼合して貼合適性を確認した。
<カバーテープシール適性、ピール適性の評価>
表面側に上記ボトムテープシール適性評価で用いたヒートシール機を用いて、カバーテープ(商品名:318H−14A、日東電工社製)を用いて、(貼合条件:コテ温度155℃、コテ圧0.6kgf/cm、加熱時間0.1秒)で、貼合後、剥離強さ測定機(商品名:NPT−100、日本ガーター社製)を用いて、JIS C 0806に準拠して剥離強さを測定した。なお、剥離強さについては、測定値の最大値と最小値の平均値をもって剥離強さとした。
以上の試験結果を纏めて表1に示す。
Figure 2015105136
<評価基準>
(パンチ加工適性)
○: 問題なくパンチ加工できた。
×: パンチ加工時に発塵が認められた。
(トラバース巻き加工適性)
○: 問題なくトラバース巻き加工ができた。
△: やや不具合が認められたが、使用可能レベル
×: 使用不可の不具合が発生した。
(ボトムテープ貼合適性)
ボトムテープ貼合時の加熱によって起こる発泡体基材の追加発泡による厚さ変化を評価。50μm以上の厚さ変化がある場合、チップ型電子部品の挿入時や実装時にトラブルを起こすおそれがあると判断する。
(カバーテープ貼合適性)
カバーテープ貼合時の加熱によって起こる発泡体基材の追加発泡による厚さ変化を評価。10μm以上の厚さ変化がある場合、チップ型電子部品の挿入時や実装時にトラブルを起こすおそれがあると判断する。
(カバーテープのピール強度)
10乃至50gfの範囲で良好なピール適性が得られる。
実施例で得られた電子部品収納台紙はいずれもキャリアテープ加工適性、ボトムテープ貼合、カバーテープ貼合適性とも良好な結果が得られた。一方比較例で得られた電子部品収納台紙は、キャリアテープ加工適性、ボトムテープ貼合、カバーテープ貼合適性を同時に満足するものはなかった。
本発明に係る電子部品収納台紙は、特に厚さが1,100μm以上で、巻き取り加工時にシワや層間剥離を起こさず、また、カバーテープやボトムテープとの良好なシール適性を有し、チップ型電子部品の実装工程においても実装トラブルを起こし難いものであるため、これを用いたチップ型電子部品収納台紙は実用上極めて有用である。

Claims (9)

  1. 紙基材とプラスチック発泡体基材とを貼合したチップ型電子部品収納台紙において、前記チップ型電子部品収納台紙の厚さが1,100μm以上であり、前記発泡体基材の密度が0.15〜0.80g/cmであり、且つ紙基材面にカバーテープが貼合されることを特徴とするチップ型電子部品収納台紙。
  2. 前記プラスチック発泡体基材の紙基材と貼合された面と反対の面にも紙基材を貼合されることを特徴とする請求項1に記載のチップ型電子部品収納台紙。
  3. 前記紙基材の厚さが100μm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のチップ型電子部品収納台紙。
  4. 前記チップ型電子部品収納台紙の厚さが1,100〜3,500μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のチップ型電子部品収納台紙。
  5. 前記プラスチック発泡体の材質がポリスチレン、耐熱ポリスチレン、ポリエチレンから選択される少なくとも1種を主成分とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のチップ型電子部品収納台紙。
  6. 前記ポリエチレンの発泡前の密度が0.95g/cm以上であることを特徴とする請求項5に記載のチップ型電子部品収納台紙。
  7. 前記チップ型電子部品収納台紙の紙基材とプラスチック発泡体基材との貼合用の接着剤が水溶性高分子および/または水性エマルション接着剤であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のチップ型電子部品収納台紙。
  8. 前記水性エマルション接着剤がエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルションおよび/または酢酸ビニル樹脂エマルションであることを特徴とする請求項7に記載のチップ型電子部品収納台紙。
  9. 前記チップ型電子部品収納台紙の紙基材とプラスチック発泡体基材との貼合が水溶性高分子および/または水性エマルション接着剤を塗布、乾燥して行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のチップ型電子部品収納台紙の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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