JP5472005B2 - チップ型電子部品収納台紙 - Google Patents
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Description
最近では、国内で電子部品を収納し、ヒートシールされたチップ型電子部品収納台紙が海外に輸出される場合が増えてきている。輸送手段としては、通常船舶によるもので、輸送には長時間を要する。また輸送中または、使用される現地では、国内とは大きく異なる気候であることが考えられるため、経時や温湿度変化に対して安定な剥離強度とケバ立ち抑制効果が求められる。
さらには、カバーテープをヒートシールした後の経時や温湿度変化に対して安定な剥離強度を保持し、且つケバ立ちを抑制したチップ型電子部品収納台紙を提供することを目的とするものである。
(1)チップ型電子部品を収納する多層抄板紙からなるチップ型電子部品収納台紙において、エチレン−酢酸ビニル共重合体層とポリエチレンテレフタレート層が積層されたトップカバーテープが接触する熱接着される台紙表面に、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールを含有する塗工層を形成したチップ型電子部品収納台紙。
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの鹸化度についても特に限定するものではないが、90以上が好ましい。90mol%未満の場合、カバーテープとの接着強度は得られるが、高湿環境下におけるカバーテープとの接着強度低下が大きいため好ましくない。
架橋剤の具体例としては、アジピン酸ジヒドラジド、グリオキサール、ジメチロール尿素、炭酸ジルコニウムアンモニウム、塩基性塩化ジルコン、硝酸ジルコン、グルタールアルデヒド、ホウ酸、硼砂、グリオキシル酸、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
なかでもアジピン酸ジヒドラジドは、アセト酢酸エステル基と反応して、乾燥程度の低温で耐水性を有する保護層が形成され、ケバ立ち抑制効果を低下させることなくカバーテープとの接着強度を向上させるため好ましい。
架橋剤の使用量としては、塗工層塗料に添加する場合、別工程で塗工する場合ともアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールに対して、0.1〜200質量%の範囲で調整することが好ましい。
なかでもバーコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、スライドビードコーター等塗料の基材への押し込み度合いが小さい塗工方式による塗工が台紙表面にアセトアセチル基ポリビニルアルコールを存在させることができ、ケバ立ち抑制効果が得られやすいため好ましい。なかでもバーコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーターがより好ましい。
23℃50%RH環境下に3日間放置後、同環境下でチップ型電子部品を収納する台紙を8mm幅のテープ状にカットし、カバーテープとして日東電工(株)製の「No.318H−14A」〔ポリエチレンテレフタレート(PET)とエチレン−ビニル酢酸エステル共重合体(EVA)との共押出しラミネートフィルム:幅5.25mm、厚さ53μm、〕を使用して台紙の一側縁側を覆い、次いで、テスター産業(株)製のヒートシールテスター「TP701S」を用い、ヒートシール温度155℃、試料にかかるヒートシール圧力1.0MPa、ヒートシール時間0.2秒間の条件で、カバーテープで覆われた側縁から内側に0.5mmの位置から、幅0.4mmで間隔3.0mmのレール状に該カバーテープを台紙面にヒートシールし、次いで、約1時間後に、剥離強度をJIS C 0806−3に準拠した方法(剥離速度300mm/min)で、測定時間12秒間で測定し、その間の平均値を求めた。
剥離強度の測定後のヒートシール部を目視で確認する。
◎:まったくケバ立ちがない
○:1〜2本ケバ立ちがある。
△:3〜10本ケバ立ちがある。
×:全面にケバ立ちがある。
高湿環境試験
上記、剥離強度の測定、ケバ立ち評価を23℃80%RH環境下に3日間放置したのち同じ環境下で行う以外は上記方法と同様に行った。
低湿環境試験
上記、剥離強度の測定、ケバ立ち評価を23℃30%RH環境下に3日間放置したのち同じ環境下で行う以外は上記方法と同様に行った。
表層、中層、裏層でパルプを使い分け、表層用にはNBKP30%、LBKP70%を混合叩解し、CSF(カナダスタンダードフリーネス)400mlのパルプを調製し、中層用にはNBKP20%、LBKP20%、上質古紙20%、新聞古紙40%の配合でCSF350mlのパルプを調製し、裏層用にはNBKP25%、LBKP25%、新聞古紙50%の配合でCSF400mlのパルプを調製した。それぞれのパルプスラリーに硫酸バンドを添加してpH6.0に調整し、内添紙力増強剤としてポリアクリルアミド(商品名:ポリストロン1260、荒川化学工業製)を0.3%添加した。以上の条件のパルプスラリーを円網3層抄合わせ抄造機で、それぞれ表層100g/m2、中層200g/m2、裏層50g/m2で抄合わせ、抄紙パート後にオンラインで設置されたバーコーターでアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−100、日本合成化学工業社製、重合度600、鹸化度99.1mol%)を乾燥後の質量で0.6g/m2となるよう塗布乾燥した後、バーコーター後に設置された平滑化処理機(マシンカレンダー)で平滑化処理を行い、坪量350g/m2、厚さ0.42mmのチップ型電子部品収納台紙を製造した。
実施例1のチップ型電子部品収納台紙の製造において、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールとして、ゴーセファイマーZ−100の代わりにゴーセファイマーZ−200(日本合成化学工業社製、重合度1100、鹸化度99.1mol%)を使用した以外は実施例と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
実施例1のチップ型電子部品収納台紙の製造において、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールを塗工後、マシンキャレンダーにてアジピン酸ジヒドラジド溶解液を乾燥後の塗布量が0.1g/m2となるようにニップ塗工した以外は実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
実施例3のチップ型電子部品収納台紙の製造において、アジピン酸ジヒドラジドの塗工量を0.6g/m2とした以外は実施例3と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
実施例1のチップ型電子部品収納台紙の製造において、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの代わりに完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ社製)を使用した以外は実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
実施例1のチップ型電子部品収納台紙の製造において、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの代わりに部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA217、クラレ社製)を使用した以外は実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
実施例1のチップ型電子部品収納台紙の製造において、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの代わりに酸化デンプン(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)を使用した以外は実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
実施例1のチップ型電子部品収納台紙の製造において、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの代わりにポリアクリルアミド(商品名:PS117、荒川化学工業社製)を使用した以外は実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
実施例1のチップ型電子部品収納台紙の製造において、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの代わりにアルケニルケテンダイマー(商品名:AS−1163,日本PMC社製)を使用した以外は実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
実施例1のチップ型電子部品収納台紙の製造において、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの代わりにジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF05、日本酢ビポバール社製、重合度:500、鹸化度98.5mol%)を使用した以外は実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
Claims (4)
- チップ型電子部品を収納する多層抄板紙からなるチップ型電子部品収納台紙において、エチレン−酢酸ビニル共重合体層とポリエチレンテレフタレート層が積層されたトップカバーテープが接触する熱接着される台紙表面にアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールを含有する塗工層を形成したことを特徴とするチップ型電子部品収納台紙。
- 前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールは、鹸化度90モル%以上、重合度500〜2000であることを特徴とする請求項1記載のチップ型電子部品収納台紙。
- 前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールを含有する塗工層上にさらに架橋剤を含有する塗工液を塗工した請求項1〜2のいずれか1項に記載のチップ型電子部品収納台紙。
- 前記架橋剤がアジピン酸ジヒドラジドである請求項3記載のチップ型電子部品収納台紙。
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