JP2008230651A - チップ型電子部品収納台紙 - Google Patents

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浩 末永
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Abstract

【課題】カバーテープ剥離時に静電気によるトラブルがなく、更に紙粉が原因のトラブルが極めて少ないチップ型電子部品収納台紙の提供。
【解決手段】アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)から選ばれる樹脂と、帯電防止剤、及び、ヒートシール剤、を共に含有し、10℃、30%RHの環境条件下で4.5m/分の速度でカバーテープ剥離させた時の帯電圧の絶対値が1,000V未満となるチップ型電子部品収納台紙。
【選択図】図1

Description

本発明は、帯電防止性能を付与し、無塵化したチップ型電子部品収納台紙に関するものである。
チップ型電子部品収納台紙は、通常、次のように加工処理をしてチップ型電子部品のキャリアとして使用される。
(1)所定の幅にスリットする。
(2)所定の大きさの角穴と丸穴を空ける。角穴はチップ型電子部品収納用で、丸穴は充填機内送り用である。
(3)台紙の裏面(ボトム側)にカバーテープを接着する。なお、角穴を空けないで、所定の大きさの角状エンボンス加工をすることもあり、この場合、この工程は省かれる。台紙とカバーテープを接着する方法は、台紙とカバーテープを重ね、カバーテープ上から熱と圧力を加えて接着する、いわゆるヒートシール法で行われる。
(4)チップ型電子部品を充填する。
(5)台紙の表面(トップ側)にヒートシール法によってカバーテープを接着する。
(6)所定の大きさのカセットリールに巻き付け、チップ型電子部品と共に出荷する。
(7)最終ユーザーでトップ側カバーテープを剥がし、チップ型電子部品を取り出す。
以上のように使用されることから、収納台紙に求められる品質には充填したチップ部品に悪影響を及ぼさないこと、更に、カバーテープが良好に接着されるよう紙の表面に平滑性を有すること、紙に対する各種処理に耐え得る強度を有すること、チップ部品を挿入する角穴(以下キャビティと記す)の寸法が正確であること等が挙げられる。
近年になり、チップ型電子部品が順次小型化されており、長さと幅が1.6×0.8mmから1.0×0.5mmが主流になると共に、0.6×0.3mm以下のサイズが実用化されてきたため、マウンターによる実装時の静電気によるトラブルが多くなってきた。また、チップ型電子部品が極小サイズになるほど、収納台紙から脱落した紙粉が限りなく少ないことが要求されており、更には基板の精密化に伴って、電子機器への実装工程がクリーンルームで行われる場合もあり、収納台紙の無塵化が望まれていた。
これまで、電子部品収納台紙の帯電防止方法としては、特開平9−188385号公報(特許文献1参照)には表面にカーボンブラックなどの導電剤を塗工あるいは導電紙を貼合する方法、特開平9−216659号公報(特許文献2参照)には1本の導電体をキャビティに沿って敷設する方法、特開2000−203521号公報(特許文献3参照)と特許第3383935号公報(特許文献4参照)では全層あるいは中層に導電性物質を内添し表面に導電性物質を塗工する方法が提案されているが、工程が増えたり、過剰な導電剤が必要であるなどコストアップが大きく採用が困難であった。
一方、キャビティ内のヒゲやケバと称するパルプ繊維の飛び出しを防ぐ方法としては、特開平6−127566号公報(特許文献5参照)、特開平10−218281号公報(特許文献6参照)、特開平11−165786号公報(特許文献7参照)のようにキャビティ内壁にバインダー樹脂を塗工する方法、特開平9−221192号公報(特許文献8参照)のようにキャビティ内壁にフィルム層を形成する、あるいは、特開2001−315846号公報(特許文献9参照)には、合成樹脂又は金属からなるカップをキャビティにはめ込むといった方法が提案されているが、いずれもキャビティからの紙粉発生を抑制できても、電子部品収納台紙の表裏面や側面からの紙粉までは抑制できていない。
他方、クリーンルーム内で使用される無塵紙や低発塵紙は、特公平6−11959号公報(特許文献10参照)にあるように公知の方法として、紙に低ガラス転移点の樹脂エマルジョンを含浸して製造されている。また、導電性と無塵化を両立した電子部品収納台紙は存在せず、0603以下の極小チップ型電子部品の実装においては、帯電防止性能と無塵化を両立した電子部品収納台紙の提案が望まれている状況にあった。
特開平9−188385号公報 特開平9−216659号公報 特開2000−203521号公報 特許第3383935号公報 特開平6−127566号公報 特開平10−218281号公報 特開平11−165786号公報 特開平9−221192号公報 特開2001−315846号公報 特公平6−11959号公報
本発明は、紙製のチップ型電子部品収納台紙に関するものであり、詳しくは、カバーテープ剥離時に静電気によるトラブルがなく、更に紙粉が原因のトラブルが極めて少ない、チップ型電子部品収納台紙に関するものである。
本発明者らは、マウンターによる実装時の静電気によるトラブルと帯電状態及びキャリアテープに必要十分な導電性レベルを把握、更に紙粉の発生を抑える方法について鋭意検討し、バインダー能力のある樹脂と帯電防止剤を含浸又は塗工、さらにヒートシール剤を共存させることにより、カバーテープとの台紙との接着性、無塵化と帯電防止性能のいずれも満足する電子部品収納台紙ができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の発明を包含する。
(1)チップ型電子部品を収納する電子部品収納台紙であって、アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)から選択される樹脂と、帯電防止剤、及び、ヒートシール剤、を共に含有するチップ型電子部品収納台紙であって、トップカバーテープをヒートシールした後に、10℃、30%RHの環境条件下で4.5m/分のスピードで剥離させた際の剥離帯電圧が1,000V未満であるチップ型電子部品収納台紙。
(2)前記帯電防止剤が、リチウム化合物、アルミン酸ソーダ、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩、ギ酸カルシウム、シュウ酸ナトリウム等の有機塩類、分子中にカルボキシル基、スルホン基、硫酸基等を有するアニオン性高分子、またはアミノ基、第4級アンモニウム基等の塩基を有するカチオン性高分子から選ばれる(1)に記載のチップ型電子部品収納台紙。
(3)ヒートシール性能を強化するための材料(前記ヒートシール剤)として、低分子量ポリエチレン樹脂エマルジョン、低分子量ポリプロピレン樹脂エマルジョン、低分子量ワックスエマルジョン、アイオノマー樹脂、のいずれかから選ばれる樹脂を含有する(1)または(2)に記載のチップ型電子部品収納台紙。
(4)トップカバーテープを台紙表面にヒートシール処理を施した直後に剥離させた場合のピール強度に対する、ヒートシール処理から1ヶ月後に剥離させた場合のピール強度の低下率が15%未満である(1)〜(3)いずれか1項に記載のチップ型電子部品収納台紙。
本発明は、マウンターでの実装時に静電気によるトラブルが発生せず、塵の発生が極めて少ないためクリーンルーム内での使用可能である。
本発明では、バインダー能力のある樹脂と帯電防止剤、及びヒートシール剤を、電子部品収納台紙に共存させることが重要である。帯電防止剤をバインダー能力のある樹脂と共存させて含浸または塗工するために、バインダー能力のある樹脂はエマルジョンの状態にすることが好ましい。帯電防止剤は樹脂エマルジョンの乳化剤と共に樹脂エマルジョンの周囲を覆うような状態を作り、樹脂エマルジョンが溶融しパルプ繊維に固着する際に、帯電防止剤がパルプ繊維のネットワークを効率的に覆うことができる。一方、帯電防止剤を単独で電子部品収納台紙に含浸または塗工した場合、又は澱粉やポリビニルアルコールなどの水溶性高分子と共に含浸または塗工した場合は、パルプ繊維への浸透や水溶性高分子への埋没などのために効率的に帯電防止効果を発現することができない。
無塵化または帯電防止性能を付与するために樹脂と共に帯電防止剤を添加したチップ型電子部品収納台紙は、使用した薬品の特質により、台紙とトップテープとのヒートシール強度が弱くなる(接着しにくくなる)ことから本発明ではヒートシール剤を共存させる。
ヒートシール剤はバインダー能力のある樹脂と帯電防止とともに含浸又は塗工してもよいし、別工程で塗工等により表面に塗布しても良い。
本発明において無塵化のために含浸又は塗工に使用するバインダー能力のある樹脂としては、アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)から選ばれる樹脂が、バインダー能力が高く、エマルジョンとして使用でき、チップ型電子部品収納台紙としたときのカバーテープとの接着性に影響を及ぼすことがないため好ましい。
樹脂エマルジョンとしては、樹脂のガラス転移温度が−20℃〜10℃の範囲が良い。−20℃よりも低いと粘着性が強くなりブロッキングが生じやすい。一方、10℃よりも高いと、柔軟性が低下し発塵を抑える効果が低下して効率的ではない。ガラス転移点と粘着性、あるいはエマルジョン粒子径の観点から、樹脂エマルジョンとしては、アクリル酸エステル共重合体が好ましい。ここで、エマルジョン粒子径については、0.1〜0.5μm程度が良い。0.1μmよりも小さいと、パルプ繊維ルーメン内への浸透などによる効率低下が発生し、0.5μmよりも大きいと、パルプ繊維ネットワークへの浸透が悪くなり十分な樹脂含有量を達成できないばかりか、表層に樹脂層が形成されブロッキングの原因となり好ましくない。
樹脂エマルジョンの台紙中の含有率(樹脂固形分換算)としては、台紙に対して2質量%以上、好ましくは4質量%〜15質量%である。含浸量が2%未満では発塵を抑える効果が十分ではなく、15質量%を超えて含浸又は塗工しても発塵を抑える効果は変わらない。
本発明に使用する帯電防止剤としては、リチウム化合物、アルミン酸ソーダ、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩、ギ酸カルシウム、シュウ酸ナトリウム等の有機塩類、分子中にカルボキシル基、スルホン基、硫酸基等を有するアニオン性高分子、またはアミノ基、第4級アンモニウム基等の塩基を有するカチオン性高分子などから選ばれる帯電防止剤を使用することができる。帯電防止剤は、凝集やエマルジョンの崩壊を避けるために、使用する樹脂エマルジョンのイオン性を考慮して選定した方が良い。樹脂エマルジョンとして特に好ましいアクリル酸エステル共重合体はアニオン性であり、分子中にカルボキシル基、スルホン基、硫酸基等を有するアニオン性高分子が好適である。
帯電防止剤の台紙中の含有率としては台紙に対して0.15質量%以上、好ましくは0.2質量%〜2.0質量%である。0.15質量%よりも少ないと十分な帯電防止性能が発現せず、2.0質量%よりも多くても効果は頭打ちとなり、コストアップの原因となるため好ましくない。
本発明に使用するヒートシール剤としては、広く一般的に、ホットメルト接着剤として使用されている熱可塑性樹脂類、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂などの樹脂及びこれらをエマルジョンにしたもの、アイオノマー、等の樹脂・樹脂エマルジョンを使用することができる。中でも、低分子量ポリエチレン樹脂エマルジョン、低分子量ポリプロピレン樹脂エマルジョン、低分子量ワックスエマルジョン、等の樹脂エマルジョン、及び、アイオノマー樹脂、等を使用すると、無塵化の為の樹脂含浸液或いは塗工液中に効率的に配合され、或いは安定して配合されるため、好ましい。
低分子量ポリエチレン樹脂エマルジョン、低分子量ポリプロピレン樹脂エマルジョン、低分子量ワックスエマルジョン、等は通常、石油から直接、或いは合成されて得られるが、天然の動物系・植物系のものでも低分子量であれば使用可能である。分子量としては数百〜10,000位のものが好適に使用されるが、300〜2,000のものがさらに好ましい。低分子量のものが好適に使用されるのは、バインダーの役割をする樹脂エマルジョンと混合・分散されやすく、安定性が良いとともに混合液粘度も低く保たれ、融点も60〜150℃前後と低く、ヒートシールに適しているためである。
アイオノマー樹脂は、比較的非極性の高分子鎖上に側鎖としてあるいは主鎖として比較的少量のイオンを含有する高分子であり、ヒートシール剤として使用できるのは、熱が掛けられた時にイオンを介した結合が切れ、熱が取り除かれた際にはまたイオン結合が復活し、元の形状に戻ることを利用したものである。イオンとしてはNa、K等の金属イオンの他NH4等のものが利用されるのが一般的であるが、これにより特に限定するものではない。
樹脂及び帯電防止剤中に、ヒートシール剤を含有させる場合には、特にこれらの薬剤の相容性・安定性が重要であり、例えばカチオン性薬剤とアニオン性薬剤とを混合すると液が凝集してしまう場合等があり、注意を要する。本発明では、これらの組合せについて特に限定するものではないが、前述した通り、樹脂及び帯電防止剤としてアニオン性高分子を使用した場合に本発明の効果を最も発現させることができることを考慮すると、ヒートシール剤としてアニオン性の薬剤を使用するのが好ましい。中でも、アニオン性アイオノマー樹脂、変性アイオノマー樹脂は、他の樹脂・帯電防止剤との相性が良く、凝集することが少ないため有用である。
ヒートシール剤の台紙中の含有率としては台紙に対して0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%〜2.0質量%である。0.01質量%よりも少ないと十分なヒートシール強度が発現せず、2.0質量%よりも多くても強度アップ効果は頭打ちとなり、コストアップの原因となるため好ましくない。
トップテープのヒートシールは、台紙表面で接着する為、ヒートシール剤を表面に集中させることで効率的にヒートシール性能を上げることが可能である。その意味で、無塵化・帯電防止処理の後に、塗工等の方法により、台紙表面にヒートシール剤成分を含有した液を塗布する方法は、ヒートシール剤を表面に集中させる効率的な方法であるため好ましいが、含浸或いは塗工処理が2段階以上になってしまうため、工程増によるコストアップも加味する必要がある。
前述した通り本発明では、樹脂及び帯電防止剤を含浸又は塗工の加工をした後に、ヒートシール剤を別途塗工することによっても、目的を達成することが可能であるが、この際には、樹脂・帯電防止剤の混合液と、ヒートシール剤を含んだ薬剤とが直接接触するわけではない為、薬剤の性状(カチオン性、アニオン性、ノニオン性、両性)を考慮することなく、選択することが可能である。
無塵化の為の樹脂エマルジョン、帯電防止剤、ヒートシール剤、を原紙中に共存させる方法としては、樹脂エマルジョンと帯電防止剤、ヒートシール剤の混合液を含浸又は塗工する方法、又は、二段階或いは三段階に分けて含浸又は塗工する方法、例えば、樹脂エマルジョンと帯電防止剤の混合液を含浸又は塗工した後に、ヒートシール剤を含有する液を含浸又は塗工する方法、等がある。特に、無塵化と帯電防止性能を効率よく両立するためには、樹脂脂エマルジョンと帯電防止剤を混合して含浸又は塗工する方法が帯電防止剤と樹脂で繊維のネットワークを覆うことが可能となるため好ましく、帯電防止剤の樹脂エマルジョンへの配合率は、固形分比で3質量%〜50質量%、好ましくは5〜15質量%が良い。3質量%未満だと帯電防止性の発現が不十分であり、15質量%よりも多くすると無塵化の性能が低下する。
含浸方法は、オンマシンでのサイズプレス、スプレーによる方法やオフマシンでのキスコート、ディッピング含浸、各種コーティングマシンなどがあり、これらに限定されるものではないが、多層抄の板紙の紙層内部へ樹脂エマルジョンを十分に浸透させるためには、オフマシンでのキスコートとディッピング含浸の組合せが好ましい。塗工方法は、バーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ゲートロールコーターやサイズプレスやキャレンダーコーター等のロールコーター、ビルブレードコーター、ベルバパコーター等が採用できる。
無塵化または帯電防止性能を付与するために樹脂とともに帯電防止剤を添加したチップ型電子部品収納台紙は、使用した薬品の特質により、一般にヒートシール強度が弱くなる(接着しにくくなる)為、本発明ではヒートシール剤を台紙に共存させるが、その他、折角ヒートシールしても実際にマウンターにてチップ型電子部品を取り出す際のピール強度が、ヒートシール直後よりも大幅に低下してしまうことも懸念される。
トップテープのヒートシールを施した直後のピール強度と、ヒートシールしてから1ヶ月経った後のピール強度を比較した場合、その低下率がなるべく小さいほど良い。1ヶ月経過後で判断するのは、ヒートシール後数日〜数週間は少しずつピール強度が低下することはあるが、1ヶ月経ることにより、ピール強度が底値になるためである。そこでここでは、ピール強度低下率を、ヒートシール処理直後に剥離させた場合のピール強度に対する、ヒートシール処理から1ヶ月後に剥離させた場合のピール強度と定義し、この低下率が15%未満であることが好ましい。勿論0%に極力近い方が良いが、測定値のバラツキもあるため、実務管理上問題となってくるのは15%以上剥離強度が低下する場合と考えられ、1ヶ月後の強度低下が大きく、管理できなくなるためである。通常、ピール強度が出づらい場合には、ヒートシール温度を上げる、または、ヒートシール時間を長くする、さらにはヒートシール部の金属(ゲタ)の太さを太くする、ことによって対応するのが一般的であり、15%未満のものは予測してヒートシール強度を調節することができる。
ヒートシール強度が弱くなるのは、樹脂が繊維を覆い、繊維表面の凹凸が小さくなって平滑性が上がるため、ヒートシールを施した場合のアンカーリングができづらくなるためと考えられる。特に帯電防止剤を添加した場合に経時でピール強度低下が起こるのは、界面活性剤タイプの帯電防止剤を使用した場合を例に取り説明すると、帯電防止性能を効果的に発現させるのには空気中の水蒸気(HO)分子の関与が電子の伝達に寄与していると考えられ、折角ヒートシールした界面(樹脂加工した紙表面とプラスチックのテープの間)に水蒸気が徐々に入っていき、カバーテープの台紙接着面のアンカーリングを弱くしてしまう為と考えられる。この為、予め樹脂エマルジョン及び帯電防止剤を原紙に含浸・塗工時、或いはその工程前後に、ヒートシール剤を含有させておけば、ヒートシール剤自体に熱によってフィルムと硬く接着させる成分が含まれている為に、強度を強く保つことが可能となる。
含浸または塗工後は60℃〜150℃の範囲で加熱乾燥することが好ましい。乾燥装置に特に制限は無く加熱できるものであればいずれでもよい。加熱乾燥温度が60℃未満では乾燥が不十分となり、特にチップ型電子部品収納台紙のような厚みのあるものの場合にはマイグレーションが起こり易く、内部の樹脂量が少なくなり効果が減少することがあるため好ましくない。また150℃を越えて高い温度で乾燥しても、効果が頭打ちになるだけでなく不経済であるため好ましくない。
本発明の電子部品収納台紙は、樹脂エマルジョンと帯電防止剤の共存により効率的に表面電気抵抗を低下させることができるとともに、ヒートシールされたトップテープを剥離させる際の帯電圧を低く抑えることができ、極小チップの不用意な飛び出しや破損を防止することができる。ごく一般的な電子部品収納台紙は23℃、50%RHの環境条件下では、紙自身が6〜8%程度の水分を含有している。しかしながら、この水分は温度や湿度が変化すると変動し、特に温度・湿度が低い場合、紙中または紙表面の水分が低下して、帯電がおこりやすくなる。これは水分が高いときには紙表面に水蒸気分子が付着して導電性物質である水分子を通じて電流が流れ放電しているが、水分が低いと紙表面に付着する水蒸気が少なくなり放電しづらくなるためである。
一般に電子部品を実装している工場では、電子部品の金属部分の腐食等を避けるため、低湿状態に保っている所もあり、また、冬の寒い時期になると温度が下がることにより、さらに空気中の水分含有量が少なくなり、帯電しやすい状態となる。
また、剥離帯電は接触している物体を剥離(分離)させるとき、例えば電子部品収納台紙にヒートシールされたトップテープ(プラスチックフィルム)を台紙から剥がす際などに、生じる帯電現象であり、帯電量は剥離速度に依存する。つまり剥離速度が速いと帯電量は増加する。
以上説明した通り、剥離帯電量は温度・湿度の条件、或いは剥離速度の影響を受け易いため、本発明では、温度10℃、相対湿度30%の条件の下で、剥離速度を4.5m/分という厳しい条件の下で測定したデータにより規定した。
何の処理も施されていない、ごく一般的な電子部品収納台紙を用いて上記条件の下で測定した帯電圧は、その絶対値が軽く3,000Vを越えるケースがあるが、本発明の電子部品収納台紙の帯電防止効果により1,000V未満となり、帯電によりフィルムが剥がされると極小チップがフィルムにくっつき飛び出す現象やチップそのものの破壊を避けることが可能となった。
帯電圧を絶対値で表現しているのは、帯電が正となるか負となるかは、例えば電子部品収納台紙とトップカバーテープの各々の素材の組合せにより決まるものであるためである。素材の組合せとは、例えば帯電列は材質を摩擦した時にプラス側に帯電しやすい材質を上位に、マイナス側に帯電しやすいものを下位に並べた序列表であるが、二つの素材(台紙とカバーテープ)の位置が上下いずれかにより正負が決定される。しかしながら、いずれに帯電しても帯電トラブルとなり、その影響の大きさは絶対値によるものと考えられるため、帯電圧の絶対値を指標とした。
本発明で使用される原料パルプは各種のものが使用でき、例えば、化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ、非木材繊維パルプ等を単独で使用してもよいし、複数組み合わせて使用してもよいが繊維形態が均一なパルプを使用するのが好ましい。
本発明で使用されるパルプは公知の方法により叩解して使用することができるが、叩解しなくても問題はない。叩解機には特に限定はなく、ビーター、ジョルダン、デラックス・ファイナー(DF)、ダブル・ディスク・レファイナー(DDR)等、種々の叩解機が使用される。叩解した場合ではカナダスタンダードフリーネスで250ml〜560ml程度の処理が好ましい。560mlよりも高いと強度、得に層間強度が弱くなり好ましくない。一方、250mlよりも叩解を進めると、歩留の低下、高密度化による量目損の問題だけでなく、樹脂エマルジョンの浸透性が低下し無塵化が低下する。
本発明では、繊維間結合を強化し内層からの発塵を抑えるために、抄紙時の内添薬品としてポリアクリルアミド、澱粉、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンから選ばれる少なくとも1つの薬品を使用する。また、多層抄の層間には層間澱粉を塗工する。澱粉としては、糊化温度の低いタピオカ澱粉、アセチル化澱粉、尿素りん酸化澱粉などが好ましい。その他、抄紙に際して、必要に応じて種々の内添薬品を使用できる。例えば、ロジン系サイズ剤、スチレン・マレイン酸、スチレン・アクリル、スチレン・オレフィン、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸など、天然および合成の製紙用の内添サイズ剤、各種紙力増強剤、濾水歩留り向上剤、耐水化剤、消泡剤、タルク等の填料、染料等を使用することができる。しかしながら、本発明の場合は、樹脂エマルジョンの紙層への浸透を良くするために、内添サイズ剤は使用しない、あるいは外層に相当する部分、即ち表裏層と表下・裏下層等には内添サイズ剤を使用せず、中層のみ使用する方法、等が好ましい。
本発明の電子部品収納台紙の坪量は一般に200g/m〜1000g/m程度である。このような坪量範囲であるため、台紙基材の抄造方法としては、地合いの取り易い多層抄が好ましい。
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。配合、濃度等を示す数値は、固型分または有効成分の質量基準の数値である。また、特に記載の無い場合については抄造した紙はJIS P8111に準じて前処理を行った後、測定やテストに供し、その結果を表1に示す。尚、剥離強度低下率の測定方法、発塵性の測定方法、剥離帯電圧の測定方法、部品飛び出し確認の詳細は下記の通りである。
<剥離強度低下率の測定方法>
(1)ヒートシール方法
チップ型電子部品を収納する台紙を8mm幅のテープ状にカットし、長さ150mmのテープを6本準備した。カバーテープとして日東電工(株)製の「No.318H−14A」〔ポリエチレンテレフタレート(PET)とエチレン・酢酸ビニルエステル共重合体(EVA)との共押出しラミネートフィルム:幅5.25mm、厚さ53μm、〕を使用して台紙の片側を覆い、次いで、テスター産業(株)製のヒートシールテスター「TP701S」を用い、ヒートシール温度155℃、試料にかかるヒートシール圧力1.5Mpa、ヒートシール時間0.2秒間の条件で、カバーテープで覆われた側縁から内側に0.5mmの位置から、幅0.4mmで間隔3.0mmのレール状に該カバーテープを台紙面にヒートシールした。これらの方法を繰り返して、6本全てのテープに対してヒートシールを施した。
(2)直後の剥離強度測定方法
上記(1)にて得られたヒートシール後のテープ3本について、シール後約1時間経た後に、剥離強度をJIS C 0806−3に準拠した方法(剥離速度300mm/min)で、測定時間12秒間で測定し、その間の平均値を求め、これをn=3繰り返して、平均値を算出した。
(3)1ヶ月後の剥離強度測定方法
上記(1)にて得られたヒートシール後のテープ3本について、シール後1ヶ月経ったものを使用すること以外は、(2)と同様にして剥離強度を測定し、n=3の平均値を得た。
(4)剥離強度低下率の計算
剥離強度低下率は以下の式により計算した。

剥離強度低下率(%)={1−(1ヶ月後の剥離強度)/(直後の剥離強度)}×100
<発塵性の測定、及び、剥離帯電圧の測定、部品飛び出しの確認>
(1)発塵性の測定
温度23℃、相対湿度50%の環境下で、試料を8mm幅のテープ状にスリットして、JIS C 0806−3に準拠し、4mm間隔で直径1.54mmの丸穴を空けると同時に、2mm間隔でCD方向0.66mm、MD方向0.36mm、Z軸方向0.35mmのキャビティをもつチップ型電子部品収納台紙を作成した。次に、この台紙を、東京ウェルズ(株)製の「TWA6601」で、カバーテープ貼り付けと部品挿入を行わずに、速度2400タクト/min、1000m運転し、アンリール、部品挿入部の紙粉発生量と繊維離脱量を目視で評価を行った。紙粉は全く発生しない場合を○、わずかに発生した場合を△、沢山発生した場合×とした。
(2)剥離帯電圧の測定、部品飛び出しの確認
部品(0603のチップ型電子部品)挿入、及び、カバーテープ(前述日東電工(株)製の「No.318H−14A」を使用)の貼り付け(190℃にてヒートシール)、を行うこと以外は上記(1)と同様にして、「TWA6601」を速度2400タクト/minにて10m運転し、カバーテープのヒートシールされたテープリールを得た。
次いで温度10℃、相対湿度30%の環境チャンバー内に、図1の模式図に示すような剥離装置及び定速引張装置を持ち込んだ。剥離装置では、テープリールを剥離する箇所(A地点)から10mm程離れたところ(B地点)に高さ30mm離して帯電圧測定器(商品名:STATIRON−DZ3、シシド静電気(株)製)を固定した。また、この剥離装置の横に、定速引張装置(高速剥離試験機を代用、商品名:ZPE−1100W、米国IMASS INC.社製)を置き、テープリールをセットしてテープを剥離機に導入してトップテープを剥離させ、トップテープのみを厚さ1mmの金属板の端(A地点)で台紙進行方向と反対側に引っ張り、定速引張装置のニップ部分に挟んだ。その後、定速引張装置を4.5m/分の定速で引っ張り、生じる帯電圧を測定して、その絶対値が最も高くなった時の帯電圧を測定した。
また、剥がした後の電子部品収納台紙の各キャビティの中に、部品が残っているか否かを100箇所確認して、部品が100個全て残っていた場合は○、部品が一つでも残ってなかった場合(トップテープ剥離時に飛び出した場合)は×、と評価した。
表層、中層、裏層でパルプを使い分け、表層・裏層用には広葉樹晒クラフトパルプを単独でダブル・ディスク・リファイナーで叩解し、CSF(カナダスタンダードフリーネス)460mlに調製し、中層用には針葉樹クラフトパルプ10質量%、広葉樹晒クラフトパルプ90質量%をダブル・ディスク・リファイナーで混合叩解し、CSF(カナダスタンダードフリーネス)410mlに調製した。表層と裏層各々のパルプスラリーには、硫酸バンドを添加してpH6.0に調整し、内添紙力剤としてポリアクリルアミド系紙力剤(荒川化学工業社製ポリストロン1250)を1.0質量%添加した。中層用パルプスラリーには、ロジン系サイズ剤(サイズパインN−111:荒川化学工業製)をパルプ質量に対して0.7質量%添加し、硫酸バンドを添加してPH6.0に調整し、内添紙力剤としてポリアクリルアミド系紙力剤(荒川化学工業社製ポリストロン1250)を1.0質量%添加した。以上の条件のパルプスラリーを3層抄合わせ抄紙機で、表層:中層:裏層=1:1.5:1の割合でウェットシートを形成し、それぞれの層間に尿素リン酸化澱粉(王子コーンスターチ製エースP320)を1.5g/mスプレー塗工して抄合わせて、370g/mの含浸前又は塗工前の原紙aを製造した。
実施例1
アクリル酸エステル樹脂対比で、5質量%のスチレン系樹脂スルホン酸塩系帯電防止剤(日本エヌエスシー製、VERSA−TL125)、及び3質量%のヒートシール剤(三井化学製アイオノマー、ケミパールS75N)、をアクリル酸エステル樹脂(昭和高分子製、AM−290)に配合し含浸カラーAを製造した。オフマシン含浸機を使用し、完成後の台紙中の乾燥含有率がアクリル酸エステル樹脂3.2%/帯電防止剤0.16%/ヒートシール剤0.10%になるように濃度を調製して含浸カラーAを原紙aに含浸し、100℃で乾燥し、坪量383.4g/m、厚さ0.42mmの電子部品収納台紙を製造し、各評価に供し、結果を表1に示す。
実施例2
アクリル酸エステル樹脂対比で、7質量%のスチレン系樹脂スルホン酸塩系帯電防止剤(日本エヌエスシー製、VERSA−TL125)、及び3質量%のヒートシール剤(三井化学製アイオノマー、ケミパールS75N)、をアクリル酸エステル樹脂(昭和高分子製、AM−290)に配合し含浸カラーBを製造した。オフマシン含浸機を使用し、完成後の台紙中の乾燥含有率がアクリル酸エステル樹脂4.5%/帯電防止剤0.32%/ヒートシール剤0.14%になるように濃度を調製して含浸カラーBを原紙aに含浸し、100℃で乾燥し、坪量389.7g/m、厚さ0.42mmの電子部品収納台紙を製造し、各評価に供し、結果を表1に示す。
実施例3
アクリル酸エステル樹脂対比で、10質量%のリン酸エステル系帯電防止剤(第一工業製薬製、プライサーフAL)、及び3質量%のヒートシール剤(三井化学製アイオノマー、ケミパールS75N)、をアクリル酸エステル樹脂(昭和高分子製、AM−290)に配合し含浸カラーCを製造した。オフマシン含浸機を使用し、完成後の台紙中の乾燥含有率がアクリル酸エステル樹脂4.5%/帯電防止剤0.45%/ヒートシール剤0.14%になるように濃度を調製して含浸カラーCを原紙aに含浸し、100℃で乾燥し、坪量390.0g/m、厚さ0.42mmの電子部品収納台紙を製造し、各評価に供し、結果を表1に示す。
実施例4
アクリル酸エステル樹脂対比で10質量%のリン酸エステル系帯電防止剤(第一工業製薬製、プライサーフAL)、及び、10質量%のヒートシール剤(三井化学製アイオノマー、ケミパールSA−100)をアクリル酸エステル樹脂(昭和高分子製AM−290)に配合し含浸カラーDを製造した。オフマシン含浸機を使用し、完成後の台紙中の乾燥含有率がアクリル酸エステル樹脂4.5%/帯電防止剤0.45%/ヒートシール剤0.45%になるように濃度を調製して含浸カラーDを原紙aに含浸し、100℃で乾燥し、坪量390.8g/m、厚さ0.42mmの電子部品収納台紙を製造し、各評価に供し、結果を表1に示す。
実施例5
アクリル酸エステル樹脂対比で、10質量%のリン酸エステル系帯電防止剤(第一工業製薬製、プライサーフAL)、をアクリル酸エステル樹脂(昭和高分子製、AM−290)に配合し含浸カラーEを製造した。オフマシン含浸機を使用し、完成後の台紙中の乾燥含有率がアクリル酸エステル樹脂4.5%/帯電防止剤0.45%になるように濃度を調製して含浸カラーEを原紙aに含浸し、100℃で乾燥して含浸紙bを得た。
一方、アクリル酸エステル樹脂対比で100質量%のヒートシール剤(日本精蝋製ワックスエマルジョン、EMUSTAR−3070)をアクリル酸エステル樹脂(昭和高分子製AM−290)に配合し塗工カラーFを製造した。オフマシン塗工機を使用し、含浸紙bの上に、エアーナイフコーターを用いてヒートシール剤として0.15g/m(アクリル酸エステル樹脂と合わせて0.30g/m)塗工して坪量389.1g/m、厚さ0.42mmの電子部品収納台紙を製造し、各評価に供し、結果を表1に示す。
実施例6
含浸紙bに、ヒートシール剤として0.25g/m(アクリル酸エステル樹脂と合わせて0.50g/m)塗工すること以外は、実施例5と同様にして坪量389.5g/m、厚さ0.42mmの電子部品収納台紙を製造し、各評価に供し、結果を表1に示す。
比較例1
坪量370g/m、厚さ0.42mmの原紙aをそのまま、電子部品収納台紙として使用し、各評価に供し、結果を表1に示す。
比較例2
比較例1の追加試験として、剥離帯電圧測定時に、剥離スピードを通常4.5m/分で行うところを、1m/分に下げて剥離させ、その時の状況を確認したところ、帯電圧は−1,240Vであり、チップの飛び出し評価は×であった。
比較例3
帯電防止剤及びヒートシール剤を使用せずに、オフマシン含浸機を使用し、完成後の台紙中の樹脂エマルジョン乾燥含有率が3.2%になるように、アクリル酸エステル樹脂(昭和高分子製AM−290)の濃度を調製して原紙aに含浸し、坪量381.8g/m、厚さ0.42mmの電子部品収納台紙を製造し、各評価に供し、結果を表1に示すた。
比較例4
樹脂エマルジョンの替わりにポリビニルアルコール(クラレ製PVA117)を使用した以外は実施例2と同様にして坪量389.3g/m、厚さ0.42mmの電子部品収納台紙を製造し、各評価に供し、結果を表1に示す。
比較例5
アクリル酸エステル樹脂対比で、15質量%のスチレン系樹脂スルホン酸塩系帯電防止剤(日本エヌエスシー製、VERSA−TL125)をアクリル酸エステル樹脂(昭和高分子製、AM−290)に配合し含浸カラーGを製造した。オフマシン含浸機を使用し、完成後の台紙中の乾燥含有率がアクリル酸エステル樹脂4.5%/帯電防止剤0.68%になるように濃度を調製して含浸カラーGを原紙aに含浸し、100℃で乾燥し、坪量390.5g/m、厚さ0.42mmの電子部品収納台紙を製造し、各評価に供し、結果を表1に示す。
Figure 2008230651
実施例1〜6は比較例1〜4と比較して、剥離時の帯電電位の絶対値が1,000V未満であり、部品の飛び出しが無く、発塵も良好であるという結果を得た。また、比較例1から明らかな通り、樹脂の含浸なしでは帯電防止性能や発塵防止の効果が無い。また、比較例2から、剥離時の帯電電位の絶対値が1,000Vを超えると部品の飛び出しが起こり得るため、1,000V以下に抑えるべきであることがわかる。また比較例3から樹脂含浸のみでは、発塵性防止は良いものの、帯電防止性能やヒートシール性能が得られないことがわかる。一方、比較例4からわかるとおり、樹脂の変わりにPVAを用いると、必要な発塵防止性能が得られないとともに帯電防止効果も低減する。また、比較例5のように、樹脂と帯電防止剤を使用して、且つ、ヒートシール剤を添加しない場合、ヒートシール直後の剥離強度でも100mNを大きく下回るばかりか、1ヶ月後の剥離強度はさらに極端に低下し50mNを切っており、実用に耐えられない。
実施例と比較例との対比から明らかなように、本発明の要件を満たす電子部品収納台紙は、カバーテープ剥離時の帯電が少ない上に、発塵もなく、極小チップ対応の包装材として優れている。
剥離帯電圧の測定装置及び定速引張装置
符号の説明
1:カバーテープ剥離装置
2:テープリール
3:電子部品収納台紙
4:トップテープ
5:帯電圧測定器
6:金属板
7:定速引張装置
8:ニップロール

Claims (4)

  1. チップ型電子部品を収納する電子部品収納台紙であって、アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)から選択される樹脂と、帯電防止剤、及び、ヒートシール剤、を共に含有するチップ型電子部品収納台紙であって、トップカバーテープをヒートシールした後に、10℃、30%RHの環境条件下で4.5m/分のスピードで剥離させた際の剥離帯電圧が1,000V未満であることを特徴とするチップ型電子部品収納台紙。
  2. 前記帯電防止剤が、リチウム化合物、アルミン酸ソーダ、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩、ギ酸カルシウム、シュウ酸ナトリウム等の有機塩類、分子中にカルボキシル基、スルホン基、硫酸基等を有するアニオン性高分子、またはアミノ基、第4級アンモニウム基等の塩基を有するカチオン性高分子から選ばれることを特徴とする請求項1に記載のチップ型電子部品収納台紙。
  3. 前記ヒートシール剤が低分子量ポリエチレン樹脂エマルジョン、低分子量ポリプロピレン樹脂エマルジョン、低分子量ワックスエマルジョン、アイオノマー樹脂、のいずれかから選ばれることを特徴とする請求項1または2に記載のチップ型電子部品収納台紙。
  4. トップカバーテープを台紙表面にヒートシール処理を施した直後に剥離させた場合のピール強度に対する、ヒートシール処理から1ヶ月後に剥離させた場合のピール強度の低下率が15%未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のチップ型電子部品収納台紙。
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