JP2016156119A - ヒートシールシート、その製造方法およびプレススルー包装体 - Google Patents

ヒートシールシート、その製造方法およびプレススルー包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】基材が紙製であり、優れたイージーピール適性を有するヒートシールシート、その製造方法およびこれを蓋材に用いたプレススルー包装体の提供。
【解決手段】ヒートシールシート1は、紙基材3と、紙基材3の一方の面に積層した熱接着層5とを備え、紙基材3が、パルプにより構成された原紙と、前記原紙の少なくとも熱接着層5側の面に設けられたポリアクリルアミド樹脂を含む塗布層とを備え、前記パルプのJIS P 8121−2:2012に準じて測定されるフリーネスが600mL以下であり、熱接着層5側の面に設けられた塗布層における前記ポリアクリルアミド樹脂の塗布量が0.1〜10g/mであり、紙基材3の坪量が18g/m以上であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートシールシート、その製造方法およびプレススルー包装体に関する。
カプセル剤、錠剤の薬剤、食品等の包装に、プレススルー包装体(以下「PTP」と略記する場合がある。)が用いられている。
従来、PTPとしては、樹脂シートを成形して被収容物を収容するポケット部を複数設けた容器と、アルミニウム箔の片面に熱接着層を設けた蓋材とから構成されるものが汎用されている。蓋材は、ヒートシールにより容器に貼り合わされ、ポケット部の開口を封止する。PTPのポケット部に収容された被収容物は、ポケット部の膨らみを手指で押し込み、該ポケット部に対応する位置の蓋材を破断させて取り出される。
このようなPTPにおいては、被収容物の取り出しの際、アルミニウム箔の破片が生じることがあり、被収容物を服用する場合に、誤って被収容物と共にアルミニウム箔破片を飲み込んでしまうという事故が報告されている。そこで、蓋材の誤飲時の人体への負荷を軽減する目的で、蓋材の基材に紙を用いることが提案されている。
一方、老人や幼児などの弱者にとっては、PTPのポケット部を押し込む筋力が不足し、PTPから被収容物を取り出し難い場合がある。また、病院や調剤薬局などでは、1日に数十〜数百の薬剤を扱う関係上、PTPから薬剤を1つずつ取り出すのは手間がかかり、一度に多数の薬剤を容易に取り出したいという要望がある。そこで、PTPにイージーピール機能を持たせることが提案されている。
紙は、パルプ繊維同士のからみ合いにより破裂強度が高くなる傾向がある。そのため、蓋材の基材としてアルミニウム箔の代わりに紙を用いた場合、ポケット部を押し込んで被収容物を取り出す際の取り出しやすさ(プレススルー適性)が劣る。
このような問題に対し、蓋材の紙基材の原料に酸化パルプや酸化セルロースを用い、MIT試験機による耐折強さ試験法に準じて測定した耐折回数を5回以下としたPTP蓋材が提案されている(特許文献1)。
しかし、該PTP蓋材は、イージーピールに耐えうる紙力が得られないため、イージーピール適性が低い。たとえば該PTP蓋材をイージーピール方式で容器から剥離しようとすると、蓋材が破断しやすい。
プレススルー機能とイージーピール機能とを併せ持つPTPとして、蓋材の基材として紙基材とアルミニウム箔層の積層材を用い、ポケット部と対応する位置において蓋材の紙基材の部分にのみ切り込みを設け、容器と蓋材の熱接着層との間の剥離強度を特定の範囲内にしたものが提案されている(特許文献2)。
しかし、蓋材がアルミニウム箔層を含むため、蓋材の誤飲時の人体への負荷を軽減する効果は不充分である。また、予め紙基材に切り込みが設けられているため、ポケット部を押し込んで被収容物をひとつずつ取り出す場合に、隣のポケット部まで開封してしまうおそれがある。
特開2001−301810号公報 特開2003−63558号公報
本発明の目的は、基材が紙製であり、優れたイージーピール適性を有するヒートシールシート、その製造方法およびこれを蓋材に用いたPTPの提供である。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の構成を採用した。
[1]紙基材と、該紙基材の一方の面に積層した熱接着層とを備え、
前記紙基材が、パルプにより構成された原紙と、前記原紙の少なくとも前記熱接着層側の面に設けられたポリアクリルアミド樹脂を含む塗布層とを備え、
前記パルプのJIS P 8121−2:2012に準じて測定されるフリーネスが600mL以下であり、
前記熱接着層側の面に設けられた塗布層における前記ポリアクリルアミド樹脂の含有量が、0.1〜10.0g/mであり、
前記紙基材の坪量が、18g/m以上であることを特徴とするヒートシールシート。
[2]前記パルプの下記の変則フリーネスが50〜500mLである[1]に記載のヒートシールシート。
変則フリーネス:パルプ懸濁液の固形分濃度を0.30%±0.01%から0.030%±0.001%に変更した以外は、JIS P 8121−2:2012に準じて測定されるフリーネス。
[3]前記紙基材の坪量が、50g/m以下である[1]または[2]に記載のヒートシールシート。
[4]PTP用蓋材である[1]〜[3]のいずれか一項に記載のヒートシールシート。
[5]紙基材と、該紙基材の一方の面に積層した熱接着層とを備えるヒートシールシートの製造方法であって、
パルプにより構成された原紙の少なくとも一方の面に、ポリアクリルアミド樹脂を含む塗布液を塗布し、乾燥して塗布層を形成し、紙基材を得る工程と、
前記紙基材の前記塗布層が設けられている面に熱接着層を積層する工程と、
を有し、
前記パルプのJIS P 8121−2:2012に準じて測定されるフリーネスが600mL以下であり、
前記原紙の前記熱接着層が積層される側の面に塗布する前記塗布液の塗布量が、前記ポリアクリルアミド樹脂の量に換算して0.1〜10.0g/mであり、
前記紙基材の坪量が、18g/m以上であることを特徴とするヒートシールシートの製造方法。
[6]容器と蓋材とを備え、前記容器が、被収容物を収容する複数のポケット部と、該複数のポケット部の開口の周囲に設けられ、前記蓋材と貼り合わされるフランジ部とを備えるPTPであって、
前記蓋材が、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のヒートシールシートからなることを特徴とするPTP。
[7]前記蓋材を前記容器からイージーピール方式で剥離でき、かつ前記蓋材をイージーピール方式で剥離するときに、前記フランジ部と接触している部分で、前記熱接着層が前記紙基材から剥離して前記フランジ部側に残るように、前記蓋材と前記フランジ部とが貼り合わされている[6]に記載のPTP。
本発明によれば、基材が紙製であり、優れたイージーピール適性を有するヒートシールシート、その製造方法およびこれを蓋材に用いたPTPを提供できる。
本発明のヒートシールシートの第一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のPTPの第一実施形態を模式的に示す断面図である。 図2に示すPTPにおいて、イージーピール方式で容器から蓋材を剥離した状態の一例を模式的に示す断面図である。 図2に示すPTPにおいて、イージーピール方式で容器から蓋材を剥離した状態の他の例を模式的に示す断面図である。
<ヒートシールシート>
本発明のヒートシールシートは、紙基材と、該紙基材の一方の面に積層した熱接着層とを備え、
前記紙基材が、パルプにより構成された原紙と、前記原紙の少なくとも前記熱接着層側の面に設けられたポリアクリルアミド樹脂を含む塗布層とを備え、
前記熱接着層側の面に設けられた塗布層における前記ポリアクリルアミド樹脂の含有量が、0.1〜10g/mであり、
前記紙基材の坪量が、18g/m以上であることを特徴とする。
以下、本発明のヒートシールシートについて、添付の図面を参照し、実施形態を示して説明する。
図1は、本発明のヒートシールシートの第一実施形態を模式的に示す断面図である。
本実施形態のヒートシールシート1は、紙基材3と、紙基材3の一方の面に積層した熱接着層5とを備える。
(紙基材)
紙基材3は、パルプにより構成された原紙と、前記原紙の少なくとも熱接着層5側の面に設けられた塗布層とを備える。塗布層はポリアクリルアミド樹脂を含む。
紙基材3において、塗布層は通常、少なくとも一部が原紙の表面下に存在する。塗布層の一部が原紙の表面上に存在していてもよい。
したがって、紙基材3中を構成している原紙には通常、塗布層に由来するポリアクリルアミド樹脂が含まれている。原紙中のポリアクリルアミド樹脂の濃度(原紙の厚さ方向における濃度)は均一でもよく、原紙の表面から内側に向かって濃度が低下していくような濃度勾配を有していてもよい。
原紙を構成するパルプとしては、木材パルプ、非木材パルプ等が挙げられる。木材パルプとしては、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ等が挙げられ、いずれを用いてもよい。また、蒸解方法や漂白方法には特に限定されない。非木材パルプとしては、麻パルプ、ケナフパルプ、竹パルプ等が挙げられる。これらのパルプは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
原紙を構成するパルプの叩解度は、JIS P 8121−2:2012に準じて測定されるフリーネス(以下、「標準フリーネス」ともいう。)として、600mL以下であり、350mL以下が好ましい。
一般にパルプの叩解と紙力の関係については、叩解をあまりすすめない状態では紙力は得られにくく、その理由としては、パルプ繊維同士のからみが弱く、繊維間結合(水素結合)のポイントも少ないためと考えられており、ある程度叩解を進めることで紙力は向上する。パルプの標準フリーネスが前記の上限値以下であれば、紙基材3の紙力が充分に高く、ヒートシールシート1のイージーピール適性が優れる。
前記パルプの叩解度は、下記の変則フリーネスとして、50〜500mLであることがより好ましく、100〜500mLがさらに好ましい。
変則フリーネス:パルプ懸濁液の固形分濃度を0.30%±0.01%から0.030%±0.001%に変更した以外は、JIS P 8121−2:2012に準じて測定されるフリーネス。
変則フリーネスは、測定に使用されるパルプの量が標準フリーネスの10分の1であるため、標準フリーネスよりも、叩解がある程度進んだ状態での評価に適している。たとえば変則フリーネスの770mLは、標準フリーネスの380mL程度である。
前記パルプの変則フリーネスが前記の範囲内であれば、優れたイージーピール適性とプレススルー適性とを両立できる。
前述のように、パルプの叩解をある程度進めることで紙力は向上する。しかし、過剰に叩解を進めると逆に、繊維自体の傷みが進むため、紙力低下が起こる。
変則フリーネスが前記範囲の上限値以下であれば、紙力低下が起こり、紙基材3の破裂強度が低くなって、優れたプレススルー適性が得られる。ただし、繊維同士のからみも進んでいるため、イージーピール方式での剥離時の材破は比較的起こり難くなっていると考えられる。
変則フリーネスが前記範囲の下限値以上であれば、過剰な紙力低下が生じにくく、イージーピール適性が優れる。また、原紙を製造する際にパルプの叩解に要する時間が長くならず、抄紙時の脱水性も良好であり、操業効率に優れる。
原紙は、レーヨン繊維やナイロン繊維、その他熱融着繊維など、パルプ以外の繊維材料を副資材として含んでいてもよい。
原紙は、各種の製紙用内添薬品、歩留向上剤、消泡剤、填料、着色剤等を含んでいてもよい。内添薬品としては、サイズ剤、紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、硫酸バンド、カチオン化デンプン等の各種の定着剤が挙げられる。
原紙は、パルプスラリーを含む抄紙原料を抄紙することにより製造できる。
パルプスラリーは、パルプを水の存在下で叩解することにより得られる。叩解により得られたパルプスラリーに製紙用内添薬品等が添加され、抄紙原料が調成される。
パルプの叩解方法、叩解装置は特に限定されるものではないが、叩解効率が高いダブルディスクリファイナー(DDR)が好適に使用される。
抄紙原料の抄紙は定法により実施できる。
原紙の坪量は、紙基材3の坪量および下塗り剤の塗布量に応じて設定される。
なお、原紙の製造に使用されたパルプの叩解度(標準フリーネス、変則フリーネス)は、原紙を構成しているパルプの叩解度に等しい。
塗布層は、ポリアクリルアミド樹脂を含む。
ポリアクリルアミド樹脂は、(メタ)アクリルアミド単位を有する重合体である。「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミドおよびメタクリルアミドの総称である。ポリアクリルアミド樹脂は、アクリルアミド単位およびメタクリルアミド単位のいずれか一方を有してもよく、両方を有してもよい。ポリアクリルアミド樹脂は、(メタ)アクリルアミド単位以外の他の単位を有していてもよい。
ポリアクリルアミド樹脂としては、アニオン性ポリアクリルアミド樹脂、カチオン性ポリアクリルアミド樹脂、両性ポリアクリルアミド樹脂、ノニオン性ポリアクリルアミド樹脂等が挙げられる。これらはそれぞれ、製紙分野における紙力剤等として公知のものを使用でき、たとえば特開2002−317393号公報、特開2004−231901号公報、特開2014−205938号公報等に記載のものが挙げられる。
ポリアクリルアミド樹脂は、1種を単独で用いてもよく2種以上を組合わせて用いてもよい。入手容易性の点では、アニオン性ポリアクリルアミド樹脂が好ましい。
アニオン性ポリアクリルアミド樹脂は、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、それらの塩等のアニオン性官能基を含有し、たとえば(メタ)アクリルアミドとアニオン性官能基含有モノマー(アクリル酸等)との共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミドの部分加水分解物等が挙げられる。
ポリアクリルアミド樹脂としては、質量平均分子量(Mw)が5万〜50万であるものが好ましく、5万〜30万であるものがより好ましい。
ポリアクリルアミド樹脂の質量平均分子量が前記の範囲内であれば、原紙のISO2758に準じて測定される破裂強度を上昇させることなく紙基材表面の毛羽立ちを抑える効果がより優れる。質量平均分子量が前記範囲の下限値以上であれば、熱接着層5が剥離する際の紙基材3の表面の毛羽立ちを抑える効果が得られやすい。質量平均分子量が前記範囲の上限値以下であれば、塗布層を形成するための塗布液(後述する下塗り剤)の粘度が塗布するのに充分に低く、下塗り剤の調製および塗布が容易である。また、下塗り剤中のポリアクリルアミド樹脂の濃度を高くでき、目的の塗布量が得られやすい。質量平均分子量が50万を超えるものについては、内添の紙力剤としては用いられるが、溶液の粘度が高くなり、下塗り剤の調製および塗布が難しく、また満足な塗布量が得られにくい。
ポリアクリルアミド樹脂の質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリエチレンオキシド換算値である。
塗布層は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリアクリルアミド樹脂以外の他の成分を含んでもよい。
他の成分としては、特に限定するものではないが、たとえばデンプン、変性デンプン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩等の水溶性高分子化合物、スチレン−ブタジエン共重合体エマルション、アクリル酸エステル共重合体エマルション、ウレタン樹脂、尿素樹脂、スチレン−アクリル樹脂エマルション、エチレン−アクリル樹脂エマルション等の水性高分子化合物、離型剤、消泡剤、分散剤、濡れ剤、有色染料、有色顔料、白色顔料等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
塗布層中のポリアクリルアミド樹脂の含有量は、塗布層の全質量(100質量%)に対し、50〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好ましい。ポリアクリルアミド樹脂の含有量が前記範囲の下限値以上であればイージーピール適性が良好である。
紙基材3において、熱接着層5側の面に設けられた塗布層におけるポリアクリルアミド樹脂の含有量は、0.1〜10.0g/mであり、0.1〜5.0g/mがより好ましく、0.2〜3.0g/mがさらに好ましい。特に、熱接着層5の坪量が2.0g/m以上である場合は、前記の好ましい範囲の下限を0.5g/mとすることが好ましい。
塗布層の単位面積当たりのポリアクリルアミド樹脂の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、イージーピール時に紙基材3と熱接着層5とが良好に剥離し、紙基材3の表面の毛羽立ちや基材破壊が生じにくい。該含有量が前記範囲の上限値以下であれば、ヒートシールシート1の破裂強度が低く抑えられ、プレススルー適性が優れる。
紙基材3において、熱接着層5側とは反対側の面に塗布層が設けられる場合、この塗布層におけるポリアクリルアミド樹脂の含有量は特に限定されないが、10.0g/m以下が好ましく、0.1〜5.0g/mがより好ましく、0.2〜3.0g/mがさらに好ましい。該塗布量が前記範囲の上限値以下であれば、ヒートシールシート1の破裂強度が低く抑えられ、プレススルー適性が優れる。
紙基材3の坪量は、18g/m以上であり、20g/m以上が好ましい。紙基材3の坪量が前記下限値以上であれば、イージーピールに耐えうる強度が得られやすく、剥離時の基材破壊が起こりにくい。
紙基材3の坪量の上限は特に限定されないが、ヒートシールシート1をPTP用蓋材として用いる場合は、50g/m以下であることが好ましく、40g/m以下がより好ましく、35g/m以下がさらに好ましい。紙基材3の坪量が前記上限値以下であれば、ヒートシールシート1の破裂強度を低く抑えることができ、PTPのポケット部から被収容物を押し出すのに必要な力が少なく、プレススルー適性に優れる。
紙基材3の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定される。原紙の坪量も同様である。
紙基材3の密度は、0.95〜1.30g/cmが好ましく、1.00〜1.30g/cmがより好ましく、1.00〜1.25g/cmがさらに好ましく、1.10〜1.25g/cmが特に好ましい。紙基材3の密度が前記下限値以上であれば、プレススルー適性がより優れる。紙基材3の密度が前記上限値以下であれば、イージーピール適性がより優れる。
紙基材3の密度は、JIS P 8118:1998に準拠して厚さを測定して、厚さと坪量の測定値から計算で求められる。
紙基材3は、原紙の少なくとも一方の面に、ポリアクリルアミド樹脂を含む塗布液(以下、「下塗り剤」ともいう。)を塗布し、乾燥して塗布層を形成することにより製造できる。
下塗り剤が原紙の一方の面に塗布される場合、下塗り剤が塗布されるのは、熱接着層5が積層される側の面である。
下塗り剤は、通常、液体媒体を含む。液体媒体としては、ポリアクリルアミド樹脂を溶解するものが好ましく、たとえば水が挙げられる。
下塗り剤は、必要に応じて、前述の他の成分を含んでもよい。
下塗り剤中のポリアクリルアミド樹脂の含有量(濃度)は、下塗り剤中の総固形分(100質量%)に対し、50〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好ましい。総固形分は、下塗り剤から液体媒体を除いた全量であり、ポリアクリルアミド樹脂と他の成分との合計である。総固形分に対するポリアクリルアミド樹脂の含有量は、塗布層の全質量に対するポリアクリルアミド樹脂の含有量に等しい。
原紙への下塗り剤の塗布量は、ポリアクリルアミド樹脂の量に応じて設定される。
原紙の熱接着層5が積層される側の面における下塗り剤の塗布量は、ポリアクリルアミド樹脂の量に換算して、0.1〜10g/mであり、0.1〜5.0g/mがより好ましく、0.2〜3.0g/mがさらに好ましい。特に、熱接着層5の坪量が2.0g/m以上である場合は、前記の好ましい範囲の下限を0.5g/mとすることが好ましい。ポリアクリルアミド樹脂の量に換算した下塗り剤の塗布量は、塗布層におけるポリアクリルアミド樹脂の含有量に等しい。
原紙の熱接着層5が積層される側とは反対側の面に下塗り剤が塗布される場合、その塗布量は特に限定されないが、ポリアクリルアミド樹脂の量に換算して、10.0g/m以下が好ましく、0.1〜5.0g/mがより好ましく、0.2〜3.0g/mがさらに好ましい。
下塗り剤の塗布方法としては、特に限定されず、各種公知の湿式塗布法を利用して行うことができる。たとえば抄紙機のオンマシンサイズプレス装置やトランスファーロールコーター(シムサイザー、ゲートロールコーター等)、スプレー装置等を用いて行うことができる。また、オフマシンでは、一般的な塗工装置、例えばブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、シムサイザー、ゲートロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター、ツーロールコーター、ビルブレードコーター、ショートドウェルコーター等を用いて塗布することができる。
操業性、生産性を考慮すれば、下塗り剤の塗布および乾燥は、オンマシン式で行われることが好ましい。従って、原紙を抄紙する抄紙機の形式については、長網抄紙機、短網抄紙機、円網抄紙機等、特に限定されるものではないが、オンマシンで塗工機が装備されているものを用いることが好ましい。
塗布された下塗り剤は、通常、少なくとも一部が原紙に浸み込み、塗布後の原紙中にはポリアクリルアミド樹脂が含まれている。下塗り剤の一部が原紙に浸み込んだ場合、浸み込まなかった下塗り剤が塗布面上で乾燥することにより、原紙の塗布面上にポリアクリルアミド樹脂を含む層(以下、「下塗り層」ともいう。)が形成される。
紙基材3は、原紙の塗布面上に下塗り層を有していてもよく有していなくてもよい。下塗り層を有しない場合でも、原紙の表面およびその近傍にポリアクリルアミド樹脂が含浸しているため、優れたイージーピール適性が得られる。下塗り層の有無は、表面と中層部分をかみそり等で削いで、熱分解GCMS(ガスクロマトグラフ質量分析)等で確認が可能である。
原紙中のポリアクリルアミド樹脂の濃度(原紙の厚さ方向における濃度)は均一でもよく、原紙の表面から内側に向かって濃度が低下していくような濃度勾配を有していてもよい。
下塗り層の形成方法としては、たとえばゲートロールコーター等のトランスファーロールコーターを用いる方法、下塗り剤中のポリアクリルアミド樹脂の含有量を高める方法等が挙げられる。トランスファーロールコーターを用いる場合、サイズプレス装置を用いる場合よりも下塗り剤が原紙に浸み込みにくいため、下塗り層が形成されやすく、前記のようなポリアクリルアミド樹脂の濃度勾配が形成されやすい傾向がある。また、下塗り剤中のポリアクリルアミド樹脂の含有量が多いほど、下塗り剤の粘度が高くなり、下塗り剤が原紙に浸み込みにくなって、下塗り層が形成されやすく、前記のようなポリアクリルアミド樹脂の濃度勾配が形成されやすい傾向がある。
(熱接着層)
熱接着層5を構成する材料は、特に限定されず、各種熱接着性を発現する材料が使用でき、熱接着層5が熱接着される被着体(たとえばヒートシールシートがPTPの蓋材である場合はPTPの容器)の材質や熱接着条件に応じて適宜選択される。
熱接着性を発現する材料としては、たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、アクリル酸エステル重合体、ポリエチレン、ポリエチレン−ポリブテン混合体等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
熱接着層5は、たとえば、上記の材料と液体媒体とを含むヒートシール剤を、紙基材3の一方の面に塗布し乾燥することにより形成できる。
ヒートシール剤は、上記の材料が水に溶解または分散した水系ヒートシール剤でもよく、上記の材料が溶剤に溶解した溶剤系ヒートシール剤でもよい。
水系ヒートシール剤としては、たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルション、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体エマルション、アクリル酸エステル重合体エマルション、ポリエチレンエマルション、ポリエチレン−ポリブテン混合体エマルション等が挙げられる。これらのなかでも、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルション、アクリル酸エステルエマルション、ポリエチレンエマルションが、安定した剥離力を発現し、且つISO2758に準じて測定した破裂強度を上昇させることなく紙基材表面のケバ立ちを抑える効果が高いため、好ましい。
ヒートシール剤の塗布方法としては、特に限定されず、各種公知の湿式塗布法を利用して行うことができる。たとえば下塗り剤の塗布方法と同様の方法が挙げられる。
乾燥設備については、シリンダードライヤーによる塗布面直接接触方式では、ドライヤーやカンバスが汚染する虞があるため、塗布面と接触しないエアードラーヤーや赤外線ヒーター等の乾燥設備による乾燥が好ましい。
熱接着層5の坪量(ヒートシール剤の乾燥塗布量)は、特に限定されず、熱接着層5が接着される被着体の材質やヒートシール条件に応じて適宜選択される。好ましくは0.1〜30g/mであり、より好ましくは0.5〜20g/mであり、さらに好ましくは2.0〜20g/mである。熱接着層5の坪量が前記範囲の下限値以上であれば、満足な熱接着力が得られやすい。たとえばPTPの蓋材として容器に熱接着された場合、ポケット部を押し込んで被収容物を押し出す際に、蓋材が剥がれにくい。熱接着層5の坪量が前記範囲の上限値以下であれば、イージーピール時に紙基材3の破壊が発生しにくい。また、熱接着層5が曳糸性を発現しにくく、被収容物の汚染が生じにくい。
(破裂強度)
ヒートシールシート1は、ISO2758に準じて測定される破裂強度が、40〜200kPaであることが好ましく、50〜150kPaがより好ましく、60〜130kPaがさらに好ましい。
破裂強度が200kPa以下であると、ヒートシールシート1をPTP用蓋材として用いた場合に、被収容物を取り出すためにポケット部を押し込んで蓋材を押し破るのに要する力が大きくならず、非力な人でも負担が小さい。また、力の掛け具合の調節が容易であり、力を掛けたときに被収容物を飛び出させることなく蓋材を押し破ることができる。また、取り出された被収容物への蓋材の付着、このような被収容物を服用することによる蓋材の誤飲等が生じにくい。また、蓋材を押し破るために必要な力が小さいため、蓋材を押し破る際に被収容物の変形や割れが生じにくい。特に顆粒状の薬剤を内包したカプセル剤の場合、カプセル剤の変形は押し出しに支障を来たす虞がある。
破裂強度が40kPa以上であると、イージーピールに耐え得る充分な強度を有し、剥離時に紙基材3の破壊が生じにくい。また、ヒートシールシート1をPTP用蓋材として用いた場合に、小さな衝撃で被収容物が押し出されにくく、PTPの取り扱いが容易になる。
ヒートシールシート1の破裂強度は、紙基材3を構成するパルプのフリーネス(標準フリーネス、変則フリーネス)、紙基材3の坪量、塗布層におけるポリアクリルアミド樹脂の含有量(下塗り剤の塗布量)等により調整できる。
(製造方法)
ヒートシールシート1は、たとえば、以下の工程(α2)〜(α3)を有する製造方法により製造できる。該製造方法は、必要に応じて、工程(α2)の前に、以下の工程(α1)を有していてもよい。
(α1)パルプを水の存在下で叩解してパルプスラリーを得、該パルプスラリーに製紙用内添薬品を添加して抄紙原料を調成し、該抄紙原料を抄紙することで原紙を得る工程。
(α2)パルプにより構成された原紙の少なくとも一方の面に下塗り剤を塗布し、乾燥して塗布層を形成し、紙基材3を得る工程。
(α3)紙基材3の塗布層が設けられている面(ポリアクリルアミド樹脂の含有量が0.1〜10g/mである面)に熱接着層5を積層し、ヒートシールシート1を得る工程。
工程(α1)〜(α3)はそれぞれ前述の手順で実施できる。
(作用効果)
ヒートシール1にあっては、熱接着層5側の面にポリアクリルアミド樹脂を特定の含有量で含む塗布層を有し、特定の坪量を有する紙基材3を基材とするため、イージーピール適性に優れる。たとえばヒートシール1を被着体(PTPの容器等)に熱接着した後、被着体から剥離する際に、熱接着層5が、被着体側に付着したまま紙基材3との界面から剥離しやすく、紙基材3が破れにくい。また、熱接着層5が剥離したときに紙基材3の表面の毛羽立ちや該表面からの紙片の剥離が生じにくい。紙基材3が破れにくいため、ヒートシール1を被着体からイージーピール方式で剥離する際に、一度に全体を剥離することができる。また、毛羽立ちや紙片の剥離が抑制されているため、毛羽立った部分から脱落した繊維や剥離した紙片が被着体や被収容物に付着することを防止できる。また、被収容物を服用する場合に、付着した繊維や紙片を誤飲することを防止できる。
また、ヒートシール1にあっては、基材が紙を主体とするため、基材にアルミニウム箔を用いたものに比べて、ヒートシールの破片を誤飲したときの人体への負荷が少ない。
さらに、紙基材3を構成するパルプの変則フリーネスや紙基材3の坪量によっては、プレススルー適性も優れたものとすることができる。
紙基材3の熱接着層5が積層する側の面にポリアクリルアミド樹脂を含む塗布層が設けられていることで、熱接着層5が紙基材3から剥離する際の紙基材3の破壊や表面の毛羽立ち、表面からの紙片の脱落等を抑制できる理由は、以下のように考えられる。
ポリアクリルアミド樹脂は、分子内のアミド基が、セルロースおよびヘミセルロース分子中の水酸基との間に、あるいはポリアクリルアミド樹脂自身のアミド基との間に、水素結合を形成し、パルプ繊維間に作用する水素結合の数を増加させる。それによりパルプ繊維のネットワークの結合が強化され、被着体からヒートシールシートを剥離する際に、紙基材3から剥離した熱接着層にパルプ繊維が取られるのを防ぐことができる。
ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルアルコールや疎水化デンプン等の水溶性高分子は、製紙分野で紙力増強剤等として知られているが、本発明者らの検討によれば、ポリアクリルアミド樹脂は、他の水溶性高分子に比べて、上記のような基材破壊や毛羽立ちを抑制する効果に優れる。
また、ポリアクリルアミド樹脂は、他の水溶性高分子に比べて、水溶液の粘度が低く、安定性に優れる(水溶液がゲル化しにくい)。そのため、充分な塗布性を確保しつつポリアクリルアミド樹脂の濃度を高くすることができる。下塗り剤中のポリアクリルアミド樹脂の濃度が高いと、片面あたりの塗布量を0.1g/cm以上としやすい。
また、ポリアクリルアミド樹脂は、原紙の破裂強度(ISO2758に準じて測定)を上昇させにくい。そのため、原紙のプレススルー適性を損なうことなくイージーピール適性を高めることができる。
イージーピール適性およびプレススルー適性が共に優れている場合、ヒートシール1は、PTP用蓋材として有用である。
ただし、ヒートシール1の用途はPTP用蓋材に限定されず、PTP以外の用途、たとえばヒートシールシートを袋状に加工した包装体、ブリスターパック用蓋材、ストローを突き刺して飲用する液体容器用蓋材等の用途にも適用できる。
以上、本発明のヒートシールシートについて、実施形態を示して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。上記実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
たとえば、ヒートシールシート1の紙基材3と熱接着層5との間に他の層を有してもよい。他の層としては、たとえば水蒸気バリア層、酸素バリア層、印刷層、印刷適性向上層、オーバープリント層、遮光層等が挙げられる。紙基材3と熱接着層5との間に設けられる他の層は1層でもよく2層以上でもよい。
また、紙基材3の熱接着層5側とは反対側の面に印刷層を有してもよい。印刷層上にさらにオーバープリント層を有してもよい。
<PTP>
本発明のPTP(プレススルー包装体)は、容器と蓋材とを備え、前記容器が、被収容物を収容する複数のポケット部と、該複数のポケット部の開口の周囲に設けられ、前記蓋材と貼り合わされるフランジ部とを備えるものであって、
前記蓋材が、本発明のヒートシールシートからなることを特徴とする。
以下、本発明のPTPについて、添付の図面を参照し、実施形態を示して説明する。なお、以下において、前出の実施形態に対応する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図2は、本発明のPTPの第一実施形態を模式的に示す断面図である。
本実施形態のPTP10は、蓋材11と、容器13とを備える。
蓋材11は、図1に示したヒートシールシート1からなり、熱接着層5側を容器13側に向けて配置されている。
容器13は、被収容物19を収容する複数のポケット部15と、該複数のポケット部15の開口の周囲に設けられ、蓋材11と貼り合わされるフランジ部17とを備える。
フランジ部17の蓋材11側の表面は平面状であり、蓋材11と密着する。
複数のポケット部15はそれぞれ、フランジ部17の蓋材11側とは反対側の表面から突出して形成されており、突出した部分の内側に、被収容物19を収容する凹部を有する。凹部は、フランジ部17の蓋材11側の表面に開口し、該開口が蓋材11で封止されることにより、被収容物19を収容する空間が形成されている。
(蓋材)
蓋材11を構成するヒートシールシート1としては、前述のとおり、紙基材3の原紙を構成するパルプの叩解度が、標準フリーネスで600mL以下であるものが使用され、350mL以下であるものが好ましい。標準フリーネスが前記上限値以下であれば、蓋材11のイージーピール適性が優れる。
前記パルプの叩解度は、前記変則フリーネスで50〜500mLがより好ましく、100〜500mLがさらに好ましい。変則フリーネスが前記の範囲内であれば、優れたイージーピール適性とプレススルー適性とを両立できる。
蓋材11を構成するヒートシールシート1は、紙基材3の坪量が18〜50g/mであることが好ましい。紙基材3の坪量の上限、下限それぞれの好ましい値は前記と同様である。紙基材3の坪量が前記範囲の下限値以上であれば、イージーピールに耐えうる強度が得られやすく、剥離時の基材破壊が起こりにくい。紙基材3の坪量が前記範囲の上限値以下であれば、ヒートシールシート1の破裂強度を低く抑えることができ、PTP10のポケット部15から被収容物19を押し出すのに必要な力が少なく、プレススルー適性に優れる。
(容器)
容器13の材質は、特に限定されず、公知の各種の素材が使用できる。例えばポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル−ポリ塩化ビニリデン複合樹脂等が挙げられる。
容器13は、たとえば、前述の素材のシートに複数のポケット部15を成形することにより製造できる。ポケット部15の成形方法については、特に限定するものではないが、たとえばプラグアシスト成形法、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法、熱プレス法等が挙げられる。
PTP10において、蓋材11と容器13のフランジ部17とは、蓋材11を容器13からイージーピール方式で剥離できるように貼り合わされることが好ましい。
また、この場合、蓋材11とフランジ部17との貼り合わせは、蓋材11をイージーピール方式で剥離したときに、フランジ部17と接触している部分で、熱接着層5が紙基材3から剥離してフランジ部17側に残るように行われることが好ましい。剥離時に熱接着層5がフランジ部17側に残るようであれば、ポケット部15を押し込んで被収容物19を取り出す際に蓋材11が剥離しにくい。
図3に、イージーピール方式で容器13から蓋材11を剥離した状態の一例を模式的に示す。この例では、蓋材11をイージーピール方式で剥離したときに、フランジ部17と接触している部分で、熱接着層5が全て紙基材3から剥離してフランジ部17側に残り、紙基材3の熱接着層5と接していた部分が露出している。この場合、熱接着層5が容易に紙基材3から剥離するため、蓋材11の剥離時に、紙基材3が熱接着層5に引っ張られることによる基材破壊や表面のケバ立ちが生じにくい。
図4に、イージーピール方式で容器13から蓋材11を剥離した状態の他の例を模式的に示す。この例では、蓋材11をイージーピール方式で剥離したときに、フランジ部17と接触している部分で、熱接着層5の層間剥離が生じ、熱接着層5の一部が紙基材3から剥離してフランジ部17側に残り、紙基材3側およびフランジ部17側の双方に熱接着層5が残留した状態になっている。この場合、紙基材3側に残った熱接着層5によって紙基材3のケバ立ちが抑えられる。
剥離時に熱接着層5がフランジ部17側に残るかどうかは、紙基材3の熱接着層5側の面におけるポリアクリルアミド樹脂の塗布量、蓋材11とフランジ部17とを貼り合わせる際の熱接着条件(加熱温度、圧力、時間等)、熱接着層5を構成する材料と被着体の材質との組み合わせ等により調整できる。
蓋材11と容器13との剥離強度は、特に限定しないが、たとえば下記の剥離強度が、0.060〜0.700kN/mであることが好ましく、0.130〜0.450kN/mであることがより好ましい。剥離強度が前記範囲の下限値以上であれば、ポケット部15を押し込んで被収容物19を取り出す際に蓋材11が剥離しにくい。剥離強度が前記範囲の上限値以下であれば、イージーピール方式での剥離時に基材破壊を来たさずに剥離できる。
剥離強度:引張試験機(例えば、テンシロンRTC−1250A、オリエンテック社製)を用いて、JIS P 8113:2006に準じて、幅15mmに断裁したPTP10の蓋材11、容器13それぞれの端部をチャッキングして180°ピール法で剥離速度300mm/分にて測定した剥離強度。
(製造方法)
PTP10は、たとえば、容器13のポケット部15に被収容物19を収容し、該容器13に、蓋材11を、ポケット部15の開口を封止するように重ねて熱接着することにより製造できる。熱圧着条件としては、特に限定されない。
被収容物19としては、特に限定されず、たとえば錠剤、坐剤、カプセル剤等の薬剤、菓子(飴、チョコレート等)等の食品、化粧品等が挙げられる。
(作用効果)
従来、蓋材の基材が紙を主体とする場合、優れたイージーピール適性とプレススルー適性とを両立することは難しかった。
PTP10にあっては、蓋材11がヒートシール1からなるため、優れたイージーピール適性とプレススルー適性とを両立できる。たとえば容器13から蓋材11を剥離する際に、紙基材3の破壊や表面の毛羽立ちが生じにくい。また、充分に少ない力でポケット部15を押し込んで蓋材11を破断させ、被収容物19を取り出すことができる。
また、蓋材が紙を主体とするため、従来のアルミニウム箔を用いたものに比べて、蓋材を誤飲したときの人体への負荷が少ない。また、ヒートシール剤により密封されることにより埃等の異物混入を防ぐことができる。
したがって、PTP10は、実用上極めて有用なものである。
以上、本発明のPTPについて、実施形態を示して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。上記実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
たとえば、蓋材11を構成するヒートシールシートは、本発明のヒートシールシートであればよく、ヒートシールシート1に限定されない。
また、容器13の少なくとも片面に印刷層を有してもよい。印刷層上にさらにオーバープリント層を有してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
[紙基材の製造]
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)80%と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)20%を混合し、DDRにて、変則フリーネス(パルプ採取量0.3g/L)が200mLになるように叩解し、パルプスラリーを得た。該パルプスラリーに内添薬品として、パルプ質量に対し、絶乾で硫酸バンド1%、濾水性向上剤(商品名:ソフトール(登録商標)3503、油化産業社製)0.07%を添加し、抄紙原料を得た。該抄紙原料を長網抄紙機で抄紙して原紙を得た後、抄紙機に付設されたゲートロールコーターにて、下記の下塗り剤(A)を、片面の乾燥後の塗布量が1.1g/m(両面で2.2g/m)となるように塗布および乾燥し、オフマシンカレンダーにて平滑化処理を行って、坪量30g/m、密度1.15g/cmの紙基材を得た。
下塗り剤(A):アニオン性ポリアクリルアミド樹脂(質量平均分子量20万)の水溶液(荒川化学工業社製のポリマセット(登録商標)512を水で希釈してアニオン性ポリアクリルアミド樹脂濃度10質量%に調整したもの)。
[ヒートシールシートの製造]
上記で得られた紙基材の片面に、バーコーターを用いて、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルション系ヒートシール剤(商品名:EA−H700、東洋インキ社製)を、乾燥後の塗布量が3.0g/mとなるように塗布および乾燥して熱接着層を形成し、ヒートシールシートを得た。
[PTPの製造]
以下の容器を用意し、上記で得られたヒートシールシートを蓋材として用いて以下の手順でPTPを製造した。
容器:直径10mm、深さ5mmのポケット部が12個(6個×2列)設けられた、厚さ250μmのポリ塩化ビニル樹脂フィルム製のPTP用容器。
上記容器のポケット部に薬剤(市販の錠剤タイプの風邪薬、錠剤の直径9.5mm、厚さ4mm)を入れ、蓋材を、熱接着層側の面が容器と接するように重ね、熱プレス試験機を用いて、150℃、3.0kgf/cm、1.1秒間の熱圧着条件で熱圧着して、上記薬剤が封緘されたPTPを製造した。
<実施例2>
実施例1の紙基材の製造において、パルプの変則フリーネスを460mLとした以外は実施例1と同様にして紙基材、ヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
<実施例3>
実施例2の紙基材の製造において、原紙の坪量を減らして紙基材の坪量を25g/mとした以外は実施例2と同様にして紙基材、ヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
<実施例4>
実施例2の紙基材の製造において、原紙の坪量を増やして紙基材の坪量を40g/mとした以外は実施例2と同様にして紙基材、ヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
<実施例5>
実施例2の紙基材の製造において、原紙の坪量を増やして紙基材の坪量を55g/mとした以外は、実施例2と同様にして紙基材、ヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
<実施例6>
実施例1の紙基材の製造において、下塗り剤(A)の片面の乾燥後の塗布量を3.0g/m(両面で6.0g/m)とし、紙基材の坪量が実施例1と同じになるように原紙の坪量を減らした以外は実施例1と同様にして紙基材、ヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
<実施例7>
実施例1の紙基材の製造において、下塗り剤(A)の片面の乾燥後の塗布量を0.4g/m(両面で0.8g/m)とし、紙基材の坪量が実施例1と同じになるように原紙の坪量を増やした以外は実施例1と同様にして紙基材、ヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
<実施例8>
[紙基材の製造]
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)80%と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)20%を混合し、DDRにて、変則フリーネス(パルプ採取量0.3g/L)が200mLになるように叩解し、パルプスラリーを得た。該パルプスラリーに内添薬品として、パルプ質量に対し、絶乾で硫酸バンド1%、濾水性向上剤(商品名:ソフトール(登録商標)3503、油化産業社製)0.07%を添加し、抄紙原料を得た。該抄紙原料を長網抄紙機で抄紙して原紙を得た後、抄紙機に付設されたゲートロールコーターにて、前記下塗り剤(A)を、片面の乾燥後の塗布量が0.4g/m(両面で0.8g/m)となるように塗布および乾燥し、オフマシンカレンダーにて平滑化処理を行って、坪量30g/m、密度1.05g/cmの紙基材を得た。
[ヒートシールシートの製造]
上記で得られた紙基材の片面に、バーコーターを用いて、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルション系ヒートシール剤(商品名:EA−H700、東洋インキ社製)を、乾燥後の塗布量が1.4g/mとなるように塗布および乾燥して熱接着層を形成し、ヒートシールシートを得た。
[PTPの製造]
以下の容器を用意し、上記で得られたヒートシールシートを蓋材として用いて以下の手順でPTPを製造した。
容器:直径10mm、深さ5mmのポケット部が12個(6個×2列)設けられた、厚さ250μmのポリ塩化ビニル樹脂フィルム製のPTP用容器。
上記容器のポケット部に薬剤(市販の錠剤タイプの風邪薬、錠剤の直径9.5mm、厚さ4mm)を入れ、蓋材を、熱接着層側の面が容器と接するように重ね、熱プレス試験機を用いて、150℃、3.0kgf/cm、1.1秒間の熱圧着条件で熱圧着して、上記薬剤が封緘されたPTPを製造した。
<実施例9>
実施例8の紙基材の製造において、パルプの変則フリーネスを460mLとした以外は実施例8と同様にして紙基材、ヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
<実施例10>
実施例9の紙基材の製造において、原紙の坪量を減らして紙基材の坪量を25g/mとした以外は実施例9と同様にして紙基材、ヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
<実施例11>
実施例9の紙基材の製造において、原紙の坪量を増やして紙基材の坪量を40g/mとした以外は実施例9と同様にして紙基材、ヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
<実施例12>
実施例9の紙基材の製造において、原紙の坪量を増やして紙基材の坪量を55g/mとした以外は、実施例9と同様にして紙基材、ヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
<比較例1>
実施例1の紙基材の製造において、パルプの変則フリーネスを770mL(通常フリーネスとして380mL)とした以外は実施例1と同様にして紙基材、ヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
<比較例2>
実施例1の紙基材の製造において、下塗り剤(A)を塗布せず、紙基材の坪量が実施例1と同じになるように原紙の坪量を増やした以外は実施例1と同様にして紙基材、ヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
<比較例3>
実施例1の紙基材の製造において、下塗り剤(A)の片面の乾燥後の塗布量を0.05g/m(両面で0.1g/m)とし、紙基材の坪量が実施例1と同じになるように原紙の坪量を増やした以外は実施例1と同様にして紙基材、ヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
<比較例4>
実施例2の紙基材の製造において、原紙の坪量を減らして紙基材の坪量を14g/mとした以外は、実施例2と同様にして紙基材、ヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
<比較例5>
実施例1の紙基材の製造において、下塗り剤(A)の代わりに下記の下塗り剤(B)を用い、片面の乾燥後の塗布量を0.4g/m(両面で0.8g/m)とし、紙基材の坪量が実施例1と同じになるように原紙の坪量を増やした以外は、実施例1と同様にして紙基材、ヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
下塗り剤(B):ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ社製)の4質量%水溶液。
<比較例6>
実施例1の紙基材の製造において、下塗り剤(A)の代わりに下記の下塗り剤(C)を用い、片面の乾燥後の塗布量を0.8g/m(両面で1.6g/m)とし、紙基材の坪量が実施例1と同じになるように原紙の坪量を増やした以外は、実施例1と同様にして紙基材、ヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
下塗り剤(C):疎水化デンプン(商品名:GRS−T110、王子コーンスターチ社製)の8質量%水溶液。
表1に、実施例1〜12、比較例1〜6それぞれにおけるパルプの変則フリーネス、原紙の坪量、原紙に塗布した下塗り剤の種類および片面あたりの塗布量、ならびに紙基材の坪量および密度をそれぞれ示す。
なお、各例における下塗り剤の片面あたりの塗布量(乾燥後の塗布量)は、下塗り剤中の水溶性高分子(アニオン性ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルアルコールまたは疎水化デンプン)としての塗布量に等しい。
<評価>
実施例1〜12、比較例1〜6それぞれで得たヒートシールシート(蓋材)およびPTPについて以下の評価を行い、結果を表2に示した。
[破裂強度の測定]
各例のヒートシールシートの破裂強度(kPa)を、破裂試験機(型式:MD200、熊谷理機工業社製)を用いて、ISO2758に準じて測定した。
[剥離強度の測定および基材破壊の状態の評価]
各例のヒートシールシートと、容器に使用したポリ塩化ビニル樹脂フィルム(ポケット部は未成形)とを、ヒートシールシートの熱接着層側の面がポリ塩化ビニル樹脂フィルムと接するように重ねて、熱プレス試験機を用いて、150℃、3.0kgf/cm、1.1秒間の熱圧着条件で熱圧着物を作成した。次に、この熱圧着物を幅15mmに断裁して、剥離強度測定用サンプルを作成した。
得られたサンプルの剥離強度(kN/m)を、引張試験機(型式:テンシロンRTC−1250A、オリエンテック社製)を用いて、JIS P 8113:2006に準じて、サンプルのポリ塩化ビニル樹脂フィルム、ヒートシールシートそれぞれの端部をチャッキングして180°ピール法で剥離速度300mm/分で測定した。
また、剥離強度の測定の際、ヒートシールシートの基材破壊の状態を目視で確認し、以下の基準で評価した。
(剥離試験時の基材破壊の状態の評価基準)
○:基材破壊が起こらなかった。
△:ヒートシールシートを剥離できたが、ポリ塩化ビニル樹脂フィルムに紙片やケバの付着が見られた。
×:基材破壊が発生した。
[薬剤押し出し力の測定]
各例のヒートシールシートと、あらかじめ直径10mmの孔を開けた容器用ポリ塩化ビニル樹脂フィルム(ポケットは未成形)とを、ヒートシールシートの熱接着層側の面がポリ塩化ビニル樹脂フィルムと接するように重ねて、熱プレス試験機を用いて、150℃、3.0kgf/cm、1.1秒間の熱圧着条件で熱圧着物を作成した。
次にテクスチャーアナライザー(型式:TA−XT plus、英弘精機社製)を用いて、直径20mmの孔が開けられたポリカーボネート製の樹脂板(10cm×10cm、厚さ30mm)を、孔の中心が円柱状プローブの中心と重なるようにセットした。
次に、上記樹脂板の上に、樹脂板の孔の中心に上記熱圧着物のポリ塩化ビニル樹脂フィルムに開けられた孔の中心が来るように、またポリ塩化ビニル樹脂フィルムが上になるようにセットした。
次に、テクスチャーアナライザーの円柱状プローブの先端に薬剤(市販の錠剤タイプの風邪薬、錠剤の直径9.5mm、厚さ4mm)を貼り付け、プローブの下降速度300mm/分で下降させて、薬剤の押し出しに掛かった力に掛かった力(薬剤押し出し力)(N)を測定した。薬剤押し出し力は、プローブ先端の薬剤が熱圧着物のヒートシールシートを押し破って熱圧着物の下側に押し出されるのに要した力であり、薬剤押し出し力が小さいほど、プレススルー適性が優れる。なお、無理なく押し出せる力としては概ね18N以下程度と考えられる。
[プレススルー適性およびイージーピール適性の官能評価]
得られたPTPについて実際に、以下の基準でプレススルー性およびイージーピール適性を官能評価した。
(プレススルー適性)
○:問題なく薬剤が押し出せた。
○’:薬剤を押し出すのにやや大きな力を要した。
△:薬剤を押し出すのに大きな力を要した。
×:蓋材が強すぎて薬剤が押し出せなかった。または、薬剤を押し出す前に蓋材が剥がれてしまった。
(イージーピール適性)
○:蓋材が問題なくイージーピールできた。
△:蓋材がイージーピールできたが、容器側に紙片やケバの付着が見られた。
×:基材破壊が起こり、イージーピールできなかった。
Figure 2016156119
Figure 2016156119
表2中、剥離強度の欄の「−」は、基材破壊が発生したため、剥離強度が測定不可であったことを示す。
上記結果に示すとおり、実施例1〜12のヒートシールシートは、剥離試験での剥離強度が小さかった。また、剥離試験時に基材破壊が見られず、PTPについて行った実際の官能評価でも同様の結果であった。これらの結果から、イージーピール適性に優れることが確認できた。
特に実施例1〜3、6、8〜10、12のヒートシールシートは、薬剤押し出し力が小さかった。薬剤押し出し力は、破裂強度とほぼ対応していた。また、PTPについて行った実際の官能評価でも、問題なく薬剤が押し出せた。これらの結果から、優れたイージーピール適性とプレススルー適性とを兼ね備えることが確認できた。
一方、比較例1〜6のヒートシールシートは、剥離試験において、剥離強度が測定不可であったり、測定できても剥離強度が実施例1〜12に比べて大きかった。また、剥離試験時に基材破壊、表面の毛羽立ちや紙片の剥離が見られ、PTPについて行った実際の官能評価でも同様の結果であった。
1 ヒートシールシート
3 紙基材
5 熱接着層
10 PTP(プレススルー包装体)
11 蓋材
13 容器
15 ポケット部
17 フランジ部
19 被収容物

Claims (7)

  1. 紙基材と、該紙基材の一方の面に積層した熱接着層とを備え、
    前記紙基材が、パルプにより構成された原紙と、前記原紙の少なくとも前記熱接着層側の面に設けられたポリアクリルアミド樹脂を含む塗布層とを備え、
    前記パルプのJIS P 8121−2:2012に準じて測定されるフリーネスが600mL以下であり、
    前記熱接着層側の面に設けられた塗布層における前記ポリアクリルアミド樹脂の含有量が、0.1〜10.0g/mであり、
    前記紙基材の坪量が、18g/m以上であることを特徴とするヒートシールシート。
  2. 前記パルプの下記の変則フリーネスが50〜500mLである請求項1に記載のヒートシールシート。
    変則フリーネス:パルプ懸濁液の固形分濃度を0.30%±0.01%から0.030%±0.001%に変更した以外は、JIS P 8121−2:2012に準じて測定されるフリーネス。
  3. 前記紙基材の坪量が、50g/m以下である請求項1または2に記載のヒートシールシート。
  4. プレススルー包装体用蓋材である請求項1〜3のいずれか一項に記載のヒートシールシート。
  5. 紙基材と、該紙基材の一方の面に積層した熱接着層とを備えるヒートシールシートの製造方法であって、
    パルプにより構成された原紙の少なくとも一方の面に、ポリアクリルアミド樹脂を含む塗布液を塗布し、乾燥して塗布層を形成し、紙基材を得る工程と、
    前記紙基材の前記塗布層が設けられている面に熱接着層を積層する工程と、
    を有し、
    前記パルプのJIS P 8121−2:2012に準じて測定されるフリーネスが600mL以下であり、
    前記原紙の前記熱接着層が積層される側の面に塗布する前記塗布液の塗布量が、前記ポリアクリルアミド樹脂の量に換算して0.1〜10.0g/mであり、
    前記紙基材の坪量が、18g/m以上であることを特徴とするヒートシールシートの製造方法。
  6. 容器と蓋材とを備え、前記容器が、被収容物を収容する複数のポケット部と、該複数のポケット部の開口の周囲に設けられ、前記蓋材と貼り合わされるフランジ部とを備えるプレススルー包装体であって、
    前記蓋材が、請求項1〜4のいずれか一項に記載のヒートシールシートからなることを特徴とするプレススルー包装体。
  7. 前記蓋材を前記容器からイージーピール方式で剥離でき、かつ前記蓋材をイージーピール方式で剥離するときに、前記フランジ部と接触している部分で、前記熱接着層が前記紙基材から剥離して前記フランジ部側に残るように、前記蓋材と前記フランジ部とが貼り合わされている請求項6に記載のプレススルー包装体。
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