JP2017040015A - 滅菌紙および滅菌包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】滅菌紙の冷却後における剥離信頼性を向上させる。【解決手段】滅菌紙1は、広葉樹パルプと、針葉樹パルプとを含む繊維材料により構成される紙基材2と、紙基材2に積層された熱接着層3と、を備える。繊維材料全体に対する針葉樹パルプの含有量が5〜50質量%であり、紙基材2の坪量が100g/m2以上である。【選択図】図1
Description
本発明は、滅菌紙および滅菌包装体に関するものである。
手術や治療などに使用する器具類は、使用前に滅菌したものを用いることが必要であり、このような器具類は滅菌包装体に収納されて滅菌される。病院などで実施される滅菌方法としては、例えばメスや鉗子などの被滅菌物を滅菌包装体に入れて密封した後、ガス滅菌法、高圧蒸気滅菌法、放射線滅菌法などを用いて滅菌を行う方法が挙げられる。ガス滅菌法は、包装物を耐圧容器中に入れて容器内を減圧し、包装物内部の空気を排出させた後、エチレンオキサイドガス(EOG)などを容器内に満たして包装物内部にガスを浸透させて滅菌する。高圧蒸気滅菌法は、オートクレーブなどを用いて包装物を高温の蒸気に曝し、減圧と加圧を繰り返して滅菌する。放射線滅菌法は、放射線を照射して滅菌する。
滅菌包装体は、たとえば滅菌紙を、医療器具を収容するための凹部を有する成形容器に剥離可能に接着することにより形成される。この場合、医療器具の使用時には、滅菌紙を成形容器から剥離して(ピールオープン方式)、成形容器内に収容されている医療器具を取り出すこととなる。
滅菌包装体に関する技術としては、たとえば特許文献1〜3に記載のものが挙げられる。特許文献1には、基紙上に、樹脂と顔料からなる剥離層を設けた積層体の剥離層面の周縁部分に設けられたヒートシール層と、支持体とを接合し、ヒートシールしてなる滅菌用包装袋が記載されている。特許文献2には、熱圧着される面のプリントサーフ表面粗さが2μm以上5μm以下である滅菌紙が記載されている。特許文献3には、基紙の表面に中空ポリマー顔料を含有する熱可塑性樹脂層を有する滅菌紙が記載されている。
滅菌紙を剥離して開封するピールオープン方式の滅菌包装体については、滅菌紙を成形容器から剥離する際に滅菌紙に破れが生じてしまうことを抑制して、剥離信頼性を向上させることが求められる。しかしながら、5〜10℃程度の冷却環境下に保管された滅菌包装体においては、滅菌紙を剥離する際に破れが生じやすくなることが懸念される。このため、滅菌紙について、冷却後における剥離信頼性の向上を図ることが求められている。
本発明は以下の構成を有する。
[1]広葉樹パルプと、針葉樹パルプとを含む繊維材料により構成される紙基材と、
前記紙基材に積層されたヒートシール層と、
を備え、
前記繊維材料全体に対する前記針葉樹パルプの含有量が5〜50質量%であり、
前記紙基材の坪量が100g/m2以上である滅菌紙。
[2]JIS P 8116により測定される引裂強度が700mN以上である[1]に記載の滅菌紙。
[3]前記紙基材は、湿潤紙力増強剤を含んでおり、
前記紙基材全体に対する前記湿潤紙力増強剤の含有量が0.1質量%以上である[1]または[2]に記載の滅菌紙。
[4]前記紙基材は、少なくとも前記ヒートシール層側の面において、ポリアクリルアミド樹脂を含む下塗り剤を有しており、前記ヒートシール層側の面における前記下塗り剤の量が、0.05〜15g/m2である[1]〜[3]いずれか一項に記載の滅菌紙。
[5]前記ヒートシール層は、平均粒子径D50が3〜15μmである粒状熱接着性樹脂を含む[1]〜[4]いずれか一項に記載の滅菌紙。
[6][1]〜[5]いずれか一項に記載の滅菌紙と、ポリプロピレンにより形成される滅菌用成形容器と、を熱圧着して得られた滅菌包装体。
[7]前記滅菌包装体から、前記滅菌用成形容器をJIS P 8113:2006に準じて剥離速度300m/分で180°剥離する際の剥離強度が500gf/15mm以上である[6]に記載の滅菌包装体。
[1]広葉樹パルプと、針葉樹パルプとを含む繊維材料により構成される紙基材と、
前記紙基材に積層されたヒートシール層と、
を備え、
前記繊維材料全体に対する前記針葉樹パルプの含有量が5〜50質量%であり、
前記紙基材の坪量が100g/m2以上である滅菌紙。
[2]JIS P 8116により測定される引裂強度が700mN以上である[1]に記載の滅菌紙。
[3]前記紙基材は、湿潤紙力増強剤を含んでおり、
前記紙基材全体に対する前記湿潤紙力増強剤の含有量が0.1質量%以上である[1]または[2]に記載の滅菌紙。
[4]前記紙基材は、少なくとも前記ヒートシール層側の面において、ポリアクリルアミド樹脂を含む下塗り剤を有しており、前記ヒートシール層側の面における前記下塗り剤の量が、0.05〜15g/m2である[1]〜[3]いずれか一項に記載の滅菌紙。
[5]前記ヒートシール層は、平均粒子径D50が3〜15μmである粒状熱接着性樹脂を含む[1]〜[4]いずれか一項に記載の滅菌紙。
[6][1]〜[5]いずれか一項に記載の滅菌紙と、ポリプロピレンにより形成される滅菌用成形容器と、を熱圧着して得られた滅菌包装体。
[7]前記滅菌包装体から、前記滅菌用成形容器をJIS P 8113:2006に準じて剥離速度300m/分で180°剥離する際の剥離強度が500gf/15mm以上である[6]に記載の滅菌包装体。
本発明によれば、滅菌紙の冷却後における剥離信頼性を向上させることができる。
図1は、本実施形態に係る滅菌紙1を模式的に示す断面図である。
本実施形態に係る滅菌紙1は、広葉樹パルプと、針葉樹パルプとを含む繊維材料により構成される紙基材2と、紙基材2に積層されたヒートシール層(熱接着層3)と、を備えている。滅菌紙1は、繊維材料全体に対する針葉樹パルプの含有量が5〜50質量%である。また、紙基材2の坪量は、100g/m2以上である。
本実施形態に係る滅菌紙1は、広葉樹パルプと、針葉樹パルプとを含む繊維材料により構成される紙基材2と、紙基材2に積層されたヒートシール層(熱接着層3)と、を備えている。滅菌紙1は、繊維材料全体に対する針葉樹パルプの含有量が5〜50質量%である。また、紙基材2の坪量は、100g/m2以上である。
上述のとおり、滅菌紙については、冷却後における剥離信頼性の向上を図ることが重要となる場合がある。しかしながら、これまでは、冷却後における滅菌紙の剥離信頼性に関する検討はなされていなかった。本発明者は、鋭意検討の結果、滅菌紙を構成する紙基材について、針葉樹パルプの含有量と、坪量とを同時に制御することによって、冷却後における剥離信頼性の向上に寄与できることを新たに知見した。本実施形態は、このような知見に基づいて、冷却後における剥離信頼性に優れた滅菌紙、および当該滅菌紙を備えた滅菌包装体を実現するものである。なお、剥離信頼性は、たとえば剥離した後の滅菌紙に破れがないか否か、成形容器に紙残りがないか否か等により評価できる。
以下、本実施形態に係る滅菌紙1、および滅菌包装体100について詳述する。
(滅菌紙)
図1に示すように、本実施形態の滅菌紙1は、紙基材2と、紙基材2の少なくとも一方の面に積層した熱接着層3とを備えている。滅菌紙1は、たとえば包装紙、フィルム、または滅菌用成形容器等の被着体に熱圧着されて滅菌包装体を形成する。被着体の例としては、ポリエチレンやポリプロピレン等に例示されるポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等に例示されるポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン・アクリル共重合樹脂またはこれらの積層体等により構成されるフィルムまたは滅菌用成形容器を挙げることができる。なお、熱接着層3は、紙基材2の一方の面のみに形成されていてもよく、一方の面および反対面に形成されていてもよい。
図1に示すように、本実施形態の滅菌紙1は、紙基材2と、紙基材2の少なくとも一方の面に積層した熱接着層3とを備えている。滅菌紙1は、たとえば包装紙、フィルム、または滅菌用成形容器等の被着体に熱圧着されて滅菌包装体を形成する。被着体の例としては、ポリエチレンやポリプロピレン等に例示されるポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等に例示されるポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン・アクリル共重合樹脂またはこれらの積層体等により構成されるフィルムまたは滅菌用成形容器を挙げることができる。なお、熱接着層3は、紙基材2の一方の面のみに形成されていてもよく、一方の面および反対面に形成されていてもよい。
図2は、本実施形態に係る滅菌包装体100を模式的に示す図である。図2(a)は上面図を、図2(b)は側面図を、それぞれ示している。図2に示すように、滅菌包装体100は、たとえば互いに熱圧着された滅菌紙1と成形容器10との間において、医療器具等の収容物を収容するための空間(収容部12)を有する。成形容器10は、上記に例示した材料により形成することができ、たとえばポリプロピレンにより形成されるものを用いることができる。収容物としての医療器具は、使用前に滅菌することが求められる医療器具であればとくに限定されないが、注射針、注射器、カテーテル、手袋、メス、鉗子、摂子、剪刀等を例示することができる。本実施形態においては、たとえば滅菌包装体100中に収容物を収容した状態で、オートクレーブ、エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌、γ線滅菌等の滅菌方法により収容物に対して滅菌処理が行われる。そして、滅菌された収容物を使用する際に、成形容器10から滅菌紙1を剥離して収容物を取り出すこととなる。
図2に示す例において、滅菌紙1は、包装容器10のうちの収容部12の縁に設けられた接着面14と接着されている。上面視における接着面14の幅は、とくに限定されず、包装容器10の大きさ等によって適宜選択することができる。たとえば収容物が注射針等の小さいものである場合においては、接着面14の幅は1mm以上8mm以下であることが滅菌包装体100を小型化しつつ、滅菌紙1の接着性を向上させる観点から好ましい。このような細い幅の接着面14を有する包装容器10を用いる場合においては接着面14と滅菌紙1との剥離強度を高くすることが好ましいが、本実施形態によれば、このような場合であっても冷却後の剥離信頼性に優れた滅菌紙1を実現することが可能である。
(紙基材)
紙基材2は、たとえばパルプスラリーを含む抄紙原料を抄紙することにより得られる。
パルプスラリーに用いられるパルプとしては、木材パルプ、非木材パルプ等が挙げられる。木材パルプとしては、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ等が挙げられる。また、木材パルプの蒸解方法や漂白方法は、特に限定されない。非木材パルプとしては、麻パルプ、ケナフパルプ、竹パルプ等が挙げられる。これらのパルプは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。レーヨン繊維やナイロン繊維、その他熱融着繊維など、パルプ繊維以外の材料も副資材としてパルプスラリーに配合することが可能である。
紙基材2は、たとえばパルプスラリーを含む抄紙原料を抄紙することにより得られる。
パルプスラリーに用いられるパルプとしては、木材パルプ、非木材パルプ等が挙げられる。木材パルプとしては、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ等が挙げられる。また、木材パルプの蒸解方法や漂白方法は、特に限定されない。非木材パルプとしては、麻パルプ、ケナフパルプ、竹パルプ等が挙げられる。これらのパルプは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。レーヨン繊維やナイロン繊維、その他熱融着繊維など、パルプ繊維以外の材料も副資材としてパルプスラリーに配合することが可能である。
本実施形態においては、たとえば広葉樹パルプと針葉樹パルプを少なくとも含むパルプスラリーを抄紙することにより、針葉樹パルプと針葉樹パルプを含む繊維材料により構成される紙基材2を得ることができる。なお、上記繊維材料は、上述した非木材パルプを含んでいてもよい。一方で、紙基材2中における異物を低減する観点や製造コストを抑える観点からは、繊維材料全体に対する非木材パルプの含有量が5質量%以下であることがより好ましく、繊維材料が非木材パルプを含まないことがとくに好ましい。なお、繊維材料が非木材パルプを含まないとは、繊維材料全体に対する非木材パルプの含有量が0.1質量%以下である場合を指す。
紙基材2中における針葉樹パルプの含有量は、繊維材料全体に対して5質量%以上50質量%以下である。これにより、滅菌紙1について、冷却後の剥離信頼性を向上させることができる。針葉樹パルプの含有量は、冷却時の剥離信頼性を向上させる観点から、繊維材料全体に対して10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがとくに好ましい。一方で、地合の観点からは、針葉樹パルプの含有量が繊維材料全体に対して40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがとくに好ましい。
紙基材2中における広葉樹パルプの含有量は、たとえば繊維材料全体に対して50質量%以上95質量%以下とすることができる。これにより、地合を良くすることができる。広葉樹パルプの含有量は、表面性の向上、すなわち印刷適性向上の観点から、繊維材料全体に対して60質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることがとくに好ましい。一方で、引裂強度の観点からは、広葉樹パルプの含有量が繊維材料全体に対して90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることがとくに好ましい。
なお、パルプスラリーは、パルプを水の存在下で叩解することにより得られる。パルプの叩解方法、叩解装置は特に限定されるものではないが、たとえば叩解効率が高いダブルディスクリファイナー(DDR)が好適に使用される。
パルプの叩解は、JIS P 8121−2:2012に準じて測定されるパルプのフリーネス(以下、「標準フリーネス」ともいう。)が100mL以上700mL以下となるように行うことができ、200mL以上600mL以下となるように行うことがより好ましく、300mL以上500mLとなるように叩解を行うことがより好ましい。パルプの標準フリーネスを上記下限値以上とすることにより、紙の引裂強度や透気性をより効果的に向上させることができる。また、パルプの標準フリーネスを上記上限値以下とすることにより、紙の強度を向上させて、イージーピール性の向上に寄与することができる。
パルプの叩解は、JIS P 8121−2:2012に準じて測定されるパルプのフリーネス(以下、「標準フリーネス」ともいう。)が100mL以上700mL以下となるように行うことができ、200mL以上600mL以下となるように行うことがより好ましく、300mL以上500mLとなるように叩解を行うことがより好ましい。パルプの標準フリーネスを上記下限値以上とすることにより、紙の引裂強度や透気性をより効果的に向上させることができる。また、パルプの標準フリーネスを上記上限値以下とすることにより、紙の強度を向上させて、イージーピール性の向上に寄与することができる。
一般にパルプの叩解と紙力の関係については、叩解をあまりすすめない状態では紙力は得られにくく、その理由としては、パルプ繊維同士のからみが弱く、繊維間結合(水素結合)のポイントも少ないためと考えられており、ある程度叩解を進めることで紙力は向上する。一方、叩解をすすめると、パルプ繊維同士のからみが増え、繊維間結合のポイントが増えるため、紙力は得られるが繊維の空隙が減少し、原紙の透気性が低下する。また、引裂強度が低下する傾向も見られる。パルプの標準フリーネスを前記の値の範囲とすることにより、紙基材2の透気性を保ったまま紙力を充分に高くすることができ、かつ引裂強度の向上を図ることもできる。これによって、滅菌紙1における冷却後の剥離信頼性を向上させることも可能となる。
本実施形態においては、たとえば叩解により得られたパルプスラリーに各種製紙用内添薬品が添加され、抄紙原料を調成することができる。内添薬品としては、たとえばサイズ剤、紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、硫酸バンド、カチオン化デンプン等の各種の定着剤が挙げられる。また、これらの他にも内添薬品として保水剤、歩留向上剤、消泡剤、填料、着色剤などを、抄紙原料に対して任意に配合可能である。
紙力増強剤は、たとえばポリアクリルアミド樹脂、カチオン化デンプン、およびポリビニルアルコール等から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらのうち、ポリアクリルアミド樹脂系紙力増強剤を紙基材2に内添させて、紙基材2中にポリアクリルアミド樹脂を含ませることにより、紙基材2の強度をより効果的に向上させて、イージーピール性をさらに向上させることが可能となる。また、添加後紙力増強効果をもたせるためには、質量平均分子量が200万(Mw)以上であることが好ましい。また、操業上、粘度が高く添加が困難となることから質量平均分子量が1000万(Mw)以下であることが好ましい。なお、ポリアクリルアミド樹脂の上記質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリエチレンオキシド換算値である。また、紙力増強剤としてのポリアクリルアミド樹脂としては、たとえばアニオン性、カチオン性、または両性のポリアクリル樹脂を用いることができるが、両性のポリアクリルアミド樹脂を用いることがとくに好ましい。サイズ剤としては、サイズ剤として公知のものを使用することができ、たとえばアルケニルコハク酸、アルキルケテンダイマー、およびロジン等から選択される一種または二種以上を含むことができる。また、保水剤としては、たとえばカルボキシメチルセルロースを使用することができる。填料としては、たとえば炭酸カルシウムやタルク等を使用することができる。
湿潤紙力増強剤は、湿潤紙力増強剤として公知のものを使用することができ、たとえばポリアミドエポキシ樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリアミドポリアミン‐エピクロルヒドリン樹脂およびメラミン樹脂等から選択される一種または二種以上を含むことができる。本実施形態において、湿潤時の強度を向上させる観点から、紙基材全体に対する湿潤紙力増強剤の含有量が、たとえば0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがとくに好ましい。一方で、紙基材全体に対する湿潤紙力増強剤の含有量は、損紙を回収して再利用する観点から、たとえば2質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態において、紙基材2の坪量は100g/m2以上である。これにより、滅菌紙1について、冷却後の剥離信頼性を向上させることができる。滅菌紙1の引裂強度を向上させる観点や、剥離信頼性を向上させる観点からは、たとえば紙基材2の坪量が110g/m2以上であることがより好ましい。一方で、紙基材2の坪量の上限は特に限定されないが、透気性の観点から300g/m2以下であることが好ましく、250g/m2以下がより好ましく、200g/m2以下がさらに好ましい。紙基材2の坪量は、たとえばJIS P 8124:2011に準拠して測定される。
紙基材2の密度は、たとえば0.50〜1.20g/cm3であることが好ましく、0.65〜1.10g/cm3であることがより好ましい。紙基材2の密度が前記下限値以上であれば、イージーピールに耐えうる強度が得られやすく、剥離時の基材破壊がさらに起こりにくくなる。紙基材2の密度が前記上限値以下であれば、透気性を保つことができる。紙基材2の密度は、たとえばJIS P 8118:1998に準拠して厚さを測定して、厚さと坪量の測定値から計算で求められる。
本実施形態においては、紙基材2の少なくとも一方の面に、ポリアクリルアミド樹脂を含む塗布液(以下、「下塗り剤」ともいう。)が塗布されていてもよい。これにより、紙基材2は、少なくとも一方の面側において下塗り剤を有することとなる。下塗り剤が紙基材2の一方の面のみに塗布される場合、下塗り剤が塗布されるのは、紙基材2のうちの熱接着層3が設けられる側の面である。一方で、本実施形態においては、紙基材2の一方の面および反対面の双方に下塗り剤が塗布されていてもよい。
下塗り剤は、たとえばポリアクリルアミド樹脂を含むことができる。本実施形態において、ポリアクリルアミド樹脂とは、(メタ)アクリルアミド単位を有する重合体である。「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミドおよびメタクリルアミドの総称である。ポリアクリルアミド樹脂は、アクリルアミド単位およびメタクリルアミド単位のいずれか一方を有してもよく、両方を有してもよい。また、ポリアクリルアミド樹脂は、(メタ)アクリルアミド単位以外の他の単位を有していてもよい。
下塗り剤中に含まれるポリアクリルアミド樹脂としては、アニオン性ポリアクリルアミド樹脂、カチオン性ポリアクリルアミド樹脂、両性ポリアクリルアミド樹脂等が挙げられる。これらはそれぞれ、製紙分野における紙力剤等として公知のものを使用でき、たとえば特開2002−317393号公報、特開2004−231901号公報、特開2014−205938号公報等に記載のものが挙げられる。ポリアクリルアミド樹脂は、1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。入手容易性の点では、アニオン性ポリアクリルアミド樹脂が好ましい。
アニオン性ポリアクリルアミド樹脂は、たとえばカルボキシ基、スルホン酸基、もしくはリン酸基、またはこれらの塩等のアニオン性官能基を含有することができる。このようなアニオン性ポリアクリルアミド樹脂としては、たとえば(メタ)アクリルアミドとアニオン性官能基含有モノマー(アクリル酸等)との共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミドの部分加水分解物等が挙げられる。
下塗り剤中に含まれるポリアクリルアミド樹脂としては、質量平均分子量(Mw)が5万〜50万であるものが好ましく、5万〜30万であるものがより好ましい。ポリアクリルアミド樹脂の質量平均分子量が前記の範囲内であれば、紙基材表面の毛羽立ちを抑える効果がより優れる。質量平均分子量が前記範囲の下限値以上であれば、熱接着層3が剥離する際の紙基材2の表面の毛羽立ちを抑える効果が得られやすい。質量平均分子量が前記範囲の上限値以下であれば、下塗り剤が塗布するのに充分に粘度が低く、下塗り剤の調製および塗布が容易である。また、下塗り剤中のポリアクリルアミド樹脂の濃度を高くでき、目的の塗布量が得られやすい。なお、ポリアクリルアミド樹脂の上記質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリエチレンオキシド換算値である。
下塗り剤は、通常、液体媒体を含む。液体媒体としては、ポリアクリルアミド樹脂を溶解するものが好ましく、たとえば水が挙げられる。
また、下塗り剤は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリアクリルアミド樹脂以外の他の成分を含んでもよい。他の成分としては、特に限定するものではないが、たとえばデンプン、変性デンプン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩等の水溶性高分子化合物、スチレン−ブタジエン共重合体エマルション、アクリル酸エステル共重合体エマルション、ウレタン樹脂、尿素樹脂、スチレン−アクリル樹脂エマルション、エチレン−アクリル樹脂エマルション等の水性高分子化合物、離型剤、消泡剤、分散剤、濡れ剤、有色染料、有色顔料、白色顔料等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
また、下塗り剤は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリアクリルアミド樹脂以外の他の成分を含んでもよい。他の成分としては、特に限定するものではないが、たとえばデンプン、変性デンプン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩等の水溶性高分子化合物、スチレン−ブタジエン共重合体エマルション、アクリル酸エステル共重合体エマルション、ウレタン樹脂、尿素樹脂、スチレン−アクリル樹脂エマルション、エチレン−アクリル樹脂エマルション等の水性高分子化合物、離型剤、消泡剤、分散剤、濡れ剤、有色染料、有色顔料、白色顔料等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
紙基材2への下塗り剤の塗布量は、下塗り剤中のポリアクリルアミド樹脂の含有量に応じて設定される。紙基材2のうちの熱接着層3が設けられる側の面における下塗り剤の塗布量は、ポリアクリルアミド樹脂の量に換算して、0.05〜20g/m2であることが好ましく、0.1〜15g/m2であることがより好ましく、0.2〜10g/m2であることがさらに好ましい。これにより、剥離する際の基材破壊を抑制しつつ、ヒートシール性を向上させることが可能となる。このようにして得られた紙基材2には、熱接着層3が設けられる面側において、下塗り剤が、ポリアクリルアミド樹脂の量に換算して上記数値範囲の量含まれることとなる。
下塗り剤の塗布方法としては、特に限定されず、各種公知の湿式塗布法を利用して行うことができる。たとえば抄紙機のオンマシンサイズプレス装置やトランスファーロールコーター(シムサイザー、ゲートロールコーター等)、スプレー装置等を用いて行うことができる。また、オフマシンでは、一般的な塗工装置、例えばブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、シムサイザー、ゲートロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター、ツーロールコーター、ビルブレードコーター、ショートドウェルコーター等を用いて塗布することができる。
操業性、生産性を考慮すれば、下塗り剤の塗布および乾燥は、オンマシン式で行われることが好ましい。従って、原紙を抄紙する抄紙機の形式については、長網抄紙機、短網抄紙機、円網抄紙機等、特に限定されるものではないが、オンマシンで塗工機が装備されているものを用いることが好ましい。
操業性、生産性を考慮すれば、下塗り剤の塗布および乾燥は、オンマシン式で行われることが好ましい。従って、原紙を抄紙する抄紙機の形式については、長網抄紙機、短網抄紙機、円網抄紙機等、特に限定されるものではないが、オンマシンで塗工機が装備されているものを用いることが好ましい。
(熱接着層)
熱接着層3は、たとえばエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エステル重合体、ポリエチレン、ポリブテン、およびポリエチレン−ポリブテン混合体から選択される一種または二種以上を含む熱接着性樹脂を含むことができる。これらの中でも、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、およびアクリル酸エステル重合体のうちの一種または二種以上を含むことが滅菌紙1のヒートシール性を向上させる観点からより好ましい。
熱接着層3は、たとえばエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エステル重合体、ポリエチレン、ポリブテン、およびポリエチレン−ポリブテン混合体から選択される一種または二種以上を含む熱接着性樹脂を含むことができる。これらの中でも、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、およびアクリル酸エステル重合体のうちの一種または二種以上を含むことが滅菌紙1のヒートシール性を向上させる観点からより好ましい。
熱接着層3は、たとえば粒状の熱接着性樹脂(以下、粒状熱接着性樹脂ともよぶ)を含むことができる。これにより、滅菌紙1の透気性を向上させつつ、剥離時において基材破壊が生じることをより効果的に抑制することが可能となる。本実施形態においては、たとえば熱接着層3中に複数の粒状熱接着性樹脂が含まれている。熱接着層3中に含まれる複数の粒状熱接着性樹脂は、たとえば互いに接触または接合していてもよく、クラスターとして存在していてもよい。また、粒状熱接着層の形状はとくに限定されないが、たとえば略球状または略楕円体状の粒状熱接着性樹脂が含まれていることが透気性の向上や基材破壊の抑制の観点からはとくに好ましい。
本実施形態では、滅菌紙1の製造条件を適切に調整することにより、粒状熱接着性樹脂を含む熱接着層3が紙基材2上に設けられた滅菌紙1が実現される。たとえば紙基材2に塗布される熱接着性樹脂の種類、粒子径、ガラス転移点や最低製膜温度等の物性、ならびに塗布された熱接着性樹脂の乾燥条件等の製造条件をそれぞれ調整することが、粒状熱接着性樹脂の残存に影響し得るものと考えられる。
本実施形態では、滅菌紙1の製造条件を適切に調整することにより、粒状熱接着性樹脂を含む熱接着層3が紙基材2上に設けられた滅菌紙1が実現される。たとえば紙基材2に塗布される熱接着性樹脂の種類、粒子径、ガラス転移点や最低製膜温度等の物性、ならびに塗布された熱接着性樹脂の乾燥条件等の製造条件をそれぞれ調整することが、粒状熱接着性樹脂の残存に影響し得るものと考えられる。
熱接着層3は、たとえば粒子径3μm以上の粒状熱接着性樹脂を含むことができ、粒子径5μm以上の粒状熱接着性樹脂を含むことがより好ましい。このように、比較的大きな粒子径を有する熱接着性樹脂を含むことにより、粒状熱接着性樹脂間に空隙が生じやすくなることから、透気性の向上に寄与することができる。また、滅菌紙1を剥離する際の基材破壊をより効果的に抑制できる。一方で、熱接着層3は、とくに限定されないが、たとえば粒子径30μm以下の粒状熱接着性樹脂を含むことが好ましく、粒子径15μmの粒状熱接着性樹脂を含むことがより好ましい。これにより、滅菌紙1の被着体に対するヒートシール性をさらに向上させることができる。
また、熱接着層3中に含まれる粒状熱接着性樹脂は、たとえば平均粒子径D50が3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。これにより、滅菌紙1における透気性の向上と、基材破壊の抑制と、のバランスをより効果的に向上させることができる。一方で、熱接着層3中に含まれる粒状熱接着性樹脂は、たとえば平均粒子径D50が15μm以下であることが好ましく、13μm以下であることがより好ましい。これにより、滅菌紙1の被着体に対するヒートシール性をさらに向上させることができる。なお、粒状熱接着性樹脂の平均粒子径D50は、たとえば電子顕微鏡で熱接着層3のうちの50μm×50μmの任意の領域を観察し、当該領域から100個の粒状熱接着性樹脂を選択してこれらの平均粒子径D50を算出することにより得ることができる。
なお、熱接着層中に含まれる粒状熱接着性樹脂の粒子径については、たとえば紙基材2に塗布する熱接着性樹脂の種類、粒子径、ガラス転移点やビカット軟化点、最低製膜温度等の物性、ならびに塗布された熱接着性樹脂の乾燥条件等の製造条件をそれぞれ調整することにより制御することが可能である。
熱接着層3中に含まれる熱接着性樹脂は、たとえばガラス転移点が70℃以上である。これにより、たとえばエマルション型熱接着性樹脂を塗布した後、加熱により乾燥する場合において、熱接着性樹脂が粒状の形状を保つことがより容易となる。このため、熱接着層3中に粒状熱接着性樹脂を含ませ、滅菌紙1における透気性の向上と、基材破壊の抑制と、のバランスの向上に寄与することが可能となる。また、熱接着性樹脂のガラス転移点は、75℃以上であることがより好ましい。一方で、熱接着性樹脂のガラス転移点は、滅菌紙1のヒートシール性を向上させる観点から、たとえば180℃以下とすることが好ましい。ガラス転移点は、たとえば示差走査熱量測定等を用いて測定することができる。
熱接着層3中に含まれる熱接着性樹脂は、たとえば最低成膜温度が70℃以上である。これにより、たとえばエマルション型熱接着性樹脂を塗布した後、加熱により乾燥する場合において、熱接着性樹脂が粒状の形状を保つことがより容易となる。このため、滅菌紙1における透気性の向上と、基材破壊の抑制と、のバランスの向上に寄与することが可能となる。また、熱接着性樹脂の最低成膜温度は、75℃以上であることがより好ましい。一方で、熱接着性樹脂の最低成膜温度は、滅菌紙1のヒートシール性を向上させる観点から、たとえば180℃以下とすることが好ましい。
熱接着層3は、たとえば熱接着性樹脂以外の他の成分を含むことができる。本実施形態においては、熱接着層3全体に対する熱接着性樹脂の含有量が、たとえば80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。これにより、滅菌紙1のヒートシール性をより効果的に向上させることができる。一方で、熱接着層3全体に対する熱接着性樹脂の含有量の上限値は、とくに限定されず、たとえば100質量%とすることができる。
熱接着層3は、たとえば熱接着性樹脂またはこれを含む樹脂組成物を紙基材2に塗布し、乾燥することによって形成される。本実施形態においては、熱接着性樹脂またはこれを含む樹脂組成物を水に分散させた水系ヒートシール剤を紙基材2に塗布してもよく、熱接着性樹脂またはこれを含む樹脂組成物を溶剤に分散させた溶剤系ヒートシール剤を紙基材2に塗布してもよい。水系ヒートシール剤としては、たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルション、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体エマルション、アクリル酸エステル重合体エマルション、ポリエチレンエマルション、ポリエチレン−ポリブテン混合体エマルション等が挙げられる。これらのなかでも、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルション、アクリル酸エステルエマルション、ポリエチレンエマルションが、安定した剥離力を発現し、且つISO2758に準じて測定した破裂強度を上昇させることなく紙基材表面のケバ立ちを抑える効果が高いため、好ましい。
上述のようにエマルション型熱接着性樹脂を塗布する場合において、エマルション型熱接着性樹脂の平均粒子径D50は、たとえば3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。このように、比較的大きな粒子径を有するエマルション型熱接着性樹脂を使用することにより、熱接着層3中に粒状の熱接着性樹脂を含ませることがより容易となる。このため、透気性の向上と、基材破壊の抑制と、のバランスの向上に寄与することができる。一方で、エマルション型熱接着性樹脂は、たとえば平均粒子径D50が15μm以下であることが好ましく、13μm以下であることがより好ましい。これにより、滅菌紙1の被着体に対するヒートシール性をさらに向上させることができる。
紙基材2に塗布される熱接着性樹脂のガラス転移点および最低成膜温度は、たとえば上述した熱接着層3中に含まれ得る熱接着性樹脂のガラス転移点および最低成膜温度と同様の範囲内とすることが、滅菌紙1におけるヒートシール性の向上と、透気性の向上と、基材破壊の抑制と、のバランスを向上させる観点から好ましい。
熱接着性樹脂または樹脂組成物の塗布は、とくに限定されず、各種公知の湿式塗布法を利用して行うことができる。たとえば抄紙機のオンマシンサイズプレス装置やトランスファーロールコーター(シムサイザー、ゲートロールコーター等)、スプレー装置等を用いて行うことができる。また、オフマシンでは、一般的な塗工装置、例えばブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、シムサイザー、ゲートロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター、ツーロールコーター、ビルブレードコーター、ショートドウェルコーター等を用いて塗布することができる。また、乾燥設備については、設備の汚染を確実に抑制する観点から塗布面と接触しないエアードラーヤーや赤外線ヒーター等の乾燥設備による乾燥が好ましいが、シリンダードライヤーによる塗布面直接接触方式を用いることもできる。
なお、操業性、生産性を考慮すれば、熱接着性樹脂または樹脂組成物の塗布および乾燥は、オンマシン式で行われることが好ましい。したがって、紙基材を抄紙する抄紙機の形式については、長網抄紙機、短網抄紙機、円網抄紙機等、とくに限定されるものではないが、オンマシンで塗工機が装備されているものを用いることが好ましい。
なお、操業性、生産性を考慮すれば、熱接着性樹脂または樹脂組成物の塗布および乾燥は、オンマシン式で行われることが好ましい。したがって、紙基材を抄紙する抄紙機の形式については、長網抄紙機、短網抄紙機、円網抄紙機等、とくに限定されるものではないが、オンマシンで塗工機が装備されているものを用いることが好ましい。
熱接着性樹脂または樹脂組成物の乾燥は、たとえば60〜130℃、30秒〜10分の条件により行うことが好ましい。これにより、乾燥後においても粒状の形状を保った熱接着性樹脂を熱接着層3中に含ませることがより容易となる。
熱接着性樹脂の塗工量は、特に限定されず、熱接着層3が接着される被着体の材質やヒートシール条件に応じて適宜選択される。本実施形態においては、上記塗工量が、たとえば0.1g/m2以上であることが好ましく、0.3g/m2以上であることがより好ましい。これにより、満足な熱接着力が得られやすい。一方で、上記塗工量は、たとえば30g/m2以下であることが好ましく、10g/m2以下であることがより好ましい。これにより、イージーピール時に紙基材2の破壊が発生しにくい。また、熱接着層3が曳糸性を発現しにくく、被収容物の汚染が生じにくい。本実施形態においては、とくに滅菌紙1のヒートシール性を向上させる観点や、滅菌紙1の剥離後に被着体側に熱接着層3を残存させる観点からは、上記塗工量を3g/m2以上とすることができ、5g/m2以上とすることがより好ましい。これまでは、3g/m2以上という高い塗工量とした場合、十分な透気性を有する滅菌紙を実現することは困難であった。本実施形態によれば、粒状熱接着性樹脂を熱接着層3中に含むことから、このような高い塗工量を採用した場合であっても良好な透気性を実現することが可能となる。なお、熱接着性樹脂の塗工量は、エマルション型熱接着性樹脂を塗布する場合にはその乾燥塗布量と略等しい。
本実施形態に係る滅菌紙1は、たとえばJIS P 8116により測定されるMD(Machine Direction)方向の引裂強度が700mN以上であることが好ましい。これにより、滅菌紙1を剥離する際に破れが生じることをさらに効果的に抑制することができる。滅菌紙1のMD方向の引裂強度は、たとえば800mN以上であることがより好ましく、900mN以上であることがとくに好ましい。一方で、滅菌紙1のMD方向の引裂強度の上限は、とくに限定されないが、たとえば1300mNとすることができる。
また、滅菌紙1は、たとえばJIS P 8116により測定されるCD(Cross Direction)方向の引裂強度が800mN以上であることが好ましい。これにより、滅菌紙1を剥離する際に破れが生じることをさらに効果的に抑制することができる。滅菌紙1のCD方向の引裂強度は、たとえば900mN以上であることがより好ましく、1000mN以上であることがとくに好ましい。一方で、滅菌紙1のCD方向の引裂強度の上限は、とくに限定されないが、たとえば1500mNとすることができる。
なお、滅菌紙1の引裂強度は、たとえば紙基材2を構成する成分の種類や配合割合、紙基材2の坪量やフリーネス等をそれぞれ適切に調整することにより制御できる。
また、滅菌紙1は、たとえばJIS P 8116により測定されるCD(Cross Direction)方向の引裂強度が800mN以上であることが好ましい。これにより、滅菌紙1を剥離する際に破れが生じることをさらに効果的に抑制することができる。滅菌紙1のCD方向の引裂強度は、たとえば900mN以上であることがより好ましく、1000mN以上であることがとくに好ましい。一方で、滅菌紙1のCD方向の引裂強度の上限は、とくに限定されないが、たとえば1500mNとすることができる。
なお、滅菌紙1の引裂強度は、たとえば紙基材2を構成する成分の種類や配合割合、紙基材2の坪量やフリーネス等をそれぞれ適切に調整することにより制御できる。
本実施形態において、滅菌紙1と被着体を熱圧着して得られる滅菌包装体は、被着体をJIS P 8113:2006に準じて剥離速度300m/分で180°剥離する際の剥離強度が、たとえば500〜1500gf/15mmである。これにより、イージーピール性とヒートシール性のバランスに非常に優れた滅菌包装体が得られる。また、図2に示すように滅菌紙1と成形容器10との接着面積が小さい場合であっても、十分な接着性を実現することが可能である。本実施形態においては、このように比較的高い剥離強度を有する滅菌包装体100においても、冷却後の剥離信頼性を向上させることが可能となる。なお、上記剥離強度は、たとえば熱接着性樹脂の塗工量や種類、乾燥条件、熱接着層3中に含まれる粒状熱接着性樹脂の粒子径等をそれぞれ適切に選択することによって制御することが可能である。また、上記被着体は、たとえば包装紙、フィルム、または滅菌用成形容器である。
以上、本実施形態に係る滅菌紙1について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。上記実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
[紙基材の製造]
DDRにて、JIS P 8121−2:2012に記載されるカナダ標準ろ水度(フリーネス)が300mLとなるように叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と、カナダ標準ろ水度が400mLとなるように叩解した針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)を混合してパルプスラリーを得た。パルプスラリー中において、繊維材料全体に対する含有量は、LBKPが50質量%であり、NBKPが50質量%であった。次いで、該パルプスラリーに内添薬品として、パルプ質量に対し、絶乾で硫酸バンド0.2%、あらかじめカチオン化澱粉(ピラー3YK、ピラースターチ社製)で分散させたアルケニルコハク酸サイズ剤(ファイブラン81K、荒川化学工業社製)0.05%、両性ポリアクリルアミド系樹脂紙力増強剤(PAM)(商品名:ポリストロンOFT‐3 荒川化学工業社製、質量平均分子量300万)0.5%、ポリアミドポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂湿潤紙力増強剤(商品名:WS4024)0.5%、を添加して抄紙原料を得た。次いで、該抄紙原料を長網抄紙機で抄紙して原紙を得た。これにより、坪量100g/m2、密度0.85g/cm3の紙基材を得た。
[紙基材の製造]
DDRにて、JIS P 8121−2:2012に記載されるカナダ標準ろ水度(フリーネス)が300mLとなるように叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と、カナダ標準ろ水度が400mLとなるように叩解した針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)を混合してパルプスラリーを得た。パルプスラリー中において、繊維材料全体に対する含有量は、LBKPが50質量%であり、NBKPが50質量%であった。次いで、該パルプスラリーに内添薬品として、パルプ質量に対し、絶乾で硫酸バンド0.2%、あらかじめカチオン化澱粉(ピラー3YK、ピラースターチ社製)で分散させたアルケニルコハク酸サイズ剤(ファイブラン81K、荒川化学工業社製)0.05%、両性ポリアクリルアミド系樹脂紙力増強剤(PAM)(商品名:ポリストロンOFT‐3 荒川化学工業社製、質量平均分子量300万)0.5%、ポリアミドポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂湿潤紙力増強剤(商品名:WS4024)0.5%、を添加して抄紙原料を得た。次いで、該抄紙原料を長網抄紙機で抄紙して原紙を得た。これにより、坪量100g/m2、密度0.85g/cm3の紙基材を得た。
[滅菌紙の製造]
ヒートシール剤であるエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルション(ケミパールV200、三井化学社製、ガラス転移温度85℃、平均粒子径7μm、最低成膜温度80℃)100質量部を、水によって20%に希釈して塗布液を得た。次いで、上記塗布液を上記で得られた紙基材の一面にバーコーターを用いて塗布し、送風乾燥機にて105℃、1分の条件で乾燥して熱接着層を形成した。ここでは、乾燥後のヒートシール剤の塗布量が3〜5g/m2となるように塗布した。これにより、滅菌紙を得た。
ヒートシール剤であるエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルション(ケミパールV200、三井化学社製、ガラス転移温度85℃、平均粒子径7μm、最低成膜温度80℃)100質量部を、水によって20%に希釈して塗布液を得た。次いで、上記塗布液を上記で得られた紙基材の一面にバーコーターを用いて塗布し、送風乾燥機にて105℃、1分の条件で乾燥して熱接着層を形成した。ここでは、乾燥後のヒートシール剤の塗布量が3〜5g/m2となるように塗布した。これにより、滅菌紙を得た。
<実施例2>
実施例1の紙基材の製造において、繊維材料全体に対して、LBKPの含有量が95質量%となり、NBKPの含有量が5質量%となるようにパルプスラリーを得た。上記点以外は、実施例1と同様にして紙基材、滅菌紙を製造した。
実施例1の紙基材の製造において、繊維材料全体に対して、LBKPの含有量が95質量%となり、NBKPの含有量が5質量%となるようにパルプスラリーを得た。上記点以外は、実施例1と同様にして紙基材、滅菌紙を製造した。
<実施例3>
実施例1の紙基材の製造において、紙基材の坪量を120g/m2とした以外は実施例1と同様にして紙基材、滅菌紙を製造した。
実施例1の紙基材の製造において、紙基材の坪量を120g/m2とした以外は実施例1と同様にして紙基材、滅菌紙を製造した。
<実施例4>
実施例1の紙基材の製造において、パルプ質量に対するポリアミドポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂湿潤紙力増強剤の添加量を0.1%とした以外は、実施例1と同様にして紙基材、滅菌紙を製造した。
実施例1の紙基材の製造において、パルプ質量に対するポリアミドポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂湿潤紙力増強剤の添加量を0.1%とした以外は、実施例1と同様にして紙基材、滅菌紙を製造した。
<実施例5>
実施例2の紙基材の製造において、抄紙機に付設されたゲートロールコーターにて、下記の下塗り剤(A)を、乾燥後の塗布量が片面0.5g/m2となるように紙基材の片面に塗布した以外は実施例2と同様にして紙基材、滅菌紙を製造した。
下塗り剤(A):アニオン性ポリアクリルアミド樹脂(質量平均分子量20万)の水溶液(荒川化学工業社製のポリマセット(登録商標)512を水で希釈してアニオン性ポリアクリルアミド樹脂濃度9質量%に調整したもの)。
実施例2の紙基材の製造において、抄紙機に付設されたゲートロールコーターにて、下記の下塗り剤(A)を、乾燥後の塗布量が片面0.5g/m2となるように紙基材の片面に塗布した以外は実施例2と同様にして紙基材、滅菌紙を製造した。
下塗り剤(A):アニオン性ポリアクリルアミド樹脂(質量平均分子量20万)の水溶液(荒川化学工業社製のポリマセット(登録商標)512を水で希釈してアニオン性ポリアクリルアミド樹脂濃度9質量%に調整したもの)。
<比較例1>
実施例1の紙基材の製造において、繊維材料全体に対して、LBKPの含有量が100質量%となり、NBKPの含有量が0質量%となるようにパルプスラリーを得た。上記点以外は、実施例1と同様にして紙基材、滅菌紙を製造した。
実施例1の紙基材の製造において、繊維材料全体に対して、LBKPの含有量が100質量%となり、NBKPの含有量が0質量%となるようにパルプスラリーを得た。上記点以外は、実施例1と同様にして紙基材、滅菌紙を製造した。
<比較例2>
実施例1の紙基材の製造において、紙基材の坪量を90g/m2とした以外は実施例1と同様にして紙基材、滅菌紙を製造した。
実施例1の紙基材の製造において、紙基材の坪量を90g/m2とした以外は実施例1と同様にして紙基材、滅菌紙を製造した。
<評価>
実施例1〜5、比較例1、2それぞれで得た滅菌紙について以下の評価を行い、結果を表1に示した。なお、表1においては、LBKP、NBKPについては繊維材料全体に対する含有量(%)を、湿潤紙力剤についてはパルプ質量に対する添加量(%)を、それぞれ示している。
実施例1〜5、比較例1、2それぞれで得た滅菌紙について以下の評価を行い、結果を表1に示した。なお、表1においては、LBKP、NBKPについては繊維材料全体に対する含有量(%)を、湿潤紙力剤についてはパルプ質量に対する添加量(%)を、それぞれ示している。
[引裂強度の測定]
実施例1〜5、比較例1、2について、得られた滅菌紙のMD方向およびCD方向それぞれにおける引裂強度を、JIS P 8116に準じて測定した。結果を表1に示す。
実施例1〜5、比較例1、2について、得られた滅菌紙のMD方向およびCD方向それぞれにおける引裂強度を、JIS P 8116に準じて測定した。結果を表1に示す。
[剥離強度]
実施例1〜5、比較例1、2について、剥離強度を次のように測定した。まず、得られた滅菌紙と、ポリプロピレンからなるフィルムとを、滅菌紙の熱接着層側の面がフィルムと接するように重ねて、熱プレス試験機を用いて190℃、4.0kgf/cm2、0.9秒間の熱圧着条件で熱圧着物を作成した。次いで、当該熱圧着物を幅15mmに断裁して測定用サンプルを得た。次いで、得られた測定用サンプルの剥離強度(gf/15mm)を、JIS P 8113:2006に準じ、引張試験機(型式:テンシロンRTC−1250A、オリエンテック社製)を用いて、サンプルのポリプロピレン製フィルム、滅菌紙それぞれの端部をチャッキングして180度ピール法で剥離速度300mm/分で剥離することにより測定した。結果を表1に示す。なお、滅菌紙に破れが生じたものについては、表1中において材破と記した。
実施例1〜5、比較例1、2について、剥離強度を次のように測定した。まず、得られた滅菌紙と、ポリプロピレンからなるフィルムとを、滅菌紙の熱接着層側の面がフィルムと接するように重ねて、熱プレス試験機を用いて190℃、4.0kgf/cm2、0.9秒間の熱圧着条件で熱圧着物を作成した。次いで、当該熱圧着物を幅15mmに断裁して測定用サンプルを得た。次いで、得られた測定用サンプルの剥離強度(gf/15mm)を、JIS P 8113:2006に準じ、引張試験機(型式:テンシロンRTC−1250A、オリエンテック社製)を用いて、サンプルのポリプロピレン製フィルム、滅菌紙それぞれの端部をチャッキングして180度ピール法で剥離速度300mm/分で剥離することにより測定した。結果を表1に示す。なお、滅菌紙に破れが生じたものについては、表1中において材破と記した。
[冷却後の剥離信頼性]
実施例1〜5、比較例1、2について、冷却後の剥離信頼性試験を次のように行った。
まず、ポリプロピレンからなるブリスターパック用成形容器を準備した。当該成形容器は、医療器具を収容するための凹部と、凹部の縁に設けられた4mm幅の接着面と、を有していた。次いで、得られた滅菌紙と、成形容器とを、滅菌紙の熱接着層側の面が成形容器の接着面と接するように配置し、熱プレス試験機を用いて190℃、4.0kgf/cm2、0.9秒間の熱圧着条件で熱圧着して、ブリスターパック(滅菌包装体)を作製した。
実施例1〜5、比較例1、2について、冷却後の剥離信頼性試験を次のように行った。
まず、ポリプロピレンからなるブリスターパック用成形容器を準備した。当該成形容器は、医療器具を収容するための凹部と、凹部の縁に設けられた4mm幅の接着面と、を有していた。次いで、得られた滅菌紙と、成形容器とを、滅菌紙の熱接着層側の面が成形容器の接着面と接するように配置し、熱プレス試験機を用いて190℃、4.0kgf/cm2、0.9秒間の熱圧着条件で熱圧着して、ブリスターパック(滅菌包装体)を作製した。
次いで、ブリスターパックを5℃の冷却環境下に一日放置した。次いで、冷却環境下からブリスターパックを取り出した直後に、滅菌紙を指で挟み勢いよく180°ピール剥離した。剥離後の滅菌紙を目視で観察し、以下の基準で評価を行った。結果を表1に示す。
◎:滅菌紙に破れがなく、かつ成形容器に紙残りがなかった
○:滅菌紙に上下面を貫通する破れはないが、成形容器に僅かな繊維状のケバが生じた
×:滅菌紙に上下面を貫通する破れが生じた
◎:滅菌紙に破れがなく、かつ成形容器に紙残りがなかった
○:滅菌紙に上下面を貫通する破れはないが、成形容器に僅かな繊維状のケバが生じた
×:滅菌紙に上下面を貫通する破れが生じた
上記結果に示すとおり、実施例1〜5の滅菌紙は、比較例1、2と比較して、冷却後の破れ試験において優れた結果が得られた。このように、本発明によれば、冷却後にイージーピールした際の信頼性に優れた滅菌紙が得られることが分かる。
1 滅菌紙
2 紙基材
3 熱接着層
10 成形容器
12 収容部
14 接着面
100 滅菌包装体
2 紙基材
3 熱接着層
10 成形容器
12 収容部
14 接着面
100 滅菌包装体
Claims (7)
- 広葉樹パルプと、針葉樹パルプとを含む繊維材料により構成される紙基材と、
前記紙基材に積層されたヒートシール層と、
を備え、
前記繊維材料全体に対する前記針葉樹パルプの含有量が5〜50質量%であり、
前記紙基材の坪量が100g/m2以上である滅菌紙。 - JIS P 8116により測定される引裂強度が700mN以上である請求項1に記載の滅菌紙。
- 前記紙基材は、湿潤紙力増強剤を含んでおり、
前記紙基材全体に対する前記湿潤紙力増強剤の含有量が0.1質量%以上である請求項1または2に記載の滅菌紙。 - 前記紙基材は、少なくとも前記ヒートシール層側の面において、ポリアクリルアミド樹脂を含む下塗り剤を有しており、前記ヒートシール層側の面における前記下塗り剤の量が、0.05〜15g/m2である請求項1〜3いずれか一項に記載の滅菌紙。
- 前記ヒートシール層は、平均粒子径D50が3〜15μmである粒状熱接着性樹脂を含む請求項1〜4いずれか一項に記載の滅菌紙。
- 請求項1〜5いずれか一項に記載の滅菌紙と、ポリプロピレンにより形成される滅菌用成形容器と、を熱圧着して得られた滅菌包装体。
- 前記滅菌包装体から、前記滅菌用成形容器をJIS P 8113:2006に準じて剥離速度300m/分で180°剥離する際の剥離強度が500gf/15mm以上である請求項6に記載の滅菌包装体。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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