JP2002059970A - チップ状電子部品用キャリアテープ台紙 - Google Patents
チップ状電子部品用キャリアテープ台紙Info
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Abstract
し、チップ収納用として酸性物質による金属腐食等のチ
ップへの悪影響を可能なかぎり排除し、一度使用後にお
いては焼却処分してもダイオキシン等有毒物質の発生の
懸念が極めて少ないチップ状電子部品のキャリアテープ
台紙を提供することにある。 【解決手段】 本発明に係るチップ状電子部品用キャリ
アテープ台紙は、チップ状電子部品の運搬に用いるチッ
プ状電子部品収納台紙において、前記台紙は多層板紙で
あり、該多層板紙の各層の繊維原料は実質的に古紙パル
プ又は機械パルプを含有せず、主として無塩素漂白化学
パルプであり、該多層板紙のJIS P8133で規定
される冷水抽出pHは6以上であることを特徴とする。
Description
回路板に用いるチップ状電子部品のキャリア用に用いる
チップ状電子部品収納台紙(以下キャリアテープ台紙と
いう)に関する。
に、回路基板に対してチップ状電子部品の自動装着がな
されるようになってきた。このチップ状電子部品の自動
装着の工程での電子部品の取り扱いを容易に行い得るよ
うに、個々のチップ状電子部品をテープ状の搬送体で包
装したテーピング包装体が利用されており、テーピング
包装体の形態で順次送り出されてくるチップ状電子部品
を、自動的に所定の回路基板に装着させる自動装着が行
われている。
は、プラスチック製のものと紙製のものとがあるが、製
造コスト、テープの重量による取り扱い容易性、使用後
の廃棄処理容易性、及び帯電防止性等の点において、紙
製のキャリアテープ台紙の方が優れている。
な加工処理及び使用をして、キャリアとしての役割を持
つ。(1)幅8mmにスリットする。(2)チップ状電子部品
収納用の角穴(キャビティー)、及びキャリアテープ台
紙の充填機内送り用の丸穴を開ける。(3)紙の裏面(ボ
トム側)にカバーテープを接着する。(4)チップ状電子
部品を収納する。(5)紙の表面(トップ側)にカバーテ
ープを接着する。(6)カセットリールに巻き付けて出荷
する。(7)ユーザーにてトップ側カバーテープを剥が
し、チップ状電子部品を取り出す。
状の原紙にチップ状電子部品収納用の角穴(キャビティ
ー)を形成し、角穴にチップ状電子部品を装填させるも
のであり、台紙の厚さ以上の嵩高の電子部品を装填する
ことはできない。
質としては、以下のような特性があげられる。(1)カバ
ーテープが良好に接着されたり、剥がれたりするように
紙の表面に平滑性があること、(2)高速の自動機械で曲
げ、しごきなどの力を受けても層間剥離、折れじわをお
こさないこと、(3)紙に対する各種応力に耐え得る強度
を有すること、(4)チップ状電子部品のキャリアテープ
に用いられる為、充填したチップ状電子部品に、静電気
トラブル、金属腐食等の悪影響を及ぼさないこと、(5)
紙テープでは打ち抜き加工の時に、穴内部に繊維のケバ
が残ると、部品が取り出しづらいというトラブルが起こ
ることもあるのでパンチング適性を有すること、(6)チ
ップ状電子部品の自動装着工程で送りのピッチがずれる
と、マシントラブルを起こすことなどから原材料の寸法
安定性に優れていること、等の特性が要求される。
10−59471号公報には過酷な使用条件下で処理を
行ってもキャリアとして十分な強度を保持している多層
抄き板紙キャリアテープ台紙について、特開平3−24
9300号公報には高速の自動機械で曲げ、しごきなど
の力を受けても層間剥離、折れじわをおこさない多層抄
き板紙について記載されている。いずれもこの種の紙に
おいて剥離強度が非常に重要であることが示されてい
る。この課題を達成するために、前者では紙の重さ変動
係数を特定値以上に高めること、すなわち地合をくずす
ことが提案されている。また後者ではZ軸強度、水分、
縦方向テーバーこわさをある範囲に規定することが提案
されている。前者においては地合の悪化を積極的に指向
することにより、ある程度の剥離強度の向上が期待でき
るものの、使用に耐えうる強度を達成するには依然とし
て紙力向上剤の使用や、紙力剤を層間にスプレーするこ
とが必要である。さらに、重さ変動係数の増加により、
厚さ変動の増加が付随して起こり、その結果、カバーテ
ープを接着させる際に厚みが薄い部分にて密着力が不足
して部分的に接着テープがはがれるという問題が発生し
やすい。後者においてもまた、強度を高めるためには、
通常の板紙に比べて多くの紙力向上剤を使用したり、紙
力剤を層間にスプレーする方法等が併せて行われてい
る。
カバーテープと接触する表層については、平滑性、強度
の観点から、晒クラフトパルプを使用することが好まし
いとの記載はあるものの、表層以外については古紙パル
プや機械パルプを使用しても良いとの記載があるように
(特開平3−249300号公報)、従来あまり注目は
されていなかった。
要特性としては上記(4)に示したように充填したチップ
状電子部品に悪影響を及ぼさないことが重要である。静
電気トラブルを防止するために、導電性を付与したキャ
リアテープ台紙が特開平9−188385号公報、特開
平10−86993号公報に開示されているものの、キ
ャリアテープ台紙そのものに起因するチップへの悪影
響、すなわち汚染や腐蝕についてはあまり注目はされて
いなかった。特開平9−188385号公報にはチップ
状電子部品の錆防止のために気化性の防錆剤を紙層また
は接着剤層に含有させることの提案がなされているが、
原因物質そのものを減らすことは考慮されておらず、気
化性物質がチップへいかなる悪影響も与えないかどうか
については検証されていない。
加にともない、使用されるキャリアテープ台紙の使用量
も増え、加工工程で発生する紙単独からなる廃棄物やテ
ープが一体化された使用済みキャリアテープ廃棄物の処
理が問題となっている。前者の廃棄物については製紙会
社へ戻すことで再利用が可能であるが、後者の廃棄物に
ついては焼却して処分されているのが現状である。しか
しながら、廃棄物の低温焼却時に発生する恐れのある有
害物質については考慮されていないのが現状であった。
な剥離強度を有し、チップ収納用として酸性物質による
金属腐食等のチップへの悪影響を可能なかぎり排除し、
一度使用後においては焼却処分してもダイオキシン等有
毒物質の発生の懸念が極めて少ないチップ状電子部品の
キャリアテープ台紙を提供することにある。
チップ収納用として塩素成分による悪影響をより除いた
チップ状電子部品のキャリアテープ台紙を提供すること
にある。
を用いて製造したパルプに比べ同一叩解度でより強度の
高い、チップ状電子部品のキャリアテープ台紙を提供す
ることにある。
のアウトガスの少ないチップ状電子部品のキャリアテー
プ台紙を提供することによって、被包装物の汚染の危険
性を低減することにある。
術において、あまり着目されていなかったキャリアテー
プ台紙用原料構成に注目し、鋭意検討した結果上記課題
がことごとく解決できることを見出した。すなわち本発
明は、以下により構成される。
テープ台紙は、チップ状電子部品の運搬に用いるチップ
状電子部品収納台紙において、前記台紙は多層板紙であ
り、該多層板紙の各層の繊維原料は実質的に古紙パルプ
又は機械パルプを含有せず、主として無塩素漂白化学パ
ルプであり、該多層板紙のJIS P8133で規定さ
れる冷水抽出pHは6以上であることを特徴とする。
ャリアテープ台紙では、前記多層板紙は、水溶性塩化物
含有量が50ppm以下であることが好ましい。
テープ台紙では、前記繊維原料である無塩素漂白化学パ
ルプは、ECF(Elementary Chlorine Free)漂白パル
プであることが好ましい。
ャリアテープ台紙では、前記多層板紙は、発生するアウ
トガス量が該多層板紙0.1gを不活性ガス気流中で4
0℃30分間加熱する条件にて、200ng/g以下で
あることが好ましい。
について詳細に説明する。本発明では原料パルプとして
は無塩素漂白化学パルプを用いる。ここでいう無塩素漂
白化学パルプとは漂白工程において分子状塩素を使用ぜ
ずに製造した化学パルプを意味する。通常、ECF、TCFと
呼ばれるパルプを包含している。前者はElementary Ch
lorine Freeの略であり、分子状塩素(Cl2)を使用せ
ずに、二酸化塩素(ClO2)を主体として漂白する方法
の総称であり、後者はTotal ChlorineFree の略であ
り塩素系化合物を全く使用せず漂白する方法の総称であ
る。いずれも、漂白工程にてダイオキシン等の有機塩素
化合物の生成が著しく抑えられる。また漂白パルプ自体
も塩素化合物の含有量が少なく、低温焼却されたとして
もダイオキシン等の有機塩素化合物生成の危険性は極め
て低くなることから環境に配慮したパルプとして近年注
目されている。これらのパルプ中の塩素含有量は、従来
の塩素を使用して漂白されたパルプ中の全塩素含有量が
400〜1000ppm程度存在するのに対して、200p
pm以下程度まで抑えることができる。
示す。下記において、Cは塩素漂白、Hは次亜塩素酸ソ
ーダ、Dは二酸化塩素漂白、Eはアルカリ抽出、Oは酸
素、Pは過酸化水素、Zはオゾンを示し、(−)は中間
洗浄段、nはアルカリ添加を示す。 [従来の漂白工程]C−E−H−D、C−(EO)−H
−D、C−E−D−E−D、C−E−H−E−D [ECF漂白工程]D−E−D、D−(EO)−D、D−
(EOP)−D、D−(EOP)−DnD、D−E−D
―E−D、D−(EOP)−D−E−D、 [TCF漂白工程]Z−E−P、Z−(EO)−P、(E
OP)−(PO)
ると、TCFの方が含有塩素化合物量を低く抑えることが
可能であるが反面強度低下が大きく、本発明では剥離強
度の観点からECF漂白パルプの使用が望ましい。ECF漂白
の場合、通常の塩素を使用する漂白方法に比べ、繊維へ
の化学的ダメージが少ない。従って、抄紙用原料として
叩解して使用した場合、従来の漂白パルプを用いて製造
したパルプに比べ同一叩解度でより強度の高い紙を得る
ことが可能になる。この点は本発明で無塩素漂白パルプ
を選択する大きな理由の一つである。
とで、内添で使用するカチオン澱粉やポリアクリルアマ
イド等紙力向上剤及びそれらを定着させるために使用す
る硫酸バンド等の低分子量カチオン化剤の使用量を減少
させることが可能になる。硫酸バンドの使用量に比例し
て、生成する硫酸イオンの紙中残存量が増加することか
ら、使用量は極力下げる必要がある。キャリアテープ台
紙中に存在する硫酸イオンは塩素イオンとともにチップ
状電子部品の腐蝕を起こす原因物質であることからこの
ことは重要な意味がある。硫酸イオンの量は紙の冷水抽
出pHと密接な関係があり、腐蝕の観点からJIS P8133
で規定される冷水抽出pHが6未満にならない範囲で、
抄紙工程での硫酸バンドの使用量を制限する必要があ
る。
全量であることが好ましい。ECF漂白パルプを全量原料
パルプとして使用し、他の塩素含有薬品を使用しない場
合にはキャリアテープ台紙中の全塩素含有量は100〜
200ppm程度になる。無塩素漂白パルプ以外のパルプ
は極力使用しないことが好ましい。特に、古紙を再生し
て得られる古紙パルプや木材を機械的に処理して得られ
る機械パルプは漂白工程で塩素を使用するかしないかを
問わず、また多層抄き板紙の中層に使用するか表層に使
用するかを問わず本発明では実質的には使用しない。こ
れらパルプの第一の問題点は繊維自体が漂白化学パルプ
に比べて繊維間結合力が劣ることから紙層強度が弱く、
それを補うために紙力向上剤の使用量が増えることにあ
る。またこれらパルプの第二の問題点はアニオン性不純
物の含有量が多く、紙力剤を繊維上に留めるためには硫
酸バンドの使用量が増えることになる点にある。これら
薬品類の使用量増加は前記したようにチップ状電子部品
の腐蝕に悪影響を及ぼす紙中のイオン類を増加させるこ
とになる。古紙パルプの別な問題点は古紙自体の履歴が
不明確であり、腐蝕性に関係する塩素イオンや硫酸イオ
ンの紙中含有量が変動すること、また強度が変動すれば
それにより抄紙時の薬品使用量が変動しやすい点にあ
る。このことは、重要な特性のひとつである剥離強度を
基準内に収めることができたとしても紙の抽出pHを変
動させる原因になり、包装された電子部品の保管条件等
で悪条件が重なった場合には電子部品を腐蝕させる危険
性がある。さらに、古紙パルプや機械パルプは漂白化学
パルプに比べ、印刷インキ成分や木材中に元々存在する
抽出成分に由来する揮発性有機化合物の含有量が多い。
これら揮発性有機化合物の電子部品への影響については
明確になってはいないが、包装材としてガス状物質(ア
ウトガス)の発生が少ないということはそれだけ被包装
物の汚染の危険性が減ることであり、好ましい特性と考
えられる。例えば、多層板紙から発生するアウトガス量
は、多層板紙0.1gを不活性ガス気流中で40℃30
分間加熱する条件にて、200ng/g以下であること
が好ましい。
水溶性塩化物含有量はできるだけ減らす必要があり、5
0ppm以下に制御することが望ましい。50ppmという数
値は無塩素パルプを使用し、なおかつその他使用薬品か
らの塩素を極力避けた結果達成できるレベルである。本
発明における水溶性塩化物量とは、JIS P8144で規定さ
れる抽出条件で紙より抽出し、イオンクロマトグラフで
測定した紙1gあたりに換算した値である。無塩素漂白
パルプの使用は水溶性塩化物の減少という点で不可欠で
あるが、キャリアテープ台紙中の水溶性塩化物含有量を
50ppm以下に制御するためには、パルプ以外に起因す
る塩素化合物含有薬品の使用を避けるか、極力減らすと
いった方法を併用する必要がある。
分解して水溶性塩化物になることも考えられ、また低温
焼却時の有害有機塩素化合物の発生とも関連して200
ppm以下に制御することが好ましいが、この数値を達成
するには無塩素漂白パルプの使用が前提となる。
澱粉、カチオン性ポリアクリルアマイド等は紙力向上的
には優れた薬品であるが、対イオンとして塩素イオンを
著量含有しているものが多く、これらの薬品を使用する
と添加量によっては無塩素パルプを使用したとしても、
水溶性塩化物含有量を規定値以下に制御できなくなる場
合がある。
ンを含まない点で有利であるが、繊維に定着させるため
には硫酸バンド等のカチオン性の薬品が必要であり、そ
の結果,紙の抽出pHを下げることになり不適である。
紙力向上剤としては、塩素化合物を含まず、あるいは含
有していても少量であり、繊維への定着が良好で紙力向
上効果の優れた両性澱粉、両性ポリアクリルアマイドの
使用が好ましい。
葉樹材、針葉樹材を原料とする漂白クラフト(硫酸塩)
パルプを単独または混合して使用するが、強度が許容さ
れる範囲内で亜硫酸塩パルプ等を併用することもでき
る。
米坪で変化するが,カナダ標準濾水度(CSF)で35
0〜600mlの範囲が適している。叩解した原料には
吸水性を制御するためのサイズ剤、紙力向上剤が添加さ
れるが、必要最小量の添加とする。硫酸バンドは無添加
が好ましいが冷水抽出pHが6未満とならない範囲内で
少量添加しても良い。
多層可能な抄紙機を用いて抄紙される。抄紙機のワイヤ
パートとしては円網、長網、短網あるいはそれらを組み
合わせた多層抄紙機が使用できるが、層の数は通常4〜
6層の範囲内が好ましい。3層以下では層間強度的には
良好であるが、地合不良となり易くカバーテープの均一
な接着を阻害する恐れがある。一方7層以上では均一な
地合形成という観点からは有利であるが、層の数が多い
と層間での剥離が起こりやすく、それを避けるために紙
力剤の層間スプレーが必要になる。層間スプレーを多用
すると紙が硬くなり、また面内及び厚さ方向の強度不均
一性の原因となりやすく、リールでの巻取り時及び高速
の自動機械で曲げ、しごきなどの力を受けた際に部分的
な折れじわが発生し易くなる。本発明では使用する原料
パルプを特定し、繊維がもつ水素結合による繊維間結合
力を最大限に発揮させること及び後記するサイズプレス
を使用することで、曲げに対して悪影響のある層間スプ
レーを省くことができる。
れた多層抄き紙は通常のドライパートで乾燥されるが、
ドライパートの中間に設置されるサイズプレス装置で澱
粉を主体とする表面サイズ処理が行なわれる。表面サイ
ズ処理を行うことで、カバーテープをはがす時に起こり
やすい毛羽の発生を抑えることができる。
ロールサイズプレスやメタリングサイズプレスも使用で
きるが、表面強度、紙層強度向上効果とカバーテープの
接着性の観点からは2ロールサイズプレスの使用が好ま
しい。
粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酵素変性澱粉な
どが使用できる。その他の薬品としてポリビニルアルコ
ール、ポリアクリルアマイド、樹脂ポリマーなどを添加
しても良いが、塩素化合物を含有しない薬品を使用する
ことが好ましい。通常澱粉単独かポリビニールアルコー
ルを併用したサイズ液が好ましい。
形分重量、0.5〜4g/m2、好ましくは1〜3g/
m2である。キャリアテープ台紙の厚さは0.28〜
1.43mmであり、充填されるチップの形状によって
適宜厚みが選択される。米坪は特に限定されるものでは
ないが通常230〜1200g/m2の範囲にある。キ
ャリアテープ台紙の表層はテープと接着されるため、表
面強度と適度な平滑性が必要である。表面強度はwax
強度(TAPPI T459)として2A以上、平滑性はベック平
滑度で5秒以上が好ましい。
(キャリアテープ台紙)の具体的な構成を、実施例に基
づいて説明する。本発明はこれら実施例によって制限を
受けるものではない。なお特に断らない限り例中の配合
%、添加%及び重量%は固形分換算での重量%を示す。
また全ての例について抄造した紙は、JIS−P811
1に準じて前処理を行った後、紙質試験を行った。実施
例及び比較例の分析は下記の方法で行った。
法に準じて行った。 <紙中全塩素量>試料を燃焼試験装置により燃焼させ、
発生するガスを活性炭に吸着後、塩素分析装置にて全塩
素量を測定した。塩素分析装置は三菱化学製、TOX−1
0を用いた。 <紙中水溶性塩化物量>JIS P8144に準拠して得られた
抽出液をイオンクロマト法で行った。装置はDIONEX製DX
320を用いた。 <Z軸強度>JAPAN TAPPI No.18に準じて行った。 <加速負荷試験>エレクトロニクス実装技術(‘90
Vol.6、No.7 p51−56)に記載された装置、方
法に準じて行った。試料の幅は8mmとし、試験装置に
セットしスタート後CCDカメラで断面を観察し、剥離が
発生した時点で装置を止め、そのときの回数を記録し
た。 <アウトガス発生量>試料0.1gを不活性ガス気流中
で、40℃30分間加熱し、試料から発生したアウトガ
スを吸着剤で捕集濃縮した後、GC−MSで測定した。こ
の値を本発明におけるアウトガス発生量とし、トルエン
検量線によって相対評価した。
トパルプを下記漂白シーケンス(ECF)で漂白し、白色
度86%のLBKP、無塩素漂白化学パルプを製造した。 D−E(OP)−DnD ここで、Dは二酸化塩素漂白、Eはアルカリ抽出、Oは
酸素、Pは過酸化水素、(−)は中間洗浄段、nはアル
カリ添加を示す。市販のECF漂白により製造されたNBKP
(全塩素含有量120ppm)を前記パルプに20%配合し
て、リファイナーによりカナディアンスタンダードフリ
ーネス500mlまで叩解して原料とした。ついで紙力
向上剤として両性澱粉を対原料0.5%、合成サイズ剤
を対原料0.1%添加し、目標紙厚0.75mmの板紙
を5層抄きのマシンで各層の米坪が均等になるよう該紙
料を分配して抄紙した。2本ロールサイズプレスにて濃
度5%の酸化澱粉を両面で2g/m2となるように塗布
し、乾燥後、本発明のキャリアテープ台紙を得た。これ
を実施例1とした。
を0.95mmとした以外は、実施例1と同様にして本
発明のキャリアテープ台紙を得て、実施例2とした。
ドを対原料0.05%添加した以外は、実施例2と同様
にして本発明のキャリアテープ台紙を得て、実施例3と
した。
の代わりに両性ポリアクリルアマイド(両性PAM)を
対原料0.2%添加した以外は、実施例2と同様にして
本発明のキャリアテープ台紙を得たて、実施例4とし
た。
白パルプのかわりに下記漂白シーケンスで漂白した塩素
漂白パルプを製造し、使用した以外は、実施例2と同様
にしてキャリアテープ台紙を得て、比較例1とした。 C−E(O)−H−D ここでCは塩素漂白、Dは二酸化塩素漂白、Eはアルカ
リ抽出、Oは酸素、Hは次亜塩素酸ソーダ、(−)は中
間洗浄段を示す。
ドを対原料0.3%添加した以外は、比較例1と同様に
してキャリアテープ用原紙台紙を得て比較例2とした。
性ポリアクリルアマイド(カチオン性PAM)を対原料
0.3%添加した以外は、比較例2と同様にしてキャリ
アテープ台紙を得て、比較例3とした。
び第5層は実施例1の原料を用い、第2、3、4層は実
施例1で製造した無塩素漂白パルプLBKP50%と市販の
TMP(サーモメカニカルパルプ)50%を混合し、カナ
ディアンフリーネス400mlまで叩解した原料を用い
た以外は実施例2と同様にして本発明のキャリアテープ
台紙を得て、比較例4とした。
ド0.3%、カチオン性ポリアクリルアマイド0.3%
添加した以外は比較例4と同様にしてキャリアテープ台
紙を得て比較例5とした。
び第5層は実施例1の原料を用い、第2、3、4層は実
施例1で製造した無塩素漂白パルプLBKP50%と新聞古
紙再生パルプ50%を混合し、カナディアンフリーネス
300mlまで叩解した原料を用いた以外は実施例2と
同様にして本発明のキャリアテープ台紙を得て比較例6
とした。
ド0.4%、カチオン性ポリアクリルアマイド0.4%
添加した以外は比較例6と同様にしてキャリアテープ台
紙を得て比較例7とした。
ープ台紙は、従来の塩素漂白パルプを使用した比較例1
〜3の紙に比べZ軸強度、加速負荷試験における耐剥離
性が優れ、水溶性塩化物、全塩素量ともに少ない。漂白
化学パルプ以外のパルプを中層に配合した比較例4〜7
と比較すると、強度面、水溶性塩化物、全塩素量、アウ
トガス量すべての面で優れている。不足する強度を薬品
で補うべく添加量を増やしても(比較例5,7)、本発
明の強度には到達しないばかりか、冷水pHが低下し、
塩素含有量の増加をきたす。
アテープ用紙では、水溶性塩化物が少ない無塩素漂白化
学パルプを用い、同時に塩素含有化合物を未使用または
極力減らしたことによる効果と、抽出pHをより中性近
辺に近付け実質的に古紙パルプや機械パルプなどを含ま
ない効果と相乗作用させることで、従来の塩素漂白化学
パルプをパルプ原料として使用したものあるいは板紙の
中層に古紙パルプや機械パルプを配合したものと比較し
て、被包装物である電子部品の金属腐食等のチップへの
悪影響をより低減することができる。しかも充分な剥離
強度を付与することができる。廃棄物の焼却処理にあた
っては、ダイオキシン等有機塩素化合物発生の危険性が
少なくなり、環境にも配慮した製品を提供できる。
テープ用紙では、腐食性の観点からチップ収納用として
塩素成分による悪影響をより除いたチップ状電子部品の
キャリアテープ台紙を提供することができる。
テープ用紙では、従来の漂白パルプを用いて製造したパ
ルプに比べ同一叩解度でより強度の高い、チップ状電子
部品のキャリアテープ台紙を提供することができる。
テープ用紙では、揮発性有機化合物のアウトガスの少な
いチップ状電子部品のキャリアテープ台紙を提供するこ
とによって、被包装物の汚染の危険性を低減することが
できた。これにより、よりクリーンな包装材として電子
部品の有機物汚染の危険性を減ずることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】チップ状電子部品の運搬に用いるチップ状
電子部品収納台紙において、前記台紙は多層板紙であ
り、該多層板紙の各層の繊維原料は実質的に古紙パルプ
又は機械パルプを含有せず、主として無塩素漂白化学パ
ルプであり、該多層板紙のJIS P8133で規定さ
れる冷水抽出pHは6以上であることを特徴とするチッ
プ状電子部品用キャリアテープ台紙。 - 【請求項2】前記多層板紙は、水溶性塩化物含有量が5
0ppm以下であることを特徴とする請求項1記載のチッ
プ状電子部品用キャリアテープ台紙。 - 【請求項3】前記繊維原料である無塩素漂白化学パルプ
は、ECF(Elementary ChlorineFree)漂白パルプで
あることを特徴とする請求項1又は2記載のチップ状電
子部品用キャリアテープ台紙。 - 【請求項4】前記多層板紙は、発生するアウトガス量が
該多層板紙0.1gを不活性ガス気流中で40℃30分
間加熱する条件にて、200ng/g以下であることを
特徴とする請求項1、2又は3記載のチップ状電子部品
用キャリアテープ台紙。
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---|---|---|---|
JP2001115726A JP3289244B2 (ja) | 2001-04-13 | 2001-04-13 | チップ状電子部品用キャリアテープ台紙 |
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