JP2011151206A - 送風機取り付け構造及び機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】送風機からの振動の伝達を低減することができる送風機取り付け構造、及び当該送風機取り付け構造を備えた機器を提供する。
【解決手段】取り付け対象物にネジで送風機1を取り付ける送風機取り付け構造において、小径軸部33及び大径軸部32を含む段付ネジ3を用い、段付ネジ3を取り付けるための取り付け穴22の内径は大径軸部32の外径よりも小さい。取り付けた段付ネジ3の長さは大径軸部32の長さによって固定され、段付ネジ3によるスラスト方向への弾性部材の圧縮が防止される。また段付ネジ3の頭部31と送風機1の間には、低硬度の第1防振ゴム(第1弾性部材)4及び高硬度の第2防振ゴム(第2弾性部材)5を備え、第1防振ゴム4によりスラスト方向の振動が吸収される。また第2防振ゴム5はブッシュ部51を有し、第2防振ゴム5によりラジアル方向の振動が吸収される。
【選択図】図5

Description

本発明は、送風機を各種の機器内に固定するための送風機取り付け構造に関し、更に当該送風機取り付け構造を備えた機器に関する。
エアコンディショナー又は空気清浄機等の気流を扱う機器では、送風機を用いて気流を発生している。また、コンピュータ又は高輝度ランプ等の動作時に発熱する機器には、機器内を冷却するための冷却風を発生させる送風機を備えるものが多い。このように、多くの機器において送風機が用いられている一方で、送風機は振動及び騒音の発生源となるので、機器で送風機を用いるには振動及び騒音を低減するための対策が必要となる。従来、機器の筐体と送風機との間に防振ゴムを挟み込んで送風機を筐体に取り付けることによって、送風機から筐体への振動の伝達を低減する手法が用いられている。特許文献1には、送風機をネジで貫通させて筐体に取り付ける構造において、筐体と送風機との間に防振ゴムを挟みこみ、更にネジの頭部と送風機との間に防振ゴムを挟みこむ構造が開示されている。また特許文献1には、送風機のネジを通す貫通孔に挿入するゴムブッシュを防振ゴムに一体化させた構造も開示されている。
特開平9−270975号公報
しかしながら、特許文献1に開示された送風機取り付け構造では、ネジの締結により防振ゴムが圧縮されるので、ネジに対するスラスト方向の振動が送風機から筐体へ伝達し易く、防振効果が小さい。また、ゴムブッシュを一体化させた防振ゴムを用いた場合でも、ネジと送風機の貫通孔の内面との間で接触が生じ、防振ゴムが圧縮されるので、ネジに対するラジアル方向の振動を抑えることが困難である。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ネジに対するスラスト方向及びラジアル方向への防振ゴムの圧縮を抑制することにより、送風機から取り付け対象物への振動の伝達を効果的に低減することができる送風機取り付け構造、及び当該送風機取り付け構造を備えた機器を提供することにある。
本発明に係る送風機取り付け構造は、送風機を貫通した頭部付のネジで当該送風機を取り付け対象物に取り付けてあり、取り付け対象物及び送風機の間並びにネジの頭部及び送風機の間に、ゴム弾性を有する弾性部材をネジを貫通させて備えてある送風機取り付け構造において、頭部付のネジとして、小径軸部及び大径軸部を有する段付ネジを用いており、取り付け対象物には、送風機を前記段付ネジで取り付けるために、前記小径軸部の螺合又は貫通が可能であって前記大径軸部の外径よりも内径が小さい取り付け穴を形成してあり、送風機には、前記ネジを貫通させるために、前記大径軸部の外径よりも内径が大きい貫通孔を形成してあり、前記段付ネジの頭部及び送風機の間には、低硬度の第1弾性部材及び高硬度の第2弾性部材を、該第2弾性部材が送風機側に配置されるように重ねて備えてあり、前記第2弾性部材は、送風機の貫通孔に内嵌するブッシュ部を有することを特徴とする。
本発明に係る送風機取り付け構造は、前記第2弾性部材に形成してある前記段付ネジを貫通させるための貫通孔の内径は、前記大径軸部の外径よりも大きくしてあることを特徴とする。
本発明に係る送風機取り付け構造は、取り付け対象物及び送風機の間には、前記段付ネジを貫通させるための貫通孔の内径を送風機の貫通孔の内径よりも大きくしてある第3弾性部材を備えてあることを特徴とする。
本発明に係る送風機取り付け構造は、前記大径軸部の軸方向の長さは、前記段付ネジを貫通させた弾性部材及び送風機を重ねた長さよりも長いことを特徴とする。
本発明に係る送風機取り付け構造は、前記第1弾性部材の硬度は、デュロメータA基準で硬度10以下であることを特徴とする。
本発明に係る機器は、本発明に係る送風機取り付け構造を備えることを特徴とする。
本発明においては、機器の筐体等の取り付け対象物にネジで送風機を取り付ける送風機取り付け構造にて、小径軸部及び大径軸部を含んでなる段付ネジを用い、段付ネジを取り付けるために送風機取り付け構造に設けた取り付け穴の内径は大径軸部の外径よりも小さい。大径軸部は取り付け穴に挿入することができず、取り付けた段付ネジの長さは大径軸部の長さによって固定されるので、段付ネジによるスラスト方向への不必要な圧縮が防止される。また段付ネジの頭部と送風機の間には、低硬度の第1弾性部材及び高硬度の第2弾性部材を備えてあり、段付ネジの頭部側に配置した第1弾性部材によりスラスト方向の振動が吸収される。また第2弾性部材は、送風機の貫通孔に内嵌するブッシュ部を有し、第2弾性部材によりラジアル方向の振動が吸収される。
また本発明においては、段付ネジを貫通させる第2弾性部材の貫通孔の内径を段付ネジの大径軸部の外径よりも大きくすることにより、段付ネジと第2弾性部材との間に隙間が生じ、送風機の振動によって第2弾性部材が圧縮されることが抑制される。
また本発明においては、送風機と取り付け対象物との間に、段付ネジを貫通させるための貫通孔の内径を送風機の貫通孔の内径よりも大きくしてある第3弾性部材を備えてある。段付ネジを筐体の取り付け穴に取り付ける際には、段付ネジの大径軸部と小径軸部との境界にある段差で第3弾性部材を噛み込むことが無く、噛み込みによって第3弾性部材が圧縮されることが無い。
また本発明においては、段付ネジの大径軸部の軸方向の長さは、段付ネジを貫通させた弾性部材及び送風機を重ねた長さよりも長い。このため、段付ネジの頭部から取り付け対象物までのいずれかの部分に隙間が存在し、弾性部材がスラスト方向に圧縮されることが無い。また送風機がスラスト方向に振動した場合でも、隙間の存在のため、弾性部材がスラスト方向に圧縮されることが抑制される。
また本発明においては、第1弾性部材の硬度は、デュロメータA基準で硬度10以下となっている。振動により送風機と段付ネジの頭部との間の距離が圧縮される方向に送風機が移動する場合は、低硬度の第1弾性部材が送風機の移動を抑制する。また振動により送風機と段付ネジの頭部との間の距離が広がる方向に送風機が移動する場合は、第1弾性部材の粘着性により、送風機の移動が抑制される。
本発明にあっては、段付ネジに対するスラスト方向への送風機の振動は第1弾性部材が吸収し、ラジアル方向の振動は第2弾性部材が吸収し、またスラスト方向及びラジアル方向への弾性部材の圧縮が抑制されるので、送風機から段付ネジ及び取り付け対象物への振動の伝達が効果的に低減される。本発明の送風機取付け構造を備えた機器では、送風機から筐体への振動の伝達が低減され、振動を原因とする動作時の騒音を低減することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
イオン発生装置の筐体に対して送風機を取り付けた送風機取り付け構造の正面図である。 送風機取り付け構造の分解斜視図である。 筐体の正面図である。 送風機取り付け構造の断面図である。 段付ネジで送風機を筐体に取り付ける取り付け箇所を拡大した断面図である。 本発明の送風機取付け構造を備えた機器であるイオン発生装置の断面図である。 天井壁にイオン発生装置を取り付けた状態を示す斜視図である。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
本実施の形態においては、本発明の送風機取り付け構造を備える機器をイオン発生装置とし、送風機の取り付け対象物をイオン発生装置の筐体とした例を示す。図1は、イオン発生装置の筐体2に対して送風機1を取り付けた送風機取り付け構造の正面図であり、図2は、送風機取り付け構造の分解斜視図である。送風機1は、回転翼を有し、回転翼の回転軸方向から吸気し、回転翼の遠心方向に送風する遠心送風機である。送風機1の形状はほぼ軸対称に構成されており、回転軸方向よりも遠心方向の方が大きく構成されている。また送風機1には、回転軸周りの四隅の夫々に、段付ネジ3を貫通させるための貫通孔11が形成されている。図3は、筐体2の正面図である。筐体2には、送風機1の各貫通孔11に対応する位置にボス21が設けられている。各ボス21には取り付け穴が形成されている。
図1及び図2に示すように、本実施の形態においては、送風機1の四隅の貫通孔11の内、互いに対角の位置にある二つの貫通孔11の夫々を段付ネジ3が貫通し、筐体2のボス21に形成された取り付け穴に段付ネジ3がねじ込まれることによって、送風機1が筐体2に取り付けられる。他の二つの貫通孔11には、段付ネジ3は貫通されない。また筐体2には、イオン発生装置のイオン発生素子81,81も取り付けられる構成となっている。
図4は、送風機取り付け構造の断面図であり、図1に示すA−A線で切断した断面を示す。段付ネジ3で送風機1を筐体2に取り付ける取り付け箇所においては、段付ネジ3の頭部と送風機1との間に第1防振ゴム(第1弾性部材)4及び第2防振ゴム(第2弾性部材)5を備え、送風機1と筐体2のボス21との間に第3防振ゴム(第3弾性部材)6を備えている。また、段付ネジ3が貫通されない貫通孔11が形成された送風機1の部分と筐体2のボス21との間には、スポンジ等の緩衝材料で形成された緩衝部材7が配置されている。
図5は、段付ネジ3で送風機1を筐体2に取り付ける取り付け箇所を拡大した断面図である。段付ネジ3は頭部31を有しており、段付ネジ3の軸は互いに径の異なる大径軸部32及び小径軸部33を含んでなる。大径軸部32は頭部31に連結し、小径軸部33は段付ネジ3の先端を含んでおり、大径軸部32及び小径軸部33は同軸で連結している。なお、段付ネジ3は、大径軸部32及び小径軸部33以外にも径の異なる部分を含んでいてもよい。また、段付ネジ3はタッピングネジであり、小径軸部33は、おねじが螺刻され、先端部分がタッピングネジ用の先端形状に形成されている。筐体2のボス21に形成されている取り付け穴22の内径は、段付ネジ3の小径軸部33をねじ込んで螺合することが可能な大きさに形成されており、大径軸部32の外径よりも小さい。このため、段付ネジ3をボス21に取り付ける際には、小径軸部33は取り付け穴22にねじ込めるものの、大径軸部32を取り付け穴22にねじ込むことはできず、小径軸部33及び大径軸部32の境界がボス21に接触した時点で段付ネジ3のねじ込みは停止する。従って、ボス21に取り付けた段付ネジ3の高さは、大径軸部32の長さによって固定される。ボス21に取り付けた段付ネジ3の高さが固定されることによって、防振ゴムが段付ネジ3に対するスラスト方向に不必要に圧縮されることが防止される。なお、段付ネジ3はタッピングネジに限るものではない。本発明は、小径軸部33に螺合するめねじを予め取り付け穴22に螺刻しておき、めねじを螺刻してある取り付け穴22に小径軸部33をねじ込んで螺合することにより段付ネジ3をボス21に取り付ける形態であってもよい。
第1防振ゴム4及び第2防振ゴム5は、筒状に形成されており、段付ネジ3に貫通され、段付ネジ3の頭部と送風機1との間に重ねて配置されている。第1防振ゴム4及び第2防振ゴム5は、互いに硬度が異なり、より低硬度の第1防振ゴム4が段付ネジ3の頭部3側に配置され、より高硬度の第2防振ゴム5が送風機1側に配置されている。なお、段付ネジ3の頭部3と第1防振ゴム4との間に更に座金を備えてもよい。送風機1のスラスト方向の振動は、低硬度の第1防振ゴム4によって吸収され、段付ネジ3への伝達が低減される。従って、段付ネジ3を通じた筐体2へのスラスト方向の振動の伝達が抑制される。また第1防振ゴム4には、周囲に沿って溝41が形成されており、溝41をつぶすように第1防振ゴム4が変形することにより、第1防振ゴム4は効果的に送風機1の振動を吸収する。
第2防振ゴム5は、段付ネジ3を貫通させるための貫通孔周りに筒状に突出したブッシュ部51を有しており、ブッシュ部51の外径は送風機1の貫通孔11に内嵌する大きさに形成されている。第2防振ゴム5は、送風機1の貫通孔11にブッシュ部51を挿入してブッシュ部51が貫通孔11に内嵌することによって、送風機1に取り付けられている。段付ネジ3で送風機1が筐体2に取り付けられた状態では、段付ネジ3の大径軸部32と送風機1の貫通孔11との間に第2防振ゴム5のブッシュ部51が存在し、段付ネジ3と貫通孔11の内面とは直接に接触しない。このため、段付ネジ3に対するラジアル方向へ送風機1が振動した場合、段付ネジ3と貫通孔11との間に第2防振ゴム5が存在するので、第2防振ゴム5によって振動が吸収され、段付ネジ3への振動の伝達が低減される。従って、段付ネジ3を通じた筐体2へのラジアル方向の振動の伝達が低減される。
第1防振ゴム4の硬度は、デュロメータA基準で硬度10以下、即ち、タイプAのデュロメータで測定した硬度の測定値が10以下であることが望ましい。例えば、第1防振ゴム4はスチレンゲルを材料として形成されている。材料がスチレンゲルでありデュロメータA基準で硬度10以下である第1防振ゴム4は、表面に粘着性を有する。振動により送風機1と段付ネジ3の頭部31との間の距離が圧縮される方向に送風機1が移動する場合は、低硬度の第1防振ゴム4が柔軟に送風機1の移動を抑制する。第1防振ゴム4は硬度が10以下と柔軟であるので、送風機1の移動を効果的に抑制することができる。また振動により送風機1と頭部31との間の距離が広がる方向に送風機1が移動する場合は、第1防振ゴム4の粘着性により、送風機1の移動が抑制される。このように、第1防振ゴム4は送風機1のスラスト方向の振動を効果的に吸収する。また本実施の形態では、第2防振ゴムとして、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)製で硬度がデュロメータA基準で硬度40であるものを使用した例を示す。硬度をデュロメータA基準で硬度40とした第2防振ゴム5は、ブッシュ部51を貫通孔11に内嵌させて固定することが容易となり、第2防振ゴム5を送風機1に取り付ける作業性が向上する。第2防振ゴム5の硬度をより小さくすることで送風機1のラジアル方向の振動を吸収する効果は大きくなる。第2防振ゴム5の硬度は、作業性の良さが保たれる範囲内で小さくすればよい。
第2防振ゴム5の貫通孔の内径は、大径軸部32の外径よりも大きく形成してある。このため、段付ネジ3で送風機1が筐体2に取り付けられた状態では、段付ネジ3の大径軸部32と第2防振ゴム5との間に隙間が存在する。送風機1がラジアル方向に振動した場合、隙間の存在のため、送風機1はある程度自由に振動することが可能であり、振動によって第2防振ゴム5が段付ネジ3でラジアル方向に圧縮されることが抑制される。従って、ラジアル方向の振動の段付ネジ3への振動の伝達がより低減され、段付ネジ3を通じた筐体2への振動の伝達がより低減される。
送風機1と筐体2のボス21との間には第3防振ゴム6及び緩衝部材7が配置されているので、送風機1からボス21を通じた筐体2への振動の伝達は低減される。第3防振ゴム6には、段付ネジ3を貫通させるための貫通孔61が形成されており、貫通孔61の内径は送風機1の貫通孔11の内径よりも大きく形成してある。このため、段付ネジ3をボス21に取り付ける際には、第3防振ゴム6は貫通孔11よりも外側に配置されるので、大径軸部32と小径軸部33との境界にある段差に第3防振ゴム6が引っかかって噛み込むことが無い。噛み込みによって第3防振ゴム6が圧縮されることが無いので、第3防振ゴム6は効果的に送風機1の振動を低減する。また噛み込みが発生しないように第3防振ゴム6が形成されているので、段付ネジ3をボス21に取り付ける際に噛み込みが発生しないように慎重に作業する必要が無く、取り付けの作業性が向上する。
図5に示すように段付ネジ3で送風機1を筐体2に取り付けた状態では、段付ネジ3の大径軸部32の長さは、第1防振ゴム4、第2防振ゴム5、送風機1及び第3防振ゴム6を重ねた長さよりも長く形成されている。段付ネジ3の頭部31から筐体2のボス21までの距離は、大径軸部32の長さ以上となるので、頭部31からボス21までのいずれかの部分に隙間が存在する。隙間の存在のため、第1防振ゴム4、第2防振ゴム5及び第3防振ゴム6は、スラスト方向に圧縮されることが無い。また送風機1がスラスト方向に振動した場合でも、隙間の存在のため、送風機1はある程度自由に振動することが可能であり、第1防振ゴム4、第2防振ゴム5及び第3防振ゴム6がスラスト方向に圧縮されることが抑制される。従って、第1防振ゴム4、第2防振ゴム5及び第3防振ゴム6は、送風機1から筐体2への振動の伝達を効果的に低減することができる。
本実施の形態においては、図1に示すように、送風機1の四隅の貫通孔11の内、対角の位置にある二つの貫通孔11の夫々を段付ネジ3で固定している。段付ネジ3での固定箇所を2箇所としたことにより、固定箇所を3箇所以上とした場合に比べて、送風機1を筐体2に取り付けた状態で段付ネジ3から送風機1にかかるラジアル方向の力が小さくなる。具体的には、送風機1又は筐体2の製造誤差により、送風機1の貫通孔11と筐体2のボス21との位置関係がばらついた場合、送風機1をラジアル方向に圧縮又は伸張する力が段付ネジ3と第2防振ゴム5との間に発生する。しかし、固定箇所を3箇所以上とした場合に比べて発生する力は小さいので、第2防振ゴム5の圧縮は抑制され、段付ネジ3を通じた筐体2への振動の伝達がより低減される。また、固定箇所を3箇所以上とした場合に比べ、振動を伝達する段付ネジ3の数が少ないので、振動の伝達がより低減される。
次に、本発明の送風機取り付け構造を備えた機器の例を説明する。図6は、本発明の送風機取付け構造を備えた機器であるイオン発生装置の断面図である。イオン発生装置は、図1に示す送風機取り付け構造の正面に前面パネル82を取り付けた構造となっている。図6中の送風機1及び筐体2は、図4と比べて上下が逆となっている。前面パネル82の、送風機1の回転翼の回転軸方向に位置する部分には、吸気口821が設けられており、吸気口821の周囲に複数の排気口822が設けられている。またイオン発生装置は、家屋内の部屋の天井壁83に取り付けられて可動する構成となっている。図7は、天井壁83にイオン発生装置を取り付けた状態を示す斜視図である。天井壁83にイオン発生装置を取り付けた状態では、前面パネル82が部屋内に面して配され、前面パネル82以外の部分は天井内に隠されている。前面パネル82の中央に吸気口821が開口し、吸気口821の周囲に複数の排気口822が開口している。
イオン発生装置において、送風機1が可動した場合、送風機1の回転翼の回転により、部屋内の空気が吸気口821からイオン発生装置内へ流入する。流入した空気は、送風機1によって回転翼の遠心方向に送風され、イオン発生素子81を経由して排気口822から排気される。イオン発生素子81は、イオンを発生させ、発生したイオンは、空気に混入し、排気口822から排気される空気と共に部屋内に送出される。送出されたイオンによって、部屋内の殺菌及び脱臭を行うことができる。イオン発生装置は、前述した本発明の送風機取り付け構造を備えているので、動作時に送風機1の振動の筐体2への伝達を低減することができる。従って、イオン発生装置は、振動を原因とする動作時の騒音を低減することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、段付ネジ3をボス21の取り付け穴22に螺合することで送風機1を筐体2に固定する形態を示したが、これに限るものではなく、本発明は、取り付け穴22を段付ネジ3の小径軸部33が貫通する大きさとしておき、段付ネジ3をナットで固定する形態であってもよい。また本実施の形態においては、送風機1の2箇所を段付ネジ3で固定する形態を示したが、本発明は、送風機1の3箇所以上を段付ネジ3で固定する形態であってもよい。この形態においても、送風機1から筐体2への振動の伝達を効果的に低減することは可能である。また本実施の形態においては、各種の弾性部材として防振ゴムを用いた形態を示したが、本発明における弾性部材は、ゴム弾性を有する弾性材料であれば防振ゴム以外の弾性材料を用いて形成したものであってもよい。また、本発明の送風機取り付け構造は、第1防振ゴム4と第2防振ゴム5との間に他の弾性部材を挟む等、より多くの弾性部材を備えた形態であってもよい。また本発明で用いる送風機1は、回転翼を有する遠心送風機に限るものではなく、軸流送風機等、その他の形態の送風機であってもよい。また、本発明の送風機取り付け構造を備える機器は、イオン発生装置に限るものではなく、送風機1を利用する機器であれば、各種の電気機器又は機械等、その他の機器であってもよい。また送風機1の取り付け対象物は、機器の筐体に限るものではなく、機器内のその他の構造物であってもよい。
1 送風機
11 貫通孔
2 筐体(取り付け対象物)
21 ボス
22 取り付け穴
3 段付ネジ
31 頭部
32 大径軸部
33 小径軸部
4 第1防振ゴム(第1弾性部材)
5 第2防振ゴム(第2弾性部材)
51 ブッシュ部
6 第3防振ゴム(第3弾性部材)
61 貫通孔

Claims (6)

  1. 送風機を貫通した頭部付のネジで当該送風機を取り付け対象物に取り付けてあり、取り付け対象物及び送風機の間並びにネジの頭部及び送風機の間に、ゴム弾性を有する弾性部材をネジを貫通させて備えてある送風機取り付け構造において、
    頭部付のネジとして、小径軸部及び大径軸部を有する段付ネジを用いており、
    取り付け対象物には、送風機を前記段付ネジで取り付けるために、前記小径軸部の螺合又は貫通が可能であって前記大径軸部の外径よりも内径が小さい取り付け穴を形成してあり、
    送風機には、前記ネジを貫通させるために、前記大径軸部の外径よりも内径が大きい貫通孔を形成してあり、
    前記段付ネジの頭部及び送風機の間には、低硬度の第1弾性部材及び高硬度の第2弾性部材を、該第2弾性部材が送風機側に配置されるように重ねて備えてあり、
    前記第2弾性部材は、送風機の貫通孔に内嵌するブッシュ部を有すること
    を特徴とする送風機取り付け構造。
  2. 前記第2弾性部材に形成してある前記段付ネジを貫通させるための貫通孔の内径は、前記大径軸部の外径よりも大きくしてあること
    を特徴とする請求項1に記載の送風機取り付け構造。
  3. 取り付け対象物及び送風機の間には、前記段付ネジを貫通させるための貫通孔の内径を送風機の貫通孔の内径よりも大きくしてある第3弾性部材を備えてあること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の送風機取り付け構造。
  4. 前記大径軸部の軸方向の長さは、前記段付ネジを貫通させた弾性部材及び送風機を重ねた長さよりも長いこと
    を特徴とする請求項3に記載の送風機取り付け構造。
  5. 前記第1弾性部材の硬度は、デュロメータA基準で硬度10以下であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の送風機取り付け構造。
  6. 請求項1から5までのいずれか一つに記載の送風機取り付け構造を備えることを特徴とする機器。
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