JP2011149732A - Noxセンサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性に優れ、かつ、安価に製造できるNOセンサを提供すること。
【解決手段】NOセンサの製造方法において、焼成工程中および/または焼成工程後に、オゾンガスを含む酸化ガスに少なくともNO検知電極の材料を曝す。NO検知電極のRhが酸化されることで、充分な温度及び/または充分な時間で焼成しつつAu被毒の影響を低減できるため、センサ素子の耐久性が向上する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の排気経路に配設され、排ガスに含まれるNOを検知するNOセンサを製造する方法に関する。
NOセンサは、排ガスに含まれるNO(窒素酸化物)を検知する装置である。NOセンサによって排ガス中のNOを検知することで、排ガス中のNO濃度を測定できる。NOセンサを用いることで、内燃機関に供給する燃料や空気を最適な量に設定でき、燃費の向上や、排ガス中に含まれるNOの低減を実現できる利点がある。
一般的なNOセンサにおけるセンサ素子は、酸素ポンプ電極とNO検知電極とを持つ。酸素ポンプ電極の材料としては、一般に、酸素感受性に優れNOの選択還元性が小さいプラチナ−金(Pt−Au)合金が用いられている。
ところで、NOセンサにおけるセンサ素子は、一般に、グリーンシート状の固体電解質に電極材料を印刷形成したものを積層・焼成することで製造される。しかし、酸素ポンプ電極に含まれるAuは、焼成の際に飛散して、NO検知電極の表面に付着(被毒)する。このAu被毒によって、NO検知電極のNO検知性能(詳しくは、NO分解性能)が低下する。
特許文献1には、NOの還元分解性能に優れるプラチナ−ロジウム(Pt−Rh)合金をNO検知電極の材料として用いることで、多少Au被毒した場合にもNO検知電極のNO検知性能を維持できることが開示されている。しかしこの場合にも、NO検知電極が経時劣化すると、NO検知性能が低下する問題がある。すなわち、Pt−Rh合金をNO検知電極の材料として用いる場合、被毒量が微量であれば、焼成時にAuがPt−Rh合金に合金化され、電極表面に露出するAu量は極微量になる。このためこの種のNOセンサは、演算回路等で初期特性を調整すれば、使用開始初期には充分なNO検知性能を発揮する。しかしこの種のNOセンサは、長期間使用すると、NO検知電極中のRhが酸化還元反応に伴い原子移動することで、Pt−Rh合金に合金化されたAuが次第にNO検知電極の表面に析出する。このため、NO検知電極の表面におけるAuの存在比が大きくなり、NO検知電極のNO検知性能が低下する。したがって、この種のNOセンサは耐久性に劣る問題があった。
特許文献2には、NO検知電極を有するグリーンシートと、酸素ポンプ電極を有するグリーンシートとを別々に焼成し、その後に両者をAuの融点未満の温度で焼成・一体化することで、NO検知電極のAu被毒を防ぐ技術が開示されている。しかし、この方法によると、NO検知電極を有するグリーンシートと、酸素ポンプ電極を有するグリーンシートとを、それぞれ異なる焼成炉で焼成する必要があり、かつ、NOセンサを多段階で焼成する必要がある。このため、この場合にはNOセンサを製造するための設備に要するコストが高くなり、かつ、製造工数が多くなるために、NOセンサの製造コストが高くなる問題があった。また、センサ素子を製造する際に、焼成温度を充分に高くできないか、または、焼成時間を充分に長くできないため、センサ素子の機械的強度を向上させ難く、耐久性に優れたNOセンサを製造し難い問題もあった。
特開2001−66289号公報 特開平11−2621号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、耐久性に優れ、かつ、安価に製造できるNOセンサを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明のNOセンサの製造方法は、一対の固体電解質層と、一対の該固体電解質層の間に積層され該固体電解質層とともに排ガスチャンバを区画している区画層と、金を含む材料からなり該固体電解質層の対向する2面に積層され電圧が印加されると該排ガスチャンバ内部の酸素を該排ガスチャンバ外部に放出する一対の酸素ポンプ電極と、プラチナ−ロジウム合金を材料としてなり該固体電解質層の対向する2面に積層され電圧が印加されると該排ガスチャンバ内部のNOを分解し生成した酸素イオンを該排ガスチャンバ外部に放出するとともに電流を生じる一対のNO検知電極と、を持つセンサ素子を持つNOセンサを製造する方法であって、該固体電解質層の材料、該区画層の材料、該酸素ポンプ電極の材料、および、該NO検知電極の材料を積層して積層体を得る積層工程と、該積層体を焼成する焼成工程と、を含み、該焼成工程中および/または該焼成工程後に、少なくとも該NO検知電極の材料をオゾンガスを含む酸化ガスに曝す酸化処理工程を備えることを特徴とする。
本発明のNOセンサの製造方法は、下記の(1)〜(3)の何れかを備えるのが好ましく、(1)〜(3)の複数を備えるのがより好ましい。
(1)前記酸化処理工程は100℃〜200℃でおこなう。
(2)前記酸化ガスにおける前記オゾンガスの濃度は10〜100ppmの範囲内である。
(3)前記酸化ガスにおける前記オゾンガスの濃度は50〜100ppmの範囲内である。
一般的なNOセンサの製造方法(例えば特許文献1に紹介されている製造方法)で製造されたNOセンサは、図8に示すように、固体電解質層12に積層されているNO検知電極43を持つ。NO検知電極43の材料としてPt−Rh合金を用いた場合にも、このNO検知電極43における電極粒子60の表面には焼成時に飛散したAu61が付着する。
電極粒子60に含まれるPt63(および/またはPtO、以下、単にPtと略する)および、焼成工程において電極粒子60に付着したAu61は、電極粒子60の内部及び表面に均一(またはほぼ均一)に分布する。
一方、本発明のNOセンサの製造方法(以下、単に本発明の製造方法と呼ぶ)においては、焼成工程中および/または焼成工程後に、オゾンガスを含む酸化ガスに少なくともNO検知電極の材料を曝す(酸化処理工程)。この酸化処理工程において、少なくともNO検知電極の材料は、オゾンガス(O)を含む酸化ガスに曝される。Oは酸化能が高い。また、RhはPtよりも酸化され易い。このため、Pt−Rh合金に含まれるRhはPtに優先して酸化される。このため、図1に示すように、電極粒子60の表面におけるRh62の濃度は、電極粒子60の内部におけるRh62の濃度に比べて高くなる。このRh62の濃度勾配によって、電極粒子60の表面におけるPt63およびAu61の濃度は、電極粒子60の内部におけるPt63およびAu61の濃度に比べて、相対的に低くなる。換言すると、本発明の製造方法で得られたNOセンサの電極粒子60において、内部に位置するPt63およびAu61は、Rh62によって覆われる。
このため、本発明の製造方法によると、Au被毒による影響を抑えつつ、センサ素子を充分に焼成できる。このため、本発明の製造方法によると、耐久性に優れるNOセンサを製造できる。さらに、センサ素子を多段階で焼成する必要もなくなるため、NOセンサを安価に製造できる。
さらに図2に示すように、Pt−Au合金を材料とする酸素ポンプ電極43の表面には、酸化処理工程前において、Pt63とAu61とが混在する。図3に示すように、Pt63は、酸化処理工程においてO65によって酸化され、酸素ポンプ電極43の表面から脱離し飛散する。このため、酸素ポンプ電極43表面におけるAu61濃度は相対的に増大する。
このため、本発明の製造方法によると、酸素ポンプ電極に含まれるAuの量を少なくしても、酸素ポンプ電極へのNO吸着をAuによって充分に阻害できる。よって、本発明のNOセンサの製造方法によると、酸素ポンプ電極へのAuの配合量を低減でき、NO検知電極のAu被毒をさらに抑制できる。
上記(1)を備える本発明のNOセンサの製造方法によると、Oガスの濃度を比較的低くしても、NO検知電極の材料を効率良く酸化できる利点がある。200℃を超えるとOは熱分解し、100℃に満たないとOの反応性が低下するためである。
ところで、Oガスの濃度が例えば5ppm程度と比較的低い場合にも、酸化処理工程に要する時間を長くすれば、電極粒子の状態変化が確認できる。しかし、粒径が不均一な電極粒子から構成される電極を用いる場合には、電極粒子毎に状態ムラが生じる可能性がある。一方、Oガスの濃度が高すぎるとPtの凝集が進行し易くなるため、センサ素子における電極以外の部分(例えば固体電解質等)と電極との界面不良に繋がる可能性がある。したがって、酸化ガスにおけるOガスの濃度には好ましい範囲が存在する。酸化ガスにおけるOガスの濃度が10〜100ppmの範囲内であれば、上述した不具合の発生を抑制できる。すなわち、上記(2)を備える本発明のNOセンサの製造方法によると、より一層NO検知性能に優れたNOセンサを製造できる。また、上記(3)を備える本発明のNOセンサの製造方法によると、さらにNO検知性能に優れたNOセンサを製造できる。
本発明の製造方法で製造されたNOセンサにおけるNO検知電極を模式的に表す説明図である。 本発明の製造方法の酸化処理工程前の酸素ポンプ電極を模式的に表す説明図である。 本発明の製造方法の酸化処理工程後の酸素ポンプ電極を模式的に表す説明図である。 実施例の製造方法によって製造したNOセンサを模式的に表す一部切り欠き正面図である。 実施例の製造方法によって製造したNOセンサにおけるセンサ素子の主要部分を表す要部拡大図である。 性能評価試験1の結果を表すグラフである。 性能評価試験2の結果を表すグラフである。 一般的なNOセンサの製造方法で製造されたNOセンサにおけるNO検知電極を模式的に表す説明図である。
本発明の製造方法で製造されたNOセンサにおいて、一対の酸素ポンプ電極のなかの一方(以下、内側ポンプ電極と呼ぶ)は排ガスチャンバ内部に配置され、他方(以下、外側ポンプ電極と呼ぶ)は排ガスチャンバ外部に配置される。また、一対のNO検知電極の一方(以下、内側検知電極と呼ぶ)は排ガスチャンバの内部に配置され、他方(以下、外側検知電極と呼ぶ)は排ガスチャンバの外部に配置される。
酸素ポンプ電極に電圧を印加すると、排ガスチャンバ内部の酸素は内側ポンプ電極に接し、固体電解質層を介して外側ポンプ電極に輸送されて、排ガスチャンバ外部に放出される。この酸素ポンプ電極の作用で排ガスチャンバ内部の酸素分圧は低下する。酸素分圧が低下することで、排ガスチャンバ内部のNOからNOが生成する。また、酸素分圧が低下することで、排ガスに含まれる酸素のNO検知電極への接触頻度が低下し、酸素の干渉により生じるNO検知電極の測定誤差が低減する。NO検知電極に電圧が印加されると、排ガスチャンバ内部のNOが内側検知電極により分解(還元)され、酸素イオンが生じる。この酸素イオンは固体電解質を経て外側検知電極に輸送され、排ガスチャンバ外部に放出される。このとき生じる電流値によってNO濃度が測定される。
本発明の製造方法において、固体電解質層は、酸素イオン導電性を持つ材料からなるものを使用することができる。固体電解質層の材料としては、例えば、ジルコニア、酸化ビスマス、酸化セリウム等を好ましく用いることができる。また、これらの材料にイットリア、カルシア、セリア、マグネシア等を添加したものを用いても良い。
排ガスチャンバは、固体電解質層と区画層とで区画される。区画層の材料としては、固体電解質層と同様に、酸素イオン導電性を持つ材料からなるものを用いても良いし、その他の材料を用いても良い。排ガスチャンバの内部と外部とは、ガス流入口とガス流出口とによって連通される。ガス流入口は、単なる開口であっても良いが、拡散律速壁で構成するのが好ましい。拡散律速壁は、排ガスを所定の拡散律速抵抗をもって排ガスチャンバ内部に導入できる材料で形成できる。このような材料としては、アルミナ等の多孔体や、多孔体あるいは非多孔体に細孔が形成されたものが好ましく用いられる。
本発明の製造方法において、酸素ポンプ電極の材料としては、Pt−Au合金を用いるのが好ましい。Pt−Au合金は、酸素感受性に優れ、かつ、NOの選択還元性が低いため、排ガスチャンバ内部の酸素を排ガスチャンバ外部に効率良く排出でき、かつ、NO検知電極によるNO測定結果に干渉しない。なお、ここでいうPt−Au合金とは、PtとAuとを主成分とする合金を指し、他の元素を微量に含んでも良い。
Pt−Au合金におけるPtとAuとの比率は特に限定しない。参考までに、一般的な酸素ポンプ電極におけるPtとAuとの比は、95:5〜99.5:0.5程度である。このため本発明の製造方法においても、PtとAuとの比は上述した範囲内であるのが好ましい。
また、NO検知電極の材料として用いられるPt−Rh合金は、PtとRhを主成分とする合金を指し、他の微量元素を含んでも良い。Pt−Rh合金におけるPtとRhとの比率は特に限定しない。参考までに、一般的なNO検知電極におけるPtとRhとの比は、70:30〜50:50程度である。このため本発明の製造方法においても、PtとRhとの比は上述した範囲内であるのが好ましい。なお、本発明の製造方法においては、Pt−Rh合金におけるRhの配合量が多い程、AuをRhで信頼性高く被覆でき、NO検知電極のAu被毒を抑制できる。
本発明の製造方法で製造されたNOセンサは、酸素ポンプ電極およびNO検知電極よりも排ガス流路の下流側に配置された第2の酸素ポンプ電極を備えても良い。この場合には、酸素ポンプ電極によって、主として排ガスチャンバ内部の酸素分圧を低下させるとともに排ガスのA/F(空燃比)を測定できる。また、第2の酸素ポンプ電極によってNO検知電極を通過した排ガス中の酸素濃度を測定することができる。この場合、第2の酸素ポンプ電極に到達した排ガスは、酸素ポンプ電極およびNO検知電極を通過した排ガスであり、酸素濃度およびNO濃度が低い。したがって、第2の酸素ポンプ電極の材料としては、酸素ポンプ電極と同様に、酸素感受性に優れNOの選択還元性が小さい材料(すなわち、Pt−Au合金等の金を含む材料)を用いても良いし、Pt、Pd、Rhなどの酸素感受性に優れかつNOを還元できる材料を用いても良い。
さらに、本発明の製造方法で製造されたNOセンサでは、NO以外の排ガス成分を検知するための電極を、酸素ポンプ電極およびNO検知電極に加えて、排ガスチャンバ内に配置しても良い。
以下、本発明のNOセンサの製造方法を具体的に説明する。
(実施例)
実施例の製造方法は、上記(1)〜(3)を備える。実施例の製造方法によって製造したNOセンサを模式的に表す一部切り欠き正面図を図4に示す。実施例の製造方法によって製造したNOセンサにおけるセンサ素子の主要部分を表す要部拡大図を図5に示す。
(NOセンサ)
図4に示すように、実施例の製造方法によって製造したNOセンサ(以下、実施例のNOセンサと略する)は、センサ素子1と、ケース体2とを持つ。
ケース体2は、ステンレス、インコネル等の金属からなり、略コップ状をなす。ケース体2の側壁には、貫通孔状のケース側ガス流入口20が形成されている。ケース体2の底壁には、貫通孔状のケース側ガス流出口(図略)が形成されている。ケース側ガス流入口20はケース体2の外部(排気経路)からケース体2の内部への排ガスの流入口となり、ケース側ガス流出口はケース体2の内部からケース体2の外部への排ガスの流出口となる。
図5に示すように、センサ素子1は、2つの固体電解質層(第1固体電解質層11、第2固体電解質層12)と、6つの区画層(第1区画層31、第2区画層32、第3区画層33、第4区画層34、第5区画層35、第6区画層36)と、ヒータ40と、一対の酸素ポンプ電極(内側ポンプ電極41、外側ポンプ電極42)と、一対のNO検知電極(内側検知電極43、外側検知電極44)と、一対の副酸素ポンプ電極(内側副ポンプ電極45、外側副ポンプ電極46)とを持つ。第1固体電解質層11および第2固体電解質層12は、ジルコニアとイットリアとの混合物を材料としてなり、略板状をなす。第1区画層31〜第6区画層36は、アルミナ、ジルコニアを材料としてなる。一対の酸素ポンプ電極41、42はPt−Au合金(Pt:Au=97:3)を材料としてなる。一対のNO検知電極43、44はPt−Rh合金(Pt:Rh=50:50)を材料としてなる。一対の副酸素ポンプ電極45、46は、Pt−Au合金(Pt:Au=97:3)を材料としてなる。
第1固体電解質層11と第2固体電解質層12とは対向配置されている。第2固体電解質層12には貫通孔状をなすセンサ側ガス流入口13が形成されている。第1固体電解質層11と第2固体電解質層12との間には、枠状をなす第1区画層31が積層されている。第1固体電解質層11、第2固体電解質層12および第1区画層31によって、排ガスチャンバ50が区画されている。第1固体電解質層11のなかで排ガスチャンバ50側の面には、内側ポンプ電極41が積層されている。第1固体電解質層11のなかで排ガスチャンバ50と逆側の面には、外側ポンプ電極42が積層されている。第2固体電解質層12のなかで排ガスチャンバ50側の面には、内側検知電極43と内側副ポンプ電極45とが積層されている。第2固体電解質層12のなかで排ガスチャンバ50と逆側の面には、外側検知電極44と外側副ポンプ電極46とが積層されている。
NO検知電極43、44は、副酸素ポンプ電極45、46よりもセンサ側ガス流入口13に近い位置に配置されている。また、酸素ポンプ電極41、42は、NO検知電極43、44および副酸素ポンプ電極45、46よりもセンサ側ガス流入口13に近い位置に配置されている。換言すると、酸素ポンプ電極41、42はNO検知電極43、44および副酸素ポンプ電極45、46よりも排ガス流路上流側に配置され、副酸素ポンプ電極45、46は、酸素ポンプ電極41、42およびNO検知電極43、44よりも排ガス流路の下流側に配置されている。
第2固体電解質層12のなかで排ガスチャンバ50と逆側の面には、第2区画層32と第3区画層33とが積層されている。第2区画層32は、板状をなし、ガス流通可能な細孔を持ち、センサ側ガス流入口13を覆っている。第3区画層33は、第2区画層32に隣接し、第3区画層33の逆側に向けて開口する略コ字の板状をなす。第3区画層33のなかで第2固体電解質層12と逆側の面には、板状をなす第4区画層34が積層されている。第2固体電解質層12、第3区画層33、第4区画層34によって、第1の排気流路が区画されている。第1の排気流路はケース側ガス流出口の近傍に配置され、ケース側ガス流出口を介してケース体2の外部に連通している。
第1固体電解質層11のなかで排ガスチャンバ50と逆側の面には第5区画層35が積層されている。第5区画層35は、第3区画層33と同方向に向けて開口する略コ字の板状をなす。第5区画層35のなかで第1固体電解質層11と逆側の面には、板状をなす第6区画層36が積層されている。第6区画層36にはヒータ40が埋設されている。ヒータ40は図略の外部電源に接続され、センサ素子1を加熱する。第1固体電解質層11、第5区画層35、第6区画層36によって、第2の排気流路が区画されている。第2の排気流路はケース側ガス流出口の近傍に配置され、ケース側ガス流出口を介してケース体2の外部に連通している。
(NOセンサの動作)
実施例のNOセンサの動作を以下に説明する。
排ガスは、ケース側ガス流入口20を通じてケース体2の内部に流入し、第2区画層32およびセンサ側ガス流入口13を通じて排ガスチャンバ50に流入する。排ガスチャンバ50に流入した排ガスは、先ず、排ガスチャンバ50に露出している酸素ポンプ電極41に接触する。排ガス成分(O、HC系ガス、CO等)は、酸素ポンプ電極41で平衡化されてHO、N、CO等になる。排ガス中の余剰の酸素は、第1固体電解質層11を通過し、酸素ポンプ電極42を介して、排ガスチャンバ50の外部(第2の排気流路)に放出される。このとき、酸素ポンプ電極41、42に接続されている検知手段(図略)は、酸素ポンプ電極41、42が出力した電流値を読み取り、排ガス中の酸素濃度を測定する。そして、この酸素濃度を基に、A/F(空燃比)を算出する。
酸素ポンプ電極41を通過した排ガスチャンバ50内のNOは、排ガス流路の下流側に向かい、NO検知電極43に接触する。排ガスに含まれるNOは、NO検知電極43に接触して窒素イオンと酸素イオンとに分解される。このうち酸素イオンは第2固体電解質層12を通過し、NO検知電極44を介して、排ガスチャンバ50の外部(第1の排気流路)に放出される。NO検知電極43、44に接続されている検知手段(図略)は、NO検知電極43、44が出力した電流値を読み取り、排ガス中のNO濃度を測定する。第1の排気流路に放出された排ガス成分は、ケース側ガス流出口を介して、外界に流出する。
なお、副酸素ポンプ電極45、46は、NO検知電極43を通過した排ガスチャンバ50内の酸素を排ガスチャンバ50の外部(第1の排気流路)に放出する。このとき、副酸素ポンプ電極45、46に接続されている検知手段(図略)は、副酸素ポンプ電極45、46が出力した電流値を読み取り、酸素ポンプ電極41、42およびNO検知電極43、44を通過した排ガス中に残存する酸素の濃度を測定する。
実施例のNOセンサの製造方法を以下に説明する。
(積層工程)
第1固体電解質層の材料、第2固体電解質層の材料、第1区画層の材料〜第6区画層の材料をそれぞれグリーンシート状に成形した。グリーンシート状の第1固体電解質層の材料には、酸素ポンプ電極の材料およびリード部(図略)の材料をスクリーン印刷した。また、グリーンシート状の第2固体電解質層の材料には、NO検知電極の材料、副酸素ポンプ電極の材料、およびリード部(図略)の材料をスクリーン印刷した。なお、これらのシート状材料は一般的な方法で製作した。
得られた各シート状材料を、第6区画層の材料、第5区画層の材料、第1固体電解質層の材料、第1区画層の材料、第2固体電解質層の材料、第2区画層の材料および第3区画層の材料、第4区画層の材料の順に積層し、80℃で熱圧着することで、センサ素子用積層体を得た。
(焼成工程)
オゾン発生装置が接続されている焼成炉を準備し、この焼成炉にセンサ素子用積層体を入れ、大気雰囲気、約1400℃〜1600℃で4時間焼成した。その後、8時間で焼成温度を200℃に降温した。
(酸化処理工程)
降温開始直後、オゾン発生器から焼成炉にOガスを供給した。この時、焼成炉におけるOガス濃度が50ppmになるようにした。この状態で、200℃、1時間酸化処理をおこなった。なお、このとき、焼成されたセンサ素子用積層体全体がOガスによって酸化処理された。以上の工程で、実施例のNOセンサ用のセンサ素子1を得た。得られたセンサ素子1をケース体2に取り付けて、実施例のNOセンサを得た。
(比較例)
比較例の製造方法は、酸化処理工程を持たないこと以外は実施例のNOセンサの製造方法と同じである。比較例のNOセンサの製造方法においては、焼成工程後の積層体を大気雰囲気、200℃で1時間放置した。比較例の製造方法によって、比較例のNOセンサを製造した。
(性能評価試験1)
実施例のNOセンサおよび比較例のNOセンサを、それぞれ、自動車の排気経路に取り付け、各NOセンサにNO濃度300ppmの排ガスを供給した。そして、NOセンサの出力値(NO濃度)を基に、出力値の変動を経時的に測定した。性能評価試験1の結果を表すグラフを図6に示す。
図6に示すように、比較例のNOセンサの出力値は、試験開始直後には殆ど変動なかったが、徐々に低下した。これに対して、実施例のNOセンサの出力値は、試験開始後1000時間経過しても殆ど変動なかった。この結果から、焼成後のセンサ素子用積層体を酸化処理(オゾン処理)することで、NO検知電極の耐久性が向上し、NOセンサの耐久性が向上することがわかる。
(性能評価試験2)
上記性能評価試験1後(1000時間耐久後)の実施例のNOセンサおよび比較例のNOセンサを自動車の排気経路に取り付けた。また、このNOセンサ以外の分析計を、同じ自動車の排気経路に取り付けた。そして、排ガス中のNO濃度を変化させつつ、各NOセンサおよび分析計に排ガスを供給し、各NOセンサおよび分析計によって排ガス中のNO濃度を測定した。性能評価試験2の結果を表すグラフを図7に示す。
図7に示すように、比較例のNOセンサで測定したNO濃度は、分析計で測定したNO濃度(すなわち、排ガス中の実際のNO濃度)よりも遙かに低い値であった。これに対して、実施例のNOセンサで測定したNO濃度は、分析計で測定したNO濃度とほぼ同じであった。この結果からも、本発明の製造方法で製造したNOセンサがAu被毒の影響を受け難く耐久性に優れることがわかる。
1:センサ素子 2:ケース体 11、12:固体電解質層
41、42:酸素ポンプ電極 43、44:NO検知電極
50:排ガスチャンバ 60:電極粒子 61:Au
62:Rh63:Pt

Claims (4)

  1. 一対の固体電解質層と、一対の該固体電解質層の間に積層され該固体電解質層とともに排ガスチャンバを区画している区画層と、金を含む材料からなり該固体電解質層の対向する2面に積層され電圧が印加されると該排ガスチャンバ内部の酸素を該排ガスチャンバ外部に放出する一対の酸素ポンプ電極と、プラチナ−ロジウム合金を材料としてなり該固体電解質層の対向する2面に積層され電圧が印加されると該排ガスチャンバ内部のNOを分解し生成した酸素イオンを該排ガスチャンバ外部に放出するとともに電流を生じる一対のNO検知電極と、を持つセンサ素子を持つNOセンサを製造する方法であって、
    該固体電解質層の材料、該区画層の材料、該酸素ポンプ電極の材料、および、該NO検知電極の材料を積層して積層体を得る積層工程と、
    該積層体を焼成する焼成工程と、を含み、
    該焼成工程中および/または該焼成工程後に、少なくとも該NO検知電極の材料をオゾンガスを含む酸化ガスに曝す酸化処理工程を備えることを特徴とするNOセンサの製造方法。
  2. 前記酸化処理工程は100℃〜200℃でおこなう請求項1に記載のNOセンサの製造方法。
  3. 前記酸化ガスにおける前記オゾンガスの濃度は10〜100ppmの範囲内である請求項1または請求項2に記載のNOセンサの製造方法。
  4. 前記酸化ガスにおける前記オゾンガスの濃度は50〜100ppmの範囲内である請求項2に記載のNOセンサの製造方法。
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