JP6758215B2 - アンモニアセンサ素子 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス中のアンモニアの検出が可能なアンモニアセンサ素子に関する。
燃焼ガス、排ガス等の混合ガス中のアンモニアを検出するために、アンモニアセンサが用いられる。例えば、エンジン等の内燃機関からの排ガス中に含まれるNOxを、アンモニアを用いて浄化する方法が知られている。この浄化を効率的に行うために、アンモニアセンサによるアンモニア濃度の測定が求められている。このようなアンモニアセンサには、排ガス等のガス中のアンモニアを精度良く検出できる性能が求められる。
特許文献1には、プロトン導電性固体電解質体と被測定ガス側電極と基準ガス側電極とを備えたアンモニアセンサ素子が開示されている。このような構成のアンモニアセンサ素子においては、アンモニアが被測定ガス側電極で分解されプロトンが発生する。そして、固体電解質内でのプロトンの伝導に基づいて、アンモニア濃度の検出が行われる。
特開2011−69705号公報
しかしながら、測定対象となる測定ガス中に酸素などが含まれる場合には、従来の構成のアンモニアセンサ素子においてはプロトン導電性固体電解質体が測定ガス中の酸素を取り込み、その結果固体電解質内に電子が伝導されてしまうことがある。このようなプロトン導電性固体電解質体の酸素の取り込みによる電子の伝導は、例えば高温環境下や測定ガス中の酸素濃度が高くなると起こり易くなる傾向がある。
その結果、アンモニアの分解に基づいたプロトンの導電に起因する電流を検知すべきところ、酸素の取り込みに基づいた電子伝導に起因する電流を検知するおそれがある。つまり、電子伝導に起因する電流がノイズ電流となる。このため、アンモニア濃度を精度よく検出することができなくなる問題を生じる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、アンモニア濃度を精度よく検出できるアンモニアセンサ素子を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、測定ガス(Gm)と接触する測定ガス面(21)と、基準ガス(Gb)と接触する基準ガス面(22)とを有する、プロトン導電性固体電解質体(2)と、
上記プロトン導電性固体電解質体の上記測定ガス面に形成されたアンモニア検知電極(3)と、
上記プロトン導電性固体電解質体の上記基準ガス面に形成された基準電極(4)と、
上記プロトン導電性固体電解質体の上記測定ガス面に面し、ガス導入部(51)から上記測定ガスが導入される測定ガス室(5)と、
上記測定ガス室内の酸素を排出して上記測定ガス中の酸素濃度を調整する酸素排出機構(6)と、を備え
上記酸素排出機構は、酸素排出室(61)と、
上記測定ガス室と上記酸素排出室との間に配置され、上記測定ガス室に面する酸素吸着面(621)、及び上記酸素排出室に面する酸素排出面(622)を有する酸素イオン導電性固体電解質体(62)と、
上記酸素イオン導電性固体電解質体の上記酸素排出面に形成された対電極(64)と、
上記酸素イオン導電性固体電解質体の上記酸素吸着面に形成され、上記対電極と上記酸素イオン導電性固体電解質体の少なくとも一部(62a)と共に上記測定ガス中の酸素濃度を調整する排出セル(63C)を構成する排出電極(63)と、を有する、アンモニアセンサ素子(1)にある。
上記態様のアンモニアセンサ素子は酸素排出機構を有する。そして、酸素排出機構が測定ガス室内の酸素を排出する。これにより、測定ガス室内においては測定ガス中の酸素濃度が例えば低く調整される。そのため、プロトン導電性固体電解質体が低酸素濃度雰囲気に曝される。その結果、プロトン導電性固体電解質体の酸素取り込みに伴う固体電解質内の電子伝導が抑制され、電子伝導に起因するノイズ電流の発現が抑制される。したがって、アンモニアセンサ素子1は、アンモニアの分解に基づいたプロトンの導電に起因する電流を正確に検知することができる。その結果、アンモニアセンサ素子1はアンモニア濃度を精度よく検出することができる。
上記態様においては、測定ガス中にたとえ酸素が含まれていても、酸素排出機構によって測定ガス室内の酸素が排出されて、酸素濃度を例えば所定値以下にまで減らすことが可能になる。プロトン導電性固体電解質体における電子伝導は酸素濃度が高くなると起こり易くなる傾向があるが、酸素排出機構によって酸素濃度を調整して電子伝導を充分に抑制することが可能になる。したがって、酸素を含む測定ガスに対しても、アンモニア濃度を精度よく検出することができる。
以上のごとく、上記態様によれば、アンモニア濃度を精度よく検出できるアンモニアセンサ素子を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1におけるアンモニアセンサ素子の長尺方向の断面図。 図1におけるII−II線矢視断面図。 図1におけるIII−III線矢視断面図。 実施形態2におけるアンモニアセンサ素子の長尺方向の断面図。 図4におけるV−V線矢視断面図。 図4におけるVI−VI線矢視断面図。 実施形態2における、検知電極と基準電極とが同じガス雰囲気に曝されるアンモニアセンサ素子における電位Eと分解電流Iとの関係を示す説明図。 検知電極と基準電極とが異なるガス雰囲気に曝されるアンモニアセンサ素子における電位Eと分解電流Iとの関係を示す説明図。 実施形態2における、表面に保護層が形成された基準電極の拡大断面図。 変形例1におけるアンモニアセンサ素子の長尺方向の断面図。 実施形態3におけるアンモニアセンサ素子の長尺方向の断面図。 図11におけるXII−XII線矢視断面図。 実施形態4におけるアンモニアセンサ素子の長尺方向の断面図。 図13におけるXIV−XIV線矢視断面図。 図13におけるXV−XV線矢視断面図。
(実施形態1)
アンモニアセンサ素子に係る実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。図1〜図3に例示されるように、アンモニアセンサ素子1は、プロトン導電性固体電解質体2と、アンモニア検知電極3と、基準電極4と、測定ガス室5と、酸素排出機構6とを有する。本形態のアンモニアセンサ素子1はさらに基準ガス室8を有している。
アンモニアセンサ素子1の形状は、特に限定される訳ではないが、図1に例示されるように例えば長尺の板状である。本明細書においては、アンモニアセンサ素子1の長尺方向Xにおける両端のうち、測定ガスGmに曝される側の端部を先端111といい、その反対側の端部を基端112という。長尺方向は軸方向という場合がある。アンモニアセンサ素子1は例えば軸方向の先端側を測定ガス雰囲気の空間に挿入して用いられる。この場合には、基端112は、通常、測定ガス雰囲気とは異なる大気などの雰囲気に曝される。「プロトン導電性固体電解質体」のことを、以下適宜「第1固体電解質体」という。以下に、本形態を詳説する。
第1固体電解質体2は、プロトン導電性固体電解質を含有する。プロトン導電性固体電質は、ペロブスカイト型酸化物からなることが好ましい。この場合には、第1固体電解質体2が優れたプロトン導電性を示すため、アンモニアセンサ素子1の感度が向上する。
ペロブスカイト型酸化物としては、特に限定されるわけではないが、例えばYやYb等の希土類元素をドープしたジルコン酸ストロンチウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸バリウム、セリウム酸ストロンチウム、セリウム酸カルシウム、セリウム酸バリウム等が例示される。第1固体電解質体2は、これらのうちの少なくとも1種のペロブスカイト型酸化物を含有することができる。アンモニアセンサ素子1の検出温度域がより拡大するという観点から、これらの中でもジルコン酸バリウム、ジルコン酸ストロンチウムが好ましく、希土類元素がドープされたものがより好ましい。
図1及び図3に例示されるように、第1固体電解質体2は、測定ガス面21と基準ガス面22とを有する。測定ガス面21は、測定対象となる測定ガスGmと接触する面である。基準ガス面22は、基準ガスGbと接触する面である。
測定ガス面21は、測定ガス室5に面しており、測定ガス面21にはアンモニア検知電極3が形成されている。「アンモニア検知電極」のことを以下適宜「検知電極」という。検知電極3は、測定ガス室5内に設けられており、第1固体電解質体2と接触する。また、基準ガス面22は、基準ガス室8に面しており、基準ガス面22には基準電極4が形成されている。基準電極4は、基準ガス室8内に設けられており、第1固体電解質体2と接触する。つまり、アンモニアセンサ素子1においては、検知電極3、第1固体電解質体2、及び基準電極4がこの順で積層されている。
検知電極3は、金属を含有することができる。金属は、導電性に優れることが好ましい。このような金属としては、例えばPt、Ag、Au、Pd、Ru、Rh等の貴金属、Ni、Al、Cu、W等が例示される。検知電極3は、これらの金属の少なくとも1種を含有することができる。好ましくは、金属として少なくともPtを含有することがよい。この場合には、Ptが例えば水素のような還元ガスを燃焼させることできるため、検知電極3のアンモニアに対する選択的な分解活性が向上する。そのため、アンモニアセンサ素子1の検出精度がさらに向上する。
検知電極3は、ペロブスカイト型酸化物等のプロトン導電性固体電解質をさらに含有することができる。この場合には、アンモニアとプロトン導電性固体電解質と金属との三相界面が増大し、アンモニア分解活性がより向上する。その結果、検知電極3の反応抵抗をより低下させ、アンモニアセンサ素子1におけるアンモニアの分解可能温度域を拡大することができる。
検知電極3中のペロブスカイト型酸化物は、上述の第1固体電解質体2と同様のものが例示される。検知電極3中のペロブスカイト型酸化物が第1固体電解質体2と同じ場合には、検知電極3と第1固体電解質体2との密着性を向上させることができる。なお、検知電極3中のペロブスカイト型酸化物は、第1固体電解質体2と同じであってもよいが、異なっていてもよい。
検知電極3は、酸性物質をさらに含有することができる。この場合には、検知電極3が塩基性のアンモニアを吸着し易くなるため、検知電極3における選択的なアンモニア分解活性が向上する。その結果、アンモニアセンサ素子1の検出精度がより向上する。エンジン等の内燃機関から排出される排ガス中には通常アンモニア以外の塩基性ガスが存在しない。そのため、アンモニアセンサ素子1が排ガス用途に用いられる場合には、検知電極3は酸性物質を含有することが特に有効である。これにより、アンモニア濃度の検出精度の更なる向上が可能になる。
酸性物質はプロトン導電性固体電解質であることが好ましい。この場合には、検知電極3のアンモニア分解活性の低下を抑制しつつ、アンモニアに対する選択的な吸着性能を向上させることができる。
酸性物質としては、例えばリン酸塩、ピロリン酸塩等のリン酸系化合物が挙げられる。対となる元素としては、ランタン、スズ、ジルコニウム、カルシウム、セリウム、ケイ素、アルミニウム、チタン等が挙げられる。具体的には、リン酸系化合物としては、リン酸ランタン、ピロリン酸ランタン、リン酸スズ、ピロリン酸スズ、リン酸ジルコニウム、ピロリン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸セリウム、ピロリン酸セリウム、リン酸ケイ素、ピロリン酸ケイ素、リン酸アルミニウム、ピロリン酸アルミニウム、リン酸チタン、ピロリン酸チタン、リン酸タングステン、アパタイト等が例示される。検知電極3は、第これらのうちの少なくとも1種のリン酸系化合物を含有することができる。
これらの中でも、リン酸系化合物は、リン酸ランタン、リン酸スズ、ピロリン酸スズ、リン酸ジルコニウム、及びピロリン酸ジルコニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。この場合には、酸性物質が塩基性のアンモニアをより一層吸着し易くなるため、検知電極3がアンモニアをより一層吸着し易くなる。その結果、アンモニアセンサ素子1の検出精度がさらに向上する。
基準電極4は、上述の検知電極3と同様の構成にすることができる。つまり、基準電極4は、金属を含有し、プロトン導電性固体電解質、酸性物質等を含有することができる。ただし、基準電極4中の金属種、プロトン導電性固体電解質の種類、酸性物質の種類などは、検知電極3と同じであっても異なっていてもよい。
測定ガス室5は、測定ガスGmが導入される空間である。測定ガスGmは、例えば排ガスのようなアンモニアを含み得る混合ガスである。測定ガスGmが排ガスの場合には、測定ガスGmは、酸素、窒素、二酸化炭素、窒素酸化物、アンモニア、水素、炭化水素、水などを含む。測定ガス室5は、例えば第1固体電解質体2、第1スペーサ12、酸素排出機構6の一部等によって囲まれた空間からなる。
第1スペーサ12は、例えばアルミナのような電気絶縁性のセラミックスによって形成される。第1スペ−サ12は、ガスを実質的に透過させない緻密体によって形成される。
測定ガス室5は、ガス導入部51を有する。ガス導入部51は、測定ガス室5内への測定ガスGmの入口となる。図1に例示されるように、ガス導入部51は例えばアンモニアセンサ素子1の先端111に設けることができる。
ガス導入部51の形成位置は、先端111でなくてもよい。ガス導入部51は、例えばアンモニアセンサ素子1における測定ガスGmとの接触領域に設けることができる。好ましくは、アンモニアセンサ素子1の長尺方向Xにおける中央よりも先端111寄りにガス導入部51を設けることがよい。この場合には、測定ガスの流れを制御しなくても、ガス導入部51から測定ガスGmを容易に導入させるこができる。
アンモニアセンサ素子は、検知電極3に到達する測定ガスGmの量を制御するガス拡散層31を有することが好ましい。ガス拡散層31は、例えば多孔質セラミックスからなる。測定ガスGmは、ガス拡散層31内の多数の小孔を通過して拡散する。この拡散時の抵抗によって検知電極3に到達する測定ガスGmの量が制御される。
ガス拡散層31における多孔質セラミックスの材質としては、例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化タングステン、酸化スズ、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの中でも、酸素共存下で検出ガスであるアンモニアの酸化を抑制できるという観点から、酸化チタンが好ましい。
ガス拡散層31は、例えば測定ガス室5のガス導入部51に形成することができる。この場合には、測定ガス室5内に流入する測定ガスGmの量を制御することにより、検知電極3に到達する測定ガスGmの量を制御することができる。
構成の図示を省略するが、検知電極上にガス拡散層を積層形成することも可能である。つまり、検知電極をガス拡散層で被覆してもよい。この場合には、測定ガス室のガス導入部にガス拡散層を設けずとも、検知電極に到達する測定ガスの量を制御することができる。
基準ガス室8は、基準ガスGbが導入される空間である。基準ガス室8は、例えば固体電解質体2、第2スペーサ14、絶縁体13によって囲まれた空間からなる。絶縁体13及び第2スペーサ14は、ガスを実質的に透過させない緻密体によって形成される。固体電解質体2の基準ガス面22は基準ガス室6に面しており、基準電極4は基準ガス室6内に形成することができる。
基準ガス室8を設けることにより基準電極4を外部のガス雰囲気に対して区画することができる。これにより、外部のガス雰囲気中に含まれる例えば固形の飛来物が基準電極4に衝突して基準電極4が破損することを抑制することができる。なお、アンモニアセンサ素子1は、基準ガス室8を必ずしも有していなくてもよい。
基準ガス室8は、ガス導入部81を有する。ガス導入部81は、基準ガス室6内への基準ガスGbの入口となる。図1に例示されるように、ガス導入部81は例えばアンモニアセンサ素子1の基端112に設けることができる。ガス導入部81の位置は、上述の測定ガス室5のガス導入部51と同様に適宜変更可能である。基準ガスGbは例えば大気であるが、例えば排ガスのような測定ガスGmと同種のガスであってもよい。
基準ガス室8を形成する絶縁体13、第2スペーサ14は、例えばアルミナのような電気絶縁性のセラミックスによって形成される。第1固体電解質体2は、測定ガス室5と基準ガス室8との間に配置される。
酸素排出機構6は、測定ガス室5内の酸素を排出して測定ガス室5内の酸素濃度を調整する。図1〜図3に例示されるように、本形態において、酸素排出機構6は、酸素排出室61と、酸素イオン導電性固体電解質体62と、排出電極63と、対電極64とを有する。「酸素イオン導電性固体電解質体」のことを、以下適宜「第2固体電解質体」という。
酸素排出室61は、酸素が排出される空間である。酸素排出室61は、第2固体電解質体62、第3スペーサ16、セラミックスヒータ15によって囲まれた空間からなる。第3スペーサ16は、ガスを実質的に透過させない緻密体によって形成される。また、セラミックスヒータ15は、内部に発熱部151を有し、発熱部151の周囲はガスを実質的に透過させない緻密体によって形成される。第2固体電解質体62の酸素排出面622は、酸素排出室61に面しており、対電極64は酸素排出室61内に形成することができる。
第2固体電解質体62は、酸素イオン導電性固体電解質を含有する。酸素イオン導電性固体電解質は、酸素イオン伝導性固体電解質ともいう。酸素イオン伝導性固体電解質としては、例えばジルコニア、イットリア安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニア等が挙げられる。安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニアは、安定化剤が固溶したジルコニアである。安定化剤としては、イットリア、カルシア、マグネシア、スカンジア、イッテルビア、ハフニアからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する。酸素イオンの伝導性に優れるという観点から、イットリア安定化ジルコニアが好ましい。
図1〜図3に例示されるように、第2固体電解質体62は、酸素吸着面621と酸素排出面622とを有する。酸素吸着面621は、測定ガスGmと接触する面であり、測定ガスGm中の酸素が接触する面であるともいえる。本明細書においては、上述の第1固体電解質体2の測定ガス面21と区別するために酸素吸着面621というが、第2固体電解質体62の測定ガス面621ということもできる。これらを区別して第1固体電解質体2における測定ガス面を第1測定ガス面21、第2固体電解質体62の測定ガス面を第2測定ガス面621ということもできる。酸素排出面622は、酸素が排出される面である。
酸素吸着面621は測定ガス室5に面し、酸素吸着面621には排出電極63が形成されている。排出電極63は、測定ガス室5内に設けられており、第2固体電解質体62と接触する。また、酸素排出面622は酸素排出室61に面し、酸素排出面622には対電極64が形成されている。対電極64は酸素排出室61内に設けられており、第2固体電解質体62と接触する。つまり、対電極64、第2固体電解質体62、及び排出電極63がこの順で積層されている。
排出電極63は、例えば導電性に優れた金属、及び酸素イオン導電性固体電解質を含有することができる。金属としては、上述の検知電極3と同様のものが例示される。酸素イオン導電性固体電解質としては上述の第2固体電解質体62と同様のものが例示される。排出電極中の酸素イオン導電性固体電解質は、第2固体電解質体62と同じ物質でもよいが異なる物質でもよい。対電極64は、排出電極63と同様の構成にすることができる。
図1及び図2に例示されるように、排出電極63と対電極64と第2固体電解質体62の少なくとも一部62aとが排出セル63Cを構成する。第2固体電解質体62の少なくとも一部62aは、第2固体電解質体62において排出電極63と対電極64とに挟まれた領域である。排出セル63Cが測定ガス室5から酸素排出室61に酸素を排出するポンプ機能を果たす。つまり、排出電極63と対電極64との間に電圧が印加されると、測定ガス室5内の酸素が除去される。これにより、測定ガスGmの酸素濃度が例えば所定濃度以下に調整される。
セラミックスヒータ15は、内部に発熱部151を有し、発熱部151の周囲はガスを実質的に透過させない緻密体によって形成される。発熱部151は第1絶縁層152及び第2絶縁層153によって挟まれている。第1絶縁層152及び第2絶縁層153は、例えばアルミナの緻密体からなる。
アンモニアセンサ素子1は、例えば、セラミックスヒータ15、第3スペーサ16、第2固体電解質体62、第1スペーサ12、ガス拡散層31、第1固体電解質体2、第2スペーサ14、絶縁体13を形成するための各種セラミックスシートを順次積層し、焼成することにより得られる。なお、積層前に、第1固体電解質体2を形成するためのセラミックスシートには、検知電極3、基準電極4を形成するための各種電極ペーストを塗布しておく。第2固体電解質体62を形成するためのセラミックスシートには、排出電極63、対電極64を形成するための各種電極ペーストを塗布しておく。また、ヒータ15の第1絶縁層152又は第2絶縁層153を形成するためのセラミックスシートには、発熱部151や発熱部に電圧を印加するための各種リード部等を形成するための電極ペーストを塗布しておく。
図1〜図3に例示されるアンモニアセンサ素子1において、測定ガスGmは、アンモニアセンサ素子1の外部からガス拡散層31を通って測定ガス室5に導入される。そして、測定ガス室5内では、測定ガスGm中のアンモニアが検知電極3において以下の反応式(I)により分解され、プロトンが生成する。
2NH3 → 6H+ + 6e- ・・・(I)
検知電極3において生成したプロトンは、第1固体電解質体2内を伝導して基準電極4に至り、基準電極4において以下の反応式(II)によって水が生成する。
6H+ + 3/2O2 + 6e- → 3H2O ・・・(II)
検知電極3及び基準電極4において、上述の式(I)及び式(II)の反応が円滑に進行する場合、アンモニアの検知電極3への拡散が律速反応となる。これは、アンモニアの供給がガス拡散層31によって制限されるためである。そのため、検知電極3と基準電極4との間に、アンモニア濃度に依存した限界電流が観測される。この限界電流に基づいて、アンモニアセンサ素子1はアンモニア濃度を検出することができる。
測定ガス室5内に導入される測定ガスが酸素を含有する場合には、検知電極において、酸素が分解されてノイズ電流が発生するおそれがある。本形態においては、図1及び図2に例示されるように排出セル63Cを有する酸素排出機構6が設けられている。そのため、酸素が測定ガス室5から排出され、測定ガス室5内の酸素濃度を低くすることができる。したがって、アンモニアセンサ素子1は、測定ガスGmに酸素が含まれていたとしても、ノイズ電流の発生を防止し、精度よくアンモニア濃度を検出することができる。
排出セル63Cでは以下の反応により測定ガス室5から酸素排出室61へ酸素が排出される。具体的には、測定ガス室5内の酸素が排出電極63にて以下の反応式(III)によりイオン化する。
2 + 4e- → 2O2- ・・・(III)
排出電極63において生成した酸素イオンは第2固体電解質体62内を伝導し、対電極64に至り、対電極64において以下の反応式(IV)により分子化して酸素排出室61内に酸素が生成される。
2O2- → O2 + 4e- ・・・(IV)
式(III)及び式(IV)においては、測定ガス室5内で酸素が消費され、酸素排出室61内で酸素が生成される。したがって、測定ガス室5内の酸素が酸素排出室61内に排出されたことと同義となる。酸素排出室61の酸素は、例えば基端112に設けられた排出部611から外部に排出される。
図1及び図2に例示されるように、第1固体電解質体2の測定ガス面21と第2固体電解質体62の酸素吸着面621とは、測定ガス室5を介して対向している。そして、測定ガス面21には検知電極3が形成されており、酸素吸着面621には排出電極63が形成されている。
図1に例示されるように、測定ガス室5内において、排出電極63は検知電極3よりもガス導入部51の近くに形成されていることが好ましい。この場合には、ガス導入部51から測定ガス室5内に導入された測定ガスGmは、排出電極63により酸素が排出された後に、検知電極3に至る。したがって、検知電極3では、測定ガスGmは酸素濃度が低い状態となる。その結果、上述のノイズ電流の発現をより防止し、アンモニア濃度の検出精度がより向上する。
例えば温度350℃の条件においては、第1固体電解質体2は、測定ガス中の酸素濃度が300ppmを超えると酸素の分解による電子を伝導するおそれがあることを確認している。したがって、酸素排出機構6により、測定ガス室5内の酸素濃度を300ppm以下にすることが好ましい。この場合には、より確実にノイズ電流の発現を防止することができる。
また、第1固体電解質体2の温度が高くなりすぎると、第1固体電解質体2において酸素の取り込みが促進されて第1固体電解質体2において電子の伝導が起こるおそれがある。一方、第2固体電解質体62の温度が高くなると、酸素が排出電極63でイオン化し易く、排出セル63Cによる酸素の排出が進行しやすくなる。
そこで、アンモニアセンサ素子1を加熱するヒータ15は、図1〜図3に例示されるように、第1固体電解質体2よりも第2固体電解質体62の近くに配設されていることが好ましい。換言すれば、板状のアンモニアセンサ素子1の板厚方向Yの両端面のうち、第1固体電解質体よりも第2固体電解質体62の近くの端面に形成されていることが好ましい。これにより、第1固体電解質体2よりも第2固体電解質体62がヒータ15によって加熱されやすくなる。その結果、第1固体電解質体2においてはノイズ電流の発現がより抑制され、第2固体電解質体62においては酸素の排出反応が進行し易くなる。その結果、アンモニアの検出精度の更なる向上が可能になる。板厚方向Yは積層方向でもある。
このように、本形態によれば、アンモニア濃度を精度よく検出可能なアンモニア素子1を提供することができる。なお、本形態においては、酸素排出機構6を排出セル63Cによって構成したが、他の構成を採用することも可能である。例えばCeO2−ZrO2固溶体のような酸素吸蔵材料で一時的に酸素を取り込んで測定ガス室内を低酸素雰囲気とするという構成を採用することも可能である。
(実施形態2)
次に、基準電極が外部のガス雰囲気に露出したアンモニアセンサ素子の形態について、図4〜図9を参照して説明する。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図4〜図6に例示されるように、本形態のアンモニアセンサ素子1は、固体電解質体2、スペーサ等によって囲まれる基準ガス室を有していない。基準ガス面22及び基準電極4は、外部のガス雰囲気に露出し、外部のガス雰囲気と直接接触する。
具体的には、アンモニアセンサ素子1の固体電解質体2の基準ガス面22がアンモニアセンサ素子1の外部に露出している。そして、基準ガス面22に形成された基準電極4も外部に露出する。基準電極4は、外部のガス雰囲気に露出して測定ガスGmと同種のガス雰囲気に曝される。つまり、外部のガス雰囲気が測定ガスと同種のガス雰囲気である。
本形態においては、アンモニアセンサ素子1の軸方向Xにおける先端111から少なくとも検知電極3及び基準電極4が形成された領域までを測定ガス雰囲気に曝すことができる。この場合には、検知電極3と基準電極4とが同種のガス雰囲気に曝される。つまり、検知電極と基準ガス4との双方が例えば排ガスのような測定ガス雰囲気に曝される。これにより、検知電極3と基準電極4との間の起電力の発生を防止することができるため、アンモニア濃度のより精度よい検出が可能になる。以下、この理由を図7及び図8を用いて説明する。
図7は、検知電極3と基準電極4とがいずれも同種のガスに曝されるように構成された本形態のアンモニアセンサ素子1の電位Eと分解電流Iとの関係を示す。具体的には、検知電極3及び基準電極4の双方が排ガスに曝される場合である。実線がアンモニア濃度1000ppmのときの関係であり、破線がアンモニア濃度100ppmのときの関係である。
検知電極3と基準電極4とのいずれもが同種のガスに曝される場合には、図7に示されるように、電位のシフトが起こらずいずれの濃度においても0が起点となっている。つまり、雰囲気差によって発生し得る電位差が発生しないため、限界電流が生じるときの電位に誤差が生じない。したがって、アンモニア濃度によらず、例えば設定電位Esに対して限界電流を正しく検知することができる。
一方、図8は、検知電極と基準電極とが異なるガスに曝されるように構成されたアンモニアセンサ素子の電位Eと分解電流Iとの関係を示す。具体的は、検知電極が排ガスに曝され、基準電極が大気に曝される場合である。実線がアンモニア濃度1000ppmのときの関係であり、破線がアンモニア濃度100ppmのときの関係である。
検知電極と基準電極とが異なるガスに曝される場合には、図8に示されるようにアンモニア濃度に応じた起電力が発生する。電位をプラスに掃引すると検知電極で徐々にアンモニアが分解され、限界電流が発生する。そして、設定電圧Esに対する限界電流値からアンモニア濃度が算出される。さらに、電位をプラスに掃引すると固体電解質体自体に起因する電流が流れる。アンモニア濃度差に応じて起電力が発生すると、図8に示されるように電位に対して限界電流の位置が変化する。図8においては、図7に比べて、限界電流を生じるときの電位がマイナス方向にシフトしていることがわかる。ΔEが起電力である。アンモニア濃度が高くなるにつれてこのシフト幅は大きくなる傾向がある。
そのため、例えば設定電位Esにおいては、濃度100ppmの限界電流を正確に検知することはできるが、濃度1000ppmの限界電流の正確な検知が困難になる。濃度1000ppmについては、図8に示すように設定電位Esは限界電流ではなく、限界電流値から電流値が上昇を始める位置を検知している。これが、アンモニアの検出誤差となりうる。
図4〜図6に例示されるように、基準電極4を外部に露出させ、検知電極3と基準電極4とを同種のガス雰囲気に曝させることにより、図7に示すごとく起電力の発生を防止し、アンモニア濃度に依存することなく、より正確なアンモニア濃度の検出が可能になる。
図4〜図6に例示されるように、本形態のように基準電極4を露出させる場合には、基準ガス室6を形成するためのセラミックス層を設ける必要がない。そのため、アンモニアセンサ素子1のサイズを小さくして熱容量を小さくすることができる。これにより、セラミックスヒータ15によるアンモニアセンサ素子1の温度制御が容易になる。つまり、アンモニアセンサ素子1を所望の温度に調整し易くなる。
また、図9に例示されるように、基準電極4を覆う多孔質保護層41を形成することができる。つまり、基準電極4の表面に多孔質保護層41が形成されており、多孔質保護層41を外部のガス雰囲気に露出させることができる。多孔質保護層41はガス中の被毒成分を捕集する層である。被毒成分としては、例えば、Pb、P、Si、Fe、Mn等を含有する物質が挙げられる。具体的には、これらの元素を含む単体や化合物などである。
多孔質保護層41で基準電極4を被覆することにより、基準電極4の被毒を防止することができる。また、多孔質保護層41によって例えば固形の飛来物が基準電極4に衝突すること防止することができるため、基準電極4が破損することを防止できる。そのため、安定的なアンモニア濃度の検出が可能になり、耐久性が向上する。
多孔質保護層41は、多孔質セラミックスにより形成することができる。多孔質保護層41の多孔質セラミックスの材質としては、例えば、アルミナ、酸化チタン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、絶縁性、耐食性などに優れたアルミナが好ましい。その他の構成、効果は実施形態1と同様である。
(変形例1)
本例は、基準ガス室のガス導入部が先端に形成されたアンモニアセンサ素子の例である。図10に例示されるように、本形態においては、基準ガス室8のガス導入部81が、測定ガス室5のガス導入部51と同様にアンモニアセンサ素子1の軸方向Xにおける先端111に形成されている。
本形態のアンモニアセンサ素子1の先端111を例えば測定ガスに曝すと、測定ガス室5のガス導入部51と基準ガス室8のガス導入部81とから同種のガスが導入される。具体的には、例えば排ガスが導入される。したがって、本例においては、実施形態2と同様に、検知電極3と基準電極4とが同種のガス雰囲気に曝される。そのため、異種ガスに曝されることに基づいた上述の起電力の発生を防止することができる。したがって、より正確なアンモニア濃度の検出が可能になる。
つまり、本形態のように、アンモニアセンサ素子1が基準ガス室8を有していても、例えばそのガス導入部81の形成位置を調整することにより、基準電極4と検知電極3とを同種のガス雰囲気に曝すことが可能になる。
また、基準電極4が基準ガス室8内に形成されており、露出していないため、飛来物等により基準電極4が破損するリスクを軽減できる。基準ガス室8のガス導入部81には、図示しないトラップ層を形成することができる。トラップ層は、ガス中の被毒成分を捕集する層である。トラップ層は、例えば上述の多孔質保護層と同様に多孔質セラミックスにより形成することができる。その他の構成、効果は実施形態1と同様である。
(実施形態3)
次に、酸素センサセルを有するアンモニアセンサ素子の形態について、図11及び図12を参照して説明する。図11及び図12に例示されるように、本形態のアンモニアセンサ素子1においては、酸素排出機構6が酸素センサセル65Cを有する。酸素センサセル65Cは、酸素検知電極65と、対電極64と、これらの電極65、64に挟まれた第2固体電解質体の一部62bとから構成される。
酸素検知電極65は、例えば導電性に優れた金属、及び酸素イオン導電性固体電解質を含有することができる。酸素検知電極65は、排出電極63と同様の構成にすることができる。
酸素検知電極65は、排出電極63と同様に、測定ガス室5内における第2固体電解質体62の酸素吸着面621に形成することができる。酸素検知電極65は、排出電極63よりも測定ガス室5のガス導入部51から離れた位置に形成することができる。これにより、酸素センサセル65Cは、排出セル63Cによって酸素濃度が調整された後における測定ガスGm中の酸度濃度に応じた信号を出力することができる。酸素センサセル65Cにおいては、酸素検知電極65と対電極64との間に流れる電流、もしくは酸素検知電極65と対電極64との間の起電力を検出することによって、酸素濃度が検出される。
本形態のように、酸素排出機構6が酸素センサセル65Cを有する場合には、排出セル63Cにおいて酸素が排出された測定ガスGm中の実際の酸素濃度を実際にモニタすることができる。そして、測定ガスGm中の酸素濃度を充分に低く保つように排出セル63Cにおける酸素の排出を調整することが可能になる。そのため、検知電極3における酸素分解によるノイズ電流の発現をより確実に防止することが可能になる。
アンモニアセンサ素子1の軸方向Xにおける酸素検知電極65の形成位置は、検知電極3と同じにすることができる。この場合には、検知電極3においてアンモニア濃度の測定が実際に行われる測定ガスの酸素濃度を検知することができる。
そのため、酸素センサセル65Cによって検知される酸素濃度を低くすることにより、検知電極3において酸素の分解によるノイズ電流の影響をより確実に防止することできる。つまり、アンモニア濃度の正確な検出をより確実に行うことが可能になる。その他の構成、効果は実施形態2と同様である。
(実施形態4)
次に、雑ガスセンサセルを有するアンモニアセンサ素子の形態について、図13〜図15を参照して説明する。図13〜図15に例示されるように、本形態のアンモニアセンサ素子1においては、酸素排出機構6が酸素センサセル65Cと、雑ガスセンサセル66Cを有する。雑ガスセンサセル66Cは、雑ガス検知電極66と、対電極64と、これらの電極66、64に挟まれた第2固体電解質体の一部62cとから構成される。
雑ガス検知電極66は、例えば導電性に優れた金属、及び酸素イオン導電性固体電解質を含有することができる。雑ガス検知電極66は、排出電極63と同様の構成にすることができる。
雑ガス検知電極66は、排出電極63と同様に、測定ガス室5内における第2固体電解質体62の酸素吸着面621に形成することができる。雑ガス検知電極66は、排出電極63よりも測定ガス室5のガス導入部51から離れた位置に形成することができる。これにより、雑ガスセンサセル66Cは、排出セル63Cによって酸素濃度が調整された後における測定ガスGm中の雑ガス濃度に応じた信号を出力することができる。雑ガスセンサセル66Cにおいては、雑ガス検知電極66と対電極64との間に流れる電流を検出することによって、雑ガス濃度が検出される。雑ガスは、酸素以外の酸化ガスであり、具体的には例えばNOxである。
本形態のように、酸素排出機構6が雑ガスセンサセル66Cを有する場合には、雑ガスとして例えばNOxの濃度を検出することができる。測定ガスGm中に含まれるアンモニアの一部は、測定ガス中に含まれる酸素などの酸化ガスにより酸化されてNOxが生成する。この酸化によって生成したNOxは検知電極3では検出されない。そのため、測定ガスGm中のアンモニア濃度が正確に検出できない場合がある。
本形態のように、雑ガス検知電極66を設けることにより、雑ガスとして、アンモニアの酸化によって生成したNOxの濃度を検出することが可能になる。そして、このNOx濃度から酸化される前のアンモニア濃度を求めることにより、検知電極3によって検出されるアンモニア濃度を補正することができる。したがって、アンモニア濃度の更なる精密な検出が可能になる。
アンモニアセンサ素子1の軸方向Xにおける雑ガス検知電極66の形成位置は、上述の酸素検知電極65と同様に検知電極3と同じにすることができる。この場合には、検知電極3においてアンモニア濃度の測定が実際に行われる測定ガス中の雑ガス濃度を検出することができる。したがって、より正確な補正が可能になる。
図14及び図15に例示されるように、酸素検知電極65と雑ガス検知電極66は例えば幅方向Zに並列に形成することができる。この場合には、酸素検知と雑ガス検知とが同一応答時間で取得できるという効果が得られる。
図13、図14に例示されるように、雑ガス検知電極66は、検知電極3よりもヒータ15に近接させる好ましい。NOxガスの分解は、アンモニアの分解よりも高温で促進されるためである。その他の構成、効果は実施形態3と同様である。
本発明は上記各実施形態、変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えばアンモニアセンサ素子1の測定ガスGmに対する配置の仕方については、各ガス導入部51、81の形成位置、基準電極4の形成位置に応じて適宜変更することできる。
1 アンモニアセンサ素子
2 プロトン導電性固体電解質体
3 アンモニア検知電極
4 基準電極
5 測定ガス室
6 酸素排出機構

Claims (10)

  1. 測定ガス(Gm)と接触する測定ガス面(21)と、基準ガス(Gb)と接触する基準ガス面(22)とを有する、プロトン導電性固体電解質体(2)と、
    上記プロトン導電性固体電解質体の上記測定ガス面に形成されたアンモニア検知電極(3)と、
    上記プロトン導電性固体電解質体の上記基準ガス面に形成された基準電極(4)と、
    上記プロトン導電性固体電解質体の上記測定ガス面に面し、ガス導入部(51)から上記測定ガスが導入される測定ガス室(5)と、
    上記測定ガス室内の酸素を排出して上記測定ガス中の酸素濃度を調整する酸素排出機構(6)と、を備え、
    上記酸素排出機構は、酸素排出室(61)と、
    上記測定ガス室と上記酸素排出室との間に配置され、上記測定ガス室に面する酸素吸着面(621)、及び上記酸素排出室に面する酸素排出面(622)を有する酸素イオン導電性固体電解質体(62)と、
    上記酸素イオン導電性固体電解質体の上記酸素排出面に形成された対電極(64)と、
    上記酸素イオン導電性固体電解質体の上記酸素吸着面に形成され、上記対電極と上記酸素イオン導電性固体電解質体の少なくとも一部(62a)と共に上記測定ガス中の酸素濃度を調整する排出セル(63C)を構成する排出電極(63)と、を有する、アンモニアセンサ素子(1)。
  2. 上記測定ガス室内において、上記排出電極が上記アンモニア検知電極よりも上記ガス導入部に近接した、請求項1に記載のアンモニアセンサ素子。
  3. 上記酸素排出機構は、上記酸素イオン導電性固体電解質体の上記酸素吸着面に形成され、上記対電極と上記酸素イオン導電性固体電解質体の一部(62b)と共に、上記排出セルによって酸素濃度が調整された後における上記測定ガス中の酸度濃度に応じた信号を出力する酸素センサセル(65C)を構成する酸素検知電極(65)を有する、請求項1又は2に記載のアンモニアセンサ素子。
  4. 上記酸素排出機構は、上記酸素イオン導電性固体電解質体の上記酸素吸着面に形成され、上記対電極と上記酸素イオン導電性固体電解質体の一部(62c)と共に、上記排出セルによって酸素濃度が調整された後における上記測定ガス中の酸素以外の酸化ガス濃度に応じた信号を出力する雑ガスセンサセル(66C)を構成する雑ガス検知電極(66)を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンモニアセンサ素子。
  5. さらに、上記プロトン導電性固体電解質体よりも上記酸素イオン導電性固体電解質体に近接されたヒータ(15)を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアンモニアセンサ素子。
  6. さらに、上記アンモニア検知電極に到達する上記測定ガスの量を制御するガス拡散層(31)を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンモニアセンサ素子。
  7. さらに、上記基準ガス面に面し、上記基準ガスが導入される基準ガス室(8)を有し、上記プロトン導電性固体電解質体が上記基準ガス室と上記測定ガス室との間に配置された、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアンモニアセンサ素子。
  8. 上記アンモニア検知電極と上記基準電極とが同種のガス雰囲気に曝されるように構成された、請求項1〜のいずれか1項に記載のアンモニアセンサ素子。
  9. 上記基準電極が外部に露出した、請求項1〜のいずれか1項に記載のアンモニアセンサ素子。
  10. さらに、上記基準電極を覆う多孔質保護層(41)を有し、上記多孔質保護層が外部のガス雰囲気に露出した、請求項1〜6、8のいずれか1項に記載のアンモニアセンサ素子。
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