JP2020512524A - アンモニアセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】アンモニア濃度の検出応答性を向上することができるアンモニアセンサを提供する。【解決手段】酸素イオン伝導性を有する板状の固体電解質体1の表面に、アンモニアに対する反応性が互いに異なる一対の電極2が形成された板状センサ素子と、一対の電極2の間の電位差または電流の少なくとも一方を測定する測定装置とを備え、一対の電極2の両方が、測定対象ガスEに曝されるように形成され、固体電解質体1が多孔質体で形成され、板状センサ素子20の厚み方向において、板状センサ素子20の一方側面からこの一方側面に対向する他方側面まで測定対象ガスEが通流するガス通流孔が多数形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、酸素イオン伝導性を有する板状の固体電解質体の表面に、アンモニアに対する反応性が互いに異なる一対の電極が形成された板状センサ素子と、一対の電極の間の電位差または電流の少なくとも一方を測定する測定装置とを備え、一対の電極の両方が、測定対象ガスに曝されるように形成されているアンモニアセンサに関する。
かかるアンモニアセンサでは、一対の電極が測定対象ガスに曝されることにより、一方の電極において測定対象ガスに含まれる酸素をイオン化する反応が進行し、その反応により発生する酸素イオンが固体電解質内を移動し、他方の電極において酸素イオンが測定対象ガスに含まれるアンモニアを酸化する反応が進行する。このような一対の電極における反応により、測定対象ガス中のアンモニア濃度に応じた起電力が一対の電極の間に発生する。よって、この起電力を測定することにより、測定対象ガスに含まれるアンモニア濃度の検出を可能にするものである。
このようなアンモニアセンサとして、尿素SCRシステムを備えた自動車等から大気中に排出される排気ガスのアンモニア濃度を検出するものがある(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、アンモニアセンサによって検出されたアンモニア濃度に応じて、尿素SCRシステムにおいて排気ガス中に噴射する尿素量を、アンモニアの排出が抑制される尿素量に調整することが記載されている。よって、このような尿素SCRシステムを備えた自動車等から大気中に排出するアンモニアを低減するためには、アンモニアセンサの優れた応答性が必要である。
特開2013−40959号公報
近年、環境保護の観点より、自動車等から排出されるアンモニアに対する濃度規制が強化されつつある。このような濃度規制の強化に応じて、尿素SCRシステムを備えた自動車等から大気中に排出されるアンモニアを低減するために、アンモニアセンサの応答性の向上が望まれている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、アンモニア濃度の検出応答性を向上することができるアンモニアセンサを提供する点にある。
本発明に係るアンモニアセンサは、
酸素イオン伝導性を有する板状の固体電解質体の表面に、アンモニアに対する反応性が互いに異なる一対の電極が形成された板状センサ素子と、
前記一対の電極の間の電位差または電流の少なくとも一方を測定する測定装置とを備え、
前記一対の電極の両方が、測定対象ガスに曝されるように形成されているアンモニアセンサであって、その特徴構成は、
前記固体電解質体が多孔質体で形成され、
前記一対の電極が、アンモニアに対する酸化活性を有する第1電極と、当該第1電極よりもアンモニアに対する酸化活性が低い第2電極とにより構成され、
前記第1電極が、ZnO、SnOおよびInのいずれか1つ以上が含まれるアンモニアに対する酸化活性を有する材質を50〜90Wt%含有し、ガラスを1〜15Wt%含有し、
前記板状センサ素子の厚み方向において、前記板状センサ素子の固体電解質体の一方側面から当該一方側面に対向する他方側面まで前記測定対象ガスが通流するガス通流孔が多数形成されている点にある。
上記特徴構成によれば、測定対象ガスが固体電解質体内を通過して、センサ素子の一方側から他方側まで通流する。これにより、測定対象ガスが、測定対象ガスの電極反応が活発となる固体電解質体と電極の界面を含む電極全体に迅速に到達する。その結果、測定対象ガスに含まれるアンモニアの電極反応が進行するので、一対の電極の間に、アンモニアの濃度に応じた起電力が迅速に発生する。このように迅速に発生する起電力を測定装置によって測定することにより、アンモニア濃度を検出することができるので、アンモニア濃度の検出応答性を向上することができる。
例えば、固体電解質体が緻密質であるような場合には、固体電解質体が形成された電極の一方側表面が、固体電解質体によって塞がれた状態となるので、測定対象ガスの通流が阻害される状態となる。この場合、外部から新たに流入する測定対象ガスが、固体電解質体と電極の界面に迅速に到達することが阻害され、アンモニア濃度の検出応答性を向上させることができない。これに対し、本特徴構成によれば、上述の如く、測定対象ガスが、測定対象ガスの電極反応が活発となる固体電解質体と電極の界面を含む電極全体に迅速に到達するので、アンモニア濃度の検出応答性を向上することができる。
また、上記特徴構成によれば、第1電極においてアンモニアを酸化する電極反応が促進されるので、第1電極がアノード、第2電極がカソードとなる状態で、一対の電極の間に起電力を発生させることができる。
また、上記特徴構成によれば、ZnO、SnOおよびInが、アンモニアに対する高い酸化活性を有するので、アノードとなる第1電極において、測定対象ガスに含まれるアンモニアを酸化する電極反応を促進させることができる。これにより、一対の電極の間に大きな起電力が発生するので、その起電力に基づいて、より正確に測定対象ガスに含まれるアンモニア濃度を検出することができる。
また、上記特徴構成によれば、第1電極がガラスを含むので、第1電極の焼結性を向上させることができる。
本発明に係るアンモニアセンサの更なる特徴構成は、
前記固体電解質体の一方側面に前記一対の電極の一方が形成され、前記固体電解質体の一方側面に対向する他方側面に前記一対の電極の他方が形成された前記センサ素子を備えた点にある。
上記特徴構成によれば、測定対象ガスが、一方の電極と固体電解質体との界面を通過した後、固体電解質体内を通流して、他方の電極と固体電解質体との界面に到達するので、測定対象ガスの電極反応が活発になる固体電解質体と一方の電極の界面および固体電解質体と他方の電極の界面に迅速に到達する。これにより、測定対象ガスに含まれるアンモニアの電極反応が促進されるので、アンモニア濃度の検出応答性を向上することができる。また、固体電解質体の一方側面と他方側面との夫々に、1つずつ電極が設けられているので、固体電解質体の一方側面および他方側面の夫々において、電極面積を広く形成することができる。これにより、夫々の電極において、測定対象ガスに含まれるアンモニアの電極反応を促進することができる。
本発明に係るアンモニアセンサの更なる特徴構成は、
前記固体電解質の一方側面に、前記一対の電極が形成された前記センサ素子を備えた点にある。
上記特徴構成によれば、固体電解質体の一方側面に、一対の電極の両電極が形成されているので、両電極が設けられた固体電解質体の一方側面に測定対象ガスが到達することにより、測定対象ガスに含まれるアンモニアの電極反応によって起電力が発生する。よって、測定対象ガスの固体電解質体の他方側面への到達を必要とすることなく、測定対象ガスに含まれるアンモニアの電極反応によって発生する起電力を測定することができる。これにより、アンモニア濃度を迅速に検出することができる。
本発明に係るアンモニアセンサの更なる特徴構成は、
前記第2電極が、貴金属を含む点にある。
上記特徴構成によれば、貴金属が、酸素分子を酸素イオンに分解する高い分解活性を有するので、カソードとなる第2電極において、測定対象ガスに含まれる酸素を酸素イオン化する電極反応を促進させることができる。これにより、一対の電極の間に大きな起電力が発生するので、その起電力に基づいて、より正確に測定対象ガスに含まれるアンモニア濃度を検出することができる。
本発明に係るアンモニアセンサの更なる特徴構成は、
前記第2電極が、窒素酸化物ガスに対する分解活性を有する材質を含む点にある。
上記特徴構成によれば、測定対象ガスに含まれる窒素酸化物ガスが、アンモニアを酸化する電極反応に作用して、一対の電極の間に発生する起電力の低下を防止することができる。
つまり、測定対象ガスに窒素酸化物ガスとしての二酸化窒素が含まれる場合、この二酸化窒素が、アノードである第1電極におけるアンモニアを酸化する電極反応に作用することにより、一対の電極の間に発生する起電力が低下することがある。このような場合において、本特徴構成によれば、カソードである第2電極において、測定対象ガスに含まれる二酸化窒素から酸素イオンを分解する電極反応を促進させることができるので、一対の電極の間に発生する起電力が増加する。よって、上述した起電力の低下を防止することができる。
そして、測定対象ガスに含まれる二酸化窒素の濃度が高くなるほど、二酸化窒素が第1電極の電極反応に作用することにより発生する起電力の減少量が大きくなり、同様に、二酸化窒素が第2電極の電極反応に作用することにより発生する起電力の増加量も大きくなる。したがって、いずれの二酸化窒素の濃度においても、二酸化窒素が第1電極の電極反応に作用することにより発生する起電力の減少を、二酸化窒素が第2電極の電極反応に作用することにより発生する起電力の増加によって防止することができる。よって、測定対象ガスに二酸化窒素が含まれる場合でも、一対の電極の間に発生する起電力の低下を防止することができる。
本発明に係るアンモニアセンサの更なる特徴構成は、
前記窒素酸化物ガスに対する分解活性を有する材質が、NiO、CuO、Cr、WO、2CuO−Cr、LaNiO、LaCoO、La0.6Sr0.4Co0.8Fe0.2、La0.8Sr0.2MnO、またはLa0.85Sr0.15CrOのいずれか1つ以上の材質である点にある。
上記特徴構成によれば、上述の如く、測定対象ガスに含まれる窒素酸化物ガスが、アンモニアを酸化する電極反応に作用して、一対の電極2の間に発生する起電力の低下を防止することができる。
本発明に係るアンモニアセンサの更なる特徴構成は、
前記一対の電極の夫々は、酸素イオン導電性の固体電解質、アルミナ、ジルコニア、および、ガラスのいずれか1つ以上を含む点にある。
上記特徴構成によれば、一対の電極の夫々が、酸素イオン導電性の固体電解質を含んでいる場合には、電極内において電極反応が活性化する電極材料と固体電解質との界面が増加する。よって、一対の電極の夫々において、電極反応を促進することができる。
また、一対の電極の夫々が、アルミナまたはジルコニアを含んでいる場合には、一対の電極の夫々の電気抵抗値を調整することができる。具体的には、絶縁体であるアルミナまたはジルコニアの含有量を調節することで、一対の電極の夫々の電気抵抗値を、所望の抵抗値に調整することができる。例えば、夫々の電極の電気抵抗値を調整することにより、測定対象ガスに含まれる共存ガスである水分や酸素が、一対の電極の間に発生する起電力に与える影響をできるだけ少なくすることができる。
さらに、一対の電極の夫々が、ガラスを含んでいる場合には、電極の焼結性を向上させることができる。つまり、焼結温度が高いアルミナまたはジルコニアを含むことにより、電極の焼結温度を高温にすることが必要となるが、ガラスを電極に含ませることにより、電極の焼結性を向上させることができるので、アルミナまたはジルコニアが電極に含まれている場合でも、電極の焼結温度が高温になることを防止することができる。
本発明に係るアンモニアセンサの更なる特徴構成は、
前記固体電解質体は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)、サマリウムドープセリア(SDC)、ガドリニウムドープセリア(GDC)または二酸化トリウム(ThO)のいずれかの材質により形成されている点にある。
上記特徴構成によれば、固体電解質体が良好な酸素イオン導電性を有するので、カソードとなる電極において発生する酸素イオンを、効率よく固体電解質体内に取り入れて移動させることができる。そして、良好な酸素イオンの移動に伴って発生する大きな起電力を測定することにより、測定対象ガスに含まれるアンモニア濃度を正確に検出することができる。
本発明に係るアンモニアセンサの更なる特徴構成は、
前記測定対象ガスに含まれる一酸化炭素および炭化水素を酸化する未燃物酸化触媒層が、前記板状センサ素子の前記一方側面および前記他方側面の少なくともいずれか一方に設けられた点にある。
上記特徴構成によれば、一対の電極における電極反応を阻害する可能性のある一酸化炭素および炭化水素が、一対の電極に流入する前に酸化除去されるので、一酸化炭素および炭化水素が、一対の電極における電極反応を阻害することを防止できる。これにより、アンモニア濃度の検出精度の低下を防止することができる。
本発明に係るアンモニアセンサの更なる特徴構成は、
前記未燃物酸化触媒層が、Pt、Pd、Rh、Ir、RuまたはAgのいずれか1つ以上が分散担持された多孔性セラミックを含む点にある。
上記特徴構成によれば、一酸化炭素および炭化水素が、一対の電極における電極反応を阻害することを防止することができるので、アンモニア濃度の検出精度の低下を防止することができる。
本発明に係るアンモニアセンサの更なる特徴構成は、
前記測定対象ガスに含まれるアンモニアを酸化するアンモニア酸化触媒層が、前記板状センサ素子の前記一方側面または前記他方側面に設けられた点にある。
上記特徴構成によれば、測定対象ガスが一対の電極に流入する前に、測定対象ガスに含まれるアンモニアの一部又は全部を酸化除去することができる。例えば、所定の濃度のアンモニアを酸化除去するアンモニア酸化触媒層を設けることにより、測定対象ガスに含まれるアンモニアが所定の濃度以下の場合にはアンモニアを検出せず、測定対象ガスに含まれるアンモニアが所定の濃度を超える場合にはアンモニアを検出することができる。
本発明に係るアンモニアセンサの更なる特徴構成は、
前記アンモニア酸化触媒層は、Co、MnO、V、Ni−Al、Fe−Al、Mn−Al、CuO−Al、Fe−Al、Fe−TiO、Fe−ZrO、または、金属イオン交換ゼオライトのいずれか1つ以上を含む点にある。
上記特徴構成によれば、上述の如く、測定対象ガスが一対の電極に流入する前に、測定対象ガスに含まれるアンモニアの一部又は全部を酸化除去することができるので、例えば、測定対象ガスに含まれるアンモニアが所定の濃度以下の場合はアンモニアを検出せず、所定の濃度を超える場合にアンモニアを検出することができる。
本発明に係るアンモニアセンサの更なる特徴構成は、
前記板状センサ素子を支持する支持体が、前記板状センサ素子の前記一方側面または前記他方側面に設けられ、
前記支持体に、前記板状センサ素子を加熱するヒータが設けられている点にある。
上記特徴構成によれば、板状センサ素子が支持体によって支持されているので、板状センサ素子の機械的強度を補強することができる。また、板状センサ素子を加熱するヒータが設けられているので、板状センサ素子を所定の最適温度に加熱することができる。
本発明に係るアンモニアセンサの更なる特徴構成は、
前記板状センサ素子の前記一方側面に、前記板状センサ素子を支持する支持体が設けられ、前記第1電極が形成された前記板状センサ素子の前記他方側面に、前記測定対象ガスに含まれる一酸化炭素と炭化水素とを酸化する未然物酸化触媒層および前記測定対象ガスに含まれるアンモニアを酸化するアンモニア酸化触媒層が積層状態で設けられている点にある。
上記特徴構成によれば、測定対象ガスが、板状センサ素子の他方側面から流入する場合、未然物酸化触媒層およびアンモニア酸化触媒層を通過して、板状センサ素子に流入するので、アンモニアの電極反応を阻害する可能性のある一酸化炭素および炭化水素が、第1電極に流入する前に酸化除去されるので、アンモニア濃度の検出精度の低下を防止することができる。さらに、測定対象ガスに含まれるアンモニアの一部又は全部が、第1電極に流入する前に酸化除去されるので、例えば、測定対象ガスに含まれるアンモニアが所定の濃度以下の場合はアンモニアを検出せず、所定の濃度を超える場合にアンモニアを検出することができる。また、板状センサ素子が支持体によって支持されているので、板状センサ素子の機械的強度を補強することができる。
本発明に係るアンモニアセンサの更なる特徴構成は、
前記一対の電極の間に、一定の電圧または一定の電流を印加する電源装置を備えた点にある。
上記特徴構成によれば、一対の電極の間に、一定の電圧または一定の電流を印加することにより、一対の電極における電極反応を促進することができる。よって、例えば、アンモニアの電極反応に応じて発生する起電力が小さく、その起電力から測定対象ガスに含まれるアンモニア濃度を検出することが困難であるような場合でも、一対の電極の間に一定の電圧または一定の電流を印加することにより、アンモニアの電極反応が促進されるので、一対の電極の間においてアンモニアの電極反応に基づく大きな電位差または電流が発生する。この電位差または電流の少なくとも一方を測定することにより、測定対象ガスに含まれるアンモニア濃度を正確に検出することができる。
本発明に係るアンモニアセンサの更なる特徴構成は、
前記一対の電極の間に、前記第1電極がアノードとなる状態、かつ、前記第2電極がカソードとなる状態で、電圧または電流を印加する電源装置を備えている点にある。
上記特徴構成によれば、第1電極がアノード、かつ、第2電極がカソードとなるように電源装置により電圧または電流を印加することにより、第1電極では測定対象ガスに含まれるアンモニアを酸化する電極反応が促進され、第2電極では測定対象ガスに含まれる酸素をイオン化する電極反応が促進される。よって、上述の如く、アンモニアの電極反応に基づいて発生する起電力が小さく、その起電力から測定対象ガスに含まれるアンモニア濃度を検出することが困難であるような場合でも、測定対象ガスに含まれるアンモニア濃度を正確に検出することができる。
本発明に係るアンモニアセンサは、測定対象ガスが固体電解質内を通過し、センサ素子の固体電解質の一方側面から他方側面まで通流する。これにより、測定対象ガスが、測定対象ガスの電極反応が活発になる固体電解質と電極の界面全体に迅速に到達する。その結果、測定対象ガスに含まれているアンモニアの電極反応が進行されるので、一対の電極の間にアンモニアの濃度による起電力が迅速に発生する。このように、迅速に発生する起電力を測定装置によって測定することにより、アンモニア濃度を検出することができるので、アンモニア濃度検出の応答性を向上させることができる。
また、本発明に係るアンモニアセンサは、電極にガラス成分が添加されるため、電極の焼結性が向上する。電極の焼結性の向上は、電極と固体電解質の熱膨張係数の差を最小化し、機械的接合強度を向上させることができる。また、ガラス成分の添加は、電極と固体電解質の界面の安定性を向上させるし、センサ信号の信頼性を向上させることができる。本発明に係るアンモニアセンサでNHの電荷交換反応は、多数のマイクロセル(Micro-cell)での反応の総和として、電極と固体電解質の界面の安定性は、マイクロセル(Micro-cell)の変化を最小限に抑えて、センサ信号の変化を抑制することができる。
また、ガラス成分の添加は、本発明に係るアンモニアセンサの信号の大きさを向上させることができる。本発明に係るアンモニアセンサの信号は、非平衡状態の測定対象ガスの電極での電気化学的触媒(電荷交換がある)反応により発生する。しかし、電極は、化学的触媒(電荷交換がなし)の役割も同時に行うことができ、測定対象ガスが非平衡状態のガスである場合には、測定対象ガスが電極を通過する過程で、化学的触媒反応によって濃度が減少して三重点に到達するため、センサの信号が減少する。そのため、電極の気孔率が高いほど、感度は減少するので、ガラス成分の添加による焼結性の向上に伴う気孔率の減少は、センサの感度(信号の大きさ)を向上させることができる。
第1実施形態に係るアンモニアセンサの概略図 第1実施形態に係るアンモニアセンサの断面図 第1実施形態に係るアンモニアセンサの分解斜視図 アンモニアセンサの電圧と電流との関係を示す図 アンモニア濃度増加時のアンモニアセンサの応答性を示す図 アンモニア濃度減少時のアンモニアセンサの応答性を示す図 共存ガスが起電力に及ぼす影響を示す図 アンモニア濃度と起電力の関係を示す図 第2実施形態に係るアンモニアセンサの分解斜視図 第2実施形態に係るアンモニアセンサの断面図 第3実施形態に係るアンモニアセンサの分解斜視図 第3実施形態に係るアンモニアセンサの断面図 別実施形態に係るアンモニアセンサの概略図
〔第1実施形態〕
本発明に係るアンモニアセンサの第1実施形態について、以下、図面に基づいて説明する。本実施形態のアンモニアセンサは、例えば、ディーゼルエンジンに設けられた尿素SCRシステムから排出される排出ガスを測定対象ガスとして、その排出ガスに含まれるアンモニア(NH)の濃度を検出するために用いるものである。なお、本実施形態のアンモニアセンサが測定対象とする測定対象ガスは、尿素SCRシステムから排出される排出ガスに限定されるものではなく、その他のアンモニアを含む排出ガスを測定対象ガスとしてもよい。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るアンモニアセンサ100は、板状センサ素子20を備えている。また、図2に示すように、板状センサ素子20は、酸素イオン伝導性を有する板状の固体電解質体1と固体電解質体の表面に形成された一対の電極2を含む。板状センサ素子20の一方側面に、板状センサ素子20を支持する支持体3が設けられ、板状センサ素子20の他方側面に、測定対象ガスに含まれる一酸化炭素および炭化水素を酸化する未燃物酸化触媒層4が設けられている。以下、図1及び図2において、板状センサ素子20の厚み方向において、板状センサ素子20から支持体3に向かう図面下方側を一方側と呼び、支持体3から板状センサ素子20に向かう図面上方側を他方側と呼ぶ。
また、図1に示すように、アンモニアセンサ100には、一対の電極2の間の電位差または電流の少なくとも一方を測定する測定装置12が設けられている。この測定装置12は、支持体3に設けられた一対の端子6に接続されている。この測定装置12により、測定対象ガスに含まれるアンモニアの濃度に応じて一対の電極2の間に発生する起電力を測定する。詳しくは後述するが、一対の端子6は支持体3に設けられたリード線5により一対の電極2に接続されている。
アンモニアセンサ100は、一対の電極2を測定対象ガスに曝すことにより、排気ガスのアンモニア濃度を検出することが可能となる。例えば、アンモニアセンサ100を測定対象ガスが流れる排気管内等に設置して、測定対象ガスのアンモニア濃度が検出される。
図2及び図3に基づいて、板状センサ素子20について詳細に説明する。固体電解質体1は方形の板状に形成されている。また、固体電解質体1は多孔質体で形成され、その多孔質体の気孔率は、10%から80%の間のいずれかの気孔率となるように形成されている。本実施形態では、固体電解質体1の気孔率は23%となるように形成されている。また、固体電解質体1には、測定対象ガスが固体電解質体1の一方側面から一方側面に対向する他方側面に到達する貫通孔が多数形成されている。この貫通孔は、固体電解質体1内の微細な気孔同士が接続することによって形成されるものである。
また、固体電解質体1は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)、サマリウムドープセリア(SDC)、ガドリニウムドープセリア(GDC)または二酸化トリウム(ThO)のいずれかの材質により形成されている。
一対の電極2について説明する。本実施形態に係るアンモニアセンサ100は、板状の固体電解質体1の一方側面に一対の電極2のうちの一方の電極2a(一方側電極と呼ぶ)が形成され、板状の固体電解質体1の一方側面に対向する他方側面に一対の電極2のうちの他方の電極2b(他方側電極と呼ぶ)が形成された板状センサ素子20を有する。つまり、一対の電極2は、固体電解質体1の一方側面と他方側面の夫々に1つずつ設けられている。一方側電極2aおよび他方側電極2bは、薄板状に形成され、かつ、固体電解質体1の厚み方向から見た平面視で方形に形成されている。また、固体電解質体1の厚み方向から見た平面視で、固体電解質体1よりも若干小さくなるように形成されている。
一対の電極2の夫々は、固体電解質体1と同様に、多孔質体で形成され、測定対象ガスが電極2の一方側面から一方側面に対向する他方側面に到達する貫通孔が多数形成されている。このように一対の電極2と固体電解質体1とが多孔質体により形成されているので、板状センサ素子20の厚み方向において、板状センサ素子20の一方側面と他方側面との間で測定対象ガスが通流するガス通流孔が板状センサ素子20に多数形成される。つまり、測定対象ガスが、板状センサ素子20の一方側面から他方側面に向けて、および、他方側面から一方側面に向けて板状センサ素子20を通過することができるガス通流孔が板状センサ素子20に多数形成される。なお、詳しくは後述するが、未燃物酸化触媒層4についても、測定対象ガスが通流可能な多孔質体で形成されている。
図2において破線の矢印で示すように、例えば、測定対象ガスEは、板状センサ素子20の他方側面から流入し、他方側電極2b、固体電解質体1および一方側電極2aの内部を通過して、板状センサ素子20の一方側面まで通流する。そして、板状センサ素子20の他方側面から一方側面まで通流した測定対象ガスEは、板状センサ素子20の一方側の側面から板状センサ素子20の外部に流出する。このようにして、板状センサ素子20の一方側面と他方側面に設けられた一対の電極2の両方が、測定対象ガスEに曝されるように形成されている。なお、図示はしないが、測定対象ガスEは、板状センサ素子20の一方側面から流入し、一方側電極2a、固体電解質体1および他方側電極2bを通過して、板状センサ素子20の他方側面まで通流することもできる。
一対の電極2は、測定対象ガスに含まれるアンモニアに対する酸化活性を有する第1電極Cと、この第1電極Cよりも測定対象ガスに含まれるアンモニアに対する酸化活性が低い第2電極Dとにより構成されている。本実施形態では、一方側電極2aを第2電極Dとし、他方側電極2bを第1電極Cとする。
具体的には、第1電極Cが、アンモニアに対する酸化活性が高い材質であるZnO、SnOおよびInのいずれか1つ以上を含んでおり、第2電極Dが、それらのアンモニアに対する酸化活性が高い材質よりも、アンモニアに対する酸化活性が低い貴金属により形成されている。本実施形態では、第1電極Cが、ZnOを含んで形成されており、第2電極Dが、白金で形成されている。
第1電極Cおよび第2電極Dにおける電極反応について詳細に説明する。カソードである第2電極Dと固体電解質体1との界面では、測定対象ガスに含まれる酸素ガスが酸素イオンとなるカソード反応が起こる。
Figure 2020512524
アノードである第1電極Cと固体電解質体1との界面では、測定対象ガスに含まれる酸素イオンが酸素ガスとなるアノード反応が起こる。また、アンモニアが測定対象ガスに含まれる場合は、以下の化学式2に示すように、アンモニアによるアノード反応が起こる。
Figure 2020512524
よって、アンモニアセンサ100の一対の電極2の両方が測定対象ガスに曝されると、第1電極Cおよび第2電極Dにおいて上述した電極反応が起こるので、測定対象ガスに含まれるアンモニアの濃度に応じた起電力が一対の電極2の間に発生する。この起電力を測定装置12により測定することにより、測定対象ガスに含まれるアンモニア濃度を検出することができる。
また、第1電極Cは、酸素イオン導電性の固体電解質、アルミナ、ジルコニア、および、ガラスのいずれか1つ以上を含んで形成されている。本実施形態では、第1電極Cが、酸素イオン導電性の固体電解質、アルミナ、および、ガラスを含んで形成されている。
第1電極Cが、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を含むことにより、第1電極C内において、電極材料と固体電解質との界面が増加するので、電極反応が活性化する。これにより、第1電極Cにおいて、電極反応が促進される。酸素イオン導電性の固体電解質は、第1電極Cにおいて5〜30Wt%の範囲で含有されていることが好ましい。本実施形態では、酸素イオン導電性の固体電解質は、固体電解質体1と同じイットリア安定化ジルコニア(YSZ)である。
また、第1電極Cが、アルミナを含むことにより、第1電極Cの電気抵抗値を、所望の抵抗値に調整することができる。これにより、測定対象ガスに含まれる共存ガスである水分や酸素が、アンモニア濃度の検出に与える悪影響をできるだけ少なくなるように、第1電極Cの電気抵抗値を調整することができる。アルミナは、第1電極Cにおいて1〜30Wt%の範囲で含有されていることが好ましい。
さらに、第1電極Cが、ガラスを含むことにより、アンモニアセンサ100を作成する際に、第1電極Cの焼結性を向上させることができる。ガラスは、第1電極Cにおいて1〜15Wt%の範囲で含有されていることが好ましい。本実施形態では、ガラスは、二酸化ケイ素を主成分とするものである。
また、第1電極Cにおいて、アンモニアに対する酸化活性の高い材質は、50〜90Wt%の範囲で含有されていることが好ましい。本実施形態では、第1電極Cには、アンモニアに対する酸化活性の高い材質としてのZnO、 イットリア安定化ジルコニア、アルミナ、および、ガラスが、65:27:6:2の重量割合で含まれている。
このようなアンモニアセンサ100によるアンモニア濃度の検出方法は、例えば、アンモニアセンサ100によって測定対象ガスのアンモニア濃度を検出する前に、既知のアンモニア濃度のアンモニア混合ガスを使用して、アンモニアセンサ100の一対の電極2の間に発生する起電力を測定する。次に、それらの測定結果に基づいて、アンモニア濃度と起電力との関係曲線を作成する。そして、アンモニアセンサ100によって測定対象ガスのアンモニア濃度を検出する際に、作成したアンモニア濃度と起電力との関係曲線を参照して、測定装置12によって測定した起電力に対応するアンモニア濃度を検出することができる。
このようなアンモニア濃度の検出方法を実施するために、アンモニア濃度を検出するための検出装置(図示せず)を設けることができる。つまり、測定装置12によって測定された起電力が入力され、かつ、アンモニア濃度と起電力との関係曲線が記憶されるように構成され、入力された起電力と記憶されている関係曲線からアンモニア濃度を検出する検出装置を設けることにより、アンモニア濃度を検出することができる。
図1から図3に示された未燃物酸化触媒層4は、上述の如く、測定対象ガスが通流可能な多孔質体で形成され、測定対象ガスに含まれる一酸化炭素および炭化水素を酸化するために、Pt、Au、Pd、Rh、Ir、RuまたはAgなどの貴金属、それらの貴金属が分散担持された多孔性セラミックなどから選択された一つ以上の材質により形成されている。本実施形態では、白金が分散担持された多孔性セラミックにより未燃物酸化触媒層4が形成されている。
未燃物酸化触媒層4は、固体電解質体1の厚み方向から見た平面視で、固体電解質体1と同等の寸法に形成されている。よって、未燃物酸化触媒層4は、固体電解質体1の他方側面に形成された他方側電極2bの他方側表面の全体を覆う状態、かつ、未燃物酸化触媒層4の周縁部が固体電解質体1の周縁部に密着する状態で板状センサ素子20の他方側面に積層されている。
図2および図3に基づいて、支持体3について説明する。支持体3は、長尺形状に形成された第1支持板3aと第2支持板3bとが積層されて形成されている。第1支持板3aの長手方向の先端側部分の他方側面に板状センサ素子20が設けられている。板状センサ素子20は、固体電解質体1と支持体3との間に、一方側電極2aを挟む状態、かつ、固体電解質体1の周縁部が支持体3に密着する状態で、第1支持板3aの他方側面に積層されている。
第1支持板3aの長手方向の後端側部分の他方側面に一対の端子6が設けられている。一対の端子6は測定装置12に接続される。また、第1支持板3aの他方側面には、板状センサ素子20の一対の電極2を一対の端子6に接続するリード線5が設けられている。リード線5は白金で形成されている。
第1支持板3aと第2支持板3bとの間には板状センサ素子20を加熱するヒータ8が設けられている。ヒータ8は、第1支持板3aと第2支持板3bの間において、かつ、第1支持板3aおよび第2支持板3bの長手方向の先端側部分において、固体電解質体1の厚み方向から見た平面視で板状センサ素子20に重なる位置に設けられている。また、第2支持板3bの長手方向における後端側部分には、一対のヒータ端子9が設けられている。ヒータ8と一対のヒータ端子9とはヒータ接続線10で接続されている。一対のヒータ端子9は第2支持板3bの一方側面に設けられ、図示しないヒータ用電源に接続されている。このヒータ用電源により、ヒータ8を所定の温度に加熱することができる。
第1支持板3aと第2支持板3bは、緻密質のアルミナ又はイットリア安定化ジルコニア(YSZ)で形成されている。なお、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)で形成された場合は、第1支持板3aとヒータ8との間および第2支持板3bとヒータ8との間に図示しないアルミナあるいはジルコニアなどの絶縁層が形成される。
図4に、本実施形態のアンモニアセンサ100の電圧と電流との関係を示す。図中、横軸の電圧は、一対の電極2の間に印加した印加電圧であり、縦軸の電流は、印加電圧に応じて一対の電極2の間に発生した電流である。この電圧と電流との関係は、酸素21%、窒素79%の乾燥混合ガス中において、アンモニアセンサ100を700℃に加熱した状態で、一対の電極2の間に、−5Vから5Vの間の電圧を所定の電圧間隔で印加することにより得られた電圧と電流との関係である。なお、固体電解質体1の厚みは50μmとした。
図4には、印加電圧を−5Vから5Vの間で往復させた場合の電流の変化が示されているが、図に示された電圧と電流との関係は、ヒステリシスを示さないことがわかる。よって、測定対象ガスに含まれるアンモニア濃度が変化した場合にも、アンモニア濃度を正確に検出することができる。
図5及び図6に示す起電力(EMF)の変化は、測定対象ガスに含まれるアンモニア濃度が変化した時に、アンモニアセンサ100から出力される起電力の変化を示したものであり、本実施形態のアンモニアセンサ100の応答性を示すものである。また、図5及び図6に示す起電力は、LPガスの燃焼により発生した酸素13%を含む燃焼ガスにアンモニアを混合した混合ガスを測定対象ガスとし、かつ、アンモニアセンサ100を測定対象ガスが流れる排気管に取り付け、アンモニアセンサ100を700℃に加熱した状態で得られた起電力である。なお、燃焼ガスの温度は250℃であり、燃焼ガスに混合するアンモニアの量を調節することにより、測定対象ガスのアンモニア濃度を変化させた。
図5に示したアンモニアセンサ100の起電力の変化は、測定対象ガスのアンモニア濃度を、0ppmから42ppmに増加させた時の起電力の変化であり、図6に示した電圧の変化は、測定対象ガスのアンモニア濃度を、208ppmから0ppmに減少させた時の起電力の変化である。
また、図5及び図6に、従来の緻密質固体電解質で構成されたアンモニアセンサから出力される起電力の変化をあわせて示す。図中、本実施形態のアンモニアセンサ100の起電力を実線で示し、従来のアンモニアセンサの起電力を破線で示した。なお、図5及び図6においては、測定対象ガスのアンモニア濃度の変化により、アンモニアセンサ100から出力される起電力の上昇または低下が開始が確認された時刻を、横軸において0secとして示した。
図5及び図6に示した起電力の変化から、本実施形態のアンモニアセンサ100は、上述の如く、固体電解質体1が多孔質体で形成されて、測定対象ガスが測定対象ガスの電極反応が活発となる固体電解質体1と電極2の界面を含む電極全体に迅速に到達するので、アンモニア濃度増加時及びアンモニア濃度減少時の両方において、従来のアンモニアセンサに比べてアンモニア濃度に応じた起電力が迅速に出力される。よって、従来のアンモニアセンサに比べてアンモニアセンサ100の応答性が向上していることがわかる。なお、測定装置12により、図5及び図6に示した起電力が測定され、この起電力から上述の検出装置等によりアンモニア濃度が検出される。
図7に、測定対象ガスに含まれる水分および酸素が、本実施形態のアンモニアセンサ100の起電力に及ぼす影響を調査した結果を示す。図7に示した起電力(EMF)は、アンモニアセンサ100を測定対象ガスが流れる排気管に取り付け、アンモニアセンサ100を700℃に加熱した状態で、測定対象ガスの水分濃度および酸素濃度を変化させることにより得られた起電力である。
具体的には、図7に示す期間a〜dの各期間において、測定対象ガスのアンモニア濃度が250ppmとなるように、測定対象ガスにアンモニアを添加した。また、期間aおよび期間bが含まれる期間P1においては、酸素濃度21%、水分濃度1%および窒素バランスの測定対象ガスを使用し、期間cおよび期間dが含まれる期間P2においては、酸素濃度15%、水分濃度3%および窒素バランスの測定対象ガスを使用した。なお、期間a〜d以外の期間においては、測定対象ガスにアンモニアは含まれていない。
図7に示すように、期間a〜dにおいて、同じ大きさの起電力が得られることがわかる。よって、少なくとも上記の濃度範囲において水分濃度および酸素濃度が変化した場合でも、アンモニアセンサ100がアンモニア濃度に応じて発生する起電力に影響を及ぼさないことがわかる。このように、測定対象ガスに含まれる水分濃度および酸素濃度が変化した場合でも、測定対象ガスのアンモニア濃度を正確に検出できる。なお、図7に示した起電力は、図5及び図6に示した起電力よりも小流量の測定対象ガスを測定対象として得られた起電力である。よって、図7に示したアンモニアセンサ100の応答性は、図5及び図6に示したアンモニアセンサ100の応答性と異なっている。
図8に、本実施形態のアンモニアセンサ100の、アンモニア濃度と起電力(EMF)との関係を示す。図8に示したアンモニア濃度と起電力との関係は、LPガスの燃焼により発生した酸素13%を含む燃焼ガスにアンモニアを混合した混合ガスを測定対象ガスとし、かつ、アンモニアセンサ100を測定対象ガスが流れる排気管に取り付け、アンモニアセンサ100を700℃に加熱した状態で得られたアンモニア濃度と起電力との関係である。なお、燃焼ガスの温度は135℃であり、燃焼ガスに混合するアンモニアの量を調節することにより、測定対象ガスのアンモニア濃度を変化させた。図8から、アンモニア濃度の増加に伴って、起電力が増加することがわかる。なお、図に示したアンモニア濃度と起電力との関係は、アンモニア濃度と起電力との関係曲線の一例であり、この関係曲線を参照することにより、測定装置12によって測定した起電力に対応するアンモニア濃度を検出することができる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明に係るアンモニアセンサの第2実施形態を、図9及び図10に基づいて説明する。この第2実施形態に係るアンモニアセンサ100は、固体電解質体1の一方側面に、一対の電極2が形成されている板状センサ素子20を有する点で上述の第1実施形態と異なっている。図9に、本実施形態に係るアンモニアセンサ100の分解斜視図を示し、図10に、本実施形態に係るアンモニアセンサ100の長手方向における板状センサ素子20が設けられた部分の断面図を示す。
第2実施形態では、図9及び図10に示すように、一対の電極2が、支持体3の長手方向に直行する短手方向に並ぶ状態で、固体電解質体1と支持体3との間に設けられている。そして、一対の電極2は、支持体3の長手方向の後端側から先端側に向かって、右側に設けられた右側電極2cと、左側に設けられた左側電極2dとにより構成されている。この第2実施形態では、右側電極2cを第1電極Cとし、左側電極2dを第2電極Dとする。
右側電極2cおよび左側電極2dは、薄板状に形成され、かつ、固体電解質体1の厚み方向から見た平面視で、支持体3の長手方向に長辺を有する長方形状に形成されている。
また、上記第1実施形態と同様に、一対の電極2と固体電解質体1とが貫通孔を有する多孔質体により形成されているので、板状センサ素子20の厚み方向において、板状センサ素子20の一方側面と他方側面との間で測定対象ガスが通流するガス通流孔が板状センサ素子20に多数形成されている。
例えば、図10において破線の矢印で示すように、測定対象ガスEは、板状センサ素子20の他方側面から流入し、固体電解質体1、右側電極2cおよび左側電極2dを通過して、板状センサ素子20の一方側面まで通流する。板状センサ素子20の他方側面から一方側面まで通流した測定対象ガスEは、板状センサ素子20の一方側の側面から板状センサ素子20の外部に流出する。このようにして、板状センサ素子20の一方側面と他方側面に設けられた一対の電極2の両方が、測定対象ガスEに曝されるように形成されている。なお、図示はしないが、測定対象ガスEは、板状センサ素子20の一方側面から流入し、右側電極2c、左側電極2dおよび固体電解質体1を通過して、板状センサ素子20の他方側面まで通流することができる。
板状センサ素子20の他方側面に、多孔質体で形成された未燃物酸化触媒層4が設けられている。具体的には、未燃物酸化触媒層4は、固体電解質体1の厚み方向から見た平面視で、固体電解質体1と同等の寸法に形成されている。そして、未燃物酸化触媒層4の一方側面が固体電解質体1の他方側面に密着する状態で、未燃物酸化触媒層4が板状センサ素子20の他方側面に積層されている。
また、板状センサ素子20の一方側面に、板状センサ素子20を支持する支持体3が設けられている。具体的には、板状センサ素子20が、固体電解質体1と支持体3との間に、右側電極2cおよび左側電極2dを挟む状態、かつ、固体電解質体1の一方側面の周縁部が第1支持板3aの他方側面に密着する状態で、第1支持板3aに積層されている。
〔第3実施形態〕
以下、本発明に係るアンモニアセンサの第3実施形態を、図11及び図12に基づいて説明する。この第3実施形態に係るアンモニアセンサ100は、測定対象ガスに含まれるアンモニアを酸化するアンモニア酸化触媒層7が板状センサ素子20に設けられている点で上述の第1実施形態と異なっている。図11に、本実施形態に係るアンモニアセンサ100の分解斜視図を示し、図12に、本実施形態に係るアンモニアセンサ100の長手方向における板状センサ素子20が設けられた部分の断面図を示す。
第3実施形態に係るアンモニアセンサ100は、図11及び図12に示すように、板状センサ素子20の一方側面に、板状センサ素子20を支持する支持体3が設けられ、第1電極Cが形成された板状センサ素子20の他方側面に、未然物酸化触媒層4およびアンモニア酸化触媒層7が積層状態で設けられている。具体的には、アンモニア酸化触媒層7は、固体電解質体1の厚み方向から見た平面視で、未然物酸化触媒層4と同等の寸法となるように形成され、未然物酸化触媒層4の他方側面に積層されている。また、アンモニア酸化触媒層7は、未然物酸化触媒層4と同様に、測定対象ガスが通流可能な多孔質体で形成されている。よって、図12に示すように、測定対象ガスEは、アンモニア酸化触媒層7の一方側面から流入し、アンモニア酸化触媒層7および未然物酸化触媒層4を通過して、板状センサ素子20の一方側面に到達する。
また、アンモニア酸化触媒層7は、Co、MnO、V、Ni−Al、Fe−Al、Mn−Al、CuO−Al、Fe−Al、Fe−TiO、Fe−ZrO、または、金属イオン交換ゼオライトのいずれか1つ以上の材質を含んで形成されている。
このように、アンモニア酸化触媒層7を設けることにより、測定対象ガスが一対の電極2に流入する前に、測定対象ガスに含まれるアンモニアの一部又は全部を酸化除去することができる。例えば、アンモニア酸化触媒層7の材質や、アンモニア酸化触媒層7の厚さを調整することにより、アンモニア酸化触媒層7を通過する測定対象ガスから、所定の濃度のアンモニアを酸化除去することができる。よって、アンモニア酸化触媒層7を設けたアンモニアセンサ100により、測定対象ガスに含まれるアンモニアが所定の濃度以下の場合にはアンモニアを検出せず、測定対象ガスに含まれるアンモニアが所定の濃度を超える場合にはアンモニアを検出することができる。
〔第4実施形態〕
以下、本発明に係るアンモニアセンサの第4実施形態を説明する。この第4実施形態に係るアンモニアセンサ100は、第2電極Dが、窒素酸化物ガスに対する分解活性を有する材質を含んで形成されている点で上述の第1実施形態と異なっている。
第2電極Dに含まれる窒素酸化物ガスに対する分解活性を有する材質は、具体的には、NiO、CuO、Cr、WO、2CuO−Cr、LaNiO、LaCoO、La0.6Sr0.4Co0.8Fe0.2、La0.8Sr0.2MnO、またはLa0.85Sr0.15CrOのいずれか1つ以上の材質である。
また、第2電極Dは、酸素イオン導電性の固体電解質、アルミナ、ジルコニア、および、ガラスのいずれか1つ以上を含んで形成されている。つまり、一対の電極2の夫々は、酸素イオン導電性の固体電解質、アルミナ、ジルコニア、および、ガラスのいずれか1つ以上を含んで形成されている。具体的には、第2電極Dは、酸素イオン導電性の固体電解質、アルミナ、および、ガラスを含んで形成されている。第2電極Dにおいて、酸素イオン導電性の固体電解質は、2〜25Wt%の範囲で含有されていることが好ましく、アルミナは、5〜60Wt%の範囲で含有されていることが好ましい。また、ガラスは、1〜15Wt%の範囲で含有されていることが好ましく、窒素酸化物ガスに対する分解活性を有する材質は、50〜90Wt%の範囲で含有されていることが好ましい。本実施形態では、第2電極Dにおいて、窒素酸化物ガスに対する分解活性を有する材質としてのLaCoO、イットリア安定化ジルコニア、アルミナ、および、ガラスが、60:10:25:5の重量割合で含まれている。
この第4実施形態に係るアンモニアセンサ100においては、測定対象ガスに含まれる窒素酸化物ガスとしての二酸化窒素が、アンモニアを酸化する電極反応によって発生する起電力が低下することを防止して、測定対象ガスに含まれるアンモニアの濃度を正確に検出することができる。
つまり、測定対象ガスに二酸化窒素が含まれる場合、この二酸化窒素が、アノードである第1電極Cにおけるアンモニアを酸化する電極反応に作用して、一対の電極2の間に発生する起電力が減少することがあるが、カソードである第2電極Dが、窒素酸化物ガスとしての二酸化窒素に対する分解活性を有する材質を含んでいるので、測定対象ガスに含まれる二酸化窒素から酸素イオンを分解する電極反応が促進される。この第2電極Dにおける電極反応により発生した酸素イオンにより、一対の電極2の間に発生する起電力が増加する。
そして、第1電極Cの電極反応に二酸化窒素が作用して発生する起電力の減少と、第2電極Dの電極反応に二酸化窒素が作用して発生する起電力の増加とは、測定対象ガスに含まれる二酸化窒素の濃度に応じた増加量又は減少量となる。つまり、測定対象ガスに含まれる二酸化窒素の濃度が高くなるほど、二酸化窒素が第1電極Cの電極反応に作用することにより発生する起電力の減少量が大きくなり、同様に、二酸化窒素が第2電極Dの電極反応に作用することにより発生する起電力の増加量も大きくなる。したがって、例えば、第1電極Cにおいて単位濃度の二酸化窒素が作用して発生する起電力の減少量と、第2電極Dにおいて単位濃度の二酸化窒素が作用して発生する起電力の増加量とが同じになるように、第2電極Dに対する二酸化窒素に対する分解活性を有する材質の混合率を予め調整することにより、いずれの二酸化窒素の濃度においても、二酸化窒素が第1電極Cの電極反応に作用することにより発生する起電力の減少を、二酸化窒素が第2電極Dの電極反応に作用することにより発生する起電力の増加によって相殺することができる。
よって、第2電極Dに、窒素酸化物ガスに対する分解活性を有する材質を適切に含ませることにより、測定対象ガスに二酸化窒素が含まれる場合でも、一対の電極2の間に発生する起電力が低下することを防止しつつ、測定対象ガスに含まれるアンモニアの濃度を正確に検出することができる。
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態においては、一対の電極2の間に、一対の電極の間の電位差または電流の少なくとも一方を測定する測定装置12を備えたが、図13に示すように、一対の電極2の間に、測定装置12に加えて、一対の電極2の間に一定の電流または電圧を印加する電源装置を設けてもよい。その場合、第1電極Cがアノードとなる状態、かつ、第2電極Dがカソードとなる状態で、電源装置12を備えてもよい。
(2)上記実施形態においては、第1電極Cが、アンモニアに対する酸化活性が高い材質であるZnO、SnOおよびInのいずれか1つ以上の材質に加え、酸素イオン導電性の固体電解質、アルミナ、および、ガラスを含んで形成されたが、これに限らず、第1電極Cを、アンモニアに対する酸化活性が高い材質であるZnO、SnOおよびInのいずれか1つ以上の材質のみにより形成してもよい。
(3)上記第1実施形態においては、第2電極Dが、貴金属のみで形成されたが、これに限らず、第2電極Dが、貴金属に加え、酸素イオン導電性の固体電解質、アルミナ、ジルコニア、および、ガラスのいずれか1つ以上を含んで形成されていてもよい。
(4)上記第1実施形態においては、未然物酸化触媒層4が、測定対象ガスに含まれる一酸化炭素および炭化水素を酸化するPt、Au、Pd、Rh、Ir、RuまたはAgなどの貴金属、それらの貴金属が分散担持された多孔性セラミックなどから選択された一つ以上の材質により形成されたが、これに限らず、未然物酸化触媒層4に、測定対象ガスに含まれるアンモニアを酸化する材質が含まれていてもよい。また、アンモニアを酸化する材質として、Co、MnO、V、Ni−Al、Fe−Al、Mn−Al、CuO−Al、Fe−Al、Fe−TiO、Fe−ZrO、または、金属イオン交換ゼオライトのいずれか1つ以上の材質を使用することができる。これにより、未然物酸化触媒層4により、測定対象ガスに含まれる一酸化炭素および炭化水素に加えて、測定対象ガスに含まれるアンモニアを酸化することができる。
(5)上記第1実施形態においては、一方側電極2aを第2電極Dとし、他方側電極2bを第1電極Cとしたが、これに限らず、一方側電極2aを第1電極Cとし、他方側電極2bを第2電極Dとしてもよい。
(6)上記第2実施形態においては、右側電極2cを第1電極Cとし、左側電極2dを第2電極Dとしたが、これに限らず、右側電極2cを第2電極Dとし、左側電極2dを第1電極Cとしてもよい。また、右側電極2cおよび左側電極2dを、固体電解質体1の一方側面に設けたが、これに限らず、右側電極2cおよび左側電極2dを、固体電解質体1の他方側面に設けてもよい。
(7)上記第3実施形態においては、板状センサ素子20の一方側面に、板状センサ素子20を支持する支持体3が設けられ、第1電極Cが形成された板状センサ素子20の他方側面に、未然物酸化触媒層4およびアンモニア酸化触媒層7が積層状態で設けられたが、
これに限らず、未燃物酸化触媒層4とアンモニア酸化触媒層7とを、板状センサ素子20の一方側面に設けてもよい。この場合、板状センサ素子20の一方側面と支持体3との間に未然物酸化触媒層4およびアンモニア酸化触媒層7を挟む状態で、板状センサ素子20の一方側面に支持体3を設けてもよい。
(8)上記第3実施形態においては、板状センサ素子20に設けられた未然物酸化触媒層4にアンモニア酸化触媒層7が積層されたが、これに限らず、板状センサ素子20にアンモニア酸化触媒層7を設け、そのアンモニア酸化触媒層7に未然物酸化触媒層4を積層してもよい。
(9)上記第3実施形態においては、板状センサ素子20の一方側面に、未然物酸化触媒層4とアンモニア酸化触媒層7とが積層状態で設けられたが、これに限らず、未然物酸化触媒層4を設けずに、アンモニア酸化触媒層7を、板状センサ素子20の一方側面または他方側面に設けてもよい。この場合、アンモニア酸化触媒層7に、測定対象ガスに含まれる一酸化炭素および炭化水素を酸化する材質が含まれていてもよい。また、炭化水素を酸化する材質として、Pt、Au、Pd、Rh、Ir、RuまたはAgなどの貴金属、それらの貴金属が分散担持された多孔性セラミックなどから選択された一つ以上の材質を使用することができる。これにより、アンモニア酸化触媒層7により、測定対象ガスに含まれるアンモニアに加えて、測定対象ガスに含まれる一酸化炭素および炭化水素を酸化することができる。
(10)上記第4実施形態においては、第2電極Dが、窒素酸化物ガスに対する分解活性を有する材質に加え、酸素イオン導電性の固体電解質、アルミナ、ジルコニア、および、ガラスを含んで形成されたが、これに限らず、第2電極Dを、窒素酸化物ガスに対する分解活性を有する材質のみにより形成してもよい。
(11)上記実施形態においては、板状センサ素子20の他方側面に未燃物酸化触媒層4を設けたが、これに限らず、未燃物酸化触媒層4を設けなくてもよい。また、板状センサ素子20の一方側面および他方側面に未燃物酸化触媒層4を設けてもよい。
(12)上記実施形態においては、板状センサ素子20の他方側面に未燃物酸化触媒層4を設けたが、これに限らず、板状センサ素子20の一方側面に未燃物酸化触媒層4を設けてもよい。この場合、板状センサ素子20の一方側面と支持体3との間に未燃物酸化触媒層4を挟む状態で、板状センサ素子20の一方側面に支持体3を設けてもよいし、板状センサ素子20の他方側面に支持体3を設けてもよい。
(13)上記実施形態においては、板状センサ素子20の一方側面に支持体3を設けたが、これに限らず、板状センサ素子20の他方側面に支持体3を設けてもよい。
(14)上記実施形態においては、板状センサ素子20の一方側面に支持体3を設けたが、これに限らず、支持体3を設けなくてもよい。この場合、一対の電極2と測定装置12とを接続するためのリード線5や端子9は、固体電解質体1に設けることができる。
(15)上記実施形態においては、固体電解質体1が平板状に形成されたが、これに限らず、固体電解質体1が曲板状に形成されていてもよい。
(16)上記実施形態においては、一対の電極2の夫々が、酸素イオン導電性の固体電解質、アルミナ、および、ガラスを含んで形成されたが、これに限らず、一対の電極の夫々が、酸素イオン導電性の固体電解質、アルミナ、ジルコニア、および、ガラスのいずれか1つ以上を含んで形成されていてもよい。例えば、酸素イオン導電性の固体電解質のみを含んでいてもよいし、酸素イオン導電性の固体電解質とアルミナのみを含んでいてもよい。その他、酸素イオン導電性の固体電解質、ジルコニア、および、ガラスを含んでいてもよい。
(17)上記実施形態においては、一対の電極2の夫々に含まれる酸素イオン導電性の固体電解質が、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)であるが、これに限らず、一対の電極2に含まれる酸素イオン導電性の固体電解質が、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)、サマリウムドープセリア(SDC)、ガドリニウムドープセリア(GDC)または二酸化トリウム(ThO)のいずれかであってもよい。
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
以上説明したように、アンモニア濃度の検出応答性を向上することができるアンモニアセンサを提供することができる。
1 固体電解質体
2 電極
3 支持体
4 未燃物酸化触媒層
7 アンモニア酸化触媒層
8 ヒータ
11 電源装置
12 測定装置
20 板状センサ素子
100 アンモニアセンサ
C 第1電極
D 第2電極
E 測定対象ガス

Claims (16)

  1. 酸素イオン伝導性を有する板状の固体電解質体の表面に、アンモニアに対する反応性が互いに異なる一対の電極が形成された板状センサ素子と、
    前記一対の電極の間の電位差または電流の少なくとも一方を測定する測定装置とを備え、
    前記一対の電極の両方が、測定対象ガスに曝されるように形成されているアンモニアセンサであって、
    前記固体電解質体が多孔質体で形成され、
    前記一対の電極が、アンモニアに対する酸化活性を有する第1電極と、当該第1電極よりもアンモニアに対する酸化活性が低い第2電極とにより構成され、
    前記第1電極が、ZnO、SnOおよびInのいずれか1つ以上が含まれるアンモニアに対する酸化活性を有する材質を50〜90Wt%含有し、ガラスを1〜15Wt%含有し、
    前記板状センサ素子の厚み方向において、前記板状センサ素子の固体電解質体の一方側面から当該一方側面に対向する他方側面まで前記測定対象ガスが通流するガス通流孔が多数形成されているアンモニアセンサ。
  2. 前記固体電解質体の一方側面に前記一対の電極の一方が形成され、前記固体電解質体の一方側面に対向する他方側面に前記一対の電極の他方が形成された前記センサ素子を備えた請求項1に記載のアンモニアセンサ。
  3. 前記固体電解質の一方側面に、前記一対の電極が形成された前記センサ素子を備えた請求項1に記載のアンモニアセンサ。
  4. 前記第2電極が、貴金属を含む請求項1に記載のアンモニアセンサ。
  5. 前記第2電極が、窒素酸化物ガスに対する分解活性を有する材質を含む請求項1に記載のアンモニアセンサ。
  6. 前記窒素酸化物ガスに対する分解活性を有する材質が、NiO、CuO、Cr、WO、2CuO−Cr、LaNiO、LaCoO、La0.6Sr0.4Co0.8Fe0.2、La0.8Sr0.2MnO、またはLa0.85Sr0.15CrOのいずれか1つ以上の材質である請求項5に記載のアンモニアセンサ。
  7. 前記一対の電極の夫々は、酸素イオン導電性の固体電解質、アルミナ、ジルコニア、および、ガラスのいずれか1つ以上を含む請求項1に記載のアンモニアセンサ。
  8. 前記固体電解質体は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)、サマリウムドープセリア(SDC)、ガドリニウムドープセリア(GDC)または二酸化トリウム(ThO)のいずれかの材質により形成されている請求項1に記載のアンモニアセンサ。
  9. 前記測定対象ガスに含まれる一酸化炭素および炭化水素を酸化する未燃物酸化触媒層が、前記板状センサ素子の前記一方側面および前記他方側面の少なくともいずれか一方に設けられた請求項1に記載のアンモニアセンサ。
  10. 前記未燃物酸化触媒層が、Pt、Pd、Rh、Ir、RuまたはAgのいずれか1つ以上が分散担持された多孔性セラミックを含む請求項9に記載のアンモニアセンサ。
  11. 前記測定対象ガスに含まれるアンモニアを酸化するアンモニア酸化触媒層が、前記板状センサ素子の前記一方側面または前記他方側面に設けられた請求項1に記載のアンモニアセンサ。
  12. 前記アンモニア酸化触媒層は、Co、MnO、V、Ni−Al、Fe−Al、Mn−Al、CuO−Al、Fe−Al、Fe−TiO、Fe−ZrO、または、金属イオン交換ゼオライトのいずれか1つ以上を含む請求項11に記載のアンモニアセンサ。
  13. 前記板状センサ素子を支持する支持体が、前記板状センサ素子の前記一方側面または前記他方側面に設けられ、
    前記支持体に、前記板状センサ素子を加熱するヒータが設けられている請求項1に記載のアンモニアセンサ。
  14. 前記板状センサ素子の前記一方側面に、前記板状センサ素子を支持する支持体が設けられ、前記第1電極が形成された前記板状センサ素子の前記他方側面に、前記測定対象ガスに含まれる一酸化炭素と炭化水素とを酸化する未然物酸化触媒層および前記測定対象ガスに含まれるアンモニアを酸化するアンモニア酸化触媒層が積層状態で設けられている請求項1に記載のアンモニアセンサ。
  15. 前記一対の電極の間に、一定の電圧または一定の電流を印加する電源装置を備えた請求項1に記載のアンモニアセンサ。
  16. 前記一対の電極の間に、前記第1電極がアノードとなる状態、かつ、前記第2電極がカソードとなる状態で、一定の電圧または一定の電流を印加する電源装置を備えている請求項1に記載のアンモニアセンサ。
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