JP2011149417A - エアブラストインジェクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第2可動コア11の空気通路を廃止して、第2ニードル9の中心孔12の上端から液体燃料と加圧空気とを供給する。第2可動コア11の下側に導かれた加圧空気は、横穴17を通って外周通路15の下方へ向かう外周側加圧空気と、中心孔12の下方へ向かう中心側加圧空気とに分れる。第2噴射孔7が開かれると、外周側加圧空気がベンチュリー部18を通過することで、下穴20が中心孔12の液体燃料を吸い出すとともに、中心側加圧空気が中心孔12の燃料を下穴20を介してベンチュリー部18に押し出す。下穴20からベンチュリー部18に導かれた液体燃料は、ベンチュリー部18を通過する外周側加圧空気に瞬時に混ざり合うため、噴射初期から噴霧粒径を微粒化できる。
【選択図】 図1
Description
なお、エアブラストインジェクタにおけるエンジンの搭載方向は、第2インジェクタ内の燃料が重力によって第2噴射孔(加圧空気とともに液体燃料を噴射させる第2インジェクタの噴射孔)へ向かうように、第2噴射孔がエアブラストインジェクタの天地方向の下側に配置されるものであり、以下の明細書中では、エアブラストインジェクタをエンジンに搭載した状態における「天地方向の上側(天側)」を上、「天地方向の下側(地側)」を下と称して説明する。
液体燃料の微粒化を達成するインジェクタとして、エアブラストインジェクタが知られている。エアブラストインジェクタは、液体燃料の噴射を行なう第1インジェクタと、この第1インジェクタから噴射された液体燃料と加圧空気を一緒に噴射させる第2インジェクタとから構成される複合インジェクタであり、加圧空気が第2噴射孔(第2インジェクタの噴射孔)を通過する際に音速化することで、加圧空気とともに噴射される液体燃料を微粒化するものである。
第1インジェクタ1の第1噴射孔3(燃料噴射孔)は、第2インジェクタ2の第2ニードル9に設けられた中心孔12の上端と対向配置されており、第1噴射孔3は中心孔12の上端部に向けて燃料の噴射を行なう。
一方、第1インジェクタ1の第1噴射孔3が燃料噴射を行なう空間(第1インジェクタ1の下部空間)には、エア導入通路44を介して外部から加圧された空気(エアポンプで加圧された空気)が供給される。
これにより、第2インジェクタ2の上部には、第1インジェクタ1から噴射燃料が供給されるとともに、エア導入通路44を介して加圧空気が供給される。
一方、第2インジェクタ2の上部に供給された加圧空気は、中心孔12を通って下方の第2噴射孔7に向かうとともに、第2ニードル9の周囲に形成される外周通路15を通って下方の第2噴射孔7に向かう。
そして、第2噴射孔7が開かれると、
(i)中心孔12に加圧供給された空気が、中心孔12の内部に溜まった燃料を下穴20を介して外周通路15の下部(第2噴射孔7に近い部分)に向かって押し出す第1燃料押出作用が生じるとともに、
(ii)外周通路15に加圧供給された空気が、中心孔12から下穴20を介して外周通路15に押し出された燃料を、第2噴射孔7に向けて押し出す第2燃料押出作用が生じる。
しかし、従来技術では、第2インジェクタ2の上部に供給された加圧空気を外周通路15に導くために、第2可動コア11(第2ニードル9に駆動力を付与する第2電磁駆動部のアーマチャ)に、上下方向へ貫通する空気通路J1を設けている。
このため、第2可動コア11を磁気吸引する作用面積や、第2可動コア11において磁束が通過する面積が小さくなってしまい、結果的に第2可動コア11に作用する磁気吸引力が低下し、第2ニードル9の作動応答性(即ち、エアブラストインジェクタの応答性)が低下してしまう。
また、第2可動コア11に空気通路J1を設けた状態で、第2可動コア11に作用する磁気吸引力を向上させて第2ニードル9の応答性を高めようとした場合には、第2可動コア11を大径化する必要があり、その結果、エアブラストインジェクタが大型化してしまう。
このように設けることにより、エアブラストインジェクタの大型化を回避して第2ニードル9の応答性を高めることができる。
請求項1のエアブラストインジェクタは、上記の課題を解決するために、次の技術的手段を採用する。
〇第2ニードルの外周面には、第2可動コアが固定される。
〇第2ニードルにおける第2可動コアより上方(例えば、中心孔の上端部)には、第1インジェクタの噴射燃料と、外部より加圧供給された空気とを、中心孔の内部に入れる上穴が設けられる。
〇第2ニードルにおける第2可動コアより下側には、中心孔の通路途中と、第2ニードルの周囲に形成される外周通路とを連通する横穴が設けられる。
〇この横穴より下方の第2ニードルまたは第2ノズルボディには、外周通路にベンチュリー部(絞り部)を形成するベンチュリー形成部が設けられる。
〇第2ニードルにおける横穴より下方には、中心孔の下端とベンチュリー部とを連通する下穴が設けられる。
〇加圧空気が、第2可動コアを通過するのではなく、加圧空気が燃料とともに、第2ニードルの内部に設けられた中心孔を通って第2可動コアの上方から下方へ供給される。
このため、第2可動コアに作用する磁気吸引力の低下を防ぐことができ、第2インジェクタの作動応答性が損なわれる不具合を回避することができる。また、第2可動コアに、加圧空気を通過させるための空気通路を形成する必要がなくなるため、加工コストを低減することができる。
(i)横穴を通って外周通路に供給され、その外周通路を通って下方へ向かう加圧空気(以下、外周側加圧空気と称する)と、
(ii)横穴を通らずに中心孔を通って下方へ向かう加圧空気(以下、中心側加圧空気と称する)とに分れる。
一方、第2噴射孔が開かれると、中心側加圧空気が中心孔に溜まった液体燃料を下方へ向けて押し出す。その結果、中心孔の内部には、中心孔に溜まった液体燃料を下穴を介してベンチュリー部に押し出す「燃料押出作用」が生じる。
このようにして、液体燃料と加圧空気との混合性が促進されるため、第2インジェクタの噴射初期から噴霧粒径を微粒化することができる。
請求項2のエアブラストインジェクタは、横穴より下側における中心孔の内部容積が、1回の燃料噴射量(最大噴射量)よりも大きく設けられる。
これにより、1回の燃料噴射量を、横穴より下側の中心孔に溜めることができ、横穴より液体燃料が外周通路へ溢れ出て、第2インジェクタの噴射開始前に外周通路に液体燃料が溜まる不具合を回避することができる。即ち、噴射開始初期に、外周通路の下部に溜まった液体燃料がまとまって第2噴射孔から外部に噴射される不具合がなく、噴射開始初期における噴霧粒径が大きくなる不具合を回避することができる。
請求項3のエアブラストインジェクタは、下穴の内径寸法が、横穴の内径寸法より小さく設けられる。
このように、下穴の内径寸法を小さく設けることで、中心孔に溜まった液体燃料が、下穴およびベンチュリー部を通過して、第2インジェクタの噴射開始前に外周通路に液体燃料が溜まる不具合を回避することができる。即ち、上記請求項2の手段と同様、噴射開始初期に、外周通路の下部に溜まった液体燃料がまとまって第2噴射孔から外部に噴射される不具合がなく、噴射開始初期における噴霧粒径が大きくなる不具合を回避することができる。
請求項4のエアブラストインジェクタにおける中心孔の最下端部は、下穴に連通して設けられる。
これにより、第2噴射孔から燃料を噴射した後に、中心孔の内部に液体燃料が貯溜する不具合が生じない。
請求項5のエアブラストインジェクタにおける第1インジェクタは、第1噴射孔から噴射された液体燃料を、中心孔の内部へ直接供給する燃料ノズルを備えるものであり、外部から供給された加圧空気は、燃料ノズルの外壁と中心孔の内壁との間に形成される環状通路を通って中心孔に供給される。
これにより、第1インジェクタから噴射された液体燃料を、効率的かつ確実に中心孔の内部へ供給できる。
加圧空気は、ベンチュリー部を通過する際に圧縮されて高速化し、音速、もしくは音速に近い流速に達する。そして、ベンチュリー部において高速化した「加圧空気」は、ベンチュリー部を通過した後も、「ベンチュリー部の隙間に沿った直進性」をほぼ維持したままで第2噴射孔に向かって高速に流れる。
そこで、請求項6の手段は、上記の特性(ベンチュリー部を通過した後も「液体燃料を含む加圧空気」がベンチュリー部の隙間に沿うように直進性を保って高速に流れる特性)に着目した発明であり、ベンチュリー部から第2噴射孔に至る外周通路の途中に、ベンチュリー部を通過した「液体燃料を含む加圧空気の流れ」が衝突する突起部を設けるものである。
即ち、突起部を設けることで、ベンチュリー部から第2噴射孔に至る間で、加圧空気と液体燃料の混合を促進できる。
このように、液体燃料と加圧空気との混合性を、請求項6の手段によって促進させることにより、第2噴射孔から噴射された燃料の分裂を促進でき、結果的に燃料噴霧の微粒化を向上させることができる。
請求項7のエアブラストインジェクタは、
ベンチュリー部の流路面積をS1、
第2噴射孔の流路面積をS2とした場合、
0.2≦S1/S2
を満足するものである。
これにより、第2噴射孔の流路面積S2によらず、第2噴射孔を通過する「液体燃料を含む加圧空気」の流速のマッハ数(音速に対する流速比)をほぼ1.0にできる。
このように、第2噴射孔を通過する「液体燃料を含む加圧空気」の流速をほぼ音速にできるため、第2噴射孔から噴射される燃料の微粒化を達成できる。
請求項8のエアブラストインジェクタは、
ベンチュリー部の流路面積をS1、
第2噴射孔の流路面積をS2とした場合、
0.4≦S1/S2
を満足するものである。
これにより、エア圧力(外部より加圧供給される空気圧力)によらず、第2噴射孔を通過する「液体燃料を含む加圧空気」の流速のマッハ数をほぼ1.0にできる。
このように、第2噴射孔を通過する「液体燃料を含む加圧空気」の流速をほぼ音速にできるため、第2噴射孔から噴射される燃料の微粒化を達成できる。
請求項9のエアブラストインジェクタは、
ベンチュリー部の流路面積をS1、
第2噴射孔の流路面積をS2とした場合、
0.5≦S1/S2≦0.8
を満足するものである。
これにより、エア圧力によらず、ベンチュリー部を通過する加圧空気の流速を高めることができる。
このように、ベンチュリー部を通過する加圧空気の流速を高めることで、第2噴射孔から噴射される燃料の微粒化を達成できる。
エアブラストインジェクタは、加圧された液体燃料の噴射を行なう第1インジェクタ1と、この第1インジェクタ1から噴射された液体燃料とともに、加圧空気を一緒に噴射する第2インジェクタ2とを備える。
第2インジェクタ2は、外部より加圧供給された空気とともに第1インジェクタ1から噴射された液体燃料を噴射する第2噴射孔7を有する第2ノズルボディ8と、この第2ノズルボディ8内に配置されて第2噴射孔7の開閉を行なう第2ニードル9と、電磁アクチュエータの構成を有して第2ニードル9を駆動する第2電磁駆動部10とを備える。
エアブラストインジェクタは、第2インジェクタ2内の燃料が重力によって第2噴射孔7へ向かうように、第2噴射孔7が下部に配置された状態でエンジンに搭載される。
第2ニードル9の内部には、第2ニードル9の上部から下側まで延びる中心孔12が設けられる。
第2ニードル9と、この第2ニードル9の周囲を覆う部材(第2ノズルボディ8、第2ロアボディ13)との間には、環状の外周通路15が設けられる。
第2ニードル9には、第2可動コア11の上方に、第1インジェクタ1の噴射燃料と、外部より加圧供給された空気とを、中心孔12の内部に入れる上穴16が設けられる。
第2ニードル9には、第2可動コア11の下方に、中心孔12の通路途中と、外周通路15とを連通する横穴17が設けられる。
この横穴17より下方の第2ニードル9(または第2ノズルボディ8)には、外周通路15にベンチュリー部18を形成するベンチュリー形成部19が設けられる。
第2ニードル9における横穴17より下方には、中心孔12の下端とベンチュリー部18とを連通する下穴20が設けられる。
なお、以下の実施例において、上記[発明を実施するための形態]と同一符号は、同一機能物を示すものである。また、以下の実施例では、図1の上側を上、図1の下側を下と称して説明するが、実際のエンジンへの搭載方向は、上述したように、第2インジェクタ2内の燃料が重力によって第2噴射孔7へ向かうように、エアブラストインジェクタの上端より、エアブラストインジェクタの下端が、天地方向の下側(地側)に配置されるものである。
エアブラストインジェクタは、直噴エンジンに搭載されるものであり、例えばガソリン等の燃料をエンジンの気筒内(燃焼室内)に直接噴射供給するものであって、各気筒毎に搭載される。
エアブラストインジェクタは、液体燃料の噴射を行なう第1インジェクタ1と、この第1インジェクタ1から噴射された液体燃料とともに、加圧空気を一緒に噴射する第2インジェクタ2とを備える。
実施例1の第1インジェクタ1は、燃料ポンプにより加圧された燃料が、燃料供給管を介して第1インジェクタ1の上端に設けられた燃料導入口21より内部に供給される。
燃料ポンプは、燃料タンクから第1インジェクタ1に燃料を導く燃料供給管の途中に配置されるものであり、燃料タンク内の燃料を吸引して所定圧力へ加圧し、第1インジェクタ1に向けて圧送するものである。また、燃料ポンプは、第1インジェクタ1に向けて吐出される燃料の圧力を、所定の目標圧力(例えば、550kPa)に調圧する調圧装置(プレッシャレギュレータ等)を備えている。
第1インジェクタ1は、燃料の噴射と停止を実行する第1噴射ノズル22、この第1噴射ノズル22に閉弁力(燃料噴射を停止させる力)を付与する第1スプリング23、この第1スプリング23の閉弁力に抗して開弁力(燃料噴射を実行させる力)を付与する第1電磁駆動部6、略筒状を呈して第2インジェクタ2の上部に挿入固定される第1ロアボディ24、略筒状を呈して第1ロアボディ24の上部に同軸上に配置される第1アッパーボディ25を備えており、第1アッパーボディ25の上端に設けられた燃料導入口21から内部に流入した燃料は、第1ロアボディ24を通って第1噴射ノズル22の下端に向けて供給される。
第1ノズルボディ4の軸中心には、上方から下方へ向けて燃料を導く第1ノズル孔26が穿設されており、第1ノズル孔26の下端に設けられた弁座の中心には、第1ノズルボディ4の先端部から第2インジェクタ2の内部に向けて燃料を噴射するための第1噴射孔3が形成されている。
第1噴射孔3は、第1ノズルボディ4の下端の軸中心において上下方向に貫通する1つの貫通穴であり、弁座の上面に入口が開口して、出口が第1ノズルボディ4の先端部の外面に開口している。
具体的に、第1ニードル5の上端は、第1ロアボディ24の内周面によって上下方向に摺動自在に支持される第1可動コア27(第1電磁駆動部6におけるアーマチャ)の中心に結合されており、その結果、第1ニードル5の上端が第1ロアボディ24の内部において上下方向へ移動可能に支持される。なお、第1可動コア27には、上下方向を連通する燃料通路27aが形成されており、第1可動コア27の上側の燃料を、第1可動コア27の下側へ導くように設けられている。
一方、第1ニードル5の下側には、径方向外側へ膨出する第1大径摺動部28が形成されており、この第1大径摺動部28が第1ノズル孔26の内周面によって摺動自在に支持される。なお、第1大径摺動部28には、外周面の一部をカットした形状の面取部(あるいは上下方向に連通する溝部)28aが設けられており、第1大径摺動部28の上側の燃料を、第1大径摺動部28の下側へ導くように設けられている。
ここで、弁座とシート部との当接部(着座部分)には、シート部が弁座に着座した際に噴射を停止するための線シール部(油密機能部)が設けられている。
なお、シート部の形状は、略円錐形状に限られるものではなく、略円錐台形状、あるいは略半球状など、線シールが可能な形状であればいずれの形状であっても良い。また、弁座とシート部のシール方法としては、線シールに限らず、円錐面の当接でシールするものであっても良い。
なお、第1固定子を構成する部材のうち、第1非磁性筒32を除く他の部材(第1磁気受渡筒33、第1磁気吸引筒34、第1ヨーク35)は、全て磁性体金属(例えば、鉄)によって形成されるものである。
ここで、第1固定子は、第1ロアボディ24および第1アッパーボディ25の一部を利用したものであり、第1ロアボディ24の上部が第1磁気受渡筒33として利用され、第1アッパーボディ25が第1磁気吸引筒34と第1ヨーク35の磁気結合を行なう部材として利用されている。
第1磁気吸引筒34は、第1アッパーボディ25の内周面に結合された筒状を呈し、第1磁気吸引筒34の下面と第1可動コア27の上面との間にメインギャップ(磁気吸引ギャップ)を形成する部材である。即ち、第1コイル31が通電されると、第1磁気吸引筒34が第1可動コア27を磁気吸引するものである。
実施例1の第2インジェクタ2は、エアポンプにより加圧された空気が、圧縮空気供給管を介して第2インジェクタ2の上部の側面より内部に供給される。
エアポンプは、大気中の空気を吸引して所定圧力へ加圧し、第2インジェクタ2に向けて圧送するものである。また、エアポンプは、第2インジェクタ2に向けて吐出される空気の圧力を、所定の目標圧力(燃料ポンプから第1インジェクタ1へ供給される燃料圧力よりも低い圧力:例えば、300kPa)に調圧する調圧装置(プレッシャレギュレータ等)を備えている。
また、第2アッパーボディ14の側面には、エアポンプで加圧された空気を内部に導くエア導入通路44が形成されている。そして、第2アッパーボディ14の内部に供給された加圧空気は、第2噴射ノズル41まで充填供給される。
第2ノズルボディ8は、先端部が気筒内に露出するように挿入配置されるものであり、その軸中心には、上方から下方へ向けて貫通する筒形状の第2ノズル孔46が形成されている。
第2インジェクタ2は、第2ノズルボディ8の下端に、エア混合燃料を気筒内に噴射供給する第2噴射孔7を備える。この第2噴射孔7は、第2ノズル孔46の下端(下方に向けて拡径したテーパ形状を呈し、外部と連通する開口穴)と第2ニードル9との間に形成されるものであり、第2ニードル9によって開閉される。
第2ニードル9は、上下方向へ延びるシャフト形状を呈するものであり、第2ノズル孔46の中心部において上下方向へ摺動自在に支持されている。
中心孔12の上端は、第1インジェクタ1の噴射した液体燃料と、外部から供給された加圧空気とを、中心孔12の内部に導く上穴16であり、この上穴16が第1インジェクタ1の第1噴射孔3と同一軸線上に開口し、第1噴射孔3から中心孔12に向けて燃料の噴射が行なわれる。
そして、第1インジェクタ1から噴射された液体燃料は、燃料ノズル48を通って中心孔12に供給され、エア導入通路44から第2アッパーボディ14の内部に供給された加圧空気は、燃料ノズル48の外壁と中心孔12の内壁との間に形成される環状通路49を通って中心孔12に供給される。
このように、キャップ部48aを第1ノズルボディ4の端部に固定することで、第1噴射孔3の周囲が全周に亘ってキャップ部48aと第1ノズルボディ4との間でシールされる。これにより、第1インジェクタ1から噴射された燃料が、燃料ノズル48の先端(中心孔12に差し込まれている端部)とは別の箇所から漏れ出る不具合を回避できる。
なお、この実施例では、第1ノズルボディ4に燃料ノズル48を取り付ける手段として略カップ形状のキャップ部48aを用いる例を示したが、他の形状の固定手段を用いて第1ノズルボディ4に燃料ノズル48を固定しても良い。
なお、中心孔12と燃料ノズル48の軸方向のオーバーラップ量は、第1インジェクタ1から噴射された燃料が、中心孔12の上穴16より外部へ吹きこぼれない長さを確保するものである。しかるに、オーバーラップ量を長く設定することで、環状通路49を通過する加圧空気の通過抵抗が増すことになるため、中心孔12と燃料ノズル48の軸方向のオーバーラップ量は、必要以上に長くしないように設定されるものである。
ここで、弁傘51と当接する第2噴射孔7の開口縁には、弁傘51が第2噴射孔7の開口縁に着座した際に噴射を停止するための線シール部(油密機能部)が設けられている。なお、第2噴射孔7の形態、および第2ニードル9における弁体(第2噴射孔7を開閉するバルブ部)の形態は、この実施例に示すものに限定されるものではなく、適宜変更可能なものである。
なお、第2固定子を構成する部材のうち、第2非磁性筒54を除く他の部材(第2磁気受渡筒55、第2磁気吸引部56、第2ヨーク57)は、全て磁性体金属(例えば、鉄など)によって形成されるものである。
ここで、第2固定子は、第2ロアボディ13および第2アッパーボディ14の一部を利用するものであり、第2ロアボディ13の上部が第2磁気吸引部56として利用され、第2アッパーボディ14の下部が第2磁気受渡筒55として利用されている。
第2磁気吸引部56は、第2可動コア11の下面と対向配置され、第2可動コア11の下面との間にメインギャップ(磁気吸引ギャップ)を形成する部材である。即ち、第2コイル53が通電されると、第2磁気吸引部56が第2可動コア11を磁気吸引するものである。
マイクロコンピュータには、ECUに読み込まれたセンサ類の信号(エンジンパラメータ:乗員の運転状態、エンジンの運転状態等に応じた信号)に応じて第1、第2コイル31、53の通電を制御するインジェクタ制御プログラムが搭載されている。
具体的に、インジェクタ制御プログラムは、算出された噴射量が得られるように第1コイル31の通電期間を制御するとともに、算出された噴射タイミングで燃料噴射が実施されるように第2コイル53の通電開始時期を制御する。即ち、第2インジェクタ2において、第1インジェクタ1から噴射された液体燃料とともに加圧空気を一緒に噴射するように、第1、第2インジェクタ1、2の通電制御を行なうものであり、具体的な一例を示すと、図2に示すように、先ず第1コイル31へ第1インジェクタ1の駆動信号を出力して第1インジェクタ1から第2インジェクタ2内に燃料の供給を行ない、続いて第2コイル53へ第2インジェクタ2の駆動信号を出力してエア混合燃料を第2インジェクタ2から気筒内へ噴射させるものである。
図15に示す従来技術のエアブラストインジェクタでは、第1インジェクタ1から噴射された液体燃料は、主に中心孔12を通って下方の第2噴射孔7に向かう。
一方、第2インジェクタ2の上部に供給された加圧空気は、第2可動コア11に設けられた空気通路J1と外周通路15を通って下方の第2噴射孔7に向かう。この空気通路J1を設けたことにより、第2可動コア11を磁気吸引する作用面積や、第2可動コア11において磁束が通過する面積が小さくなってしまい、第2可動コア11に作用する磁気吸引力が低下して、第2ニードル9の作動応答性が低下し、結果的にエアブラストインジェクタの応答性が劣化する不具合がある。
しかし、この図5(b)に示す参考例では、第2インジェクタ2の開弁時において、中心孔12に作用する加圧空気が、中心孔12に溜まった液体燃料を押し出すのみである。即ち、参考例の第2インジェクタ2は、中心孔12による「燃料押出作用」しか得られない。
そのため、第2インジェクタ2の噴射初期には、「中心孔12に溜まった液体燃料」がまとまった状態で第2噴射孔7からエンジンの気筒内に押し出されることになり、図5(c)の破線Bに示すように、噴射初期の噴霧粒径が大きくなってしまう。
上記の不具合を回避する手段として、この実施例1のエアブラストインジェクタは、次の技術を採用している。
(a)第2ニードル9の内部には、軸方向に延びる中心孔12が設けられている。この中心孔12は、第2ニードル9の上端より下側の途中まで穿設された縦穴である。
(b)第2ニードル9と、この第2ニードル9の周囲を覆う部材(第2ノズルボディ8および第2ロアボディ13)との間には、環状の外周通路15が設けられている。
(d)第2ニードル9には、第2可動コア11よりも下方に、中心孔12における上下方向の通路途中と、外周通路15とを連通する横穴17が設けられている。この横穴17は、中心孔12の内部に供給された加圧空気を分岐させて外周通路15へ供給するエア分岐穴である。
なお、ベンチュリー形成部19の外径寸法と、第2ノズル孔46の内径寸法との隙間面積(ベンチュリー部18の絞り面積)は、第2噴射孔7が最大に開かれた時に、第2噴射孔7からの燃料噴射を阻害しない面積(ベンチュリー部18が空気の流れを絞り過ぎて噴射を阻害しない面積)に設けられるものである。
ECUは、エンジンの気筒内に燃料噴射を実施する直前に、第1インジェクタ1を作動させる。
この第1インジェクタ1の作動を図3を参照して説明する。ECUによって第1コイル31の通電が開始されると、磁力により第1可動コア27が上方へ磁気吸引される。そして、第1可動コア27を上方へ駆動する磁気吸引力が、第1ニードル5に加わる閉弁方向荷重に打ち勝つと、第1可動コア27が上方に移動し、第1可動コア27に結合されている第1ニードル5がリフトアップを開始する。そして、第1ニードル5が弁座から離座すると、第1ノズルボディ4の第1ノズル孔26に供給された加圧燃料が第1噴射孔3から噴射される。
第1噴射孔3より噴射された燃料は、燃料ノズル48を通って、第2インジェクタ2の中心孔12の内部に噴射供給される。即ち、燃料ノズル48によって、第1インジェクタ1の噴射燃料が第2インジェクタ2の中心孔12の内部のみに注入される。
この第2インジェクタ2の作動を図4を参照して説明する。ECUによって第2コイル53の通電が開始されると、磁力により第2可動コア11が下方へ磁気吸引される。そして、第2可動コア11を下方へ駆動する磁気吸引力が、第2ニードル9に加わる閉弁方向荷重に打ち勝つと、第2可動コア11が下方に移動し、第2可動コア11に結合されている第2ニードル9が下降を開始する。そして、第2ニードル9の下端に設けられた弁傘51が第2噴射孔7の開口縁から離座すると、外周通路15の下端とエンジンの気筒内とが連通し、第2インジェクタ2内に充填されていた加圧空気とともに、中心孔12に溜められた液体燃料が、第2噴射孔7を介してエンジンの気筒内に噴射する。
第2噴射孔7が開かれると、第2インジェクタ2内に充填された加圧空気が第2噴射孔7を介して気筒内に流れるため、第2インジェクタ2の内部には、第2噴射孔7に向かう加圧空気の流れが生じる。
具体的に、エア導入通路44から第2アッパーボディ14の内部に供給された加圧空気は、中心孔12を通って第2可動コア11の上方から下方へ供給される。そして、第2噴射孔7が開かれると、中心孔12を通って第2可動コア11の上方から下方へ供給された加圧空気は、図5(a)の矢印に示すように、
(i)横穴17を通って外周通路15に供給され、この外周通路15を通って下方へ向かう外周側加圧空気と、
(ii)横穴17を通らずに中心孔12を通って下方へ向かう中心側加圧空気とに分れる。
一方、第2噴射孔7が開かれると、中心側加圧空気が中心孔12に溜まった液体燃料を下方へ向けて押し出す。その結果、中心孔12の内部には、中心孔12に溜まった液体燃料を下穴20を介してベンチュリー部18に向けて押し出す「燃料押出作用」が生じる。
加圧空気が第2噴射孔7と弁傘51との間の隙間を通過する際に、空気圧縮されることで、第2噴射孔7から噴射される空気の速度が音速に達する。これによって、加圧空気とともに噴射される燃料が微粒化する。
図6に示すように、横穴17よりも下側における中心孔12の内部容積が、1回の燃料噴射量(最大噴射量)よりも大きく設けられ、第1インジェクタ1から噴射された液体燃料を、全て横穴17より下側の中心孔12の内部に貯溜できるように設けられている。具体的な一例を示すと、横穴17よりも下側における中心孔12の内部容積は、1回の燃料噴射量(最大噴射量)よりも大きくなるように、50mm3 以上に設けられている。
このように、第1インジェクタ1から噴射された液体燃料を横穴17より下側の中心孔12に溜めることができることにより、横穴17から外周通路15に液体燃料が溢れ出る不具合がない。このため、第2インジェクタ2の噴射開始前に外周通路15に液体燃料が溜まる不具合がなく、噴射開始初期に、外周通路15の下部に溜まった液体燃料がまとまって第2噴射孔7から外部に噴射される不具合がない。その結果、噴射開始初期における噴霧粒径が大きくなる不具合を回避することができる。
図6に示すように、下穴20の内径寸法は、横穴17の内径寸法より小さく設けられている。
このように、下穴20の内径寸法を小さく設けることで、中心孔12に溜まった液体燃料が、下穴20から外周通路15に漏れ出す不具合がない。このため、第2インジェクタ2の噴射開始前に外周通路15に液体燃料が溜まる不具合がなく、噴射開始初期に、外周通路15の下部に溜まった液体燃料がまとまって第2噴射孔7から外部に噴射される不具合がない。その結果、噴射開始初期における噴霧粒径が大きくなる不具合を回避することができる。
また、横穴17の内径寸法が大きく設けられることで、外周通路15を流れる加圧空気量を増大させることができ、ベンチュリー部18を通過する外周側加圧空気の流速を高めて「燃料吸出作用」を高め、結果的にベンチュリー部18における液体燃料と加圧空気との混合性を高めることができ、全噴射期間において微粒化を促進させることができる。
図6に示すように、中心孔12の最下端部は、下穴20に連通して設けられている。即ち、第2ニードル9の上端からドリルで中心孔12を穿設した際に中心孔12の下部に形成される円錐形状の底端が、下穴20と連通して設けられている。
このように、中心孔12の最下端部が下穴20と連通することにより、第2インジェクタ2の作動時に、中心孔12の最下端部の液体燃料までもが「燃料吸出作用」と「燃料押出作用」により下穴20を介してベンチュリー部18に導かれるため、第2噴射孔7から燃料を噴射した後に、中心孔12の内部に液体燃料が貯溜する不具合が生じない。
図3に示すように、第1インジェクタ1から噴射される液体燃料は、第1インジェクタ1の下部に設けられた燃料ノズル48から第2インジェクタ2の中心孔12の内部に供給される。
これにより、第1インジェクタ1から噴射された液体燃料を効率的かつ確実に中心孔12の内部へ供給でき、第1インジェクタ1から噴射された液体燃料が第2ニードル9の周囲の部材に付着するのを回避することができる。
このように、第1インジェクタ1から噴射される全ての液体燃料を、中心孔12を介して第2噴射孔7へ安定して導くことができ、第1インジェクタ1から噴射された全ての燃料が第2噴射孔7へ導かれるまでの時間と量が安定する。その結果、第2噴射孔7の開弁中に高い精度の燃料を噴射することができ、燃料の噴射精度を高めることができる。
図7を参照して実施例2を説明する。なお、以下の実施例において、上記実施例1と同一符号は同一機能物を示すものである。
ベンチュリー部18を通過する外周側加圧空気は、ベンチュリー部18を通過する際に圧縮されて高速化して、音速(もしくは音速に近い流速)に達する。
直進性を保つ流体の流れは、撹拌能力が低い。
このため、実施例1の第2インジェクタ2は、ベンチュリー部18を通過してから第2噴射孔7に至る間の「液体燃料と加圧空気の混合性」が低いものであった。
この実施例2の突起部61は、図7(b)に示すように、ベンチュリー部18と第2噴射孔7との間で、且つ第2ノズルボディ8の内周面において内側に向かって突出して設けられるものである。
なお、この突起部61は、第2ノズルボディ8の内周面において全周に亘って環状に設けられるものであるが、第2ノズルボディ8に対する下穴20の配置位置が予め定まっている場合(第2ノズルボディ8に対して第2ニードル9が回動しない場合)には、突起部61を下穴20の下方位置のみに配置しても良い。
即ち、第2インジェクタ2を軸方向から見た場合、ベンチュリー部18の投影部(環状隙間)の内側に、突起部61の少なくとも一部が交差して見えるものである。
なお、図7(b)では、「突起部61の内径寸法」を「ベンチュリー形成部19の外径寸法」よりも僅かに大径に設けて、下方へ向かうエア混合燃料の流れ速度を確保する例を示すが、「突起部61の内径寸法」を「ベンチュリー形成部19の外径寸法」以下に設けてエア混合燃料の混合性を促進させるものであっても良い。
なお、突起部61の上下の段差形状は、この実施例に限定されるものではなく、例えば傾斜(テーパ面)など他の形状であっても良い。このように、突起部61の上下の段差形状を傾斜(テーパ面)など、他の形状に設けても、エア混合燃料が突起部61に衝突して流れの向きが変わって撹拌性が向上する。
この突起内側通路は、エア混合燃料がスムーズに流れるように、
ベンチュリー部18の流路面積をα、
突起内側通路の流路面積をβ、
とした場合、α<βの関係に設けられる。
具体的には、突起部61を設けてベンチュリー部18を通過してから第2噴射孔7に至る間の「液体燃料と加圧空気の混合性」を高めることで、噴射後の燃料の分裂を促進させることができ、結果的に燃料噴霧の微粒化を向上できる。
図8を参照して実施例3を説明する。
上記実施例2では、ベンチュリー部18の下流側に1段の突起部61を設ける例を示した。
これに対し、この実施例3は、ベンチュリー部18の下流側に複数段(図8では2段)の突起部61を設けたものである。
このように、突起部61の段数を増やすことで、ベンチュリー部18を通過してから第2噴射孔7に至る間のエア混合燃料の流れの乱れを増加させることができ、「液体燃料と加圧空気の混合性」を促進する効果が得られる。
図9を参照して実施例4を説明する。
この実施例4は、突起部61の直上および直下に拡径部62を形成したものである。具体的には、突起部61の上下における第2ノズルボディ8の内周面の内径寸法を、ベンチュリー部18における第2ノズルボディ8の内周面の内径寸法より大きく設けたものである。
このように、突起部61の直上および直下に拡径部62を設けることで、加圧空気と液体燃料の混合スペースが増加するとともに、突起部61の直上および直下に大きな流れの乱れを発生させることが可能になり、「液体燃料と加圧空気の混合性」を促進する効果が得られる。
図10を参照して実施例5を説明する。
上記実施例2〜4は、突起部61を環状に設ける例を示した。
これに対し、この実施例5は、図10の破線に示すように、突起部61を螺旋状に設けるものである。
このように突起部61を螺旋状に形成しても、ベンチュリー部18と第2噴射孔7の間において「液体燃料と加圧空気の混合性」を高めることができる。
図11を参照して実施例6を説明する。
上記実施例2〜5は、突起部61を第2ノズルボディ8に設ける例を示した。
これに対し、この実施例6は、突起部61を第2ニードル9に設けるものである。
ここで、この実施例6のように、突起部61を第2ニードル9に形成する場合は、突起部61と第2ノズルボディ8との径方向間に、エア混合燃料を下方へ導くための突起外側通路を必要とする。
ベンチュリー部18の流路面積をα、
突起外側通路の流路面積をβ、
とした場合、α<βの関係に設けられる。
具体的に、突起部61を第2ニードル9に設ける場合は、十分な突起外側通路を確保するために、ベンチュリー部18の下流側における第2ノズルボディ8の内側に拡径部63を形成して、上記α<βの関係を満足させるものである。
この実施例6に示すように、突起部61を第2ニードル9に設けても、ベンチュリー部18と第2噴射孔7の間において「液体燃料と加圧空気の混合性」を高めることができる。
図12を参照して実施例7を説明する。
上記の各実施例では、ベンチュリー部18の流路面積をαと称して説明した。
これに対し、以下の実施例では、図12(a)に示すように、
・ベンチュリー部18の流路面積(第2ノズル孔46とベンチュリー形成部19との間の通路面積)をS1、
・最大開弁時(第2ニードル9の最大リフト時)における第2噴射孔7の流路面積(第2ノズル孔46の下端のテーパ形状の開口穴と、弁傘51におけるシート部との間の通路面積)をS2と称して説明する。
・ベンチュリー部18の流路面積S1と、
・第2噴射孔7の流路面積S2との関係が、
0.2≦S1/S2
を満足するように設けられている。
即ち、「第2噴射孔7の流路面積S2」によらず、第2噴射孔7を通過するエア混合燃料の流速のマッハ数をほぼ1.0にできる。
このように、第2噴射孔7を通過するエア混合燃料の流速をほぼ音速にできるため、第2噴射孔7から噴射される燃料の微粒化を達成できる。
図13を参照して実施例8を説明する。
この実施例8は、「エア圧力(外部より加圧供給される空気圧力)」によらず、第2噴射孔7を通過するエア混合燃料の流速を高速化する目的で、
・ベンチュリー部18の流路面積S1と、
・第2噴射孔7の流路面積S2との関係が、
0.4≦S1/S2
を満足するように設けられている。
即ち、「エア圧力」によらず、第2噴射孔7を通過するエア混合燃料の流速のマッハ数をほぼ1.0にできる。
このように、第2噴射孔7を通過するエア混合燃料の流速をほぼ音速にできるため、第2噴射孔7から噴射される燃料の微粒化を達成できる。
図14を参照して実施例9を説明する。
この実施例9は、「ベンチュリー部18の流速」を高速化する目的で、
・ベンチュリー部18の流路面積S1と、
・第2噴射孔7の流路面積S2との関係が、
0.5≦S1/S2≦0.8
を満足するように設けられている。
このように、ベンチュリー部18を通過する加圧空気の流速を高めることで、第2噴射孔7から噴射される燃料の微粒化を達成できる。
上記の実施例では、第1インジェクタ1の駆動手段として電磁アクチュエータ(第1電磁駆動部6)を用いる例を示したが、第1インジェクタ1の駆動手段は電磁アクチュエータに限定されるものではなく、ピエゾアクチュエータなど他の駆動手段を用いても良い。
2 第2インジェクタ
3 第1噴射孔
4 第1ノズルボディ
5 第1ニードル
6 第1電磁駆動部
7 第2噴射孔
8 第2ノズルボディ(第2ニードルの周囲を覆う部材)
9 第2ニードル
10 第2電磁駆動部
11 第2可動コア
12 中心孔
13 第2ロアボディ(第2ニードルの周囲を覆う部材)
14 第2アッパーボディ
15 外周通路
16 上穴
17 横穴
18 ベンチュリー部
19 ベンチュリー形成部
20 下穴
48 燃料ノズル
49 環状通路
61 突起部
S1 ベンチュリー部の流路面積
S2 第2噴射孔の流路面積
Claims (9)
- 外部より加圧供給された液体燃料を噴射する第1噴射孔(3)を有する第1ノズルボディ(4)、この第1ノズルボディ(4)内に配置されて前記第1噴射孔(3)の開閉を行なう第1ニードル(5)を備える第1インジェクタ(1)と、
外部より加圧供給された空気とともに前記第1インジェクタ(1)から噴射された液体燃料を噴射する第2噴射孔(7)を有する第2ノズルボディ(8)、この第2ノズルボディ(8)内に配置されて前記第2噴射孔(7)の開閉を行なう第2ニードル(9)、電磁アクチュエータの構成を有して前記第2ニードル(9)を駆動する第2電磁駆動部(10)を備える第2インジェクタ(2)とを具備し、
前記第2電磁駆動部(10)の磁気駆動子である第2可動コア(11)が前記第2ニードル(9)の外周に固定されるとともに、
前記第2噴射孔(7)が天地方向の下側に配置された状態でエンジンに搭載されるエアブラストインジェクタにおいて、
(a)前記第2ニードル(9)の内部には、当該第2ニードル(9)の上部から下側まで延びる中心孔(12)が設けられ、
(b)前記第2ニードル(9)と、当該第2ニードル(9)の周囲を覆う部材(8、13)との間には、環状の外周通路(15)が設けられ、
(c)前記第2ニードル(9)には、前記第2可動コア(11)よりも天地方向の上方に、前記第1インジェクタ(1)の噴射燃料と、外部より加圧供給された空気とを、前記中心孔(12)の内部に入れる上穴(16)が設けられ、
(d)前記第2ニードル(9)には、前記第2可動コア(11)よりも天地方向の下方に、前記中心孔(12)の通路途中と、前記外周通路(15)とを連通する横穴(17)が設けられ、
(e)この横穴(17)よりも天地方向の下方の前記第2ニードル(9)または前記第2ノズルボディ(8)には、前記外周通路(15)にベンチュリー部(18)を形成するベンチュリー形成部(19)が設けられ、
(f)前記第2ニードル(9)における前記横穴(17)よりも天地方向の下方には、前記中心孔(12)の下端と前記ベンチュリー部(18)とを連通する下穴(20)が設けられることを特徴とするエアブラストインジェクタ。 - 請求項1に記載のエアブラストインジェクタにおいて、
前記横穴(17)よりも天地方向の下側における前記中心孔(12)の内部容積は、1回の燃料噴射量よりも大きく設けられていることを特徴とするエアブラストインジェクタ。 - 請求項1または請求項2に記載のエアブラストインジェクタにおいて、
前記下穴(20)の内径寸法は、前記横穴(17)の内径寸法より小さく設けられていることを特徴とするエアブラストインジェクタ。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のエアブラストインジェクタにおいて、
前記中心孔(12)における天地方向の最下端部は、前記下穴(20)に連通することを特徴とするエアブラストインジェクタ。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のエアブラストインジェクタにおいて、
前記第1インジェクタ(1)は、前記第1噴射孔(3)から噴射された液体燃料を、前記中心孔(12)の内部へ直接供給する燃料ノズル(48)を備え、
この燃料ノズル(48)における天地方向の下端は、前記中心孔(12)の内部まで伸びて設けられ、
前記燃料ノズル(48)の外壁と前記中心孔(12)の内壁との間に形成される環状通路(49)を通って加圧空気が前記中心孔(12)に供給されることを特徴とするエアブラストインジェクタ。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のエアブラストインジェクタにおいて、
前記第2インジェクタ(2)は、前記ベンチュリー部(18)から前記第2噴射孔(7)に至る前記外周通路(15)の途中に、
前記ベンチュリー部(18)を通過した「液体燃料を含む加圧空気の流れ」が衝突する突起部(61)を備えることを特徴とするエアブラストインジェクタ。 - 請求項1〜請求項6のいずれかに記載のエアブラストインジェクタにおいて、
前記ベンチュリー部(18)の流路面積をS1、
前記第2噴射孔(7)の流路面積をS2とした場合、
0.2≦S1/S2
を満足することを特徴とするエアブラストインジェクタ。 - 請求項1〜請求項6のいずれかに記載のエアブラストインジェクタにおいて、
前記ベンチュリー部(18)の流路面積をS1、
前記第2噴射孔(7)の流路面積をS2とした場合、
0.4≦S1/S2
を満足することを特徴とするエアブラストインジェクタ。 - 請求項1〜請求項6のいずれかに記載のエアブラストインジェクタにおいて、
前記ベンチュリー部(18)の流路面積をS1、
前記第2噴射孔(7)の流路面積をS2とした場合、
0.5≦S1/S2≦0.8
を満足することを特徴とするエアブラストインジェクタ。
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