JP5445429B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents
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内燃機関(エンジン)に燃料を噴射供給する燃料噴射装置では、燃費向上およびエミッション低減を目的として、液体燃料を微粒化してインジェクタの噴射孔よりエンジンに噴射する技術が望まれる。
液体燃料の微粒化を達成するインジェクタとして、特許文献1に開示されたエアブラストインジェクタが知られている。このエアブラストインジェクタは、図7に示したように、燃料ポンプで加圧された液体燃料を噴射する第1燃料噴射弁101と、この第1燃料噴射弁101に直列配置されて、第1燃料噴射弁101の第1噴射孔から噴射された液体燃料と外部から供給された圧縮エアとの混合燃料をエンジンの燃焼室に噴射する第2燃料噴射弁102とを備え、エンジンのシリンダヘッドに固定されるカバー108に保持されている。
第2燃料噴射弁102は、第2噴射孔103を開閉する傘状の弁部(バルブ104)を有する第2ニードル105と、この第2ニードル105を摺動自在に収容するノズルボディ106を含んで構成される第2ハウジング107とを備えている。
カバー108の内部には、第1燃料噴射弁101の燃料噴射部および第2燃料噴射弁102の導入部の周囲を取り囲むように形成される空間(蓄圧室)110が形成されている。カバー108には、エアポンプで加圧(圧縮)された圧縮エアを空間110の内部に導入するためのエア導入管111が接続されている。これにより、第1燃料噴射弁101の第1噴射孔から噴射された液体燃料と、エア導入管111から導入された圧縮エアとが、第2燃料噴射弁102の導入部に供給される。
また、第2燃料噴射弁102の第2ニードル105の外側に形成されるエア流路115は、第2ハウジング107の内面との間に形成される外側流路となっており、内部に圧縮エアが供給される。このエア流路115の下流端は、燃料溜まり114に連通している。 また、第1燃料噴射弁101の第1噴射孔から噴射された液体燃料が第2燃料噴射弁102の導入部に向かうように、第1燃料噴射弁101の燃料噴射部と第2燃料噴射弁102の導入部とが対向配置されている。
そして、第2燃料噴射弁102は、コイル116の磁力により可動コア117を移動させ、この可動コア117を介して第2ニードル105をその軸線方向に移動させてバルブ104を開弁するように構成されている。
また、ノズルボディ106の内部には、第2ニードル105の外面から径方向外側に突出した複数の鍔状ガイド121、122を摺動クリアランスを介して摺動自在に支持するガイド孔(摺動孔)123が形成されている。
一方、第2燃料噴射弁102の導入部に供給された圧縮エアは、中心孔112、連通孔113を通って燃料溜まり114へ導かれるエアと、第2ニードル105の外側に形成されるエア流路115を通って燃料溜まり114へ導かれるエアとに分流する。
ここで、バルブ104が開弁して第2噴射孔103が開かれると、中心孔112に供給された圧縮エアが、中心孔112の内部に貯留されていた液体燃料を連通孔113を介して燃料溜まり114へ向けて押し出す作用が発生する。
一方、エア流路115に供給された圧縮エアが、中心孔112から連通孔113を介して燃料溜まり114へ押し出された液体燃料を、第2噴射孔103に向けて押し出す作用が発生する。
ところで、従来のエアブラストインジェクタにおいては、図7に示したように、空間110から第2ニードル105の内部に形成される中心孔112に液体燃料を導入する際、周囲に飛散した液体燃料が、第2ニードル105の外面と第2ハウジング107の内面との間に形成されるエア流路115を通り、複数の鍔状ガイド121、122の周りに付着する可能性がある。
しかるに、第2ニードル105に設けられる複数の鍔状ガイド121、122の摺動面とノズルボディ106のガイド孔123の内面との間に形成される隙間(摺動クリアランス)が15μmと非常に狭く、エア流路115に流入した液体燃料が摺動クリアランスに侵入する確率が低い。これにより、複数の鍔状ガイド121、122の摺動面とガイド孔123の内面との摺動部(ニードル摺動部)に対する液体燃料の付着量が非常に少なくなるので、ニードル摺動部に浸入する液体燃料による潤滑効果が非常に低いものと考えられる。
したがって、ノズルボディ106に対する第2ニードル105の摺動抵抗が増加するので、第2ニードル105の複数の鍔状ガイド121、122の摺動面およびノズルボディ106のガイド孔123の内面が摩耗する。これにより、第2ニードル105とノズルボディ106との摺動に対する信頼性が低下するという問題が生じる。
ところが、特許文献2に開示された燃料噴射ノズルにおいては、この燃料噴射ノズルとは別に潤滑油供給機構が必要となるので、部品点数や組付工数の増加に伴って製品コストが上昇するという問題が生じる。
第1燃料噴射弁の第1ニードルは、筒状の第1ハウジングの内部に往復移動可能に収容されている。
第2燃料噴射弁の第2ニードルは、筒状の第2ハウジングの内部に往復移動可能に収容されている。そして、第2ニードルは、前記第2ニードルの外面より径方向外側に突出した鍔状のガイドを有している。
第2ニードルの内部には、第1燃料噴射弁から噴射された液体燃料と、外部から供給されたエアが導入される中心孔(第2ニードル内部流路)が設けられている。また、第2ニードルには、中心孔に連通する連通路が設けられている。
少なくとも第2ハウジングのガイド孔の内面と第2ニードルの外面との間には、第2噴射孔の開弁時に中心孔から供給されたエアが少なくとも摺動クリアランスを経て第2噴射孔へ向けて流通するエア流路(第2ニードル外側流路)が設けられている。
エア流路は、少なくとも上流側流路および下流側流路等により構成されている。上流側流路は、摺動クリアランスよりも上流側に形成されて、中心孔から供給されたエアを少なくとも摺動クリアランスへ導くエア流路である。また、下流側流路は、摺動クリアランスよりも下流側に形成されて、少なくとも摺動クリアランスから供給されたエアを第2噴射孔へ導くエア流路である。
ここで、第2燃料噴射弁の第2噴射孔が開かれると、外部から中心孔に供給された圧縮エアが、第1燃料噴射弁の第1噴射孔から噴射された中心孔内の液体燃料を第2連通孔、摺動クリアランス、下流側流路を通って第2噴射孔へ向けて押し出す効果が発生する。
一方、中心孔から第1連通孔、上流側流路を通って摺動クリアランス内に導かれた圧縮エアが、中心孔から第2連通孔を介して第2連通孔の出口側へ押し出された液体燃料を摺動クリアランス内に吸い出す効果が発生する。
この結果、エア流路を流れるエアと第2連通孔の出口より噴出する液体燃料との混合性を向上できるので、第2燃料噴射弁の第2噴射孔から噴射される燃料噴霧の微粒化を促進することができる。
これによって、第1、第2燃料噴射弁とは別に潤滑油供給機構を設けることなく、ニードル摺動部を効率良く潤滑することができる。
その結果、第2ハウジングに対する第2ニードルの摺動抵抗を低減できるので、第2ハウジングのガイド孔の内面と第2ニードルのガイドの摺動面との摩耗を低減することができる。したがって、第2ニードルの摺動に対する信頼性を向上することができる。
この場合、第1燃料噴射弁の第1噴射孔から噴射された液体燃料は、第2ニードルの中心孔(凹状の軸方向孔)の開口側から導入されて、軸方向孔の奥側に貯留される。
請求項3に記載の発明によれば、中心孔の奥側(開口側に対して反対側)に、液体燃料を溜める貯留部を設けている。
この場合、第1燃料噴射弁の第1噴射孔から噴射された液体燃料は、第2ニードルの中心孔(凹状の軸方向孔)の奥側の貯留部に貯留される。
請求項4に記載の発明によれば、第2連通孔が、中心孔の貯留部と摺動クリアランスとを連通している。そして、第2連通孔の出口を、中心孔の貯留部の液体燃料を摺動クリアランスへ導く噴出ポートとして使用しても良い。
一方、中心孔から第1連通孔、上流側流路を通って摺動クリアランス内に導かれた圧縮エアが、中心孔から第2連通孔を介して第2連通孔の出口側へ押し出された液体燃料を摺動クリアランス内に吸い出す効果が発生する。これにより、第2ハウジングのガイド孔の内面と第2ニードルのガイドの摺動面との間に形成される摺動クリアランス(ニードル摺動部)に液体燃料を多く供給することができるので、液体燃料によるニードル摺動部の潤滑効果が高まる。
この結果、エア流路を流れるエアと第2連通孔の出口より噴出する液体燃料との混合性を向上できるので、第2燃料噴射弁の第2噴射孔から噴射される燃料噴霧の微粒化を促進することができる。
請求項6に記載の発明によれば、複数のガイドのうちの隣設する2つのガイド間に、複数のガイドの各摺動面より第2ニードルの中心線側に凹んだ面取り部を設けている。そして、エア流路は、複数のガイドのうちの隣設する2つのガイド間に区画形成されて、上流側流路と下流側流路とを連通する中継流路(連通部)を有している。この場合、第2燃料噴射弁の第2噴射孔が開かれた際に、上流側流路から下流側流路へ向かうエアの流路抵抗(流通抵抗)を低減することができる。
請求項7に記載の発明によれば、第2ニードルに形成されて、中心孔に連通する連通路は、中心孔から供給されたエアを上流側流路へ導く第1連通孔、中心孔から供給された液体燃料を摺動クリアランスへ導く第2連通孔、および中心孔から供給された液体燃料を中継流路へ導く第3連通孔を有している。そして、第1連通孔の入口は、中心孔の内面で開口し、また、第1連通孔の出口は、第2ニードルの外面(摺動面以外の外面)で開口している。また、第2連通孔の入口は、中心孔の内面で開口し、また、第2連通孔の出口は、複数のガイドの各摺動面で開口している。また、第3連通孔の入口は、中心孔の内面で開口し、第3連通孔の出口は、面取り部の面取り面で開口している。
請求項9に記載の発明によれば、第2ニードルに形成されて、中心孔に連通する連通路は、中心孔から供給されたエアを上流側流路へ導く第1連通孔、中心孔から供給された液体燃料を摺動クリアランスへ導く第2連通孔、および中心孔から供給された液体燃料を中継流路へ導く第3連通孔を有している。そして、第1連通孔の入口は、中心孔の内面で開口し、また、第1連通孔の出口は、第2ニードルの外面(摺動面以外の外面)で開口している。また、第2連通孔の入口は、中心孔の内面で開口し、また、第2連通孔の出口は、複数のガイドの各摺動面で開口している。また、第3連通孔の入口は、中心孔の内面で開口し、第3連通孔の出口は、凹溝の溝壁面で開口している。
請求項11に記載の発明によれば、第2ニードルに形成されて、中心孔に連通する連通路は、中心孔から供給されたエアを上流側流路へ導く第1連通孔、中心孔から供給された液体燃料を摺動クリアランスへ導く第2連通孔、および中心孔から供給された液体燃料を流路孔へ導く第3連通孔を有している。そして、第1連通孔の入口は、中心孔の内面で開口し、また、第1連通孔の出口は、第2ニードルの外面(摺動面以外の外面)で開口している。また、第2連通孔の入口は、中心孔の内面で開口し、また、第2連通孔の出口は、1つまたは複数のガイドの摺動面で開口している。また、第3連通孔の入口は、中心孔の内面で開口し、第3連通孔の出口は、流路孔の孔壁面で開口している。
請求項13に記載の発明によれば、第2ニードルに形成されて、中心孔に連通する連通路は、中心孔から供給されたエアを上流側流路へ導く第1連通孔、中心孔から供給された液体燃料を摺動クリアランスへ導く第2連通孔、および中心孔から供給された液体燃料を中継流路へ導く第3連通孔を有している。そして、第1連通孔の入口は、中心孔の内面で開口し、また、第1連通孔の出口は、第2ニードルの外面(摺動面以外の外面)で開口している。また、第2連通孔の入口は、中心孔の内面で開口し、また、第2連通孔の出口は、複数のガイドの各摺動面で開口している。また、第3連通孔の入口は、中心孔の内面で開口し、第3連通孔の出口は、中継流路の流路壁面で開口している。
一方、中心孔から第1連通孔、上流側流路を通って摺動クリアランス内に導かれた圧縮エアが、中心孔から第2連通孔を介して摺動クリアランスへ押し出された液体燃料を吸い出す効果が発生する。これにより、第2ハウジングのガイド孔の内面と第2ニードルのガイドの摺動面との間に形成される摺動クリアランス(ニードル摺動部)に液体燃料を多く供給することができるので、液体燃料によるニードル摺動部の潤滑効果が高まる。
また、中心孔から第1連通孔、上流側流路を通って連通部(中継流路または流路孔)内に導かれた圧縮エアが、中心孔から第3連通孔を介して第3連通孔の出口側へ押し出された液体燃料を連通部(中継流路または流路孔)内に吸い出す効果が発生する。
この結果、エア流路を流れるエアと第2、第3連通孔の出口より噴出する液体燃料との混合性を向上できるので、第2燃料噴射弁の第2噴射孔から噴射される燃料噴霧の微粒化を促進することができる。
本発明は、別途潤滑油供給機構を設けることなく、液体燃料によるニードル摺動部の潤滑効果を向上させるという目的を、第2ニードルの中心孔に連通する第2連通孔の出口を、第2ニードルのガイドの摺動面で開口させて、第2ハウジングのガイド孔の内面と第2ニードルのガイドの摺動面との間に形成される摺動クリアランス(ニードル摺動部)に大量の液体燃料を導入することで実現した。
なお、以下の説明では、エアブラストインジェクタ(燃料噴射装置)の第2噴射孔が設けられる側を下と称して説明するが、内燃機関(エンジン)のシリンダヘッド等へのエアブラストインジェクタの実際の搭載方向を限定するものではない。
図1ないし図4は本発明の実施例1を示したもので、図1はインジェクタ(第2燃料噴射弁)の主要部を示した図で、図2はエアブラストインジェクタ(燃料噴射装置)を示した図である。
このエアブラストインジェクタは、エンジンのシリンダヘッドに取り付けられて、圧縮エアと液体燃料との混合燃料を、直接気筒内に霧状に噴射する直接噴射タイプのインジェクタである。
燃料供給装置は、燃料タンクから吸入した液体燃料を加圧して吐出する燃料ポンプを備えている。この燃料ポンプは、モータを含む電動アクチュエータの駆動力により回転駆動される。あるいはエンジンのクランクシャフトの回転により回転駆動される。そして、燃料ポンプで加圧された液体燃料は、燃料供給配管を経てインジェクタ1の導入部へ供給される。また、燃料ポンプは、インジェクタ1に向けて吐出される液体燃料の圧力を、所定の燃料圧力に調圧するプレッシャレギュレータを備えている。
インジェクタ2は、内部に中空部(第2ノズル孔)が形成された中空円筒状の第2ノズルボディ6を有する第2ハウジングと、この第2ハウジングの内部(第2ノズルボディ6の第2ノズル孔)に往復移動可能に収容された有底円筒状の第2ニードル7と、この第2ニードル7を開弁方向に駆動する第2アクチュエータと、第2ニードル7を閉弁方向に付勢する第2スプリング8とを備えている。
また、第2ハウジングは、第2ノズルボディ6の他に、第2ノズルボディ6の上部に接続される第2ロアボディ13、この第2ロアボディ13の上部に接続される第2アッパーボディ14、および第2ノズルボディ6の上部と第2ロアボディ13の下部とを締結固定するリテーニングナット15を備えている。
インジェクタ1の第1ロアボディ11および第1アッパーボディ12は、エンジンのシリンダヘッドに形成されるインジェクタ取付孔等に挿入固定されている。
第1アッパーボディ12の図示上端側で開口する開口部は、インジェクタ1内部に液体燃料を導入するための導入部(燃料導入口16)として機能する。インジェクタ1の燃料導入口16には、燃料ポンプで加圧された液体燃料が燃料供給管を介して供給される。そして、燃料導入口16に供給された液体燃料は、燃料フィルタ17を経てインジェクタ1内部の燃料流路孔18に流入する。この燃料流路孔18に流入した液体燃料は、後述する第1可動コアに形成される燃料流路孔19を通ってインジェクタ1内部の燃料流路孔20に流入する。
第1ガイド孔21は、第1ニードル4の外面との間に燃料流路26を形成する。この燃料流路26に流入した液体燃料は、隣設する2つの第1ガイド22間に区画形成される連通部27を通って燃料流路28に流入する。この燃料流路28に流入した液体燃料は、第1ニードル4が開弁した際に形成される燃料流路(流路クリアランス)を通って第1噴射孔25へ向かう。
第1ノズルボディ3の下端には、インジェクタ2の導入部に差し込まれる細いチューブ(管)状の燃料ノズル29を有する円筒キャップが取り付けられている。燃料ノズル29の内部には、インジェクタ1の第1噴射孔25とインジェクタ2の導入部とを連通する中心孔30が形成されている。
また、隣設する2つの第1ガイド22間には、複数の第1ガイド22よりも上流側の燃料流路26の液体燃料を、複数の第1ガイド22よりも下流側の燃料流路28へ流すための連通部(面取り部、凹溝)27が設けられている。
本実施例の第1ニードル4の場合、第1ニードル4が閉弁方向(図示下方)へ移動して第1シート部23が第1バルブシート24に着座すると、第1ニードル4の外面と第1ガイド孔21の内面との間の燃料流路28と第1噴射孔25との連通状態が遮断される。また、第1ニードル4が開弁方向(図示上方)に移動して第1シート部23が第1バルブシート24から離脱すると、燃料流路28と第1噴射孔25とが連通する。これにより、第1噴射孔25から燃料ノズル29の中心孔30を通ってインジェクタ2内部への液体燃料の噴射が実施される。
そして、第1可動コア32には、上端面と下端面とを連通するように上下方向に貫通する複数の燃料流路孔19が形成されている。複数の燃料流路孔19は、第1可動コア32よりも上側の燃料流路孔18に導入された液体燃料を、第1可動コア32よりも下側の燃料流路孔20へ導くように設けられている。なお、複数の燃料流路孔19は、第1ニードル4の軸線方向に対して傾斜して真っ直ぐに延びている。
なお、第1可動コア32、第1磁性パイプ38、第1固定コア36および第1ヨーク39は、全て磁性材料(例えば鉄)によって形成されている。
第1固定コア36は、第1アッパーボディ12の内面に結合されている。この第1固定コア36の第1磁気吸引部は、第1可動コア32の上面との間にギャップを形成する。
第1非磁性パイプ37は、第1固定コア36と第1磁性パイプ38(第1ロアボディ11の一部)とが、第1可動コア32を介さずに直接的に磁気結合(磁路形成)するのを防止する。
本実施例の第1アクチュエータは、第1コイル31が通電されて第1コイル31の周囲に形成される磁束が、第1ヨーク39→第1アッパーボディ12および第1固定コア36→第1可動コア32→第1磁性パイプ38(第1ロアボディ11の一部)の経路で、再び第1ヨーク39に戻る。なお、磁束の流れ方向は逆であっても良い。
ここで、第1ストッパ40は、第1アッパーボディ12の内周面に固定された第1固定コア36の内周面に圧入またはネジ込み等により固定されている。
そして、インジェクタ2は、エアポンプから供給された圧縮エアとインジェクタ1から噴射された液体燃料とを混合したエア混合燃料を、エンジンの気筒内に噴射させる第2燃料噴射弁(混合燃料噴射弁)である。
インジェクタ2の第2ロアボディ13および第2アッパーボディ14は、インジェクタ1と共に、エンジンのインジェクタ取付孔等に挿入固定されている。
第2ロアボディ13の下端には、第2スプリング8等を収容するスプリング収容孔41が形成されている。
第2アッパーボディ14は、第2ロアボディ13の上部に同一軸線上に配置されている。
また、第2アッパーボディ14の側面には、エアポンプで加圧された圧縮エアを内部に導くエア導入流路44が形成されている。このエア導入流路44は、エア導入管を介して、エアポンプの吐出口に接続している。そして、エア導入流路44から第2アッパーボディ14の内部空間45に流入した圧縮エアは、第2ニードル7の内部へ充填供給される。
第2ノズルボディ6の中心部には、第2ニードル7の軸線方向と平行な方向に真っ直ぐに延びる第2ガイド孔51が形成されている。この第2ガイド孔51は、摺動クリアランスを介して、第2ニードル7の第2ガイド52の摺動面をその軸線方向(第2ニードル7の往復移動方向)に摺動可能に案内する第2ノズル孔(摺動案内孔)である。ここで、摺動クリアランスとは、第2ガイド孔51の内面と第2ガイド52の摺動面との間に形成される微少な摺動隙間のことである。
第2噴射孔55は、第2ノズルボディ6の先端部(燃料噴射部)からエンジンの気筒内へ向けて液体燃料と圧縮エアとの混合燃料を噴射するための噴孔流路である。この第2噴射孔55は、上述したように、第2ニードル7の開弁時に、第2ニードル7の第2シート部53の外面と第2バルブシート54の着座面との間に形成される。
また、第2ロアボディ13のスプリング収容孔41の内面と第2ニードル7の外面との間には、連通路(3つの第1〜第3連通孔61〜63のうちの第1連通孔61)を介して、中心孔56に連通する外周流路64が区画形成されている。また、第2ノズルボディ6の第2ガイド孔51の内面と第2ニードル7の外面との間には、外周流路64に連通する外周流路65〜67が区画形成されている。
そして、外周流路65に流入した圧縮エアは、外周流路66を通って外周流路67に流入する。また、外周流路65に流入した圧縮エアの一部は、第2ガイド孔51の内面と第2ガイド52の摺動面との間に形成される摺動クリアランス(第2ニードル摺動部)に流入する。
なお、第2ノズルボディ6の詳細は後述する。
また、複数の第2ガイド52は、第2ニードル7の周方向に所定の間隔(例えば等間隔)に設けられている。そして、隣設する2つの第2ガイド52間には、第2ニードル7の外面より径方向(放射方向)外側に向けて膨出するように突条部(面取り部)69が複数形成されている。複数の突条部69の外面には、外周面取りされた平面が形成されている。複数の突条部69の各平面は、第2ニードル7の軸線方向と平行な方向に所定の軸長さ分(第2ガイド52の摺動面よりも短い)だけ延長されている。
そして、第2ニードル7の下端には、第2ガイド孔51の下端に設けられた第2バルブシート54に対して着座可能な第2シート部(当接部、傘状の弁部、バルブ)53が設けられている。
本実施例の第2ニードル7の場合、第2ニードル7が閉弁方向(図示上方)へ移動して第2シート部53が第2バルブシート54に着座すると、第2ニードル7の外面と第2ガイド孔51の内面との間の外周流路67と第2噴射孔55との連通状態が遮断される。また、第2ニードル7が開弁方向(図示下方)に移動して第2シート部53が第2バルブシート54から離脱すると、外周流路67と第2噴射孔55とが連通する。これにより、第2噴射孔55からエンジンの気筒内への混合燃料の噴射が実施される。
中心孔56は、インジェクタ1の第1噴射孔25および燃料ノズル29の中心孔30と同一軸線上に設けられている。この中心孔56は、インジェクタ1の第1ノズルボディ3の先端面に対向配置される対向端面(第2ニードル7の上端面)で開口し、この開口側から奥側(底面側)まで軸線方向に真っ直ぐに延びる凹状の軸方向孔(凹部)である。
また、第2ノズルボディ6の内部において第2ニードル7の外側には、第2噴射孔55の開弁時に、中心孔56から供給された圧縮エアの一部が摺動クリアランスを通って第2噴射孔55へ向けて流通する円筒状のエア流路(外周流路64〜67)が形成されている。これらの外周流路64〜67は、第2ノズルボディ6の第2ガイド孔51の内面および第2ロアボディ13のスプリング収容孔41の内面と、第2ニードル7の外面との間に形成されて、摺動クリアランスに連通するエア流路を構成している。
そして、インジェクタ1から噴射された液体燃料は、燃料ノズル29内に形成される中心孔30を通って中心孔56に供給され、エア導入管から第2アッパーボディ14の内部空間45に供給された圧縮エアは、燃料ノズル29の外面と中心孔56の内面との間に形成される筒状通路を通って中心孔56に供給される。
また、中心孔56と燃料ノズル29の軸線方向のオーバーラップ量は、インジェクタ1から噴射された燃料が、中心孔56の上端開口から外部へ吹きこぼれない長さを有することが望まれる。しかるに、オーバーラップ量を長く設定することで、筒状通路を通過する圧縮エアの通過抵抗が増すことになるため、中心孔56と燃料ノズル29の軸線方向のオーバーラップ量は、必要以上に長くしないように設定される。
なお、第2ニードル7の詳細は後述する。
なお、第2可動コア72には、その上端面と下端面とを連通するように、上下方向に貫通する燃料通路は形成されておらず、第2ニードル7の外周に何らかの要因で付着した液体燃料は、第2アッパーボディ14の第2摺動孔75の内面と第2可動コア72の外面との間に形成される摺動クリアランスを介して下方へ伝わることで下方のエア流路へ導かれる。
なお、第2可動コア72、第2ロアボディ13、第2非磁性パイプ77、第2アッパーボディ14および第2ヨーク79は、全て磁性材料(例えば鉄)によって形成されている。
第2ロアボディ13の第2磁気吸引部76は、第2可動コア72の下面との間にギャップを形成する。本実施例の第2アクチュエータでは、第2コイル71が通電されると、第2磁気吸引部76に第2可動コア72が磁気吸引される。
第2非磁性パイプ77は、第2ロアボディ13の第2磁気吸引部76と第2アッパーボディ14の第2磁気受渡部78とが、第2可動コア72を介さずに直接的に磁気結合(磁路形成)するのを防止する。
本実施例の第2アクチュエータは、第2コイル71が通電されて第2コイル71の周囲に形成される磁束が、第2ヨーク79→第2ロアボディ13の第2磁気吸引部76→第2可動コア72→第2アッパーボディ14の第2磁気受渡部78の経路で、再び第2ヨーク79に戻る。なお、磁束の流れ方向は逆であっても良い。
なお、第2バネストッパ80は、第2ニードル7の外面に取り付けられるクリップリング(Eリング、Cリング等)81によって支持されている。
ECUには、制御処理や演算処理を行うCPU、制御プログラムまたは制御ロジックや各種データを保存する記憶装置(ROMやRAM等のメモリ)、タイマー等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。
マイクロコンピュータには、エンジン情報を検出する各種センサから出力されたセンサ出力信号に基づいて、第1コイル31および第2コイル71への通電状態を制御するインジェクタ制御プログラムが搭載されている。
具体的に、インジェクタ制御プログラムは、算出された燃料噴射量が得られるように第1コイル31の通電期間を制御すると共に、算出された噴射タイミングで燃料噴射が実施されるように第2コイル71の通電開始時期を制御する。すなわち、インジェクタ2において、インジェクタ1から噴射された液体燃料と共に圧縮エアを一緒に噴射するように、インジェクタ1、2の通電制御を行う。
なお、図4(b)は、一例を示すだけであって、図4(b)とは異なり、インジェクタ1とインジェクタ2とが同時に駆動されるオーバラップ期間があっても良いし、インジェクタ1とインジェクタ2とが同時に駆動開始されるものであっても良い。
本実施例のインジェクタ2は、第2ニードル7の内側に形成される中心孔56と、第2ニードル7の外側に形成されるエア流路(外周流路64〜67)とを備えている。
中心孔56の上端は、インジェクタ1の第1噴射孔25と同一軸線上で開口している。この中心孔56の開口側には、第2アッパーボディ14の内部空間45に臨む導入部57が設けられている。この導入部57は、インジェクタ1の第1噴射孔25から噴射された液体燃料と、外部から供給された圧縮エアとを中心孔56の内部(流路部58、貯留部59)へ導く。また、中心孔56の中間部には、導入部57から供給された液体燃料と圧縮エアを下流側(底面側)へ導く流路部58が設けられている。また、中心孔56の奥側(開口側に対して反対側)には、内部に液体燃料を一時的に溜める貯留部59が設けられている。
本実施例のインジェクタ2に設けられる連通路は、中心孔56から供給された圧縮エアを上流側流路(外周流路64、65)へ導く第1連通孔61、中心孔56から供給された液体燃料を摺動クリアランスへ導く第2連通孔62、および中心孔56から供給された液体燃料を外周流路66へ導く第3連通孔63を具備している。
すなわち、複数の第2ガイド52の各摺動面は、第2ガイド孔51の内面との間に、上流側の外周流路65から摺動クリアランスを通って下流側の外周流路67へ向かう圧縮エアの流れを絞る流路絞り部である。また、複数の突条部69の各平面は、第2ガイド孔51の内面との間に、上流側の外周流路65から外周流路66を通って下流側の外周流路67へ向かう圧縮エアの流路を絞る流路絞り部である。
ここで、第2ニードル7における第1連通孔61よりも下方には、図1および図2に示したように、中心孔56と摺動クリアランスおよび外周流路66とを連通する複数の第2、第3連通孔(燃料孔)62、63が設けられている。第2、第3連通孔62、63は、中心孔56の下端(底面近傍)の貯留部59から流路絞り部の最大絞り部である第2ガイド52の摺動面および突条部69の平面へ向かって放射状に複数形成されている。
すなわち、第2ニードル7には、第2可動コア72よりも下方に、中心孔56の流路部58と外周流路64、65とを連通する第1連通孔(第1横穴、径方向流路)61が設けられている。この第1連通孔61は、中心孔56の内部に供給された圧縮エアを分岐させて外周流路64、65等へ供給するエア分岐孔であり、圧縮エアは中心孔56の流路部58から第1連通孔61を通って外周流路64、65内に充填供給される。第1連通孔61は、中心孔56の中間の流路部58から第2ニードル7の外面(平面または凸曲面)へ向かって放射状に複数形成されている。
また、第1連通孔61の孔径寸法を大きく設定することで、エア流路(外周流路64〜66および摺動クリアランス等)を流れる圧縮エアの流量を増大させることが可能となる。これにより、流路絞り部を通過する圧縮エアの流速が速くなるので、外周流路を流れる圧縮エアが、中心孔56の液体燃料を第2、第3連通孔62、63を介して吸い出す効果を向上することができる。したがって、流路絞り部における液体燃料と圧縮エアとの混合性を向上させることができるので、全噴射期間において燃料噴霧の微粒化を促進させることができる。
次に、本実施例のエアブラストインジェクタの作動を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。
ここで、インジェクタ1の第1コイル31への通電が停止している場合、第1ニードル4は第1可動コア32と共に第1スプリング5の付勢力によって第1バルブシート24に押し付けられて、第1ニードル4の第1シート部23が第1バルブシート24に着座している。このとき、燃料流路26、28から第1噴射孔25への液体燃料の流通が遮断されるので、第1噴射孔25からの燃料噴射が実施されない。
このように、第1ニードル4が第1磁気吸引部に向かって移動すると、第1ニードル4の第1シート部23が第1バルブシート24から離脱(離座)し、燃料流路26、28から第1噴射孔25への液体燃料の流通が許可される。これにより、第1噴射孔25から燃料噴射が実施される。
ここで、本実施例の第2ニードル7は、第1連通孔61よりも下側における中心孔56の貯留部59の内容積(最大貯留量)が、1回の燃料噴射量(最大噴射量)よりも大きくなるように設定されている。つまりインジェクタ1から中心孔56の内部へ噴射供給された液体燃料を、第1連通孔61よりも下側の中心孔56の貯留部59で貯留できるようになっている。これにより、エンジンの気筒内への最大噴射時であっても、第1連通孔61から外周流路64、65へ液体燃料が溢れ出る不具合がなく、噴射開始初期に、外周流路64、65から溢れ出した液体燃料がまとまって第2噴射孔55からエンジンの気筒内に噴射されるという不具合はない。
そして、中心孔56の導入部57から導入された圧縮エアは、貯留部59に液体燃料が貯留されているため、流路部58、第1連通孔61を通って、第2ニードル7の外面と第2ロアボディ13のスプリング収容孔41の内面との間に区画形成される外周流路64に流入する。そして、外周流路64に流入した圧縮エアは、第2ノズルボディ6の第2ガイド孔51の内面と第2ニードル7の外面との間に区画形成される外周流路65に到達する。
そして、ECUからインジェクタ2の第2コイル71へ駆動信号が印加されて、第2コイル71に電流が流れると、第2可動コア72および第2固定コアである第2ロアボディ13に磁束が流れる。これにより、第2可動コア72と第2ロアボディ13の第2磁気吸引部76との間に、第2可動コア72を第2磁気吸引部76側(下方側)へ引き付ける力である磁気吸引力が発生する。
このように、第2ニードル7が第2磁気吸引部76に向かって移動すると、第2ニードル7の第2シート部53が第2バルブシート54から離脱(離座)し、外周流路67から第2噴射孔55への液体燃料と圧縮エアの混合燃料の流通が許可される。これにより、第2噴射孔55から混合燃料の噴射が実施される。
このとき、第2噴射孔55が開かれると、外周流路64、65内に充填された圧縮エアが、外周流路66および摺動クリアランス、外周流路67、第2噴射孔55を通ってエンジンの気筒内に流れる。このため、外周流路66および摺動クリアランスには、複数の第2ガイド52の摺動面および複数の突条部69の平面により構成される流路絞り部の上流側の外周流路65から下流側の外周流路67を通って第2噴射孔55に向かう圧縮エアの流れが生じ、圧縮エアが流路絞り部で絞られる。
これにより、第2ニードル7の下端側の貯留部59に貯留されていた液体燃料が、複数の第2、第3連通孔62、63を通って摺動クリアランスおよび外周流路66内に吸い出される。
そして、複数の第2、第3連通孔62、63の出口から吸い出された液体燃料は、流路絞り部を通過する圧縮エアによって連続的に分断されながら圧縮エアに混ざり合い、圧縮エアと共に、外周流路67、第2噴射孔55を通ってエンジンの気筒内へ噴射される。
このように、複数の第2、第3連通孔62、63の出口から吸い出された液体燃料が、圧縮エアに混ざり合った状態で第2噴射孔55から噴射されるため、インジェクタ2の噴射初期から噴霧粒径を微粒化することができる。
そして、第2ニードル7が上昇して第2ニードル7の第2シート部53が第1バルブシート54に着座すると、外周流路67から第2噴射孔55への液体燃料の流通が遮断されるので、第2噴射孔55からの燃料噴射が停止される。
以上のように、本実施例のエアブラストインジェクタを構成するインジェクタ1、2のうちのインジェクタ2の第2ニードル7には、第2ニードル7の中心部に形成される中心孔56と、第2ニードル7の外面と第2ノズルボディ6の第2ガイド孔51の内面および第2ロアボディ13のスプリング収容孔41の内面との間に区画形成されるエア流路(外周流路64〜67)とを連通する連通路(第1〜第3連通孔61〜63)が設けられている。
一方、中心孔56の流路部58から第1連通孔61、外周流路64、65を通って摺動クリアランス内および外周流路66内に導かれた圧縮エアが、中心孔56の貯留部59から複数の第2、第3連通孔62、63を介して第2、第3連通孔62、63の出口側へ押し出された液体燃料を摺動クリアランス内および外周流路66内に吸い出す効果が発生する。
この結果、摺動クリアランス、外周流路66、外周流路67を流れる圧縮エアと複数の第2、第3連通孔62、63の出口より噴出する液体燃料との混合性を向上することができる。したがって、インジェクタ2の第2噴射孔55から噴射される燃料噴霧の微粒化を促進することができる。
これによって、エアブラストインジェクタを構成するインジェクタ1、2とは別に、ニードル摺動部に潤滑オイルを供給する潤滑油供給機構を設けることなく、第2ニードル摺動部を効率良く潤滑することができる。
また、本実施例のインジェクタ2は、複数の第2ガイド52のうちの隣設する2つの第2ガイド52間に、上流側流路(外周流路64、65)と下流側流路(外周流路67)とを連通する外周流路66が区画形成されている。これにより、インジェクタ2の第2噴射孔55が開かれた際に、摺動クリアランスよりも上流側の外周流路64、65から摺動クリアランスよりも下流側の外周流路67へ向かう圧縮エアの流路抵抗(流通抵抗)を低減することができる。
両側の側面間を繋ぐように設けられる摺動面(第2ガイド52の摺動面)は、第1ガイド孔21の内面(凹曲面)の曲率半径よりも僅かに小さい曲率半径の凸曲面形状に形成されている。複数の第2ガイド52の摺動面は、第1ガイド孔21の内面と摺動する。
そして、複数の第2ガイド52のうちの隣設する2つの第2ガイド52間には、複数の第2ガイド52の各摺動面より第2ニードル7の中心側(中心孔56の中心側)に凹んだ凹溝91が複数形成されている。これらの凹溝91は、第2ニードル7の断面円筒形状の径大部の外面を切り欠くことで形成される。
また、本実施例のインジェクタ2は、複数の第2ガイド52のうちの隣設する2つの第2ガイド52間に、上流側流路(外周流路64、65)と下流側流路(外周流路67)とを連通する外周流路66が区画形成されている。これにより、インジェクタ2の第2噴射孔55が開かれた際に、摺動クリアランスよりも上流側の外周流路64、65から摺動クリアランスよりも下流側の外周流路67へ向かう圧縮エアの流路抵抗(流通抵抗)を低減することができる。
また、第2ノズルボディ6の第2ガイド孔51の内面と第2ニードル7の外面との間には、第2噴射孔55の開弁時に中心孔56の流路部58から第1連通孔61を通って外周流路64、65内に供給された圧縮エアを外周流路67、第2噴射孔55へ向けて流通させるためのエア流路が区画形成されている。このエア流路には、摺動クリアランスよりも上流側の外周流路64、65と摺動クリアランスよりも下流側の外周流路67とを連通する複数の流路孔92が設けられている。複数の流路孔92は、円筒状の第2ガイド52を、第2ニードル7の軸線方向と平行な方向に貫通する貫通孔である。複数の流路孔92は、第2ガイド52の上流側の端面(傾斜面)から第2ガイド52の下流側の端面(傾斜面)まで第2ニードル7の軸線方向と平行な方向に真っ直ぐに延びている。
また、第2ニードル7における第1連通孔61よりも下方には、図6に示したように、中心孔56と摺動クリアランスおよび外周流路66とを連通する複数の燃料孔93が設けられている。燃料孔93は、中心孔56の下端(底面近傍)の貯留部59から複数の流路孔92を経て第2ガイド52の摺動面へ向かって放射状に複数形成されている。
本実施例の燃料孔93は、中心孔56の貯留部59の周囲を周方向に取り囲む管壁部(第2ニードル7の下端壁部)を放射状に貫通するように複数形成されて、中心孔56の貯留部59から流路孔92を経て摺動クリアランスへ主に液体燃料を導く第2連通孔としての機能と、中心孔56の貯留部59から流路孔92へ主に液体燃料を導く第3連通孔としての機能を合わせ持っている。
また、本実施例のインジェクタ2は、燃料孔93と十字状に交差すると共に、第2ガイド52を貫通する流路孔92が形成されている。これにより、インジェクタ2の第2噴射孔55が開かれた際に、摺動クリアランスよりも上流側の外周流路64、65から摺動クリアランスよりも下流側の外周流路67へ向かう圧縮エアの流路抵抗(流通抵抗)を低減することができる。
本実施例では、本発明の燃料噴射装置を、エンジンの気筒内(燃焼室内)に直接燃料を噴射供給する直接噴射方式のエアブラストインジェクタに適用しているが、本発明の燃料噴射装置を、エンジンの燃焼室に連通する吸気ポート内に燃料を噴射供給するエアブラストインジェクタに適用しても良い。
本実施例では、第1燃料噴射弁(インジェクタ1)の第1ニードル4を駆動する第1ニードル駆動手段として電磁アクチュエータ(第1アクチュエータ)を使用しているが、第1ニードル駆動手段としてピエゾアクチュエータ、電動アクチュエータ、流体圧作動式アクチュエータ等の他の第1アクチュエータを使用しても良い。
本実施例では、第2燃料噴射弁(インジェクタ2)の第2ニードル7を駆動する第2ニードル駆動手段として電磁アクチュエータ(第2アクチュエータ)を使用しているが、第2ニードル駆動手段としてピエゾアクチュエータ、電動アクチュエータ、流体圧作動式アクチュエータ等の他の第1アクチュエータを使用しても良い。
2 インジェクタ(第2燃料噴射弁)
3 第1ノズルボディ(第1ハウジング)
4 第1ニードル
6 第2ノズルボディ(第2ハウジング)
7 第2ニードル
11 第1ロアボディ(第1ハウジング)
12 第1アッパーボディ(第1ハウジング)
13 第2ロアボディ(第2ハウジング)
14 第2アッパーボディ(第2ハウジング)
25 第1噴射孔
51 第2ガイド孔
52 第2ガイド
53 第2シート部
54 第2バルブシート
55 第2噴射孔
56 中心孔
57 中心孔の導入部
58 中心孔の流路部
59 中心孔の貯留部
61 第1連通孔(連通路)
62 第2連通孔(連通路)
63 第3連通孔(連通路)
64 外周流路(エア流路、上流側流路)
65 外周流路(エア流路、上流側流路)
66 外周流路(エア流路、中継流路)
67 外周流路(エア流路、下流側流路)
69 突条部(面取り部)
91 凹溝
92 流路孔
93 燃料孔(第2、第3連通孔)
Claims (13)
- (a)外部から供給された液体燃料を噴射する第1噴射孔を有する筒状の第1ハウジング、
およびこの第1ハウジングの内部に往復移動可能に収容されて、前記第1噴射孔を開閉する第1ニードル
を具備した第1燃料噴射弁と、
(b)この第1燃料噴射弁から噴射された液体燃料に外部から供給されたエアを混合した混合燃料を噴射する第2噴射孔を有する筒状の第2ハウジング、
およびこの第2ハウジングの内部に往復移動可能に収容されて、前記第2噴射孔を開閉すると共に、内部に液体燃料とエアが供給される中心孔、およびこの中心孔に連通する連通路を有する有底筒状の第2ニードル
を具備した第2燃料噴射弁と
を備えた燃料噴射装置において、
前記第2ニードルは、前記第2ニードルの外面より径方向外側に突出した鍔状のガイドを具備し、
前記第2ハウジングは、摺動クリアランスを介して前記ガイドの摺動面を往復摺動可能に案内するガイド孔、および少なくとも前記ガイド孔の内面と前記第2ニードルの外面との間に形成されて、前記第2噴射孔の開弁時に前記中心孔から供給されたエアが少なくとも前記摺動クリアランスを経て前記第2噴射孔へ向けて流通するエア流路を具備し、
前記エア流路は、前記摺動クリアランスよりも上流側に形成されて、前記中心孔から供給されたエアを少なくとも前記摺動クリアランスへ導く上流側流路、および前記摺動クリアランスよりも下流側に形成されて、少なくとも前記摺動クリアランスを通過したエアを前記第2噴射孔へ導く下流側流路を具備し、
前記連通路は、前記中心孔から供給されたエアを前記上流側流路へ導く第1連通孔、および前記中心孔から供給された液体燃料を前記摺動クリアランスへ導く第2連通孔を具備し、前記第2連通孔の入口が前記中心孔の内面で開口し、前記第2連通孔の出口が前記ガイドの摺動面で開口していることを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項1に記載の燃料噴射装置において、
前記中心孔とは、前記第1燃料噴射弁側の端面で開口し、この開口側から底面側まで軸線方向に延びる凹状の軸方向孔のことであることを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項2に記載の燃料噴射装置において、
前記中心孔の奥側(開口側に対して反対側)には、液体燃料を溜める貯留部が設けられていることを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項3に記載の燃料噴射装置において、
前記第2連通孔は、前記貯留部と前記摺動クリアランスとを連通しており、
前記第2連通孔の出口とは、前記貯留部の液体燃料を前記摺動クリアランスへ導く噴出ポートのことであることを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の燃料噴射装置において、
前記ガイドは、前記第2ニードルの周方向に所定の間隔で形成された複数のガイドにより構成されていることを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項5に記載の燃料噴射装置において、
前記複数のガイドのうちの隣設する2つのガイド間には、前記複数のガイドの各摺動面より前記第2ニードルの中心線側に凹んだ面取り部が設けられており、
前記エア流路は、前記複数のガイドのうちの隣設する2つのガイド間に区画形成されて、前記上流側流路と前記下流側流路とを連通する中継流路を具備していることを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項6に記載の燃料噴射装置において、
前記連通路は、前記中心孔から供給された液体燃料を前記中継流路へ導く第3連通孔を有し、前記第3連通孔の入口が前記中心孔の内面で開口し、前記第3連通孔の出口が前記面取り部の外面で開口していることを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項5に記載の燃料噴射装置において、
前記複数のガイドのうちの隣設する2つのガイド間には、前記複数のガイドの各摺動面より前記第2ニードルの中心線側に凹んだ凹溝が設けられており、
前記エア流路は、前記複数のガイドのうちの隣設する2つのガイド間に区画形成されて、前記上流側流路と前記下流側流路とを連通する中継流路を具備していることを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項8に記載の燃料噴射装置において、
前記連通路は、前記中心孔から供給された液体燃料を前記中継流路へ導く第3連通孔を有し、前記第3連通孔の入口が前記中心孔の内面で開口し、前記第3連通孔の出口が前記凹溝の溝壁面で開口していることを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項1ないし請求項9のうちのいずれか1つに記載の燃料噴射装置において、
前記エア流路は、前記ガイドを前記第2ニードルの軸線方向と平行な方向に貫通すると共に、前記上流側流路と前記下流側流路とを連通する流路孔を具備していることを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項10に記載の燃料噴射装置において、
前記連通路は、前記中心孔から供給された液体燃料を前記流路孔へ導く第3連通孔を有し、前記第3連通孔の入口が前記中心孔の内面で開口し、前記第3連通孔の出口が前記流路孔の孔壁面で開口していることを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項5に記載の燃料噴射装置において、
前記エア流路は、前記複数のガイドのうちの隣設する2つのガイド間に区画形成されて、前記上流側流路と前記下流側流路とを連通する中継流路を具備していることを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項12に記載の燃料噴射装置において、
前記連通路は、前記中心孔から供給された液体燃料を前記中継流路へ導く第3連通孔を有し、前記第3連通孔の入口が前記中心孔の内面で開口し、前記第3連通孔の出口が前記中継流路の流路壁面で開口していることを特徴とする燃料噴射装置。
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