JP5146342B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁駆動部の発生する磁気吸引力によってニードルを噴孔が開かれる側(開弁側)に駆動する構造を採用する燃料噴射弁に関し、特にエンジン(燃料の燃焼エネルギーにより回転出力を発生させる内燃機関)の気筒内に直接燃料を噴射する直噴式の燃料噴射弁に関する。
エンジンのクランキング中における初爆(最初の完全爆発)では、気筒内において非常に高い燃焼圧(例えば、8MPa)が発生する。これは、初爆に至るまでに失火によって気筒内に未燃焼燃料が残留することと、クランキング中は通常のエンジン運転時に比較して燃料噴射量が増量されていることによるものである。
燃料噴射弁は、吸入行程中における僅かな時間内に噴孔を開いて燃料噴射するものであり、爆発行程(燃料の燃焼行程)など他の行程中は噴孔が閉じている必要がある。
即ち、直噴エンジンでは、初爆による異常高圧が噴孔を介してニードルに作用しても、ニードルが初爆から受ける圧力によってリフト(開弁)するのを防ぐ必要がある。
ここで、ニードルは、スプリングと、加圧供給される高圧燃料の燃圧によって、閉弁方向(ニードルが噴孔を閉じる方向)に付勢される。
しかし、クランキング中は、燃料の加圧が不足している状態であるため、初爆の発生時は、スプリングのセット荷重のみでニードルがリフトするのを防ぐ必要がある。このため、スプリングには、初爆を受けてもニードルのリフトを防ぐことのできる大きなセット荷重が与えられている。
初爆が起こった後の通常運転時(通常のエンジン燃焼運転時)では、エンジン回転数の上昇に伴い、燃料噴射弁に与えられる燃料圧力が所定の目標圧力(例えば、4MPa)に上昇する。
これにより、ニードルに付与される閉弁方向の荷重は、スプリングによる大きなセット荷重に加え、高圧燃料の燃圧が加わる。
このため、通常運転時に噴孔を開弁させるには、スプリングによる大きなセット荷重と、高圧燃料の燃圧によるニードルの付勢力との「合力」に打ち勝つ非常に大きなリフトアップ力をニードルに与える必要がある。
この非常に大きなリフトアップ力は、電磁駆動部が発生するものであるため、従来の燃料噴射弁では、電磁駆動部が大型化するとともに、噴孔の開弁毎に電磁駆動部が大きなエネルギーを消費する不具合があった。
特開2007−016769号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、(i)電磁駆動部の小型化および低エネルギー化を図る燃料噴射弁の提供、(ii)あるいは、従来と同等のエネルギー消費であれば、従来よりも高い燃料圧力を供給しても安定して開閉動作できる燃料噴射弁の提供にある。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用する。
○燃料噴射弁は、加圧された高圧燃料が供給される内部の燃料供給部と外部を連通する噴孔を有するノズルボディと、噴孔を開閉可能なニードルと、噴孔を閉じる方向にニードルを付勢するスプリングと、噴孔を開く方向にニードルを駆動する電磁駆動部とを具備し、加圧供給された高圧燃料がニードルに対して噴孔を閉じる方向に作用する。
○燃料噴射弁は、高圧燃料の燃圧上昇時にスプリングのセット長を長くし、高圧燃料の燃圧減少時にスプリングのセット長を短くするセット荷重変更手段を備える。
○セット荷重変更手段は、スプリングの作用点とは反対側の支持点の位置を、燃圧に応じて変更するものであって、スプリングを支持する固定部材に設けられ、スプリングの配置側に向かって膨出するダイヤフラムであり、このダイヤフラムの膨出部にスプリングの支持点が設けられ、ダイヤフラムが燃圧で変形することにより、スプリングのセット荷重が変更される。
本発明は、上記の構成を採用することにより、以下の作用を奏する。
○エンジンの初爆が発生するクランキング中は、燃料圧力が上昇していない。このため、燃料噴射弁では、セット荷重変更手段の作用によりスプリングのセット長が短くなり、スプリングのセット荷重が大きくなる。
このように、クランキング中はセット荷重が大きくなったスプリングの作用により、強く閉弁方向に付勢される。このため、クランキング中に初爆が発生しても、スプリングのセット荷重のみでニードルがリフトするのを防ぐことができる。
○エンジンの初爆後、エンジンが通常運転に転じて燃料圧力が上昇する。すると、燃料噴射弁では、セット荷重変更手段の作用によりスプリングのセット長が長くなり、スプリングのセット荷重が小さくなる。
このため、通常運転時は、高圧燃料の燃圧がニードルを閉弁方向に付勢しても、スプリングのセット荷重が小さくなることにより、通常運転時に噴孔を開弁させる際に必要となるニードルのリフトアップ力が従来より小さくなる。これにより、電磁駆動部の小型化および低エネルギー化を図ることができる。あるいは、従来と同等のエネルギー消費であれば、従来よりも高い燃料圧力を供給しても安定して燃料噴射弁を開閉動作することができる。
燃料噴射弁の要部断面図である(実施例1)。 燃料噴射弁の作動説明図である(実施例1)。 ニードルに加わる閉弁方向の荷重と、燃料噴射弁に与えられる燃料圧力との関係を示すグラフである(実施例1)。 燃料噴射弁の概略図、および要部分解図である(実施例2)。
図1〜図3を参照して[発明を実施するための形態]を説明する。
燃料噴射弁は、加圧された高圧燃料が供給される内部の燃料供給部(ノズル孔1)と外部を連通する噴孔2を有するノズルボディ3と、噴孔2を開閉可能なニードル4と、噴孔2を閉じる方向にニードル4を付勢するスプリング5と、噴孔2を開く方向にニードル4を駆動する電磁駆動部6とを具備し、加圧供給された高圧燃料がニードル4に対して噴孔2を閉じる方向に作用する。
この燃料噴射弁は、高圧燃料の燃圧上昇時にスプリング5のセット長を長くし、高圧燃料の燃圧減少時にスプリング5のセット長を短くするセット荷重変更手段(後述するダイヤフラム7)を有する。
次に、燃料噴射弁1の具体的な一例を、図1〜図3を参照して説明する。なお、以下の実施例において、上記[発明を実施するための形態]と同一符号は、同一機能物を示すものである。
〔燃料噴射弁の主要構成〕
燃料噴射弁は、直噴エンジンに搭載されるものであり、例えばガソリン等の燃料をエンジンの気筒内(燃焼室内)に直接噴射供給するものであって、各気筒毎に搭載される。
燃料噴射弁には、燃料ポンプにより加圧された高圧燃料が、燃料供給管を介して供給される。
ここで、燃料ポンプは、燃料タンクから燃料噴射弁に燃料を導く燃料供給管の途中に配置されるものであり、燃料タンク内の燃料を吸引する低圧ポンプと、この低圧ポンプで吸引された低圧(例えば、0.数MPa)の燃料を高圧(例えば、数MPa〜十数MPa)に加圧して燃料噴射弁に向けて圧送する高圧ポンプとを備える。また、燃料ポンプは、燃料噴射弁に向けて吐出される燃料の圧力を、所定の目標圧力(例えば、4MPa)に調圧する調圧装置(プレッシャレギュレータ等)を備えている。
燃料噴射弁は、略円筒形状を呈するものであり、一端側から燃料を受け、内部の燃料通路を経由して他端から燃料を噴射する。なお、以下では燃料供給を受ける一端側を「上側」と称し、燃料を噴射する他端側を「下側」と称して説明するが、この上下方向は説明のためのものであって、限定されるものではない。
燃料噴射弁は、燃料の噴射と停止を実行する噴射ノズル11、この噴射ノズル11に閉弁力(燃料噴射を停止させる力)を付与する閉弁力付与手段12、この閉弁力付与手段12の閉弁力に抗して開弁力(燃料噴射を実行させる力)を付与する電磁駆動部6、および筒状ハウジング13などを備えており、上端から筒状ハウジング13の内部に流入した燃料は、噴射ノズル11の下端に向けて供給される。
(噴射ノズル11の説明)
噴射ノズル11は、エンジンに固定されるノズルボディ3と、可動部材であるニードル4とを含んで構成されている。
ノズルボディ3は、燃料噴射弁の下部(筒状ハウジング13の下部)に固定されるものである。このノズルボディ3の軸中心には、上方から下方へ向けて燃料を導くノズル孔1が穿設されており、ノズル孔1の下端に設けられた弁座の内側には、ノズルボディ3の先端部から気筒内に向けて燃料を噴射するための噴孔2が形成されている。なお、ノズル孔1は、噴孔2への燃料供給部に相当するものである。
ここで、ノズルボディ3は、1つの部材で構成するものであっても良いし、ノズルボディ3の先端部(ニードル4が着座する部分)だけを耐摩耗性に優れた材料で別に設け、溶接等で結合するものであっても良い。
ノズル孔1は、ニードル4との間にノズル室(燃料通路)を形成して、上方から供給された高圧燃料を弁座側へ導くものである。
噴孔2は、弁座の内側(下流側)の上面に入口が開口して、ノズルボディ3の先端部を貫通して設けられ、出口がノズルボディ3の先端部の外面に開口している。この噴孔2は、要求される燃料の噴霧の形状、方向、数などに応じて、その大きさ、噴孔軸線の方向、噴孔配列等が決定されるものであり、噴孔2の開口面積が開弁時の流量を規定するものである。
ニードル4は、上下方向へ延びるシャフト形状を呈するものであり、ノズル孔1の中心部において上下方向へ移動可能に支持されている。
具体的に、ニードル4の上端は、上下方向に摺動自在に支持された可動コア14(電磁駆動部6におけるアーマチャ)の中心に結合されて、ニードル4の上端がノズル孔1の中心部において上下方向へ移動可能に支持されている。一方、ニードル4の下端には、図示しない大径摺動部が形成されており、この大径摺動部とノズル孔1の内周面との間に摺動クリアランスが設けられ、ニードル4の下端がノズル孔1の中心部において上下方向へ移動可能に支持されている。なお、大径摺動部の一部には、外周面の一部をカットした形状の面取部が設けられ、大径摺動部の上側の燃料を、大径摺動部の下側へ導くように設けられている。
ニードル4の下端には、ノズル孔1の下端に設けられた弁座に着座可能なシート部が設けられている。このシート部が弁座に着座することにより、ノズル孔1と噴孔2との連通が遮断され、シート部が弁座から離座することにより、ノズル孔1と噴孔2とが連通して、燃料が噴孔2から噴射される。
ここで、弁座とシート部との当接部(着座部分)には、シート部が弁座に着座した際に噴射を停止するための線シール部(油密機能部)が設けられている。
なお、シート部の形状は、略円錐台形状に限られるものではなく、略円錐形状、あるいは略半球状など、線シールが可能な形状であればいずれの形状であっても良い。また、弁座とシート部のシール方法としては、線シールに限らず、円錐面の当接でシールするものであっても良い。
(閉弁力付与手段12の説明)
閉弁力付与手段12は、圧縮コイルよりなるスプリング5による付勢力と、燃料噴射弁の内部に供給される燃圧による付勢力とにより、ニードル4を下方へ押し付けて、シート部を弁座に着座させる力(閉弁力)を発生するものであり、この閉弁力付与手段12の詳細は、後述する。
(電磁駆動部6の説明)
電磁駆動部6は、磁力によってニードル4を上方(開弁方向)に駆動するものであり、通電により磁力を発生する円筒形状に巻回されたコイル15、このコイル15の内周に配置されて上下方向へ摺動自在に支持される可動コア14、この可動コア14を上方へ磁気吸引するための磁路を形成する固定子を備える。
先ず、固定子を説明する。
固定子は、筒状ハウジング13の下部を利用したものであり、筒状ハウジング13の他に、非磁性筒16、この非磁性筒16の下部において可動コア14と径方向の磁気の受け渡しを行なう磁気受渡筒(図示しない)、可動コア14を上方へ磁気吸引する磁気吸引筒18、ヨーク19などにより構成される。なお、固定子を構成する部材のうち、非磁性筒16を除く他の部材(筒状ハウジング13、径方向の磁気受渡筒、磁気吸引筒18、ヨーク19)は、全て磁性体金属(例えば、鉄など)によって形成されるものである。
非磁性筒16と磁気受渡筒は、ともに筒状ハウジング13と同径の筒体であり、筒状ハウジング13の下部に連接して非磁性筒16が配置され、その下部に磁気受渡筒が連接して配置され、非磁性筒16と磁気受渡筒の内周面において可動コア14を上下方向へ摺動自在に支持するものである。
非磁性筒16は、非磁性材料(非磁性金属、樹脂等)によって設けられ、固定子に生じる磁路を可動コア14に通過させる部材である。
磁気受渡筒は、その内周面と可動コア14の外周面との間にサイドギャップを形成させる部材であり、可動コア14の下側の外周面を覆って、可動コア14と径方向の磁束の受け渡しを行なうものである。なお、可動コア14の下側は、磁気受渡筒と径方向の磁気の受け渡しのみを行うものであり、軸方向(上下方向)への磁気の受け渡しを行なわないものである。
ここで、磁気受渡筒は、ノズルボディ3の一部で構成されるものであっても良いし、ノズルボディ3とは別の部材で設け、溶接などでノズルボディ3等に結合するものであっても良い。
磁気吸引筒18は、筒状ハウジング13の内周面に結合された筒状を呈し、磁気吸引筒18の下面と可動コア14の上面との間にメインギャップ(磁気吸引ギャップ)を形成する部材である。即ち、コイル15が通電されると、可動コア14が磁気吸引筒18に磁気吸引されるものである。
ヨーク19は、コイル15の外周を覆って、コイル15の外周に磁路を形成する部材であり、コイル15が通電されると、ヨーク19→筒状ハウジング13→磁気吸引筒18→可動コア14→磁気受渡筒→再びヨーク19に戻る磁気経路(磁束の流れ方向は逆であっても良い)が形成される。
〔実施例1の背景〕
エンジンのクランキング中における初爆では、通常運転時に比較して気筒内において非常に高い燃焼圧(例えば、8MPa)が発生する。この時、燃料噴射弁は、噴孔2が閉じている必要がある。
ニードル4は、閉弁力付与手段12により、閉弁方向(下方)へ付勢される。閉弁力付与手段12は、上述したように、スプリング5による付勢力と、燃料噴射弁の内部に供給された燃圧による付勢力とにより、ニードル4を下方へ押し付けて、シート部を弁座に着座させる閉弁力を発生するものである。
しかし、クランキング中(初爆が起こる以前)は、燃料ポンプによる燃料の加圧が不足状態であるため、初爆の発生時では、スプリング5のセット荷重のみでニードル4がリフトするのを防ぐ必要がある。このため、スプリング5には、初爆を受けてもリフトを防ぐことのできる大きなセット荷重が与えられる。
このことを、図3を参照して具体的に説明する。ここで、この図3中における荷重X1は、初爆時にニードル4のリフト防止に必要なニードル4の閉弁方向荷重を示し、荷重X2は、通常運転中における燃焼爆発時(初爆に比較して低い爆発圧)にニードル4のリフト防止に必要なニードル4の閉弁方向荷重を示すものである。
初爆の発生時は、上述したように、スプリング5のセット荷重のみでニードル4がリフトするのを防ぐ必要がある。このため、スプリング5には、初爆を受けてもリフトを防ぐことのできるように、スプリング5のセット荷重は、燃料圧力が無い状態(燃圧=0)において、ニードル4に加わる閉弁方向荷重が荷重X1を満足するように設定される。
初爆後の通常運転時では、エンジン回転数の上昇に伴い、燃料噴射弁に与えられる燃料圧力が目標圧力Aに上昇する(例えば、4MPa)。
これにより、ニードル4の閉弁方向荷重は、図3の破線αに示すように、スプリング5による大きなセット荷重に加え、高圧燃料の燃圧が加わる。即ち、通常運転時には、燃料圧力が目標圧力Aに上昇することで、ニードル4に加わる閉弁方向荷重がX3に上昇する。
このため、従来の技術を用いて通常運転時に噴孔2を開弁させるには、スプリング5による大きなセット荷重と、高圧燃料の燃圧によるニードル4の付勢力との合力(荷重X3)に打ち勝つ非常に大きなリフトアップ力をニードル4に与える必要がある。
この非常に大きなリフトアップ力は、電磁駆動部6が発生するものであるため、従来の燃料噴射弁では、電磁駆動部6が大型化するとともに、噴孔2の開弁毎に電磁駆動部6が大きなエネルギーを消費する不具合があった。
〔実施例1の特徴〕
実施例1の燃料噴射弁は、上記の不具合を解決するために、高圧燃料の燃圧上昇時にスプリング5のセット長を長くし、高圧燃料の燃圧減少時にスプリング5のセット長を短くするセット荷重変更手段を備えるものである。
以下において、実施例1におけるセット荷重変更手段を説明する。
セット荷重変更手段は、スプリング5の作用点(可動コア14とスプリング5の当接点)とは反対側にあるスプリング5の支持点(後述する)の位置を、燃圧に応じて変更するものである。
このセット荷重変更手段は、スプリング5を支持する固定部材21(スプリングセットコネクタ)に設けられ、スプリング5の配置側(下方)に向かって膨出するダイヤフラム7であり、このダイヤフラム7の膨出部にスプリング5の支持点(ダイヤフラム7と連接コア22との当接点)が設けられている。そして、ダイヤフラム7は、一方の面(下方の面)のみが燃圧を受けるものであり、ダイヤフラム7が燃圧で変形することにより、スプリング5のセット荷重が変更されるものである。
なお、固定部材21は、磁気吸引筒18の上方より磁気吸引筒18の内部に圧入等の固定技術で固定された金属部品であり、固定部材21の圧入量によってスプリング5に基本となるセット荷重を付与している。
具体的に、セット荷重変更手段を説明する。
このセット荷重変更手段は、上述したように、固定部材21に設けられたダイヤフラム7である。このダイヤフラム7は、固定部材21との間に、体積変化する容積室(例えば、空気などの気体室、あるいは弾性変形可能なゴムや発泡樹脂などの樹脂材料の充填室など)を形成するものである。なお、この容積室には、空気や所定圧ガスなどの気体、あるいは圧縮変形可能なゴムや発泡樹脂などが入れられている。
固定部材21には、下方に向かって突出する筒状のボス部が形成されている。また、このボス部の内側には、下方に向かって開口する凹部が形成されている。
一方、ダイヤフラム7は、ドーム形状を呈した金属バネであり、内径がボス部の周囲に被せられた状態で、ダイヤフラム7の内周面とボス部の外周面とが、全周にわたり溶接技術等により液密にシールされている。
そして、ダイヤフラム7と固定部材21とで囲まれた空間によって容積室が形成される。
ダイヤフラム7の下面は、燃圧を受ける面であるとともに、連接コア22を介してスプリング5から付勢力を受ける。なお、連接コア22は、スプリング5に当接する円柱体であり、下面にスプリング5の内部に挿入配置される支持部を備える。
ダイヤフラム7は、スプリング5の付勢力だけでは(非運転時)、図2(a)に示すように、上下方向へ圧縮変形しないように設けられている。
しかるに、燃料ポンプから高圧燃料の供給を受ける状態では(通常運転時)、図2(b)に示すように、ダイヤフラム7が完全につぶれた状態になるように設けられている。
燃料ポンプの作動に伴う燃圧と、ニードル4に加わる閉弁方向荷重との関係(ただし、ニードル4が噴孔2を塞いだ状態)を、図3の実線βを参照して説明する。
(i)エンジンのクランキング中、初爆が起こるまでは、燃圧が低く、ダイヤフラム7は下側に向けて凸に膨らんだ状態になっており、ダイヤフラム7の膨らみによってスプリング5が図2に示す上下長Yだけ短くなり、スプリング5のセット荷重が大きくなることで、ニードル4に加わる閉弁方向荷重が図3中(1)に高まっている。
(ii)初爆が起こり、エンジンが始動すると、エンジン回転数の上昇に伴い、燃料噴射弁に供給される燃圧が上昇する。この燃圧の上昇に伴い、ダイヤフラム7が圧縮変形する。即ち、ダイヤフラム7における下方に向かう凸の膨らみ量が小さくなる。これにより、スプリング5が図2に示す上下長Yだけ長くなり、スプリング5のセット荷重が小さくなることで、燃圧の上昇に反して、ニードル4に加わる閉弁方向荷重が図3中(1)から図3中(2)に向かって低下する。
(iii)エンジンの始動後、燃料ポンプが安定作動して燃料噴射弁に供給される燃圧が所定の目標圧力A(4MPa)に達すると、ダイヤフラム7が完全に上下方向につぶれた状態になる。これにより、スプリング5が最大に伸びて、スプリング5のセット荷重が最小状態になり、ニードル4に加わる閉弁方向荷重が図3中(2)付近まで下がる。
(iv)燃料噴射弁に供給する燃圧を目標圧力Aよりも、さらに目標圧力Bへ高めると、ダイヤフラム7が完全に上下方向につぶれた状態(スプリング5が最大に伸びて、スプリング5のセット荷重が最小状態)から燃圧が上昇することで、ニードル4に加わる閉弁方向荷重が図3中(2)から上昇する。
次に、燃料噴射弁の作動を説明する。
<クランキング中の作動説明>
初爆時までは、燃料ポンプの発生する燃圧が低く、上記(i)で説明したように、ダイヤフラム7が膨らんだ状態になっており、ニードル4に加わる閉弁方向荷重が図3中(1)に高まっている。
この状態で、コイル15の通電が開始されると、磁力により可動コア14が上方へ磁気吸引される。そして、可動コア14を上方へ駆動する磁気吸引力が、ニードル4に加わる閉弁方向荷重(1)に打ち勝つと、可動コア14が上方に移動し、可動コア14に結合されているニードル4がリフトアップを開始する。そして、ニードル4が弁座から離座すると、ノズル孔1と噴孔2とが連通し、ノズル孔1に供給された高圧燃料が噴孔2から噴射する。
コイル15の通電が停止されると、可動コア14を上方へ磁気吸引していた磁力が消える。すると、主にスプリング5の付勢力により可動コア14とニードル4が下降を開始する。そして、ニードル4が下降して弁座に着座すると、ノズル孔1と噴孔2の連通が遮断されて、噴孔2からの燃料噴射が停止する。
クランキング中に初爆が発生すると、初爆に至るまでに失火によって気筒内に未燃焼燃料が残留することと、クランキング中は通常のエンジン運転時に比較して燃料噴射量が増量されていることにより、気筒内には非常に高い燃焼圧(例えば、8MPa)が発生する。
この初爆時には、上述したように、ニードル4に加わる閉弁方向荷重が図3中(1)に高まっているため、初爆により気筒内に非常に高い燃焼圧が発生しても、初爆の影響でニードル4がリフトすることがない。
<通常運転中の作動説明>
エンジンの始動後、燃料ポンプが安定作動して燃料噴射弁に所定の目標圧力A(4MPa)が供給される状態では、上記(iii)で説明したように、ダイヤフラム7が完全につぶれた状態になっており、ニードル4に加わる閉弁方向荷重が図3中(2)へ低下している。
この状態で、コイル15の通電が開始されると、磁力により可動コア14が上方へ磁気吸引される。そして、可動コア14を上方へ駆動する磁気吸引力が、ニードル4に加わる閉弁方向荷重(2)に打ち勝つと、可動コア14が上方に移動し、可動コア14に結合されているニードル4がリフトアップを開始する。そして、図2(c)に示すように、ニードル4が弁座から離座すると、ノズル孔1と噴孔2とが連通し、ノズル孔1に供給された高圧燃料が噴孔2から噴射する。
コイル15の通電が停止されると、可動コア14を上方へ磁気吸引していた磁力が消える。すると、主にスプリング5の付勢力により可動コア14とニードル4が下降を開始する。そして、ニードル4が下降して弁座に着座すると、ノズル孔1と噴孔2の連通が遮断されて、噴孔2からの燃料噴射が停止する。
通常運転中に発生する燃焼爆発の気筒内圧力は、初爆時より低い。このため、ニードル4に加わる閉弁方向荷重が図3中(2)まで低下していても、通常運転中に発生する燃焼爆発の影響でニードル4がリフトすることがない。
〔実施例1の効果〕
実施例1の燃料噴射弁は、上述したように、エンジンの初爆が発生するクランキング中(燃圧が低い状態)は、スプリング5のセット長が短くなり、スプリング5のセット荷重が大きくなる。このため、クランキング中に初爆が発生しても、スプリング5のセット荷重のみでニードル4がリフトするのを防ぐことができる。
また、通常運転中(燃圧が目標圧力Aの時)は、スプリング5のセット長が長くなり、スプリング5のセット荷重が小さくなる。これにより、通常運転時におけるニードル4の閉弁方向荷重を小さくでき、電磁駆動部6の小型化および低エネルギー化を図ることができる。
さらに、従来と同等のエネルギー消費であれば、燃圧を目標圧力Aより大きな目標圧力Bに高めても、ニードル4に加わる閉弁方向荷重が従来技術より少ない図3中(3)で済むため、燃料噴射弁を安定して開閉動作することができる。
図4を参照して実施例2を説明する。なお、この実施例2は、本発明が適用されていない参考例であって、本発明が適用されている上記実施例1と同一符号は、同一機能物を示すものである。
この実施例2のダイヤフラム7は、実施例1におけるスプリング5の機能(ニードル4にセット荷重を与える機能F1)と、実施例1におけるダイヤフラム7の機能(燃圧により変形してセット荷重を変更する機能F2)との両方の機能を果たすものである。
実施例2では、1つのダイヤフラム7によって、ニードル4にセット荷重を与える機能F1と、燃圧により変形してセット荷重を変更する機能F2とを果たすべく、ダイヤフラム7の厚みが部分的に異なるように設けられている。
具体的に、この実施例2のダイヤフラム7は、ニードル4にセット荷重を与える機能F1を発生するべく外周側の厚みT1が厚く設けられ、燃圧により変形してセット荷重を変更する機能F2を発生するべく中央付近の厚みT2が薄く設けられている(T1>T2)。
この実施例2では、実施例1で示したスプリング5と連接コア22を廃止することができるため、部品点数の低減によってコストを抑えることができるとともに、燃料噴射弁を小型化することが可能になる。
上記の実施例1では、ガソリンエンジンの燃料噴射弁に本発明を適用する例を示したが、ディーゼルエンジンなど、他のエンジンの燃料噴射弁に本発明を適用しても良い。
1 ノズル孔(燃料供給部)
2 噴孔
3 ノズルボディ
4 ニードル
5 スプリング
6 電磁駆動部
7 ダイヤフラム(セット荷重変更手段)
21 固定部材

Claims (2)

  1. 加圧された高圧燃料が供給される内部の燃料供給部(1)と外部を連通する噴孔(2)を有するノズルボディ(3)と、
    前記噴孔(2)を開閉可能なニードル(4)と、
    前記噴孔(2)を閉じる方向に前記ニードル(4)を付勢するスプリング(5)と、
    磁力によって前記噴孔(2)を開く方向に前記ニードル(4)を駆動する電磁駆動部(6)とを具備し、
    加圧供給された高圧燃料が前記ニードル(4)に対して前記噴孔(2)を閉じる方向に付勢する燃料噴射弁において、
    この燃料噴射弁は、高圧燃料の燃圧上昇時に前記スプリング(5)のセット長を長くし、高圧燃料の燃圧減少時に前記スプリング(5)のセット長を短くするセット荷重変更手段(7)を備えており、
    前記セット荷重変更手段(7)は、前記スプリング(5)の作用点とは反対側の支持点の位置を、燃圧に応じて変更するものであって、
    前記セット荷重変更手段(7)は、前記スプリング(5)を支持する固定部材(21)に設けられ、前記スプリング(5)の配置側に向かって膨出するダイヤフラム(7)であり、
    このダイヤフラム(7)の膨出部に前記スプリング(5)の支持点が設けられ、
    前記ダイヤフラム(7)が燃圧で変形することにより、前記スプリング(5)のセット荷重が変更されることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    前記ダイヤフラム(7)は、一方の面のみが燃圧を受けることを特徴とする燃料噴射弁。
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