JP2009103035A - インジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】噴射直前に燃料流の乱れを高め、燃料流を液膜状に形成することで燃料噴霧の微粒化を促すインジェクタにおいて、微粒化効果および製造コストの不具合を改善する。
【解決手段】ニードル弁の底面と対向するニードル支持部材17の底部20の内部表面に段47を設け、噴孔14を、段47を跨いで内部表面に開口させ、内周側開口縁51を外周側開口縁52よりも上方に設ける。これにより、噴孔14に流入した燃料は、内周側噴孔壁56に確実に衝突する。そして、この衝突により、燃料流は、噴孔14の内部で乱れを高めるとともに液膜状になる。このため、燃料噴霧の微粒化を促進することができる。また、段47は、特別に複雑な形状にする必要がなく、単に段差を形成できればよいので、段47の設定は低コストで実施できる。この結果、製造コストを上げることなく、インジェクタの燃料噴霧の微粒化効果を高めることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンに燃料を噴射供給するインジェクタに関する。
従来から、インジェクタにより噴射される燃料の噴霧を微粒化して燃料と空気との混合を促進する技術が、様々な面から検討されている。そして、このような噴霧微粒化を促す方法の1つとして、インジェクタの内部から外部に燃料を噴射する直前に、燃料流の乱れを高めたり、燃料流を液膜状に形成したりすることが検討されている。
例えば、特許文献1に記載のインジェクタによれば、弁体の先端に円環状溝が設けられ、噴孔(特許文献1では、「オリフィス」と記載されている)に向かう燃料流は、円環状溝の方に引き寄せられて乱れを高める。そして、乱れの高まった燃料流が噴孔に導かれ、噴孔から燃料が噴射される。しかし、円環状溝は、噴孔から離れて設けられているため、燃料流の乱れは、噴孔に達する前に減衰してしまう虞がある。
また、特許文献2に記載のインジェクタによれば、噴孔の出側にガイド部材と称する弁ボディの一部が配され、噴孔から噴射された燃料は、ガイド部材に衝突して液膜状の燃料流を形成する。しかし、液膜状の燃料流を形成するために、ガイド部材を複雑な形状に設ける必要があり、ガイド部材を弁ボディや噴孔プレートに設けることは困難である。このため、特許文献2のインジェクタは、製造工数が相当に高くなる虞がある。
また、特許文献3に記載のインジェクタによれば、噴孔(特許文献3では、「第2円柱孔」と記載されている)の入側に、噴孔よりも小径の円柱孔(特許文献3では、「第1円柱孔」と記載されている)が接続している。そして、小径の円柱孔から大径の噴孔に流入した燃料は、噴孔壁に衝突して旋回する液膜状の燃料流を形成する。しかし、小径の円柱孔を噴孔の上流側に設けることは困難であり、特許文献3のインジェクタも、製造工数が相当に高くなる虞がある。
このように、特許文献1〜3の技術は、微粒化の効果および製造コストの面で何らかの不具合があり、さらなる技術改善が望まれている。
特開平8−296532号公報 特開2005−98231号公報 特開2004−169572号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、噴射直前に燃料流の乱れを高めたり、燃料流を液膜状に形成したりすることで燃料噴霧の微粒化を促すインジェクタにおいて、微粒化の効果および製造コストの不具合を改善することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載のインジェクタは、略円筒状の内部空間を形成する弁ボディと、内部空間に収容されて軸方向に変位するニードル弁とを備える。また、内部空間は、噴孔が貫通する弁ボディの底部により底側が封鎖され、弁ボディは、内部空間にニードル弁を収容することで、自身の内周面とニードル弁の外周面との間に噴孔に向かう燃料流路を形成する。そして、インジェクタは、ニードル弁の変位により燃料流路を噴孔に対して開閉することで、燃料の噴射を開始または停止する。
このインジェクタにおいて、ニードル弁の底面と対向する弁ボディの底部の内部表面は、隆起または陥没により段をなす部分を有し、噴孔は、内部表面に段を跨ぐ開口部を形成し、開口部を縁取る開口縁は、段上と段下とに分かれている。また、段上の開口縁は、段下の開口縁よりも弁ボディの軸心に近い。
これにより、燃料流路が噴孔に対して開放されると、燃料流路の燃料は、弁ボディの軸心に向かう流れを形成して噴孔に流入する。つまり、燃料は、噴孔よりも外周側の燃料流路から内周に向う流れを形成して噴孔に流入する。ここで、噴孔の開口縁は、段上の開口縁が段下の開口縁よりも弁ボディの軸心に近くなるように、つまり、段上の開口縁が段下の開口縁よりも内周側になるように設けられていることから、噴孔に向かって内周に流れる燃料は、段下の開口縁よりも上側に伸びる内周側の噴孔壁に確実に衝突する。
そして、この衝突により、噴孔内の燃料流は、乱れを高めるとともに液膜状になり、燃料は、乱れが高くかつ液膜状のまま噴孔を通過して噴射される。この結果、燃料噴霧の微粒化に関して高い効果を得ることができる。
また、噴孔が跨って開口する段は、特別に複雑な形状にする必要がなく、単に段差を形成できればよいので、段の設定は低コストで実施できる。
以上により、製造コストを上げることなく、インジェクタの燃料噴霧の微粒化効果を高めることができる。
〔請求項2の手段〕
請求項2に記載のインジェクタによれば、噴孔は、内部表面における開口部から外周側に伸びて弁ボディの外部に開口している。
これにより、燃料流は、噴孔に流入する直前まで内周に向かい、噴孔に流入した後は外周に向かうので、噴孔への流入前後で大幅に方向を変える。このため、噴孔内での燃料流の乱れ向上および液膜化がさらに促進されるので、燃料噴霧の微粒化効果をさらに高めることができる。
〔請求項3の手段〕
請求項3に記載のインジェクタによれば、弁ボディは、内部表面に環状に並んで開口する複数の噴孔を有し、複数の噴孔の全ては、段を跨いで内部表面に開口し、段上の開口縁および段下の開口縁を有する。そして、段下の開口縁の全ては、環状に連続する同一の平面に設けられている。
これにより、段の設定が極めて容易になるので、さらに安価なコストで燃料噴霧の微粒化効果が高いインジェクタを製造することができる。
〔請求項4の手段〕
請求項4に記載のインジェクタによれば、内部表面には、弁ボディの軸心を囲う環状、かつテーパ状のシート面が設けられ、ニードル弁の底面には、シート面に離接するシート部が設けられ、シート部が、シート面に離接することで、燃料流路が噴孔に対して開閉される。そして、シート面は、内周側で曲面状に窪んで、段下の開口縁を含む平面に連なる。
最良の形態のインジェクタは、略円筒状の内部空間を形成する弁ボディと、内部空間に収容されて軸方向に変位するニードル弁とを備える。また、内部空間は、噴孔が貫通する弁ボディの底部により底側が封鎖され、弁ボディは、内部空間にニードル弁を収容することで、自身の内周面とニードル弁の外周面との間に噴孔に向かう燃料流路を形成する。そして、インジェクタは、ニードル弁の変位により燃料流路を噴孔に対して開閉することで、燃料の噴射を開始または停止する。
このインジェクタにおいて、ニードル弁の底面と対向する弁ボディの底部の内部表面は、隆起または陥没により段をなす部分を有し、噴孔は、内部表面に段を跨ぐ開口部を形成し、開口部を縁取る開口縁は、段上と段下とに分かれている。また、段上の開口縁は、段下の開口縁よりも弁ボディの軸心に近い。
また、噴孔は、内部表面における開口部から外周側に伸びて弁ボディの外部に開口している。
また、弁ボディは、内部表面に環状に並んで開口する複数の噴孔を有し、複数の噴孔の全ては、段を跨いで内部表面に開口し、段上の開口縁および段下の開口縁を有する。そして、段下の開口縁の全ては、環状に連続する同一の平面に設けられている。
さらに、内部表面には、弁ボディの軸心を囲う環状、かつテーパ状のシート面が設けられ、ニードル弁の底面には、シート面に離接するシート部が設けられ、シート部が、シート面に離接することで、燃料流路が噴孔に対して開閉される。そして、シート面は、内周側で曲面状に窪んで、段下の開口縁を含む平面に連なる。
〔実施例1の構成〕
実施例1のインジェクタ1の構成を、図1を用いて説明する。
インジェクタ1は、例えば、ガソリンエンジン(図示せず)の各気筒に搭載されて、燃焼室(図示せず)に直接的に燃料を噴射するものである。また、インジェクタ1は、例えば、2MPaもの高圧に加圧された燃料を受け入れ、燃焼室に噴射して燃料噴霧を形成する。そして、燃焼室に形成された燃料噴霧は、火花放電により燃焼して出力を発生する。
このインジェクタ1は、図1に示すように、燃料を噴射するノズル部2と、ノズル部2の弁体(ニードル弁3)を駆動する電磁ソレノイド部4と、高圧の燃料を受け入れる燃料受け入れ部5とにより構成され、燃料受け入れ部5を通じて受け入れた燃料を、内部に形成される燃料流路7〜12を介して下方に導くとともに、ニードル弁3を駆動することにより噴孔14を通じて噴射する。
ノズル部2は、針状の弁体として機能するニードル弁3、下端に噴孔14を有するとともに、ニードル弁3の摺動軸部16を収容して摺動自在に支持するカップ状のニードル支持部材17、ニードル弁3およびニードル支持部材17を収容するノズルボディ18を有する。
ここで、ニードル支持部材17およびノズルボディ18は、略円筒状の内部空間19を形成する弁ボディをなし、この内部空間19に、ニードル弁3が軸方向に変位できるように収容されている。また、内部空間19は、ニードル支持部材17の底部20により下側が封鎖されており、底部20に噴孔14が貫通して設けられている。そして、ニードル支持部材17およびノズルボディ18は、内部空間19にニードル弁3を収容することで、各々の内周面とニードル弁3の外周面との間に噴孔14に向かう燃料流路12、11を形成する。
さらに、ニードル弁3の底面と対向する底部20の内部表面には、ニードル支持部材17およびノズルボディ18の軸心を囲う環状で、かつテーパ状のシート面21が設けられ、ニードル弁3の底面には、シート面21に離接する環状のシート部22が設けられている。そして、シート部22が、シート面21に離接することで、燃料流路12が噴孔14に対して開閉される。
なお、摺動軸部16の外周には、ニードル支持部材17の内周面に摺接する摺接面26と、ニードル支持部材17の内周面に摺接しない平坦面27とが交互に設けられている。そして、ニードル支持部材17の内周面と平坦面27との間に燃料の通路が形成され、この燃料の通路は燃料流路12の一部をなす。
電磁ソレノイド部4は、通電を受けて磁気吸引力を発生するソレノイドコイル29、ソレノイドコイル29への通電により上方に磁気吸引される可動コア30、可動コア30の上側に所定のギャップを形成して固定され、可動コア30を磁気吸引する固定コア31、可動コア30を摺動自在に支持して収容するとともに、固定コア31を固定して収容するコア収容部材32、可動コア30を下方に付勢する復元バネとしてのコイルスプリング33、可動コア30と固定コア31との間のギャップを調整するギャップ調整部材34を有する。
ソレノイドコイル29は、円筒状の樹脂製ボビン37にコイル素線を多数巻回することで設けられ、コネクタ端子38を介して車載電源(図示せず)から給電される。
可動コア30は、下方に向かい段状に細径化する筒状体として設けられている。そして、可動コア30は、上端部がコア収容部材32に摺動自在に支持され、下端部がニードル弁3の上端部を挟持することで、ニードル弁3と一体に軸方向に変位する。
また、可動コア30の外周面は、コア収容部材32の内周面やニードル弁3の上部外周面とともに燃料流路10を形成する。なお、燃料流路10は、コア収容部材32の下端開口部を介して燃料流路11と連通する。また、可動コア30の内周面は燃料流路9を形成し、燃料流路9は、可動コア30を径方向に貫通する貫通孔40により燃料流路10と連通する。
固定コア31は、円筒状に設けられ、外周側でコア収容部材32に固定され、内周側にコイルスプリング33とギャップ調整部材34とを収容する燃料流路8を形成している。なお、コイルスプリング33は、下端が可動コア30の内周に支持され、上端がギャップ調整部材34に支持されるように収容されている。
ギャップ調整部材34は、可動コア30と固定コア31との間のギャップを調整することで、ニードル弁3のリフト量(すなわち、シート部22のシート面21からの軸方向における離間量)を決めるものである。
燃料受け入れ部5は、燃料流路8に連通する燃料流路7を有し、外部から燃料を導入してフィルタ42を経由させて燃料流路7へ導く。
以上のような構成により、インジェクタ1は、外部から受け入れた高圧の燃料を、燃料流路7〜12を順次に通過させて噴孔14の方に導く。そして、インジェクタ1は、ソレノイドコイル29への通電により、可動コア30およびニードル弁3を上方へ駆動して、シート部22をシート面21から離座させ、燃料流路12を噴孔14に対して開放することで、噴孔14を通じて燃料を噴射する。
また、インジェクタ1は、ソレノイドコイル29への通電停止により、コイルスプリング33の付勢力によって可動コア30およびニードル弁3を下方へ駆動して、シート部22をシート面21に着座させ、燃料流路12を噴孔14に対して閉鎖することで、燃料の噴射を停止する。
なお、ソレノイドコイル29への通電開始および通電停止は、車両に搭載された所定の電子制御装置(ECU:図示せず)からの指令に応じて行われる。そして、ECUは、エンジン回転数やアクセル開度等の各種の検出値に基づいて通電開始および通電停止の指令を実行する。
〔実施例1の特徴〕
実施例1のインジェクタ1の特徴を、図1〜図3を用いて説明する。
インジェクタ1によれば、図1に示すように、噴孔14は、ニードル支持部材17の底部20の略中央(すなわち、ニードル支持部材17の軸心近傍)に設けられている。そして、燃料流路12は、図2に示すように、シート部22がシート面21から離座することによりニードル弁3の下端面とニードル支持部材17の底部20の内部表面との間に形成される燃料流路43を介して噴孔14に連通する。
つまり、燃料は、ニードル弁3の外周側の燃料流路12を下方に向かって流れた後、噴孔14に直接的に連通する燃料流路43において、外周から内周に向かう燃料流を形成して噴孔14に流入する。
また、底部20の内部表面には、図3に示すように、下方に窪んで環状に連続する1つの環状平面44と、環状平面44の内周側で環状平面44から上方に垂直に隆起する1つの円状平面45とが設けられて、段47が形成されている。つまり、環状平面44は、段47よりも下側の段下面をなし、円状平面45は、段47よりも上側の段上面をなしている。なお、段47は、ニードル支持部材17の軸心を囲う環状をなしている。
ここで、環状平面44は、シート面21とともに、噴孔14に直接的に連通する燃料流路43をなしている。また、シート面21と環状平面44との接続面48は、シート面21から下方に切り立つ円筒状の内周面を形成した後、内周側に緩やかに湾曲する曲面をなして環状平面44に接続する。
また、噴孔14は、段47を跨ぐ開口部を形成し、この開口部を縁取る開口縁51、52は、円状平面45と環状平面44とに分かれている。そして、段47がニードル支持部材17の軸心を囲う環状をなしていることから、円状平面45の開口縁51は、環状平面44の開口縁52よりもニードル支持部材17の軸心に近くなる。つまり、円状平面45の開口縁51は、環状平面44の開口縁52よりも内周側にある。
そこで、以下の説明では、内周側かつ段上にある開口縁51を内周側開口縁51とし、外周側かつ段下にある開口縁52を外周側開口縁52とする。
なお、噴孔14は、円筒状に設けられ、内部表面における開口部から外周側に伸びて底部20の外部表面に開口している。
さらに、ニードル支持部材17は、単一の噴孔14を有するのではなく、環状に並んで内部表面に開口する複数の噴孔14を有し、全ての噴孔14は、段47を跨いで開口し、内周側開口縁51および外周側開口縁52を有する。そして、全ての噴孔14の外周側開口縁52は、環状平面44に設けられている。
〔実施例1の作用〕
実施例1のインジェクタ1の作用を、図2および図4を用いて説明する。
シート部22がシート面21から離座して燃料流路12が噴孔14に対して開放されると、燃料流路12の燃料は、燃料流路43に流入して内周側に向かう流れを形成して噴孔14に流入する。そして、燃料流路43から噴孔14に流入した燃料は、外周側開口縁52よりも上方に突出する内周側噴孔壁56に衝突する。また、内周側噴孔壁56に衝突した燃料は、90°以上の大きな角度幅で流れの方向を変える。
この結果、燃料流は、噴孔14の内部で大幅に乱れを高めるとともに、内周側噴孔壁56に沿う液膜状になる。また、液膜状の燃料流により囲われる噴孔14の内部領域は、燃料流の剥離によりキャビテーションが促進され、燃料の気化が進行する。そして、噴孔14の内部を流れた燃料は、乱れが高くかつ液膜状のままで、さらに、一部がキャビテーションにより気化した状態で噴射される。
〔実施例1の効果〕
実施例1のインジェクタ1によれば、噴孔14は、ニードル支持部材17の底部20に設けられた段47を跨いで環状平面44および円状平面45に開口し、内周側開口縁51は外周側開口縁52よりも上方に設けられている。
これにより、燃料流路43から噴孔14に流入した燃料は、内周側噴孔壁56に確実に衝突する。そして、この衝突により、燃料流は、噴孔14の内部で乱れを高めるとともに液膜状になり、燃料は、乱れが高くかつ液膜状のまま噴孔14を通過して噴射される。このため、燃料噴霧の微粒化を促進することができる。
また、噴孔14が跨って開口する段47は、特別に複雑な形状にする必要がなく、単に段差を形成できればよいので、段47の設定は低コストで実施できる。
以上により、製造コストを上げることなく、インジェクタ1の燃料噴霧の微粒化効果を高めることができる。
また、噴孔14は、底部20の内部表面の開口部から外周側に伸びて底部20の外部表面に開口している。
これにより、燃料流は、噴孔14に流入する直前まで内周に向かい、噴孔14に流入した後は外周に向かうので、噴孔14への流入前後で大幅に方向を変える。このため、噴孔14の内部での燃料流乱れ向上および液膜化がさらに促進されるので、燃料噴霧の微粒化をさらに促進することができる。
また、ニードル支持部材17は、単一の噴孔14を有するのではなく、環状に並んで底部20の内部表面に開口する複数の噴孔14を有し、全ての噴孔14は、段47を跨いで開口し、内周側開口縁51および外周側開口縁52を有する。そして、全ての噴孔14の外周側開口縁52は、環状平面44に設けられている。
これにより、段47の設定が極めて容易になるので、さらに安価なコストで燃料噴霧の微粒化効果が高いインジェクタ1を製造することができる。
実施例2のインジェクタ1によれば、噴孔14は、図5に示すように、ニードル支持部材17とは別体のプレート58に設けられている。そして、プレート58の板厚が部分的に操作されて段47が設定され、プレート58の上面に環状平面44および円状平面45が形成されている。なお、プレート58は弁ボディの一部である。
また、ニードル支持部材17の底部20は、シート面21の内周側が開口部59をなし、プレート58は、開口部59を下側から覆うように、ニードル支持部材17に組み付けられる。そして、この組み付けにより、環状平面44、円状平面45および内周側、外周側開口縁51、52が開口部59に配され、開口部59は、ニードル弁3の底面と、プレート58の上面とに挟まれて、噴孔14に直接的に連通する燃料流路43をなす。また、シート面21と環状平面44との接続面48は、シート面21から下方に切り立つ円筒状の内周面を形成した後、湾曲せずに垂直に環状平面44に接続する。
〔変形例〕
実施例1、2のインジェクタ1によれば、噴孔14は、円筒状に設けられていたが、図6に示すように、噴孔14を、外広がりの円錐状に設けて、底部20の内部表面における開口部から外周側に伸ばし底部20の外部表面に開口させてもよい。
この場合、燃料流の剥離によりキャビテーションが促進される領域が外周側に広がり、噴孔14の内部における燃料の気化が進行しやすくなる。このため、燃料噴霧の微粒化効果をさらに高めることができる。
実施例1、2のインジェクタ1によれば、シート面21の内周側には、環状平面44および円状平面45が設けられ、噴孔14は、環状平面44と円状平面45とに跨って開口し、内周側、外周側開口縁51、52を形成していたが、図7に示すように環状平面44に替わり、内周に向かって上方に傾斜する環状テーパ面61を設け、環状テーパ面61と円状平面45とに跨って噴孔14を開口させてもよい。この場合、外周側開口縁51は、環状テーパ面61に設けられ、噴孔14に直接的に連通する燃料流路43は、ニードル弁3の下端面と環状テーパ面61とで形成される。
これにより、燃料流路43では、燃料流が、若干、上方に向かいながら内周に向かう。このため、内周側噴孔壁56に衝突した燃料は、さらに大きな角度幅で流れの方向を変える。この結果、噴孔14の内部における燃料流の乱れがさらに向上し、液膜化も促進され、剥離によるキャビテーションも促進されるので、燃料噴霧の微粒化効果を高めることができる。
また、環状平面44および円状平面45の2つの平面に替わって、シート面21の内周側に、図8、図9に示すように、単一の円状平面45を設けるとともに、噴孔14を開口させる部位のみを下方に窪ませて溝64とし、噴孔14を溝64の底面65と円状平面45とに跨って開口させてもよい。
この場合、溝64を、噴孔14に直接的に連通する燃料流路43とすることができ、溝64の側面を段47とすることができる。また、内周側開口縁51を円状平面45に設けて、外周側開口縁52を底面65に設けることで、内周側開口縁51を外周側開口縁52よりも上にすることができる。さらに、溝64の長手方向と溝64に向かう燃料流の方向とが略一致するように溝64を設けることで、溝64を通過した燃料を、確実に内周側噴孔壁56に衝突させることができる。
実施例1、2のインジェクタ1によれば、ニードル支持部材17は、環状に並んで内部表面に開口する複数の噴孔14(このように、環状に並んで内部表面に開口する複数の噴孔14を環状噴孔群と呼ぶ)を有し、全ての噴孔14は、段47を跨いで環状に開口し、内周側開口縁51および外周側開口縁52を有していたが、図10に示すように、環状平面44と円状平面45とに跨って開口する噴孔14からなる環状噴孔群とともに、円状平面45に設けた溝64の底面65と円状平面45とに跨って開口する噴孔14からなる環状の噴孔群を設けてもよい。さらに、環状平面44にも溝64を設けて、噴孔14を溝64の底面65と環状平面44とに跨って開口させてもよい。
また、図11に示すように、シート面21の内周側に単一の円状平面45を設けるとともに、噴孔14を開口させる部位のみを上方に隆起させて隆起部67とし、噴孔14を隆起部67の上面68と円状平面45とに跨って開口させてもよい。この場合、隆起部67の側面が段47をなす。なお、図11に示す複数の噴孔14も環状噴孔群をなし、隆起部67が複数に分かれて環状に設けられ、環状噴孔群をなす全ての噴孔14が隆起部67の上面68と円状平面45とに跨って開口している。
また、シート面21の内周側に環状平面44および円状平面45の両方を設ける場合に、円状平面45に隆起部67を設け、噴孔14を隆起部67の上面68と円状平面45とに跨って開口させてもよく、環状平面44に隆起部67を設け、噴孔14を隆起部67の上面68と環状平面44とに跨って開口させてもよい。
さらに、実施例1、2のインジェクタ1は、ガソリンエンジンの燃焼室に燃料を直接的に噴射するものであったが、インテークマニホールドの吸気ポートに燃料を噴射するインジェクタに実施例1、2および変形例のような噴孔14の構造を採用してもよい。
インジェクタの全体構成図である(実施例1)。 噴孔および噴孔近傍における燃料流を示す説明図である(実施例1)。 噴孔の開口状態を示す斜視図である(実施例1)。 噴孔における液膜状の燃料流を示す斜視図である(実施例1)。 噴孔および噴孔近傍における燃料流を示す説明図である(実施例2)。 噴孔および噴孔近傍における燃料流を示す説明図である(変形例)。 噴孔および噴孔近傍における燃料流を示す説明図である(変形例)。 噴孔の開口状態を示す斜視図である(変形例)。 噴孔近傍における燃料流と溝の長手方向との関係を示す平面図である(変形例)。 噴孔の開口状態を示す斜視図である(変形例)。 噴孔の開口状態を示す斜視図である(変形例)。
符号の説明
1 インジェクタ
3 ニードル弁
12 燃料流路
14 噴孔
17 ニードル支持部材(弁ボディ)
18 ノズルボディ(弁ボディ)
19 内部空間
20 底部(弁ボディの底部)
21 シート面
22 シート部
44 環状平面(環状に連続する同一の平面)
47 段
51 内周側開口縁(段上の開口縁)
52 外周側開口縁(段下の開口縁)
58 プレート(弁ボディ)

Claims (4)

  1. 略円筒状の内部空間を形成する弁ボディと、前記内部空間に収容されて軸方向に変位するニードル弁とを備え、
    前記内部空間は、噴孔が貫通する前記弁ボディの底部により底側が封鎖され、
    前記弁ボディは、前記内部空間に前記ニードル弁を収容することで、自身の内周面と前記ニードル弁の外周面との間に前記噴孔に向かう燃料流路を形成し、
    前記ニードル弁の変位により前記燃料流路を前記噴孔に対して開閉することで、燃料の噴射を開始または停止するインジェクタにおいて、
    前記ニードル弁の底面と対向する前記弁ボディの底部の内部表面は、隆起または陥没により段をなす部分を有し、
    前記噴孔は、前記内部表面に前記段を跨ぐ開口部を形成し、
    この開口部を縁取る開口縁は、段上と段下とに分かれており、
    段上の開口縁は、段下の開口縁よりも前記弁ボディの軸心に近いことを特徴とするインジェクタ。
  2. 請求項1に記載のインジェクタにおいて、
    前記噴孔は、前記内部表面の開口部から外周側に伸びて前記弁ボディの外部に開口していることを特徴とするインジェクタ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のインジェクタにおいて、
    前記弁ボディは、前記内部表面に環状に並んで開口する複数の噴孔を有し、
    前記複数の噴孔の全ては、前記段を跨いで前記内部表面に開口し、前記段上の開口縁および前記段下の開口縁を有し、
    前記段下の開口縁の全ては、環状に連続する同一の平面に設けられていることを特徴とするインジェクタ。
  4. 請求項1ないし請求項3の内のいずれか1つに記載のインジェクタにおいて、
    前記内部表面には、前記弁ボディの軸心を囲う環状、かつテーパ状のシート面が設けられ、
    前記ニードル弁の底面には、前記シート面に離接するシート部が設けられ、
    このシート部が、前記シート面に離接することで、前記燃料流路が前記噴孔に対して開閉され、
    前記シート面は、内周側で曲面状に窪んで、前記段下の開口縁を含む平面に連なることを特徴とするインジェクタ。
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