JP2011148265A - 印画用シート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱転写時のインクリボンの伸びによるシワを抑制し、色抜けを低減するために必要なクッション層を備えた印画用シート、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
透明基材42と、透明基材42の一方面に形成された第1の樹脂層48と、第1の樹脂層48上に形成された第2の樹脂層50と、第2の樹脂層50上に形成され、かつ熱転写シートの色材中の染料を受理する受容層52と、透明基材シートの他方面に形成された第3の樹脂層44と、第3の樹脂層44上に形成されたレンズ層46と、を含む印画用シート40であって、第1の樹脂層48と第3の樹脂層44が接着機能とクッション機能を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】
透明基材42と、透明基材42の一方面に形成された第1の樹脂層48と、第1の樹脂層48上に形成された第2の樹脂層50と、第2の樹脂層50上に形成され、かつ熱転写シートの色材中の染料を受理する受容層52と、透明基材シートの他方面に形成された第3の樹脂層44と、第3の樹脂層44上に形成されたレンズ層46と、を含む印画用シート40であって、第1の樹脂層48と第3の樹脂層44が接着機能とクッション機能を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は印画用シート及び印画用シートの製造方法において、特に、一方の面にレンズを備えた印画用シート及び印画用シートの製造方法に関する。
従来、立体画像や、見る方向によって表示される絵の内容が切り替わる絵変わり表示画像を記録する記録シートとして、レンズ部を有するプラスチックシートの裏面に受像層を設けた転写方式の印画用シートが知られている。
例えば、特許文献1は、レンチキュラーレンズシートを基材とし、レンチキュラーレンズシートの背面上に、塗工、乾燥して染料受容層が設けられた立体写真用感熱転写記録シートを開示する。
しかしながら、特許文献1の立体写真用感熱転写記録シートについて、レンチキュラーレンズシートに直接受容層が形成されているためクッション性を有しないので、印画ヘッドが転写シートを介して硬いレンズシートに形成された受容層と接する。そのため、レンズシート面の凹凸等によって印画ヘッドの片当たりを起こし、色抜けや濃度ムラといった故障を起こしやすいという問題があった。
クッション性に関して、特許文献2は、ベース紙と染料受理層の間に、成膜フィルムを貼合形成されたクッション層を有している熱転写記録用受像シートを開示する。しかしながら、シートクッション層となるフィルムをベース紙に貼り合わせるため、特許文献2の熱転写記録用受像はさらに接着層を必要とする。
特許文献3は、基材シートと、基材シートの表面に形成されたクッション層と、クッション層上に形成された染料受容層を有する熱転写受像シートを開示する。しかしながら、特許文献3の熱転写受像シートは、クッション層上の受容層に直接印画すると、リボン皺や色抜け、(変形による)印画精度の劣化などの問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、熱転写時のインクリボンの伸びによるシワを抑制し、色抜けを低減するために必要なクッション層を備えた印画用シート、及びその製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の印画用シートは、透明基材と、前記透明基材の一方面に形成された第1の樹脂層と、前記第1の樹脂層上に形成された第2の樹脂層と、前記第2の樹脂層上に形成され、かつ熱転写シートの色材中の染料を受理する受容層と、前記透明基材の他方面に形成された第3の樹脂層と、前記第3の樹脂層上に形成されたレンズ層と、を含む印画用シートであって、前記第1の樹脂層と前記第3の樹脂層が接着機能とクッション機能を備えることを特徴とする。
本発明の印画用シートは、前記発明において、請求項1記載の印画用シートであって、前記第2の樹脂層が前記第1の樹脂層より硬いことが好ましい。
本発明の印画用シートは、前記発明において、前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層とで構成される積層体は2.8μm〜4.0μmの変形量を有することが好ましい。
(但し、変形量:直径0.4mmの球状圧子を、10秒をかけて200mNの加重をかけた後、10秒をかけて加重を0にしたときの変位量(μm))
本発明の印画用シートは、前記発明において、前記第3の樹脂層と前記レンズ層の合計厚さの、前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層の合計厚さに対する比は2〜4であることが好ましい。
(但し、変形量:直径0.4mmの球状圧子を、10秒をかけて200mNの加重をかけた後、10秒をかけて加重を0にしたときの変位量(μm))
本発明の印画用シートは、前記発明において、前記第3の樹脂層と前記レンズ層の合計厚さの、前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層の合計厚さに対する比は2〜4であることが好ましい。
本発明の印画用シートは、前記発明において、前記第1の樹脂層と前記第3の樹脂層がポリエステル樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、及びポリプロピレン樹脂から成る群から選ばれた一つの材料を含むことが好ましい。
本発明の印画用シートは、前記発明において、前記第2の樹脂層と前記レンズ層がポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、及びポリエチレン樹脂から成る群から選ばれた一つの材料を含むことが好ましい。
本発明の印画用シートは、前記発明において、前記透明基材は、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びポリスルホン樹脂から成る群から選ばれた一つの材料を含むことが好ましい。
前記目的を達成するために、本発明の印画用シートの製造方法は、連続走行する透明基材の一方面に、接着機能とクッション機能を有する第1の樹脂層と、第2の樹脂層とを溶融共押出しする工程と、前記第2の樹脂層側に配置された平滑面を有する第1の冷却ローラと前記透明基材側に配置された第1のニップローラにより、前記透明基材と前記第2の樹脂層を挟圧する工程と、前記第2の樹脂層を前記第1の冷却ローラで冷却固化する工程と、前記第2の樹脂層が前記第1の樹脂層を介してラミネートされた前記透明基材を前記第1の冷却ローラから剥離する工程と、前記第2の樹脂層上に、熱転写シートの色材中の染料を受理する受容層を形成する工程と、連続走行する前記透明基材の他方面に、接着機能とクッション機能を有する第3の樹脂層とレンズ層形成用の樹脂層を溶融共押出しする工程と、レンズ層形成用の樹脂層側に配置されたレンズ形成用の型を有する第2の冷却ローラと前記第2の樹脂層側に配置された第2のニップローラにより、前記第2の樹脂層と前記レンズ層形成用の樹脂層を挟圧し、前記レンズ層形成用の樹脂層にレンズを形成する工程と、前記レンズ層形成用の樹脂層を前記第2の冷却ローラで冷却し、レンズ層を形成する工程と、前記レンズ層が前記第3の樹脂層を介してラミネートされた前記透明基材を前記第2の冷却ローラから剥離する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、熱転写時のインクリボンの伸びによるシワを抑制し、色抜けを低減するために必要なクッション層を備えた印画用シートを得ることができる。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施の形態により説明されるが、本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、本実施の形態以外の他の実施の形態を利用することができる。従って、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を含む範囲を意味する。
印画用シートの層構成の例を示す。図1に示される印画用シート40は、透明基材42と、第3の樹脂層44により透明基材42の表面側に接着されたレンズ層46と、第1の樹脂層48により透明基材42の裏面側に接着された第2の樹脂層50と、第2の樹脂層50上に形成された受容層52を有する。
<透明基材>
透明基材42は、できるだけ平滑なシート表面を有することが好ましい。また、溶融押出しされた溶融樹脂の熱に耐える必要があり、比較的耐熱性の高いポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂等を挙げることができる。特に、平滑性が良好な点から、二軸延伸のポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。透明基材42は100μm〜300μmの厚さを有するのが好ましく、160μm〜210μmの厚さを有するのがより好ましい。
透明基材42は、できるだけ平滑なシート表面を有することが好ましい。また、溶融押出しされた溶融樹脂の熱に耐える必要があり、比較的耐熱性の高いポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂等を挙げることができる。特に、平滑性が良好な点から、二軸延伸のポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。透明基材42は100μm〜300μmの厚さを有するのが好ましく、160μm〜210μmの厚さを有するのがより好ましい。
<第1の樹脂層>
透明基材42の一方面に第1の樹脂層48が形成される。第1の樹脂層48は変性ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。第1の樹脂層48は、透明基材42と第2の樹脂層50を接着するための機能を備える。第1の樹脂層48は、さらに、クッション機能を備える。ここで、クッション機能とは、基材シートや受容層の凹凸による印画ヘッドの片当たりを防止し、印画ヘッドと受容層が密着することが出来る機能を意味する。
透明基材42の一方面に第1の樹脂層48が形成される。第1の樹脂層48は変性ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。第1の樹脂層48は、透明基材42と第2の樹脂層50を接着するための機能を備える。第1の樹脂層48は、さらに、クッション機能を備える。ここで、クッション機能とは、基材シートや受容層の凹凸による印画ヘッドの片当たりを防止し、印画ヘッドと受容層が密着することが出来る機能を意味する。
第1の樹脂層48は10μm〜66μmの厚さを有するのが好ましく、5μm〜10μmの厚さを有するのがより好ましい。また、第1の樹脂層48は、後述する第2の樹脂層50より柔らかいことが好ましい。
<第2の樹脂層>
第2の樹脂層50が第2の接着層22を介して透明基材42に接着される。第2の樹脂層50を構成する樹脂の少なくとも1種は、後述するレンズ層46を構成する少なくとも1種の樹脂と同一の樹脂であることが好ましい。なお、第2の樹脂層50を構成する樹脂とレンズ層46を構成する樹脂とが複数の樹脂を含む場合、その全てが同じ樹脂であることが好ましい。カール調整層を構成する樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリレート-スチレン共重合樹脂(MS樹脂)、アクリロニトリル-スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。溶融押出しやすさを考慮すると、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリレート-スチレン共重合樹脂(MS樹脂)、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂のような溶融粘度の低い樹脂を用いるのが好ましく、転写しやすさやシートの割れにくさ、パターンの耐久性などを考慮するとグリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いるのがより好ましい。
第2の樹脂層50が第2の接着層22を介して透明基材42に接着される。第2の樹脂層50を構成する樹脂の少なくとも1種は、後述するレンズ層46を構成する少なくとも1種の樹脂と同一の樹脂であることが好ましい。なお、第2の樹脂層50を構成する樹脂とレンズ層46を構成する樹脂とが複数の樹脂を含む場合、その全てが同じ樹脂であることが好ましい。カール調整層を構成する樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリレート-スチレン共重合樹脂(MS樹脂)、アクリロニトリル-スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。溶融押出しやすさを考慮すると、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリレート-スチレン共重合樹脂(MS樹脂)、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂のような溶融粘度の低い樹脂を用いるのが好ましく、転写しやすさやシートの割れにくさ、パターンの耐久性などを考慮するとグリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いるのがより好ましい。
第2の樹脂層50は、15μm〜50μmの厚さを有するのが好ましく、20μm〜30μmの厚さを有するのがより好ましい。第1の樹脂層48は、第2の樹脂層50の1/5〜1/3程度の厚さを有し、より好ましくは第2の樹脂層50の1/4程度の厚さを有する。第2の樹脂層50は、第1の樹脂層48より硬いことが好ましい。その理由は、樹脂層50が樹脂層48と同等かそれ以下の硬さであった場合、印画ヘッドの受容層に対する押し込みが大きすぎ、印画時に転写フィルムのシワを誘引して色抜け故障を発生させてしまうからである。
第2の樹脂層50の厚さ及び樹脂材料を適宜選択することで、後述する製造工程において第2の樹脂層50は透明基材42がカールするのを抑制することができる。特に、比較的厚い(例えば、100μm以上)レンズ層46を形成する場合、第2の樹脂層50のカール抑制機能は重要となる。
<受容層>
熱転写シートの色材中の染料を受理する受容層52が第2の樹脂層50に形成される。
熱転写シートの色材中の染料を受理する受容層52が第2の樹脂層50に形成される。
受容層は、熱転写用インクシートから転写された染料を取り込んで着色するものと、インクジェットヘッドから吐出したインク液滴を取り込んで着色する両方の方式に適合した層を選択することができる。熱転写方式による受容層については、下記参照。インクジェット方式によるインク受容層は、例えばポリビニルアルコール、カチオン樹脂等の親水・吸水性のポリマーや樹脂、顔料、バインダー等からなる。
本実施の形態の感熱転写受像シートは少なくとも1層の受容層を有する。受容層は、感熱転写シートから移行してくる染料を染着し、形成された画像を維持する役割を果たす樹脂を含有するものである。受容層は少なくともポリマーラテックスを含有する。
(ポリマーラテックス)
本明細書中、ポリマーラテックスとは、水不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したもののことを言う。
本明細書中、ポリマーラテックスとは、水不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したもののことを言う。
本実施の形態の受容層に用いられるポリマーラテックスに用いられる熱可塑性樹脂の例としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、塩化ビニル、塩化ビニル系共重合体、ポリウレタン、スチレン-アクリロニトリル共重合体、ポリカプロラクトン等が挙げられる。
(水溶性ポリマー)
本実施の形態おいては、受容層に水溶性ポリマーを含有してもよく、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共重合体が好ましく用いられ、なかでも塗布時のセット性が良好であるという理由からゼラチンが好ましく用いられる。これらの水溶性ポリマーは受容層の親疎水性の制御に有効であり、多量に使用し過ぎない場合はインクシートからの染料転写が良好であり、転写濃度も良好となる。水溶性ポリマーの使用量は、受容層の固形分全体の質量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。
本実施の形態おいては、受容層に水溶性ポリマーを含有してもよく、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共重合体が好ましく用いられ、なかでも塗布時のセット性が良好であるという理由からゼラチンが好ましく用いられる。これらの水溶性ポリマーは受容層の親疎水性の制御に有効であり、多量に使用し過ぎない場合はインクシートからの染料転写が良好であり、転写濃度も良好となる。水溶性ポリマーの使用量は、受容層の固形分全体の質量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。
(ポリエーテル変性シリコーン)
本実施の形態において、受容層にシリコーンを含有することが好ましく、ポリエーテル変性シリコーンを含有することが好ましい。ポリエーテル変性シリコーンとしては、ポリエーテル変性シリコーンを含有ことが特に好ましい。
本実施の形態において、受容層にシリコーンを含有することが好ましく、ポリエーテル変性シリコーンを含有することが好ましい。ポリエーテル変性シリコーンとしては、ポリエーテル変性シリコーンを含有ことが特に好ましい。
(界面活性剤)
本実施の形態において、受容層に界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましく、アニオン性界面活性剤がより好ましい。
本実施の形態において、受容層に界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましく、アニオン性界面活性剤がより好ましい。
(その他の添加剤)
本実施の形態の受容層には、必要に応じて、添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、紫外線吸収剤、防腐剤、造膜助剤、硬膜剤、マット剤(滑剤を含む)、酸化防止剤、その他の添加剤を含有させることができる。
本実施の形態の受容層には、必要に応じて、添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、紫外線吸収剤、防腐剤、造膜助剤、硬膜剤、マット剤(滑剤を含む)、酸化防止剤、その他の添加剤を含有させることができる。
[受容層の作製方法]
以下、本実施の形態の受容層の作製方法について説明する。受容層は、水系塗布であることが好ましい。ただし、ここで言う「水系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の60質量%以上が水であることをいう。塗布液の水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、オキシエチルフェニルエーテルなどの水混和性の有機溶媒を用いることができる。受容層の作製方法としては、スライド塗布、バー塗布、スロット塗布などが用いられる。
以下、本実施の形態の受容層の作製方法について説明する。受容層は、水系塗布であることが好ましい。ただし、ここで言う「水系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の60質量%以上が水であることをいう。塗布液の水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、オキシエチルフェニルエーテルなどの水混和性の有機溶媒を用いることができる。受容層の作製方法としては、スライド塗布、バー塗布、スロット塗布などが用いられる。
乾燥ゾーンでは、乾燥速度が一定で、材料温度とほぼ湿球温度が等しい恒率乾燥期間と、乾燥速度が遅くなり、材料温度が上昇する減率乾燥期間を経て乾燥が進む。恒率乾燥期間では、外部から与えられた熱はすべて水分の蒸発に使われる。減率乾燥期間では、材料内部での水分拡散が律速になり、蒸発表面の後退等により乾燥速度が低下し、与えられた熱は材料温度上昇にも使われるようになる。
乾燥された塗布済み品は、一定の含水率に調整され巻き取られるが、巻取り、塗布済み品の保存過程での含水率、温度によって硬膜進行が影響されるため、巻取りでの含水率について適切な調湿過程条件の設定が必要となる。
<第3の樹脂層>
透明基材42の他方面に第3の樹脂層44が形成される。第3の樹脂層44は変性ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。第3の樹脂層44は、透明基材42とレンズ層46を接着するための機能を備える。第3の樹脂層44は、第1の樹脂層48と同様に、さらにクッション機能を備える。
透明基材42の他方面に第3の樹脂層44が形成される。第3の樹脂層44は変性ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。第3の樹脂層44は、透明基材42とレンズ層46を接着するための機能を備える。第3の樹脂層44は、第1の樹脂層48と同様に、さらにクッション機能を備える。
<レンズ層>
レンズ層46が第3の樹脂層44を介して透明基材42と接着される。レンズ層46を構成する樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリレート-スチレン共重合樹脂(MS樹脂)、アクリロニトリル-スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。溶融押出しやすさを考慮すると、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリレート-スチレン共重合樹脂(MS樹脂)、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂のような溶融粘度の低い樹脂を用いるのが好ましく、転写しやすさやシートの割れにくさ、パターンの耐久性などを考慮するとグリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いるのがより好ましい。
レンズ層46が第3の樹脂層44を介して透明基材42と接着される。レンズ層46を構成する樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリレート-スチレン共重合樹脂(MS樹脂)、アクリロニトリル-スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。溶融押出しやすさを考慮すると、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリレート-スチレン共重合樹脂(MS樹脂)、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂のような溶融粘度の低い樹脂を用いるのが好ましく、転写しやすさやシートの割れにくさ、パターンの耐久性などを考慮するとグリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いるのがより好ましい。
レンズ層46は50μm〜200μmの厚さ(T)を有し、その表面にレンチキュラーレンズ形状を備える。レンチキュラーレンズ形状は、例えば、100μm〜200μmのレンズ半径(R)、50μm〜100μmのレンズ高さ(H)、100μm〜318μmのレンズ間距離(P)で形成される。ただし、この数値に限定されるものではない。レンチキュラーレンズ形状とは、縦方向に長いかまぼこ型のレンズを横に並べた板状のレンズアレイ、つまり、シリンドリカルレンズが2次元的に配列をもった形状を意味する。
第3の樹脂層44の厚さについて、レンズ層46中の厚さが50μm〜200μmの凸部では、第3の樹脂層44は10μm〜66μmの厚さを有し、レンズ層46中の厚さが20μm〜100μmの谷部では第3の樹脂層44は4μm〜33μmの厚さを有する。
次に、本実施の形態に係る印画用シートの製造方法を説明する。図2は、第1の実施形態に係る製造ラインを示す概略構成図である。最初に樹脂層を形成する原料の計量や混合が行われる。具体的には、原料サイロ(又は原料タンク)から真空乾燥機に送られた原料樹脂が所定含水分にまで乾燥される。
乾燥された原料樹脂がホッパー6Aを介して押出機5Aに投入される。押出機5Aにより混練されながら溶融される。押出機5Aは単軸式押出機及び多軸式押出機の何れでもよく、押出機5Aの内部を真空にするベント機能を含むものでもよい。押出機5Aで溶融された原料樹脂は、供給管を介してシートダイ1に送られる。第1の樹脂層形成用の材料が原料樹脂としてホッパー6Aに供給される。第1の樹脂層形成用の材料は接着機能とクッション機能を有する。
乾燥された原料樹脂がホッパー6を介して押出機5に投入される。押出機5により混練されながら溶融される。押出機5は単軸式押出機及び多軸式押出機の何れでもよく、押出機5の内部を真空にするベント機能を含むものでもよい。押出機5で溶融された原料樹脂は、供給管を介してシートダイ1に送られる。第2の樹脂層形成用の材料が原料樹脂としてホッパー6に供給される。
シートダイ1は、複数の樹脂材料を合流させて多層を形成できるフィードブロックを有する。フィードブロックにより第1の樹脂層形成用樹脂と第2の樹脂層形成用樹脂が合流され、シートダイ1からシート状の2層の透明熱可塑性樹脂9が溶融共押し出しされる。これにより、透明基材7と第2の樹脂層の間に第1の樹脂層が配置される。第1の樹脂層は接着機能を有しているので、第2の樹脂層と透明基材7とが第1の樹脂層により接着される。
シートダイ1からシート状に押し出された2層の透明熱可塑性樹脂9は鏡面ローラ2とニップローラ3との間に供給される。一方、透明基材7が送り出し機(不図示)により送り出され、透明基材7はニップローラ3に沿いながら、鏡面ローラ2とニップローラ3との間に供給される。透明熱可塑性樹脂9が透明基材7と鏡面ローラ2との間に供給される。
鏡面ローラ2とニップローラ3により透明熱可塑性樹脂9と透明基材7が挟圧され、透明基材7がニップローラ3から剥離される。透明熱可塑性樹脂9の第2の樹脂層形成用の樹脂が鏡面ローラ2に巻き付けながら冷却固化され、第2の樹脂層が形成される。次に、第2の樹脂層を第1の樹脂層を介してラミネートした透明基材7が剥離ローラ4により鏡面ローラ2から剥離される。
鏡面ローラ2は、平均粗さ(Ra)0.05μm〜0.25μmの表面を有する。材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として硬質クロムメッキ(HCrメッキ)、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。
鏡面ローラ2に対向配置されたニップローラ3は、鏡面ローラ2とで透明基材7と透明熱可塑性樹脂9を挟圧するためのローラである。ニップローラ3の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、表面にゴムライニングしたものが採用できる。ニップローラ3には、図示しない加圧手段が設けられており、鏡面ローラ2との間の透明基材7と透明熱可塑性樹脂9とを所定の圧力で挟圧できる。加圧手段は、いずれも、ニップローラ3と鏡面ローラ2との接触点における法線方向に圧力を印加する構成のもので、モータ駆動手段、エアシリンダ、油圧シリンダ等の公知の各種手段が採用できる。
ニップローラ3には、挟圧力の反力による撓みが生じにくくなるような構成を採用することもできる。このような構成としては、ニップローラ3の背面側(鏡面ローラ2の反対側)に図示しないバックアップローラを設ける構成、クラウン形状(中高形状とする)を採用する構成、ローラの軸方向中央部の剛性が大きくなるような強度分布を付けたローラの構成、及びこれらを組み合わせた構成等が採用できる。
剥離ローラ4は、鏡面ローラ2に対向配置され、透明基材7を巻き掛けることにより樹脂層がラミネートされた透明基材7を鏡面ローラ2より剥離するためのローラである。剥離ローラ4の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、表面にゴムライニングしたものが採用できる。
鏡面ローラ2の温度は、挟圧部での第2の樹脂層形成用樹脂の温度がガラス転移温度以上となっているように設定することが好ましい。また、溶融された樹脂のダイ1からの吐出温度が調整され、挟圧部での第2の樹脂層形成用樹脂の温度はガラス転移温度以上とされる。透明基材7に供給された第2の樹脂層形成用樹脂の厚さを均一するためである。一方、剥離ローラ4により透明基材7を鏡面ローラ2から剥離する場合、鏡面ローラ2と第2の樹脂層形成用樹脂との接着が強すぎると、透明基材7が不規則に剥離して突起状に変形する。鏡面ローラ2の温度は転写が可能な限りで低く設定することが好ましい。樹脂の材料にグリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を採用した場合、鏡面ローラ2の表面温度は30〜90℃、好ましくは40〜70℃とすることができる。なお、鏡面ローラ2の温度を制御するために、鏡面ローラ2内部を熱媒体(温水、油)で満たし循環させる等の公知の手段が採用できる。
また、透明熱可塑性樹脂9の熱分解による面状悪化などの問題を生じることから、吐出温度は転写が可能な限りで低く設定することが好ましい。第2の樹脂層形成用樹脂の材料にグリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を採用した場合、シートダイ1からの吐出温度は240〜290℃、好ましくは250〜280℃とすることができる。
次に、第2の樹脂層が第1の樹脂層を介してラミネートされた透明基材7はコーター10に搬送される。コーター10により、第2の樹脂層上に受容層形成用の分散液が厚さ2μm〜4μmで塗布される。コーター10として、バーコーター、ダイコータ等の公知の塗布装置を使用することができる。
分散液が塗布された透明基材7は乾燥ゾーン11に搬送される。乾燥ゾーン11内は、40℃〜120℃に設定される。分散液に含まれる溶媒を蒸発し、受容層を第2の樹脂層上に形成する。乾燥方法として、ヒータによる乾燥、熱風による乾燥、赤外線ヒータによる乾燥方法を使用することができる。
受容層が形成された透明基材7は、受容層側をニップローラ14に沿うように、エンボスローラ13とニップローラ14との間に供給される。乾燥された原料樹脂がホッパー17Aを介して押出機16Aに投入される。押出機16Aにより混練されながら溶融される。押出機16Aは単軸式押出機及び多軸式押出機の何れでもよく、押出機16Aの内部を真空にするベント機能を含むものでもよい。押出機16Aで溶融された原料樹脂は、供給管を介してシートダイ12に送られる。レンズ層形成用の材料が原料樹脂としてホッパー17Aに供給される。
乾燥された原料樹脂がホッパー17を介して押出機16に投入される。押出機16により混練されながら溶融される。押出機16は単軸式押出機及び多軸式押出機の何れでもよく、押出機16の内部を真空にするベント機能を含むものでもよい。押出機16で溶融された原料樹脂は、供給管を介してシートダイ12に送られる。第3の樹脂層形成用の材料が原料樹脂としてホッパー17に供給される。
シートダイ12は、複数の樹脂材料を合流させて多層を形成できるフィードブロックを有する。フィードブロックにより第3の樹脂層形成用樹脂とレンズ層形成用樹脂が合流され、シートダイ12からシート状の2層の透明熱可塑性樹脂18が溶融共押し出しされる。透明基材7とレンズ層の間に、第3の樹脂層が配置される。第3の樹脂層は接着機能を有しているので、レンズ層と透明基材7とが第3の樹脂層により接着される。
シートダイ12からシート状に押し出された2層の透明熱可塑性樹脂18は透明基材7とエンボスローラ13との間に供給される。エンボスローラ13の表面には、例えば、レンチキュラーレンズ形状を成形するための反転形状が形成されている。透明熱可塑性樹脂18と透明基材7がエンボスローラ13とニップローラ14により挟圧され、エンボスローラ13で形成された反転形状がレンズ層形成用の樹脂に転写される。透明基材7がニップローラ14から剥離される。レンチキュラーレンズ形状が転写されたレンズ層形成用の樹脂がエンボスローラ13に巻き付けながら冷却固化され、レンズ層が形成される。レンズ層を第3の樹脂を介してラミネートした透明基材7が剥離ローラ15によりエンボスローラ13から剥離される。
レンズ層が形成されるとき、冷却固化によりレンズ層形成用の樹脂には熱収縮が発生する。本実施の形態では、透明基材7のレンズ層が形成される面と反対面に第2の樹脂層が形成されているので、この第2の樹脂層が、透明熱可塑性樹脂18の熱収縮による透明基材7の反りを抑制することができる。特に、レンズ層が100μm以上の厚さを有し、大きな熱収縮を発現する場合には、第2の樹脂層により透明基材7のカールを抑制することが重要となる。
エンボスローラ13の材質としては、鏡面ローラ2と同様に、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として硬質クロムメッキ(HCrメッキ)、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。また、ニップローラ14は、エンボスローラ13に対向配置され、エンボスローラ13と第2の樹脂層、透明基材7と透明熱可塑性樹脂18を挟圧するためのローラである。ニップローラ14の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、表面にゴムライニングしたものが採用できる。
ニップローラ3と同様に、ニップローラ14に加圧手段を設けることができる。また、挟圧力の反力による撓みが生じにくくなるような構成を採用することもできる。
エンボスローラ13の温度は、挟圧部での樹脂シートの温度がガラス転移温度以上となるように設定される。レンズ層形成用樹脂への型転写が完了する前に冷却固化しないようにするためである。一方、剥離ローラ15により透明基材7をエンボスローラ13から剥離する場合、エンボスローラ13とレンズ層との接着が強すぎると、透明基材7が不規則に剥離して突起状に変形する。エンボスローラ13の温度は転写が可能な限りで低く設定することが好ましい。
樹脂の材料にグリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を採用した場合、エンボスローラ13の表面温度は30〜90℃、好ましくは40〜70℃とすることができる。なお、エンボスローラの温度を制御するために、エンボスローラ13内部を熱媒体(温水、油)で満たし循環させる等の公知の手段が採用できる。溶融されたレンズ層形成用樹脂のシートダイ12からの吐出温度は調整され、挟圧部でのレンズ層形成用樹脂の温度がガラス転移温度以上となっているように設定される。挟圧したレンズ層形成用樹脂への型転写が完了する前に冷却固化しないようにするためである。
また、透明熱可塑性樹脂18の熱分解による面状悪化などの問題を生じることから、吐出温度は転写が可能な限りで低く設定することが好ましい。樹脂の材料にグリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を採用した場合、シートダイ12からの吐出温度は240〜290℃、好ましくは250〜280℃とすることができる。
剥離ローラ15によりエンボスローラ13から剥離された透明基材7はフィルムロール8に巻き取られる。一方面にレンズ層、他方面に樹脂層が形成されたフィルムロール8は巻き戻され、打ち抜き工程(不図示)に搬送される。打ち抜き工程ではフィルムロール8が所定のサイズ(例えば、12.7cm×17.8cm)に打ち抜かれる。
図3は、第2の実施形態に係る製造ラインを示す概略構成図である。図2と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
第2の実施形態は、第2の樹脂層上に受容層を形成した後に透明基材7を一旦、フィルムロール19に巻き取っている。次いで、フィルムロール19を巻き戻し、2層の透明熱可塑性樹脂18を透明基材7とエンボスローラ13との間に供給する。一方、第1の実施形態では、透明基材7を送り出し、透明基材7の一方面に第1の樹脂層、第2の樹脂層と受容層を、他方面に第3の樹脂層とレンズ層を形成した後にフィルムロール8に巻き取っている。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、実施例中で、組成について部または%とある場合、特に断りのない限り質量基準である。
(試料101の作製)
以下の工程により試料101を作製した。
以下の工程により試料101を作製した。
透明基材として厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(富士フイルム(株)製)を用い、鏡面ロール(φ350mm、表面温度15℃)とニップロールの間に10m/分で走行するPETフィルム(厚み188μm)を挿入した。グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂PETG(SK ケミカル社製)と接着性樹脂(アドマー、三井化学(株)製)を、温度280℃に設定したTダイ(吐出巾350mm)より、実測樹脂温度260〜280℃として共押出し、PETフィルムと鏡面ロールの間に供給して第2の樹脂層を形成した。PETフィルム上に第2の樹脂層が形成された樹脂シートを巻取り工程で巻き取った。この上に、受容層塗布液を塗布し、受容層を塗設した。この後、樹脂シートを送り出し工程より10m/分で巻き出して、レンチキュラーレンズ形状(半径150μm、レンズ高さ70μm、ピッチ254μm)を付けたエンボスロール(φ350mm、40℃)とニップロールの間に挿入した。グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂PETG(SKケミカル社製)と接着性樹脂(アドマー、三井化学(株)製)を、温度280℃に設定したTダイ(吐出巾330mm)より、実測樹脂温度260〜280℃として共押出し、樹脂シートとエンボスロールの間に供給して積層した。エンボスロールとニップロールで挟圧し冷却固化し、レンチキュラーレンズ(厚み340μm)を有する印画用シートを得た。
(試料102、103の作製)
試料101においてグリコール変成ポリエチレンテレフタレート(PETG)樹脂および接着性樹脂(アドマー、三井化学(株)製)の厚みを変更した試料102、103を作製した。
試料101においてグリコール変成ポリエチレンテレフタレート(PETG)樹脂および接着性樹脂(アドマー、三井化学(株)製)の厚みを変更した試料102、103を作製した。
(画像形成方法)
画像形成のためのプリンターには 富士フイルム(株)製 フジフイルムサーマルフォトプリンター ASK−2000(商品名)を、上記感熱熱転写シートと上記感熱転写受像シートが装填可能なように、特許第3789033号公報および特許第3609065号公報を参照して改造を行い、最低濃度から最高濃度までの全域のグレーの階調が得られる設定で出力した。
画像形成のためのプリンターには 富士フイルム(株)製 フジフイルムサーマルフォトプリンター ASK−2000(商品名)を、上記感熱熱転写シートと上記感熱転写受像シートが装填可能なように、特許第3789033号公報および特許第3609065号公報を参照して改造を行い、最低濃度から最高濃度までの全域のグレーの階調が得られる設定で出力した。
(球状圧子硬度の測定方法)
球状圧子硬度の測定方法は、直径0.4mmの球状圧子をサンプルにあて、10秒をかけて200mNの加重をかけた後、10秒をかけて加重を0にした。そのときのサンプルの最大変位量(μm)を測定した。この変位量が少ないほど硬度は高い。
球状圧子硬度の測定方法は、直径0.4mmの球状圧子をサンプルにあて、10秒をかけて200mNの加重をかけた後、10秒をかけて加重を0にした。そのときのサンプルの最大変位量(μm)を測定した。この変位量が少ないほど硬度は高い。
(転写故障の評価)
各試料に対し、上記Dmax部分の黒画像と白画像が半々になった画像を2Lサイズで20枚を連続印画し、しわ状の故障の本数を計数した。
また同印画物の色ずれの程度を目し評価した。
点数5:全て色ずれなし
点数4:色ずれ発生画像が3枚未満以下
点数3:色ずれ発生画像が3枚以上5枚未満
点数2:色ずれ発生画像が5枚以上10枚未満
点数1:色ずれ発生画像が10枚以上
表1は試料101−103の膜厚と得られた結果を下記表に示す。
各試料に対し、上記Dmax部分の黒画像と白画像が半々になった画像を2Lサイズで20枚を連続印画し、しわ状の故障の本数を計数した。
また同印画物の色ずれの程度を目し評価した。
点数5:全て色ずれなし
点数4:色ずれ発生画像が3枚未満以下
点数3:色ずれ発生画像が3枚以上5枚未満
点数2:色ずれ発生画像が5枚以上10枚未満
点数1:色ずれ発生画像が10枚以上
表1は試料101−103の膜厚と得られた結果を下記表に示す。
試料101,102の本発明の感熱受像シートは比較例の感熱受像シート103と比較して、転写故障が少なくかつ立体感の低い画像の出現頻度が低く、顕著な効果を示した。つまり、受容層と透明基材に間に形成される第1の樹脂層と第2の樹脂層の積層体が、3.0(μm)〜3.5(μm)球状圧子硬度変形量を有するので、転写故障が少なくかつ立体感の低い画像の出現頻度が低く、顕著な効果を奏することが理解できる。
1…シートダイ、2…鏡面ロール、3…ニップローラ、4…剥離ローラ、5、5A…押出機、6、6A…ホッパー、7…透明基材、8…フィルムロール、9…透明熱可塑性樹脂、10…コーター、11…乾燥ゾーン、12…シートダイ、13…エンボスローラ、14…ニップローラ、15…剥離ローラ、16…押出機、17…ホッパー、18…透明熱可塑性樹脂、19…フィルムロール、20…フィルムロール、40…印画用シート、42…透明基材、44…第3の樹脂層、46…レンズ層、48…第1の樹脂層、50…第2の樹脂層、52…受容層
Claims (8)
- 透明基材と、
前記透明基材の一方面に形成された第1の樹脂層と、
前記第1の樹脂層上に形成された第2の樹脂層と、
前記第2の樹脂層上に形成され、かつ熱転写シートの色材中の染料を受理する受容層と、 前記透明基材の他方面に形成された第3の樹脂層と、
前記第3の樹脂層上に形成されたレンズ層と、
を含む印画用シートであって、
前記第1の樹脂層と前記第3の樹脂層が接着機能とクッション機能を備えることを特徴とする印画用シート。 - 請求項1記載の印画用シートであって、前記第2の樹脂層が前記第1の樹脂層より硬い印画用シート。
- 請求項2記載の印画用シートであって、前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層とで構成される積層体は2.8μm〜4.0μmの変形量を有する印画用シート。
(但し、変形量:直径0.4mmの球状圧子を、10秒をかけて200mNの加重をかけた後、10秒をかけて加重を0にしたときの変位量(μm)) - 請求項1〜3の何れか記載の印画用シートであって、前記第3の樹脂層と前記レンズ層の合計厚さの、前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層の合計厚さに対する比は2〜4である印画用シート。
- 請求項1〜4何れか記載の印画用シートであって、前記第1の樹脂層と前記第3の樹脂層がポリエステル樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、及びポリプロピレン樹脂から成る群から選ばれた一つの材料を含む印画用シート。
- 請求項1〜5の何れか記載の印画用シートであって、前記第2の樹脂層と前記レンズ層がポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、及びポリエチレン樹脂から成る群から選ばれた一つの材料を含む印画用シート。
- 請求項1〜6の何れか記載の印画用シートにおいて、前記透明基材は、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びポリスルホン樹脂から成る群から選ばれた一つの材料を含む印画用シート。
- 連続走行する透明基材の一方面に、接着機能とクッション機能を有する第1の樹脂層と、第2の樹脂層とを溶融共押出しする工程と、
前記第2の樹脂層側に配置された平滑面を有する第1の冷却ローラと前記透明基材側に配置された第1のニップローラにより、前記透明基材と前記第2の樹脂層を挟圧する工程と、
前記第2の樹脂層を前記第1の冷却ローラで冷却固化する工程と、
前記第2の樹脂層が前記第1の樹脂層を介してラミネートされた前記透明基材を前記第1の冷却ローラから剥離する工程と、
前記第2の樹脂層上に、熱転写シートの色材中の染料を受理する受容層を形成する工程と、
連続走行する前記透明基材の他方面に、接着機能とクッション機能を有する第3の樹脂層とレンズ層形成用の樹脂層を溶融共押出しする工程と、
レンズ層形成用の樹脂層側に配置されたレンズ形成用の型を有する第2の冷却ローラと前記第2の樹脂層側に配置された第2のニップローラにより、前記第2の樹脂層と前記レンズ層形成用の樹脂層を挟圧し、前記レンズ層形成用の樹脂層にレンズを形成する工程と、
前記レンズ層形成用の樹脂層を前記第2の冷却ローラで冷却し、レンズ層を形成する工程と、
前記レンズ層が前記第3の樹脂層を介してラミネートされた前記透明基材を前記第2の冷却ローラから剥離する工程と、を含む印画用シートの製造方法。
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KR1020100134499A KR20110087205A (ko) | 2010-01-25 | 2010-12-24 | 프린팅 시트 및 이의 제조 방법 |
CN2010106209563A CN102189863A (zh) | 2010-01-25 | 2010-12-27 | 打印用片材及其制造方法 |
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