JP2007196569A - 熱転写受像シートの製造方法 - Google Patents

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Akira Hasegawa
昌 長谷川
Yoshiyuki Matsui
善之 松井
Motoharu Iwasa
基治 岩佐
Koichi Nakayama
宏一 中山
Toshikazu Fukui
利和 福井
Masayoshi Matsuda
正義 松田
Haruka Onishi
遼 大西
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Abstract

【課題】本発明は、カール特性や表面平滑性に優れた熱転写受像シートを製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明の熱転写受像シートの製造方法は、基材と樹脂フィルムを貼り合わせて支持体とする工程A、及び、前記樹脂フィルムに少なくとも染料染着性樹脂及び溶媒からなる受容層塗工液を塗工して受容層を形成し、巻き取る工程Bを少なくとも有する熱転写受像シートの製造方法において、前記工程Bで形成された受容層に残留する溶媒の残留溶媒量を、前記巻き取り工程時において、受容層を構成する前記樹脂に対して5%以上15%以下に制御することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は熱転写受像シートの製造方法に関し、より詳しくは、カール特性や表面平滑性に優れた熱転写受像シートを製造する方法に関する。
従来より、昇華性の染料をPET(ポリエチレンフタレート)等からなる基材上に塗布した熱転写シートと、記録用の信号に基づいて選択的に電圧を印加される発熱素子を有するサーマルヘッドとを用い、染着性が付与された染料受容層を基材上に配設した熱転写受像シートに対し、前記熱転写シートを介して前記サーマルヘッドを圧接させるとともに、記録情報に基づいて前記サーマルヘッドの発熱素子に電圧を印加し、前記染料を前記熱転写受像シートの染料受容層に転写させることにより、所望の記録を得る昇華型感熱記録方式が知られている。
ところで、上記熱転写シートにより熱転写受像シートに画像形成を行う場合の要求特性として基本的要求事項である染料染着性以外に、受像シートのカール量及び受像シート表面の平滑性等が挙げられる。
受像シートのカール量は大きすぎると意匠性の低下は勿論、印字時の搬送性の低下を招く恐れがある。
また受容層の表面平滑性が所定値未満の場合、印字時における印画濃度の低下や白抜けの発生等の問題がある。
カール量の問題を改善する手段としては以下のものがある。
特許文献1は、各種の染料熱転写プリンターに使用する受容シートに関し、特定のこわさを有する受容シートの白紙カールに、特定の大きさと方向をつけることで、プリンターへの給紙が安定し、かつ印画時の熱によるカールが小さく、搬送性に優れ排紙トラブルのない受容シートを提供しようとするものである。
特許文献2では、染料受容層を合成紙基材の片面に設けた被熱転写シートにおいて、合成紙基材を60〜140℃、好ましくは110℃〜130℃の温度で2〜3秒間、あるいはそれ以上、加熱処理することにより、カールを防ぐ方法が提案されている。これは、印画時の熱による収縮を小さくするため、予めフィルムの熱処理を行う。すなわち、合成紙基材を連続的に熱ロールに接触させたり、加熱したオーブンの中を通過させて、残留応力を熱により緩和させ、熱収縮率を小さくすることが報告されている。
特許文献3には、合成紙の片面に受容層を塗布、乾燥したのち、他面に裏打ち材を貼合させることにより、カールを防止する試みが提案されている。また、特許文献4には、基材裏面にカール防止処理層を設けて保存カールを防ぐ提案がなされている。
受容シートに染料受容層面側を凸とする白紙カールを付与する手段として以下のような各種の方法が利用出来る。
染料受容層に染着樹脂の架橋剤を添加し、染料受容層塗料を塗工、乾燥後、受容シートをロール状に巻き取った状態で加熱しながら架橋を行い、白紙カールをつける。すなわち、受容シートを染着受容層形成面がロールの外面に来るようにしてロール状に巻取り、これに30〜60℃の温度、および75%以下の相対湿度において熱処理を施しながら染着受容層の架橋を行うことで染料受容層形成面側を凸とする白紙カールをもつ受容シートが得られる。
フィルムや紙を芯材として、その表裏にフィルムを貼合した多層構造のシート状支持体の上に染料受容層を形成する。その際、染料受容層形成側のフィルムの熱収縮率を反対側のフィルムのそれより小さくする。更に染料受容層塗料塗工前にシート状支持体をプレヒーティングすることで、染料受容層形成面側を凸とする白紙カールを持つ受容シートが得られる。
フィルムや紙を芯材として、その表裏にフィルムを貼合した多層構造のシート状支持体の上に染料受容層を形成する。その際染料受容層形成側のフィルムの厚さを反対側のフィルムのそれより小さくすることで、染料受容層形成面側を凸とする白紙カールを持つ受容シートが得られる。
紙の表裏に樹脂を押し出しラミネートしたシート状支持体の上に染料受容層を形成する。その際染料受容層形成側の樹脂のラミネート量を反対側の樹脂のラミネート量より小さくすることで染料受容層形成面側を凸とする白紙カールを持つ受容シートが得られる。
2種類のフィルムを貼合積層したシート状支持体において、染料受容層形成側のフィルムを貼合せする際のテンションを反対側フィルムを貼合する際のテンションより小さくすることで、染料受容層形成面側を凸とする白紙カールを持つ受容シートが得られる。
以上、いずれの方法によっても本発明に必要な白紙カールを持たせることができるし、また、これ以外の方法によって白紙カールをつけても問題はない。
平滑度を調整する手段としては一般的に、基材に用いられる樹脂フィルムの平滑度をコントロールすることにより、その表面に形成された受容層の平滑度をコントロールするのが一般的である(特許文献5の[0017]参照)。
特に受容層は平坦である必要があること、及びそのためには予め樹脂フィルムの表面に受容層を形成し、その後基材と貼り合わせることにより、基材の粗さの影響を受けずに受容層を平滑にできることが特許文献6に示唆されている。
特許第3279724号公報 特開昭62−152793号公報 特開昭63−214484号公報 特開昭64−44781号公報 特開平11−139010号公報 特公平6−84119号公報 特許第3026703号公報
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、受像シートのカールを調整すること、受像シートの受容層の平滑度を向上させることができる製造方法を提供することを目的とする。
第1の本発明は、基材と樹脂フィルムを貼り合わせて支持体とする工程A、及び前記樹脂フィルムに少なくとも染料染着性樹脂及び溶媒からなる受容層塗工液を塗工して受容層を形成し、巻き取る工程Bを少なくとも有する熱転写受像シートの製造方法において、前記工程Bで形成された受容層に残留する溶媒の残留溶媒量を、前記巻き取り工程時において、受容層を構成する前記樹脂に対して5%以上15%以下に制御することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法を提供する。
前記第1の発明の熱転写受像シートの製造方法において、前記工程Bを前記工程Aの前に行うことが好ましい。
前記第1の発明の熱転写受像シートの製造方法において、前記工程Bで、受容層表面と接する樹脂フィルム表面のJIS P 8119におけるベック平滑度が10000秒以上であることが好ましい。
前記第1の発明の熱転写受像シートの製造方法において、前記工程Bにおける巻き取り張力が160N以上300N以下であることが好ましい。
また、第2の本発明は、基材と樹脂フィルムを貼り合わせて支持体とする工程A、及び樹脂フィルムに少なくとも染料染着性樹脂及び溶媒からなる受容層塗工液を塗工して受容層を形成し、巻き取る工程Bを少なくとも有する熱転写受像シートの製造方法において、基材の水分量を6%以下にする工程をさらに有することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法を提供する。
前記第1の発明の熱転写受像シートの製造方法において、前記工程Aを工程Bの前に行うことが好ましい。
本発明の製造方法における熱転写受像シートに使用する基材としては、アート紙、コート紙、キャストコート紙、セルロース繊維紙、上質紙やこれら紙基材の片面或いは両面に樹脂フィルムをラミネートした合成紙等が用いられる。樹脂フィルムとしてはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイロン、等のフィルム好適に用いられ、これらフィルムは少なくとも一層が樹脂と無機顔料を主成分とする2軸延伸され、空隙を有する発泡層を有する多層構造の樹脂フィルムがより好適に用いられる。
本発明の製造方法における熱転写受像シートに関する支持体の厚さは80μm〜300μmが好ましく、より好ましくは200μm〜250μmである。200μm未満、特に80μm未満であると必要な剛度を得るために厚さ方向の弾力性が小さくなり、印画濃度が小さくなる恐れがある。250μmを越える、特に300μmを越えると厚さが必要以上に過大となり経済性に劣ったものとなる。
支持体上に設けられる染料受容層を形成するためのバインダー樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの樹脂に必要により酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、蛍光増白剤や、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリンクレー、炭酸カルシウム等の顔料や充填材を添加してもよい。染料受容層は樹脂に必要な添加剤を加えたものを適当な有機溶剤に溶解したり、或いは有機溶剤や水に分散させた分散液をグラビア印刷法、スクリーン印刷法、リバースロールコーティング法等の公知の形成手段により、基材上または中間層上に塗布、乾燥して形成することができる。染料受容層の厚みは任意でよいが、1μm〜10μmであることが好ましい。
基材と染料受容層の間には必要に応じて、プライマー層、紫外線吸収層等の中間層を設けてもよい。また基材の反対側の面に所望の機能を有する中間層、背面層等を適宜設けてもよい。
請求項1の発明においては樹脂フィルム上に受容層を形成し、巻き取る際の染料受容層に残留した溶媒の残留量を5%〜15%、より好ましくは10〜15%に調整することが必要である。
これにより、例えば基材に樹脂フィルムを貼着し支持体を形成する前に、樹脂フィルムに受容層を形成するための塗工液を塗工して、受容層を形成した場合、形成された受容層と接する樹脂フィルム表面の表面平滑性が染料受容層に転写されることとなり受容層表面の平滑性をコントロールすることができる。
前記溶媒の残留量が5%未満である場合は、溶媒の残留量が少なすぎて、受容層表面硬度が大きくなり樹脂フィルムの平滑性が転写されない。
前記溶媒の残留量が15%を超える場合は、受容層表面硬度が小さすぎて、かえって表面が荒れた状態となり、ひどい場合にはブロッキングする恐れがある。
前記工程B(受容層形成後の巻取り工程)で、受容層表面と接する樹脂フィルム表面のJIS P 8119におけるベック平滑度は10000秒以上であることが好ましい。この値未満であると、受容層表面の平滑性向上が望めない。また、本発明においては、例えば、巻き取られた際に受容層表面と接する樹脂フィルム表面側に、例えば接着層等の他の層が形成されていてもよいが、その際には、樹脂フィルム表面をこの他の層の表面として、前記工程Bで、受容層表面と接する他の層の表面のJIS P 8119におけるベック平滑度が10000秒以上であることが好ましい。また、上記樹脂フィルムは、受容層を形成した一枚の樹脂フィルムのみを指すのではなく、例えば基材の表裏両面に樹脂フィルムが粘着された支持体の一方の樹脂フィルムに受容層を形成する場合などは、巻き取られた際に、受容層が形成されていない他方の樹脂フィルムの表面が受容層と接することになる。このような場合は、「受容層表面と接する樹脂フィルム表面」は支持体を構成する他の樹脂フィルム表面となる。このように「樹脂フィルム表面」とは、巻き取られた際に受容層表面と接する面であって、支持体を構成する樹脂フィルム又はその表面に形成された層の表面を指す。
請求項1の発明においては、樹脂フィルムに染料染着性樹脂からなる受容層を塗工し、巻き取る工程は樹脂フィルムを基材に貼着する前であっても、後であってもよいが、次の点から前であることが好ましい。
(1)特許文献3にあるように基材の影響を受けずに受容層を形成出来る観点からは貼着前が有利である。
(2)一般的には樹脂フィルムは基材の表裏両面に貼着されるので、後であっても裏側に貼着された樹脂フィルムの表面の平滑性を転写できる。しかしながら通常、支持体の背面側は滑性層を設けることにより粗面化する。従って粗面化する工程が工程Bより後の工程となる場合は平滑性向上に対して問題はないが、粗面化工程が前となる場合は、粗面化された面が転写されるため前の方が有利である。
(3)また、裏面側に貼着する樹脂フィルムは表面側に貼着する樹脂フィルムに対して表面平滑性の低い、例えば、マットフィルム等を貼着する場合があるので、そのような場合も前であるほうが好ましい。
尚、樹脂フィルムを基材に貼着するタイミングについては特許文献3に記載があるが、表面平滑性をコントロールするために樹脂フィルムの平滑性を受容層に転写することに関して、何ら示唆されていない。
溶媒の残留量をコントロールする方法は、受容層を構成するための塗工液の配合、樹脂フィルムの種類、後記乾燥ダクトの風量等によって相違するが、塗工液を樹脂フィルム上に塗工後、巻き取るまでに80℃〜150℃で20秒から80秒程度乾燥ダクト中を通すことにより溶媒の残留量をコントロールすることができる。
上記工程Bにおいて、コアに巻き取る際の巻き取り張力は160N以上300N以下であることが好ましい。これ未満であると樹脂フィルム面に対する受容層の押付け圧が小さすぎて、受容層フィルム面の平滑性を転写することが出来ない。これを越えると押付圧が大きすぎてブロッキングする恐れがある。
請求項2の発明においては、基材の水分量を6%以下、好ましくは5%以下にすることが望ましい。水分量が上記範囲を超える場合は、例えば受容層を塗工後に行う乾燥工程等で、基材の水分が蒸発して、水分量が低下することにより、基材が収縮することによりカールが発生する。また、水分量は2%以上であることが好ましい。この値未満に調整したとしても、カールに対する改善向上は見られないばかりか、調整するための工程に時間、コストがかかり、経済性の点でも不利となる。また、できあがった受像シートを湿度の高い雰囲気に置くなどした場合、多量の水分が再吸収されることにより、基材表面がふくれた状態になり、受容層の平滑性に悪影響を及ぼす可能性があるばかりか、ひどい場合には、張り合わされた樹脂フィルムがはがれてしまう恐れがある。
本発明においては特にコート紙等片面に塗工層が設けられた基材を使用する場合は、表面側と裏面側で水分がアンバランスに蒸発するため、よりカールに対する影響が大きくなる。従って本発明はコート紙等の塗工紙を基材として用いる場合により効果がある。
本発明では、水分量を調整する工程は樹脂フィルムと基材を貼着する前であっても、後であってもよいが、樹脂フィルムを貼り合わせることにより、水分量を調整する際の水分の抜け方が表裏でアンバランスになる点、水分量を調節することにより基材単体が多少カールした場合でも、樹脂フィルム貼り合わせの工程で調節できる点等から、貼着する前に行うことが好ましい。
又、工程Aと工程Bはいずれを前に行ってもよいが、効率性の観点から工程Aを工程Bの前に行うことが望ましい。
水分量の調整方法は、例えば乾燥炉に所定時間導入しておく等の方法がある。この場合、急速に水分量を調整すると基材単体に大きなカールを発生させる恐れがあるばかりか、ロール状に巻かれた基材の表面側と中心側で水分量の差が大きくなり、例えば中心側は水分量4%で調整したとしても、表面側で2%未満等になる等の不具合が生じる可能性があるため、水分量調整の際にはこれらの点を考慮して乾燥温度、乾燥時間等を設定するべきである。例えば使用する基材の種類等によって相違するが40℃〜70℃で24時間〜168時間であれば急激な水分量の低下を抑えつつ水分量を調整することが可能である。
参考例1
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東レ社製のトレファンBOYP22、ベック平滑度7590秒)上に、下記に示す組成を有する受容層形成用塗布液を塗布量、5.0/mとなるようにメイヤーバーを用いて塗工し、乾燥ダクト(80℃)に40秒間通した後巻き取り張力200Nで巻き取った。この際の残留溶媒量は15%であった。
(塗工液組成)
ポリエステル樹脂(東洋紡績社製バイロン290) 10部
酸化チタン(チタン工業製KA80) 1部
トルエン/MEK 100部
その後、三菱製紙製A−2コート(厚さ110μm、坪量127g/cm)上に、ウレタン系接着剤(塗布量5g/m)を介して、ドライラミネーションにより基材シートに積層し、受像シートを得た(この際、無塗工の二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績 P4256 厚さ:40μm)を同時に基材の反対面側に同様にして積層した)。
得られた受像シートの受容層のベック平滑度をJIS P 8119に従って測定した(以下、同様)ところ、7700秒であった。この結果より、本発明の製造方法によれば、受容層と接する樹脂フィルム表面のベック平滑度に対して受容層のベック平滑度が非常によく追随出来ていることがわかるが、受容層表面のベック平滑度を高く保つには樹脂フィルムの受容層と接する面の平滑度を高くする必要があることもわかる。
実施例1
参考例1で使用した二軸延伸ポリプロピレンフィルムに代えて、以下の方法で製造した二軸延伸発泡ポリプロピレンフィルムを用いる以外は参考例1と同様にして熱転写受像シートを得た(特許第3026703号公報参照)。得られた受像シートの受容層のベック平滑度を測定した結果を表1に示す。
メルトインデックス(MI)が、4g/10分のエチレン(2.6重量%)−プロピレンランダム共重合体(表面層)、MIが0.8g/10分のエチレン(2.3重量%−プロピレンランダム共重合体65重量部、高密度ポリエチレン10重量部及び平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム25重量部の組成物(中間層)、表面層と同一のエチレン−プロピレンランダム共重合体(裏面層)とを、それぞれ別々の3台の押出機で、250℃で溶融混練後、一台の共押ダイに供給し、ダイ内で積層後、シート状に押し出し、冷却ロールで約60℃まで冷却し、積層物を得た。この積層物を145℃に再加熱した後、多数のロール群の周速差を利用して縦方向に5倍延伸し、再び150℃まで再加熱し、テンターで横方向に8.5倍延伸し、160℃でアニーリング処理した後、60℃まで冷却し、耳部をスリットして3層(表面層/中間層/裏面層)の二軸発泡ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの表面層及び裏面層のベック平滑度は12000秒であった。
実施例2〜5及び比較例1〜2
乾燥ダクトでの乾燥条件を表1に示す条件に変更して製造した以外は実施例1と同様にして実施例2〜5及び比較例1〜2の受像シートを得た。結果を表1に併記する。
実施例6〜8及び比較例3〜4
巻き取り張力を表1に示す値に変更した以外は実施例1と同様にして実施例6〜8及び比較例3〜4の受像シートを得た。
実施例9〜12
樹脂フィルムを表2に示す樹脂フィルムに変更した以外は実施例2と同様にして受像シートを得た。なお、実施例9〜12に使用した樹脂フィルムは、実施例1の樹脂フィルムの製造と同様にして製造されている。
実施例13
三菱製紙製A−2コート紙(厚さ110μm、坪量127g/cm)を表3に示す条件で恒温糟に放置した後、取り出した。その際のA−2コート紙の水分量は4.1%であった。
上記基材シート上に、ウレタン系接着剤(塗布量5g/m2)を介して、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績 P4256 厚さ:40μm)を、ドライラミネーションにより基材シートの両面に積層し、支持体を得た。
さらに、上記二軸延伸ポリプロピレンフィルム上に、下記に示す各組成を有する受容層形成用塗布液を塗布量5.0g/mとなるようにメイヤーバーを用いて塗工、乾操して受容層を形成し、受像シートを作製した。得られた受像シートを幅99.6mm、長さ140.8mmの枚葉紙とし、受容層面を下向きとして、平板上に静置してカール量(4隅の最大高さ)を測定したところ0.5mmであった。
ポリエステル樹脂(東洋紡績社製バイロン200) 10部
酸化チタン(チタン工業製KA80) 1部
トルエン/MEK(1:1) 100部
実施例14〜18及び比較例5〜6
乾燥条件及び乾燥後の水分量を表3に示すようにした以外は実施例13と同様にして受像シートを得た。得られた受像シートのカール量を実施例13と同様にして測定した。結果を表3に示す。
Figure 2007196569
表2 実施例9〜12で使用した樹脂フィルム
Figure 2007196569
表2中のPPはポリプロピレン、HDPEは高密度ポリエチレン、及び
CaCOは炭酸カルシウムを示す。
Figure 2007196569

Claims (6)

  1. 基材と樹脂フィルムを貼り合わせて支持体とする工程A、及び
    前記樹脂フィルムに少なくとも染料染着性樹脂及び溶媒からなる受容層塗工液を塗工して受容層を形成し、巻き取る工程B
    を少なくとも有する熱転写受像シートの製造方法において、
    前記工程Bで形成された受容層に残留する溶媒の残留溶媒量を、前記巻き取り工程時において、受容層を構成する前記樹脂に対して5%以上15%以下に制御することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
  2. 基材と樹脂フィルムを貼り合わせて支持体とする工程A、及び
    樹脂フィルムに少なくとも染料染着性樹脂及び溶媒からなる受容層塗工液を塗工して受容層を形成し、巻き取る工程B
    を少なくとも有する熱転写受像シートの製造方法において、
    基材の水分量を6%以下にする工程をさらに有することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
  3. 前記工程Bを前記工程Aの前に行うことを特徴とする請求項1記載の熱転写受像シートの製造方法。
  4. 前記工程Bで、受容層表面と接する樹脂フィルム表面のJIS P 8119におけるベック平滑度が10000秒以上であることを特徴とする請求項1又は3記載の熱転写受像シートの製造方法。
  5. 前記工程Bにおける巻き取り張力が160N以上300N以下であることを特徴とする請求項1、3又は4記載の熱転写受像シートの製造方法。
  6. 前記工程Aを工程Bの前に行うことを特徴とする請求項2記載の熱転写受像シートの製造方法。
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