JP2005169731A - ロール状熱転写受容シート - Google Patents

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Abstract

【課題】染料熱転写方式のロールプリンターに適し、印画カールおよび裁断後のカールが小さく、取り扱い性が良く、かつ美観に優れたロール状熱転写受容シートを提供する。
【解決手段】芯材の少なくとも片面に多孔質延伸ポリエステルフィルムが積層されたシート状支持体と、前記多孔質延伸ポリエステルフィルム上に形成された画像受容層とを有するロール状熱転写受容シートにおいて、前記多孔質延伸ポリエステルフィルムの、プリンターへの給紙方向における150℃での熱収縮応力が50〜170mN/mmで、かつ熱転写受容シート全体の、TAPPI T543 84に規定するプリンターへの給紙方向における剛度が500〜1700SGUであり、さらに画像受容層面がロールの外面になるようにして巻取りシリンダーに巻かれているロール状熱転写受容シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱転写インクシート(以下、単にインクリボンと略す。)と重ね合せ、サーマルヘッドをデバイスとして、色剤を熱転写することにより画像を得る熱転写受容シート(以下、単に受容シートと略す。)に関する。更に詳しく述べるならば昇華性染料を色剤とする熱転写方式に適し、フルカラーで高濃度の記録画像を形成することが可能なロール状受容シートに関する。
近年、サーマルプリンター、特に鮮明なフルカラー画像がプリント可能な熱転写プリンターが注目されてきた。熱転写プリンターは、熱により昇華もしくは溶融拡散して移行する染料を含有する染料層を有するインクリボンと、フィルム支持体の片面に前記インクリボンの染料を受容する画像受容層(以下、単に受容層と略す。)を有する受容シートとを用い、染料層と受容層を重ね合わせ、サーマルヘッドなどから供給される熱により、染料層の所要箇所の染料を所定濃度だけ受容層上に転写して画像を形成するものである。特に昇華性を有する染料を用いた染料熱転写方式は高画質のプリントが可能であることから、銀塩写真との置き換えが進みつつある。
従来、受容シートの形態としては、枚葉状受容シートが一般的に使用されており、プリンターに給紙される際、2枚以上が重なって給紙される(いわゆる、重送)等の給紙トラブルが発生することがあった。また枚葉シートの場合には、印画面積はシートのサイズで制約される。ところが、熱転写方式の市場拡大とともに用途の多様化が進み、印画面積について自由に選択できることが要望されてきており、さらに、受容シートの低価格化も求められている。
この様な問題点を解決するために、ロール状の受容シートを搭載する熱転写プリンター(単に、ロールプリンターとも言う。)が開発されている。ロール状受容シートの使用により、重送等の給紙不良の問題が解決され、一定の範囲で印画面積を選択することが可能であり、予め枚葉状に裁断する必要もなくなり、印画枚数の増大や、受容シートの低価格化も可能となる。
ロール状受容シートは連続して給紙され、印画直後に、プリンター内で所定のサイズに切断して使用される。受容シートが、トラブルなく、給紙、印画、排紙されるためには、受容シート間の摩擦係数、受容シートと搬送ロール間の摩擦係数、受容シートの厚さ、寸法安定性、カール等について注意する必要がある。
ロールプリンター用途としては、例えば、搬送ロールのニップにより受容シート印画面の凹みを改善するために、芯材の両面にポリエステルフィルムを積層し、一定の圧縮弾性率を有するシート状支持体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このような積層構成の支持体の場合には、小径の巻取りシリンダーに巻かれた時に巻き癖などの影響が長期間残るせいか、受容シートのカールが問題となる。
受容シートのカールは、印画及び給排紙トラブルの大きな原因となる。一般に受容シートの白紙カール(印画前のカール)が大きいと、受容シートがプリンター内部の搬送ロールやガイドに引っ掛かり、受容シートの装着性が悪く、作業性が劣る。また印画の際に、受容シートとサーマルヘッドとの密着性が悪化するおそれがある。プリンター内を搬送ロールに抱かれてスムーズに搬送するためには、ロール状受容シートは、搬送ロールの曲面に沿った適度のカールを有していることが好ましい。
またロール状受容シートは、印画時にサーマルヘッドにより高熱が加えられるため、受容シートは熱変形によりプリントカールが発生して、排紙不良の原因となり、さらに印画した受容シートの美観を損ねる傾向がある。上記熱変形の要因としては、受容層自体の収縮の他、ロール状受容シートの支持体として使用している延伸フィルムが、延伸された時の残留応力により、延伸方向に収縮して受容シートにカールやしわ等を発生させる。
ロール状受容シートのカール制御については、ミクロボイド層を含むフィルム基材に受容層を設け、受容層をロールの外側になるように巻いたロール状熱転写受容シートが提案されている(例えば、特許文献2、3参照。)。例えば、特許文献2では、ミクロボイド含有ポリプロピレン系プラスチックフィルムが示されており、弾性率、熱収縮率等の調整により、巻き癖や印画後カールが制御されている。しかし、この様な方法は、本発明のようにシート状支持体の材料や積層構成等が異なる場合には、必ずしも適さない。
さらに、印画後カールの問題を解決するために、受容層を内側にしてロール状にした受容シートが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。この方式では印画される受容層面に傷はつきにくいが、受容層が内側になるようにロール状に巻かれているため、巻き癖がつき、更に印画時の熱による受容層面の収縮が加わり、印画後切断された受容シートは、受容層を内側にして更に大きなトップカールとなる。この欠点を改善するために、受容シートを受容層面とは反対側にカールさせることが提案されているが、プリンターの構造が複雑になる。
特開2002−254831号公報(第2−4頁) 特開平8−20170号公報(第2−4頁) 特開平11−139010号公報(第2−4頁) 特開平10−193816号公報(第2−3頁)
本発明の解決すべき課題は上述したように、ロールタイプのサーマルプリンター、特に染料熱転写タイプのロールプリンターに適したロール状受容シートにおいて、該ロールプリンターで印画されたロール状受容シートをカッターで裁断して得られる受容シートのプリントカールが小さく、受容シートの取り扱い性が良く、美観に優れた受容シートを提供しようとすることである。
本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)芯材の少なくとも片面に多孔質延伸ポリエステルフィルムが積層されたシート状支持体と、前記多孔質延伸ポリエステルフィルム上に形成された画像受容層とを有するロール状熱転写受容シートにおいて、
前記多孔質延伸ポリエステルフィルムの、プリンターへの給紙方向における150℃での熱収縮応力が50〜170mN/mmで、かつ熱転写受容シート全体の、TAPPI T543 84に規定するプリンターへの給紙方向における剛度が500〜1700SGUであり、さらに画像受容層面がロールの外面になるようにして巻取りシリンダーに巻かれていることを特徴とするロール状熱転写受容シート。
(2)前記多孔質延伸ポリエステルフィルムの厚さが25〜75μmで、且つシート状支持体の全厚さが100〜300μmである(1)項に記載のロール状熱転写受容シート。
(3)前記巻取りシリンダーの外径が、75〜120mmである(1)項または(2)項に記載のロール状熱転写受容シート。
本発明のロール状受容シートは、印画直後および印画放置後のカールが小さく、プリント排紙性が良好で、美観に優れ、かつ印画品質の優れたものである。
本発明の受容シートは、受容層がロールの外面になるように巻かれたロール状受容シートであり、受容層が形成される側の多孔質延伸ポリエステルフィルムの熱収縮応力、ならびに、受容シート全体の剛度をコントロールしたロール状受容シートであり、ロールプリンターで印画された後、ロール状受容シートをカッターで裁断して得られる受容シートのプリントカールは、適度にバックカールを有し、さらに印画放置後に所望の範囲のバックカールまたはトップカールが得られ、受容シートの取り扱い性が良く、美観に優れた受容シートである。受容シートのカールの方向については、受容シートの受容層面を上にして水平な面に置いた時、受容層面側に凹にカールしている場合をトップカール、また受容シートの受容層面を下にして水平な面に置いた時、受容層面とは反対側に凹にカールしている場合をバックカールと称する。
従来の熱転写プリンター用としては、一般に枚葉状の受容シートが使用されており、通常、熱収縮の小さい多孔質延伸ポリエステルフィルムが支持体として使用されている。ところが、本発明のロール状受容シートでは、プリンターを用いて印画した後に、適度なバックカールを得るために、シート状支持体表面(受容層形成側)の多孔質延伸ポリエステルフィルムが有効な熱収縮性を有することが重要である。
本発明に用いられる多孔質延伸ポリエステルフィルムとしては、プリンターの給紙方向における150℃での熱収縮応力が、50〜170mN/mmの範囲であることが必要であり、好ましくは70〜150mN/mmであり、より好ましくは80〜130mN/mmである。熱収縮応力が50mN/mm未満の場合は、印画時の熱による収縮が小さく、巻き癖によるカールが支配的になるため、印画後もバックカールが大きいままで維持される。一方、熱収縮応力が170mN/mmを超える場合は、印画時の熱による収縮が過大となり、印画直後、あるいは印画後放置することで巻き癖が取れるに従い、トップカールが大きくなる。
かつ、プリンターの給紙方向における、受容シート全体の剛度は500〜1700SGUの範囲であることが必要であり、好ましくは700〜1500SGU、より好ましくは800〜1200SGUである。受容シートの剛度が500SGU未満では、表側の多孔質延伸ポリエステルフィルムの熱収縮応力が支配的となり、印画直後または、印画後放置することでトップカールが大きくなったり、印画直後のバックカールが大きい場合には排紙不良となる。剛度が1700SGUを超えると、表側の多孔質延伸ポリエステルフィルムの熱収縮応力が発現しても、印画後もバックカールが大きいままで維持される。なお、剛度の測定方法は、TAPPI T543 84に規定するガーレー剛度によって測定した。
多孔質延伸ポリエステルフィルムの熱収縮応力は、加熱時の収縮力であり、熱・応力・歪み測定装置Thermal Mechanical Analysis(商品名:TMA TAS200、リガク社製)で評価できる。具体的な測定方法としては、サンプルのフィルムに、40℃で、50mN/mmの荷重をかけ、引き延ばして固定する。これを初期設定とする。その後、固定したまま温度を上げ、応力を評価する。多孔質延伸ポリエステルフィルムの場合、60〜70℃程度までは線膨張挙動により応力は低下するが、60〜70℃を超えると多孔質延伸ポリエステルフィルムは収縮し始め、応力の上昇が観測される。150℃付近での熱収縮応力を評価することにより、実際の印画加熱時における受容シートのカール挙動と良好な相関が得られる。
本発明のロール状受容シートは、シート状支持体として、少なくとも受容層が形成される側に多孔質延伸ポリエステルフィルムが積層された多層構造の支持体が用いられ、多孔質延伸ポリエステルフィルム上に受容層が形成されている。この受容層面側に、熱転写プリンターを用いて印画すると、受容層自体及び支持体の受容層面側が選択的に加熱されるために、受容層自体及び支持体の受容層面側が熱収縮力を発現し、巻き癖によって形成されたバックカールが低減される。表面側多孔質ポリエステルフィルムの熱収縮力と受容シート全体の剛度を制御することにより、適度のバックカールが得られ、プリンターの排紙性が良好で、かつ、美観に優れた印画物が得られる。
印画直後のカール(印画直後カール)としては、バックカール15mm以下か、またはトップカール5mm以下が好ましく、より好ましくはバックカール12mm以下か、またはフラットである。その後、印画後の受容シートは、重ね置きや放置されることによって、ロール状態で緩和された応力が回復していくことによって、さらにバックカールが低減し、フラットからトップカールを生ずる。
多孔質延伸フィルムの熱収縮応力は、フィルム成形時に延伸配向された状態で凍結された分子鎖が、加熱により凍結が開放され、収縮するときに生じる応力であり、熱収縮応力は分子鎖の配向が大きいほど大きくなり、例えば、フィルムの成形工程において容易に調整することができる。フィルムの成形は予熱工程、延伸工程、後熱処理工程に分けられる。延伸工程では、延伸倍率を上げれば配向は大きくなり、熱収縮応力は大きくなる。ただし、延伸温度、延伸時間によっても配向は変わり、延伸温度が高すぎると分子鎖の滑りが生じて配向し難くなる。また、延伸時間が長くなると、分子鎖の配向と同時に緩和が生じるため、配向は小さくなる。後熱処理工程では後熱処理温度を上げたり、熱処理の時間を長くすれば分子鎖の配向は緩和される傾向にある。
ポリエステルフィルムは半結晶化高分子であり、ガラス転移温度と溶融温度との間の130℃付近に冷結晶化温度をもつ。このため、130℃以下の温度では非結晶化領域の分子鎖の配向が緩和し、熱収縮応力が発生するのに対し、130℃を超える領域では結晶がときほぐされることにより分子鎖の配向が緩和し、熱収縮応力が発生する。このことから、150℃における熱収縮応力は結晶化領域の緩和が主となるため、配向した状態での結晶化が必要となる。150℃における熱収縮応力を上げるには、予熱工程で十分に結晶を解きほぐし、延伸工程で配向させ、後熱処理工程で配向部の結晶化を促すことが必要になる。ただし、延伸条件や特に延伸後の後熱処理条件はフィルムの機械的性質、または寸法安定性にも大きく影響するため、細心の注意を払って条件を設定する必要がある。
また、受容シートの剛度は、芯材や多孔質延伸ポリエステルフィルムの弾性率、厚さによって調整できる。芯材の場合、弾性率の高い紙を使用すれば、受容シートの剛度は上がり、また、厚さを上げても受容シートの剛度は上がる。多孔質延伸ポリエステルフィルムでは、例えば繊維配向によって弾性率を調整することができる。上記のように、弾性率、厚さを適正化することによって、剛度を調整することが可能である。
本発明のロール状受容シートについて、製造工程、および印画前後におけるカール挙動は、下記示される。
(A)本質カール
本発明のロール状受容シートは、シート状支持体上に受容層用塗工液を塗工、乾燥し、更に受容層の架橋が完了した状態で、受容シート本来のカールを示す。これを、本質カールと称す。本質カールは、小巻ロール状に巻き取る前の状態のカール状態であり、フィルムの貼合テンションや、受容層の塗工、乾燥時の加熱による収縮、あるいは受容層の乾燥、架橋による収縮などによって生じる応力によるものである。
(B)印画前カール
上記の受容層の架橋が完了した状態の受容シートを、小巻取りシリンダーを中芯として、受容層面側がロールの外面になるように、小巻ロール状に巻き上げる。前記の小巻ロールを長時間放置すると、構成する材料の粘弾性的性質とロール形態時の曲率の度合により、ロールを巻いていた時のカール形状が残り、いわゆる巻き癖が受容シートに付与される。
この巻き癖の方向は、受容層面側が凸となるバックカールとなる。これを印画前カール(もしくは巻き癖カール)と称する。
(C)印画放置後カール
次いで、上記印画前の小巻ロール状受容シートを、熱転写プリンターを用いて受容層面に印画すると、受容層自体及び支持体の受容層面側が選択的に加熱されるために、受容層、及び支持体の受容層面側が熱収縮力を発現し、巻き癖によって形成されたバックカールが低減される。これを印画直後カールと称する。印画後の受容シートは重ね置きや、放置されることによって、小巻ロール状態で緩和された応力が回復していくことによって更にバックカールが低減し、フラットからトップカールを生ずる。これを印画放置後カールと称する。
受容シートの本質カールの軸が、熱転写プリンターでの給排紙方向と平行な方向(M軸カール)であると、印画時にプリンターのサーマルヘッドと受容層との密着性が劣り、画質が不良となることがある。一般に、本質カールの大きさについては、ロール状熱転写受容シートを切断して得られる受容シート片(幅127mm、長さ179mm)おいて、4隅の高さの最大値は、トップカール15mm以下、またはバックカール15mm以下が好ましい。4隅の高さの最大値がトップカール15mmを超えるか、またはバックカール15mmを超える場合には、後工程の小巻ロールの仕上げ条件等により、受容シートの印画後カールが過大となり、外観不良や、排紙性が劣るなどの問題を生じることがある。
小巻ロール状熱転写受容シートの印画前カールの大きさについては、一般には、製品の外観などから、受容シート片(幅127mm、長さ179mm)において、好ましくはバックカール25mm以下、またはトップカール5mm以下である。
印画前カールは、巻き癖付与条件等によって影響を受ける。巻き癖カールは巻き付けによって発生した曲げ応力が経時で緩和されることによって生じる。温度が高いほど、また、湿度が高いほど、表面側多孔質ポリエステルフィルムの応力緩和が早くなるため、巻き癖カールが大きくなる。製品の使用期間は一般的な場合、製造後2年以内であるため、製造後2年以内の範囲でバックカール25mm以下であることが好ましい。例えば、23℃、50%で2年間巻き癖を付与する条件は、40℃、50%で20日間、巻き癖を付与することによって再現される。そこで、40℃、50%で20日間、巻き癖を付与することを、印画前カール(巻き癖カール)の評価条件とする。
巻取りシリンダーとしては、紙、プラスチック、金属、木材等及びそれらの複合体等いずれの材質であってもよく、シリンダー状に形成された管である。巻取りシリンダーの外径が大きい程巻きぐせは付きにくいが、巻取りシリンダーの外径が過大であると、得られるロール状受容シートの外径も過大となり、プリンター内部にロール状受容シートを収納する際の容積が大きくなり、プリンターのコンパクト化には不利となることがある。このため巻取りシリンダーとしては、外径75〜120mm程度が実用上好ましい。ロール状受容シートは、上記の巻取りシリンダー上に5mから70m程度の受容シートが巻き上げられる。得られるロール状受容シートの外径は80〜250mm程度となる。
(シート状支持体)
本発明のシート状支持体の表面基材(受容層形成側)としては、印画濃度、印画画質の均一性、階調性、耐熱性、印画部の凹み等の点から、多孔質延伸ポリエステルフィルムが使用される。
本発明の多孔質延伸ポリエステルフィルムに用いられるポリエステル樹脂としては、テレフタル酸およびエチレングリコールからなるホモポリマー、または、テレフタル酸、エチレングリコールに第三成分を共重合させたコポリマーが使用できる。このようなコポリマーは公知であり、第三成分としては、p−ヒドロキシ安息香酸などのオキシカルボン酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、プロピレングリコール、テトラメチレングリコールなどのアルキレングリコール、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールなどが用いられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が使用され、好ましくはポリエチレンテレフタレートが使用される。
またポリエステルフィルムは、クッション性及び断熱性を高めるために多孔質構造を持つことが必要である。延伸多孔質フィルムとしては、ポリエステル樹脂とこれに非相溶性の樹脂を混合し(必要により、更に無機顔料を添加し)、この樹脂組成物を延伸して空隙を形成した多孔質構造からなる層を含有する単層構造あるいは多層構造の多孔質延伸フィルムが好ましく用いられる。なお多層構造の多孔質延伸フィルムとは、フィルム中に少なくとも1層以上の多孔質構造を有する層を含有する複層構造フィルムを意味し、全層が多孔質構造であってもよいし、多孔質構造を有さない層が存在してもよい。
ポリエステル樹脂に対する非相溶性樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリアクリロニトリル、及びそれらの共重合体などが挙げられるが、これらに限られる訳ではない。ポリエステル樹脂に含まれる無機微細粉末としては、例えば炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、クレー、マイカ、タルク、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどが挙げられるが、これらは単一種で用いられてもよく、あるいは二種類以上の混合物でもよい。
多孔質延伸ポリエステルフィルムの厚さは25〜75μmが好ましく、より好ましくは35〜55μmである。多孔質延伸ポリエステルフィルムの厚さが25μm未満ではフィルムの製造が難しくコスト的に不利となる。また厚さが75μmを超えると、フィルムの剛度が高いため、得られる受容シートの風合いが紙と異なる傾向があり、好ましくない。
またシート状支持体の芯材としては、表面が平滑なフィルムや紙が好ましく、鏡面でキャストしたものやカレンダー処理を施したものは平滑性が高いため好ましい。具体的には、従来公知の非孔質延伸ポリエステルフィルム、多孔質延伸ポリエステルフィルム、非孔質延伸ポリオレフィンフィルム、多孔質延伸ポリオレフィンフィルム、上質紙、塗工紙などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。中でも、芯材として多孔質延伸ポリオレフィンフィルム(合成紙)を用いた受容シートの場合、ロールプリンターで印画する際に、優れた印画品質が得られ、ロール圧によるスパイク痕も生じることがない。
本発明の芯材として用いられる多孔質延伸ポリオレフィンフィルム(合成紙)は、例えば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、メチル−1−ペンテン系樹脂等を主成分とするフィルムが使用される。中でも耐薬品性及びコストの面からプロピレン系樹脂を主成分として使用することが好ましい。プロピレン系樹脂としてはプロピレンの単独重合体及びプロピレンとα−オレフィンとの共重合体を使用できる。プロピレン系樹脂にはプロピレン単独重合体よりも融点の低い樹脂(例えば高密度ないし低密度ポリエチレン)を2〜25質量%配合して使用することが好ましい。またポリオレフィンフィルムは延伸されたものであることが好ましく、この延伸ポリオレフィンフィルムはクッション性及び断熱性を高めるために多孔質構造を持つことが好ましい。
ポリオレフィン樹脂中に多孔質構造を形成するには、ポリオレフィン樹脂中に無機微細粉末及び/または有機フィラーを均一に分散させ、この樹脂組成物から形成されたフィルムを延伸することによって得られる。ポリオレフィン樹脂に含まれる無機微細粉末としては、例えば炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、クレー、マイカ、タルク、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどが挙げられるが、これらは単一種で用いられてもよく、あるいは二種類以上の混合物でもよい。
有機フィラーを添加する場合は主成分であるポリオレフィン系樹脂とは異なる種類の樹脂を選択するのが好ましい。ポリオレフィン樹脂に含まれる有機フィラーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン6、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等の重合体であって、ポリオレフィン系樹脂の融点より、高い融点またはガラス転移点温度を持つ重合体を使用することができる。
芯材の厚さは30〜200μmが好ましく、より好ましくは50〜150μmである。芯材の厚さが30μm未満では、多層構造支持体の製造工程においてフィルムの腰が不十分となり、作業性が劣ることがある。また芯材の厚さが200μmを超えると、得られるロール状受容シート全体が厚くなり、ロール状受容シートの剛度が過大となることがある。
さらに、シート状支持体としては、芯材の裏面(受容層形成面とは反対側)に、裏面基材を積層してもよく、従来公知のポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、多孔質延伸ポリエステルフィルム、多孔質延伸ポリオレフィンフィルム(合成紙)、上質紙、塗工紙などから適宜選択することが可能であるが、これらに制限されるものではない。好ましくは表層基材と同様な多孔質ポリエステルフィルムが使用され、印画前後のカールが良好となり、外観などが優れる。
シート状支持体形成の際の積層方法としては、特に限定されるものではないが、ウェットラミネート、エキストルージョンラミネート、ドライラミネート、ワックスラミネート等の公知の技術が用いられてよく、一般にドライラミネート法やエキストルージョンラミネート法が用いられる。ドライラミネート用接着剤としてはポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系等の接着剤を用いることができる。エキストルージョンラミネート法としては接着剤としてポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が用いられる。
本発明で用いられるシート状支持体としては、受容層が形成される第1の基材層、粘着剤層、離型剤層、第2の基材層を順次積層した構成でもよく、いわゆるステッカー、シールタイプの構造を有する支持体も勿論使用可能である。第2の基材の裏面側には裏面層を設けてもよい。
本発明で使用されるシート状支持体の全厚さは、100〜300μmが好ましい。因みに、厚さが100μm未満であると、その機械的強度が不十分となり、且つそれから得られる受容シートの剛度が小さく、印画直後に表面側多孔質延伸ポリエステルフィルムの熱収縮力が発生して、過度にトップカールを生じることがあり、また受容シートとしての質感が劣る。また厚みが300μmを超えると、得られる受容シートの剛度が過大となることがあり、印画直後に表面側多孔質延伸ポリエステルフィルムの熱収縮力が発生しても、巻き癖によるバックカールを低減することはできないことがある。また、厚みが300μmを超えると、得られる受容シートの厚さが過大となり、プリンターにおけるロール状受容シートの巻き長さが不足したり、或いは所定の巻き長さを収容しようとするとプリンターの容積増大が必要となり、プリンターのコンパクト化を困難にすることがある。
(受容層)
本発明においては、シート状支持体の多孔質延伸ポリエステルフィルム上に、直接、あるいは中間層を介して、染料染着性樹脂を主成分として含む受容層が設けられる。
受容層で使用される染料染着性樹脂としては、染料との親和性が良好で染料染着性の高い樹脂が使用される。このような樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体系樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、活性エネルギー線硬化樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は使用する架橋剤に対して反応性を有する官能基(例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基等の官能基)を有していることが好ましい。
本発明の受容層では架橋剤が用いられてもよい。架橋剤としては化学反応で硬化あるいは重合するタイプの化学反応型の架橋剤が好ましい。化学反応型架橋剤としては、エポキシ化合物、イソシアネート化合物等の付加反応型、レゾール等の熱硬化型、2−シアノアクリル酸エステル、アルキルチタネート等の湿気硬化型、ウレア等の縮合反応型の架橋剤等が挙げられる。付加反応型の架橋剤として、例えばイソシアネート化合物、及びエポキシ化合物等の架橋剤が好ましく用いられる。架橋剤の配合量は、受容層全固形分に対する配合比率で1〜30質量%程度が好ましい。
本発明の受容層中には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、滑剤、離型剤、有色顔料、有色染料、蛍光増白剤、可塑剤、酸化防止剤、無機顔料、紫外線吸収剤等も添加可能である。融着防止剤としては離型剤、滑剤が用いられ、例えば、アミノ変性、ヒドロキシ変性、カルボキシ変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイル、非変性シリコーンオイル、シリコーンアクリル樹脂等のシリコーン系樹脂、変性シリコーンオイルとイソシアネート化合物とのプレポリマー、シリコーン化合物、フッ素化合物、脂肪酸エステル化合物および燐酸エステル化合物等のうちから1種あるいは2種以上が用いられる。
紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、フェニルサリシレート系及びシアノアクリレート系紫外線吸収性化合物が用いられる。各種の受容層添加成分は、架橋剤を介して架橋反応を起こしてもよい。これらの添加剤は受容層の主成分と混合して塗工されてもよいし、また別の塗工層として受容層の上及び/又は下に塗工されていてもよい。
受容層の固形分塗工量は1〜12g/m、が好ましく、より好ましくは3〜10g/mの範囲で調節される。因みに受容層の固形分塗工量が1g/m未満では受容層が支持体表面を完全に覆うことができず、画質の低下を招いたり、サーマルヘッドの加熱により、受容層とインクリボンが接着してしまう融着トラブルが発生することがある。一方固形分塗工量が12g/mを超えると、効果が飽和して不経済であるばかりでなく、受容層の強度が不足したり、受容層の厚みが増大するため支持体の断熱効果が十分に発揮されず画像濃度が低下することがある。
(中間層)
本発明のロール状受容シートには、シート状支持体と受容層との間の接着性や、ロール状受容シートの帯電防止性改善のために、シート状支持体と受容層との間に中間層を設けてもよい。この中間層形成のために使用される樹脂としては各種の親水性樹脂、疎水性樹脂が使用可能であり、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー及びその誘導体、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリアクリル酸又はその塩、ポリアクリル酸エステル等のアクリル基を含有するポリマー、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル等のメタクリル基を含有するポリマー、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、澱粉、変性澱粉、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等の樹脂を使用することが出来る。
中間層には必要に応じて、更に公知の帯電防止剤、架橋剤、増粘剤、滑剤、離型剤、消泡剤、濡れ剤、レベリング剤、増白剤等の各種助剤を添加することも可能である。
帯電防止剤については、導電性樹脂や導電性無機顔料等の導電剤が添加される。導電性樹脂としてはカチオン型、アニオン型、ノニオン型の導電性樹脂があり、カチオン型導電性樹脂が好ましく使用される。カチオン型導電性樹脂としては、ポリエチレンイミン、カチオン性モノマーを含むアクリル系重合体、カチオン変性アクリルアミド重合体、及びカチオン澱粉等が挙げられる。また、架橋剤については、中間層の耐水性、耐溶剤性の向上のために前述のイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤等を添加することが好ましい。
中間層の固形分塗工量は0.2〜5g/mの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜3g/mの範囲である。因みに固形分塗工量が0.2g/m未満では、中間層としての接着性改善効果が十分得られないことがあり、また固形分塗工量が5g/mを超えると、ブロッキングや操業性が悪化するおそれがある
(裏面層)
本発明のロール状受容シートはシート状支持体の裏面(受容層が設けられている側とは反対側の面)に裏面層が設けられていてもよい。裏面層は接着剤として有効な樹脂を主成分とし、架橋剤、帯電防止剤、融着防止剤、無機及び/又は有機顔料等を含んでいてもよい。裏面層には、接着剤として有効な裏面層形成用樹脂が用いられる。この樹脂は裏面層と支持体との接着強度向上、受容層面の傷付き防止、受容層面と接触する裏面層への染料の移行防止に有効なものである。このような樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等、及びこれらの樹脂の反応硬化物を用いることができる。また裏面層には、シート状支持体と裏面層との接着性を向上させるため、適宜前述のポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物等の架橋剤を裏面層塗料中へ配合してもよい。
本発明の裏面層には、静電気防止のために導電性樹脂や導電性無機顔料等の帯電防止剤が添加される。導電性樹脂としてはカチオン型、アニオン型、ノニオン型の導電性樹脂があり、カチオン型導電性樹脂としては、例えばポリエチレンイミン、カチオン性モノマーを含むアクリル系重合体、カチオン変性アクリルアミド重合体、及びカチオン澱粉等が特に好ましく使用される。また導電性無機顔料としては、酸化物及び/又は硫化物などの化合物半導体顔料および前記化合物半導体顔料を被覆した無機顔料等が挙げられる。
本発明の裏面層には、有機または無機フィラー等の摩擦係数調整剤を必要に応じて配合することができる。有機フィラーとしては、ナイロンフィラー、セルロースフィラー、尿素樹脂フィラー、スチレン樹脂フィラー、アクリル樹脂フィラー等を使用することができる。無機フィラーとしては、シリカ、硫酸バリウム、カオリン、クレー、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等を用いることができる。
裏面層には必要に応じて、滑剤、離型剤等の融着防止剤を含有することも可能である。例えば、融着防止剤としては、非変性及び変性シリコーンオイル、シリコーンブロック共重合体及びシリコーンゴム等のシリコーン系化合物、リン酸エステル化合物、脂肪酸エステル化合物、フッ素化合物等が挙げられる。また従来公知の消泡剤、分散剤、有色顔料、蛍光染料、蛍光顔料、紫外線吸収剤等を適宜選択して使用してもよい。
裏面層の固形分塗工量は0.3〜10g/mの範囲内にあることが好ましい。より好ましくは1〜8g/mである。裏面層の固形分塗工量が0.3g/m未満であると、ロール状受容シートが擦れた時の傷付き防止性が十分に発揮されず、また塗工欠陥が発生し表面電気抵抗値が上がることがある。一方固形分塗工量が10g/mを超えると、効果が飽和して不経済になることがある。
また本発明のロール状受容シートは熱転写方式による印画を行った後に画像保護層を形成してもよい。画像保護層形成は、インクリボンに転写用画像保護層を設け、加熱により熱転写画像上に画像保護層を転写するいわゆる転写方式や、実質的に透明なシートを熱転写画像上に貼着積層する貼着方式等がある。
本発明における各塗工層は、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、リップコーター、及びスライドビードコーターなど公知のコーターを用いて、塗工、乾燥して形成することができる。
下記実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において、特に断らない限り「%」及び「部」は、溶剤に関するものを除き、固形分の「質量%」及び「質量部」を示す。
実施例1
(支持体の形成)
ポリプロピレンを主成分とし、無機顔料として炭酸カルシウムを含有する1軸及び2軸延伸された厚み110μmの多孔質多層構造ポリオレフィンフィルム(商品名:ユポFPG110、ユポ・コーポレーション製)を芯材とし、その両面にポリエチレンテレフタレートを主成分とし、2軸延伸(延伸倍率:マシン方向4倍、テンター方向4倍)された厚み40μmの多孔質多層構造ポリエステルフィルムを、ウレタン系接着剤を使用してドライラミネート方式で貼合して支持体を得た。
なお、前記多孔質多層構造ポリエステルフィルムの熱収縮応力は、熱分析装置(商品名:THERMOFLEX、TMA8140C、リガク社製)にて測定し、マシン方向(プリンターの給紙方向)における150℃での熱収縮応力は100mN/mmであった。
また、多孔質多層構造ポリオレフィンフィルム(商品名:ユポFPG110)は、150℃では溶融するため、熱収縮応力は、測定不能であった。
(裏面層の形成)
上記支持体の片面に下記組成の裏面層用塗工液−1を固形分塗工量が3g/mになるように塗工、乾燥して裏面層を形成した。
裏面層用塗工液−1
ポリビニルアセタール樹脂
(商品名:エスレックKX−1、積水化学工業製) 35部
ポリアクリル酸エステル樹脂
(商品名:ジュリマーAT613、日本純薬製) 25部
ナイロン樹脂粒子(商品名:MW330、シントーファイン製) 10部
ステアリン酸亜鉛(商品名:Z−7−30、中京油脂製) 20部
カチオン型導電性樹脂(商品名:ケミスタット9800、三洋化成製) 10部
水/イソプロピルアルコール=2/3(質量比)混合液 400部
(中間層の形成)
上記で得られた支持体の受容層側となる多孔質多層構造ポリエステルフィルム面上に下記組成の中間層用塗工液−1を固形分塗工量が1g/mになるように塗工、乾燥して中間層を形成した。
中間層用塗工液−1
アクリル酸エステル樹脂(商品名:SAR615A、中央理化工業製) 50部
カチオン型導電性樹脂(商品名:ケミスタット9800、三洋化成製) 50部
水/イソプロピルアルコール=4/6(質量比)混合液 400部
(受容層の形成)
次に上記中間層上に下記組成の受容層用塗工液−1を固形分塗工量が5g/mになるように塗工、乾燥して受容層を形成した。
受容層用塗工液−1
ポリエステル樹脂(商品名:バイロン200、東洋紡製) 100部
シリコーンオイル(商品名:KF101、信越化学工業製) 3部
ポリイソシアネート
(商品名:タケネートD−140N、武田薬品工業製) 5部
トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)混合液 300部
更に受容層乾燥後の受容シートを熱処理して受容層を架橋する工程において、受容シートを受容層塗工面がロールの内面になるように外径170mmの巻き芯にロール状に巻取り、直ちに防湿包装して温度50℃、相対湿度30%に制御された熱処理室中に5日間放置して受容層の架橋を行った。
(小巻仕上げロール状受容シートの作成)
上記で得られた受容シートをスリッターに供し、小巻スリット仕上げして、受容層塗工面がロールの外面になるように巻き上げ、幅127mm、巻長さ50mの小巻ロールを作成した。得られた小巻ロールを防湿包装し、温度40℃、相対湿度50%環境下で20日放置した。
小巻ロールの巻取りシリンダーとしては内径3インチの緩衝材付きの紙管(巻取りシリンダー外径88mm)を使用し、得られた小巻仕上げロール状受容シートの外径は150mmであった。
実施例2
支持体の形成において、芯材の両面に、ポリエチレンテレフタレートを主成分とし、2軸延伸(延伸倍率:マシン方向3倍、テンター方向4倍)された厚み35μmの多孔質多層構造ポリエステルフィルムを貼合した以外は、実施例1と同様にして小巻仕上げロール状受容シートを得た。
なお、前記多孔質多層構造ポリエステルフィルムのマシン方向における150℃での熱収縮応力は50mN/mmであった。
実施例3
支持体の形成において、芯材の両面に、ポリエチレンテレフタレートを主成分とし、2軸延伸(延伸倍率:マシン方向6倍、テンター方向4倍)された厚み45μmの多孔質多層構造ポリエステルフィルムを貼合した以外は、実施例1と同様にして小巻仕上げロール状受容シートを得た。
なお、前記多孔質多層構造ポリエステルフィルムのマシン方向における150℃での熱収縮応力は150mN/mmであった。
実施例4
支持体の形成において、芯材として、ポリプロピレンを主成分とし、無機顔料として炭酸カルシウムを含有する1軸及び2軸延伸された厚み60μmの多孔質多層構造ポリオレフィンフィルム(商品名:ユポFPU60、ユポ・コーポレーション製)を使用した以外は、実施例1と同様にして小巻仕上げロール状受容シートを得た。
実施例5
支持体の形成において、芯材として、厚み100μmのコート紙(商品名:OKトップコート、157g/m、王子製紙製)を使用した以外は、実施例1と同様にして小巻仕上げロール状受容シートを得た。
比較例1
支持体の形成において、芯材の両面に、ポリエチレンテレフタレートを主成分とし、2軸延伸(延伸倍率:マシン方向2倍、テンター方向4倍)された厚み35μmの多孔質多層構造ポリエステルフィルムを貼合した以外は、実施例1と同様にして小巻仕上げロール状受容シートを得た。
なお、前記多孔質多層構造ポリエステルフィルムのマシン方向における150℃での熱収縮応力は30mN/mmであった。
比較例2
支持体の形成において、芯材の両面に、ポリエチレンテレフタレートを主成分とし、2軸延伸(延伸倍率:マシン方向8倍、テンター方向4倍)された厚み40μmの多孔質多層構造ポリエステルフィルムを貼合した以外は、実施例1と同様にして小巻仕上げロール状受容シートを得た。
なお、前記多孔質多層構造ポリエステルフィルムのマシン方向における150℃での熱収縮応力は180mN/mmであった。
比較例3
支持体の形成において、芯材として、厚み150μmのコート紙(商品名:OKトップコート、186g/m、王子製紙製)を使用した以外は、実施例1と同様にして小巻仕上げロール状受容シートを得た。
比較例4
支持体の形成において、芯材として、ポリプロピレンを主成分とし、2軸延伸された厚み20μmの多層構造ポリオレフィンフィルム(商品名:MS231#20、王子製紙製)を使用した以外は、実施例1と同様にして小巻仕上げロール状受容シートを得た。
評価
上記の各実施例及び比較例で得られた小巻仕上げロール状受容シートを用いて、下記の項目について評価を行い、それらの結果を表1にまとめた。
(1)受容シートの剛度測定
受容シート全体の剛度はTAPPI T543 84に規定するガーレー剛度の測定法によって評価した値を受容シートの剛度とした。
(2)印画前カール
各実施例及び比較例で得られた、幅127mmの小巻仕上げロール状受容シート(印画前の白紙状態)を用いて、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、幅127mm、長さ179mm(プリンターでの給紙方向と平行方向)に切り、受容層面を上または下にして水平な面上に1分間置き、それぞれの受容シート片の4隅の高さを測定し、最大高さを印画前カールとした。
印画前カールは、バックカールで25mm以下、またはトップカール5mm以下であれば十分に実用可能である。
(3)印画直後カール
各実施例及び比較例で得られた、幅127mmの小巻仕上げロール状受容シートを熱転写プリンター(商品名:CP−8000、三菱電機製)に供し、黒べた画像を印画し、長さ179mmに裁断して排紙した。直後に、この印画された受容シート片(幅127mm、長さ179mm)のカールを測定し、印画直後カールとした。印画直後カールの測定方法は、温度23℃、相対湿度50%の環境下に、印画された受容シートの受容層面を上または下にして水平な面上に1分間置き、それぞれの受容シートの4隅の高さを測定し、最大高さを印画直後カールとして、表1に示した。
受容シート片の印画直後カールは、下記の基準で評価した。
◎:バックカールで12mm以下か、またはフラット。
○:バックカールで12mmを超え15mm以下か、またはトップカール5mm以下。
×:バックカールで15mmを超えるか、またはトップカールで5mmを超える。
(4)印画放置後カール
(3)で評価したサンプルを受容層面を上または下にして、温度23℃、相対湿度50%環境下で20日間放置した。それぞれの受容シートの4隅の高さを測定し、最大高さを印画放置後カールとして、表1に示した。
受容シート片の印画放置後カールは、下記の基準で評価した。
◎:バックカールで8mm以下か、フラット、またはトップカールで3mm以下。
○:バックカールで8mmを超え15mm以下か、トップカールで3を超え5mm以下。
×:バックカールで15mmを超えるか、トップカールで5mmを超える。
(5)印画した受容シートの排紙性
各実施例及び比較例で得られた、幅127mmの小巻仕上げロール状受容シートを熱転写プリンター(商品名:CP−8000、三菱電機製)に供し、黒べた画像を印画し、長さ179mmに裁断して排紙トレーに排紙した。この操作を20回連続的に繰り返して印画物の排紙性を調査し、下記の基準で評価した。
○:排紙トレー内に正常に排紙され、実用性に優れている。
×:排紙口に引っかかりトレーから排出されず、排紙トラブル発生し、実用に適さない。
(6)印画品質(画像均一性)
各実施例及び比較例で得られた、幅127mmの小巻仕上げロール状受容シートを、熱転写プリンター(商品名:UP−DR100、ソニー製)に供し、厚さ6μmのポリエステルフィルムの上に、イエロー、マゼンタ、シアン3色それぞれの昇華性染料を接着剤と共に含むインク層を設けたインクリボンを使用して、各色のインク層を順次に受容シートに接触させ、サーマルヘッドで段階的にコントロールされた加熱を施すことにより、所定の画像を受容シートに熱転写させ、各色の中間調の単色及び色重ねの画像をプリントした。得られた記録画像について、光学濃度(黒)が0.5に相当する階調部分の記録画像の均一性を、濃淡むら及び白抜けの有無について目視評価した。
濃淡むら及び白抜けが無く、実用的に全く問題がないものを◎、濃淡むらが僅かに観られるが、実用的には問題がないものを○、濃淡むら及び白抜けが僅かに観られるが、実用的には問題がないものを△、濃淡むら及び白抜けの欠陥が著しくあり、実用的に問題があるものを×と表示した。
Figure 2005169731
表1の結果から、実施例1〜5のロール状受容シートは、印画直後のカール、印画放置後カール、およびプリンターでの排紙性も十分に実用レベルであり、美観に優れ、良好な印画品質を有することが確認された。
比較例1および3の受容シートは印画直後のバックカールが大きく、また比較例2の受容シートは印画放置後のトップカールが大きく、何れも外観不良で実用に適さないことがわかる。また、比較例4のロール状受容シートは、印画直後のバックカールが大きく、剛度も低いため、排紙不能となり、実用には適さないことがわかる。
本発明のロール状受容シートは、印画カールおよび裁断後のカールが小さく、プリント排紙性が良好で、美観に優れ、かつ印画品質の優れたロール状受容シートであり、染料熱転写方式のみならず、溶融インキ熱転写方式などの各種サーマルプリンターにも適用し得るもので、実用的に価値の高いものである。

Claims (3)

  1. 芯材の少なくとも片面に多孔質延伸ポリエステルフィルムが積層されたシート状支持体と、前記多孔質延伸ポリエステルフィルム上に形成された画像受容層とを有するロール状熱転写受容シートにおいて、
    前記多孔質延伸ポリエステルフィルムの、プリンターへの給紙方向における150℃での熱収縮応力が50〜170mN/mmで、かつ熱転写受容シート全体の、TAPPI T543 84に規定するプリンターへの給紙方向における剛度が500〜1700SGUであり、さらに画像受容層面がロールの外面になるようにして巻取りシリンダーに巻かれていることを特徴とするロール状熱転写受容シート。
  2. 前記多孔質延伸ポリエステルフィルムの厚さが25〜75μmで、且つシート状支持体の全厚さが100〜300μmである請求項1に記載のロール状熱転写受容シート。
  3. 前記巻取りシリンダーの外径が、75〜120mmである請求項1または2に記載のロール状熱転写受容シート。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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