以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の印字ラベル作成装置を備えたラベル生成システムを、図1により説明する。
図1に示すこのラベル生成システムLSにおいて、印字ラベル作成装置1は、有線あるいは無線による通信回線NWを介してPC118に接続されている。上記PC118は、液晶ディスプレイ等の表示部118a及びキーボードやマウス等である操作部118bを有しており、上記印字ラベル作成装置1により印字ラベルを作成する際に印字内容を編集すること等が可能である。
印字ラベル作成装置1は遠隔操作に対応しており、印字ラベル作成装置1の側面に通信手段としての赤外線受信部28が設けられている。この赤外線受信部28は、操作者によって操作される操作端末(以下適宜、「リモコン」と称する)10から送信される赤外線信号を受信する。これにより、印字ラベル作成装置1は、赤外線受信部28がリモコン10から受信した赤外線信号(ラベル作成指示信号)に従った動作が可能である。なお、赤外線に代え、リモコンから電波を用いた無線通信によりラベル作成指示信号を送信し、印字ラベル作成装置1に設けた通信手段としてのアンテナにより、当該信号を受信するようにしてもよい。
リモコン10には、上記赤外線信号を送信するための送信窓11と、複数のボタン12とが設けられている。なお、各ボタン12に、適宜の機能をそれぞれ割り当てるようにしてもよい。この場合、リモコン10は、操作者が操作したボタン12に応じた赤外線信号を印字ラベル作成装置1に送信することができる(後述の(1)の変形例参照)。
印字ラベル作成装置1の構成を図2及び図3を用いて説明する。図2及び図3において、印字ラベル作成装置1は、樹脂製の本体筐体2と、本体筐体2の上側を覆うように後側上端縁部に開閉自在に取り付けられた透明樹脂製の上カバー5とを備えている。上カバー5の前側のフロントカバー6には、印字されたラベル用テープ30Aを外部に排出する排出口6Aが形成されている。
本体筐体2には、所定幅のラベル用テープ30Aがロール状に巻回されたラベル用テープロール30が収納されている(図3参照)。このラベル用テープ30Aは、自己発色性を有する長尺状の感熱シート(いわゆるサーマルペーパー)と、該感熱シートの片面に粘着剤を介して貼り合わされた離型紙とから構成される。ラベル用テープロール30は、例えばカートリッジ化されたものであり、本体筐体2には、このカートリッジを着脱自在なカートリッジホルダ(図示せず)が設けられている。なお、上記のようなカートリッジ方式ではなく、ラベル用テープロール30を直接本体筐体2の内部に収納し、ラベル用テープロール30を本体筐体2の内部で回転させながら、ラベル用テープ30Aを繰り出すようにしてもよい。
ラベル用テープロール30から繰り出されたラベル用テープ30Aは、搬送手段としてのプラテンローラ26により搬送される(図3参照)。プラテンローラ26は、プラテンローラ用モータ208によって駆動される。その駆動により、ラベル用テープ30Aに搬送力が働き、ラベル用テープ30Aがラベル用テープロール30から繰り出される。プラテンローラ用モータ208の制御は、プラテンローラ駆動回路209によって行われる。搬送されるラベル用テープ30Aは、サーマルヘッド31(印字手段)とプラテンローラ26との間を通って排出口6Aへと導かれる。なお、センサ239は、上記ラベル用テープ30Aに適宜の識別用マークが設けられている場合に、当該マークを検出する。
サーマルヘッド31は、ラベル用テープ30Aの搬送方向と直交する方向に、複数個の発熱素子を備えている(図3参照)。サーマルヘッド31の発熱素子が設けられた面と対向する側に、上記プラテンローラ26は配置されている。発熱素子には、印字すべきドットパターンデータに従って通電がなされ、これによって、ラベル用テープロール30から繰り出されたラベル用テープ30A上に文字や図像等が印字される。サーマルヘッド31に設けられた各発熱素子の駆動は、印刷駆動回路205によって行われる。
排出口6Aの内側には、固定刃41Bと可動刃41Aを備えたカッターユニット40が配置されている(図3参照)。サーマルヘッド31により印字が行われたラベル用テープ30Aは、切断用モータやソレノイド等のアクチュエータ(図示せず)により所定のタイミングで可動刃41Aが往復移動することで切断され、所定長さの印字ラベルL(図4参照)となって排出口6Aから排出される。なお、このようなアクチュエータの駆動力による自動切断動作ではなく、操作者が可動刃41Aを手動で往復移動させて切断する、手動切断としてもよい。あるいは、搬送されるラベル用テープ30Aが所定の切断位置に到達したことを液晶ディスプレイ(LCD)27等に表示し、その表示を見た操作者が所定の切断ボタン(いずれかのキー4A〜4Iでもよい)を操作することで上記アクチュエータにより可動刃41Aが移動し、切断を行うようにしてもよい。
排出口6Aの上側の前面部には、液晶ディスプレイ(LCD)27と、キー入力部4とが配置されている(図2参照)。液晶ディスプレイ27は、後述する制御回路210の制御により、各印刷設定画面等を表示する。キー入力部4は、複数(この例では9個)のキー4A,4B,4C,4D,4E,4F,4G,4H,4Iを備えている。
フロントカバー6の下側縁部には、フロントカバー6の前側を覆うようにトレー部材9が開閉自在に取り付けられている(図2参照)。トレー部材9は、上端部に形成された凹み部9Aに操作者が指を掛け前側に回動させることにより、開く。なお、図示していないが、本体筐体2の背面部には図示しない電源コードが接続されるインレットと、複数のUSB(Universal Serial Bus)コネクタとが設けられている。また本体筐体2の適宜の箇所に、上記電源コードを介した給電により装置電源をON又はOFFする電源スイッチが設けられている(いずれかのキー4A〜4Iがこの電源スイッチ機能を備えていてもよい)。上記USBコネクタを用いることで、通信回線NWを介してPC118との接続が可能となる。
制御回路210は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って処理を行う。制御回路210は、プラテンローラ駆動回路209及び印刷駆動回路205等を介し、印字ラベル作成装置1全体の動作を制御する。また制御回路210には、液晶ディスプレイ27と、現在時刻を計時する計時手段として機能するタイマ201と、キー入力部4と、上記赤外線受信部28と、上記切断用のアクチュエータを制御する切断用駆動回路とが接続されている。
制御回路210のROMには、印刷される文字や記号等の印字データ(ドットパターン)がコードデータと対応させて記憶されている。制御回路210は、ROMに記憶された印字データを用いて、印字ラベルLの印字領域Sに印字するための印字データを生成する。生成された印字データに従って印刷駆動回路205を動作させると共に、プラテンローラ26によりラベル用テープ30Aを繰り出しつつ、サーマルヘッド31による印刷を行わせ、印字ラベルLを作成する。
なお、制御回路210は、上記電源コードに接続された電源回路211Aにより給電されるとともに、通信回路211Bを介し通信回線NWに接続されている。この結果、制御回路210は、通信回線NWに接続されたPC118や、さらには図示しないルートサーバ、他の端末、汎用コンピュータ、及び情報サーバ等との間で情報のやりとりが可能となっている。
上記構成の印字ラベル作成装置1において、その最大の特徴は、操作者がリモコン10を操作することにより、タイマ201が計時した現在時刻を含む印字が印字領域Sに形成された、印字ラベルLが作成されることにある。
すなわち、リモコン10の複数のボタン12のうち、適宜のボタンを操作者が操作することで、ラベルLの作成を要求するラベル作成指示信号が赤外線信号の形で送信される。リモコン10から送信されたラベル作成指示信号は、赤外線受信部28により受信される。制御回路210は、上記ラベル作成指示信号の受信に応じて、そのときの現在時刻情報をタイマ201から取得し、その現在時刻情報を含む印字データを生成する。そして、制御回路210は、プラテンローラ駆動回路209、及び印刷駆動回路205を連携させて制御して、上記印字データをラベル用テープ30Aの印字領域Sに印字し、印字ラベルLを作成する。
上記のようにして作成された印字ラベルの例を図4(a)〜図4(c)により説明する。
図4(a)〜(c)において、各印字ラベルLの上記印字領域Sには、予め印字内容が定型的に用意されている定型印字R1,R2,R3,R4,R5,R6と、印字内容が可変である可変印字領域T1,T2とが備えられている。これらの例は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の物品(例えば食料品)を製造・販売する施設で作成され、当該食料品に添付される印字ラベルLの例を示している。
図4(a)の例は、食料品として、からあげ弁当を製造した場合を例にとって、当該からあげ弁当の容器に添付される印字ラベルLの例を示している。定型印字R1として弁当名を表す「からあげ弁当」のテキストが印字され、定型印字R2として当該弁当を調理した時刻を表す「調理時刻」のテキストが印字されている。またこの例では、当該弁当の賞味期限時刻を表す「賞味期限」のテキストが、定型印字R3として印字されている。なお、この賞味期限時刻は、上記調理時刻から所定時間(例えば10時間)だけオフセットされた管理用時刻である。また、定型印字R4として、当該施設、すなわち店舗の名称である「AAA店」のテキストが印字されている。
一方、可変印字領域T1には、上記の現在時刻情報(図示の例では「13:51」)が上記調理時刻の具体値として印字されており、その可変印字領域T1の外郭の枠線が、定型印字R5として印字されている。また可変印字領域T2には、上記の管理用時刻情報(図示の例では「23:51」)が上記賞味期限時刻の具体値として印字されており、その可変印字領域T2の外郭の枠線が、定型印字R6として印字されている。
図4(b)の例は、食料品として、フライドポテトを製造した場合を例にとって、当該フライドポテトの容器に添付される印字ラベルLの例を示している。上記同様、定型印字R1として「フライドポテト」のテキストが印字され、定型印字R2,R3,R4として「調理時刻」「賞味期限」「AAA店」のテキストがそれぞれ印字されている。可変印字領域T1,T2には、上記同様、現在時刻情報(図示の例では「17:15」)及び管理用時刻情報(図示の例では「19:51」)が印字され、可変印字領域T1,T2の外郭の枠線が定型印字R5,T6として印字されている。
なお、例えば図4(b)の例において、購入客に渡すフライドポテトの容器に印字ラベルLを添付するのに限られない。例えば、加熱機能付きの陳列棚に適宜のタイミングで製造したフライドポテトを予め陳列しておき、購入客からの要望があったときに、陳列棚から店員側(購入客とは反対側)から1つのフライドポテトを取り出して販売するような場合がある。このような場合には、店員は適宜の時間幅で順次交代するため、陳列棚に陳列されたフライドポテトを製造した店員とは別人の店員が、当該フライドポテトを販売する場合がある。この場合は、購入客に対しフライドポテトの賞味期限を告知するのではなく、販売する店員に対し、当該フライドポテトの賞味期限すなわち販売可能な期限を告知するために、上記陳列棚の店員側部分(開閉扉やその周囲等)に印字ラベルLを添付するようにしてもよい。この場合、上記賞味期限時刻を過ぎると店員に廃棄を促す意味で、「賞味期限」に代えて「廃棄期限」のテキストを定型印字R3として印字するようにしてもよい。
図4(c)の例は、対象となる食料品の名称を表す定型印字R1を省略した例を示している。上記同様の定型印字R2,R3,R4として、「調理時刻」「賞味期限」「AAA店」のテキストがそれぞれ印字されている。可変印字領域T1,T2には、現在時刻情報(図示の例では「8:25」)及び管理用時刻情報(図示の例では「20:25」)が印字され、可変印字領域T1,T2の外郭の枠線が定型印字R5,R6として印字されている。あるいは、図示を省略するが、図4(c)の印字ラベルLから賞味期限に係わる定型印字R3,R6及び可変印字領域T2を省略してもよい。逆に、図4(c)の印字ラベルLから調理時刻に係わる定型印字R2,R5及び可変印字領域T1を省略してもよい。また、定型印字R4を省略することもできる。
上記した印字ラベルLの作成作業を実行するために、印字ラベル作成装置1の制御回路210が実行する制御を、図5〜図10により説明する。
図5において、まずステップS10で、制御回路210は、各種パラメータの値やその他の各種データ等の初期化処理を行う。
その後、ステップS20に移り、制御回路210は、キー入力部4のいずれかのキー4A〜4Iが操作されたかどうかを検出するキースキャン処理を行う。
そして、ステップS30において、制御回路210は、赤外線受信部28がリモコン10から受信した赤外線信号を取り込むためのリモコンデータ受信処理を行う。
その後、ステップS40において、制御回路210は、上記通信回路211Bを介し、通信回線NWに接続されたPC118からの操作信号を入力するための、インターフェース(I/F)データ受信処理を行う。
そして、ステップS100において、制御回路210は、上記ステップS20におけるキースキャン処理のスキャン結果に対応した、キー押下によるコマンド決定処理を実行する(詳細は後述の図6参照)。
その後、ステップS200において、制御回路210は、上記ステップS40におけるインターフェース(I/F)データ受信処理の結果に対応した、I/F受信データによるコマンド決定処理を実行する(詳細は後述の図7参照)。
その後、ステップS300において、制御回路210は、上記ステップS30におけるリモコンデータ受信処理の結果に対応した、リモコン操作によるコマンド決定処理を実行する(詳細は後述の図8参照)。
そして、ステップS400において、制御回路210は、上記ステップS100、若しくはステップS200、若しくはステップS300における処理結果に基づき、それらのいずれかによって決定されたコマンドの内容に対応したコマンド実行処理を実行する(詳細は後述の図9参照)。
その後、ステップS50において、制御回路210は、印字ラベル作成装置1の装置電源がOFFされているかどうかを判定する。電源がOFFされていればステップS50の判定が満たされ、このフローを終了する。装置電源がオンONのままであればステップS50の判定が満たされず、ステップS20に戻って同様の手順を繰り返す。
上記ステップS100の詳細手順を図6により説明する。
図6において、まずステップS110において、制御回路210は、既に別の処理(ステップS200のインターフェース受信データによるコマンド決定処理、又は、ステップS300のリモコン操作によるコマンド決定処理)において、要求コマンドが決定されているかどうかを判断する。別の処理で要求コマンドが決定されていればステップS110の判定が満たされ、このルーチンを終了する。別の処理で要求コマンドが決定されていない場合にはステップS110の判定が満たされず、ステップS120に移る。
ステップS120では、制御回路210は、例えば適宜のキー4A〜4I(無効化指示手段)を介してキー入力部4へのキー操作を無効とするキーロックが設定されているかどうかを判定する。キーロックが設定されている場合はステップS120の判定が満たされ、このルーチンを終了する。キーロックが設定されていない場合はステップS120の判定が満たされず、ステップS130に移る。なお、ステップS120は、各請求項記載の禁止制御手段として機能する。
ステップS130では、制御回路210は、現在の状況、及びキー入力部4のうちいずれのキー4A〜4Iが操作されたかに基づき、コマンドテーブルの検索を行い、実行すべき要求コマンドを特定するコマンドテーブル検索処理を実行する。ステップS140では、制御回路210は、上記ステップS130での検索結果に基づき、要求コマンドを設定した後、このルーチンを終了する。
ここで、上記コマンドテーブルは、各キー4A〜4Iの操作と要求コマンドの種類との対応関係が定義されることで、各キーに割り当てる機能を設定しているものである。この機能の割り当ては、変更することもできる。この割り当ての中には、印字ラベルLの作成指示機能も含まれており、当該機能を割り当てられたいずれかのキー4A〜4Iが、各請求項記載の作成指示手段として機能する。すなわち、印字ラベルLは、リモコン10の遠隔操作により作成可能であるとともに、上記キー4A〜4Iへの操作によっても作成可能である。そして、上記のキーロックは、当該作成指示手段としてのキー4A〜4Iの機能を喪失させるものである。このキーロックが設定されている場合には、印字ラベルLの作成はリモコン10による遠隔操作に限定される。これにより、例えば、操作者が印字ラベル作成装置1から離れた位置にいるとき、印字ラベル作成装置1の近傍の第三者等によって不用意若しくは誤った印字ラベルLの作成が行われるのを効果的に防止することができる。
上記ステップS200の詳細手順を図7により説明する。
まずステップS210において、制御回路210は、既に別の処理(ステップS100のキー押下によるコマンド決定処理、又は、ステップS300のリモコン操作によるコマンド決定処理)において、要求コマンドが決定されているかどうかを判定する。別の処理で要求コマンドが決定されていればステップS210の判定が満たされ、このルーチンを終了する。別の処理で要求コマンドが決定されていない場合にはステップS210の判定が満たされず、ステップS220に移る。
ステップS220では、制御回路210は、上記ステップS40でのI/Fデータ受信処理結果に基づき、通信回路211Bを介してPC118から操作信号が入力されたかどうかを判定する。操作信号がPC118より入力されていなければステップS220の判定が満たされず、このルーチンを終了する。操作信号がPC118より入力されている場合はステップS220の判定が満たされ、ステップS230に移る。
ステップS230では、制御回路210は、上記ステップS220で確認した操作信号に基づき、上記コマンドテーブルの検索を行い、設定すべき要求コマンドを決定する。すなわち、コマンドテーブルには、前述と同様、PC118からの操作信号と要求コマンドの種類との対応関係も定義されており、ステップS230でコマンドテーブルを参照することによりPC118の操作に対して設定すべき要求コマンドを特定することができる。
その後、ステップS240で、制御回路210は、上記ステップS230での検索結果に基づき、設定すべき要求コマンドを設定した後、このルーチンを終了する。
上記ステップS300の詳細手順を図8により説明する。
まずステップS310において、制御回路210は、既に別の処理(ステップS100のキー押下によるコマンド決定処理、又は、ステップS200のインターフェース受信データによるコマンド決定処理)において、要求コマンドが決定されているかどうかを判断する。別の処理で要求コマンドが決定されていればステップS310の判定が満たされ、このルーチンを終了する。別の処理で要求コマンドが決定されていない場合にはステップS310の判定が満たされず、ステップS320に移る。
ステップS320において、制御回路210は、上記ステップS30でのリモコンデータ受信処理の実行結果に基づき、リモコン10からラベル作成指示信号を赤外線受信部28が受信したかどうか、つまりリモコン10の適宜のボタンによる遠隔操作があったかどうか、を判定する。このステップS320が、各請求項記載の第1判定手段として機能する。ラベル作成指示信号を受信していなければステップS320の判定が満たされず、このルーチンを終了する。ラベル作成指示信号を受信していればステップS320の判定が満たされ、ステップS330に移る。
ステップS330では、制御回路210は、ラベル作成コマンドを要求コマンドに設定し、このルーチンを終了する。
上記ステップS400の詳細手順を図9により説明する。
まずステップS410において、制御回路210は、上記ステップS100のキー押し下げによるコマンド決定処理、ステップS200のインターフェース受信データによるコマンド決定処理、及びステップS300のリモコン操作によるコマンド決定処理のいずれかにおいて、要求コマンドが既に決定されているかどうかを判断する。要求コマンドが決定されていなければステップS410の判定が満たされず、このルーチンを終了する。いずれかの処理で要求コマンドが決定されていた場合にはステップS410の判定が満たされ、ステップS415に移る。
ステップS415では、制御回路210は、要求コマンドがラベル作成コマンドであるかどうかを判定する。要求コマンドがラベル作成コマンドであった場合、判定が満たされてステップS500に移る。ステップS500では、制御回路210は、印字ラベルLを作成するラベル作成処理を実行し、このルーチンを終了する。一方、ステップS415において、要求コマンドがラベル作成コマンドでなかった場合、判定が満たされずステップS420に移る。ステップS420では、制御回路210は、要求コマンドに対応するために、その要求コマンドで要求されたコマンド処理を実行する。その後、このルーチンを終了する。
上記ステップS500の詳細手順を図10により説明する。
まずステップS510において、制御回路210は、例えば上記ROMやRAMに予め記憶されている、上記定型印字R1,R2,R3,R4,R5,R6をサーマルヘッド31で印字するための定型印字情報(テンプレート)を読み込み、その定型印字情報に対応した印字データを生成する。
図11に、上記テンプレートの例を示す。図11(a)は、上記図4(a)に示した印字ラベルLを作成するためのテンプレートTPを示している。図示のように、このテンプレートTPでは、「からあげ弁当」の定型印字R1、「調理時刻」の定型印字R2、「賞味期限」の定型印字R3、「AAA店」の定型印字R4、枠線の定型印字R5,R6が固定的に設定されている。
図11(b)は、上記図4(b)に示した印字ラベルLを作成するためのテンプレートTPを示している。上記同様、このテンプレートTPでは、「フライドポテト」の定型印字R1、「調理時刻」の定型印字R2、「賞味期限」の定型印字R3、「AAA店」の定型印字R4、枠線の定型印字R5,R6が固定的に設定されている。
図11(c)は、上記図4(c)に示した印字ラベルLを作成するためのテンプレートTPを示している。このテンプレートTPでは、「調理時刻」の定型印字R2、「賞味期限」の定型印字R3、「AAA店」の定型印字R4、枠線の定型印字R5,R6が固定的に設定されている。
なお、図11(a)〜(c)に示したように複数種類のテンプレートTPが用意されている場合、印字ラベルLの作成時にどのテンプレートTPを用いて作成を行うかは、印字ラベル作成装置1の個体ごとに固定的に決まっていてもよい。あるいは、操作者が適宜のキー4A〜4Iを操作することで所望のテンプレートTPを選択可能としてもよい。リモコン10の操作によってテンプレートTPの選択を可能とする変形例については、後述する。なお、テンプレートTPは、例えばPC118より通信回線NWを介して印字ラベル作成装置1が予め取得する。
図10に戻り、ステップS520において、制御回路210は、タイマ201から現在時刻情報を取得し、取得した現在時刻情報に対応した可変印字領域T1の印字データを生成する。このステップS520が、各請求項記載の第1情報取得手段として機能する。
そして、ステップS530において、制御回路210は、ステップS520で取得した現在時刻情報を用いて管理用時刻情報(図4(a)〜(c)の例では賞味期限時刻)を算出し、算出した管理用時刻情報に対応した可変印字領域T2の印字データを生成する。このステップS530が、各請求項記載の算出手段として機能する。なお、この算出で用いる現在時刻情報と管理用時刻情報とのオフセット時間幅は、操作者が適宜の値に設定することができる。すなわち、操作者は、キー入力部4の適宜のキー4A〜4Iを操作して値を設定入力したり増減したりして、数値を液晶ディスプレイ27で表示させつつ、オフセット時間幅を設定することができる。このときの上記適宜のキー4A〜4Iが各請求項記載のオフセット設定手段として機能し、液晶ディスプレイ27が各請求項記載のオフセット表示手段として機能する。
その後、ステップS540において、制御回路210は、プラテンローラ駆動回路209に制御信号を出力する。これにより、プラテンローラ用モータ208がプラテンローラ26を駆動し、ラベル用テープ30Aの搬送を開始する。
そして、ステップS550において、制御回路210は、上記ステップS510、ステップS520、及びステップS530で生成された印字データに応じた制御信号を印刷駆動回路205に出力する。これにより、サーマルヘッド31がラベル用テープ30Aに対し、上記印字データに対応した印字を開始する。
その後、ステップS560で、制御回路210は、ラベル用テープ30Aへの印字が完了するのを待つ。印字完了が確認されるとステップS560からステップS570へ移る。
ステップS570では、制御回路210は、ラベル用テープ30Aが所定の切断位置に達したかどうか、すなわち、例えば、サーマルヘッド31による印刷の範囲の末端部が、カッターユニット40の固定刃41から所定の長さ分、搬送されたかどうかを判定する。この判定は、例えば、上記ラベル用テープ30Aに設けた適宜の識別用マークを、上記センサ239で検出することにより行えば足りる。あるいは、ある基準位置からの搬送距離を所定の公知の方法(ステッピングモータであるプラテンローラ用モータ208を駆動するプラテンローラ駆動回路209の出力するパルス数をカウントする等)で検出するようにしてもよい。判定が満たされたら、ステップS580に移る。
ステップS580では、制御回路210は、例えばプラテンローラ駆動回路209への制御信号の出力を停止する。これにより、プラテンローラ26の回転が停止し、ラベル用テープ30Aの搬送が停止する。
そしてステップS590において、制御回路210は、切断用駆動回路に制御信号を出力する。これにより、上記アクチュエータがカッターユニット40の可動刃41Aを駆動し、可動刃41Aがラベル用テープ30Aを切断する。その後、このルーチンを終了する。なお、上記ステップS540、ステップS550、ステップS560、ステップS570、ステップS580、及びステップS590が、各請求項記載の第1制御手段として機能するとともに、第2制御手段としても機能する。
以上説明したように、本実施形態の印字ラベル作成装置1においては、リモコン10からの赤外線による遠隔操作で、印字ラベルLが作成される。すなわち、操作者がリモコン10を操作することで、リモコン10からラベル作成指示信号が送信される。送信されたラベル作成指示信号が赤外線受信部28により受信されると、図8のステップS320の判定が満たされることで図10のフローが実行され、ステップS520でタイマ201による現在時刻情報が取得される。そして、ステップS540〜ステップS590での制御により、上記ステップS520で取得された現在時刻情報が可変印字領域T1に印字された印字ラベルLが作成される。この結果、操作者がラベルの作成を意図した瞬間の時刻を遠隔操作にてリアルタイムで印字して、印字ラベルLを作成することができる。これにより、操作者が印字ラベル作成装置1から離れた位置において所定の作業をしているときに、その位置から印字ラベル作成装置1の設置箇所まで操作者が赴く時間をロスすることなく、当該所定の作業の作業時刻を正確に印字し印字ラベルLを作成することができる。
上記リアルタイム印字機能が非常に有効である作業の一例としては、操作者がお惣菜や弁当などの精密な時間管理が求められる食料品の製造作業、すなわち調理作業に従事している場合がある。すなわち、食料品を製造する場所では、調理の際に油や水を使うことが多く、それら油や水は印字ラベル作成装置1の外側を汚すだけでなく、内部へ進入して故障の原因となる場合もある。また、印字ラベル作成装置1は電気製品であり電流が流れる部品や発熱する部品が含まれ、油から遠ざける必要がある。以上により、印字ラベル作成装置1は、特に、調理をする場所及びその近くに置くのは望ましくない。
しかしながら、調理をする場所から離れた所に印字ラベル作成装置1を設置すると、調理をする場所と印字ラベル作成装置1の設置箇所間の移動のために要する時間が長くなる。したがって、印字ラベル作成装置1を直接操作して印字ラベルを作成する手法では、正確な調理時間を印字ラベルLに必ずしも印字できなくなる。言い換えれば、印字ラベルLに印字される調理時刻を実際の調理時刻よりも遅い時刻とさせてしまう可能性がある。
そこで、本実施形態の印字ラベル作成装置1を用いることで、操作者は、リモコン10による遠隔操作により、食料品を調理し終わった瞬間の時刻をリアルタイムで印字し、印字ラベルLを作成することができる。このため、製造された食料品の調理時刻を正確に印字ラベルLに記録できる。当該印字ラベルLは食料品に添付して調理時刻を購入客に表示してもよいし、前述のように陳列棚に添付して調理時刻を店員に表示するようにしてもよい。
また、本実施形態では特に、操作者の作業時刻を表す現在時刻情報に加え、現在時刻情報から所定の時間幅だけオフセットした管理用時刻情報も併せて印字ラベルLに印字することができる。操作者が上記食料品の調理作業に従事している場合には、食料品の製造時刻から所定の時間幅でオフセットして定義される、賞味期限時刻、廃棄期限時刻、品質保証期限時刻等を、正確に印字ラベルLに記録することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られず、技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。なお、各変形例において、上記実施形態と同等の部分や同等の手順には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
(1)テンプレート種類をリモコン操作で選択可能とした場合
本変形例では、図12に示すように、リモコン11に備えられた複数のボタン12に対し、テンプレート種類の選択機能が設けられている。この例では、3つのボタン12に対し、それぞれ「1」ボタン、「2」ボタン、「3」ボタンのように3つの番号が割り振られており、操作者がどのボタンを押したかによって、3種類用意されたテンプレートのうちどのテンプレートを用いるかが選択される。本変形例では、先に図11(a)、図11(b)、図11(c)に示した3つのテンプレートを用いる場合を例に取っている。すなわち、操作者が「1」ボタンを押したときは図11(a)に示したテンプレートTPにより、先に図4(a)に示した印字ラベルLが作成され、操作者が「2」ボタンを押したときは図11(b)に示したテンプレートTPにより図4(b)に示した印字ラベルLが作成され、操作者が「3」ボタンを押したときは図11(c)に示したテンプレートTPにより図4(c)に示した印字ラベルLが作成される。すなわち、「1」ボタン、「2」ボタン、「3」ボタンは、印字ラベル作成指示信号とテンプレートの選択指示信号との両方の機能を兼ね備えた信号を、ワンアクションで送信できるボタンである。なお、このような複数のボタン12を個別に用いた選択に限られず、例えば適宜の1つのボタン12を押すごとに、図11(a)に示したテンプレートTP→図11(b)に示したテンプレートTP→図11(c)に示したテンプレートTP→図11(a)に示したテンプレートTP→・・のように、ラベル作成に使用するテンプレートが順送りに選択されるようにしてもよい。
本変形例の印字ラベル作成装置1の制御回路210が実行する制御のうち、上記実施形態における制御と異なるのは、先に図8に示したステップS300の詳細手順である。この本変形例で実行されるステップS300の詳細手順を図13により説明する。
図13において、本変形例の制御手順が図8と異なる点は、ステップS320とステップS330との間に、ステップS322、ステップS325A〜ステップS325Cを設けたことである。
すなわち、ステップS310において別の処理で要求コマンドが決定されておらずステップS320に移った後、リモコン10の適宜のボタンによる遠隔操作により赤外線受信部28がリモコン10からの指示信号(前述したようにラベル作成指示信号とテンプレートの選択信号とを兼ねている)を受信した場合は、ステップS320の判定が満たされ、新たに設けたステップS322に移る。
ステップS322では、制御回路210は、赤外線受信部28が受信した信号に基づき、操作者がリモコン10の「1」「2」「3」の上記3つのボタン12のうち、どのボタン12を押したかを判定する。すなわち、リモコン10からの上記指示信号には、どのボタン12の操作であるかの識別情報が予め含まれている。ステップS322では、この識別情報に基づき制御回路210が判定を行う。なお、上記ステップS320及びステップS322が、各請求項記載の第2判定手段として機能する。
操作者が「1」ボタンを操作していた場合、ステップS325Aへ移り、制御回路210は、印字ラベルLの作成に使用するテンプレートを、図11(a)に示したテンプレート(以下適宜、「テンプレートA」と称する)に設定する。操作者が「2」ボタンを操作していた場合、ステップS325Bへ移り、制御回路210は、印字ラベルLの作成に使用するテンプレートを、図11(b)に示したテンプレート(以下適宜、「テンプレートB」と称する)に設定する。操作者が「3」ボタンを操作していた場合、ステップS325Cへ移り、制御回路210は、印字ラベルLの作成に使用するテンプレートを、図11(c)に示したテンプレート(以下適宜、「テンプレートA」と称する)に設定する。これらステップS325A〜ステップS325Cでのテンプレートの設定により、この後で実行されるラベル作成処理(図9及び図10参照)において、当該設定に対応したテンプレートがステップS510で読み込まれ、ステップS550で当該テンプレートを用いた印字が実行されることとなる。この場合のステップS510は、各請求項記載の第2情報取得手段として機能する。
本変形例では、図14に示すように、制御回路210内にテンプレートメモリ212(第1記憶手段)が設けられている。このテンプレートメモリ212内に、上記3つのテンプレートA〜Cが記憶されており、上記ステップS510では、いずれかのテンプレートA〜Cがテンプレートメモリ212から読み込まれて使用される。
図13に戻り、上記ステップS325A〜ステップS325Cが終了したら、上記実施形態と同様のステップS330へ移り、ラベル作成コマンドを要求コマンドに設定する。
上記以外の制御内容は上記実施形態と同様であるので、説明を省略する。
以上説明したように、本変形例においては、テンプレートメモリ212に、テンプレートA、テンプレートB、テンプレートCの3種類のテンプレートが記憶されている。すなわち、操作者の用途等に応じて複数種類(この例では3種類)のテンプレートA〜Cを使い分けることで操作者が3種類の態様の印字ラベルLを選択的に作成可能なように、配慮されている。そして、操作者がリモコン10の3つのボタン12、すなわち「1」ボタン、「2」ボタン、「3」ボタンのいずれかを押すことで該3種類のテンプレートA〜Cのどれを用いるかを選択することで、押したボタンに対応した指示信号がリモコン10から赤外線受信部28へと送信される。これにより、上記操作者の選択内容に対応したテンプレートA〜Cがテンプレートメモリ212から取得され、そのテンプレートに対応した定型印字R1〜R5が印字されるとともに現在時刻情報が可変印字領域T1に印字された印字ラベルLが、作成される。以上の結果、本変形例によれば、用途等に応じて操作者が選択した態様の印字ラベルLを、遠隔操作にて切り替えつつ作成することができる。したがって、さらに利便性を高めることができる。
(2)複数枚の印字ラベルを一括作成可能とした場合
本変形例では、印字ラベル作成装置1に2つのモードが備えられる。1つのモードは、上記実施形態と同様、リモコン10からのラベル作成指示信号が受信される都度、1枚の印字ラベルLを作成する個別作成モードである。またもう1つのモードは、ラベル作成指示信号を受信する都度、1枚の印字ラベルLを作成可能な印字データを蓄積しておき、印字ラベル作成装置1で所定の操作があったときに、蓄積された印字データにより複数枚の印字ラベルLを一括して作成する一括作成モードである。操作者は、印字ラベル作成装置1のキー入力部4における適宜のキー4A〜4Iを操作することにより、上記個別作成モード及び一括作成モードのいずれかを選択することができる。なお、このモード選択を操作者がリモコン10において選択し、対応する選択指示信号が赤外線受信部28へと送信されるようにしてもよい。
本変形例の印字ラベル作成装置1の制御回路210が実行する制御では、先に示したステップS100、ステップS300、ステップS400、ステップS500の詳細手順が、それぞれ上記実施形態における制御と異なる。
本変形例で実行されるステップS100の詳細手順を図15に示す。図15において、本変形例の制御手順が上記実施形態の図6と異なる主な点は、新たにステップS132、ステップS134、ステップS136を設けたことである。
図15において、上記図6と同様のステップS110及びステップS120が実行された後、ステップS130で、制御回路210はコマンドテーブル検索処理を行う。前述したように、コマンドテーブルは、各キー4A〜4Iの操作と要求コマンドの種類との対応関係が定義され、各キーに割り当てる機能が設定されている。本変形例では、上記のようにいずれかのキー4A〜4Iにモード切替機能が割り当てられており、操作者により当該キーが操作されていた場合には、このステップS130でのコマンドテーブル検索処理によって、コマンドがモード切替コマンドに設定される。
上記ステップS130が終了すると、新たに設けたステップS132へ移る。ステップS132では、制御回路210は、ステップS130でのコマンドテーブル検索処理により検索したコマンドがモード切替コマンドであるかどうかを判定する。操作者がモード切替以外のキー4A〜4I(ラベル作成指示のためのキーを含む)を操作していた場合にはステップS132の判定が満たされず、上記実施形態と同様のステップS140へ移る。ステップS140では、制御回路210は、上記実施形態と同様、上記ステップS130で検索できたコマンド(ラベル作成コマンドを含む)を要求コマンドに設定した後、このルーチンを終了する。
一方、操作者がモード切替のキー4A〜4Iを操作していた場合にはステップS132の判定が満たされ、新たに設けたステップS134へ移る。
ステップS134では、制御回路210は、操作者が、モード切替を実行するキー4A〜4Iによって、上記個別作成モード及び上記一括作成モードのうち、一括作成モードを選択していたかどうかを判定する。個別作成モードが選択されていた場合にはステップS134の判定が満たされず、ステップS138で制御回路210はフラグFを個別作成モードが選択されていることを表す0にし、このルーチンを終了する。一括作成モードが選択されていた場合にはステップS134の判定が満たされ、ステップS136へ移る。ステップS136では、制御回路210は、一括作成モードが選択されていることを表すフラグFを1にし、このルーチンを終了する。なお、本変形例では、先に示した図5のフローのステップS10での各種初期化処理において、上記フラグFが0に初期化される。また、上記ステップS134が、各請求項記載のモード切替手段として機能する。
以上の図15に示すフローにより、操作者のキー操作により一括作成モードが選択されている場合のみ、フラグFが1に設定される。
本変形例で実行されるステップS300の詳細手順を図16に示す。図16において、本変形例の制御手順が上記実施形態の図8と異なる主な点は、新たにステップS325、ステップS335を設けたことである。
図16において、図8と同様のステップS320においてリモコン10からの遠隔操作があった場合には判定が満たされ、新たに設けたステップS325へ移る。ステップS325では、制御回路210は、上記フラグFが1であるかどうかを判定する。フラグFが0であった場合にはステップS325の判定が満たされず上記図8と同様のステップS330に移り、制御回路210は、ラベル作成コマンドを要求コマンドに設定し、このルーチンを終了する。
一方、ステップS325において、フラグFが1であった場合には判定が満たされてステップS335に移る。ステップS335では、制御回路210は、データ蓄積コマンドを要求コマンドに設定し、このルーチンを終了する。このデータ蓄積コマンドは、印字ラベルLを作成するために生成された印字データを、複数枚分記憶し蓄積するためのコマンドである。このコマンドに対応して、図17に示すように、本変形例では、制御回路210に印字データを蓄積するためのデータメモリ213(第2記憶手段)が設けられている。
図16に戻り、上記ステップS335が完了すると、このルーチンを終了する。
以上の図16に示すフローにより、リモコン10からラベル作成指示信号が受信された場合でも、一括作成モードが選択されている場合には、要求コマンドは「ラベル作成コマンド」ではなく「データ蓄積コマンド」に設定される。
本変形例で実行されるステップS400の詳細手順を図18に示す。図18において、本変形例の制御手順が上記実施形態の図9と異なる主な点は、新たにステップS417、ステップS600を設けたことである。
図18において、制御回路210は、上記図9と同様のステップS415において、要求コマンドがラベル作成コマンドであるかどうかを判定する。要求コマンドがラベル作成コマンドであった場合、ステップS415の判定が満たされて上記実施形態と同様にステップS500へ移り、ステップS500を完了した後にこのルーチンを終了する。
一方、要求コマンドがラベル作成コマンドではなかった場合、ステップS415の判定が満たされず、新たに設けたステップS417へ移る。ステップS417では、制御回路210は、要求コマンドがデータ蓄積コマンドであるかどうか、言い換えれば一括作成モードが選択されているかどうかを判定する。個別作成モードが選択されていて要求コマンドがデータ蓄積コマンド以外のコマンドである場合にはステップS417の判定が満たされず、上記実施形態と同様のステップS420へ移る。一方一括作成モードが選択され要求コマンドがデータ蓄積コマンドであった場合にはステップS417の判定が満たされ、ステップS600へ移る。
ステップS600では、制御回路210は、印字データの蓄積処理(詳細は後述の図19参照)を行う。その後、このルーチンを終了する。
以上の図18に示すフローにより、要求コマンドがラベル作成コマンドの場合はラベル作成処理が実行され、要求コマンドがデータ蓄積コマンドの場合はデータ蓄積処理が実行され、要求コマンドがラベル作成コマンド及びデータ蓄積コマンド以外の場合は、当該コマンドに対応した処理が実行される。
上記ステップS600の詳細手順を図19により説明する。
図19において、制御回路210は、まずステップS610で、上記実施形態のステップS510(図10参照)と同様、例えば上記ROMやRAMに予め記憶されている、上記定型印字R1,R2,R3,R4,R5,R6をサーマルヘッド31で印字するための定型印字情報(テンプレート)を読み込み、その定型印字情報に対応した印字データを生成する。
その後、ステップS620に移り、制御回路210は、上記実施形態のステップS520と同様、タイマ201から現在時刻情報を取得し、取得した現在時刻情報に対応した可変印字領域T1の印字データを生成する。
そして、ステップS630において、制御回路210は、上記実施形態のステップS530と同様、ステップS620で取得した現在時刻情報を用いて管理用時刻情報を算出し、算出した管理用時刻情報に対応した可変印字領域T2の印字データを生成する。なお、前述と同様、この算出で用いる現在時刻情報と管理用時刻情報とのオフセット時間幅は、操作者が適宜の値に設定することができる。
その後、ステップS640に移り、制御回路210は、上記ステップS610〜ステップS630により生成した、定型印字R1,R2,R3,R4,R5,R6を印字するための印字データと、可変印字領域T1,T2の印字データとを、上記のデータメモリ213へ格納し、このルーチンを終了する。
以上の図19に示すフローにより、サーマルヘッド31により1枚の印字ラベルLを印刷するための印字データが、データメモリ213へ記憶される。
本変形例で実行されるステップS500の詳細手順を図20に示す。図20において、本変形例の制御手順が上記実施形態の図10と異なる主な点は、新たにステップS505、ステップS507、ステップS595を設けたことである。
図20において、まずステップS505において、制御回路210は、上記フラグFが1であるかどうか、すなわち一括作成モードが選択されているかどうかを判定する。一括作成モードが選択されフラグFが1であった場合には判定が満たされ、ステップS507に移る。ステップS507では、制御回路210は、データメモリ213に既に記憶され蓄積されている複数枚の印字ラベルL用の印字データが読み込む。その後、上記実施形態と同様のステップS540へ移る。
一方ステップS505において、個別作成モードが選択されていてフラグFが0であった場合には判定が満たされず、上記実施形態と同様のステップS510、ステップS520、ステップS530を実行した後、ステップS540へ移る。
ステップS540、及び、それ以降のステップS550〜ステップS590は、上記実施形態と同様である。すなわち、ステップS540でラベル用テープ30Aの搬送が開始され、ステップS550で、サーマルヘッド31により上記ステップS507で読み込んだ印字データ、若しくは、ステップS510〜ステップS530により生成された印字データの、印字が開始される。ステップS560及びステップS570で印字完了と切断位置への到達が確認された後、ステップS580でラベル用テープ30Aの搬送が停止され、ステップS590でテープ切断が行われる。
上記ステップS590が完了したら、新たに設けたステップS595に移る。ステップS595では、制御回路210は、着手しているすべての枚数の印字ラベルLの作成が完了したかどうかを判定する。個別作成モードが選択されている場合(F=0の場合)には、作成着手している印字ラベルLの枚数は1枚であり、ステップS510、ステップS520、ステップS530、ステップS540、ステップS550、ステップS560、ステップS570、ステップS580、ステップS590を経ることで当該1枚の印字ラベルLの作成は完了するため、ステップS595の判定が満たされ、このルーチンを終了する。
一方、一括作成モードが選択されている場合には、ステップS507で一括して読み込んだ複数枚分の印字データを用いて当該複数枚分のすべての印字ラベルLの作成が完了していれば、ステップS595の判定が満たされてこのルーチンを終了する。当該複数枚分のすべての印字ラベルLの作成はまだ完了していなければ、ステップS595の判定が満たされず、ステップS540に戻り、当該複数枚分の印字ラベルLの作成が完了するまで、ステップS540〜ステップS595の手順を繰り返した後、このルーチンを終了する。なお、この繰り返しの間の、ステップS540〜ステップS590が、各請求項記載の第3制御手段として機能する。
以上の図20に示すフローにより、一括作成モードが選択されている場合には、ラベル作成処理において複数枚分の印字データが一括して読み込まれ、当該複数枚の印字ラベルLが一括して作成される。
以上のように、本変形例においては、一括作成モードに切り替えられた状態(フラグF=1)では、操作者がラベルの作成を意図してリモコン10を操作したとき、その操作した瞬間の現在時刻を含む印字ラベルLが当該操作時に作成されるのではなく、ステップS335(図16参照)でのデータ蓄積コマンドの設定により、当該印字ラベルLを作成するための印字データ(制御データ)がステップS600でデータメモリ213に記憶される(図18参照)。そして、複数回(あるいは1回でもよい)のリモコン10の操作に対応した印字データがデータメモリ213に記憶された後、操作者が適宜のキー14A〜14Iを用いて印字ラベル作成を指示すると、ステップS140(図15参照)において設定されたラベル作成コマンドに基づき、ステップS500(図18参照)のラベル作成処理が実行される。このラベル作成処理では、それまでにデータメモリ213に記憶されていた印字データに基づき(図20のステップS507参照)、対応する枚数(複数枚又は1枚)の印字ラベルLが一括して作成される(ステップS540〜ステップS595参照)。このように、操作者が印字ラベル作成装置1へ赴くまで印字ラベルLの作成(発行)を行わないようにすることで、印字ラベル作成装置1付近に人がいない無人状態で印字ラベルLが作成(発行)される場合に生じうる、印字ラベルLの紛失を確実に防止することができる。
また、仮に、何らかの理由によりラベル用テープ30Aの搬送不良等の不具合が生じた場合、上記無人状態では操作者がそのことに気が付かず、搬送不良が放置された状態でラベル作成が続行される結果、ラベル詰まりやテープ詰まり等が生じ、故障の原因となりうる。本変形例においては、上記のようにして無人状態におけるラベル発行を回避するので、上記不具合が発生した時点で印字ラベル作成装置1近傍にいる操作者が直ちに動作停止させる等の対応策をとることができる。したがって、故障の発生を防止することができる。
(3)その他
なお、以上においては、印字ラベルLを作成するときに操作者が従事する作業として食料品の製造作業等を想定した場合を例にとって説明したが、時間により管理する物品を取り扱う作業であれば、特に食料品関連の作業でなくとも良い。また、現在時刻情報と共に印字する管理用時刻情報としては、賞味期限や廃棄期限に代えて、例えば消費期限、品質保証期限等の他の情報としても良い。
なお、上記各図におけるフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。